JP2022003249A - 推進薬の製造方法および推進薬製造装置 - Google Patents

推進薬の製造方法および推進薬製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】より高性能なロケットモータを製造するための推進薬の製造方法および推進薬製造装置を提供する。【解決手段】推進薬51,52,53の製造方法は、点火時に燃焼が開始する第1表面と、燃焼を妨げる壁面で覆われた第2表面とを有する推進薬グレインを備える推進薬51,52,53の製造方法である。この製造方法は、第1燃焼速度を有する第1推進薬の一部を、第2表面に接する第1位置を含む第1空間に配置することと、第1燃焼速度より速い第2燃焼速度を有する第2推進薬の一部を、第1推進薬に接する第2位置を含む第2空間に配置することとを含む。この製造方法は、さらに、第2燃焼速度より速い第3燃焼速度を有する第3推進薬の一部を、第1表面に接する第3位置を含む第3空間に配置することを含む。この製造方法は、さらに、第1推進薬、第2推進薬および第3推進薬の全体を一度に完全硬化して推進薬グレインを生成すること含む。【選択図】図8C

Description

本発明は推進薬の製造方法および推進薬製造装置に関し、例えば、飛しょう体のロケットモータやガスジェネレータなどに用いる推進薬の製造方法および推進薬製造装置に好適に利用できるものである。
固体推進薬を用いるロケットモータやガスジェネレータを飛しょう体などに用いる場合がある。一般的に、固体推進薬は単一の推進薬で製造される。また、固体推進薬は、材料を混ぜた後に注型する方法で成形される。
ロケットモータやガスジェネレータは、圧力容器の中で推進薬を燃焼すると、燃焼ガスが発生し、この燃焼ガスをノズルから噴射することによって推進力を得ることができる。燃焼ガスによる燃焼圧力は、推進薬が燃焼する燃焼面の面積に応じて変化する。例えば、推進薬が単純な円筒形状であり、その内側壁面が燃焼する場合には、燃焼が進むにつれて燃焼面の面積が広がるため、燃焼圧力が上昇する。圧力容器には、燃焼圧力の最大値に耐える構造が必要である。したがって、燃焼圧力の最大値が大きければ大きいほど、圧力容器の質量は増加する。ロケットモータやガスジェネレータの性能を向上するためには、圧力容器の質量を抑制することが考えられる。
燃焼圧力の最大値を抑制することで、圧力容器の質量を抑制することができる。そのための手法として、推進薬の形状に、スロットや光芒などの空隙を設ける場合がある。この場合、スロットや光芒の表面が燃焼面となるので、単純な円筒形状の場合と比較して燃焼開始時の燃焼圧力が上がる。その後、燃焼が進むにつれてスロットや光芒の形状に応じて燃焼面の面積が変化するので、単純な円筒形状に比べ燃焼開始時と終了時の燃焼面積の差を小さくできる。その結果、単純な円筒形状の場合と比較して燃焼圧力の時間変化量を減らすことができる。その一方で、スロットや光芒の分だけロケットモータに搭載できる推進薬が減る。ロケットモータの性能を向上するために、より多くの推進薬を搭載することが考えられる。
上記に関連して、特許文献1(特許第6587231号)には、マルチパルスロケットモータが開示されている。このマルチパルスロケットモータは、圧力容器と、3個以上の中空筒形状の推進薬と、ノズルと、点火器と、隔膜部材と、を備える。ここで、推進薬は、圧力容器の内部にこの圧力容器の長手方向に沿って配列されている。ノズルは、圧力容器の後端に設けられている。点火器は、要求される複数回のタイミングで、要求される推力を発生させるために、圧力容器の内部において、この要求される推力の発生に応じた個数の推進薬の各々を点火する。隔膜部材は、圧力容器の内部において推進薬のうちの第1推進薬以外の推進薬の各々を隔離する。マルチパルスロケットモータは、隔膜部材が、この隔膜部材の一部にこの隔膜部材の他部よりも脆弱な脆弱部を有しており、脆弱部が、隔膜部材の全体に亘って配設されていることを特徴とする。
また、特許文献2(特許第6524083号)には、多層推進薬グレインを製造する方法が開示されている。この方法は、第1の推進薬製剤を提供するステップと、物質が内側を通って押し出される時に、外殻および中空の内部を有する構造を提供するよう構成された型を提供するステップとを含む。この方法は、さらに、第1の推進薬製剤を、型を通して押し出して、中空の内部を規定する外殻を有する第1の推進薬層を、複数の開口端部を有する通路の形状で製造するステップと、0から2000パスカル秒の押し出し時の粘性を有するような低粘性のゲル、液体、あるいは、ペーストであり、押し出し時の粘性が第1の推進薬製剤の押し出し時の粘性よりも低い第2の推進薬製剤を提供するステップとを含む。この方法は、さらに、通路内への注入の直後において低粘性のゲル、液体、あるいは、ペーストである第2の推進薬製剤を、第1の推進薬層によって規定される通路に注入して、通路内に配置される第2の推進薬層を形成するステップであって、第2の推進薬製剤の注入は、第1の推進薬製剤の押し出しとほぼ同時に行われるステップと、低粘性よりも、通路内の第2の推進薬層の流出を防ぐのに十分に大きな粘性を第2の推進薬層が得るように、注入するステップの後に第2の推進薬層を硬化させるステップと、を含む。ここで、第1および第2の推進薬層は、燃焼速度が異なる。
特許文献2には、推進薬を多層化する方法が開示されている。特許文献2の方式では、複数の推進薬を個別に硬化させた後に再度注型する。したがって、複数の推進薬の形状は段階的な層状になる。また、特許文献2の方法では、層の数を増やすたびに、材料の混和と、注型と、硬化とからなる一連の工程を繰り返す必要があり、製造コストがかさむ。また、最初の層は複数回硬化することになり、硬化の回数が増えれば推進薬の劣化が進んでしまう。さらに、燃焼圧力を平準化する観点では、各層の厚さを十分に薄くすることが困難であると考えられる。
特許第6587231号公報 特許第6524083号公報
以上の観点などから、より高性能なロケットモータやガスジェネレータを製造するための推進薬の製造方法および推進薬製造装置を提供する。その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
以下に、(発明を実施するための形態)で使用される番号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号は、(特許請求の範囲)の記載と(発明を実施するための形態)との対応関係を明らかにするために付加されたものである。ただし、それらの番号を、(特許請求の範囲)に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
一実施の形態によれば、推進薬(51、52、53、54、55)の製造方法は、点火時に燃焼が開始する第1表面と、燃焼を妨げる壁面(6、21)に接合された第2表面とを有する推進薬グレイン(51、52、53、54、55)を備えるロケットモータ(2)の製造方法である。この製造方法は、第1燃焼速度を有する第1推進薬(51)の一部を、第2表面(6、21)に接する第1位置を含む第1空間に配置すること(S02)と、第1燃焼速度より速い第2燃焼速度を有する第2推進薬(52)の一部を、第1推進薬(51)に接する第2位置を含む第2空間に配置すること(S02)とを含む。この製造方法は、さらに、第2燃焼速度より速い第3燃焼速度を有する第3推進薬(53)の一部を、第1表面に接する第3位置を含む第3空間に配置すること(S02)を含む。この製造方法は、さらに、第1推進薬(51)、第2推進薬(52)および第3推進薬(53)の全体を一度に完全硬化して推進薬グレイン(51、52、53、54、55)を生成すること(S04)含む。
一実施の形態によれば、推進薬製造装置(7)は、点火時に燃焼が開始する第1表面と、燃焼を妨げる壁面(6、21)に接合された第2表面とを有する推進薬グレイン(51、52、53、54、55)を製造する装置である。第1の態様に係る推進薬製造装置(7)は、支持装置(77)と、ヘッド(71)と、ヘッド移動装置(76)と、制御装置(78)と、硬化装置(79)とを備える。支持装置(77)は、壁面(6、21)を支持する。ヘッド(71)は、第1推進薬(51)を、壁面(6、21)に接する位置を含む空間に配置する。ヘッド(71)は、さらに、第1推進薬(51)とは燃焼速度が異なる第2推進薬(52)と、第1推進薬(51)および第2推進薬(52)とは燃焼速度が異なる第3推進薬(53)とを、制御装置(78)の制御下で所定の位置を含む所定の空間に配置する。ヘッド移動装置(76)は、ヘッド(71)を移動して壁面(6、21)に対するヘッド(71)の位置を調整する。制御装置(78)は、支持装置(77)、ヘッド(71)およびヘッド移動装置(76)を制御する。硬化装置(79)は、第1推進薬(51)、第2推進薬(52)および第3推進薬(53)の全体を一度に完全硬化して推進薬グレイン(51、52、53、54、55)を生成する。
前記一実施の形態によれば、より高性能なロケットモータやガスジェネレータを製造するための推進薬を製造することが出来る。
図1は、一実施形態による飛しょう体の一構成例を示す断面図である。 図2Aは、関連技術によるロケットモータの一構成例を示す断面図である。 図2Bは、図2Aのロケットモータの動作時における燃焼圧力の時間変化の一例を示すグラフである。 図3Aは、別の関連技術によるロケットモータの一構成例を示す断面図である。 図3Bは、図3Aのロケットモータの動作時における燃焼圧力の時間変化の一例を示すグラフである。 図4Aは、一実施形態によるロケットモータの一構成例を示す断面図である。 図4Bは、図4Aのロケットモータの動作時における燃焼圧力の時間変化の一例を示すグラフである。 図5は、一実施形態による推進薬製造装置の一構成例を示す図である。 図6は、一実施形態による推進薬の製造方法の一構成例を示すフローチャートである。 図7Aは、一実施形態による推進薬の製造方法の一工程における推進薬の一状態例を示す断面図である。 図7Bは、一実施形態による推進薬の製造方法の一工程における推進薬の一状態例を示す断面図である。 図7Cは、一実施形態による推進薬の製造方法の一工程における推進薬の一状態例を示す断面図である。 図8Aは、一実施形態による推進薬の製造方法の一工程における推進薬の一状態例を示す断面図である。 図8Bは、一実施形態による推進薬の製造方法の一工程における推進薬の一状態例を示す断面図である。 図8Cは、一実施形態による推進薬の製造方法の一工程における推進薬の一状態例を示す断面図である。 図9は、一実施形態によるロケットモータの一構成例を示す断面図である。 図10は、一実施形態によるロケットモータの一構成例を示す断面図である。
添付図面を参照して、本発明による推進薬の製造方法および推進薬製造装置を実施するための形態を以下に説明する。各実施形態において、ロケットモータに用いる推進薬について説明するが、同様の推進薬をガスジェネレータに用いることも可能である。
(第1の実施形態)
図1を参照して、本実施形態による推進薬の製造方法および推進薬製造装置によって製造される推進薬を備えるロケットモータを、例えば、飛しょう体に用いることができることについて説明する。図1は、一実施形態による飛しょう体1の一構成例を示す断面図である。図1の飛しょう体1は、ロケットモータ2と、制御装置3と、ペイロード4とを備えている。ロケットモータ2は、その内部の推進薬を点火する点火装置22を備える。点火装置22は、制御装置3によって制御されてもよい。図1の飛しょう体1は、ロケットモータ2の推進力によってペイロード4を目的地まで運ぶことができる。飛しょう体1の形状は、機軸10を中心とする回転対称性を有していてもよい。
本実施形態による推進薬の製造方法および推進薬製造装置のより良い理解のために、先に関連技術によるロケットモータについて、図2Aおよび図2Bを参照して説明する。
図2Aは、関連技術によるロケットモータ200Aの一構成例を示す断面図である。図2Aのロケットモータ200Aは、圧力容器21と、ノズル23と、推進薬5とを備えている。図2Aの圧力容器21は、円筒型の形状を有しており、その一端はノズル23によって開口しており、その他端には図示しない点火装置22が配置されている。推進薬5は、筒状の形状を有しており、外側面と、内側面と、ノズル23側の端面と、点火装置22側の端面とを有している。推進薬5は、圧力容器21の内部に配置されており、推進薬5の外側面は圧力容器21の内壁に接している。点火装置22が推進薬5を点火すると、推進薬5の表面のうち、露出している内側面および両端面が燃焼を始める。
図2Bは、図2Aのロケットモータ200Aの動作時における燃焼圧力の時間変化の一例を示すグラフG1である。図2BのグラフG1において、横軸は時間を表し、縦軸は圧力容器21の内部における燃焼圧力を表す。推進薬5の燃焼が進むにつれて、推進薬5の形状は変化して、特にその内側面の面積が増加する。推進薬5の燃焼面積が増加するにつれて、燃焼圧力は上昇する。燃焼圧力の右肩上がりの変動は、推進薬5の燃焼が完了するまで続く。
圧力容器21には、燃焼圧力の最大値に耐える構造が必要である。したがって、燃焼圧力の最大値が大きければ大きいほど、圧力容器21の質量は増加する。ロケットモータ200Aの性能を向上するために、圧力容器21の質量を抑制することが考えられる。
この観点から、燃焼圧力の最大値を抑制することで、圧力容器21の質量を抑制することができる。そのための手法として、推進薬5の形状に、スロットや光芒などの空隙を設ける場合がある。ここで、スロットとは、機軸10に直交する平面を含むように設けられた空隙である。また、光芒とは、機軸10を含む平面を含むように設けられた空隙である。スロットを設けたロケットモータについて、図3Aおよび図3Bを参照して説明する。
図3Aは、別の関連技術によるロケットモータ200Bの一構成例を示す断面図である。図3Aのロケットモータ200Bは、図2Aのロケットモータ200Aにスロット50を設けることで得られる。スロット50を設けた図3Aのロケットモータ200Bでは、図2Aのロケットモータ200Aと比較して、推進薬5の表面積が増加している。
図3Bは、図3Aのロケットモータ200Bの動作時における燃焼圧力の時間変化の一例を示すグラフG2である。図3BのグラフG2において、横軸は時間を表し、縦軸は圧力容器21の内部における燃焼圧力を表す。図3Aの例において、表面積の増分は、燃焼開始時の燃焼面積の増分に等しい。したがって、図3Aのロケットモータ200Bでは、図2Aのロケットモータ200Aと比較して、燃焼開始時の燃焼圧力が増加する。燃焼が進むにつれてスロット50の形状に応じて燃焼面の面積が変化するので、図2Aのような単純な円筒形状と比べ燃焼開始時と終了時の燃焼面積の差を小さくできる。その結果、図2Aのロケットモータ200Aと比較して、燃焼圧力の時間変化量を減らすことができる。
なお、光芒を設ける場合については、得られる効果はスロット50を設ける場合と同様であるので、さらなる詳細な説明を省略する。
図3Aの例では、スロット50の分だけ、ロケットモータ200Bに搭載できる推進薬5が減る。ロケットモータ200Bの性能を向上するためには、より多くの推進薬5を搭載することが考えられる。
以上を鑑みて、発明者は、推進薬5に空隙を設けずに燃焼圧力を平準化することのできる推進薬の製造方法と、この製造方法を用いる推進薬製造装置を以下のように提案する。このようなロケットモータについて、図4Aおよび図4Bを参照して説明する。
図4Aは、一実施形態によるロケットモータ2の一構成例を示す断面図である。図4Aのロケットモータ2は、例えば、図2Aのロケットモータ200Aの推進薬5を、3種類の推進薬51、52、53に置き換え、レストリクタ6を追加することで得られる。レストリクタ6は、推進薬51、52、53のうち、レストリクタ6と接する面の燃焼を妨げるために使用される。
推進薬51、52、53の集合体は、図2Aの推進薬5と同様に筒状の形状を有している。言い換えれば、この集合体は、外側面と、内側面と、ノズル23側の端面と、点火装置22側の端面とを有している。この集合体は、圧力容器21の内部に配置されており、集合体の外側面は圧力容器21の内壁に接合している。
レストリクタ6は、この集合体の点火装置22側の端面を覆うように接合されている。そのため、推進薬51、52、53の集合体が点火装置22によって点火するとき、集合体の表面のうち、内側面およびノズル23側の端面は燃焼を開始するが、点火装置22側の端面は、レストリクタ6によって覆われているため、点火時から最後まで燃焼しない。
また、圧力容器21の内壁も、推進薬51、52、53のうち、この内壁に接合する部分の燃焼を妨げる。そのため、集合体の表面のうち、外側面も、圧力容器21の内壁に接合しているため燃焼しない。
第1の推進薬51は、圧力容器21の内壁に接合されている。第3の推進薬53は、集合体の内側面およびノズル23側の端面に沿うように配置されている。第2の推進薬52は、第1の推進薬51および第3の推進薬53の間に配置されている。第2の推進薬52の一部および第3の推進薬53の一部は、圧力容器21の内壁に接合していてもよい。
3種類の推進薬51、52、53は、燃焼速度がそれぞれ異なる。一例として、これら3種類の推進薬51、52、53の中で、第1推進薬51の燃焼速度が最も遅く、第3推進薬53の燃焼速度が最も速く、第2推進薬52の燃焼速度は第1の推進薬51の燃焼速度より速く、かつ、第3の推進薬53の燃焼速度より遅い。
図4Bは、図4Aのロケットモータ2の動作時における燃焼圧力の時間変化の一例を示すグラフG3である。図4BのグラフG3において、横軸は時間を表し、縦軸は圧力容器21の内部における燃焼圧力を表す。点火装置22が点火すると、まず、第3の推進薬53が燃焼を開始する。このとき、第2の推進薬52および第1の推進薬51は、第3の推進薬53、圧力容器21の内壁およびレストリクタ6によって覆われているため、点火時には燃焼しない。
第3の推進薬53の燃焼が進んで第3の推進薬53が焼失すると、第2の推進薬52が露出して燃焼を開始する。このとき、まだ残っている第2の推進薬52および第1の推進薬51の集合体の形状は筒状であるが、その内側面の面積は、燃焼を開始する前の、推進薬51、52、53の集合体の内側面の面積より、大きい。しかし、第2の推進薬52の燃焼速度が第3の推進薬53の燃焼速度より遅いため、圧力容器21の内部の燃焼圧力は、第3の推進薬53の燃焼が開始した時点とほぼ同じに保たれる。
第2の推進薬52の燃焼が進んで第2の推進薬52が焼失すると、第1の推進薬51が露出して燃焼を開始する。このとき、まだ残っている第1の推進薬51の形状は筒状であるが、その内側面の面積は、燃焼を開始する前の、第2の推進薬52および第1の推進薬51の集合体の内側面の面積より、大きい。しかし、第1の推進薬51の燃焼速度が第2の推進薬52の燃焼速度より遅いため、圧力容器21の内部の燃焼圧力は、第2の推進薬52の燃焼が開始した時点とほぼ同じに保たれる。
このように、本実施形態によるロケットモータ2では、燃焼が進むにつれて推進薬51、52、53の集合体の内壁面の面積が増える一方で、すなわち燃焼面積が増える一方で、そのときに燃焼する第1の推進薬51、第2の推進薬52および第3の推進薬53の燃焼速度を適切に設定しておくことによって、圧力容器21の内部の燃焼圧力をほぼ一定に保つことが可能となる。
その結果、本実施形態によるロケットモータ2では、圧力容器21の質量を抑制することが可能となる。また、スロット50や光芒などの空隙を設ける必要が無いので、本実施形態によるロケットモータ2では、その分、より多くの推進薬51、52、53を搭載することができる。言い換えれば、本実施形態によれば、より高性能なロケットモータ2を提供することができる。
本実施形態による推進薬51、52、53を製造する装置について、図5を参照して説明する。図5は、一実施形態による推進薬製造装置7の一構成例を示す図である。図5の推進薬製造装置7は、ヘッド71と、流路72と、容器73と、ヘッド移動装置76と、圧力容器回転装置77と、制御装置78と、硬化装置79とを備える。制御装置78は、例えば、演算装置、記憶装置、入出力インタフェースなどを備えるコンピュータであってもよい。
推進薬製造装置7は、いわゆる積層型の3D(3 Dimensional:三次元)プリンタとして機能してもよい。すなわち、推進薬製造装置7は、制御装置78の制御下で、容器73に蓄えられた推進薬を、流路72を介してヘッド71に供給し、ヘッド71の出口から出力し、圧力容器21の内部に積層する。ここで、容器73の推進薬は、硬化する前の推進薬であって、適切な流動性を有している。容器73と流路72をまとめて、ヘッド71に硬化前の推進薬を供給する推進薬供給装置と呼んでもよい。
また、圧力容器回転装置77は、制御装置78の制御下で、圧力容器21を回転する。圧力容器回転装置77は、圧力容器21を支持する支持装置としての機能も有する。圧力容器21を回転する回転軸は、飛しょう体1の機軸10であってもよい。圧力容器回転装置77は、圧力容器21を回転することによって、圧力容器21とヘッド71の、圧力容器21の円周方向の位置関係を制御することができる。図5の例では、回転軸としての機軸10が水平方向に描かれているが、本実施形態はこの例に限定されない。別の例として、回転軸としての機軸10が鉛直方向を向くように圧力容器21を支持してもよい。
ヘッド移動装置76は、制御装置78の制御下で、ヘッド71を適切な位置に移動してもよい。図5の例では、ヘッド71は、機軸10を通る平面の中で、機軸10に対して平行な方向(X軸方向)に移動してもよく、機軸10に直交する方向(Y軸方向)つまり圧力容器21の半径方向に移動してもよい。ヘッド移動装置76は、ヘッド71を移動することによって、圧力容器21とヘッド71の、圧力容器21の回転軸方向と半径方向の位置関係を制御することができる。
本実施形態による推進薬製造装置7が推進薬51、52、53の集合体を製造する方法について、図6を参照して説明する。図6は、一実施形態による推進薬51、52、53の製造方法の一構成例を示すフローチャートである。図6のフローチャートは、第1ステップS01から第4ステップS04までの、合計4のステップを含んでいる。ここでは、一例として、図4Aの推進薬51、52、53の集合体を製造する場合について説明する。
図6のフローチャートが開始するとき、推進薬製造装置7は初期化されてもよい。初期化の一例として、制御装置78、ヘッド移動装置76および圧力容器回転装置77を初期化してもよい。制御装置78の初期化として、製造する推進薬の形状に係るデータを読み込んでもよいし、圧力容器21およびヘッド71の位置関係を制御するためのプログラムを読み込んでもよい。ヘッド移動装置76の初期化として、ヘッド71をプログラムに基づいて初期位置に配置してもよい。圧力容器回転装置77の初期化として、圧力容器21をプログラムに基づいて初期位置に配置してもよい。
第1ステップS01において、推進薬製造装置7は、推進薬51、52、53を用意する。図7Aの場合は、まず、第1の推進薬51を容器73Aに用意する。容器73Aに用意された第1の推進薬51は、流路72を介してヘッド71の出口まで達していてもよい。第1ステップS01の後、第2ステップS02が実行される。
第2ステップS02において、推進薬製造装置7は、圧力容器21の内部に推進薬51、52、53を積層する。図7Aは、一実施形態による推進薬51、52、53の製造方法の一工程における推進薬51の一状態例を示す断面図である。推進薬製造装置7は、ヘッド71が第1の推進薬51を圧力容器21の内壁に接するように出力し続ける間に、圧力容器回転装置77によって圧力容器21を回転方向70に回転する。こうすることによって、第1の推進薬51が圧力容器21の内壁に接合されたリング状に配置される。言い換えれば、第1の推進薬51は、ヘッド71の位置を含むリング状の空間に配置される。推進薬製造装置7は、さらに、ヘッド71が第1の推進薬51を出力し続け、かつ、圧力容器回転装置77が圧力容器21を回転し続ける間に、ヘッド71を機軸10に対して平行に移動する。こうすることによって、第1の推進薬51が、圧力容器21の内壁に接合されたリングの集合体として、筒状に配置される。ヘッド71が、点火装置22側の端面に対応する位置から、ノズル23側の端面に対応する位置まで移動するとき、第1の推進薬51の第1の単位層が圧力容器21の内壁に接合するように配置される。
推進薬製造装置7は、次に、第1の推進薬51の第2の単位層を、第1の単位層の内側面に接するように配置する。そのために、推進薬製造装置7は、ヘッド71を、単位層の厚さに対応する距離だけ機軸10に近づけるように移動する。ヘッド71がこの移動を行う間、圧力容器回転装置77は圧力容器21を回転し続けていてもよい。また、ヘッド移動装置76は、ヘッド71を所望の位置に移動する間に、第1の単位層から十分に離れた位置まで移動してから所望の位置に移動してもよい。さらに、ヘッド71は、ヘッド71の移動が完了するまで、第1の推進薬51の出力を停止してもよい。
ヘッド71の移動が完了すると、推進薬製造装置7は、第1の単位層の内側面に接合するように、第2の単位層を積層する。すなわち、第1の単位層の場合と同様に、圧力容器21を回転しながら、かつ、ヘッド71を移動しながら、ヘッド71から第1の推進薬51を出力することによって、第2の単位層を、第1の単位層の内側面に接合するように積層することができる。
推進薬製造装置7は、第1の推進薬51の単位層の積層を、所望する厚さに達するまで繰り返す。この繰り返しを行う回数は、プログラムによって事前に設定されていてもよい。第1の推進薬51の、圧力容器21の半径方向の厚さが所望する厚さに達すると、第3ステップS03が実行される。
第3ステップS03において、推進薬製造装置7は、全ての層を積層したかどうかを判定する。ここでは、第1の推進薬51で構成された第1の層だけが積層されているので、判定の結果は「NO」である。この場合、第3ステップS03の後、第1ステップS01が再度実行される。なお、判定の結果が「YES」であった場合については、後述する。
第1ステップS01が2度目に実行されると、推進薬製造装置7は、今度は第2の推進薬52を容器73Bに用意する。言い換えれば、1度目の第1ステップS01で使用した容器73Aを、容器73Bに交換する。このとき、異なる推進薬51、52が混ざらないように、流路72およびヘッド71を交換してもよい。2度目の第1ステップS01の後、2度目の第2ステップS02が実行される。
第2ステップS02が2度目に実行されると、推進薬製造装置7は、1度目の第2ステップS02と同様に動作する。ただし、推進薬製造装置7は、今度は第1の推進薬51で構成された第1の層の表面上に接合するように第2の推進薬52を積層する。図7Bは、一実施形態による推進薬51、52、53の製造方法の一工程における推進薬51、52の一状態例を示す断面図である。図7Bに示すように、第2の推進薬52で構成された第2の層は、筒状である第1の層に内接する筒状の部分を備える。また、図7Bに示すように、第2の層は、筒状の部分に加えて、筒状である第1の層のノズル23側の端面を覆い、かつ、圧力容器21の内側面に接するフランジ部を備えていてもよい。このフランジ部は、第2の層のうちの筒状である部分の端面に接続されているとも言える。このフランジ部は、第2の推進薬52で構成されていてもよい。
第2の推進薬52の、圧力容器21の半径方向の厚さが所望する厚さに達すると、第3ステップS03が再度実行される。ここでは、第1の推進薬51で構成された第1の層と、第2の推進薬52で構成された第2の層とは積層されているが、第3の推進薬53で構成された第3の層がまだ積層されていないので、判定の結果は再度「NO」である。したがって、第3ステップS03の後、3度目の第1ステップS01が実行される。
第1ステップS01が3度目に実行されると、推進薬製造装置7は、今度は第3の推進薬53を容器73Cに用意する。言い換えれば、2度目の第1ステップS01で使用した容器73Bを、容器73Cに交換する。このとき、異なる推進薬52、53が混ざらないように、流路72およびヘッド71を交換してもよい。3度目の第1ステップS01の後、3度目の第2ステップS02が実行される。
第2ステップS02が3度目に実行されると、推進薬製造装置7は、1度目または2度目の第2ステップS02と同様に動作する。ただし、推進薬製造装置7は、今度は第2の推進薬52で構成された第2の層の表面上に接合するように、第3の推進薬53を積層する。図7Cは、一実施形態による推進薬51、52、53の製造方法の一工程における推進薬51、52、53の一状態例を示す断面図である。図7Cに示すように、第3の推進薬53で構成された第3の層は、第2の層の筒状部分の内側面に接合する筒状の部分を備える。また、図7Cに示すように、第3の層は、筒状の部分に加えて、第2の層のノズル23側の端面に接合され、かつ、圧力容器21の内側面にも接合されているフランジ部を備えていてもよい。この場合、第3の層のフランジ部は、第2の層のフランジ部に接合されている。このフランジ部は、第3の層のうちの筒状である部分の端面に接続されているとも言える。このフランジ部は、第3の推進薬53で構成されていてもよい。
第3の推進薬53の、圧力容器21の半径方向の厚さが所望する厚さに達すると、3度目の第3ステップS03が実行される。ここでは、全ての層が積層されているので、判定の結果は「YES」である。したがって、第3ステップS03の後、第4ステップS04が実行される。
第4ステップS04において、硬化装置79が、積層された第1の推進薬51、第2の推進薬52および第3の推進薬53の全体を、一度に完全硬化する。この完全硬化は、推進薬51、52、53を最終的に硬化する工程であって、例えば、加熱によって行われてもよい。この場合、硬化装置79は、圧力容器21の外側および/または内側から推進薬51、52、53を加熱する機能を有していてもよい。その結果、図7A〜図7Cに示した例では、図4Aに示した推進薬51、52、53が得られる。
第4ステップS04が完了すると、図6のフローチャートは終了する。なお、ロケットモータ2の、推進薬以外の部分の製造工程については、本実施形態の特徴には直接的には関係しないので、図6のフローチャートの図示および詳細な説明を省略する。
本実施形態によれば、全ての推進薬51、52、53が全体で一度だけ完全硬化されるので、一部の推進薬を複数回硬化する場合と比較して、硬化に伴う推進薬51、52、53の劣化を抑制することができる。したがって、本実施形態によれば、より高性能な推進薬51、52、53を製造することができる。
完全硬化後の推進薬51、52、53において、第1の推進薬51、第2の推進薬52および第3の推進薬53は一体化する。このような完全硬化後の推進薬は、推進薬グレインと呼ばれる場合がある。
完全硬化した推進薬51、52、53の一方または両方の端面に、レストリクタ6を配置してもよい。レストリクタ6は、推進薬51、52、53の表面のうちレストリクタ6に接合された部分の燃焼を妨げる。本実施形態の一変更例として、レストリクタ6は、完全硬化する前の推進薬の一方または両方の端面に配置してもよい。レストリクタ6の配置をより容易にするために、圧力容器21の、点火装置22側の端面および/またはノズル23側の端面は、レストリクタ6を配置するまで開口していてもよい。なお、別の構成例として、推進薬51、52、53の表面にレストリクタ6を設けなくてもよい。
(第2の実施形態)
以上の説明では、第1の層、第2の層および第3の層をそれぞれ構成する第1の推進薬51、第2の推進薬52および第3の推進薬53を、個別に用意してヘッド71に供給した。本実施形態では、燃焼速度が異なる2種類の推進薬を用意し、これらを異なる比率で混合することによって、3種類の推進薬をヘッド71に供給する。一例として、第1の推進薬51および第3の推進薬53を適切な比率で混合することによって、第2の推進薬52を生成してもよい。
図8Aは、一実施形態による推進薬51、52、53の製造方法の一工程における推進薬51の一状態例を示す断面図である。本実施形態では、図8Aに示すように、2つの容器75A、75Bを用意し、これらの中に燃焼速度が異なる2種類の推進薬をそれぞれ用意する。2つの容器75A、75Bの下流には混合器74が設けられている。混合器74は、2つの容器75A、75Bからそれぞれ送られて来る2種類の推進薬を所定の比率で混合することで、例えば、第1の推進薬51と同じ燃焼速度を有する推進薬を生成することができる。混合器74の下流には、流路72を介してヘッド71が接続されている。容器75A、75B、混合器74および流路72をまとめて、推進薬を供給する推進薬供給装置と呼んでもよい。
図6に示したフローチャートの第2ステップS02を1度目に実行するときに、推進薬製造装置7を図8Aのように変更することによって、図7Aの場合と同様の動作を実現することができる。ここで、混合器74は、制御装置78の制御下で推進薬の混合を行ってもよい。
図8Bは、一実施形態による推進薬51、52、53の製造方法の一工程における推進薬51、52の一状態例を示す断面図である。図8Bの推進薬製造装置7は、図8Aの推進薬製造装置7と同様に構成されている。ただし、混合器74が2つの容器75A、75Bからそれぞれ送られて来る2種類の推進薬を混合する比率は異なる。つまり、図8Bの比率は、混合によって第2の推進薬52と同じ燃焼速度を有するように設定される。図6に示したフローチャートの第2ステップS02を2度目に実行するときに、推進薬製造装置7を図8Bのように変更することによって、図7Bの場合と同様の動作を実現することができる。
図8Cは、一実施形態による推進薬51、52、53の製造方法の一工程における推進薬51、52、53の一状態例を示す断面図である。図8Cの推進薬製造装置7は、図8Aの推進薬製造装置7と同様に構成されている。ただし、混合器74が2つの容器75A、75Bからそれぞれ送られて来る2種類の推進薬を混合する比率は異なる。つまり、図8Cの比率は、混合によって第3の推進薬53と同じ燃焼速度を有するように設定される。図6に示したフローチャートの第2ステップS02を3度目に実行するときに、推進薬製造装置7を図8Cのように変更することによって、図7Cの場合と同様の動作を実現することができる。
以上の説明では、混合器74で2種類の推進薬を混合したが、本実施形態はこの例に限定されない。言い換えれば、より多くの推進薬を適切な比率で混合してヘッド71に供給してもよい。
(第3の実施形態)
以上の説明では、燃焼速度が異なる3種類の推進薬51、52、53を積層して推進薬グレインを製造したが、本実施形態はこの例に限定されない。つまり、より多くの種類の、燃焼速度がそれぞれ異なる複数の推進薬を積層して推進薬グレインを製造してもよい。一例として、単位層ごとに異なる推進薬を積層することによって、推進薬グレインの燃焼速度が、その内側面から外側面に向かって事実上連続的に変化するような推進薬グレインを製造することも可能となる。
図9は、一実施形態によるロケットモータ2の一構成例を示す断面図である。図9のロケットモータ2は、図4Aのロケットモータ2の推進薬51、52、53を、推進薬54に置き換えることで得られる。図9では、推進薬54の燃焼速度を、色の濃さで表している。すなわち、推進薬54のうち、色がより濃い部分の燃焼速度はより早く、色がより薄い部分の燃焼速度はより遅い。
言い換えれば、図9の推進薬54は、図4Aでは3種類である推進薬51、52、53を、より多くの種類の、燃焼速度がそれぞれ異なる多数の推進薬に置き換えて積層することによって得られる。一例として、燃焼速度が互いに異なる複数の推進薬をそれぞれ含む複数の単位層を、前記燃焼速度の順番で積層してもよい。図9のロケットモータ2を製造するための方法および装置のその他の詳細については、第1および第2の実施形態で説明したとおりである。
図9のロケットモータ2では、推進薬54の、点火装置22側の端面に、レストリクタ6が設けられている。この場合も、図4Aの場合と同様に、点火装置22が点火するときに、筒状である推進薬54のうち、圧力容器21の内側面に接合された外側面と、レストリクタ6に接合された端面以外の、内側面と、ノズル23側の端面とが、燃焼を開始する。推進薬54の内側面およびノズル23側の端面には、燃焼速度がより速い推進薬が配置されている。また、燃焼速度がより遅い推進薬は、推進薬54のうち、外側面により近く、かつ、ノズル23側の端面からより離れた位置に配置されている。したがって、図9の推進薬54の場合も、燃焼面の面積がより狭い燃焼開始時には燃焼速度がより速い推進薬が燃焼し、燃焼が進むにつれて燃焼面の面積がより広がったときには燃焼速度がより遅い推進薬が燃焼するので、圧力容器21の内部の燃焼圧力の時間変化を平準化することが可能となる。
図10は、一実施形態によるロケットモータ2の一構成例を示す断面図である。図10のロケットモータ2は、図4Aのロケットモータ2の推進薬51、52、53を、推進薬55に置き換えることで得られる。図10でも、図9の場合と同様に、推進薬55の燃焼速度を色の濃さで表している。
図10の推進薬55も、図9の場合と同様に、燃焼速度がそれぞれ異なる多数の推進薬で構成されている。ただし、図10の例では、図9や図4Aなどの場合とは異なり、それぞれの単位層に、燃焼速度が異なる複数の推進薬が混在している。それぞれの単位層に含まれる任意の推進薬の形状は、回転軸としての機軸10に対して回転対称性を有するリングの形状であってもよいし、このようなリングの集合体である筒の形状であってもよいし、同一の単位層の中で分断された複数のリングまたは複数の筒の形状であってもよい。このように構成された推進薬55は、図8A〜図8Cに示した混合器74が2種類の推進薬を混合する比率を、1枚の単位層を積層する間に適切なタイミングで変更し続けることによって、製造することが可能である。
図10のロケットモータ2では、推進薬55の端面にレストリクタ6が設けられていない。この場合、点火装置22が点火するときに、筒状である推進薬55のうち、圧力容器21の内側面に接合された外側面以外の、内側面および両端面が燃焼を開始する。推進薬55の内側面および両端面には、燃焼速度がより速い推進薬が配置されている。また、燃焼速度がより遅い推進薬は、推進薬55のうち、外側面により近く、かつ、内側面および両端面からより離れた位置に配置されている。したがって、図10の推進薬55の場合も、燃焼面の面積がより狭い燃焼開始時には燃焼速度がより速い推進薬が燃焼し、燃焼が進むにつれて燃焼面の面積がより広がったときには燃焼速度がより遅い推進薬が燃焼するので、圧力容器21の内部の燃焼圧力の時間変化を平準化することが可能となる。
以上、発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。また、前記実施の形態に説明したそれぞれの特徴は、技術的に矛盾しない範囲で自由に組み合わせることが可能である。
各実施形態に記載の推進薬51、52、53、54、55の製造方法は、例えば以下の様に把握される。
(1)第1の態様に係る推進薬51、52、53、54、55の製造方法は、点火時に燃焼が開始する第1表面と、燃焼を妨げる壁面6、21に接合された第2表面とを有する推進薬グレイン51、52、53、54、55である推進薬51、52、53、54、55の製造方法である。この製造方法は、第1燃焼速度を有する第1推進薬51の一部を、第2表面に接する第1位置を含む第1空間に配置すること(S02)と、第1燃焼速度より速い第2燃焼速度を有する第2推進薬52の一部を、第1推進薬51に接する第2位置を含む第2空間に配置すること(S02)とを含む。この製造方法は、さらに、第2燃焼速度より速い第3燃焼速度を有する第3推進薬53の一部を、第1表面に接する第3位置を含む第3空間に配置すること(S02)を含む。この製造方法は、さらに、第1推進薬51、第2推進薬52および第3推進薬53を一度に完全硬化して推進薬グレイン51、52、53、54、55を生成すること(S04)を含む。
第1の態様に係る推進薬51、52、53、54、55の製造方法は、燃焼速度が異なる3種類の推進薬51、52、53の全体を、それぞれの配置後に一度に完全硬化できる、という効果を奏する。
(2)第2の態様に係る推進薬51、52、53、54、55の製造方法は、第1の態様に係る推進薬51、52、53、54、55の製造方法であって、第1推進薬51を含む第1層を、壁面6、21に沿って生成すること(S02)をさらに含む。第2の態様に係る推進薬51、52、53、54、55の製造方法は、第2推進薬52を含む第2層を、第1層に積層するように生成すること(S02)をさらに含む。第2の態様に係る推進薬51、52、53、54、55の製造方法は、第3推進薬53を含む第3層を、第1表面に生成すること(S02)をさらに含む。
第2の態様に係る推進薬51、52、53、54、55の製造方法は、いわゆる積層型の3Dプリンタを使用して製造できる、という効果を奏する。
(3)第3の態様に係る推進薬51、52、53、54、55の製造方法は、第2の態様に係る推進薬51、52、53、54、55の製造方法であって、壁面6、21は、少なくとも一部が筒状である圧力容器21の内側面を含む。推進薬グレイン51、52、53、54、55は、第2表面に含まれる外側面と、第1表面に含まれる内側面とを有する筒状であり、推進薬グレイン51、52、53、54、55の外側面は、圧力容器21の内側面に接合されている。第1層の少なくとも一部は、外側面および内側面を有する筒状であり、第1層の外側面の少なくとも一部は、推進薬グレイン51、52、53、54、55の外側面の少なくとも一部である。第3層の少なくとも一部は、外側面および内側面を有する筒状であり、第3層の内側面の少なくとも一部は、推進薬グレイン51、52、53、54、55の内側面の少なくとも一部である。
第3の態様に係る推進薬51、52、53、54、55の製造方法は、圧力容器21の内側面に接合する筒状の形状を有する推進薬グレイン51、52、53、54、55を生成できる、という効果を奏する。
(4)第4の態様に係る推進薬51、52、53、54、55の製造方法は、第3の態様に係る推進薬51、52、53、54、55の製造方法であって、第2層を生成すること(S02)は、第1推進薬51の表面が、壁面6、21および第2推進薬52に接合するように、第2層を生成すること(S02)を含む。第4の態様に係る推進薬51、52、53、54、55の製造方法において、第3層を生成することは、第2推進薬52の表面が、壁面6、21、第1推進薬51および第3推進薬53で覆われるように、第3層を生成すること(S02)を含む。
第4の態様に係る推進薬51、52、53、54、55の製造方法は、第3推進薬53で構成される第3層と、第2推進薬52で構成される第2層と、第1推進薬51で構成される第1層とが、この順番で燃焼するように推進薬51、52、53、54、55を製造できる、という効果を奏する。
(5)第5の態様に係る推進薬51、52、53、54、55の製造方法は、第2〜第4のいずれかの態様に係る推進薬51、52、53、54、55の製造方法であって、壁面6、21はレストリクタ6の表面を含み、積層された第1推進薬51の端面を覆うようにレストリクタ6を接合することをさらに含む。
第5の態様に係る推進薬51、52、53、54、55の製造方法は、レストリクタ6を配置することで推進薬グレイン51、52、53、54、55の燃焼を制御できる、という効果を奏する。
(6)第6の態様に係る推進薬51、52、53、54、55の製造方法は、第3〜第5のいずれかの態様に係る推進薬51、52、53、54、55の製造方法であって、筒状である第2層の一方の端面に接続され、第2推進薬52を含み、筒状である第1層の一方の端面に接合し、かつ、圧力容器21の内側面に接合するフランジ部を生成することをさらに含む。
第6の態様に係る推進薬51、52、53、54、55の製造方法は、フランジ部を設けることによって推進薬グレイン51、52、53、54、55の燃焼を制御できる、という効果を奏する。
(7)第7の態様に係る推進薬51、52、53、54、55の製造方法は、第3〜第6のいずれかの態様に係る推進薬51、52、53、54、55の製造方法であって、前記第1推進薬51、前記第2推進薬52および前記第3推進薬53のうちの少なくとも1つの推進薬を、燃焼速度の異なる推進薬を混合して生成することをさらに含む。
第7の態様に係る推進薬51、52、53、54、55の製造方法は、燃焼速度が異なる複数の推進薬を混合することによって、所望の燃焼速度を有する推進薬を用意できる、という効果を奏する。
(8)第8の態様に係る推進薬51、52、53、54、55の製造方法は、第3〜第7のいずれかの態様に係る推進薬51、52、53、54、55の製造方法であって、第1層を生成することは、燃焼速度が互いに異なる複数の推進薬をそれぞれ含む複数の単位層を、燃焼速度の順番で積層することを含む。
第8の態様に係る推進薬51、52、53、54、55の製造方法は、その内側面から外側面に向かって燃焼速度が事実上連続的に変化するような推進薬グレインを製造することができる、という効果を奏する。
(9)第9の態様に係る推進薬51、52、53、54、55の製造方法は、第3〜第8のいずれかの態様に係る推進薬51、52、53、54、55の製造方法であって、第1層を生成することは、複数の単位層を積層することを含み、複数の単位層のそれぞれは、燃焼速度が互いに異なる複数の推進薬を含む。
第9の態様に係る推進薬51、52、53、54、55の製造方法は、燃焼速度が互いに異なる複数の推進薬を任意の形状に配置できる、という効果を奏する。
各実施形態に記載の推進薬製造装置7は、例えば以下の様に把握される。
(1)第1の態様に係る推進薬製造装置7は、点火時に燃焼が開始する第1表面と、燃焼を妨げる壁面6、21に接合された第2表面とを有する推進薬グレイン51、52、53、54、55である推進薬51、52、53、54、55を製造する装置である。第1の態様に係る推進薬製造装置7は、支持装置77と、推進薬供給装置73、72と、ヘッド71と、ヘッド移動装置76と、制御装置78と、硬化装置79とを備える。支持装置77は、壁面6、21を支持する。推進薬供給装置73、72は、硬化前の推進薬51、52、53を供給する。ヘッド71は、硬化前の推進薬51、52、53を出力する。ヘッド71は、硬化前の推進薬に含まれる第1推進薬を、壁面に接する位置を含む空間に配置し、硬化前の推進薬51、52、53に含まれる、第1推進薬51とは燃焼速度が異なる第2推進薬52と、第1推進薬51および第2推進薬52とは燃焼速度が異なる第3推進薬53とを、制御装置78の制御下で所定の位置を含む空間に配置する。ヘッド移動装置76は、ヘッド71を移動して壁面6、21に対するヘッド71の位置を調整する。制御装置78は、支持装置77、ヘッド71およびヘッド移動装置76を制御する。硬化装置79は、第1推進薬51、第2推進薬52および第3推進薬53の全体を一度に完全硬化して推進薬グレイン51、52、53、54、55を生成する。
第1の態様に係る推進薬製造装置7は、燃焼速度が異なる3種類の推進薬51、52、53の全体を、それぞれの配置後に一度に硬化できる、という効果を奏する。
壁面6、21は、レストリクタ6の表面または圧力容器21の内側面であってもよい。レストリクタ6および圧力容器21は、推進薬51、52、53、54、55のうち、レストリクタ6および圧力容器21にそれぞれ接合した部分の燃焼を妨げる機能を有する。
(2)第2の態様に係る推進薬製造装置7は、第1の態様に係る推進薬製造装置7である。第2の態様に係る推進薬製造装置7において、壁面6、21は、推進薬グレインの第2表面に接合された圧力容器21の内側面を含む。圧力容器21の内側面は、回転軸10に対して回転対称性を有する筒状の内側面を含む。支持装置77は、制御装置78の制御下で、回転軸10を中心に圧力容器21を回転することによって、圧力容器21およびヘッド71の、圧力容器21の円周方向における相対的な位置関係を制御する。ヘッド移動装置76は、制御装置78の制御下で、圧力容器21およびヘッド71の、圧力容器21の半径方向と回転軸方向における相対的な位置関係を制御する。
支持装置77は、圧力容器回転装置77であってもよい。支持装置77は、圧力容器21を支持して回転する機能を有する。第2の態様に係る推進薬製造装置7は、圧力容器21を回転する制御と、ヘッド71を移動する制御を組み合わせることで、いわゆる3Dプリンタとして動作することができるという効果を奏する。
(3)第3の態様に係る推進薬製造装置7は、第1または第2の態様に係る推進薬製造装置7であって、推進薬供給装置73、72は、複数の容器75A、75Bと混合器74をさらに備える。複数の容器75A、75Bは、燃焼速度が異なる複数の推進薬をそれぞれ供給する。混合器74は、制御装置78の制御下で、複数の推進薬を所定の比率で混合して所望の燃焼速度を有する推進薬を生成する。
第3の態様に係る推進薬製造装置7は、燃焼速度が異なる複数の推進薬を混合することによって、所望の燃焼速度を有する推進薬を用意できる、という効果を奏する。
1 飛しょう体
10 機軸
2 ロケットモータ
21 圧力容器
22 点火装置
23 ノズル
3 制御装置
4 ペイロード
5 推進薬
50 スロット
51、52、53、54、55 推進薬
6 レストリクタ
7 推進薬製造装置
70 回転方向
71 ヘッド
72 流路
73A、73B、73C 容器
74 混合器
75A、75B 容器
76 ヘッド移動装置
77 圧力容器回転装置(支持装置)
78 制御装置
79 硬化装置
200A、200B ロケットモータ

Claims (12)

  1. 点火時に燃焼が開始する第1表面と、前記燃焼を妨げる壁面に接合された第2表面とを有する推進薬グレインである推進薬の製造方法であって、
    第1燃焼速度を有する第1推進薬の一部を、前記第2表面に接する第1位置を含む第1空間に配置することと、
    前記第1燃焼速度より速い第2燃焼速度を有する第2推進薬の一部を、前記第1推進薬に接する第2位置を含む第2空間に配置することと、
    前記第2燃焼速度より速い第3燃焼速度を有する第3推進薬の一部を、前記第1表面に接する第3位置を含む第3空間に配置することと、
    前記第1推進薬、前記第2推進薬および前記第3推進薬の全体を一度に完全硬化して前記推進薬グレインを生成することと
    を含む
    推進薬の製造方法。
  2. 請求項1に記載の推進薬の製造方法において、
    前記第1推進薬を含む第1層を、前記壁面に沿って生成することと、
    前記第2推進薬を含む第2層を、前記第1層に積層するように生成することと、
    前記第3推進薬を含む第3層を、前記第1表面に生成することと
    をさらに含む
    推進薬の製造方法。
  3. 請求項2に記載の推進薬の製造方法において、
    前記壁面は、少なくとも一部が筒状である圧力容器の内側面を含み、
    前記推進薬グレインは、前記第2表面に含まれる外側面と、前記第1表面に含まれる内側面とを有する筒状であり、前記推進薬グレインの前記外側面は、前記圧力容器の前記内側面に接合されており、
    前記第1層の少なくとも一部は、外側面および内側面を有する筒状であり、前記第1層の前記外側面の少なくとも一部は、前記推進薬グレインの前記外側面の少なくとも一部であり、
    前記第3層の少なくとも一部は、外側面および内側面を有する筒状であり、前記第3層の前記内側面の少なくとも一部は、前記推進薬グレインの前記内側面の少なくとも一部である
    推進薬の製造方法。
  4. 請求項3に記載の推進薬の製造方法において、
    前記第2層を生成することは、
    前記第1推進薬の表面が、前記壁面および前記第2推進薬に接合するように、前記第2層を生成すること
    を含み、
    前記第3層を生成することは、
    前記第2推進薬の表面が、前記壁面、前記第1推進薬および前記第3推進薬で覆われるように、前記第3層を生成すること
    を含む
    推進薬の製造方法。
  5. 請求項3または4に記載の推進薬の製造方法において、
    前記壁面は、レストリクタの表面を含み、
    積層された前記第1推進薬の端面に接合するように前記レストリクタを配置すること
    をさらに含む
    推進薬の製造方法。
  6. 請求項3〜5のいずれか一項に記載の推進薬の製造方法において、
    筒状である前記第2層の一方の端面に接続され、前記第2推進薬を含み、筒状である前記第1層の一方の端面に接合し、かつ、前記圧力容器の内側面に接合するフランジ部を生成すること
    をさらに含む
    推進薬の製造方法。
  7. 請求項3〜6のいずれか一項に記載の推進薬の製造方法において、
    前記第1推進薬、前記第2推進薬および前記第3推進薬のうちの少なくとも1つの推進薬を、燃焼速度の異なる推進薬を混合して生成すること
    をさらに含む
    推進薬の製造方法。
  8. 請求項3〜7のいずれか一項に記載の推進薬の製造方法において、
    前記第1層を生成することは、
    燃焼速度が互いに異なる複数の推進薬をそれぞれ含む複数の単位層を、前記燃焼速度の順番で積層すること
    を含む
    推進薬の製造方法。
  9. 請求項3〜8のいずれか一項に記載の推進薬の製造方法において、
    前記第1層を生成することは、
    複数の単位層を積層すること
    を含み、
    前記複数の単位層のそれぞれは、燃焼速度が互いに異なる複数の推進薬を含む
    推進薬の製造方法。
  10. 点火時に燃焼が開始する第1表面と、前記燃焼を妨げる壁面に接合された第2表面とを有する推進薬グレインである推進薬を製造する装置であって、
    前記壁面を支持する支持装置と、
    硬化前の推進薬を供給する推進薬供給装置と、
    前記硬化前の推進薬を出力するヘッドと、
    前記ヘッドを移動して前記壁面に対する前記ヘッドの位置を調整するヘッド移動装置と、
    前記支持装置、前記ヘッドおよび前記ヘッド移動装置を制御する制御装置と
    を備え、
    前記ヘッドは、前記硬化前の推進薬に含まれる第1推進薬を、前記壁面に接する位置を含む空間に配置し、前記硬化前の推進薬に含まれる、前記第1推進薬とは燃焼速度が異なる第2推進薬と、前記第1推進薬および前記第2推進薬とは燃焼速度が異なる第3推進薬とを、前記制御装置の制御下で所定の位置を含む空間に配置し、
    前記第1推進薬、前記第2推進薬および前記第3推進薬の全体を一度に完全硬化して前記推進薬グレインを生成する硬化装置
    をさらに備える
    推進薬製造装置。
  11. 請求項10に記載の推進薬製造装置において、
    前記壁面は、前記推進薬グレインの前記第2表面に接合された圧力容器の内側面を含み、
    前記圧力容器の前記内側面は、回転軸に対して回転対称性を有する筒状の内側面を含み、
    前記支持装置は、前記制御装置の制御下で、前記回転軸を中心に前記圧力容器を回転することによって、前記圧力容器および前記ヘッドの、前記圧力容器の円周方向における相対的な位置関係を制御し、
    前記ヘッド移動装置は、前記制御装置の制御下で、前記圧力容器および前記ヘッドの、前記圧力容器の半径方向と前記回転軸の方向における相対的な位置関係を制御する
    推進薬製造装置。
  12. 請求項10または11に記載の推進薬製造装置において、
    前記推進薬供給装置は、
    燃焼速度が異なる複数の推進薬をそれぞれ供給する複数の容器と、
    前記制御装置の制御下で、前記複数の推進薬を所定の比率で混合して所望の燃焼速度を有する推進薬を生成する混合器と
    を備える
    推進薬製造装置。
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