JP5228501B2 - 電極用活物質粒子、電極、電気化学デバイス及び電極の製造方法 - Google Patents

電極用活物質粒子、電極、電気化学デバイス及び電極の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電極用活物質粒子、電極、電気化学デバイス及び電極の製造方法に関する。
近年の携帯機器の発展には目覚しいものがあり、その大きな原動力としては、これらの機器の電源として広く採用されているリチウムイオン二次電池をはじめとする高エネルギー電池の発展が挙げられる。かかる高エネルギー電池は、主として、カソードと、アノードと、カソードとアノードとの間に配置される電解質層(例えば、液状電解質又は固体電解質からなる層)とから構成されている。
そして、リチウムイオン二次電池をはじめとする高エネルギー電池、及び、電気二重層キャパシタをはじめとする電気化学キャパシタ等の電気化学デバイスは、携帯機器等の電気化学デバイスが設置されるべき機器の今後の発展に対応すべく特性の更なる向上を目指して様々な研究開発が進められている。特に、高い出入力特性を有する電気化学デバイスを実現することが望まれている。
従来から、上記カソード及び/又はアノードは、それぞれの電極活物質、結着剤(合成樹脂等)、及び、導電助剤等を含む活物質含有層を、集電体(金属箔等)の表面に形成した構成を有している。
しかし、これまで、電極活物質と導電助剤との間の電気的な接触が十分なされていなかったため、作製した電極においては、活物質粒子間、あるいは集電体と活物質粒子間での抵抗が大きくなり、高い出入力特性を得ることができなかった。こうした問題を改善するために、電極の構成材料として、例えば、活物質と導電助剤との関係(比率や配置関係等)を規定した正極活物質(例えば、特許文献1及び2参照)が提案されている。
特開2005−174586号公報 特開2004−14519号公報
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載された正極活物質を用いた場合であっても、電気化学デバイスの急速充放電特性の点で、十分に満足する特性を得ることが困難であった。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、優れた急速充放電特性を有する電気化学デバイスを実現することが可能な、電気化学デバイスの電極用活物質粒子、並びに、それを用いた電極及び電気化学デバイスを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、活物質本体と、該活物質本体の表面を部分的に被覆する電子伝導性を有する導電助剤と、を含み、上記活物質本体の表面に、上記導電助剤からなる層状の被覆部、及び、該層状の被覆部の表面から突出している上記導電助剤からなる突起が形成されており、上記被覆部は、上記活物質本体の表面を10〜80%被覆する上記導電助剤からなる連続層を有し、上記突起の上記活物質本体表面からの高さが、上記活物質本体の粒径の5〜30%である、電極用活物質粒子を提供する。
従来、上記特許文献2に記載のように、活物質本体表面への導電助剤の被覆率を規定する技術はあったが、かかる技術は活物質本体表面を導電助剤で均一に覆う技術であり、こうして得られる活物質粒子では、電子伝導性を有する導電助剤同士の電気的接続が不十分であった。そのため、かかる活物質粒子を用いて電極を形成した場合、活物質粒子同士で効果的な導電ネットワークを構築することができず、内部抵抗の増大を招き、電気化学デバイスの急速充放電特性を十分に満足することが困難であった。
これに対し、本発明の活物質粒子によれば、活物質本体の表面に導電助剤からなる上記高さの突起を有することにより、電極を形成した場合に、突起を有しない場合と比較して、活物質粒子間で一方の活物質粒子の突起が他方の活物質粒子の表面や突起と電気的に接触する確率が高まり、活物質粒子同士で効果的な導電ネットワークを構築することが可能となる。したがって、かかる活物質粒子を用いて電極及び電気化学デバイスを構成することで、電極内部の導電性を飛躍的に高めることができ、内部抵抗を十分に低減して、電気化学デバイスの急速充放電特性を向上させることが可能となる。
本発明において、導電助剤からなる突起とは、活物質本体表面に部分的に導電助剤が集まって形成された突起である。また、活物質本体表面を被覆する導電助剤からなる被覆部が層状に形成されている場合においては、突起は、その層状の被覆部の表面から突出している部分を意味する。この突起の有無は、活物質粒子のSEM写真により確認することができる。
また、本発明の電極用活物質粒子において、上記導電助剤は、上記活物質本体を直接被覆していることが好ましい。これにより、活物質本体と導電助剤との電気的接触を向上させることができる。
また、本発明の電極用活物質粒子において、上記突起は、その先端側に、上記活物質本体側よりも空隙率の大きい領域を有することが好ましい。ここで、突起がその先端側に、活物質本体側よりも空隙率の大きい領域を有するとは、突起の先端側における導電助剤の空間占有率(単位体積当たりの導電助剤の存在量)が小さいことを意味する。突起が、こうした空隙率の大きい領域を先端側に有することにより、突起の先端が他の活物質粒子や導電助剤に接触したときに、他の活物質粒子や導電助剤の形状に合わせて突起先端の形状が変形しやすくなるため、活物質粒子同士の密着性の点で有利となる。そのため、活物質粒子同士でより効果的な導電ネットワークを構築することが可能となる。
本発明はまた、活物質本体と、該活物質本体の表面を部分的に被覆する電子伝導性を有する導電助剤と、を含み、上記活物質本体の表面に、上記導電助剤からなる層状の被覆部、及び、該層状の被覆部の表面から突出している上記導電助剤からなる突起が形成されており、上記被覆部は、上記活物質本体の表面を10〜80%被覆する上記導電助剤からなる連続層を有し、上記突起の上記活物質本体表面からの高さが、上記活物質本体の粒径の5〜30%である電極用活物質粒子、を構成材料として含む電極を提供する。
かかる電極によれば、上述した効果を奏する本発明の電極用活物質粒子を構成材料として含むことにより、内部抵抗が十分に低減され、電気化学デバイスの電極として用いた場合に、その急速充放電特性を非常に優れたものとすることができる。
本発明は更に、アノードと、カソードと、イオン伝導性を有する電解質層とを備え、上記アノードと上記カソードとが上記電解質層を介して対向配置された構成を有する電気化学デバイスであって、上記アノード及び上記カソードのうちの少なくとも一方が、活物質本体と、該活物質本体の表面を部分的に被覆する電子伝導性を有する導電助剤と、を含み、上記活物質本体の表面に、上記導電助剤からなる層状の被覆部、及び、該層状の被覆部の表面から突出している上記導電助剤からなる突起が形成されており、上記被覆部は、上記活物質本体の表面を10〜80%被覆する上記導電助剤からなる連続層を有し、上記突起の上記活物質本体表面からの高さが、上記活物質本体の粒径の5〜30%である電極用活物質粒子、を構成材料として含む電極である、電気化学デバイスを提供する。
かかる電気化学デバイスによれば、上述した効果を奏する本発明の電極をアノード及び/又はカソードに用いていることにより、優れた急速充放電特性を得ることができる。なお、本明細書において、「アノード」とは、電気化学デバイスの放電時の極性を基準とするもの(負極)であり、「カソード」とは、電気化学デバイスの放電時の極性を基準とするもの(正極)である。
本発明は更に、活物質本体と、該活物質本体の表面を部分的に被覆する電子伝導性を有する導電助剤と、を含み、上記活物質本体の表面に、上記導電助剤からなる層状の被覆部、及び、該層状の被覆部の表面から突出している上記導電助剤からなる突起が形成されており、上記被覆部は、上記活物質本体の表面を10〜80%被覆する上記導電助剤からなる連続層を有し、上記突起の上記活物質本体表面からの高さが、上記活物質本体の粒径の5〜30%である電極用活物質粒子を、結着剤及び導電助剤と混合する工程を有する、電極の製造方法を提供する。
本発明によれば、優れた急速充放電特性を有する電気化学デバイスを実現することが可能な、電気化学デバイスの電極用活物質粒子、並びに、それを用いた電極及び電気化学デバイスを提供することができる。
以下、場合により図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
(活物質粒子)
本発明の活物質粒子は、活物質本体と、該活物質本体の表面を部分的に被覆する電子伝導性を有する導電助剤と、を含み、上記活物質本体の表面に、上記導電助剤からなる突起が形成されており、上記突起の上記活物質本体表面からの高さが、上記活物質本体の粒径の5〜30%であるものである。
ここで、上記突起の有無は、活物質粒子のSEM(ScaningElectron Micro Scope:走査型電子顕微鏡)写真により確認することができる。本発明においては、活物質粒子のSEM写真を30000倍の倍率で任意に10箇所撮影したときに、平均して1箇所(1枚)の写真当たり1つ以上存在している場合を「突起有り」と判断する。なお、上記突起には、活物質本体の微粉末が混入していてもよい。
この突起は、複数の活物質粒子同士が電気的に接触する確率を十分に高める観点から、活物質本体表面からの高さが該活物質本体の粒径の5〜30%であることが必要である。より詳細には、突起の高さをA、該突起が形成されている活物質本体の粒径をD(Aと同一単位)として、下記式;
R=(A/D)×100
で表される突起の高さと活物質本体の粒径との比R(%)の値を、上述した任意の10箇所のSEM写真において観察された全ての突起について求めたときに、その最大値Rmax(%)が5〜30%であることが必要である。このRmaxの値が5%未満であると、電極として多数の活物質粒子間の電子伝導パスを構築する場合において、突起が低いために有効なパスができにくい傾向があり、30%を超えると、電極として多数の活物質粒子間の電子伝導パスを構築する場合において、突起が高すぎるために抵抗が大きくなりやすい傾向がある。また、同様の観点から、突起の高さと活物質本体の粒径との比の最大値Rmaxは、6〜28%であることがより好ましく、7〜13%であることが特に好ましい。なお、上記活物質本体の粒径は、SEMで求められる短軸径を意味する。また、多数の活物質粒子間でより効果的な電子伝導パスを構築する観点から、上述した任意の10箇所のSEM写真において観察された全ての突起のうち、上記Rの値が5〜30%である突起が5個以上存在することが好ましく、10個以上存在することがより好ましい。
図1及び図2は本発明の活物質粒子の要部を示す模式断面図である。図1及び図2の活物質粒子においては、活物質本体4表面が導電助剤6により部分的に被覆されており、活物質本体4表面に導電助剤6からなる突起8が形成されている。なお、図1の活物質粒子においては、導電助剤6により被覆部が層状に形成されており、この被覆部表面から突出して突起8が形成されている。
本発明の活物質粒子における突起の形状は、図1及び図2において、突起8の高さAと、被覆部全体と活物質本体4とが接している辺(底辺)の長さBとの比(A/B)が、1/30〜30となる形状であることが好ましく、1/10〜5となる形状であることがより好ましい。かかる比(A/B)の値は、上述した任意の10箇所のSEM写真において観察された全ての突起について求めたときに、その最大値が上記範囲内であることが好ましい。上記の比率を超えて突起8の高さAが大きいと、突起8が長くなりすぎ、電極として多数の活物質粒子間の電子伝導パスを構築する場合において、抵抗が大きくなりやすい傾向がある。一方、上記の比率を超えて底辺の長さBが大きいと、突起8が小さくなりすぎ、電極として多数の活物質粒子間の電子伝導パスを構築する場合において、有効なパスができにくい傾向がある。
また、本発明の活物質粒子は、活物質本体の表面を10〜80%被覆する、導電助剤からなる連続層を有することが好ましい。この連続層の割合は、具体的には以下の方法で求められるものである。すなわち、活物質粒子のSEM写真を30000倍の倍率で任意に10箇所撮影し、1箇所(1枚)の写真に1μm×1μmのグリッドを引き、この1μm×1μm視野中において、活物質本体及びそれに付着している導電助剤の合計の面積のうち、最も大きく繋がって連続している導電助剤の占める面積の割合を求め、合計120視野の平均値を活物質粒子における導電助剤の連続層の割合として算出する。
上記連続層の割合は、10〜80%であることが好ましいが、15〜50%であることがより好ましく、20〜45%であることが特に好ましい。この連続層の割合が上記範囲よりも小さいと、連続層の割合が上記範囲内である場合と比較して、電気化学デバイスを構成した場合に、電極内で効果的な導電ネットワークが構築されにくく、内部抵抗が増大して、急速充放電特性が低下する傾向がある。一方、連続層の割合が上記範囲よりも大きいと、連続層の割合が上記範囲内である場合と比較して、リチウムイオンの挿入・脱離等が可能な面積が減少する傾向があり好ましくない。
また、本発明の活物質粒子において、導電助剤による活物質本体の被覆率は、20〜90%であることが好ましく、30〜80%であることがより好ましく、40〜70%であることが特に好ましい。この被覆率が20%未満であると、被覆率が上記範囲内である場合と比較して、電気化学デバイスを構成した場合に、電極内で複数の活物質粒子同士が電気的に接触する確立が低下し、内部抵抗が増大して、急速充放電特性が低下する傾向がある。一方、被覆率が90%を超えると、被覆率が上記範囲内である場合と比較して、活物質本体表面における、リチウムイオンの脱離及び挿入や電解質イオンの脱離及び吸着等が可能な面積が減少し、急速充放電特性が低下する傾向がある。
ここで、活物質本体の導電助剤による被覆率は、活物質粒子において導電助剤が活物質本体を被覆する割合であり、具体的には以下の方法で求められるものである。すなわち、活物質粒子のSEM写真を30000倍の倍率で任意に10箇所撮影し、1箇所(1枚)の写真に1μm×1μmのグリッドを引き、この1μm×1μm視野中において、活物質本体及びそれに付着している導電助剤の合計の面積のうち、導電助剤の占める面積の割合を求め、合計120視野の平均値を活物質粒子における被覆率として算出する。
また、本発明の電極用活物質粒子において、活物質本体の表面の5〜60%が、導電助剤により被覆されずに露出しており、且つ、連続していることが好ましい。以下、この活物質本体表面の連続している露出部を「連続露出部」と言う。活物質粒子が、上記連続露出部を有することにより、リチウムイオンの脱離及び挿入や電解質イオンの脱離及び吸着等が起こりやすくなる。この連続露出部の割合は、5〜60%であることが好ましいが、上記の効果をより十分に得る観点から、10〜50%であることがより好ましく、20〜40%であることが特に好ましい。
ここで、活物質本体における連続露出部の割合は、活物質本体の導電助剤に被覆されずに露出しており、且つ、連続している露出部の割合であり、具体的には以下の方法で求められるものである。すなわち、活物質粒子のSEM写真を30000倍の倍率で任意に10箇所撮影し、1箇所(1枚)の写真に1μm×1μmのグリッドを引き、この1μm×1μm視野中において、活物質本体及びそれに付着している導電助剤の合計の面積のうち、最も大きく繋がって連続している活物質粒子の露出部の占める面積の割合を求め、合計120視野の平均値を連続露出部の割合として算出する。
本発明の活物質粒子の構成材料として用いられる活物質本体としては、適用される電気化学デバイスの種類や電極の極性に応じて適宜選択することができ、それぞれの電気化学デバイスにおいて公知の電極活物質を特に制限なく使用することができる。活物質粒子を二次電池におけるアノードの構成材料として用いる場合、活物質本体としては、例えば、リチウムイオンを吸蔵・放出(インターカレート、或いはドーピング・脱ドーピング)可能な黒鉛、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、低温度焼成炭素等の炭素材料、Al、Si、Sn等のリチウムと化合することのできる金属、SiO、SnO等の酸化物を主体とする非晶質の化合物、チタン酸リチウム(LiTi12)等が挙げられる。また、活物質粒子を二次電池におけるカソードの構成材料として用いる場合、活物質本体としては、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、リチウムマンガンスピネル(LiMn)、及び、一般式:LiNiMnCo(x+y+z=1)で表される複合金属酸化物、リチウムバナジウム化合物、V、オリビン型LiMPO(ただし、Mは、Co、Ni、Mn又はFe、或いはそれらの複合金属を示す)、チタン酸リチウム(LiTi12)等が挙げられる。また、活物質粒子を電気化学キャパシタにおける電極の構成材料として用いる場合、活物質本体としては、例えば、粒状又は繊維状の賦活処理済みの活性炭や金属酸化物等が挙げられ、特に、ヤシガラ活性炭、ピッチ系活性炭、フェノール樹脂系活性炭等の電気二重層容量の高いものが好ましく用いられる。
活物質本体の平均粒子径は特に制限されず、適用される電気化学デバイスの種類や電極の極性によって適宜選択することができる。活物質粒子を二次電池におけるアノードの構成材料として用いる場合、活物質本体の平均粒子径は、0.1〜50μmであることが好ましく、1〜30μmであることがより好ましい。また、活物質粒子を二次電池におけるカソードの構成材料として用いる場合、活物質本体の平均粒子径は、0.1〜30μmであることが好ましく、1〜20μmであることがより好ましい。また、活物質粒子を電気化学キャパシタにおける電極の構成材料として用いる場合、活物質本体の平均粒子径は、0.1〜50μmであることが好ましく、1〜30μmであることがより好ましい。活物質本体の平均粒子径を上記範囲内とすることにより、電極内の活物質密度を向上させることができるとともに、適正な空孔形状となる傾向がある。
本発明の活物質粒子の構成材料として用いられる導電助剤としては、電子伝導性を有するものであれば特に限定されず公知の導電助剤を使用することができる。かかる導電助剤としては、例えば、カーボンブラック類、高結晶性の人造黒鉛、天然黒鉛等の炭素材料、金、白金、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属材料、上記炭素材料及び金属材料の混合物、ITOのような導電性酸化物などが挙げられる。
導電助剤の平均一次粒子径は特に制限されないが、0.01〜10μmであることが好ましく、0.02〜3μmであることがより好ましい。この平均一次粒子径が0.01μm未満であると、適正な突起を形成することが困難となる傾向があり、10μmを超えると、活物質本体表面を適正に被覆することが困難となる傾向がある。
本発明の活物質粒子において、活物質本体の平均粒子径と導電助剤の平均一次粒子径との比(活物質本体の平均粒子径/導電助剤の平均一次粒子径)は、5〜5000であることが好ましく、10〜1000であることがより好ましい。この粒径比が5未満であると、活物質本体表面を適正に被覆することが困難となる傾向があり、5000を超えると、適正な突起を形成することが困難となる傾向がある。
本発明の活物質粒子において、活物質本体と導電助剤との含有量の比は、体積比で100:1〜2:1であることが好ましく、60:1〜5:1であることがより好ましい。この含有量の比を上記範囲内とすることにより、活物質本体表面の適正な被覆と、適正な突起の形成とが可能となる傾向がある。
また、本発明の活物質粒子は、上記活物質本体と上記導電助剤とを少なくとも有するものであればよく、それ以外の成分として、例えば、結着剤や固体電解質等を更に含んでいてもよい。なお、本発明の効果をより十分に得る観点から、本発明の活物質粒子は、実質的に活物質本体及び導電助剤のみからなるものであることが好ましい。活物質粒子が結着剤を含む場合には、活物質本体と導電助剤との間に結着剤が介在して内部抵抗の上昇を招きやすい。これに対し、活物質粒子において、結着剤等を用いることなく活物質本体に直接導電助剤を付着させることにより、内部抵抗をより確実に低減することができ、電気化学デバイスの急速充放電特性をより確実に向上させることが可能となる。
こうした本発明の活物質粒子は、例えば、以下の方法により作製することができる。すなわち、活物質本体と導電助剤とをボールミルにより乾式処理し、次いで不活性雰囲気下で熱処理する方法、活物質本体に対し流動床反応装置等を用いた化学蒸着処理により導電助剤(炭素等)を付着させる方法、活物質本体と導電助剤(炭素等)の前駆体溶液とを混合し、次いで不活性雰囲気下で熱処理する方法等により、活物質本体の表面が導電助剤により部分的に被覆された活物質粒子を作製することができる。なお、活物質粒子の製造方法は、これらに限定されるものではない。
また、活物質粒子を製造する際には、上述した被覆率及び連続層の割合の条件を満たす活物質粒子が得られるように、製造条件等を調節することが好ましい。例えば、ボールミル等を用いて活物質本体と導電助剤とを機械的に混合する場合、混合が不十分であると被覆率が低下しやすく、一方、過剰に混合すると導電助剤が均一に分散し過ぎて連続層の割合が低下しやすいため、被覆率及び連続層の割合の双方が本願で規定する範囲内となる最適な条件で混合することが好ましい。
(電極)
本発明の電極は、上記本発明の電極用活物質粒子を構成材料として含むことを特徴とするものである。ここで、電極は、例えば、電極用活物質粒子を含む導電性の活物質含有層を導電性の集電体上に形成した構造を有するものであってもよく、集電体を有さずに活物質粒子を含む組成物のみから構成されるものであってもよい。
図3は、本発明の電極の好適な一実施形態を示す模式断面図である。図3に示すように電極2は、集電体16と、該集電体16上に形成された活物質含有層18とからなる。
集電体16は、活物質含有層18への電荷の移動を十分に行うことができる良導体であれば特に限定されず、公知の電気化学デバイスに用いられている集電体を使用することができる。例えば、集電体16としては、銅、アルミニウム等の金属箔が挙げられる。
活物質含有層18は、主として上記本発明の活物質粒子と、結着剤とから構成されている。なお、活物質含有層18には、更に導電助剤を含有させてもよい。
活物質含有層18に用いられる結着剤としては、公知の結着剤を特に制限なく使用することができ、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂が挙げられる。この結着剤は、活物質粒子や必要に応じて添加される導電助剤等の構成材料同士を結着するのみならず、それらの構成材料と集電体との結着にも寄与している。
また、上記の他に、結着剤としては、例えば、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFMVE−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−CTFE系フッ素ゴム)等のビニリデンフルオライド系フッ素ゴムを用いてもよい。
更に、上記の他に、結着剤としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、芳香族ポリアミド、セルロース、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム等を用いてもよい。また、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、その水素添加物、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、その水素添加物等の熱可塑性エラストマー状高分子を用いてもよい。更に、シンジオタクチック1、2−ポリブタジエン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、プロピレン・α−オレフィン(炭素数2〜12)共重合体等を用いてもよい。また、導電性高分子を用いてもよい。
活物質含有層18に必要に応じて用いられる導電助剤としては特に限定されず、活物質粒子の構成材料として用いられる導電助剤と同様のものが挙げられる。
活物質含有層18において活物質粒子の含有量は、活物質含有層18の固形分全量を基準として80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。この含有量が80質量%未満であると、活物質密度が低くなり、エネルギー密度が低下する傾向がある。
電極2を作製する場合、まず、上述した各構成成分を混合し、結着剤が溶解可能な溶媒に分散させ、電極形成用塗布液(スラリー又はペースト等)を作製する。溶媒としては、結着剤が溶解可能であれば特に限定されるものではない。かかる溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
次に、上記電極形成用塗布液を集電体16表面上に塗布し、乾燥させ、圧延することにより集電体16上に活物質含有層18を形成し、電極2の作製を完了する。ここで、電極形成用塗布液を集電体16の表面に塗布する際の手法は特に限定されるものではなく、集電体16の材質や形状等に応じて適宜決定すればよい。かかる塗布法方としては、例えば、メタルマスク印刷法、静電塗装法、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ドクターブレード法、グラビアコート法、スクリーン印刷法等が挙げられる。
(電気化学デバイス)
本発明の電気化学デバイスは、アノードと、カソードと、イオン伝導性を有する電解質層とを備え、上記アノードと上記カソードとが上記電解質層を介して対向配置された構成を有する電気化学デバイスであって、上記アノード及び上記カソードのうちの少なくとも一方が、上記本発明の電極であることを特徴とするものである。
図4は本発明の電気化学デバイスの好適な一実施形態(リチウムイオン二次電池)を示す正面図である。また、図5は図4に示す電気化学デバイスの内部をアノード10の表面の法線方向からみた場合の展開図である。更に、図6は図4に示す電気化学デバイスを図4のX1−X1線に沿って切断した場合の模式断面図である。また、図7は図4に示す電気化学デバイスを図4のX2−X2線に沿って切断した場合の要部を示す模式断面図である。また、図8は図4に示す電気化学デバイスを図4のY−Y線に沿って切断した場合の要部を示す模式断面図である。
図4〜図8に示すように、電気化学デバイス1は、主として、互いに対向する板状のアノード10及び板状のカソード20と、アノード10とカソード20との間に隣接して配置される板状のセパレータ40と、リチウムイオンを含む電解質溶液(本実施形態では非水電解質溶液)と、これらを密閉した状態で収容するケース50と、アノード10に一方の端部が電気的に接続されると共に他方の端部がケース50の外部に突出されるアノード用リード12と、カソード20に一方の端部が電気的に接続されると共に他方の端部がケース50の外部に突出されるカソード用リード22とから構成されている。
ここで、アノード10及びカソード20のうちの少なくとも一方は、上述した本発明の電極2となっている。なお、リチウムイオン二次電池においては、一般的にカソードの導電性が低い傾向があるため、本発明の電極2は少なくともカソード20に用いることが好ましい。また、アノード10又はカソード20として本発明の電極2を用いない場合、従来公知のアノード10又はカソード20を特に制限なく使用することができる。
また、カソード20の集電体は、例えばアルミニウムからなるカソード用リード22の一端に電気的に接続され、カソード用リード22の他端はケース50の外部に延びている。一方、アノード10の集電体も、例えば銅又はニッケルからなるアノード用リード12の一端に電気的に接続され、アノード用リード12の他端はケース50の外部に延びている。
アノード10とカソード20との間に配置されるセパレータ40は、イオン透過性を有し、且つ、電子的絶縁性を有する多孔体から形成されていれば特に限定されず、公知の電気化学デバイスに用いられるセパレータを使用することができる。かかるセパレータ40としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィンからなるフィルムの積層体や、上記高分子の混合物の延伸膜、或いは、セルロース、ポリエステル及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも一種の構成材料からなる繊維不織布等が挙げられる。
電解質溶液(図示せず)はケース50の内部空間に充填され、その一部は、アノード10、カソード20、及びセパレータ40の内部に含有されている。電解質溶液は、リチウム塩を有機溶媒に溶解した非水電解質溶液が使用される。リチウム塩としては、例えば、LiPF、LiClO、LiBF、LiAsF、LiCFSO、LiCFCFSO、LiC(CFSO、LiN(CFSO、LiN(CFCFSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiN(CFCFCO)等の塩が使用される。なお、これらの塩は1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、電解質溶液は、高分子等を添加することによりゲル状としてもよい。
また、有機溶媒は、公知の電気化学デバイスに使用されている溶媒を使用することができる。例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、及び、ジエチルカーボネート等が好ましく挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で混合して使用してもよい。
ケース50は、互いに対向する一対のフィルム(第1のフィルム51及び第2のフィルム52)を用いて形成されている。ここで、図5に示すように、本実施形態における第1のフィルム51及び第2のフィルム52は連結している。すなわち、本実施形態におけるケース50は、一枚の複合包装フィルムからなる矩形状のフィルムを、図5に示す折り曲げ線X3−X3において折り曲げ、矩形状のフィルムの対向する1組の縁部同士(図中の第1のフィルム51の縁部51B及び第2のフィルム52の縁部52B)を重ね合せて接着剤を用いるか又はヒートシールを行うことにより形成されている。なお、図4及び図5中の51A、並びに、図5中の52Aは、それぞれ第1のフィルム51及び第2のフィルム52の接着又はヒートシールされていない部分領域を示す。
そして、第1のフィルム51及び第2のフィルム52は、1枚の矩形状のフィルムを上述のように折り曲げた際にできる互いに対向する面を有する該フィルムの部分をそれぞれ示す。ここで、本明細書において、接合された後の第1のフィルム51及び第2のフィルム52のそれぞれの縁部を「シール部」という。
これにより、折り曲げ線X3−X3の部分に第1のフィルム51と第2のフィルム52とを接合させるためのシール部を設ける必要がなくなるため、ケース50におけるシール部をより低減することができる。その結果、電気化学デバイス1の設置されるべき空間の体積を基準とする体積エネルギー密度をより向上させることができる。
また、本実施形態の場合、図4及び図5に示すように、アノード10に接続されたアノード用リード12及びカソード20に接続されたカソード用リード22のそれぞれの一端が、上述の第1のフィルム51の縁部51Bと第2のフィルムの縁部52Bとを接合したシール部から外部に突出するように配置されている。
また、第1のフィルム51及び第2のフィルム52を構成するフィルムは、可とう性を有するフィルムである。フィルムは軽量であり薄膜化が容易なため、電気化学デバイス自体の形状を薄膜状とすることができる。そのため、本来の体積エネルギー密度を容易に向上させることができるとともに、電気化学デバイスの設置されるべき空間の体積を基準とする体積エネルギー密度も容易に向上させることができる。
このフィルムは可とう性を有するフィルムであれば特に限定されないが、ケースの十分な機械的強度と軽量性とを確保しつつ、ケース50外部からケース50内部への水分や空気の侵入及びケース50内部からケース50外部への電解質成分の逸散を効果的に防止する観点から、発電要素60に接触する高分子製の最内部の層と、最内部の層の発電要素と接する側の反対側に配置される金属層とを少なくとも有する「複合包装フィルム」であることが好ましい。
第1のフィルム51及び第2のフィルム52として使用可能な複合包装フィルムとしては、例えば、図9及び図10に示す構成の複合包装フィルムが挙げられる。図9に示す複合包装フィルム53は、その内面F53において発電要素60に接触する高分子製の最内部の層50aと、最内部の層50aのもう一方の面(外側の面)上に配置される金属層50cとを有する。また、図10に示す複合包装フィルム54は、図10に示す複合包装フィルム53の金属層50cの外側の面に更に高分子製の最外部の層50bが配置された構成を有する。
第1のフィルム51及び第2のフィルム52として使用可能な複合包装フィルムは、上述の最内部の層をはじめとする1以上の高分子の層、金属箔等の金属層を備えた2以上の層を有する複合包装材であれば特に限定されないが、上記と同様の効果をより確実に得る観点から、図10に示した複合包装フィルム54のように、最内部の層50aと、最内部の層50aから最も遠いケース50の外表面の側に配置される高分子製の最外部の層50bと、最内部の層50aと最外部の層50bとの間に配置される少なくとも1つの金属層50cとを有する3層以上の層から構成されていることがより好ましい。
最内部の層50aは可とう性を有する層であり、その構成材料は上記の可とう性を発現させることが可能であり、且つ、使用される非水電解質溶液に対する化学的安定性(化学反応、溶解、膨潤が起こらない特性)、並びに、酸素及び水(空気中の水分)に対する化学的安定性を有している高分子であれば特に限定されないが、更に酸素、水(空気中の水分)及び非水電解質溶液の成分に対する透過性の低い特性を有している材料が好ましい。例えば、エンジニアリングプラスチック、並びに、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン酸変成物、ポリプロピレン酸変成物、ポリエチレンアイオノマー、ポリプロピレンアイオノマー等の熱可塑性樹脂等が挙げられる。
なお、「エンジニアリングプラスチック」とは、機械部品、電気部品、住宅用材等で使用されるような優れた力学特性と耐熱性、耐久性を有しているプラスチックを意味し、例えば、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリオキシテトラメチレンオキシテレフタロイル(ポリブチレンテレフタレート)、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド等が挙げられる。
また、図10に示した複合包装フィルム54のように、最内部の層50a以外に、最外部の層50b等のような高分子製の層を更に設ける場合、この高分子製の層も、上記最内部の層50aと同様の構成材料を使用してもよい。
金属層50cとしては、酸素、水(空気中の水分)及び非水電解質溶液に対する耐腐食性を有する金属材料から形成されている層であることが好ましい。例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、クロム等からなる金属箔を使用してもよい。
また、ケース50における全てのシール部のシール方法は、特に限定されないが、生産性の観点から、ヒートシール法であることが好ましい。
図4及び図5に示すように、第1のフィルム51の縁部51B及び第2のフィルム52の縁部52Bからなる外装袋のシール部に接触するアノード用リード12の部分には、アノード用リード12と各フィルムを構成する複合包装フィルム中の金属層との接触を防止するための絶縁体14が被覆されている。更に、第1のフィルム51の縁部51B及び第2のフィルム52の縁部52Bからなる外装袋のシール部に接触するカソード用リード22の部分には、カソード用リード22と各フィルムを構成する複合包装フィルム中の金属層との接触を防止するための絶縁体24が被覆されている。
これら絶縁体14及び絶縁体24の構成は特に限定されないが、例えば、それぞれ高分子から形成されていてもよい。なお、アノード用リード12及びカソード用リード22のそれぞれに対する複合包装フィルム中の金属層の接触が十分に防止可能であれば、これら絶縁体14及び絶縁体24は配置しない構成としてもよい。
次に、上述した電気化学デバイス1は、例えば、以下の手順で作製することができる。まず、アノード10及びカソード20のそれぞれに対して、アノード用リード12及びカソード用リード22をそれぞれ電気的に接続する。その後、アノード10とカソード20との間に、セパレータ40を接触した状態(好ましくは非接着状態)で配置し、発電要素60を完成する。
次に、例えば、以下の方法によりケース50を作製する。まず、第1のフィルム及び第2のフィルムを先に述べた複合包装フィルムから構成する場合には、ドライラミネーション法、ウエットラミネーション法、ホットメルトラミネーション法、エクストルージョンラミネ−ション法等の既知の製法を用いて作製する。また、複合包装フィルムを構成する高分子製の層となるフィルム、アルミニウム等からなる金属箔を用意する。金属箔は、例えば金属材料を圧延加工することにより用意することができる。
次に、好ましくは先に述べた複数の層の構成となるように、高分子製の層となるフィルムの上に接着剤を介して金属箔を貼り合わせる等して複合包装フィルム(多層フィルム)を作製する。そして、複合包装フィルムを所定の大きさに切断し、矩形状のフィルムを1枚用意する。
次に、先に図5を参照して説明したように、1枚のフィルムを折り曲げて、第1のフィルム51のシール部51B(縁部51B)と第2のフィルムのシール部52B(縁部52B)を、例えば、シール機を用いて所定の加熱条件で所望のシール幅だけヒートシールする。このとき、発電要素60をケース50中に導入するための開口部を確保するために、一部のヒートシールを行わない部分を設けておく。これにより開口部を有した状態のケース50が得られる。
そして、開口部を有した状態のケース50の内部に、アノード用リード12及びカソード用リード22が電気的に接続された発電要素60を挿入する。そして、電解質溶液を注入する。続いて、アノード用リード12、カソード用リード22の一部をそれぞれケース50内に挿入した状態で、シール機を用いて、ケース50の開口部をシールする。このようにしてケース50及び電気化学デバイス1の作製が完了する。なお、本発明の電気化学デバイスは、このような形状のものに限定されず、円筒形等の形状でもよい。
以上、本発明の電気化学デバイスの好適な一実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態の説明において、電気化学デバイス1のシール部を折り曲げることにより、よりコンパクトな構成としてもよい。また、上記実施形態の説明においては、アノード10及びカソード20をそれぞれ1つずつ備えた電気化学デバイス1について説明したが、アノード10及びカソード20をそれぞれ1以上備え、アノード10とカソード20との間にセパレータ40が常に1つ配置される構成としてもよい。
また、例えば、上記実施形態の説明においては、主として、電気化学デバイスがリチウムイオン二次電池の場合について説明したが、本発明の電気化学デバイスはリチウムイオン二次電池に限定されるものではなく、金属リチウム二次電池(カソードに本発明の電極を用い、アノードに金属リチウムを用いたもの)等のリチウムイオン二次電池以外の二次電池や、電気二重層キャパシタ、擬似容量キャパシタ、シュードキャパシタ、レドックスキャパシタ等の電気化学キャパシタ等であってもよい。また、本発明の電気化学デバイスは、自走式のマイクロマシン、ICカードなどの電源や、プリント基板上又はプリント基板内に配置される分散電源の用途にも使用することが可能である。なお、リチウムイオン二次電池以外の電気化学デバイスの場合、活物質粒子としては、それぞれの電気化学デバイスに適したものを用いればよい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
活物質本体である平均粒子径3μmのLiFePOと、導電助剤である平均一次粒子径80nmのアセチレンブラックとを、質量比90:10の混合割合でボールミルにより1時間乾式処理し、更にAr雰囲気下、500℃で1時間の熱処理を行い、活物質本体上に導電助剤を付与した活物質粒子を得た。
<SEM写真観察>
得られた活物質粒子のSEM写真を、30000倍の倍率で任意に10箇所撮影し、1箇所(1枚)の写真に1μm×1μmのグリッドを引き、この各1μm×1μm視野中において、活物質を被覆している導電助剤の被覆率、及び、連続層の割合を求め、全ての視野の平均値を算出した。また、上記任意の10箇所のSEM写真において、導電助剤からなる被覆部表面の突起の有無を確認した。10箇所のSEM写真で観察される突起の数を測定し、平均して1箇所の写真当たりの突起の数が1つ以上である場合を突起有りと判断し、平均して1箇所の写真当たりの突起の数が1つ未満である場合を突起無しと判断した。その結果を下記表1に示した。
また、実施例1の活物質粒子のSEM写真の1つを図11に示した。図11において、活物質本体4の表面を導電助剤6が部分的に被覆していることが確認できる。更に、導電助剤6からなる被覆部表面に突起8が形成されていることが確認できる。一方、図12に、活物質本体、導電助剤、結着剤及び溶媒を混合したスラリーを集電体上に塗布して形成した従来の電極内における、活物質本体と導電助剤とを撮影したSEM写真を示した。図12においては、図11に示した活物質粒子と比較して、導電助剤6は活物質本体4表面をほとんど被覆していないことが確認でき、突起も形成されていないことが確認できる。
図13は図11に示した活物質粒子のSEM写真の一部を拡大した写真である。このSEM写真に示すように、突起8の高さAと活物質本体4の粒径Dとの比の最大値Rmax(%)を求めた。また、上記任意の10箇所のSEM写真において、突起8の高さAと、被覆部全体と活物質本体4とが接している辺(底辺)の長さBとの比(A/B)の最大値を求めた。その結果を下記表1に示した。
<活物質粒子の定電位充放電特性の測定>
本測定で用いた微小電極測定システムの概略図を図14に示す。図14(A)はシステム全体像であり、図14(B)はセルの拡大図であり、図14(C)は活物質粒子とマイクロ電極との接触部分の拡大図である。
図14に示すように、セル70を載せた顕微鏡システムは除振台72上に置き、乾燥アルゴンガスで満たされたグローブボックス(メインボックス)内に設置した(露点−80℃以下)。セル70はステンレス製で、顕微鏡の観察台74に設置した。上記で得られた活物質粒子82を、PVDFスラリーをPETフィルム92上に塗布した上から散布し、乾燥することで、PVDF層94によってPETフィルム92上に活物質粒子82を固定し、これを所定の面積に切断してステンレス製セル70底部に設置し、電解液84としてLiPF/PCを注入した。
顕微鏡78に取り付けたCCDカメラ80の映像を見ながら、マイクロマニピュレータ76を操作して、金属線86をガラス封入して先端を研磨することで作製したマイクロ電極88(直径d=10μm)の先端と活物質粒子82とを接触させて電気的接触を確立し、参照極90のリチウム基準で4.5V定電位充電、2.5V定電位放電測定を行った。その結果を図15に示した。図15は、定電位充放電時の充放電率と時間との関係を示すグラフである。このような測定から、80%充電、80%放電に到達するまでの時間を求め、活物質粒子の急速充放電特性を比較した。このとき、0.2mV/sのサイクリックボルタンメトリーにより求めた可逆容量を、活物質粒子の100%の容量とした。その結果を表1に示した。
<電極特性の評価>
上記で得られた活物質粒子(93質量部)、導電助剤としてのカーボンブラック(3質量部)、及び、結着剤としてのPVDF(4質量部)を混合し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に分散させて活物質含有層形成用スラリーを調製した。このスラリーを集電体であるアルミニウム箔上に塗布し、乾燥させた後、圧延を行い、厚さ20μmの集電体上に厚さ40μmの活物質含有層が形成された電極を得た。次に、得られた電極と、その対極であるLi箔(厚さ100μm)とを、それらの間にポリエチレンからなるセパレータを挟んで積層し、積層体(素体)を得た。この積層体を、アルミラミネーターパックに入れ、このアルミラミネーターパックに電解液である1MLiPF/PCを注入した後、真空シールし、電極評価用セル(縦48mm、横34mm、厚さ2mm)を作製した。このセルの充放電試験を行い、レート特性評価を行い、電極の急速充放電特性を比較した。この電極特性(急速放電特性)の評価は、1C定電流定電圧充電でカットオフ電圧で満充電にした後、放電カットオフ電圧まで1Cで放電し、その後もう一度満充電にした後放電カットオフ電圧まで5Cで放電し、5C放電の容量と1C放電の容量との比{(5C放電の容量/1C放電の容量)×100}をとることで行った。ここで、電極活物質量より求めた電池の全容量を1時間で放電(充電)させるだけの電流量を1Cレートと言い、その電流量の何倍かをCレートで表している。また、本実施例のように活物質本体としてLiFePOを用いた場合、充電側は4.5Vカットオフ、放電側は2.5Vカットオフで行った。一方、後述のように活物質本体としてLiTi12とを用いた場合、充電側は0.8Vカットオフ、放電側は2.2Vカットオフで行った。その結果を表1に示した。
(実施例2)
活物質本体である平均粒子径3μmのLiFePOに対し、流動床反応装置中で、化学種にトルエンを用いて炭素の化学蒸着処理を行い、LiFePOと炭素との質量比が90:10となるように調整して、活物質本体上に導電助剤(炭素)を付与した活物質粒子を得た。
得られた活物質粒子について、SEM写真観察、活物質粒子の定電位充放電特性の測定、及び、活物質粒子を用いて作製した電極の特性評価を実施例1と同様の手順で行った。その結果を表1に示した。
(実施例3)
FeSO・7HO、HPO、及び、LiOHを純水に溶解し、150℃で4時間の水熱合成を行い、活物質本体として平均粒子径0.5μmのLiFePOを得た。このLiFePOと、炭素前駆体としてのショ糖溶液とを、LiFePOと炭素との質量比が90:10となるように混合し、Ar雰囲気下、800℃で1時間の熱処理を行い、活物質本体上に導電助剤(炭素)を付与した活物質粒子を得た。
得られた活物質粒子について、SEM写真観察、活物質粒子の定電位充放電特性の測定、及び、活物質粒子を用いて作製した電極の特性評価を実施例1と同様の手順で行った。その結果を表1に示した。
(実施例4)
活物質本体である平均粒子径3μmのLiTi12と、導電助剤である平均一次粒子径80nmのアセチレンブラックとを、質量比90:10の混合割合でボールミルにより1時間乾式処理し、更にAr雰囲気下、500℃で1時間の熱処理を行い、活物質本体上に導電助剤を付与した活物質粒子を得た。
得られた活物質粒子について、SEM写真観察を実施例1と同様の手順で行った。また、活物質粒子の定電位充放電特性の測定、及び、活物質粒子を用いて作製した電極の特性評価は、充電電位を2.2V、放電電位を0.8Vとした以外は実施例1と同様の手順で行った。その結果を表1に示した。
(比較例1)
活物質本体である平均粒子径3μmのLiFePOと、導電助剤である平均一次粒子径80nmのアセチレンブラックとを、質量比90:10の混合割合でボールミルにより5分間乾式処理し、更にAr雰囲気下、500℃で1時間の熱処理を行い、活物質本体上に導電助剤を付与した活物質粒子を得た。
得られた活物質粒子について、SEM写真観察、活物質粒子の定電位充放電特性の測定、及び、活物質粒子を用いて作製した電極の特性評価を実施例1と同様の手順で行った。その結果を表1に示した。
(比較例2)
活物質本体である平均粒子径3μmのLiFePOに対し、流動床反応装置中で、化学種にトルエンを用いて炭素の化学蒸着処理を行い、LiFePOと炭素との質量比が99.5:0.5となるように調整して、活物質本体上に導電助剤(炭素)を付与した活物質粒子を得た。
得られた活物質粒子について、SEM写真観察、活物質粒子の定電位充放電特性の測定、及び、活物質粒子を用いて作製した電極の特性評価を実施例1と同様の手順で行った。その結果を表1に示した。
(比較例3)
活物質本体である平均粒子径3μmのLiFePOと、導電助剤である平均粒子径3μmの黒鉛とを、質量比90:10の混合割合でボールミルにより1時間乾式処理し、更にAr雰囲気下、500℃で1時間の熱処理を行い、活物質本体上に導電助剤を付与した活物質粒子を得た。
得られた活物質粒子について、SEM写真観察、活物質粒子の定電位充放電特性の測定、及び、活物質粒子を用いて作製した電極の特性評価を実施例1と同様の手順で行った。その結果を表1に示した。

(実施例5)
活物質本体である平均粒子径3μmのLiFePOと、導電助剤である平均一次粒子径80nmのアセチレンブラックとを、質量比90:10の混合割合でボールミルにより59分間乾式処理し、更にAr雰囲気下、500℃で48分間の熱処理を行い、活物質本体上に導電助剤を付与した活物質粒子を得た。
(実施例6)
活物質本体である平均粒子径3μmのLiFePOと、導電助剤である平均一次粒子径80nmのアセチレンブラックとを、質量比90:10の混合割合でボールミルにより47分間乾式処理し、更にAr雰囲気下、500℃で40分間の熱処理を行い、活物質本体上に導電助剤を付与した活物質粒子を得た。
(実施例7)
活物質本体である平均粒子径3μmのLiFePOと、導電助剤である平均一次粒子径80nmのアセチレンブラックとを、質量比90:10の混合割合でボールミルにより52分間乾式処理し、更にAr雰囲気下、500℃で35分間の熱処理を行い、活物質本体上に導電助剤を付与した活物質粒子を得た。
参考例8)
活物質本体である平均粒子径3μmのLiFePOと、導電助剤である平均一次粒子径150nmのアセチレンブラックとを、質量比90:10の混合割合でボールミルにより45分間乾式処理し、更にAr雰囲気下、500℃で2時間の熱処理を行い、活物質本体上に導電助剤を付与した活物質粒子を得た。
(実施例9)
活物質本体である平均粒子径3μmのLiFePOと、導電助剤である平均一次粒子径150nmのアセチレンブラックとを、質量比90:10の混合割合でボールミルにより55分間乾式処理し、更にAr雰囲気下、500℃で1時間の熱処理を行い、活物質本体上に導電助剤を付与した活物質粒子を得た。
(実施例10)
活物質本体である平均粒子径3μmのLiFePOと、導電助剤である平均一次粒子径80nmのアセチレンブラックとを、質量比90:10の混合割合でボールミルにより46分間乾式処理し、更にAr雰囲気下、500℃で70分間の熱処理を行い、活物質本体上に導電助剤を付与した活物質粒子を得た。
(実施例11)
活物質本体である平均粒子径3μmのLiFePOと、導電助剤である平均一次粒子径80nmのアセチレンブラックとを、質量比90:10の混合割合でボールミルにより55分間乾式処理し、更にAr雰囲気下、500℃で57分間の熱処理を行い、活物質本体上に導電助剤を付与した活物質粒子を得た。
(実施例12)
活物質本体である平均粒子径3μmのLiFePOと、導電助剤である平均一次粒子径80nmのアセチレンブラックとを、質量比90:10の混合割合でボールミルにより55分間乾式処理し、更にAr雰囲気下、500℃で45分間の熱処理を行い、活物質本体上に導電助剤を付与した活物質粒子を得た。
(実施例13)
活物質本体である平均粒子径3μmのLiFePOと、導電助剤である平均一次粒子径80nmのアセチレンブラックとを、質量比90:10の混合割合でボールミルにより65分間乾式処理し、更にAr雰囲気下、400℃で1時間の熱処理を行い、活物質本体上に導電助剤を付与した活物質粒子を得た。
(実施例14)
活物質本体である平均粒子径3μmのLiFePOと、導電助剤である平均一次粒子径80nmのアセチレンブラックとを、質量比90:10の混合割合でボールミルにより72分間乾式処理し、更にAr雰囲気下、400℃で50分間の熱処理を行い、活物質本体上に導電助剤を付与した活物質粒子を得た。
(実施例15)
活物質本体である平均粒子径3μmのLiFePOと、導電助剤である平均一次粒子径80nmのアセチレンブラックとを、質量比90:10の混合割合でボールミルにより、79分間乾式処理し、更にAr雰囲気下、400℃で40分間の熱処理を行い、活物質本体上に導電助剤を付与した活物質粒子を得た。
(実施例16)
活物質本体である平均粒子径3μmのLiFePOと、導電助剤である平均一次粒子径50nmのアセチレンブラックとを、質量比90:10の混合割合でボールミルにより45分間乾式処理し、更にAr雰囲気下、500℃で50分間の熱処理を行い、活物質本体上に導電助剤を付与した活物質粒子を得た。
(実施例17)
活物質本体である平均粒子径3μmのLiFePOと、導電助剤である平均一次粒子径50nmのアセチレンブラックとを、質量比90:10の混合割合でボールミルにより82分間乾式処理し、更にAr雰囲気下、500℃で1時間の熱処理を行い、活物質本体上に導電助剤を付与した活物質粒子を得た。
(実施例18)
活物質本体である平均粒子径3μmのLiFePOと、導電助剤である平均一次粒子径80nmのアセチレンブラックとを、質量比90:10の混合割合でボールミルにより39分間乾式処理し、更にAr雰囲気下、500℃で1時間の熱処理を行い、活物質本体上に導電助剤を付与した活物質粒子を得た。
(実施例19)
活物質本体である平均粒子径3μmのLiFePOと、導電助剤である平均一次粒子径80nmのアセチレンブラックとを、質量比90:10の混合割合でボールミルにより90分間乾式処理し、更にAr雰囲気下、500℃で40分間の熱処理を行い、活物質本体上に導電助剤を付与した活物質粒子を得た。
(実施例20)
活物質本体である平均粒子径3μmのLiFePOと、導電助剤である平均一次粒子径80nmのアセチレンブラックとを、質量比90:10の混合割合でボールミルにより94分間乾式処理し、更にAr雰囲気下、500℃で30分間の熱処理を行い、活物質本体上に導電助剤を付与した活物質粒子を得た。
参考例21)
活物質本体である平均粒子径3μmのLiFePOと、導電助剤である平均一次粒子径80nmのアセチレンブラックとを、質量比90:10の混合割合でボールミルにより100分間乾式処理し、更にAr雰囲気下、500℃で20分間の熱処理を行い、活物質本体上に導電助剤を付与した活物質粒子を得た。
(実施例22)
活物質本体である平均粒子径3μmのLiFePOと、導電助剤である平均一次粒子径80nmのアセチレンブラックとを、質量比90:10の混合割合でボールミルにより55分間乾式処理し、更にAr雰囲気下、500℃で48分間の熱処理を行い、活物質本体上に導電助剤を付与した活物質粒子を得た。
(実施例23)
活物質本体である平均粒子径3μmのLiFePOと、導電助剤である平均一次粒子径80nmのアセチレンブラックとを、質量比90:10の混合割合でボールミルにより75分間乾式処理し、更にAr雰囲気下、500℃で1時間の熱処理を行い、活物質本体上に導電助剤を付与した活物質粒子を得た。
(実施例24)
活物質本体である平均粒子径3μmのLiFePOと、導電助剤である平均一次粒子径80nmのアセチレンブラックとを、質量比87.5:12.5の混合割合でボールミルにより80分間乾式処理し、更にAr雰囲気下、500℃で50分間の熱処理を行い、活物質本体上に導電助剤を付与した活物質粒子を得た。
(実施例25)
活物質本体である平均粒子径3μmのLiFePOと、導電助剤である平均一次粒子径80nmのアセチレンブラックとを、質量比85:15の混合割合でボールミルにより80分間乾式処理し、更にAr雰囲気下、500℃で40分間の熱処理を行い、活物質本体上に導電助剤を付与した活物質粒子を得た。
(比較例4)
活物質本体である平均粒子径3μmのLiFePOと、導電助剤である平均一次粒子径50nmのアセチレンブラックとを、質量比90:10の混合割合でボールミルにより55分間乾式処理し、更にAr雰囲気下、500℃で48分間の熱処理を行い、活物質本体上に導電助剤を付与した活物質粒子を得た。
(比較例5)
活物質本体である平均粒子径3μmのLiFePOと、導電助剤である平均一次粒子径80nmのアセチレンブラックとを、質量比82.5:17.5の混合割合でボールミルにより105分間乾式処理し、更にAr雰囲気下、650℃で80分間の熱処理を行い、活物質本体上に導電助剤を付与した活物質粒子を得た。
(比較例6)
活物質本体である平均粒子径3μmのLiFePOと、導電助剤である平均一次粒子径80nmのアセチレンブラックとを、質量比80:20の混合割合でボールミルにより105分間乾式処理し、更にAr雰囲気下、500℃で80分間の熱処理を行い、活物質本体上に導電助剤を付与した活物質粒子を得た。
<SEM写真観察及び特性評価>
実施例5〜7、9〜20、22〜25、参考例8、21及び比較例4〜6で得られた活物質粒子について、SEM写真観察、活物質粒子の定電位充放電特性の測定、及び、活物質粒子を用いて作製した電極の特性評価を実施例1と同様の手順で行った。その結果を表2に示した。
本発明の活物質粒子の要部を示す模式断面図である。 本発明の活物質粒子の要部を示す模式断面図である。 本発明の電極の好適な一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の電気化学デバイスの好適な一実施形態を示す正面図である。 図4に示す電気化学デバイスの内部をアノード10の表面の法線方向からみた場合の展開図である。 図4に示す電気化学デバイスを図4のX1−X1線に沿って切断した場合の模式断面図である。 図4に示す電気化学デバイスを図4のX2−X2線に沿って切断した場合の要部を示す模式断面図である。 図4に示す電気化学デバイスを図4のY−Y線に沿って切断した場合の要部を示す模式断面図である。 図4に示す電気化学デバイスのケースの構成材料となるフィルムの基本構成の一例を示す模式断面図である。 図4に示す電気化学デバイスのケースの構成材料となるフィルムの基本構成の別の一例を示す模式断面図である。 実施例1の活物質粒子のSEM写真(倍率3万倍)である。 従来の電極内における活物質本体及び導電助剤のSEM写真(倍率3万倍)である。 図11に示した実施例1の活物質粒子のSEM写真の一部を拡大した写真である。 (A)〜(C)は、微小電極測定システムを示す概略図である。 実施例1で得られた活物質粒子の定電位充放電時の充放電率と時間との関係を示すグラフである。
符号の説明
1…電気化学デバイス、2…電極、4…活物質本体、6…導電助剤、8…突起、10…アノード、12…アノード用リード線、14…絶縁体、16…集電体、18…活物質含有層、20…カソード、22…カソード用リード線、24…絶縁体、40…セパレータ、50…ケース、60…発電要素。

Claims (6)

  1. 活物質本体と、該活物質本体の表面を部分的に被覆する電子伝導性を有する導電助剤と、を含み、
    前記活物質本体の表面に、前記導電助剤からなる層状の被覆部、及び、該層状の被覆部の表面から突出している前記導電助剤からなる突起が形成されており、
    前記被覆部は、前記活物質本体の表面を10〜80%被覆する前記導電助剤からなる連続層を有し、
    前記突起の前記活物質本体表面からの高さが、前記活物質本体の粒径の5〜30%である、電極用活物質粒子。
  2. 前記導電助剤は、前記活物質本体を直接被覆している、請求項1に記載の電極用活物質粒子。
  3. 前記活物質本体の表面の5〜60%が、前記導電助剤により被覆されずに露出しており、且つ、連続している、請求項1又は2に記載の電極用活物質粒子。
  4. 活物質本体と、該活物質本体の表面を部分的に被覆する電子伝導性を有する導電助剤と、を含み、前記活物質本体の表面に、前記導電助剤からなる層状の被覆部、及び、該層状の被覆部の表面から突出している前記導電助剤からなる突起が形成されており、前記被覆部は、前記活物質本体の表面を10〜80%被覆する前記導電助剤からなる連続層を有し、前記突起の前記活物質本体表面からの高さが、前記活物質本体の粒径の5〜30%である電極用活物質粒子、を構成材料として含む電極。
  5. アノードと、カソードと、イオン伝導性を有する電解質層とを備え、前記アノードと前記カソードとが前記電解質層を介して対向配置された構成を有する電気化学デバイスであって、
    前記アノード及び前記カソードのうちの少なくとも一方が、活物質本体と、該活物質本体の表面を部分的に被覆する電子伝導性を有する導電助剤と、を含み、前記活物質本体の表面に、前記導電助剤からなる層状の被覆部、及び、該層状の被覆部の表面から突出している前記導電助剤からなる突起が形成されており、前記被覆部は、前記活物質本体の表面を10〜80%被覆する前記導電助剤からなる連続層を有し、前記突起の前記活物質本体表面からの高さが、前記活物質本体の粒径の5〜30%である電極用活物質粒子、を構成材料として含む電極である、電気化学デバイス。
  6. 活物質本体と、該活物質本体の表面を部分的に被覆する電子伝導性を有する導電助剤と、を含み、前記活物質本体の表面に、前記導電助剤からなる層状の被覆部、及び、該層状の被覆部の表面から突出している前記導電助剤からなる突起が形成されており、前記被覆部は、前記活物質本体の表面を10〜80%被覆する前記導電助剤からなる連続層を有し、前記突起の前記活物質本体表面からの高さが、前記活物質本体の粒径の5〜30%である電極用活物質粒子を、結着剤及び導電助剤と混合する工程を有する、電極の製造方法。
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