JP2008277119A - 電極用複合粒子及びその製造方法、並びに、電気化学デバイス - Google Patents

電極用複合粒子及びその製造方法、並びに、電気化学デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】 放電電圧及び放電容量に優れ、且つ、レート特性に優れた電気化学デバイスを形成可能な電極用複合粒子を提供すること。
【解決手段】 LiVOPO粒子4と、炭素とを含み、前記炭素は、前記LiVOPO粒子4の表面の少なくとも一部に担持されて炭素被覆層6を形成している、電極用複合粒子。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電極用複合粒子及びその製造方法、並びに、電気化学デバイスに関する。
リチウムイオン二次電池の正極活物質材料としては、層状酸化物(LiCoO、LiNiO、LiNiMnCoO等)、スピネル構造化合物(LiMn等)、リチウム含有リン酸塩(LiFePO等)などが知られている。
このうち層状酸化物は高容量(例えば、150mAh/g以上)が得られるが、高充電状態での熱安定性が低く、安全性(過充電安定性)に欠けるという問題がある。また、スピネル化合物であるLiMn(理論容量148mAh/g)は、構造が安定で高い安全性(過充電安定性)を有するが、高温状態(例えば、45℃以上)においてMn3+イオンが溶出しやすく、これによる負極劣化に伴う高温状態での電池特性の安定性が低いという問題がある。そのため、安全性及び高温安定性の観点から、層状酸化物やスピネル構造化合物に代えて、リチウム含有リン酸塩が用いられている。正極活物質としてリチウム含有リン酸塩を用いた電池としては、例えば、下記特許文献1及び2に記載されているものが挙げられる。
特許第3484003号公報 特開2004−303527号公報
しかしながら、リチウム含有リン酸塩として代表的なLiFePO(理論容量169mAh/g)は、高い安全性と高温安定性を有するが、放電電圧が対リチウムで3.3〜3.4Vと他の正極活物質材料に比べて低い。また、合成時の雰囲気(還元雰囲気必須)と温度条件に非常に敏感であり、安価に大量に生産するには不利である。
一方、同じくリチウム含有リン酸塩であるLiVOPO(理論容量159mAh/g)は、構造が安定で、放電電圧が他の正極活物質材料と同程度(対リチウムで3.8〜3.9V)であり、LiFePOのように合成時に還元雰囲気を特に必要としない。しかし、リチウム含有リン酸塩に特徴的である電子伝導性の低さが問題であり、従来のように導電助剤と単純に混合された電極構造では、その特性を十分に引き出すことが難しい。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、活物質材料として用いることで、放電電圧及び放電容量に優れ、且つ、レート特性に優れた電気化学デバイスを形成可能な電極用複合粒子及びその製造方法、並びに、その電極用複合粒子を用いた電気化学デバイスを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、LiVOPO粒子と、炭素とを含み、上記炭素は、上記LiVOPO粒子の表面の少なくとも一部に担持されて炭素被覆層を形成している、電極用複合粒子を提供する。
かかる電極用複合粒子は、LiVOPO粒子の表面が炭素被覆層により被覆されていることにより、優れた電子伝導性を得ることができる。特に炭素が粒子として担持されているのではなく、層状に形成されていることにより、炭素粒子が担持されている場合と比較して炭素の脱落を抑制できるとともに、粒子の場合よりも少量で効率良くLiVOPO粒子の表面を被覆できるため、複合粒子に占める炭素の含有量を抑えつつ効果的に導電性を付与することができる。そのため、かかる複合粒子を活物質材料として用いた電気化学デバイスは、優れた放電電圧及び優れた放電容量が得られるとともに、優れたレート特性を得ることができる。
また、本発明の電極用複合粒子は、その断面において、上記LiVOPO粒子の外周の長さをL、上記LiVOPO粒子の外周のうち上記炭素被覆層が形成されている部分の長さをL’として、(L’/L)で表される被覆率が0.2以上であることが好ましい。この被覆率が0.2以上であることにより、複合粒子の電子伝導性を十分に高めることができ、より優れた放電容量及びレート特性を有する電気化学デバイスを形成することが可能となる。
また、本発明の電極用複合粒子は、BET比表面積が1.5〜15.0m/gであることが好ましい。BET比表面積が上記範囲内であることにより、複合粒子の電子導電性を十分に保ち、且つ、電極用合剤塗料作製時の取扱上も問題が少なくなる。
また、本発明の電極用複合粒子において、上記炭素被覆層の厚さは10〜500nmであることが好ましい。炭素被覆層の厚さが上記範囲内であることにより、複合粒子は十分な電子伝導性が得られるとともに、イオンが炭素被覆層を容易に透過可能となって良好なイオン伝導性が保たれ、放電電圧及び放電容量に優れ、且つ、レート特性に優れた電気化学デバイスをより確実に形成可能となる。
更に、本発明の電極用複合粒子は、上記電極用複合粒子全量を基準とした炭素含有量が1〜6質量%であることが好ましい。電極用複合粒子中の炭素含有量が上記範囲内であることにより、電極化時の活物質含有量が実用に供する程度の量となり(炭素は電気容量を持たない)、電極としても実用に供する電気容量を有するようになる。
本発明はまた、上記本発明の電極用複合粒子を含む電極を備える電気化学デバイスを提供する。かかる電気化学デバイスによれば、上述した効果を奏する本発明の電極用複合粒子を含む電極を用いていることにより、優れた放電電圧及び放電容量が得られるとともに、優れたレート特性を得ることができる。
また、本発明の電気化学デバイスにおいて、上記電極が上記電極用複合粒子を含む活物質含有層を有し、該活物質含有層全量を基準とした炭素含有量が2〜10質量%であることが好ましい。活物質含有層中の炭素含有量が上記範囲内であることにより、電極化時の活物質含有量が実用に供する程度の量となり(炭素は電気容量を持たない)、電極としても実用に供する電気容量を有するようになる。
本発明はまた、LiVOPO粒子と、炭素とを含み、上記炭素は、上記LiVOPO粒子の表面の少なくとも一部に担持されて炭素被覆層を形成している電極用複合粒子の製造方法であって、気流を発生させた流動槽内に上記LiVOPO粒子と炭素粒子とを投入して流動層化させることで、上記LiVOPO粒子の表面の少なくとも一部に上記炭素被覆層を形成する流動層化工程を含む、電極用複合粒子の製造方法を提供する。
かかる製造方法により、上述した効果を奏する本発明の電極用複合粒子を効率的に且つ確実に製造することができる。すなわち、かかる製造方法で得られる複合粒子は、単にLiVOPO粒子に炭素粒子を分散担持させたものとは異なり、炭素を炭素被覆層としてLiVOPO粒子表面に強固に密着させたものとなり、優れた電子伝導性を得ることができる。そのため、かかる製造方法で得られる複合粒子は、放電電圧及び放電容量に優れ、且つ、レート特性に優れた電気化学デバイスを形成することが可能となる。
ここで、上記電極用複合粒子の製造方法において、上記LiVOPO粒子の平均粒径と上記炭素粒子の平均粒径との比は、10:1〜100:1であることが好ましい。これにより、核粒子であるLiVOPOへの子粒子である炭素の被覆が選択的に進み、子粒子同士での凝集を抑制することができる。
本発明はまた、LiVOPO粒子と、炭素とを含み、上記炭素は、上記LiVOPO粒子の表面の少なくとも一部に担持されて炭素被覆層を形成している電極用複合粒子の製造方法であって、上記LiVOPO粒子を、炭素源が溶媒中に溶解又は分散してなる炭素源含有液中に投入してLiVOPO分散液を得る分散工程と、上記LiVOPO分散液を加熱する加熱工程と、を含む、電極用複合粒子の製造方法を提供する。
かかる製造方法によっても、上述した効果を奏する本発明の電極用複合粒子を効率的に且つ確実に製造することができる。すなわち、かかる製造方法で得られる複合粒子は、単にLiVOPO粒子に炭素粒子を分散担持させたものとは異なり、炭素を炭素被覆層としてLiVOPO粒子表面に強固に密着させたものとなり、優れた電子伝導性を得ることができる。そのため、かかる製造方法で得られる複合粒子は、放電電圧及び放電容量に優れ、且つ、レート特性に優れた電気化学デバイスを形成することが可能となる。
ここで、上記電極用複合粒子の製造方法において、上記炭素源は、グルコース又はグルコースを構成単位として含む多糖類であることが好ましい。これにより、炭素分が溶液中に高濃度に存在し、熱処理前の前駆体であるLiVOPO粒子への炭素含有物被覆の効率が向上し、熱処理によって得られるLiVOPO−炭素複合粒子においても効率的に炭素が被覆したものが得られる。
また、上記電極用複合粒子の製造方法において、上記炭素源は炭素であることも好ましい。これにより、LiVOPO粒子に導電構造に特徴を持った炭素を効果的に被覆でき、得られる複合粒子の電子伝導性を向上させることができる。
また、上記電極用複合粒子の製造方法において、上記溶媒は水又はエタノールであることが好ましい。これにより、作製時の安全性を高めることができる。
更に、上記電極用複合粒子の製造方法において、上記加熱工程における加熱温度は400〜600℃であることが好ましい。これにより、熱処理に伴う結晶の成長を抑制でき、且つ、高温(例えば650℃以上)で生じる特性の劣る三斜晶構造LiVOPOの成長を抑制することができる。これらはいずれも複合粒子の特性維持に貢献する。
本発明は更に、LiVOPO粒子と、炭素とを含み、上記炭素は、上記LiVOPO粒子の表面の少なくとも一部に担持されて炭素被覆層を形成している電極用複合粒子の製造方法であって、Li源、V源、PO源及び炭素源を混合して原料混合液を得る混合工程と、上記原料混合液を酸素分圧50Pa以下の雰囲気で焼成する焼成工程と、を含む、電極用複合粒子の製造方法を提供する。
かかる製造方法によっても、上述した効果を奏する本発明の電極用複合粒子を効率的に且つ確実に製造することができる。すなわち、かかる製造方法で得られる複合粒子は、単にLiVOPO粒子に炭素粒子を分散担持させたものとは異なり、炭素を炭素被覆層としてLiVOPO粒子表面に強固に密着させたものとなり、優れた電子伝導性を得ることができる。そのため、かかる製造方法で得られる複合粒子は、放電電圧及び放電容量に優れ、且つ、レート特性に優れた電気化学デバイスを形成することが可能となる。
また、上記極用複合粒子の製造方法において、上記炭素源は、グルコース又はグルコースを構成単位として含む多糖類であることが好ましい。これにより、溶液中に炭素源が多量に存在することとなり、構成材料への炭素被覆が効果的に起こり、得られる複合粒子の電子伝導性向上に寄与する。
本発明によれば、放電電圧及び放電容量に優れ、且つ、レート特性に優れた電気化学デバイスを形成可能な電極用複合粒子、及びその製造方法、並びに、その電極用複合粒子を用いた電気化学デバイスを提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
まず、本発明の電極用複合粒子及びその製造方法について説明する。図1は、本発明の電極用複合粒子の好適な一実施形態の基本構成を示す模式断面図である。図1に示すように、電極用複合粒子8は、電極活物質としてのLiVOPO粒子4と、該LiVOPO粒子4の表面の少なくとも一部に形成された炭素からなる炭素被覆層6とから構成されている。
かかる複合粒子8は、図1に示したような断面において、LiVOPO粒子4の外周の長さをL、LiVOPO粒子4の外周のうち炭素被覆層6が形成されている部分の長さをL’(Lと同一単位)として、(L’/L)で表される被覆率が0.2以上であることが好ましい。なお、図1に示した複合粒子8のように、その断面において炭素被覆層6が複数箇所に形成されている場合、L’はLiVOPO粒子4の外周のうち炭素被覆層6が形成されている部分の長さを全て合計した値である。
また、上記被覆率は0.2以上であることが好ましいが、0.4以上であることがより好ましく、0.5以上であることが更に好ましく、0.6〜1.0であることが特に好ましい。この被覆率が0.2未満である場合、被覆率が0.2以上である場合と比較して、炭素被覆層によるLiVOPO粒子の被覆状態が不十分となり、複合粒子の電子伝導性が低下する傾向がある。また、被覆率が0.2未満である電極は、炭素と活物質とが単純に混合・分散している電極と大差なく、追加の炭素を加える必要が生じ、必要最小限の炭素量での特性向上が得られ難くなる傾向がある。
また、複合粒子8のBET比表面積は、1.5〜15.0m/gであることが好ましく、2.0〜15.0m/gであることがより好ましい。BET比表面積が1.5m/g未満であると、複合粒子8の炭素被覆が不十分である傾向があり、15.0m/gを超えると、この複合粒子8を用いての電極用塗料作製時に多量のバインダーが必要となり、電極中の活物質割合が減少し、電極として高い容量を発現し難くなる傾向がある。
また、複合粒子8において、炭素被覆層6の厚さは、10〜500nmであることが好ましく、20〜300nmであることがより好ましい。炭素被覆層6の厚さが10nm未満であると、複合粒子8の電子伝導性が不十分となる傾向にあり、500nmを超えると、複合粒子8に占める炭素量が不必要に多くなり、活物質割合減少による電極容量の低下につながる傾向がある。
また、複合粒子8は、当該複合粒子8全量を基準とした炭素含有量が1〜6質量%であることが好ましく、2〜5質量%であることがより好ましい。この炭素含有量が1質量%未満であると、複合粒子8の電子伝導性が不十分となる傾向があり、6質量%を超えると、複合粒子8に占める炭素量が不必要に多くなり、活物質割合減少による電極容量の低下につながる傾向がある。
上述した本発明の電極用複合粒子は、例えば、以下の製造方法によって製造することができる。以下、本発明の電極用複合粒子を製造するための第1〜第3の製造方法について説明する。
本発明の電極用複合粒子の第1の製造方法は、LiVOPO粒子の表面に物理的に炭素被覆層を形成する方法である。すなわち、第1の製造方法は、気流を発生させた流動槽内にLiVOPO粒子と炭素粒子とを投入して流動層化させることで、LiVOPO粒子の表面の少なくとも一部に炭素被覆層を形成する流動層化工程を含む方法である。
LiVOPO粒子は、例えば、Li源、V源及びPO源をLiVOPOの化学量論比で混合し、450〜600℃で焼成することで得ることができる。Li源としては、例えば、LiCO、LiOH、酢酸リチウム等が挙げられる。V源としては、例えば、V、NHVO等が挙げられる。PO源としては、例えば、NHPO、(NHHPO等が挙げられる。こうして得られるLiVOPO粒子は、斜方晶系の結晶構造となり、より高温側で得られる三斜晶構造と比較して対称性がよいため、高いLiイオン挿入・脱離容量を実現することができる。
また、炭素粒子としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、黒鉛等が挙げられる。
ここで、LiVOPO粒子の平均粒径と炭素粒子の平均粒径との比は、10:1〜100:1であることが好ましく、20:1〜100:1であることがより好ましい。この平均粒径の比が上記範囲内であることにより、核粒子であるLiVOPOへの子粒子である炭素の被覆が選択的に進み、子粒子同士での凝集を抑制することができる。
なお、LiVOPO粒子の平均粒径として具体的には、0.2〜10μmであることが好ましく、0.2〜6μmであることがより好ましい。一方、炭素粒子の平均粒径として具体的には、10〜200nmであることが好ましく、10〜150nmであることがより好ましい。
流動層化工程においては、これらLiVOPO粒子と炭素粒子とを、高速で回転する(好ましくは13000〜20000rpm)流動層中に投入し、混合する。これにより、LiVOPO粒子に対して炭素粒子が高速で衝突し、相対的に柔らかい炭素粒子が変形しながらLiVOPO粒子の表面を被覆し、炭素被覆層が形成されることとなる。
こうして得られる炭素被覆層は、LiVOPO粒子の表面に物理的に強固に密着しているため、剥脱等が生じにくいとともに、上述したような適切な厚さ(例えば、20〜300nm)の層となる。
本発明の電極用複合粒子の第2の製造方法は、LiVOPO粒子の表面に化学的に炭素被覆層を形成する方法である。すなわち、第2の製造方法は、LiVOPO粒子を、炭素源が溶媒中に溶解又は分散してなる炭素源含有液中に投入してLiVOPO分散液を得る分散工程と、LiVOPO分散液を加熱する加熱工程と、を含む方法である。
LiVOPO粒子は、上記第1の製造方法で説明した方法により得ることができる。
また、炭素源としては、例えば、クエン酸、マレイン酸、フマル酸、グルコース、グルコースを構成単位として含む多糖類、オリゴ糖類など、炭素を含み、且つ、水等の溶媒に溶解する有機化合物、又は、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、黒鉛等の炭素を用いることができる。このうち、有機化合物を用いる場合、それらは溶媒に溶解可能であるため、それらを溶媒に溶解させた溶液を炭素源含有液として用いる。一方、炭素を用いる場合、それらは溶媒に不溶であるため、それらを溶媒に分散させた分散液を炭素源含有液として用いる。
また、上記炭素源の中でも、炭素源を効果的にLiVOPO粒子に被覆させる観点から、有機化合物を用いることが好ましく、グルコース又はグルコースを構成単位として含む多糖類を用いることがより好ましい。
また、上記炭素源を溶解又は分散させるための溶媒としては、水、有機溶剤等を用いることができる。有機溶剤としては、エタノールが好ましい。
上記分散工程においては、上記のLiVOPO粒子を上記炭素源含有液中に投入して分散させ、LiVOPO分散液を得る。
次に、上記加熱工程において、得られたLiVOPO分散液を加熱する。かかる加熱工程においては、まずLiVOPO分散液を加熱して溶媒を除去して、LiVOPO/C前駆体を形成し、この前駆体をAr、H、N雰囲気(常圧)下、又は、還元性ガス雰囲気(減圧)下で更に加熱(焼成)することで、LiVOPO粒子の表面に炭素を析出させ、炭素被覆層を形成することができる。ここで、前駆体の焼成温度は400〜600℃とすることが好ましく、450〜600℃とすることがより好ましい。
本発明の電極用複合粒子の第3の製造方法は、LiVOPO粒子の合成と同時にその表面に炭素被覆層を形成する方法である。すなわち、第3の製造方法は、Li源、V源、PO源及び炭素源を混合して原料混合液を得る混合工程と、原料混合液を酸素分圧50Pa以下の雰囲気で焼成する焼成工程と、を含む方法である。
ここで、Li源、V源及びPO源としては、上記第1の製造方法で例示したものを用いることができる。また、炭素源としては、上記第2の製造方法で例示したものを用いることができる。第3の製造方法においても、炭素源としては、炭素源を効果的にLiVOPO粒子に被覆させる観点から、有機化合物を用いることが好ましく、グルコース又はグルコースを構成単位として含む多糖類を用いることがより好ましい。また、炭素源として炭素を用いる場合には、比表面積の比較的大きな(好ましくは30m/g以上)炭素材料を用いることが好ましい。
上記原料混合液は、Li源、V源、PO源及び炭素源を溶媒中に溶解又は分散させることで得られる。溶媒としては、水、有機溶剤等を用いることができる。有機溶剤としては、エタノールが好ましい。
焼成工程においては、こうして得られた原料混合液から溶媒を除去し、酸素分圧50Pa以下の雰囲気で焼成する。焼成雰囲気は、好ましくは、Ar、H、N雰囲気(常圧)、又は、還元性ガス雰囲気(減圧)である。また、原料混合液の焼成温度は400〜600℃とすることが好ましく、450〜600℃とすることがより好ましい。これにより、LiVOPO粒子の合成と同時にその表面に炭素被覆層が形成され、目的の複合粒子を得ることができる。
上記第1〜3の製造方法により得られる複合粒子中の炭素含有量は、複合粒子全量を基準として0.5〜6.0質量%であることが好ましく、1.0〜6.0質量%であることがより好ましく、2.0〜5.0質量%であることが特に好ましい。この炭素含有量が0.5質量%未満では、炭素被覆層が島状となり、導電性が低下する傾向がある。一方、炭素含有量が6.0質量%を超えると、複合粒子の質量当たりの電気容量が低下する傾向がある。なお、複合粒子における炭素被覆層の被覆の形態としては、LiVOPO母粒子の周りを、島状ではなく薄皮状に炭素被覆層が被覆していることが好ましい。
なお、本発明の電極用複合粒子は、上述した第1〜第3の製造方法以外の方法で作製することもできる。上記第1〜第3の製造方法以外の複合粒子の製造方法としては、例えば、分散媒中にLiVOPO粒子と炭素粒子とを投入し、ボールミル混合する方法などが挙げられる。
次に、本発明の電気化学デバイスについて説明する。本発明の電気化学デバイスは、上述した本発明の電極用複合粒子を含む電極を備えるものである。より具体的には、本発明の電気化学デバイスは、アノードと、カソードと、イオン伝導性を有する電解質層とを備え、上記アノードと上記カソードとが上記電解質層を介して対向配置された構成を有するものであって、上記アノード及び上記カソードのうちの少なくとも一方が、上記本発明の電極用複合粒子を含む電極となっている。なお、本明細書において、「アノード」とは、電気化学デバイスの放電時の極性を基準とするもの(負極)であり、「カソード」とは、電気化学デバイスの放電時の極性を基準とするもの(正極)である。
図2は本発明の電気化学デバイスの好適な一実施形態(リチウムイオン二次電池)を示す正面図である。また、図3は図2に示す電気化学デバイスの内部をアノード10の表面の法線方向からみた場合の展開図である。更に、図4は図2に示す電気化学デバイスを図2のX1−X1線に沿って切断した場合の模式断面図である。また、図5は図2に示す電気化学デバイスを図2のX2−X2線に沿って切断した場合の要部を示す模式断面図である。また、図6は図2に示す電気化学デバイスを図2のY−Y線に沿って切断した場合の要部を示す模式断面図である。
図2〜図6に示すように、電気化学デバイス1は、主として、互いに対向する板状のアノード10及び板状のカソード20と、アノード10とカソード20との間に隣接して配置される板状のセパレータ40と、リチウムイオンを含む電解質溶液(本実施形態では非水電解質溶液)と、これらを密閉した状態で収容するケース50と、アノード10に一方の端部が電気的に接続されると共に他方の端部がケース50の外部に突出されるアノード用リード12と、カソード20に一方の端部が電気的に接続されると共に他方の端部がケース50の外部に突出されるカソード用リード22とから構成されている。
以下に図2〜図10に基づいて本実施形態の各構成要素の詳細を説明する。
まず、アノード10及びカソード20について説明する。図9は図2に示す電気化学デバイス1のアノード10の基本構成の一例を示す模式断面図である。また、図10は、図2に示す電気化学デバイス1のカソード20の基本構成の一例を示す模式断面図である。
図9に示すアノード10は、集電体16と、該集電体16上に形成されたアノード活物質含有層18とからなる。また、図10に示すようにカソード20は、集電体26と、該集電体26上に形成されたカソード活物質含有層28とからなる。
そして、アノード活物質含有層18及びカソード活物質含有層28の少なくとも一方は、活物質として上述した本発明の電極用複合粒子を含有している。なお、上述した本発明の電極用複合粒子は、正極活物質として有効に機能するものであり、通常、カソード活物質含有層28に含有される。
集電体16及び集電体26は、アノード活物質含有層18及びカソード活物質含有層28への電荷の移動を充分に行うことができる良導体であれば特に限定されず、公知の電気化学デバイスに用いられている集電体を使用することができる。例えば、集電体16及び集電体26としては、それぞれ銅、アルミニウム等の金属箔が挙げられる。
また、アノード10のアノード活物質含有層18は、主として、アノード活物質と、結着剤とから構成されている。なお、アノード活物質含有層18は、更に導電助剤を含有していることが好ましい。
アノード活物質は、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入(インターカレーション)、又は、リチウムイオンと該リチウムイオンのカウンターアニオン(例えば、ClO )とのドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることが可能であれば特に限定されず、公知のアノード活物質を使用できる。このような活物質としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、低温度焼成炭素等の炭素材料、Al、Si、Sn等のリチウムと化合することのできる金属、SiO、SnO等の酸化物を主体とする非晶質の化合物、チタン酸リチウム(LiTi12)が挙げられる。中でも、炭素材料が好ましく、炭素材料の層間距離d002が0.335〜0.338nmであり、且つ、炭素材料の結晶子の大きさLc002が30〜120nmであるものがより好ましい。このような条件を満たす炭素材料としては、人造黒鉛、MCF(メソカーボンファイバ)、MCMB(メソカーボンマイクロビーズ)等が挙げられる。なお、上記層間距離d002及び結晶子の大きさLc002は、X線回折法により求めることができる。
アノードに用いられる結着剤としては、公知の結着剤を特に制限なく使用することができ、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂が挙げられる。この結着剤は、活物質粒子や必要に応じて添加される導電助剤等の構成材料同士を結着するのみならず、それらの構成材料と集電体との結着にも寄与している。
また、上記の他に、結着剤としては、例えば、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFMVE−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−CTFE系フッ素ゴム)等のビニリデンフルオライド系フッ素ゴムを用いてもよい。
更に、上記の他に、結着剤としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、芳香族ポリアミド、セルロース、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム等を用いてもよい。また、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、その水素添加物、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、その水素添加物等の熱可塑性エラストマー状高分子を用いてもよい。更に、シンジオタクチック1、2−ポリブタジエン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、プロピレン・α−オレフィン(炭素数2〜12)共重合体等を用いてもよい。また、導電性高分子を用いてもよい。
必要に応じて用いられる導電助剤としては特に限定されず、公知の導電助剤を使用できる。例えば、カーボンブラック類、炭素材料、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属粉、炭素材料及び金属粉の混合物、ITOのような導電性酸化物が挙げられる。
また、カソード20のカソード活物質含有層28は、アノード活物質含有層18と同様に、主として、カソード活物質と、結着剤とから構成されている。また、カソード活物質含有層28は、更に導電助剤を含有していることが好ましい。そして、カソード活物質含有層28は、カソード活物質として上述した本発明の電極用複合粒子を含有している。
なお、カソード活物質含有層28は、本発明の電極用複合粒子以外の公知のカソード活物質を更に含有していてもよい。併用可能なカソード活物質としては、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入(インターカレーション)、又は、リチウムイオンと該リチウムイオンのカウンターアニオン(例えば、ClO )とのドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることが可能なものであれば特に限定されず、公知の電極活物質を使用できる。例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、リチウムマンガンスピネル(LiMn)、及び、一般式:LiNiCoMn(x+y+z=1)で表される複合金属酸化物、リチウムバナジウム化合物(LiV)、オリビン型LiMPO(ただし、Mは、Co、Ni、Mn又はFeを示す)、チタン酸リチウム(LiTi12)等の複合金属酸化物が挙げられる。
カソード20に用いられる結着剤としては、アノード10に用いられる結着剤と同様のものを使用することができる。また、カソード20に必要に応じて用いられる導電助剤としては、アノード10に用いられる導電助剤と同様のものを使用することができる。
また、カソード活物質含有層28において、該カソード活物質含有層28全量を基準とした炭素含有量は、2〜10質量%であることが好ましく、2〜8質量%であることがより好ましく、2〜6質量%であることが特に好ましい。この炭素含有量が2質量%未満であると、電子伝導性が不十分となる傾向があり、10質量%を超えると、電極中に占める炭素量が不必要に多くなり、活物質割合減少による電極容量の低下につながる傾向がある。
更に、カソード活物質含有層28において、上記本発明の電極用複合粒子の含有量は、該カソード活物質含有層28全量を基準として80〜97質量%であることが好ましく、85〜95質量%であることがより好ましく、90〜95質量%であることが特に好ましい。この複合粒子の含有量が80質量%未満であると、電極としての電気容量が減少する傾向があり、97質量%を超えると、電極中に含まれる炭素が少なく、電子伝導性が低下する傾向がある。
また、カソード20の集電体は、例えばアルミニウムからなるカソード用リード22の一端に電気的に接続され、カソード用リード22の他端はケース50の外部に延びている。一方、アノード10の集電体も、例えば銅又はニッケルからなるアノード用リード12の一端に電気的に接続され、アノード用リード12の他端はケース50の外部に延びている。
アノード10とカソード20との間に配置されるセパレータ40は、イオン透過性を有し、且つ、電子的絶縁性を有する多孔体から形成されていれば特に限定されず、公知の電気化学デバイスに用いられるセパレータを使用することができる。かかるセパレータ40としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィンからなるフィルムの積層体や、上記高分子の混合物の延伸膜、或いは、セルロース、ポリエステル及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも一種の構成材料からなる繊維不織布等が挙げられる。
電解質溶液(図示せず)はケース50の内部空間に充填され、その一部は、アノード10、カソード20、及びセパレータ40の内部に含有されている。電解質溶液は、リチウム塩を有機溶媒に溶解した非水電解質溶液が使用される。リチウム塩としては、例えば、LiPF、LiClO、LiBF、LiAsF、LiCFSO、LiCFCFSO、LiC(CFSO、LiN(CFSO、LiN(CFCFSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiN(CFCFCO)等の塩が使用される。なお、これらの塩は1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、電解質溶液は、高分子等を添加することによりゲル状としてもよい。
また、有機溶媒は、公知の電気化学デバイスに使用されている溶媒を使用することができる。例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、及び、ジエチルカーボネート等が好ましく挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で混合して使用してもよい。
ケース50は、互いに対向する一対のフィルム(第1のフィルム51及び第2のフィルム52)を用いて形成されている。ここで、図3に示すように、本実施形態における第1のフィルム51及び第2のフィルム52は連結している。すなわち、本実施形態におけるケース50は、一枚の複合包装フィルムからなる矩形状のフィルムを、図3に示す折り曲げ線X3−X3において折り曲げ、矩形状のフィルムの対向する1組の縁部同士(図中の第1のフィルム51の縁部51B及び第2のフィルム52の縁部52B)を重ね合せて接着剤を用いるか又はヒートシールを行うことにより形成されている。なお、図2及び図3中の51A、並びに、図3中の52Aは、それぞれ第1のフィルム51及び第2のフィルム52の接着又はヒートシールされていない部分領域を示す。
そして、第1のフィルム51及び第2のフィルム52は、1枚の矩形状のフィルムを上述のように折り曲げた際にできる互いに対向する面を有する該フィルムの部分をそれぞれ示す。ここで、本明細書において、接合された後の第1のフィルム51及び第2のフィルム52のそれぞれの縁部を「シール部」という。
これにより、折り曲げ線X3−X3の部分に第1のフィルム51と第2のフィルム52とを接合させるためのシール部を設ける必要がなくなるため、ケース50におけるシール部をより低減することができる。その結果、電気化学デバイス1の設置されるべき空間の体積を基準とする体積エネルギー密度をより向上させることができる。
また、本実施形態の場合、図2及び図3に示すように、アノード10に接続されたアノード用リード12及びカソード20に接続されたカソード用リード22のそれぞれの一端が、上述の第1のフィルム51の縁部51Bと第2のフィルムの縁部52Bとを接合したシール部から外部に突出するように配置されている。
また、第1のフィルム51及び第2のフィルム52を構成するフィルムは、可とう性を有するフィルムである。フィルムは軽量であり薄膜化が容易なため、電気化学デバイス自体の形状を薄膜状とすることができる。そのため、本来の体積エネルギー密度を容易に向上させることができるとともに、電気化学デバイスの設置されるべき空間の体積を基準とする体積エネルギー密度も容易に向上させることができる。
このフィルムは可とう性を有するフィルムであれば特に限定されないが、ケースの十分な機械的強度と軽量性とを確保しつつ、ケース50外部からケース50内部への水分や空気の侵入及びケース50内部からケース50外部への電解質成分の逸散を効果的に防止する観点から、発電要素60に接触する高分子製の最内部の層と、最内部の層の発電要素と接する側の反対側に配置される金属層とを少なくとも有する「複合包装フィルム」であることが好ましい。
第1のフィルム51及び第2のフィルム52として使用可能な複合包装フィルムとしては、例えば、図7及び図8に示す構成の複合包装フィルムが挙げられる。図7に示す複合包装フィルム53は、その内面F53において発電要素60に接触する高分子製の最内部の層50aと、最内部の層50aのもう一方の面(外側の面)上に配置される金属層50cとを有する。また、図8に示す複合包装フィルム54は、図8に示す複合包装フィルム53の金属層50cの外側の面に更に高分子製の最外部の層50bが配置された構成を有する。
第1のフィルム51及び第2のフィルム52として使用可能な複合包装フィルムは、上述の最内部の層をはじめとする1以上の高分子の層、金属箔等の金属層を備えた2以上の層を有する複合包装材であれば特に限定されないが、上記と同様の効果をより確実に得る観点から、図8に示した複合包装フィルム54のように、最内部の層50aと、最内部の層50aから最も遠いケース50の外表面の側に配置される高分子製の最外部の層50bと、最内部の層50aと最外部の層50bとの間に配置される少なくとも1つの金属層50cとを有する3層以上の層から構成されていることがより好ましい。
最内部の層50aは可とう性を有する層であり、その構成材料は上記の可とう性を発現させることが可能であり、且つ、使用される非水電解質溶液に対する化学的安定性(化学反応、溶解、膨潤が起こらない特性)、並びに、酸素及び水(空気中の水分)に対する化学的安定性を有している高分子であれば特に限定されないが、更に酸素、水(空気中の水分)及び非水電解質溶液の成分に対する透過性の低い特性を有している材料が好ましい。例えば、エンジニアリングプラスチック、並びに、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン酸変成物、ポリプロピレン酸変成物、ポリエチレンアイオノマー、ポリプロピレンアイオノマー等の熱可塑性樹脂等が挙げられる。
なお、「エンジニアリングプラスチック」とは、機械部品、電気部品、住宅用材等で使用されるような優れた力学特性と耐熱性、耐久性を有しているプラスチックを意味し、例えば、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリオキシテトラメチレンオキシテレフタロイル(ポリブチレンテレフタレート)、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド等が挙げられる。
また、図8に示した複合包装フィルム54のように、最内部の層50a以外に、最外部の層50b等のような高分子製の層を更に設ける場合、この高分子製の層も、上記最内部の層50aと同様の構成材料を使用してもよい。
金属層50cとしては、酸素、水(空気中の水分)及び非水電解質溶液に対する耐腐食性を有する金属材料から形成されている層であることが好ましい。例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、クロム等からなる金属箔を使用してもよい。
また、ケース50における全てのシール部のシール方法は、特に限定されないが、生産性の観点から、ヒートシール法であることが好ましい。
図2及び図3に示すように、第1のフィルム51の縁部51B及び第2のフィルム52の縁部52Bからなる外装袋のシール部に接触するアノード用リード12の部分には、アノード用リード12と各フィルムを構成する複合包装フィルム中の金属層との接触を防止するための絶縁体14が被覆されている。更に、第1のフィルム51の縁部51B及び第2のフィルム52の縁部52Bからなる外装袋のシール部に接触するカソード用リード22の部分には、カソード用リード22と各フィルムを構成する複合包装フィルム中の金属層との接触を防止するための絶縁体24が被覆されている。
これら絶縁体14及び絶縁体24の構成は特に限定されないが、例えば、それぞれ高分子から形成されていてもよい。なお、アノード用リード12及びカソード用リード22のそれぞれに対する複合包装フィルム中の金属層の接触が十分に防止可能であれば、これら絶縁体14及び絶縁体24は配置しない構成としてもよい。
次に、上述した電気化学デバイス1は、例えば、以下の手順で作製することができる。まず、アノード10及びカソード20のそれぞれに対して、アノード用リード12及びカソード用リード22をそれぞれ電気的に接続する。その後、アノード10とカソード20との間に、セパレータ40を接触した状態(好ましくは非接着状態)で配置し、発電要素60を完成する。このとき、アノード10のアノード活物質含有層18側の面F2、及び、カソード20のカソード活物質含有層28側の面F2がセパレータ40と接触するように配置する。
次に、例えば、以下の方法によりケース50を作製する。まず、第1のフィルム及び第2のフィルムを先に述べた複合包装フィルムから構成する場合には、ドライラミネーション法、ウエットラミネーション法、ホットメルトラミネーション法、エクストルージョンラミネ−ション法等の既知の製法を用いて作製する。また、複合包装フィルムを構成する高分子製の層となるフィルム、アルミニウム等からなる金属箔を用意する。金属箔は、例えば金属材料を圧延加工することにより用意することができる。
次に、好ましくは先に述べた複数の層の構成となるように、高分子製の層となるフィルムの上に接着剤を介して金属箔を貼り合わせる等して複合包装フィルム(多層フィルム)を作製する。そして、複合包装フィルムを所定の大きさに切断し、矩形状のフィルムを1枚用意する。
次に、先に図3を参照して説明したように、1枚のフィルムを折り曲げて、第1のフィルム51のシール部51B(縁部51B)と第2のフィルムのシール部52B(縁部52B)を、例えば、シール機を用いて所定の加熱条件で所望のシール幅だけヒートシールする。このとき、発電要素60をケース50中に導入するための開口部を確保するために、一部のヒートシールを行わない部分を設けておく。これにより開口部を有した状態のケース50が得られる。
そして、開口部を有した状態のケース50の内部に、アノード用リード12及びカソード用リード22が電気的に接続された発電要素60を挿入する。そして、電解質溶液を注入する。続いて、アノード用リード12、カソード用リード22の一部をそれぞれケース50内に挿入した状態で、シール機を用いて、ケース50の開口部をシールする。このようにしてケース50及び電気化学デバイス1の作製が完了する。なお、本発明の電気化学デバイスは、このような形状のものに限定されず、円筒形等の形状でもよい。
以上、本発明の電気化学デバイスの好適な一実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態の説明において、電気化学デバイス1のシール部を折り曲げることにより、よりコンパクトな構成としてもよい。また、上記実施形態の説明においては、アノード10及びカソード20をそれぞれ1つずつ備えた電気化学デバイス1について説明したが、アノード10及びカソード20をそれぞれ2つ以上備え、アノード10とカソード20との間にセパレータ40が常に1つ配置される構成としてもよい。
また、例えば、上記実施形態の説明においては、主として、電気化学デバイスがリチウムイオン二次電池の場合について説明したが、本発明の電気化学デバイスはリチウムイオン二次電池に限定されるものではなく、金属リチウム二次電池(カソードに本発明の複合粒子を含む電極を用い、アノードに金属リチウムを用いたもの)等のリチウムイオン二次電池以外の二次電池や、リチウムキャパシタ等の電気化学キャパシタ等であってもよい。また、本発明の電気化学デバイスは、自走式のマイクロマシン、ICカードなどの電源や、プリント基板上又はプリント基板内に配置される分散電源の用途にも使用することが可能である。なお、リチウムイオン二次電池以外の電気化学デバイスの場合、本発明の複合粒子以外の活物質材料としては、それぞれの電気化学デバイスに適したものを用いればよい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
Li源としてLiCO、V源としてV、及び、PO源としてNHPOをLiVOPOの化学量論比で混合し、600℃で12時間焼成して、LiVOPO粒子(平均粒径4.2μm)を得た。得られたLiVOPO粒子94質量部を、炭素粒子としてのケッチェンブラック(平均粒径30μm)6質量部とともに、空気からなる気流を発生させた流動槽内に投入して、これらの粒子を3分間混合した。これにより、LiVOPO粒子の表面の少なくとも一部に炭素被覆層が形成されてなる複合粒子を得た。
得られた複合粒子は、その複合粒子全量を基準とした炭素含有量が5.2質量%であり、炭素被覆層の厚さは100nmであった。また、得られた複合粒子は、LiVOPO粒子の外周の長さをL(4.5μm)、LiVOPO粒子の外周のうち炭素被覆層が形成されている部分の長さをL’(3.8μm)として、(L’/L)で表される被覆率(2点測定した値の平均値)が0.84であった。また、得られた複合粒子のTEM断面写真を図11に示す。また、得られた複合粒子のBET比表面積は9.7m/gであった。
次に、得られた複合粒子97質量部、及び、バインダーとしてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)3質量部を混合し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に分散させて活物質含有層形成用スラリーを調製した。このスラリーを集電体であるアルミニウム箔上に塗布し、乾燥させた後、圧延を行い、厚さ20μmの集電体上に厚さ40μmの活物質含有層が形成された電極を得た。活物質含有層は、該活物質含有層全量を基準とした炭素含有量が5質量%であった。
次に、得られた電極と、その対極であるLi箔(厚さ100μm)とを、それらの間にポリエチレン微多孔膜からなるセパレータを挟んで積層し、積層体(素体)を得た。この積層体を、アルミラミネーターパックに入れ、このアルミラミネートパックに、電解液として1MのLiPF溶液(溶媒:EC/DEC=3/7(質量比))を注入した後、真空シールし、評価用セル(縦48mm、横34mm、厚さ2mm)を作製した。
この評価用セルを用いて放電温度25℃で定電流放電試験を行い、1/20Cでの放電電圧及び放電容量と、1Cでの放電電圧及び放電容量とを測定した。その結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1と同様にして、複合粒子を作製した。次に、複合粒子94質量部、アセチレンブラック6質量部、ポリフッ化ビニリデン4質量部を混合し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に分散させて活物質含有層形成用スラリーを調製した。このスラリーを用いた以外は実施例1と同様にして、電極及び評価用セルを作製した。得られた電極において、活物質含有層は、該活物質含有層全量を基準とした炭素含有量が5質量%であった。また、得られた評価用セルを用い、実施例1と同様にして、1/20Cでの放電電圧及び放電容量と、1Cでの放電電圧及び放電容量とを測定した。その結果を表1に示す。
(比較例1)
Li源としてLiCO、Fe源としてFeSO、及び、PO源としてNHPOをLiFePOの化学量論比で混合し、600℃で12時間焼成して、LiFePO粒子(平均粒径5μm)を得た。得られたLiFePO粒子94質量部を、炭素粒子としてのアセチレンブラック(平均粒径30μm)6質量部とともに、空気からなる気流を発生させた流動槽内に投入して、これらの粒子を3分間混合した。これにより、LiFePO粒子の表面の少なくとも一部に炭素被覆層が形成されてなる複合粒子を得た。
得られた複合粒子は、その複合粒子全量を基準とした炭素含有量が6質量%であり、炭素被覆層の厚さは100nmであった。また、得られた複合粒子は、LiFePO粒子の外周の長さをL、LiFePO粒子の外周のうち炭素被覆層が形成されている部分の長さをL’として、(L’/L)で表される被覆率が0.85であった。
次に、得られた複合粒子97質量部、バインダーとしてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)3質量部を混合し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に分散させて活物質含有層形成用スラリーを調製した。このスラリーを集電体であるアルミニウム箔上に塗布し、乾燥させた後、圧延を行い、厚さ20μmの集電体上に厚さ40μmの活物質含有層が形成された電極を得た。活物質含有層は、該活物質含有層全量を基準とした炭素含有量が6.0質量%であった。
この電極を用いた以外は実施例1と同様にして、評価用セルを作製した。得られた評価用セルを用い、実施例1と同様にして、1/20Cでの放電電圧及び放電容量と、1Cでの放電電圧及び放電容量とを測定した。その結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1と同様にして、LiVOPO粒子(平均粒径4.2μm)を得た。得られたLiVOPO粒子80質量部、導電助剤としてのアセチレンブラック15質量部、及び、バインダーとしてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)5質量部を混合し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に分散させて活物質含有層形成用スラリーを調製した。このスラリーを集電体であるアルミニウム箔上に塗布し、乾燥させた後、圧延を行い、厚さ20μmの集電体上に厚さ40μmの活物質含有層が形成された電極を得た。活物質含有層は、該活物質含有層全量を基準とした炭素含有量が15質量%であった。
得られた電極に使用したLiVOPO/C混合粒子の断面をSEMにより観察したところ、LiVOPO粒子の表面には炭素被覆層が形成されておらず、導電助剤であるアセチレンブラックの粒子が島状に付着していた。ここで、LiVOPO粒子の外周の長さをL(6.5μm)、LiVOPO粒子の外周のうち導電助剤の粒子が接触している部分の長さを仮にL’(0.8μm)として、(L’/L)で表される被覆率は0.12であった。
また、この電極を用いた以外は実施例1と同様にして、評価用セルを作製した。得られた評価用セルを用い、実施例1と同様にして、1/20Cでの放電電圧及び放電容量と、1Cでの放電電圧及び放電容量とを測定した。その結果を表1に示す。

本発明の電極用複合粒子の基本構成の一例を示す模式断面図である。 本発明の電気化学デバイスの好適な一実施形態を示す正面図である。 図2に示す電気化学デバイスの内部を負極10の表面の法線方向からみた場合の展開図である。 図2に示す電気化学デバイスを図2のX1−X1線に沿って切断した場合の模式断面図である。 図2に示す電気化学デバイスを図2のX2−X2線に沿って切断した場合の要部を示す模式断面図である。 図2に示す電気化学デバイスを図2のY−Y線に沿って切断した場合の要部を示す模式断面図である。 図2に示す電気化学デバイスのケースの構成材料となるフィルムの基本構成の一例を示す模式断面図である。 図2に示す電気化学デバイスのケースの構成材料となるフィルムの基本構成の別の一例を示す模式断面図である。 図2に示す電気化学デバイスのアノードの基本構成の一例を示す模式断面図である。 図2に示す電気化学デバイスのカソードの基本構成の一例を示す模式断面図である。 実施例1で得られた複合粒子のTEM断面写真である。
符号の説明
1…電気化学デバイス、4…LiVOPO粒子、6…炭素被覆層、8…電極用複合粒子、10…アノード、12…アノード用リード線、14…絶縁体、20…カソード、22…カソード用リード線、24…絶縁体、40…セパレータ、50…ケース、60…発電要素。

Claims (16)

  1. LiVOPO粒子と、炭素とを含み、前記炭素は、前記LiVOPO粒子の表面の少なくとも一部に担持されて炭素被覆層を形成している、電極用複合粒子。
  2. 前記電極用複合粒子の断面において、前記LiVOPO粒子の外周の長さをL、前記LiVOPO粒子の外周のうち前記炭素被覆層が形成されている部分の長さをL’として、(L’/L)で表される被覆率が0.2以上である、請求項1記載の電極用複合粒子。
  3. BET比表面積が1.5〜15.0m/gである、請求項1又は2記載の電極用複合粒子。
  4. 前記炭素被覆層の厚さが10〜500nmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電極用複合粒子。
  5. 前記電極用複合粒子全量を基準とした炭素含有量が1〜6質量%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電極用複合粒子。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の電極用複合粒子を含む電極を備える、電気化学デバイス。
  7. 前記電極が前記電極用複合粒子を含む活物質含有層を有し、該活物質含有層全量を基準とした炭素含有量が2〜10質量%である、請求項6記載の電気化学デバイス。
  8. LiVOPO粒子と、炭素とを含み、前記炭素は、前記LiVOPO粒子の表面の少なくとも一部に担持されて炭素被覆層を形成している電極用複合粒子の製造方法であって、
    気流を発生させた流動槽内に前記LiVOPO粒子と炭素粒子とを投入して流動層化させることで、前記LiVOPO粒子の表面の少なくとも一部に前記炭素被覆層を形成する流動層化工程を含む、電極用複合粒子の製造方法。
  9. 前記LiVOPO粒子の平均粒径と前記炭素粒子の平均粒径との比が、10:1〜100:1である、請求項8記載の電極用複合粒子の製造方法。
  10. LiVOPO粒子と、炭素とを含み、前記炭素は、前記LiVOPO粒子の表面の少なくとも一部に担持されて炭素被覆層を形成している電極用複合粒子の製造方法であって、
    前記LiVOPO粒子を、炭素源が溶媒中に溶解又は分散してなる炭素源含有液中に投入してLiVOPO分散液を得る分散工程と、
    前記LiVOPO分散液を加熱する加熱工程と、
    を含む、電極用複合粒子の製造方法。
  11. 前記炭素源が、グルコース又はグルコースを構成単位として含む多糖類である、請求項10記載の電極用複合粒子の製造方法。
  12. 前記炭素源が炭素である、請求項10記載の電極用複合粒子の製造方法。
  13. 前記溶媒が水又はエタノールである、請求項10〜12のいずれか一項に記載の電極用複合粒子の製造方法。
  14. 前記加熱工程における加熱温度が400〜600℃である、請求項10〜13のいずれか一項に記載の電極用複合粒子の製造方法。
  15. LiVOPO粒子と、炭素とを含み、前記炭素は、前記LiVOPO粒子の表面の少なくとも一部に担持されて炭素被覆層を形成している電極用複合粒子の製造方法であって、
    Li源、V源、PO源及び炭素源を混合して原料混合液を得る混合工程と、
    前記原料混合液を酸素分圧50Pa以下の雰囲気で焼成する焼成工程と、
    を含む、電極用複合粒子の製造方法。
  16. 前記炭素源が、グルコース又はグルコースを構成単位として含む多糖類である、請求項15記載の電極用複合粒子の製造方法。
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