JP2008251223A - リチウムイオン二次電池の製造方法及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池の製造方法及びリチウムイオン二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2008251223A
JP2008251223A JP2007088037A JP2007088037A JP2008251223A JP 2008251223 A JP2008251223 A JP 2008251223A JP 2007088037 A JP2007088037 A JP 2007088037A JP 2007088037 A JP2007088037 A JP 2007088037A JP 2008251223 A JP2008251223 A JP 2008251223A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
secondary battery
ion secondary
lithium ion
anode
cathode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007088037A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5109441B2 (ja
Inventor
Atsushi Sano
篤史 佐野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2007088037A priority Critical patent/JP5109441B2/ja
Publication of JP2008251223A publication Critical patent/JP2008251223A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5109441B2 publication Critical patent/JP5109441B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

【課題】 電解質溶液の分解を抑制して優れた初期放電容量を得ることができ且つ内部抵抗が十分に低減されたリチウムイオン二次電池の製造方法を提供する。
【解決手段】 アノード、カソード、セパレータ、電解質溶液、それらを収容するケースを備えるリチウムイオン二次電池の製造方法であり、オキシエチレン基を有する有機溶媒を含む電解質溶液を準備する工程、黒鉛とカルボキシル基又は水酸基を有する化合物とを含むアノードを準備する工程、アノードとカソードとの間にセパレータを配置する工程、アノード、カソード及びセパレータをケース内に収容する工程、電解質溶液をケース内に注入する工程、ケースを密閉して電池構造体を得る工程、電池構造体を充電することで黒鉛表面の一部を高分子化合物で被覆する工程、を有する製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池の製造方法及びリチウムイオン二次電池に関する。
近年の携帯機器の発展には目覚しいものがあり、その原動力の一つとしてリチウムイオン二次電池をはじめとする高エネルギー電池によるところが大きい。今後、様々な携帯機器の発展に伴い、さらなる電池製造技術の進歩が要求される。
リチウムイオン二次電池は、主として、カソード、アノード、セパレータ、非水電解質溶液から構成されている。カソードは、例えば、カソード活物質(正極活物質)と導電助剤と結着剤とを混合したものを集電体上に塗布して形成され、アノードは、例えば、アノード活物質(負極活物質)と導電助剤と結着剤とを混合したものを集電体上に塗布して形成される。
このようなリチウムイオン二次電池において、アノード活物質としては黒鉛やコークス等の炭素質材料が用いられている。その中でも、体積当りのエネルギー密度の向上につながることから黒鉛が多く用いられている。また、電解質溶液としては、エチレンカーボネートやプロピレンカーボネートに代表される環状カーボネートと、ジエチルカーボネートやメチルエチルカーボネートに代表される鎖状カーボネートとの混合物を溶媒とした電解質溶液が多く使用されている。
しかし、アノード活物質として黒鉛を用いた場合、初回充電時に電解質溶液の分解が生じやすいという問題がある。そして、この電解質溶液の分解に要する電気量は放電に寄与しない不可逆容量となるため、電池の容量は低下することとなる。
この対策として、黒鉛の表面に被膜を形成する技術が提案されている(例えば、下記特許文献1〜2参照)。被膜材料としてはポリエチレンオキシド(PEO)が有望視されており、PEOを黒鉛表面に被覆したり、PEOを電解質溶液に添加することによって自己放電を抑制する方法が提案されている。
特開平11−265710号公報 特開平09−45328号公報
しかしながら、上記従来の黒鉛表面に被膜を形成する技術では、形成される被膜が充放電時の抵抗になり、電池の内部抵抗が上昇するという問題がある。
本発明は上記従来技術の有する課題に鑑みてなされてものであり、アノード活物質として黒鉛を用いた場合の電解質溶液の分解を抑制して、優れた初期放電容量を得ることができるとともに、内部抵抗が十分に低減されたリチウムイオン二次電池を得るためのリチウムイオン二次電池の製造方法、及び、リチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、アノードと、カソードと、上記アノードと上記カソードとの間に配置されるセパレータと、電解質溶液と、上記アノード、上記カソード、上記セパレータ及び上記電解質溶液を密閉した状態で収容するケースと、を備えるリチウムイオン二次電池の製造方法であって、オキシエチレン基を有する有機溶媒を含む上記電解質溶液を準備する電解質溶液調製工程と、黒鉛とカルボキシル基又は水酸基を有する化合物とを含む上記アノードを準備する電極作製工程と、上記アノードと上記カソードとの間に上記セパレータを配置する配置工程と、上記アノード、上記カソード及び上記セパレータを上記ケース内に収容する収容工程と、上記電解質溶液を上記ケース内に注入する注入工程と、上記ケースを密閉して電池構造体を得る密閉工程と、上記電池構造体を充電することで、上記黒鉛の表面の一部を高分子化合物で被覆する初期充電工程と、を有する、リチウムイオン二次電池の製造方法を提供する。
ここで、「アノード」及び「カソード」は説明の便宜上、リチウムイオン二次電池の放電時の極性を基準に決定したものである。従って、充電時には、「アノード」が「カソード」となり、「カソード」が「アノード」となる。
かかるリチウムイオン二次電池の製造方法によれば、黒鉛とともにカルボキシル基又は水酸基を有する化合物を含有するアノードを用い、且つ、オキシエチレン基を有する有機溶媒を含む電解質溶液を用いて上記初期充電工程を行うことにより、黒鉛表面の活性点で選択的な電気化学反応が電解質溶液の分解よりも優先的に生じ、高分子化合物(ポリエチレンオキシド構造の高分子化合物)がアノード表面の活性点に形成されることとなる。そして、アノード表面の活性点が選択的に高分子化合物で被覆されることにより、電解質溶液の分解の進行が抑制される。また、黒鉛同士の接点又は黒鉛と導電助剤との接点、或いは、黒鉛と集電体との接点等の接合点は電解質溶液に浸漬しないため、電子伝導性は確保されると考えられる。したがって、かかるリチウムイオン二次電池の製造方法によれば、電解質溶液の分解を抑制して優れた初期放電容量を得ることができるとともに、内部抵抗が十分に低減されたリチウムイオン二次電池を得ることができる。
ここで、上記初期充電工程は、上記電池構造体を0.2C以下の電流で1時間以上充電し、その後、開回路状態で10分間以上放置することで、上記黒鉛の表面の一部を上記高分子化合物で被覆する工程であることが好ましい。これにより、黒鉛の表面の一部をより効果的に上記高分子化合物で被覆することができる。そのため、かかるリチウムイオン二次電池の製造方法によれば、電解質溶液の分解を抑制してより優れた初期放電容量を得ることができるとともに、内部抵抗がより十分に低減されたリチウムイオン二次電池を得ることができる。
本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法において、上記オキシエチレン基を有する有機溶媒は、エチレンカーボネート及びエチレンサルファイトの少なくとも一方と、ジオキサチオラン−2,2−ジオキシド及びプロパンスルトンの少なくとも一方と、を含むものであることが好ましい。電解質溶液中の有機溶媒がこれらの成分を含有することにより、上記初期充電工程において高分子化合物が黒鉛表面の活性点に、より効率的に形成されることとなる。そのため、より優れた初期放電容量を有し、且つ、内部抵抗がより十分に低減されたリチウムイオン二次電池を製造することが可能となる。
また、上記の効果をより十分に得る観点から、本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法において、上記オキシエチレン基を有する有機溶媒は、エチレンカーボネートとジオキサチオラン−2,2−ジオキシドとを含むものであることが好ましい。この場合、ジオキサチオラン−2,2−ジオキシド(DTD)の分解電位がエチレンカーボネート(EC)よりも十分に高いため、電解質溶液の分解よりも被覆が特に優先的に生じることとなる。そして、アノードにおけるカルボキシル基又は水酸基とDTDとの反応により、ポリエチレンオキシド構造の高分子化合物が効率的に形成されることとなる。
また、本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法において、上記カルボキシル基又は水酸基を有する化合物は、カルボキシメチルセルロース、アクリル酸塩、ポリアミック酸塩、アルギン酸塩、及び、ポリビニルアルコールからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。アノードに含有されるカルボキシル基又は水酸基を有する化合物が上述した特定の化合物であることにより、上記初期充電工程において高分子化合物が黒鉛表面の活性点に、より効率的に形成されることとなる。そのため、より優れた初期放電容量を有し、且つ、内部抵抗がより十分に低減されたリチウムイオン二次電池を製造することが可能となる。
更に、本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法において、上記高分子化合物は、ポリエチレンオキシドであることが好ましい。黒鉛表面に形成される高分子化合物がポリエチレンオキシド(PEO)であることにより、電解質溶液の分解を抑制する効果が特に優れたものとなり、より優れた初期放電容量を有し、且つ、内部抵抗がより十分に低減されたリチウムイオン二次電池を製造することが可能となる。
本発明はまた、上記本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法により作製されたリチウムイオン二次電池を提供する。かかるリチウムイオン二次電池は、上記本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法により作製されているため、アノードに含有される黒鉛の表面の一部に効果的な高分子化合物の被膜が形成され、電解質溶液の分解を抑制して優れた初期放電容量を得ることができるとともに、内部抵抗を十分に低減することができる。
本発明はまた、アノードと、カソードと、上記アノードと上記カソードとの間に配置されるセパレータと、電解質溶液と、上記アノード、上記カソード、上記セパレータ及び上記電解質溶液を密閉した状態で収容するケースと、を備えるリチウムイオン二次電池であって、上記電解質溶液が、オキシエチレン基を有する有機溶媒を含むものであり、上記アノードが、黒鉛とカルボキシル基又は水酸基を有する化合物とを含むものであり、上記黒鉛の表面の一部のみが、オキシエチレン基を有する高分子化合物で被覆されている、リチウムイオン二次電池を提供する。
かかるリチウムイオン二次電池は、黒鉛とともにカルボキシル基又は水酸基を有する化合物を含有するアノードと、オキシエチレン基を有する有機溶媒を含む電解質溶液とを備え、且つ、黒鉛表面の一部のみが、オキシエチレン基を有する高分子化合物で被覆されている構成を有することにより、電解質溶液の分解を抑制して優れた初期放電容量を得ることができるとともに、内部抵抗を十分に低減することができる。
ここで、本発明のリチウムイオン二次電池において、上記オキシエチレン基を有する有機溶媒は、エチレンカーボネート及びエチレンサルファイトの少なくとも一方と、ジオキサチオラン−2,2−ジオキシド及びプロパンスルトンの少なくとも一方と、を含むものであることが好ましい。電解質溶液中の有機溶媒がこれらの成分を含有することにより、高分子化合物が黒鉛表面の活性点に、より効率的に形成され、より優れた初期放電容量を得ることができ、且つ、内部抵抗をより十分に低減することができる。
また、上記の効果をより十分に得る観点から、本発明のリチウムイオン二次電池において、上記オキシエチレン基を有する有機溶媒は、エチレンカーボネートとジオキサチオラン−2,2−ジオキシドとを含むものであることが好ましい。この場合、ジオキサチオラン−2,2−ジオキシド(DTD)の分解電位がエチレンカーボネート(EC)よりも十分に高いため、電解質溶液の分解よりも被覆が特に優先的に生じることとなる。そして、アノードにおけるカルボキシル基又は水酸基とDTDとの反応により、ポリエチレンオキシド構造の高分子化合物が効率的に形成されることとなる。
また、本発明のリチウムイオン二次電池において、上記カルボキシル基又は水酸基を有する化合物は、カルボキシメチルセルロース、アクリル酸塩、ポリアミック酸塩、アルギン酸塩、及び、ポリビニルアルコールからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。アノードに含有されるカルボキシル基又は水酸基を有する化合物が上述した特定の化合物であることにより、高分子化合物が黒鉛表面の活性点に、より効率的に形成され、より優れた初期放電容量を得ることができ、且つ、内部抵抗をより十分に低減することができる。
更に、本発明のリチウムイオン二次電池において、上記高分子化合物は、ポリエチレンオキシドであることが好ましい。黒鉛表面に形成される高分子化合物がポリエチレンオキシド(PEO)であることにより、電解質溶液の分解を抑制する効果が特に優れたものとなり、より優れた初期放電容量を得ることができ、且つ、内部抵抗をより十分に低減することができる。
本発明によれば、アノード活物質として黒鉛を用いた場合の電解質溶液の分解を抑制して、優れた初期放電容量を得ることができるとともに、内部抵抗が十分に低減されたリチウムイオン二次電池を得るためのリチウムイオン二次電池の製造方法、及び、リチウムイオン二次電池を提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
図1は本発明のリチウムイオン二次電池の好適な一実施形態を示す正面図である。また、図2は図1に示すリチウムイオン二次電池の内部をアノード10の表面の法線方向からみた場合の展開図である。更に、図3は図1に示すリチウムイオン二次電池を図1のX1−X1線に沿って切断した場合の模式断面図である。また、図4は図1に示すリチウムイオン二次電池を図1のX2−X2線に沿って切断した場合の要部を示す模式断面図である。また、図5は図1に示すリチウムイオン二次電池を図1のY−Y線に沿って切断した場合の要部を示す模式断面図である。
図1〜図5に示すように、リチウムイオン二次電池1は、主として、互いに対向する板状のアノード10及び板状のカソード20と、アノード10とカソード20との間に隣接して配置される板状のセパレータ40と、リチウムイオンを含む電解質溶液と、これらを密閉した状態で収容するケース50と、アノード10に一方の端部が電気的に接続されると共に他方の端部がケース50の外部に突出されるアノード用リード12と、カソード20に一方の端部が電気的に接続されると共に他方の端部がケース50の外部に突出されるカソード用リード22とから構成されている。そして、上記電解質溶液は、オキシエチレン基を有する有機溶媒を含むものであり、上記アノード10は、黒鉛とカルボキシル基又は水酸基を有する化合物とを含み、その黒鉛表面の一部は、オキシエチレン基を有する高分子化合物で被覆されている。
以下、図1〜図9に基づいて本実施形態の各構成要素の詳細を説明する。
まず、アノード10及びカソード20について説明する。図8は図1に示すリチウムイオン二次電池1のアノード10の基本構成の一例を示す模式断面図である。また、図9は、図1に示すリチウムイオン二次電池1のカソード20の基本構成の一例を示す模式断面図である。
図8に示すようにアノード10は、集電体16と、該集電体16上に形成されたアノード活物質含有層18とからなる。また、図9に示すようにカソード20は、集電体26と、該集電体26上に形成されたカソード活物質含有層28とからなる。
集電体16及び集電体26は、アノード活物質含有層18及びカソード活物質含有層28への電荷の移動を充分に行うことができる良導体であれば特に限定されず、公知のリチウムイオン二次電池に用いられている集電体を使用することができる。例えば、集電体16及び集電体26としては、それぞれ銅、アルミニウム等の金属箔が挙げられる。
また、アノード10のアノード活物質含有層18は、主として、アノード活物質としての黒鉛と、カルボキシル基又は水酸基を有する化合物と、結着剤とから構成されている。なお、アノード活物質含有層18は、更に導電助剤を含有していることが好ましい。
黒鉛としては、公知のアノード活物質に使用される黒鉛を用いることができ、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、天然黒鉛と人造黒鉛との複合体等を用いることができる。中でも、層間距離d002が0.335〜0.338nmであり、且つ、結晶子の大きさLc002が30〜120nmである黒鉛を用いることがより好ましい。なお、上記層間距離d002及び結晶子の大きさLc002は、X線回折法により求めることができる。
また、アノード活物質含有層18には、黒鉛以外の他のアノード活物質を含有させてもよい。他のアノード活物質は、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入(インターカレーション)、又は、リチウムイオンと該リチウムイオンのカウンターアニオン(例えば、ClO )とのドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることが可能であれば特に限定されず、公知のアノード活物質を使用できる。このような活物質としては、例えば、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、低温度焼成炭素等の炭素材料、Al、Si、Sn、Si等のリチウムと化合することのできる金属、SiO、SnO等の酸化物を主体とする非晶質の化合物、チタン酸リチウム(LiTi12)が挙げられる。中でも、炭素材料が好ましく、層間距離d002が0.335〜0.338nmであり、且つ、結晶子の大きさLc002が30〜120nmである炭素材料がより好ましい。このような条件を満たす炭素材料としては、MCF(メソカーボンファイバ)、MCMB(メソカーボンマイクロビーズ)等が挙げられる。なお、上記層間距離d002及び結晶子の大きさLc002は、X線回折法により求めることができる。
アノードに用いられるカルボキシル基又は水酸基を有する化合物としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、アクリル酸塩、ポリアミック酸塩、アルギン酸塩、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。これらの中でも、電解質溶液の分解をより十分に抑制できる観点から、カルボキシメチルセルロース、アクリル酸塩、ポリアミック酸塩、アルギン酸塩、ポリビニルアルコールが好ましく、カルボキシメチルセルロースがより好ましい。
アノードに用いられる結着剤としては、公知の結着剤を特に制限なく使用することができ、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂が挙げられる。この結着剤は、活物質粒子や必要に応じて添加される導電助剤等の構成材料同士を結着するのみならず、それらの構成材料と集電体との結着にも寄与している。
また、上記の他に、結着剤としては、例えば、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFMVE−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−CTFE系フッ素ゴム)等のビニリデンフルオライド系フッ素ゴムを用いてもよい。
更に、上記の他に、結着剤としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、芳香族ポリアミド、セルロース、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム等を用いてもよい。また、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、その水素添加物、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、その水素添加物等の熱可塑性エラストマー状高分子を用いてもよい。更に、シンジオタクチック1、2−ポリブタジエン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、プロピレン・α−オレフィン(炭素数2〜12)共重合体等を用いてもよい。また、導電性高分子を用いてもよい。
必要に応じて用いられる導電助剤としては特に限定されず、公知の導電助剤を使用できる。例えば、カーボンブラック類、炭素材料、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属粉、炭素材料及び金属粉の混合物、ITOのような導電性酸化物が挙げられる。
また、アノード10において、黒鉛の表面の一部は、オキシエチレン基を有する高分子化合物で被覆されている。上記高分子化合物は、黒鉛表面の活性点を被覆していることが好ましい。また、黒鉛表面の活性点以外の部分は、高分子化合物に被覆されずに露出していることが好ましい。
上記高分子化合物はオキシエチレン基を有するものであり、例えば、ポリエチレンオキシド構造を有する化合物が挙げられ、好ましくはポリエチレンオキシド(PEO)である。この高分子化合物は、電解質溶液中のオキシエチレン基を有する有機溶媒と、アノード活物質含有層18中のカルボキシル基又は水酸基を有する化合物との反応により形成されるものである。
アノード活物質含有層18中の黒鉛の含有量は、アノード活物質含有層18全量を基準として90〜96質量%であることが好ましく、92〜95質量%であることがより好ましい。黒鉛の含有量が90質量%未満であると、エネルギー密度が低下する傾向があり、96質量%を超えると、接着力が不足してサイクル特性が低下する傾向がある。
また、アノード活物質含有層18中のカルボキシル基又は水酸基を有する化合物の含有量は、アノード活物質含有層18全量を基準として0.1〜5質量%であることが好ましく、0.5〜3質量%であることがより好ましい。カルボキシル基又は水酸基を有する化合物の含有量が0.1質量%未満であると、反応活性点の割合が不十分となり、十分に高分子被膜を形成することが難しくなる傾向があり、5質量%を超えると、エネルギー密度が低下する傾向がある。
カソード20のカソード活物質含有層28は、主として、カソード活物質と、結着剤とから構成されている。そして、カソード活物質含有層28は、更に導電助剤を含有していることが好ましい。
カソード活物質は、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入(インターカレーション)、又は、リチウムイオンと該リチウムイオンのカウンターアニオン(例えば、ClO )とのドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることが可能であれば特に限定されず、公知の電極活物質を使用できる。例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、リチウムマンガンスピネル(LiMn)、及び、一般式:LiNiCoMn(x+y+z=1)で表される複合金属酸化物、リチウムバナジウム化合物(LiV)、オリビン型LiMPO(ただし、Mは、Co、Ni、Mn又はFeを示す)、チタン酸リチウム(LiTi12)等の複合金属酸化物が挙げられる。
カソード20に用いられる結着剤としては、アノード10に用いられる結着剤と同様のものを使用することができる。また、カソード20に必要に応じて用いられる導電助剤としては、アノード10に用いられる導電助剤と同様のものを使用することができる。
また、カソード20の集電体28は、例えばアルミニウムからなるカソード用リード22の一端に電気的に接続され、カソード用リード22の他端はケース50の外部に延びている。一方、アノード10の集電体16も、例えば銅又はニッケルからなるアノード用リード12の一端に電気的に接続され、アノード用リード12の他端はケース50の外部に延びている。
アノード10とカソード20との間に配置されるセパレータ40は、イオン透過性を有し、且つ、電子的絶縁性を有する多孔体から形成されていれば特に限定されず、公知のリチウムイオン二次電池に用いられるセパレータを使用することができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィンからなるフィルムの積層体や、上記高分子の混合物の延伸膜、或いは、セルロース、ポリエステル及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも一種の構成材料からなる繊維不織布等が挙げられる。
電解質溶液(図示せず)はケース50の内部空間に充填され、その一部は、アノード10、カソード20、及びセパレータ40の内部に含有されている。電解質溶液は、リチウム塩を有機溶媒に溶解した非水電解質溶液が使用される。リチウム塩としては、例えば、LiPF、LiClO、LiBF、LiAsF、LiCFSO、LiCFCFSO、LiC(CFSO、LiN(CFSO、LiN(CFCFSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiN(CFCFCO)等の塩が使用される。なお、これらの塩は1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、電解質溶液は、高分子等を添加することによりゲル状としてもよい。
また、有機溶媒は、少なくともオキシエチレン基を有する有機溶媒を含むものである。オキシエチレン基を有する有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、エチレンサルファイト、ジオキサチオラン−2,2−ジオキシド、プロパンスルトン、1,3−ジオキソラン、エチレンオキシド等が挙げられる。オキシエチレン基を有する有機溶媒は、これらの中でも、エチレンカーボネート及びエチレンサルファイトの少なくとも一方と、ジオキサチオラン−2,2−ジオキシド及びプロパンスルトンの少なくとも一方と、を含むことが好ましく、エチレンカーボネートとジオキサチオラン−2,2−ジオキシドとを含むことがより好ましい。
なお、電解質溶液中の有機溶媒としては、上述したオキシエチレン基を有する有機溶媒以外に、公知のリチウムイオン二次電池に使用されている溶媒を使用することができる。併用可能な他の溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート等が好ましく挙げられる。
ケース50は、互いに対向する一対のフィルム(第1のフィルム51及び第2のフィルム52)を用いて形成されている。ここで、図2に示すように、本実施形態における第1のフィルム51及び第2のフィルム52は連結している。すなわち、本実施形態におけるケース50は、一枚の複合包装フィルムからなる矩形状のフィルムを、図2に示す折り曲げ線X3−X3において折り曲げ、矩形状のフィルムの対向する1組の縁部同士(図中の第1のフィルム51の縁部51B及び第2のフィルム52の縁部52B)を重ね合せて接着剤を用いるか又はヒートシールを行うことにより形成されている。なお、図1及び図2中の51A、並びに、図2中の52Aは、それぞれ第1のフィルム51及び第2のフィルム52の接着又はヒートシールされていない部分領域を示す。
そして、第1のフィルム51及び第2のフィルム52は、1枚の矩形状のフィルムを上述のように折り曲げた際にできる互いに対向する面を有する該フィルムの部分をそれぞれ示す。ここで、本明細書において、接合された後の第1のフィルム51及び第2のフィルム52のそれぞれの縁部を「シール部」という。
これにより、折り曲げ線X3−X3の部分に第1のフィルム51と第2のフィルム52とを接合させるためのシール部を設ける必要がなくなるため、ケース50におけるシール部をより低減することができる。その結果、リチウムイオン二次電池1の設置されるべき空間の体積を基準とする体積エネルギー密度をより向上させることができる。
そして、本実施形態の場合、図1及び図2に示すように、アノード10に接続されたアノード用リード12及びカソード20に接続されたカソード用リード22のそれぞれの一端が、上述の第1のフィルム51の縁部51Bと第2のフィルムの縁部52Bとを接合したシール部から外部に突出するように配置されている。
また、第1のフィルム51及び第2のフィルム52を構成するフィルムは先に述べたように、可とう性を有するフィルムである。フィルムは軽量であり薄膜化が容易なため、リチウムイオン二次電池自体の形状を薄膜状とすることができる。そのため、本来の体積エネルギー密度を容易に向上させることができるとともに、リチウムイオン二次電池の設置されるべき空間の体積を基準とする体積エネルギー密度も容易に向上させることができる。
このフィルムは可とう性を有するフィルムであれば特に限定されないが、ケースの充分な機械的強度と軽量性を確保しつつ、ケース50外部からケース50内部への水分や空気の侵入及びケース50内部からケース50外部への電解質成分の逸散を効果的に防止する観点から、発電要素60に接触する高分子製の最内部の層と、最内部の層の発電要素と接する側の反対側に配置される金属層とを少なくとも有する「複合包装フィルム」であることが好ましい。
第1のフィルム51及び第2のフィルム52として使用可能な複合包装フィルムとしては、例えば、図6及び図7に示す構成の複合包装フィルムが挙げられる。図6に示す複合包装フィルム53は、その内面F53において発電要素60に接触する高分子製の最内部の層50aと、最内部の層50aのもう一方の面(外側の面)上に配置される金属層50cとを有する。また、図7に示す複合包装フィルム54は、図6に示す複合包装フィルム53の金属層50cの外側の面に更に高分子製の最外部の層50bが配置された構成を有する。
第1のフィルム51及び第2のフィルム52として使用可能な複合包装フィルムは、上述の最内部の層をはじめとする1以上の高分子の層、金属箔等の金属層を備えた2以上の層を有する複合包装材であれば特に限定されないが、上記と同様の効果をより確実に得る観点から、図7に示した複合包装フィルム54のように、最内部の層50aと、最内部の層50aから最も遠いケース50の外表面の側に配置される高分子製の最外部の層50bと、最内部の層50aと最外部の層50bとの間に配置される少なくとも1つの金属層50cとを有する3層以上の層から構成されていることがより好ましい。
最内部の層50aは可とう性を有する層であり、その構成材料は上記の可とう性を発現させることが可能であり、且つ、使用される非水電解質溶液に対する化学的安定性(化学反応、溶解、膨潤が起こらない特性)、並びに、酸素及び水(空気中の水分)に対する化学的安定性を有している高分子であれば特に限定されないが、更に酸素、水(空気中の水分)及び非水電解質溶液の成分に対する透過性の低い特性を有している材料が好ましい。例えば、エンジニアリングプラスチック、並びに、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン酸変成物、ポリプロピレン酸変成物、ポリエチレンアイオノマー、ポリプロピレンアイオノマー等の熱可塑性樹脂等が挙げられる。
なお、「エンジニアリングプラスチック」とは、機械部品、電気部品、住宅用材等で使用されるような優れた力学特性と耐熱性、耐久性を有しているプラスチックを意味し、例えば、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリオキシテトラメチレンオキシテレフタロイル(ポリブチレンテレフタレート)、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド等が挙げられる。
また、図7に示した複合包装フィルム54のように、最内部の層50a以外に、最外部の層50b等のような高分子製の層を更に設ける場合、この高分子製の層も、上記最内部の層50aと同様の構成材料を使用してもよい。
金属層50cとしては、酸素、水(空気中の水分)及び非水電解質溶液に対する耐腐食性を有する金属材料から形成されている層であることが好ましい。例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、クロム等からなる金属箔を使用してもよい。
また、ケース50における全てのシール部のシール方法は、特に限定されないが、生産性の観点から、ヒートシール法であることが好ましい。
図1及び図2に示すように、第1のフィルム51の縁部51B及び第2のフィルム52の縁部52Bからなる外装袋のシール部に接触するアノード用リード12の部分には、アノード用リード12と各フィルムを構成する複合包装フィルム中の金属層との接触を防止するための絶縁体14が被覆されている。更に、第1のフィルム51の縁部51B及び第2のフィルム52の縁部52Bからなる外装袋のシール部に接触するカソード用リード22の部分には、カソード用リード22と各フィルムを構成する複合包装フィルム中の金属層との接触を防止するための絶縁体24が被覆されている。
これら絶縁体14及び絶縁体24の構成は特に限定されないが、例えば、それぞれ高分子から形成されていてもよい。なお、アノード用リード12及びカソード用リード22のそれぞれに対する複合包装フィルム中の金属層の接触が充分に防止可能であれば、これら絶縁体14及び絶縁体24は配置しない構成としてもよい。
次に、上述した本発明のリチウムイオン二次電池1を作製するための、本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法について説明する。
本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法は、上述した構成を有するリチウムイオン二次電池1の製造方法であって、オキシエチレン基を有する有機溶媒を含む電解質溶液を準備する電解質溶液調製工程と、黒鉛とカルボキシル基又は水酸基を有する化合物とを含むアノード10を準備する電極作製工程と、アノード10とカソード20との間にセパレータ40を配置する配置工程と、アノード10、カソード20及びセパレータ40をケース50内に収容する収容工程と、電解質溶液をケース50内に注入する注入工程と、ケース50を密閉して電池構造体を得る密閉工程と、電池構造体を充電することで(好ましくは、0.2C以下の電流で1時間以上充電し、その後、開回路状態で10分間以上放置することで)、黒鉛の表面の一部を高分子化合物で被覆する初期充電工程と、を有する方法である。
発電要素60(アノード10、セパレータ40及びカソード20がこの順で順次積層された積層体)の製造方法は、特に限定されず、公知のリチウムイオン二次電池の製造に採用されている公知の方法を用いることができる。
アノード10及びカソード20を作製する場合、先ず、上述した各構成成分を混合し、結着剤が溶解可能な溶媒に分散させ、電極形成用塗布液(スラリー又はペースト等)を作製する。溶媒としては、結着剤が溶解可能であれば特に限定されるものではないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等を用いることができる。
次に、上記電極形成用塗布液を集電体表面上に塗布し、乾燥させ、圧延することにより集電体上に活物質含有層を形成し、アノード10及びカソード20の作製を完了する。なお、アノード10は、上述したようにアノード活物質含有層18中に、黒鉛とカルボキシル基又は水酸基を有する化合物とを含む構成を有している。ここで、電極形成用塗布液を集電体の表面に塗布する際の手法は特に限定されるものではなく、集電体の材質や形状等に応じて適宜決定すればよい。塗布方法としては、例えば、メタルマスク印刷法、静電塗装法、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ドクターブレード法、グラビアコート法、スクリーン印刷法等が挙げられる。
その後、作製したアノード10及びカソード20のそれぞれに対して、アノード用リード12及びカソード用リード22をそれぞれ電気的に接続する。
次に、アノード10とカソード20との間に、セパレータ40を接触した状態(好ましくは非接着状態)で配置し、発電要素60を完成する。このとき、アノード10のアノード活物質含有層18側の面F2、及び、カソード20のカソード活物質含有層28側の面F2がセパレータ40と接触するように配置する。
次に、ケース50の作製方法の一例について説明する。まず、第1のフィルム及び第2のフィルムを先に述べた複合包装フィルムから構成する場合には、ドライラミネーション法、ウエットラミネーション法、ホットメルトラミネーション法、エクストルージョンラミネ−ション法等の既知の製法を用いて作製する。
例えば、複合包装フィルムを構成する高分子製の層となるフィルム、アルミニウム等からなる金属箔を用意する。金属箔は、例えば金属材料を圧延加工することにより用意することができる。
次に、好ましくは先に述べた複数の層の構成となるように、高分子製の層となるフィルムの上に接着剤を介して金属箔を貼り合わせる等して複合包装フィルム(多層フィルム)を作製する。そして、複合包装フィルムを所定の大きさに切断し、矩形状のフィルムを1枚用意する。
次に、先に図2を参照して説明したように、1枚のフィルムを折り曲げて、第1のフィルム51のシール部51B(縁部51B)と第2のフィルムのシール部52B(縁部52B)を、例えば、シール機を用いて所定の加熱条件で所望のシール幅だけヒートシールする。このとき、発電要素60をケース50中に導入するための開口部を確保するために、一部のヒートシールを行わない部分を設けておく。これにより開口部を有した状態のケース50が得られる。
そして、開口部を有した状態のケース50の内部に、アノード用リード12及びカソード用リード22が電気的に接続された発電要素60を挿入する。そして、上述したオキシエチレン基を有する有機溶媒を含む電解質溶液を注入する。
続いて、アノード用リード12、カソード用リード22の一部をそれぞれケース50内に挿入した状態で、シール機を用いて、ケース50の開口部をシールする。これにより、ケース50及び電池構造体の作製が完了する。
次に、得られた電池構造体を充電することで、アノード10における黒鉛の表面の一部を高分子化合物で被覆する。
ここで、充電時の電流は0.2C以下であることが好ましく、0.03〜0.2Cであることがより好ましい。0.2Cを超える電流で充電した場合には、被膜形成が不均一になり、電極の充電状態が不均一になる傾向がある。電極の充電状態が不十分になるとサイクル特性の低下や安全性の低下につながる。また、充電時間は1時間以上であることが好ましく、1〜3時間であることがより好ましい。充電時間が1時間未満である場合、被膜形成が不十分になる傾向がある。更に、充電後、開回路状態で10分間以上放置することが好ましく、10〜60分間放置することがより好ましい。放置時間が10分間未満であると、電極内の電位分布の緩和が不十分になり、被膜形成が不均一になる傾向がある。
上記の条件で電池構造体の充電を行うことにより、アノード10における黒鉛表面の活性点において、カルボキシル基又は水酸基を有する化合物と、電解質溶液中のオキシエチレン基を有する有機溶媒とが反応し、黒鉛表面の活性点に高分子化合物の被膜が形成されることとなる。
以上の工程を経て本発明のリチウムイオン二次電池の作製が完了する。なお、本発明のリチウムイオン二次電池は、図1に示したような形状のものに限定されず、例えば、円筒形等の形状でもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態の説明において、リチウムイオン二次電池1のシール部を折り曲げることにより、よりコンパクトな構成としてもよい。また、上記実施形態の説明においては、アノード10及びカソード20をそれぞれ1つずつ備えたリチウムイオン二次電池1について説明したが、アノード10及びカソード20をそれぞれ2以上備え、アノード10とカソード20との間にセパレータ40が常に1つ配置される構成としてもよい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(アノードの作製)
人造黒鉛(90質量部)と、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)(8質量部)と、カルボキシメチルセルロース(2質量部)とを混合し、N−メチルピロリドン(NMP)に溶解してスラリー状のアノード活物質含有層形成用塗布液を得た。この塗布液をドクターブレード法によって厚さ15μmの銅箔に塗布し、乾燥することによってアノード活物質含有層を形成した。得られた積層体をロールプレス法によって、アノード活物質含有層の密度が1.7g・cm−3になるようにプレスし、アノードを得た。
(カソードの作製)
LiNi1/3Mn1/3Co1/3(92質量部)と、カーボンブラック(2質量部)と、人造黒鉛(3質量部)と、PVdF(3質量部)とを混合し、NMPに溶解してスラリー状のカソード活物質含有層形成用塗布液を得た。この塗布液をドクターブレード法によって厚さ15μmのアルミニウム箔に塗布し、乾燥することによってカソード活物質含有層を形成した。得られた積層体をロールプレス法によって、カソード活物質含有層の密度が3.2g・cm−3になるようにプレスし、カソードを得た。
(電解質溶液の調製)
プロピレンカーボネート(PC)(50体積部)と、エチレンカーボネート(EC)(10体積部)と、ジエチルカーボネート(40体積部)とを混合し、混合溶媒を得た。この混合溶媒に、6フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1.5mol・dm−3の濃度となるように溶解し、更に1,3,2−ジオキサチオラン−2,2−ジオキシドを、上記で調製した溶液全体100質量部に対して5質量部加えて、電解質溶液を調製した。
(リチウムイオン二次電池の作製)
アノードを17mm×31mmの寸法に、カソードを16mm×30mmの寸法にそれぞれ打ち抜き、そのアノードとカソードとの間にポリエチレン製のセパレータを配置して積層し、電池素体を形成した。得られた電池素体をアルミラミネートフィルムに入れ、電解質溶液を注液し、真空封入した。これにより、リチウムイオン二次電池を得た。
(初期充電工程及び放電容量の測定)
得られたリチウムイオン二次電池について、25℃で9mA(0.05C)で3時間充電し、30分間開回路で放置した(初期充電工程)。その後、90mA(0.5C)で4.2Vまで充電し、4.2Vに達した後は4.2Vの定電圧を保持する定電流定電圧充電を行った。その後、90mA(0.5C)の定電流で3.0Vまで放電を行い、そのときの放電容量を測定した。結果を表1に示す。
[実施例2]
アノードにおいて、カルボキシメチルセルロース(2質量部)に代えてポリアクリル酸ナトリウム(2質量部)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2のリチウムイオン二次電池を作製した。また、得られたリチウムイオン二次電池に対し、実施例1と同様にして、初期充電工程及び放電容量の測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例3]
アノードにおいて、カルボキシメチルセルロース(2質量部)に代えてアルギン酸ナトリウム(2質量部)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例3のリチウムイオン二次電池を作製した。また、得られたリチウムイオン二次電池に対し、実施例1と同様にして、初期充電工程及び放電容量の測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例4]
アノードにおいて、カルボキシメチルセルロース(2質量部)に代えて酢酸ナトリウム(2質量部)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例4のリチウムイオン二次電池を作製した。また、得られたリチウムイオン二次電池に対し、実施例1と同様にして、初期充電工程及び放電容量の測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例5]
アノードにおいて、カルボキシメチルセルロース(2質量部)に代えて酢酸リチウム(2質量部)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例5のリチウムイオン二次電池を作製した。また、得られたリチウムイオン二次電池に対し、実施例1と同様にして、初期充電工程及び放電容量の測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例6]
アノードにおいて、カルボキシメチルセルロース(2質量部)に代えてトリフルオロ酢酸ナトリウム(2質量部)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例6のリチウムイオン二次電池を作製した。また、得られたリチウムイオン二次電池に対し、実施例1と同様にして、初期充電工程及び放電容量の測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例7]
アノードにおいて、カルボキシメチルセルロース(2質量部)に代えてポリアミック酸(2質量部)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例7のリチウムイオン二次電池を作製した。また、得られたリチウムイオン二次電池に対し、実施例1と同様にして、初期充電工程及び放電容量の測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例8]
アノードにおいて、カルボキシメチルセルロース(2質量部)に代えてポリビニルアルコール(2質量部)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例8のリチウムイオン二次電池を作製した。また、得られたリチウムイオン二次電池に対し、実施例1と同様にして、初期充電工程及び放電容量の測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例9]
電解質溶液において、1,3,2−ジオキサチオラン−2,2−ジオキシド(5質量部)に代えて1,3−プロパンスルトン(5質量部)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例9のリチウムイオン二次電池を作製した。また、得られたリチウムイオン二次電池に対し、実施例1と同様にして、初期充電工程及び放電容量の測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例10]
電解質溶液において、1,3,2−ジオキサチオラン−2,2−ジオキシド(5質量部)に代えてエチレンサルファイト(5質量部)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例10のリチウムイオン二次電池を作製した。また、得られたリチウムイオン二次電池に対し、実施例1と同様にして、初期充電工程及び放電容量の測定を行った。結果を表1に示す。
[比較例1]
電解質溶液において、1,3,2−ジオキサチオラン−2,2−ジオキシドを添加しなかった以外は実施例1と同様にして、比較例1のリチウムイオン二次電池を作製した。また、得られたリチウムイオン二次電池に対し、実施例1と同様にして、初期充電工程及び放電容量の測定を行った。結果を表1に示す。
[比較例2]
アノードにおいて、カルボキシメチルセルロースを加えなかったこと以外は実施例1と同様にして、比較例2のリチウムイオン二次電池を作製した。また、得られたリチウムイオン二次電池に対し、実施例1と同様にして、初期充電工程及び放電容量の測定を行った。結果を表1に示す。
[比較例3]
LiPFとポリエチレンオキシド(PEO)とをモル比1:10で混合し、アセトニトリルを加えて溶解した。この溶液200gに人造黒鉛100gを加えて攪拌した。その後、粉体を取り出し、乾燥することによってPEO被覆黒鉛を得た。得られたPEO被覆黒鉛(90質量部)と、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)(8質量部)と、カルボキシメチルセルロース(2質量部)とを混合し、N−メチルピロリドン(NMP)に溶解してスラリー状のアノード活物質含有層形成用塗布液を得た。この塗布液をドクターブレード法によって厚さ15μmの銅箔に塗布し、乾燥することによってアノード活物質含有層を形成した。得られた積層体をロールプレス法によって、アノード活物質含有層の密度が1.7g・cm−3になるようにプレスし、アノードを得た。このアノードを用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例3のリチウムイオン二次電池を作製した。また、得られたリチウムイオン二次電池に対し、実施例1と同様にして、初期充電工程及び放電容量の測定を行った。結果を表1に示す。
Figure 2008251223

表1に示した結果から、アノード活物質含有層にカルボキシル基を含む化合物を含有させ、且つ、電解質溶液にエチレンオキシド基を有するイオウ化合物を含む場合には、どちらか一方のみを含む場合と比較して高い容量が得られることがわかる。また、実施例の場合にはPCの分解が抑制され、比較例の場合にはPCの分解が進んだ結果、実施例1〜10では比較例1〜3と比較して優れた放電容量を得ることができることが確認された。これは、実施例の場合にはエチレンオキシド基含有イオウ化合物が分解して黒鉛表面に被膜を形成することによりPCの分解が抑制されたためであると考えられる。
<エチレンオキシドの定量>
実施例1及び比較例1で得られたリチウムイオン二次電池の初期充電工程後のアノードにおいて、黒鉛表面に形成された被膜に含まれるエチレンオキシドを、熱抽出GC/MS分析法によって定量した。熱抽出温度は250℃で抽出した。GC/MS測定により得られたクロマトグラムより検出されたエチレンオキシド化合物のピーク面積から、エチレンオキシドのイオン電流の積算値を計算した。その結果、実施例1の場合にはエチレンオキシドに由来する総イオン量が4.95×10であった。一方、比較例1の場合にはエチレンオキシドに由来するピークが検出されなかった。実施例1の場合にはポリエチレンオキシドが黒鉛表面の活性点に被膜を形成しており、それによって電解質溶液中のPCの分解が抑制されたものと考えられる。一方、比較例1の場合にはあらかじめ黒鉛表面にPEOがコーティングされているにも関わらず、十分な放電容量が得られなかった。これはPEOコートが電解質溶液を遮断する被膜として機能するには不十分であったためPCの分解が進み、黒鉛が破壊されたためであると考えられる。
(サイクル特性の評価)
実施例1及び比較例3で得られた、初期充電工程及び放電容量測定後のリチウムイオン二次電池に対し、180mAで4.2Vまで充電し、4.2Vに達した後は4.2Vの定電圧を保持する定電流定電圧充電を行い、その後、180mAの定電流で3.0Vまで放電を行う操作を1サイクルとし、この充放電を500サイクル繰り返した。500サイクル目の放電時の放電容量を測定し、初期放電容量に対する割合を容量保持率(%)として求めた。その結果を表2に示す。
Figure 2008251223

(内部抵抗の測定)
実施例1及び比較例1で得られた、初期充電工程及び放電容量測定後のリチウムイオン二次電池に対し、1kHzの交流インピーダンス(mΩ)を測定した。その結果を表3に示す。
Figure 2008251223

表3に示すように、実施例1では緻密で薄い被膜が形成されたため、比較例1と比較して低抵抗になったものと考えられる。
本発明のリチウムイオン二次電池の好適な一実施形態を示す正面図である。 図1に示すリチウムイオン二次電池の内部をアノード10の表面の法線方向からみた場合の展開図である。 図1に示すリチウムイオン二次電池を図1のX1−X1線に沿って切断した場合の模式断面図である。 図1に示すリチウムイオン二次電池を図1のX2−X2線に沿って切断した場合の要部を示す模式断面図である。 図1に示すリチウムイオン二次電池を図1のY−Y線に沿って切断した場合の要部を示す模式断面図である。 図1に示すリチウムイオン二次電池のケースの構成材料となるフィルムの基本構成の一例を示す模式断面図である。 図1に示すリチウムイオン二次電池のケースの構成材料となるフィルムの基本構成の別の一例を示す模式断面図である。 図1に示すリチウムイオン二次電池のアノードの基本構成の一例を示す模式断面図である。 図1に示すリチウムイオン二次電池のカソードの基本構成の一例を示す模式断面図である。
符号の説明
1…リチウムイオン二次電池、10…アノード、12…アノード用リード線、14…絶縁体、16…集電体、18…アノード活物質含有層、20…カソード、22…カソード用リード線、24…絶縁体、26…集電体、28…アノード活物質含有層、40…セパレータ、50…ケース、60…発電要素。

Claims (12)

  1. アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置されるセパレータと、電解質溶液と、前記アノード、前記カソード、前記セパレータ及び前記電解質溶液を密閉した状態で収容するケースと、を備えるリチウムイオン二次電池の製造方法であって、
    オキシエチレン基を有する有機溶媒を含む前記電解質溶液を準備する電解質溶液調製工程と、
    黒鉛とカルボキシル基又は水酸基を有する化合物とを含む前記アノードを準備する電極作製工程と、
    前記アノードと前記カソードとの間に前記セパレータを配置する配置工程と、
    前記アノード、前記カソード及び前記セパレータを前記ケース内に収容する収容工程と、
    前記電解質溶液を前記ケース内に注入する注入工程と、
    前記ケースを密閉して電池構造体を得る密閉工程と、
    前記電池構造体を充電することで、前記黒鉛の表面の一部を高分子化合物で被覆する初期充電工程と、
    を有する、リチウムイオン二次電池の製造方法。
  2. 前記初期充電工程は、前記電池構造体を0.2C以下の電流で1時間以上充電し、その後、開回路状態で10分間以上放置することで、前記黒鉛の表面の一部を前記高分子化合物で被覆する工程である、請求項1記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
  3. 前記オキシエチレン基を有する有機溶媒が、エチレンカーボネート及びエチレンサルファイトの少なくとも一方と、ジオキサチオラン−2,2−ジオキシド及びプロパンスルトンの少なくとも一方と、を含むものである、請求項1又は2記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
  4. 前記オキシエチレン基を有する有機溶媒が、エチレンカーボネートとジオキサチオラン−2,2−ジオキシドとを含むものである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
  5. 前記カルボキシル基又は水酸基を有する化合物が、カルボキシメチルセルロース、アクリル酸塩、ポリアミック酸塩、アルギン酸塩、及び、ポリビニルアルコールからなる群より選択される少なくとも一種である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
  6. 前記高分子化合物が、ポリエチレンオキシドである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法により作製された、リチウムイオン二次電池。
  8. アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置されるセパレータと、電解質溶液と、前記アノード、前記カソード、前記セパレータ及び前記電解質溶液を密閉した状態で収容するケースと、を備えるリチウムイオン二次電池であって、
    前記電解質溶液が、オキシエチレン基を有する有機溶媒を含むものであり、
    前記アノードが、黒鉛とカルボキシル基又は水酸基を有する化合物とを含むものであり、
    前記黒鉛の表面の一部のみが、オキシエチレン基を有する高分子化合物で被覆されている、リチウムイオン二次電池。
  9. 前記オキシエチレン基を有する有機溶媒が、エチレンカーボネート及びエチレンサルファイトの少なくとも一方と、ジオキサチオラン−2,2−ジオキシド及びプロパンスルトンの少なくとも一方と、を含むものである、請求項8記載のリチウムイオン二次電池。
  10. 前記オキシエチレン基を有する有機溶媒が、エチレンカーボネートとジオキサチオラン−2,2−ジオキシドとを含むものである、請求項8又は9記載のリチウムイオン二次電池。
  11. 前記カルボキシル基又は水酸基を有する化合物が、カルボキシメチルセルロース、アクリル酸塩、ポリアミック酸塩、アルギン酸塩、及び、ポリビニルアルコールからなる群より選択される少なくとも一種である、請求項8〜10のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池。
  12. 前記高分子化合物が、ポリエチレンオキシドである、請求項8〜11のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池。
JP2007088037A 2007-03-29 2007-03-29 リチウムイオン二次電池の製造方法及びリチウムイオン二次電池 Active JP5109441B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007088037A JP5109441B2 (ja) 2007-03-29 2007-03-29 リチウムイオン二次電池の製造方法及びリチウムイオン二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007088037A JP5109441B2 (ja) 2007-03-29 2007-03-29 リチウムイオン二次電池の製造方法及びリチウムイオン二次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008251223A true JP2008251223A (ja) 2008-10-16
JP5109441B2 JP5109441B2 (ja) 2012-12-26

Family

ID=39975956

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007088037A Active JP5109441B2 (ja) 2007-03-29 2007-03-29 リチウムイオン二次電池の製造方法及びリチウムイオン二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5109441B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009080971A (ja) * 2007-09-25 2009-04-16 Tokyo Univ Of Science リチウムイオン電池用負極
JP2010238390A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Fdk Corp 非水電解液二次電池
WO2010147225A1 (ja) * 2009-06-16 2010-12-23 住友化学株式会社 非水電解液二次電池用負極材料およびそれを備える非水電解液二次電池
JP2019179608A (ja) * 2018-03-30 2019-10-17 三井化学株式会社 電池用非水電解液及びリチウム二次電池

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001160417A (ja) * 1999-12-06 2001-06-12 Mitsubishi Chemicals Corp 非水系電解液二次電池
JP2003017119A (ja) * 2001-07-04 2003-01-17 Tdk Corp 非水電解液電池
JP2003077534A (ja) * 2001-08-31 2003-03-14 Hitachi Maxell Ltd 非水二次電池
WO2003044882A1 (fr) * 2001-11-20 2003-05-30 Tdk Corporation Materiau actif d'electrode, electrode, element d'accumulateur au lithium-ion, procede de production de materiau actif d'electrode et procede de production d'element d'accumulateur au lithium-ion
JP2003308875A (ja) * 2002-04-18 2003-10-31 Japan Storage Battery Co Ltd 非水系二次電池
JP2004055502A (ja) * 2001-09-21 2004-02-19 Tdk Corp リチウム二次電池
JP2004296420A (ja) * 2003-02-14 2004-10-21 Hitachi Maxell Ltd 有機電解液電池
WO2005008829A1 (ja) * 2003-07-17 2005-01-27 Ube Industries, Ltd. リチウム二次電池用非水電解液およびそれを用いたリチウム二次電池

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001160417A (ja) * 1999-12-06 2001-06-12 Mitsubishi Chemicals Corp 非水系電解液二次電池
JP2003017119A (ja) * 2001-07-04 2003-01-17 Tdk Corp 非水電解液電池
JP2003077534A (ja) * 2001-08-31 2003-03-14 Hitachi Maxell Ltd 非水二次電池
JP2004055502A (ja) * 2001-09-21 2004-02-19 Tdk Corp リチウム二次電池
WO2003044882A1 (fr) * 2001-11-20 2003-05-30 Tdk Corporation Materiau actif d'electrode, electrode, element d'accumulateur au lithium-ion, procede de production de materiau actif d'electrode et procede de production d'element d'accumulateur au lithium-ion
JP2003308875A (ja) * 2002-04-18 2003-10-31 Japan Storage Battery Co Ltd 非水系二次電池
JP2004296420A (ja) * 2003-02-14 2004-10-21 Hitachi Maxell Ltd 有機電解液電池
WO2005008829A1 (ja) * 2003-07-17 2005-01-27 Ube Industries, Ltd. リチウム二次電池用非水電解液およびそれを用いたリチウム二次電池

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009080971A (ja) * 2007-09-25 2009-04-16 Tokyo Univ Of Science リチウムイオン電池用負極
JP2010238390A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Fdk Corp 非水電解液二次電池
WO2010147225A1 (ja) * 2009-06-16 2010-12-23 住友化学株式会社 非水電解液二次電池用負極材料およびそれを備える非水電解液二次電池
EP2445037A1 (en) * 2009-06-16 2012-04-25 Sumitomo Chemical Company, Limited Negative electrode material for non-aqueous electrolyte secondary battery, and non-aqueous electrolyte secondary battery comprising same
EP2445037A4 (en) * 2009-06-16 2014-05-21 Sumitomo Chemical Co NEGATIVE ELECTRODE MATERIAL FOR NONAQUEOUS ELECTROLYTE SECONDARY BATTERY, AND NONAQUEOUS ELECTROLYTE SECONDARY BATTERY COMPRISING THE SAME
JP2019179608A (ja) * 2018-03-30 2019-10-17 三井化学株式会社 電池用非水電解液及びリチウム二次電池
JP2022169802A (ja) * 2018-03-30 2022-11-09 三井化学株式会社 電池用非水電解液及びリチウム二次電池
JP7192230B2 (ja) 2018-03-30 2022-12-20 三井化学株式会社 電池用非水電解液及びリチウム二次電池
JP7347768B2 (ja) 2018-03-30 2023-09-20 三井化学株式会社 電池用非水電解液及びリチウム二次電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP5109441B2 (ja) 2012-12-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4317239B2 (ja) 電極用複合粒子の製造方法
JP5526488B2 (ja) 電気化学デバイス
JP4665931B2 (ja) アノード及びリチウムイオン二次電池
JP4665930B2 (ja) アノード及びリチウムイオン二次電池
JP4336372B2 (ja) 電極用複合粒子及びその製造方法、並びに、電気化学デバイス
JP5131246B2 (ja) 電極用複合粒子及び電気化学デバイス
JP4283598B2 (ja) 非水電解質溶液及びリチウムイオン2次電池
JP2007188869A (ja) リチウムイオン二次電池
JP4109184B2 (ja) リチウムイオン二次電池
JP2010123381A (ja) リチウムイオン二次電池用セパレータ及びリチウムイオン二次電池
JP2010225545A (ja) リチウムイオン二次電池用電極及びリチウムイオン二次電池
JP2010225539A (ja) リチウムイオン二次電池用電極及びリチウムイオン二次電池
US20080206639A1 (en) Active material particle for electrode, electrode, electrochemical device, and production method of electrode
JP2011175847A (ja) 電気化学デバイス用外装体及び電気化学デバイス
JP4316951B2 (ja) 電極及びリチウムイオン二次電池
JP5298815B2 (ja) リチウムイオン二次電池の製造方法、電解液及びリチウムイオン二次電池
JP5109441B2 (ja) リチウムイオン二次電池の製造方法及びリチウムイオン二次電池
JP5228501B2 (ja) 電極用活物質粒子、電極、電気化学デバイス及び電極の製造方法
JP7003775B2 (ja) リチウムイオン二次電池
JP2005011762A (ja) リチウムイオン二次電池
JP6908073B2 (ja) 非水電解液二次電池
JP4109168B2 (ja) リチウムイオン二次電池
JP4128100B2 (ja) リチウムイオン二次電池
JP2006269438A (ja) リチウムイオン二次電池
JP2011175848A (ja) 電気化学デバイス用外装体及び電気化学デバイス

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100113

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120326

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120424

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120625

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120911

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120924

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151019

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5109441

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150