JP5211480B2 - 電極用活物質粒子、電極、電気化学デバイス及び電極の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の活物質粒子は、活物質本体と、該活物質本体の表面を部分的に被覆する電子伝導性を有する導電助剤と、を含み、上記活物質本体の表面を10〜80%、好ましくは15〜50%被覆する上記導電助剤からなる連続層を有することを特徴とするものである。
本発明の電極は、上記本発明の電極用活物質粒子を構成材料として含むことを特徴とするものである。ここで、電極は、例えば、電極用活物質粒子を含む導電性の活物質含有層を導電性の集電体上に形成した構造を有するものであってもよく、集電体を有さずに活物質粒子を含む組成物のみから構成されるものであってもよい。
本発明の電気化学デバイスは、アノードと、カソードと、イオン伝導性を有する電解質層とを備え、上記アノードと上記カソードとが上記電解質層を介して対向配置された構成を有する電気化学デバイスであって、上記アノード及び上記カソードのうちの少なくとも一方が、上記本発明の電極であることを特徴とするものである。
活物質本体である平均粒子径3μmのLiFePO4と、導電助剤である平均一次粒子径80nmのアセチレンブラックとを、質量比90:10の混合割合でボールミルにより1時間乾式処理し、更にAr雰囲気下、500℃で1時間の熱処理を行い、活物質本体上に導電助剤を付与した活物質粒子を得た。
得られた活物質粒子のSEM写真を、30000倍の倍率で任意に10箇所撮影し、1箇所(1枚)の写真に1μm×1μmのグリッドを引き、この各1μm×1μm視野中において、活物質を被覆している導電助剤の被覆率、及び、連続層の割合を求め、全ての視野の平均値を算出した。また、上記任意の10箇所のSEM写真において、導電助剤からなる被覆部表面の突起の有無を確認した。10箇所のSEM写真のいずれにも突起が無い場合には突起無しとし、1つでも突起があれば突起有りと評価した。その結果を下記表1に示した。また、参考例1の活物質粒子のSEM写真の1つを図9に示した。図9において、活物質本体4の表面を導電助剤6が部分的に被覆していることが確認できる。更に、導電助剤6からなる被覆部表面に突起8が形成されていることが確認できる。一方、図10に、活物質本体、導電助剤、結着剤及び溶媒を混合したスラリーを集電体上に塗布して形成した従来の電極内における、活物質本体と導電助剤とを撮影したSEM写真を示した。図10においては、図9に示した活物質粒子と比較して、導電助剤6は活物質本体4表面をほとんど被覆していないことが確認できる。
本測定で用いた微小電極測定システムの概略図を図11に示す。図11(A)はシステム全体像であり、図11(B)はセルの拡大図であり、図11(C)は活物質粒子とマイクロ電極との接触部分の拡大図である。
上記で得られた活物質粒子(93質量部)、導電助剤としてのカーボンブラック(3質量部)、及び、結着剤としてのPVDF(4質量部)を混合し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に分散させて活物質含有層形成用スラリーを調製した。このスラリーを集電体であるアルミニウム箔上に塗布し、乾燥させた後、圧延を行い、厚さ20μmの集電体上に厚さ40μmの活物質含有層が形成された電極を得た。次に、得られた電極と、その対極であるLi箔(厚さ100μm)とを、それらの間にポリエチレンからなるセパレータを挟んで積層し、積層体(素体)を得た。この積層体を、アルミラミネーターパックに入れ、このアルミラミネーターパックに電解液である1MLiPF6/PCを注入した後、真空シールし、電極評価用セル(縦48mm、横34mm、厚さ2mm)を作製した。このセルの充放電試験を行い、レート特性評価を行い、電極の急速充放電特性を比較した。この電極特性(急速放電特性)の評価は、1C定電流定電圧充電でカットオフ電圧で満充電にした後、放電カットオフ電圧まで1Cで放電し、その後もう一度満充電にした後放電カットオフ電圧まで5Cで放電し、5C放電の容量と1C放電の容量との比{(5C放電の容量/1C放電の容量)×100}をとることで行った。ここで、電極活物質量より求めた電池の全容量を1時間で放電(充電)させるだけの電流量を1Cレートと言い、その電流量の何倍かをCレートで表している。また、本実施例のように活物質本体としてLiFePO4を用いた場合、充電側は4.5Vカットオフ、放電側は2.5Vカットオフで行った。一方、後述のように活物質本体としてLi4Ti5O12とを用いた場合、充電側は0.8Vカットオフ、放電側は2.2Vカットオフで行った。その結果を表1に示した。
活物質本体である平均粒子径3μmのLiFePO4に対し、流動床反応装置中で、化学種にトルエンを用いて炭素の化学蒸着処理を行い、LiFePO4と炭素との質量比が90:10となるように調整して、活物質本体上に導電助剤(炭素)を付与した活物質粒子を得た。
FeSO4・7H2O、H3PO4、及び、LiOHを純水に溶解し、150℃で4時間の水熱合成を行い、活物質本体として平均粒子径0.5μmのLiFePO4を得た。このLiFePO4と、炭素前駆体としてのショ糖溶液とを、LiFePO4と炭素との質量比が90:10となるように混合し、Ar雰囲気下、800℃で1時間の熱処理を行い、活物質本体上に導電助剤(炭素)を付与した活物質粒子を得た。
活物質本体である平均粒子径3μmのLi4Ti5O12と、導電助剤である平均一次粒子径80nmのアセチレンブラックとを、質量比90:10の混合割合でボールミルにより1時間乾式処理し、更にAr雰囲気下、500℃で1時間の熱処理を行い、活物質本体上に導電助剤を付与した活物質粒子を得た。
活物質本体である平均粒子径3μmのLiFePO4と、導電助剤である平均一次粒子径80nmのアセチレンブラックとを、質量比90:10の混合割合でボールミルにより5分間乾式処理し、更にAr雰囲気下、500℃で1時間の熱処理を行い、活物質本体上に導電助剤を付与した活物質粒子を得た。
活物質本体である平均粒子径3μmのLiFePO4に対し、流動床反応装置中で、化学種にトルエンを用いて炭素の化学蒸着処理を行い、LiFePO4と炭素との質量比が99.5:0.5となるように調整して、活物質本体上に導電助剤(炭素)を付与した活物質粒子を得た。
FeSO4・7H2O、H3PO4、及び、LiOHを純水に溶解し、150℃で4時間の水熱合成を行い、活物質本体として平均粒子径0.5μmのLiFePO4を得た。このLiFePO4と、炭素前駆体としてのショ糖溶液とを、LiFePO4と炭素との質量比が50:50となるように混合し、Ar雰囲気下、800℃で1時間の熱処理を行い、活物質本体上に導電助剤(炭素)を付与した活物質粒子を得た。
活物質本体である平均粒子径3μmのLiFePO4と、導電助剤である平均粒子径3μmの黒鉛とを、質量比90:10の混合割合でボールミルにより1時間乾式処理し、更にAr雰囲気下、500℃で1時間の熱処理を行い、活物質本体上に導電助剤を付与した活物質粒子を得た。
活物質本体である平均粒子径0.5μmのLi4Ti5O12と、導電助剤である平均粒子径3μmの黒鉛とを、質量比90:10の混合割合でボールミルにより1時間乾式処理し、更にAr雰囲気下、500℃で1時間の熱処理を行い、活物質本体上に導電助剤を付与した活物質粒子を得た。
Claims (7)
- 活物質本体と、該活物質本体の表面を部分的に被覆する電子伝導性を有する導電助剤と、を含む電極用活物質粒子であって、
前記活物質本体の表面を被覆する前記導電助剤からなる連続層を有し、
前記電極用活物質粒子の走査型電子顕微鏡写真を30000倍の倍率で任意に10箇所撮影し、撮影した写真に1μm×1μmのグリッドを引き、この1μm×1μm視野中において、前記活物質本体及びそれに付着している前記導電助剤の合計の面積のうち、前記導電助剤の占める面積の割合の合計120視野の平均値を前記導電助剤全体による前記活物質本体の被覆率とし、最も大きく繋がって連続している前記導電助剤の占める面積の割合の合計120視野の平均値を前記連続層のみによる前記活物質本体の被覆率とした場合、前記導電助剤全体による前記活物質本体の被覆率が58〜64%であり、前記連続層のみによる前記活物質本体の被覆率が40.6〜51.2%であり、
前記活物質本体がLiFePO 4 又はLi 4 Ti 5 O 12 であり、
前記導電助剤が炭素材料である、電極用活物質粒子。 - 前記連続層のみによる前記活物質本体の被覆率が15〜50%である、請求項1に記載の電極用活物質粒子。
- 前記活物質本体の表面の5〜60%が、前記導電助剤により被覆されずに露出しており、且つ、連続している、請求項1又は2に記載の電極用活物質粒子。
- 前記導電助剤は、前記活物質本体を直接被覆している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電極用活物質粒子。
- 活物質本体と、該活物質本体の表面を部分的に被覆する電子伝導性を有する導電助剤と、を含む電極用活物質粒子であって、前記活物質本体の表面を被覆する前記導電助剤からなる連続層を有し、前記電極用活物質粒子の走査型電子顕微鏡写真を30000倍の倍率で任意に10箇所撮影し、撮影した写真に1μm×1μmのグリッドを引き、この1μm×1μm視野中において、前記活物質本体及びそれに付着している前記導電助剤の合計の面積のうち、前記導電助剤の占める面積の割合の合計120視野の平均値を前記導電助剤全体による前記活物質本体の被覆率とし、最も大きく繋がって連続している前記導電助剤の占める面積の割合の合計120視野の平均値を前記連続層のみによる前記活物質本体の被覆率とした場合、前記導電助剤全体による前記活物質本体の被覆率が58〜64%であり、前記連続層のみによる前記活物質本体の被覆率が40.6〜51.2%であり、前記活物質本体がLiFePO 4 又はLi 4 Ti 5 O 12 であり、前記導電助剤が炭素材料である電極用活物質粒子、を構成材料として含む電極。
- アノードと、カソードと、イオン伝導性を有する電解質層とを備え、前記アノードと前記カソードとが前記電解質層を介して対向配置された構成を有する電気化学デバイスであって、
前記アノード及び前記カソードのうち少なくとも一方が、活物質本体と、該活物質本体の表面を部分的に被覆する電子伝導性を有する導電助剤と、を含む電極用活物質粒子であって、前記活物質本体の表面を被覆する前記導電助剤からなる連続層を有し、前記電極用活物質粒子の走査型電子顕微鏡写真を30000倍の倍率で任意に10箇所撮影し、撮影した写真に1μm×1μmのグリッドを引き、この1μm×1μm視野中において、前記活物質本体及びそれに付着している前記導電助剤の合計の面積のうち、前記導電助剤の占める面積の割合の合計120視野の平均値を前記導電助剤全体による前記活物質本体の被覆率とし、最も大きく繋がって連続している前記導電助剤の占める面積の割合の合計120視野の平均値を前記連続層のみによる前記活物質本体の被覆率とした場合、前記導電助剤全体による前記活物質本体の被覆率が58〜64%であり、前記連続層のみによる前記活物質本体の被覆率が40.6〜51.2%であり、前記活物質本体がLiFePO 4 又はLi 4 Ti 5 O 12 であり、前記導電助剤が炭素材料である電極用活物質粒子、を構成材料として含む電極である、電気化学デバイス。 - 活物質本体と、該活物質本体の表面を部分的に被覆する電子伝導性を有する導電助剤と、を含む電極用活物質粒子であって、前記活物質本体の表面を被覆する前記導電助剤からなる連続層を有し、前記電極用活物質粒子の走査型電子顕微鏡写真を30000倍の倍率で任意に10箇所撮影し、撮影した写真に1μm×1μmのグリッドを引き、この1μm×1μm視野中において、前記活物質本体及びそれに付着している前記導電助剤の合計の面積のうち、前記導電助剤の占める面積の割合の合計120視野の平均値を前記導電助剤全体による前記活物質本体の被覆率とし、最も大きく繋がって連続している前記導電助剤の占める面積の割合の合計120視野の平均値を前記連続層のみによる前記活物質本体の被覆率とした場合、前記導電助剤全体による前記活物質本体の被覆率が58〜64%であり、前記連続層のみによる前記活物質本体の被覆率が40.6〜51.2%であり、前記活物質本体がLiFePO 4 又はLi 4 Ti 5 O 12 であり、前記導電助剤が炭素材料である電極用活物質粒子を、結着剤及び導電助剤と混合する工程を有することを特徴とする電極の製造方法。
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