JP2008280967A - 2パルスロケットモータ - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の2パルスロケットモータでは、第1推進薬及び第2推進薬がロケットモータの前後方向に配置されているため、第1推進薬の初期燃焼面積を確保するために性能を低下させてしまう可能性があることと、隔膜の破断性や残存性が不明瞭であり第2推進薬を想定通りに着火できない可能性があるという問題がある。
【解決手段】本発明の2パルスロケットモータは、圧力容器内に第2推進薬が第1推進薬の外周部に配置されており、第1推進薬の内周面が圧力容器の前後方向のほぼ全長に亘って露出されるため性能を低下させることなく初期燃焼面積を確保できることと、隔膜に接合或いは切れ込みを入れて脆弱部を設けることにより隔膜の破断位置と破断後の隔膜の挙動をコントロールできることと、第2推進薬の内周面と隔膜との間に第2推進薬よりも着火性がよく燃焼速度が速い点火薬を備えたことにより、隔膜の離反と第2推進薬の着火を補助することができる。
【選択図】図8

Description

本発明は、2段階の推力を任意のタイミングで発生可能な2パルスロケットモータに関するものである。
従来、図12、図13に図示のように、固体推進薬の二相モータとして、推進薬材料を解放する後方開口部を有する圧力容器100と、圧力容器100の後方部分に配置された第一のパルス爆薬粒(第1推進薬)101と、圧力容器100の前方部分に配置された第二のパルス爆薬粒(第2推進薬)102と、第一のパルス爆薬粒101と第二のパルス爆薬粒102とを仕切るバリヤ絶縁体(隔膜)103と、第一のパルス爆薬粒101及び第二のパルス爆薬粒102を選択的に発火させ得るように圧力容器100の前方部分内に配置された発火装置手段とを備え、発火装置手段が、第一のパルス爆薬粒101寄りの位置に配置された第一のパルス発火装置(点火装置)108と、第二のパルス爆薬粒102寄りの位置に配置された第二のパルス発火装置とを備え、第二のパルス発火装置が、発火装置チャンバを画成する円環状チャンバ104が配置された発火装置閉鎖体105と、第二のパルス爆薬粒を発火させる第二の発火装置爆薬粒106とを備え、発火装置閉鎖体105が、円環状チャンバ104から第二のパルス爆薬粒102までの経路を提供する少なくとも一つのノズルポート107を備えたものが提案されている(例えば、特許文献1。)。
また、図14、図15に図示のように、2段推力型ロケットモータとして、噴射ノズル113が後方に配設され、噴射ノズル113から前方に第1燃焼室110および第2燃焼室111がこの順序で直接または継ぎ手112を介して直列に結合する状態で配設され、第1燃焼室110内に前後に貫通する中空部を有する第1推進薬114、第2燃焼室111内に前後に貫通する中空部を有する第2推進薬115がそれぞれ配設され、第1推進薬114を選択的に発火させる位置の壁面に1個以上の貫通孔と、第1点火用筐体(点火装置)119の前方側端部に第1点火薬117を発火させる機構が取り付けられた第1封鎖体121とを有し、かつ第1点火薬117を内部に装填した第1点火用筐体119が第1燃焼室内の前後中心軸線上に配設され、第2推進薬115の中空部壁面を直接発火させる位置で壁面に1個以上の貫通孔と、第2点火用筐体120の前方側端部に第2点火薬118を発火させる機構が取り付けられた第2封鎖体122とを有し、かつ第2点火薬118を内部に装填した第2点火用筐体(点火装置)120が第2推進薬115の中空部に配設され、ロケットモータ胴部の円周全体で外周端部が固定され、第1点火用筐体119と第2点火用筐体120との間で内周端部が固定された隔膜116が第1推進薬114と第2推進薬115とを隔絶するように配設されてなるものが提案されている(例えば、特許文献2。)。
特許第3231778号公報 特開2005−171970号公報
一般に、2パルスロケットモータを搭載した飛しょう体の運用としては、1パルス目(第1推進薬の燃焼)で加速しターゲットに向かって飛しょうさせ、ターゲットに接近すると2パルス目(第2推進薬の燃焼)で再加速して終末誘導時の高機動性を確保する。
従って、遠方のターゲットを狙う場合は、1パルス目に使用される第1推進薬の量を増やし、燃焼時間、推力のいずれか、または両方を大きく設定する必要がある。
しかし、図12及び図14に図示のものでは、第1推進薬及び第2推進薬がロケットモータの前後方向に配置されており、また、ロケットモータの長さは搭載あるいは収納上の制限があるため、第1推進薬の推進薬長さが充分に取れない可能性がある。
推進薬長さが充分に取れないということは、図12及び図14に図示するような内面燃焼型の推進薬形状の場合、初期燃焼面積が小さくなり必要な初期推力が得られない可能性がある。
初期推力の向上化策としては、推進薬の内周面に複数条のスリットを切り、初期燃焼面積を確保することが考えられるが、この場合、スリットの部分の推進薬量が削られるため、総推力が減少し性能が悪くなることになる。
また、第1推進薬の推進薬長さを長くすると、ロケットモータの長さには制限があるため、第2推進薬の推進薬長さを短くする必要がある。その場合、第2推進薬の燃焼面積は小さくなり発生ガス量が少なくなるため、第1推進薬燃焼時に使用するノズルのスロート径(噴射孔の最小径)では第2推進薬燃焼時に必要な推力を得ることができない。
従って、第1推進薬燃焼時と第2推進薬燃焼時とでノズルのスロート径を変更できる可変機構を設ける必要があり、構造重量が増えることになる。
また、図12及び図14に図示するような第1推進薬及び第2推進薬が前後方向に配置されたロケットモータでは、隔膜が露出している部分があり、第1推進薬の燃焼初期から高温の燃焼ガスに曝されるため、第2推進薬の燃焼開始まで第2推進薬を耐熱保護するために隔膜の板厚を増加する必要があり、その分推進薬充填量が削られることになる。
さらに、点火装置も隔膜と同様に第1推進薬の燃焼初期から高温の燃焼ガスに曝されるため、第2推進薬の燃焼終了まで点火装置を耐熱保護する必要があり(脱落した場合、ノズルが塞がれる可能性がある)、構造重量が増える。
また、図12及び図14に図示するような隔膜及び隔膜の保持構造では、第2点火装置作動時の隔膜の破断性や残存性が不明瞭である。隔膜が想定外の部位で破断してしまった場合、残存する隔膜が第2推進薬から離反せずに燃焼面を塞ぐことになり、所定の燃焼面積を確保できない可能性がある。
さらに、隔膜が前方で破断した場合、隔膜の大部分が裏返しになり後方に離反することとなり、この場合、第2推進薬の燃焼あるいは燃焼ガスの流れが阻害されたり、場合によっては、破断した隔膜によりノズルが塞がれる可能性がある。特に長尺または小径の2パルスロケットモータにおいては、上記の不具合が顕著になる。
本発明は、上述の構成が有していた問題を解決しようとするものであり、
第1推進薬、第2推進薬及び第2点火装置の配置の工夫により、第1推進薬の総推力及び初期推力の確保、隔膜及び第2点火装置の耐熱保護による重量軽減が可能な2パルスロケットモータを提供することを目的とする。
また、隔膜の破断性及び残存性を考慮した隔膜及び隔膜の保持構造、さらに、第2推進薬の燃焼面の露出及び着火性を考慮した機構を備えることにより、第2推進薬の燃焼あるいは燃焼ガスの流れが阻害されることのない2パルスロケットモータを提供することを目的とする。
上記の問題点に対し本発明は、以下の各手段を以って課題の解決を図る。
第1の手段の2パルスロケットモータは、
圧力容器の内周面に装填された第2推進薬と、
前記第2推進薬の端面に配置された第2点火装置と、
前記第2推進薬の初期燃焼面全体と前記第2点火装置を覆う隔膜と、
初期燃焼面全体と前記第2点火装置を覆う前記隔膜の全体を覆うように装填された第1推進薬とを備え、
前記第1推進薬及び前記第2推進薬は、共に内面燃焼型または内端面燃焼型の推進薬形状であることを特徴とする。
第2の手段は、第1の手段の2パルスロケットモータにおいて、
前記隔膜は、前記第2推進薬の内周面を覆う内側隔膜と前記第2推進薬の後面を覆う後側隔膜とにより構成されると共に、
前記後側隔膜と前記内側隔膜が会合する端部は、全周囲に亘って接合されていることを特徴とする。
第3の手段は、第1の手段の2パルスロケットモータにおいて、
前記隔膜に切れ込みを入れたことを特徴とする。
第4の手段は、第1乃至3のいずれかの手段の2パルスロケットモータにおいて、
前記第2推進薬の後端面に第2点火装置を備えたことを特徴とする。
第5の手段は、第1乃至4のいずれかの手段の2パルスロケットモータにおいて、
前記第2推進薬の内周面に前記第2推進薬よりも着火性がよく、燃焼速度の速い点火薬を備えたことを特徴とする。
第6の手段は、第5の手段の2パルスロケットモータにおいて、
前記点火薬は、前記第2推進薬の内周面に形成された前後方向の複数条のスリット内に装填されていることを特徴とする。
特許請求の範囲に記載の各請求項に係る発明は、上記の各手段を採用しており、各々次の効果を奏する。
第1の手段の2パルスロケットモータによれば、第2推進薬が第1推進薬の外周部に配置されており、第1推進薬の内周面を圧力容器の前後方向のほぼ全長に亘って露出させることで1パルス目の初期燃焼面積を大きくすることができるため、第1推進薬の内周面に大きなスリットを設ける必要がなく、総推力の低下を避ける事が可能となる。
また、隔膜の全体を覆うように第1推進薬が配置されており、第1推進薬の燃焼前半において隔膜が耐熱保護されることにより、隔膜の板厚を薄くすることが可能となる。
また、第2推進薬が第1推進薬の外周部に配置されていることから、第2推進薬の燃焼面積が第1推進薬の燃焼面積よりも極端に小さくなることはなく、ノズルスロート径の可変機構が不要となる事から重量の抑制が可能となる。
また、第2点火装置は作動するまで隔膜により耐熱保護されており、且つ作動後は圧力容器の内部に残存する構成部品がないため耐熱保護が不要であることから、耐熱材の重量軽減が可能となる。
また、第2又は第3の手段の2パルスロケットモータによれば、隔膜を破断する際、破断させたい部分を脆弱化する目的で隔膜を2分割構造とし接合部を設ける或いは隔膜に切れ込みを設けていることから第2点火装置の作動または第2推進薬の燃焼による発生ガスの圧力で隔膜は想定した位置(脆弱部)で確実に破断する。
その後、隔膜の大部分を占める内側隔膜は離反する際、中心軸方向に向かって変形し、変形後の隔膜の保持部は第2推進薬の燃焼ガスによる流れが比較的緩やかな圧力容器前方部にあることから残存性に優れる。
また、破断後の後側隔膜はそれ自身が小さい事から離反する際、第2推進薬の燃焼ガスの流れに沿ってノズル側方向に自然に変形することから残存性に優れる。
このように、隔膜を想定した位置で破断させることで、離反後の隔膜の変形形状を残存性に優れる状態とし第2推進薬の燃焼ガスが隔膜により流れを阻害されることなく、ノズルの噴射孔から排出される。
また、第4の手段の2パルスロケットモータによれば、第2推進薬の後端面に第2点火装置が設けられているため、隔膜の脆弱部(接合部又は切れ込み)或いは隔膜の破断させたい部位をより確実に破断することが可能となる。
また、第5の手段の2パルスロケットモータによれば、第2推進薬の内周面と隔膜の間に第2推進薬よりも着火性がよく、燃焼速度の速い点火薬が配置されているため、第2点火装置の作動により点火薬が第2推進薬よりも早く着火、燃焼することで、内側隔膜或いは隔膜の内側の部分の離反(第2推進薬の燃焼面の露出)及び第2推進薬の着火を補助し、確実に第2推進薬を燃焼させることが可能となる。
また、点火薬の燃焼ガスにより2パルス目の圧力を素早く立ち上げる効果もある。
また、第6の手段の2パルスロケットモータによれば、第2推進薬の内周面の形状に合わせて点火薬を配置することで、第2推進薬の推進薬形状に自由度を持たせることが可能となる。
以下、本発明の各実施の形態に係る2パルスロケットモータにつき説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る2パルスロケットモータを示す縦断面図、図2は、図1のA−A矢視断面図である。
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る2パルスロケットモータを示す縦断面図、図4は、図3のB−B矢視断面図である。
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る2パルスロケットモータにおける第2推進薬5の燃焼時の隔膜10の変形状態を示す横断面図、図6は、図5の断面図であり、(a)はC−C矢視断面図、(b)はD−D矢視断面図である。
図7は、本発明の第3の実施の形態に係る2パルスロケットモータを示す縦断面図である。
図8は、本発明の第4の実施の形態に係る2パルスロケットモータを示す縦断面図、図9は、図8のE−E矢視断面図である。
図10は、本発明の第5の実施の形態に係る2パルスロケットモータを示す縦断面図、図11は、図10のF−F矢視断面図である。
(本発明の第1の実施の形態)
先ず、図1、図2に基づき、本発明の第1の実施の形態に係る2パルスロケットモータにつき説明する。
2パルスロケットモータは、第1推進薬4を燃焼し、その後、任意時間経過後に第2推進薬5を燃焼させて2段階の推力を発生させる。
従って、第2推進薬5は燃焼を開始するまでの間、第1推進薬4の燃焼により発生する高温燃焼ガスや高圧力に耐える必要がある。
また、第1推進薬4と第2推進薬5は、各々の配置及び推進薬形状を工夫することで、共通のノズル2を使用して様々なスラストパターンに対応できることが望ましい。
図1、図2に図示のように、円筒状の圧力容器1の後方には、燃焼ガスを排出するための中央に噴射孔12を有するノズル2が取り付けられている。
圧力容器1の前方には、鏡板3が取り付けられており、鏡板3の前方には、第1推進薬4を燃焼させるための第1点火装置6が取り付けられている。
圧力容器1の内側には、内部が中空の筒状(内面燃焼型または内端面燃焼型の推進薬形状)の第1推進薬4と第2推進薬5が装填されており、第2推進薬5は第1推進薬4の前方外周部に配置されている。
なお、第1推進薬4と第2推進薬5の形状は、中空の円筒状、外面及び/又は内面が多角形の中空の筒状、中空の円錐状等のものとすることができる。
そして、第1推進薬4と第2推進薬5は隔膜10により仕切られている。
隔膜10は、公知のごとく、その組成としてEPDMゴム、シリコーンゴム、ケブラ繊維などの無機繊維を含有するシリコーンゴムもしくはEPDMゴムなどの耐熱性に優れたゴムが適用可能である。
第2推進薬5の前端には、第2推進薬5を燃焼させるための第2点火装置8が設けられている。
第2点火装置8は、上記の構造のものに限定されるものではなく、例えば、図13(引用文献1)に図示の円管状チャンバ104、ノズルポート107等により構成されたものとしても良い。
また、第1推進薬4、隔膜10及び第2推進薬5の形状は、図1、図2に図示のものに限定されるものではなく、様々なスラストパターンに応じて推進薬形状や推進薬長さ等を適宜設定することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る2パルスロケットモータは、上記のごとく構成されており、外部からの信号により第1点火装置6が作動し、第1推進薬4が燃焼を開始する。
この時点では、隔膜10は高温の燃焼ガスに曝されていない。
そして、第1推進薬4が隔膜10の位置まで燃焼した時点で、隔膜10は高温の燃焼ガスに曝されることになる。
第1推進薬4の燃焼が終了し、任意時間経過後に、外部からの信号により第2点火装置8が作動し、第2推進薬5が燃焼を開始する。
なお、本発明の第1の実施の形態にかかる2パルスロケットモータによれば、第1推進薬4の内周面が圧力容器1の前後方向のほぼ全長に亘って燃焼領域11に露出しているため、初期燃焼面積が確保できており、第1推進薬4の内周面に大きなスリットを設ける必要はない。
また、第2推進薬5は第1推進薬4の外周部に配置されているため、第2推進薬5の燃焼面積が第1推進薬4の燃焼面積よりも極端に小さくなることはなく、第1推進薬4のノズル2と共有化できる。
また、第1推進薬4の外周部に第2推進薬5を配置し、その間に隔膜10を設けているため、隔膜10が高温の燃焼ガスに曝される時間を極力短くすることができ、隔膜10の耐熱保護が可能となる。
さらに、第2点火装置8は第2推進薬5と同様に隔膜10により耐熱保護されており、且つ、作動により焼失するため、耐熱保護は不要である。
なお、本発明における第2推進薬5の初期燃焼面とは、第2推進薬5が燃焼を開始したときに初期段階から燃焼する面、即ち、第2推進薬5の燃焼時に最初に燃焼領域11に暴露される面を意味し、図1に図示の例では、第2推進薬5の内側の円筒状の内周面及び後方のリング状の後面である。
(本発明の第2の実施の形態)
次に、図3〜図6に基づき、本発明の第2の実施の形態に係る2パルスロケットモータにつき説明する。
本発明の第2の実施の形態に係る2パルスロケットモータは、本発明の第1の実施の形態のものに対し、隔膜10を2分割構造にして脆弱部(接合部)が設けられている。
図3、図4に図示のように、第2推進薬5を覆う隔膜10は、第2推進薬5の後面に設けられた円錐台状の後側隔膜10a、第2推進薬5の内周面に設けられた筒状の内側隔膜10bにより構成されている。
そして、後側隔膜10aと内側隔膜10bが会合する端部は、全周囲に亘って耐火性の接着剤により接合されることで脆弱部となっており、その接合部は第1推進薬4の燃焼中は破断せず、第2点火装置8の作動または第2推進薬5の燃焼による発生ガスの圧力により確実に破断する。
その後、図5、図6に図示のように、隔膜10の大部分を占める内側隔膜10bは中央に向かって変形し、第2推進薬5の燃焼ガスによる流れが比較的緩やかな圧力容器前方部において保持される。また、後側隔膜10aの破断部は、燃焼ガスの流れに沿って後方にめくれるように変形する。
本発明の第2の実施の形態に係る2パルスロケットモータによれば、本発明の第1の実施の形態における作用効果に加えて、隔膜10(後側隔膜10a、内側隔膜10b)の破断性と残存性が明瞭で確実である。
なお、隔膜10を一体構造で製作し、破断させたい部位に切れ込みを設ける等も、2分割構造を接合する場合と同じ効果が得られる。
(本発明の第3の実施の形態)
次に、図7に基づき、本発明の第3の実施の形態に係る2パルスロケットモータにつき説明する。
本発明の第3の実施の形態に係る2パルスロケットモータは、本発明の第1〜第2の実施の形態のものに対し、隔膜10(後側隔膜10a、内側隔膜10b)の接合部に近い、第2推進薬5の後端面に第2点火装置8が設けられている。
本発明の第3の実施の形態に係る2パルスロケットモータによれば、本発明の第2の実施の形態における作用効果を補助し、隔膜10(後側隔膜10a、内側隔膜10b)の破断の確実性が高くなる。
(本発明の第4の実施の形態)
次に、図8、図9に基づき、本発明の第4の実施の形態に係る2パルスロケットモータにつき説明する。
本発明の第4の実施の形態に係る2パルスロケットモータは、本発明の第1〜第3の実施の形態のものに対し、第2推進薬5の内周面と内側隔膜10bとの間に第2推進薬5用の点火薬14を装填している。
図8、図9に図示のように、第2推進薬5の内周面と内側隔膜10bとの間には、円筒状の点火薬14が装填されている。
点火薬14は、第2推進薬5より、着火性がよく、燃焼速度が早いものを使用する。
本発明の第4の実施の形態に係る2パルスロケットモータは、上記のごとく構成されており、第2推進薬5を燃焼させるに当たり、外部からの信号により第2点火装置8を作動し、点火薬14を燃焼させて発生したガスにより、内側隔膜10bの離反及び第2推進薬5の着火を補助する。
本発明の第4の実施の形態に係る2パルスロケットモータによれば、本発明の第3の実施の形態における作用効果に加えて、点火薬14により第2推進薬5の燃焼面の露出及び着火の確実性が高くなる。
(本発明の第5の実施の形態)
次に、図10、図11に基づき、本発明の第5の実施の形態に係る2パルスロケットモータにつき説明する。
本発明の第5の実施の形態に係る2パルスロケットモータは、本発明の第4の実施の形態のものに対し、第2推進薬5用の点火薬14が周方向に分割して装填されている。
図10、図11に図示のように、第2推進薬5の外周面には、前後方向に複数条のスリット(溝)が形成され、その各スリットを埋めるように点火薬14が前後方向に装填されている。
本発明の第5の実施の形態に係る2パルスロケットモータは、上記のごとく構成されており、本発明の第4の実施の形態における作用効果に加えて、第2推進薬5の内周面の形状に合わせて点火薬14を配置することで、第2推進薬5の推進薬形状に自由度を持たせることが可能である。
(その他の実施の形態)
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明は上記の各実施の形態に限定されず、本発明の範囲内で種々の変更を加えてよいことは言うまでもない。
例えば、隔膜10において破断させたい箇所を確実に破断させるためには、上記の各実施の形態において記載したものも含めて整理すると次のような組合せが可能である。
(1)図3〜6に図示のごとく、第2点火装置8を第2推進薬5の前方に設け、隔膜10を後側隔膜10aと内側隔膜10bに分けて、後側隔膜10aと内側隔膜10bと会合する端部を、全周囲に亘って(接着剤等により)接合したもの。
(2)第2点火装置8を第2推進薬5の前方に設け、隔膜10の破断したい部分に切り込みをいれたもの。
(3)第2推進薬5の後端面に第2点火装置8を備えたもの。
(4)図7に図示のごとく、隔膜10を後側隔膜10aと内側隔膜10bに分けて、後側隔膜10aと内側隔膜10bと会合する端部を全周囲に亘って(接着剤等により)接合すると共に、第2推進薬5の後端面に第2点火装8置を備えたもの。
(5)隔膜10の破断したい部分に切り込みをいれると共に、第2推進薬5の後端面に第2点火装置8を備えたもの。
(6)第2点火装置8を第2推進薬5の前方に設け、第2推進薬5の内周面に第2推進薬5よりも着火性がよく、燃焼速度の速い点火薬14を備えたもの。
(7)隔膜10を後側隔膜10aと内側隔膜10bに分けて、後側隔膜10aと内側隔膜10bと会合する端部を全周囲に亘って(接着剤等により)接合すると共に、第2点火装置8を第2推進薬5の前方に設け、第2推進薬5の内周面に第2推進薬5よりも着火性がよく、燃焼速度の速い点火薬14を備えたもの。
(8)第2推進薬5の後端面に第2点火装置8を備え、第2推進薬5の内周面に第2推進薬5よりも着火性がよく、燃焼速度の速い点火薬14を備えたもの。
(9)図8、図9に図示のごとく、隔膜10を後側隔膜10aと内側隔膜10bに分けて、後側隔膜10aと内側隔膜10bと会合する端部を全周囲に亘って(接着剤等により)接合すると共に、第2推進薬5の後端面に第2点火装置8を備え、第2推進薬5の内周面に第2推進薬5よりも着火性がよく、燃焼速度の速い点火薬14を備えたもの。
(10)隔膜10の破断したい部分に切り込みをいれると共に、第2推進薬5の後端面に第2点火装置8を備え、第2推進薬5の内周面に第2推進薬5よりも着火性がよく、燃焼速度の速い点火薬14を備えたもの。
(11)第2点火装置8を第2推進薬5の前方に設け、点火薬14を第2推進薬5の内周面に形成された前後方向の複数条のスリット内に装填したもの。
(12)隔膜10を後側隔膜10aと内側隔膜10bに分けて、後側隔膜10aと内側隔膜10bと会合する端部を全周囲に亘って(接着剤等により)接合すると共に、第2点火装置8を第2推進薬5の前方に設け、点火薬14を第2推進薬5の内周面に形成された前後方向の複数条のスリット内に装填したもの。
(13)第2推進薬5の後端面に第2点火装置8を備え、点火薬14を第2推進薬5の内周面に形成された前後方向の複数条のスリット内に装填したもの。
(14)図10、図11に図示のごとく、隔膜10を後側隔膜10aと内側隔膜10bに分けて、後側隔膜10aと内側隔膜10bと会合する端部を全周囲に亘って(接着剤等により)接合すると共に、第2推進薬5の後端面に第2点火装置8を備え、点火薬14を第2推進薬5の内周面に形成された前後方向の複数条のスリット内に装填したもの。
(15)隔膜10の破断したい部分に切り込みをいれると共に、第2推進薬5の後端面に第2点火装置8を備え、点火薬14を第2推進薬5の内周面に形成された前後方向の複数条のスリット内に装填したもの。
本発明の第1の実施の形態に係る2パルスロケットモータを示す縦断面図である。 図1のA−A矢視断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る2パルスロケットモータを示す縦断面図である。 図3のB−B矢視断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る2パルスロケットモータにおける第2推進薬5の燃焼時の隔膜10の変形状態を示す横断面図である。 図5の断面図であり、(a)はC−C矢視断面図、(b)はD−D矢視断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る2パルスロケットモータを示す縦断面図である。 本発明の第4の実施の形態に係る2パルスロケットモータを示す縦断面図である。 図8のE−E矢視断面図である。 本発明の第5の実施の形態に係る2パルスロケットモータを示す縦断面図である。 図10のF−F矢視断面図である。 従来の2段推力型ロケットモータの構成図である。 同発火装置手段の詳細図である。 他の従来の2段推力型ロケットモータの構成図である。 同第1点火用筐体及び第2点火用筐体の詳細図である。
符号の説明
1 圧力容器
2 ノズル
3 鏡板
4 第1推進薬
5 第2推進薬
6 第1点火装置
8 第2点火装置
10 隔膜
10a 後側隔膜
10b 内側隔膜
11 燃焼領域
12 噴射孔
14 点火薬

Claims (6)

  1. 圧力容器の内周面に装填された第2推進薬と、
    前記第2推進薬の端面に配置された第2点火装置と、
    前記第2推進薬の初期燃焼面全体と前記第2点火装置を覆う隔膜と、
    初期燃焼面全体と前記第2点火装置を覆う前記隔膜の全体を覆うように装填された第1推進薬とを備え、
    前記第1推進薬及び前記第2推進薬は、共に内面燃焼型または内端面燃焼型の推進薬形状であることを特徴とする2パルスロケットモータ。
  2. 前記隔膜は、前記第2推進薬の内周面を覆う内側隔膜と前記第2推進薬の後面を覆う後側隔膜とにより構成されると共に、
    前記後側隔膜と前記内側隔膜が会合する端部は、全周囲に亘って接合されていることを特徴とする請求項1に記載の2パルスロケットモータ。
  3. 前記隔膜に切れ込みを設けたことを特徴とする請求項1に記載の2パルスロケットモータ。
  4. 前記第2推進薬の後端面に第2点火装置を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の2パルスロケットモータ。
  5. 前記第2推進薬の内周面に前記第2推進薬よりも着火性がよく、燃焼速度の速い点火薬を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の2パルスロケットモータ。
  6. 前記点火薬は、前記第2推進薬の内周面に形成された前後方向の複数条のスリット内に装填されていることを特徴とする請求項5に記載の2パルスロケットモータ。
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