JP2001160417A - 非水系電解液二次電池 - Google Patents
非水系電解液二次電池Info
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Abstract
おける電解液の分解を最小限に抑え、充放電効率が高
く、サイクル特性、保存特性の優れた高エネルギー密度
の非水系電解液二次電池の提供。 【解決手段】 リチウムを吸蔵・放出することが可能な
負極材として黒鉛を含む負極、正極及び非水溶媒にリチ
ウム塩を溶解してなる電解液から少なくとも構成される
非水系電解液二次電池において、非水溶媒がエチレンカ
ーボネート及び非対称鎖状カーボネートを含有する混合
非水溶媒であり、且つ非水溶媒が0.01〜5重量%の
環状スルホン酸エステルを含有することを特徴とする非
水系電解液二次電池。
Description
電池に関する。詳しくは特定の溶媒及び添加剤であるス
ルホン酸エステルを含む電解液を用いる非水系電解液二
次電池の改良に関する。本発明の電池は、充放電効率が
高く、サイクル特性、保存特性が優れているので、非水
液系電解液二次電池の小型化、高性能化に寄与すること
ができる。
い、高いエネルギー密度を持つリチウム二次電池の開発
が進められている。また、リチウム二次電池の適用分野
の拡大に伴い電池特性の改善も要望されている。金属リ
チウムを負極とする二次電池は高容量化を達成できる電
池として古くから盛んに研究が行われているが、金属リ
チウムが充放電の繰り返しによりデンドライト状に成長
し、最終的には正極に達して、電池内部において短絡が
生じてしまうことが実用化を阻む最大の技術的な課題と
なっている。
鉛、天然黒鉛等のリチウムイオンを吸蔵・放出すること
が可能な炭素質材料を用いた非水系電解液二次電池が提
案されている。このような非水系電解液二次電池では、
リチウムが金属状態で存在しないためデンドライトの形
成が抑制され、電池寿命と安全性を向上することができ
る。特に、人造黒鉛や天然黒鉛等の黒鉛系炭素材料は、
単位体積当たりのエネルギー密度を向上し得る材料とし
て期待される。
独で、或いは、リチウムを吸蔵・放出可能な他の負極材
と混合して負極とした非水系電解液二次電池では、リチ
ウム一次電池で一般に好んで使用されるプロピレンカー
ボネートを主溶媒とする電解液を用いると、黒鉛電極表
面で溶媒の分解反応が激しく進行して、黒鉛電極への円
滑なリチウムの吸蔵・放出が不可能になる。
分解が少ないことから、黒鉛系負極を用いた非水系電解
液二次電池の電解液ではエチレンカーボネートが主溶媒
として多用されている。しかしながら、エチレンカーボ
ネートはプロピレンカーボネートに比べ、凝固点が3
6.4℃と高いため単独で用いられることはなく、通常
鎖状カーボネート等の低粘度溶媒と混合して用いられ
る。特に鎖状カーボネートの中でも非対称アルキルメチ
ルカーボネートを含有する電解液を用いた非水系電解液
二次電池は、高容量と良好なサイクル特性が得られるこ
とが報告されている(Y. Ein-Eli etal、 J. Electroch
em. Soc.、145、 L1(1998) )。
鎖状カーボネートを含有する電解液を用いても、電解液
の分解に起因すると思われるサイクル特性、保存特性低
下等の問題や、長期のサイクル試験や保存試験を行った
場合、電池内で非対称鎖状カーボネートのエステル交換
反応が進行し、電解液組成が初期の状態と変わってくる
ために、初期通りの特性が得られないという問題もあ
る。本発明は、これらの従来技術の問題点を解決するも
のであり、黒鉛系負極を用いた非水系電解液二次電池
の、電解液の分解および電解液組成変化を最小限に抑え
て、サイクル特性、保存特性の優れた高エネルギー密度
の非水系電解液二次電池を提供することを目的とする。
情に鑑み鋭意検討した結果、黒鉛系負極を用いた非水系
電解液二次電池の電解液として、エチレンカーボネート
及び非対称鎖状カーボネートを含有する混合非水溶媒
に、リチウム塩と、0.01〜5重量%の環状スルホン
酸エステルを含有する電解液を用いることで、サイクル
特性、保存特性を向上させることができることを見いだ
し、本発明を完成させるに至った。
することが可能な負極材として黒鉛を含む負極、正極及
び非水溶媒にリチウム塩を溶解してなる電解液から少な
くとも構成される非水系電解液二次電池において、非水
溶媒がエチレンカーボネート及び非対称鎖状カーボネー
トを含有する混合非水溶媒であり、且つ非水溶媒が0.
01〜5重量%の環状スルホン酸エステルを含有するこ
とを特徴とする非水系電解液二次電池、にある。
溶媒は、エチレンカーボネート及び非対称鎖状カーボネ
ートを含む混合非水溶媒であるが、その50容量%以上
がエチレンカーボネート及び非対称鎖状カーボネートで
あることが好ましい。特に、混合非水溶媒が、エチレン
カーボネートとアルキル基の炭素数が1〜4である非対
称ジアルキルカーボネートからなる群から選ばれる非対
称鎖状カーボネートとをそれぞれ20容量%以上含有
し、且つ混合非水溶媒の50容量%以上がこれらのカー
ボネートであることが好ましい。また、特に非対称鎖状
カーボネートが、エチルメチルカーボネートであること
が好ましい。
材については、黒鉛のみからなる負極材、又はリチウム
を吸蔵・放出することが可能な非黒鉛系炭素、リチウ
ム、リチウム合金、及び金属酸化物からなる群から選ば
れる少なくとも一種と黒鉛とを混合した負極材であるこ
とが好ましい。特に負極材が、X線回折における格子面
(002面)のd値が0.335〜0.34nmであ
り、且つ結晶子サイズ(Lc)が30nm以上、好まし
くは50nm以上、特には100nm以上の炭素材料を
含むことが好ましい。
は、リチウムを吸蔵・放出することが可能な負極材とし
て黒鉛を含む負極、正極及び非水溶媒にリチウム塩を溶
解してなる電解液から少なくとも構成される非水系電解
液二次電池であって、非水溶媒がエチレンカーボネート
及び非対称鎖状カーボネートを含有する混合非水溶媒で
あり、且つ非水溶媒が0.01〜5重量%の環状スルホ
ン酸エステルを含有することを特徴とするものである。
は、エチレンカーボネートと非対称鎖状カーボネートを
少なくとも含む。この混合非水溶媒におけるエチレンカ
ーボネートと非対称鎖状カーボネートの割合は50容量
%以上あるのが好ましく、60容量%以上であるのがよ
り好ましい。また、混合非水溶媒におけるエチレンカー
ボネートと非対称鎖状カーボネートの割合は、それぞれ
20容量%以上あるのが好ましく、それぞれ25容量%
以上であるのがより好ましい。
ートと非対称鎖状カーボネート以外の溶媒が含まれてい
てもよい。エチレンカーボネートと非対称鎖状カーボネ
ート以外の溶媒として、例えばプロピレンカーボネー
ト、ブチレンカーボネート等の環状カーボネート類、ジ
メチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−
プロピルカーボネート等の対称鎖状カーボネート類、γ
−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステ
ル類、酢酸メチル、プロピオン酸メチル等の鎖状エステ
ル類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフ
ラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル類、ジメト
キシエタン、ジメトキシメタン等の鎖状エーテル類が挙
げられる。これらの溶媒は2種類以上を組み合わせて用
いてもよい。
なわない量で混合非水溶媒に含有させることができる。
具体的には、混合非水溶媒の50容量%以下にするのが
好ましく、30容量%以下にするのがより好ましく、1
0容量%以下にするのが特に好ましい。混合非水溶媒と
して使用する非対称鎖状カーボネートについては特に限
定されないが、非対称ジアルキルカーボネートが好まし
く、アルキル基の炭素数が1〜4のものが好適である。
このような非対称ジアルキルカーボネートの具体例とし
て、例えば、エチルメチルカーボネート、メチル−n−
プロピルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネ
ート メチル−i−プロピルカーボネート、エチル−i
−プロピルカーボネート等を挙げることができ、エチル
メチルカーボネートが好ましい。尚、本発明において容
量%は、25℃で測定したものである。但し、25℃で
個体のものについては、その融点まで加熱して溶融状態
にて測定するものとする。
スルホン酸エステルを含有させる。本発明で使用する環
状スルホン酸エステルは、環状構造の一部にスルホン酸
エステル構造を有する化合物であれば特にその種類は限
定されない。本発明で使用する環状スルホン酸エステル
の具体例として、1,3−プロパンスルトン、1,4−
ブタンスルトン、2,4−ブタンスルトン、1,3−ブ
タンスルトン等を挙げることができる。中でも好ましい
のは、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスル
トンである。これらは2種以上混合して用いてもよい。
本発明で使用する電解液における環状スルホン酸エステ
ルの含有量は、混合非水溶媒中0.01〜5重量%、好
ましくは0.5〜4.5重量%である。
リチウム塩を用いる。使用し得るリチウム塩は、電解液
の溶質として使用し得るものであればその種類は特に制
限されない。例えば LiClO4、LiPF6、LiB
F4から選ばれる無機リチウム塩やLiCF3SO3、L
iN(CF3SO2)2 、LiN(CF3CF2SO2)2、
LiN(CF3SO2)(C4F9SO2)、LiC(CF3
SO2)3等の含フッ素有機リチウム塩を用いることがで
きる。中でもLiPF6、LiBF4を用いることが好ま
しい。これらのリチウム塩は2種類以上混合して用いて
もよい。
0.5〜2.0モル/リットルであることが望ましい。
0.5モル/リットル未満もしくは2.0モル/リット
ルを越えると、電解液の電気伝導率が低くなって、電池
の性能が低下する傾向にある。本発明の非水系電解液二
次電池を構成する負極は、その成分として黒鉛を含む。
黒鉛はリチウムを吸蔵・放出することが可能なものであ
ればその物理的性状は特に制限されない。好ましいもの
は種々の原料から得た易黒鉛性ピッチの高温熱処理によ
って製造された人造黒鉛及び精製天然黒鉛、或いはこれ
らの黒鉛にピッチを含む種々の表面処理を施した材料で
ある。
で求めた格子面(002面)のd値(層間距離)が0.
335〜0.34nmであるものが好ましく、0.33
5〜0.337nmであるものがより好ましい。これら
黒鉛材料は、灰分が1重量%以下であるのが好ましく、
0.5重量%以下であるのがより好ましく、0.1重量
%以下であるのが特に好ましい。また、学振法によるX
線回折で求めた結晶子サイズ(Lc)が30nm以上で
あるのが好ましく、50nm以上であるのがより好まし
く、100nm以上であるのが特に好ましい。
料のメジアン径は、1〜100μmであるのが好まし
く、3〜50μm以下であるのがより好ましく、5〜4
0μmであるのがさらに好ましく、7〜30μmである
のが特に好ましい。黒鉛材料のBET法比表面積は、
0.5〜25.0m2/gであるのが好ましく、0.7
〜20.0m2/gであるのがより好ましく、1.0〜
15.0m2/gであるのがさらに好ましく、1.5〜
10.0m2/gであるのが特に好ましい。
ラマンスペクトル分析において1580〜1620cm
-1の範囲にピークPA(ピーク強度IA)および1350
〜1370cm-1の範囲にピークPB(ピーク強度IB)
の強度比R=IB/IAが0〜1.4、好ましくは0〜
1.2、更に好ましくは0〜0.5であり、1580〜
1620cm-1の範囲のピークの半値幅が26cm-1以
下、特に25cm-1以下であるのが好ましい。
可能な負極材をさらに混合して用いることもできる。黒
鉛以外のリチウムを吸蔵・放出可能な負極材としては、
難黒鉛性炭素又は低温焼成炭素等の非黒鉛系炭素材料、
酸化錫、酸化珪素等の金属酸化物材料、更にはリチウム
金属並びに種々のリチウム合金を例示することができ
る。これらの負極材料は2種類以上混合して用いてもよ
い。
方法については、特に限定されない。例えば、負極材料
に、必要に応じて結着剤、増粘剤、導電材、溶媒等を加
えてスラリー状とし、集電体の基板に塗布し、乾燥する
ことにより負極を製造することができるし、また、該負
極材料をそのままロール成形してシート電極としたり、
圧縮成形によりペレット電極とすることもできる。
は、電極製造時に使用する溶媒や電解液に対して安定な
材料であれば、特に限定されない。その具体例として
は、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレ
ン、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタ
ジエンゴム等を挙げることができる。増粘剤としては、
カルボキシルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒ
ドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビ
ニルアルコール、酸化スターチ、リン酸化スターチ、カ
ゼイン等が挙げられる。導電材としては、銅やニッケル
等の金属材料、グラファイト、カーボンブラック等のよ
うな炭素材料が挙げられる。負極用集電体の材質は、
銅、ニッケル、ステンレス等の金属が使用され、これら
の中で薄膜に加工しやすいという点とコストの点から銅
箔が好ましい。
は、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化
物、リチウムマンガン酸化物等のリチウム遷移金属複合
酸化物材料等のリチウムを吸蔵及び放出可能な材料を使
用することができる。正極の製造方法については、特に
限定されず、上記の負極の製造方法に準じて製造するこ
とができる。また、その形状については、正極材料に必
要に応じて結着剤、導電材、溶媒等を加えて混合後、集
電体の基板に塗布してシート電極としたり、プレス成形
を施してペレット電極とすることができる。正極用集電
体の材質は、アルミニウム、チタン、タンタル等の金属
またはその合金が用いられる。これらの中で、特にアル
ミニウムまたはその合金が軽量であるためエネルギー密
度の点で望ましい。
質や形状については、特に限定されない。但し、電解液
に対して安定で、保液性の優れた材料の中から選ぶのが
好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレ
フィンを原料とする多孔性シートまたは不織布等を用い
るのが好ましい。負極、正極及び非水系電解液を少なく
とも有する本発明の電池を製造する方法については、特
に限定されず、通常採用されている方法の中から適宜選
択することができる。また、電池の形状については特に
限定されず、シート電極及びセパレータをスパイラル状
にしたシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータ
を組み合わせたインサイドアウト構造のシリンダータイ
プ、ペレット電極及びセパレータを積層したコインタイ
プ等が使用可能である。
更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を越えな
い限りこれらの実施例に限定されるものではない。 (実施例1)正極活物質としてLiCoO2 85重量部
にカーボンブラック6重量部、ポリフッ化ビニリデンK
F−1000(呉羽化学社製、商品名)9重量部を加え
混合し、N−メチル−2−ピロリドンで分散し、スラリ
ー状としたものを正極集電体である厚さ20μmのアル
ミニウム箔上に均一に塗布し、乾燥後、直径12.5m
mの円盤状に打ち抜いて正極とした。
面(002面)のd値が0.336nm、晶子サイズ
(Lc)が、100nm以上(264nm)、灰分が
0.04重量%、レーザー回折・散乱法によるメジアン
径が17μm、BET法比表面積が8.9m2/g、ア
ルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトル分析
において1580〜1620cm-1の範囲のピークPA
(ピーク強度IA)および1350〜1370cm-1の
範囲のピークPB(ピーク強度IB)の強度比R=IB/
IAが0.15、1580〜1620cm-1の範囲のピ
ークの半値幅が22.2cm-1である人造黒鉛粉末KS−
44(ティムカル社製、商品名) 94重量部にポリフ
ッ化ビニリデン6重量部を混合し、N−メチル−2−ピ
ロリドンで分散させスラリー状としたものを負極集電体
である厚さ18μmの銅箔上に均一に塗布し、乾燥後、
直径12.5mmの円盤状に打ち抜いて負極とした。
で、十分に乾燥を行った六フッ化リン酸リチウム(Li
PF6)を溶質として用い、エチレンカーボネートとエ
チルメチルカーボネートの混合物(1:1容量比)98
重量%に1,3−プロパンスルトンを2重量%の割合で
添加し、更にLiPF6を1モル/リットルの割合で溶
解して調製した。これらの正極、負極、電解液を用い
て、正極導電体を兼ねる内面をアルミニウムでコートし
たステンレス鋼製の缶体に正極を収容し、その上に電解
液を含浸させたセパレーターを介して負極を裁置した。
この缶体と負極導電体を兼ねる封口板とを、絶縁用のガ
スケットを介してかしめて密封し、コイン型電池を作製
した。
ルメチルカーボネートの混合物(1:1容量比)に、L
iPF6を1モル/リットルの割合で溶解して調製した
電解液を用いたこと以外は実施例1と同様にしてコイン
型電池を作製した。 (実施例2)エチレンカーボネートとエチルメチルカー
ボネートとジメチルカーボネートの混合物(1:1:1
容量比)98重量%に1,3−プロパンスルトンを2重
量%の割合で添加し、更にLiPF6を1モル/リット
ルの割合で溶解して調製した電解液を用いたこと以外は
実施例1と同様にしてコイン型電池を作製した。
ルメチルカーボネートとジメチルカーボネートの混合物
(1:1:1容量比)にLiPF6を1モル/リットル
の割合で溶解して調製した電解液を用いたこと以外は実
施例1と同様にしてコイン型電池を作製した。 (実施例3)エチレンカーボネートとエチルメチルカー
ボネートとジエチルカーボネートの混合物(1:1:1
容量比)98重量%に1,3−プロパンスルトンを2重
量%の割合で添加し、更にLiPF6を1モル/リット
ルの割合で溶解して調製した電解液を用いたこと以外は
実施例1と同様にしてコイン型電池を作製した。 (比較例3)エチレンカーボネートとエチルメチルカー
ボネートとジエチルカーボネートの混合物(1:1:1
容量比)にLiPF6を1モル/リットルの割合で溶解
して調製した電解液を用いたこと以外は実施例1と同様
にしてコイン型電池を作製した。
作製した電池を25℃において、1.6mAの定電流で
充電終止電圧4.2V、放電終止電圧2.5Vで3サイ
クル充放電試験を行った後、60℃において充放電試験
を行った。それぞれの電池における60℃におけるサイ
クルに伴う放電容量維持率を図1に示す。また、実施例
1及び比較例1と同様に作製した電池を、25℃におい
て、1.6mAの定電流で充電終止電圧4.2V、放電
終止電圧2.5Vで3サイクル充放電試験を行った後、
60℃において5サイクル充放電試験を行った時点で、
乾燥アルゴン雰囲気のグローブボックス中で分解し、電
解液の組成をガスクロマトグラフィー(GC)により分
析した。表1にガスクロマトグラフィー分析より得られ
た、エチルメチルカーボネート(EMC)と、エステル交
換反応で生成したジメチルカーボネート(DMC)、ジエ
チルカーボネート(DEC)のピークのエリア比を示す。
内での電解液中の非対称鎖状カーボネートのエステル交
換反応が抑制されており、電解液の組成変化が少なく、
図1から、60℃と比較的高温下でサイクル試験を行っ
ても、容量維持率が向上し、サイクル特性が優れること
が判る。
池の電解液の非水溶媒に、エチレンカーボネートと非対
称鎖状カーボネートを含む混合非水溶媒を使用し、さら
に非水溶媒中0.01〜5重量%の割合で環状スルホン
酸エステルを含有させることにより、過度の電解液の分
解が抑制されると共に、非対称鎖状カーボネートのエス
テル交換反応が抑制され、サイクル特性の優れた電池を
作製することができ、非水系電解液二次電池の小型化、
高性能化に寄与することができる。
0℃における充放電サイクル数と放電容量維持率との関
係を表した図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 リチウムを吸蔵・放出することが可能な
負極材として黒鉛を含む負極、正極及び非水溶媒にリチ
ウム塩を溶解してなる電解液から少なくとも構成される
非水系電解液二次電池において、非水溶媒がエチレンカ
ーボネート及び非対称鎖状カーボネートを含有する混合
非水溶媒であり、且つ非水溶媒が0.01〜5重量%の
環状スルホン酸エステルを含有することを特徴とする非
水系電解液二次電池。 - 【請求項2】 混合非水溶媒の50容量%以上がエチレ
ンカーボネート及び非対称鎖状カーボネートであること
を特徴とする請求項1に記載の非水系電解液二次電池。 - 【請求項3】 混合非水溶媒が、エチレンカーボネート
とアルキル基の炭素数が1〜4である非対称ジアルキル
カーボネートからなる群から選ばれる非対称鎖状カーボ
ネートとをそれぞれ20容量%以上含有し、且つ混合非
水溶媒の50容量%以上がこれらのカーボネートである
ことを特徴とする請求項1に記載の非水系電解液二次電
池。 - 【請求項4】 非対称鎖状カーボネートが、エチルメチ
ルカーボネートであることを特徴とする請求項1ないし
3のいずれかに記載の非水系電解液二次電池。 - 【請求項5】 負極材が、黒鉛のみからなる負極材、又
はリチウムを吸蔵・放出することが可能な非黒鉛系炭
素、リチウム、リチウム合金、および金属酸化物からな
る群から選ばれる少なくとも一種と黒鉛とを混合した負
極材であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれ
かに記載の非水系電解液二次電池。 - 【請求項6】 負極材が、X線回折における格子面(0
02面)のd値が0.335〜0.34nmであり、且
つ結晶子サイズ(Lc)が30nm以上の炭素材料を含
むことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載
の非水系電解液二次電池。 - 【請求項7】 負極材が、X線回折における格子面(0
02面)のd値が0.335〜0.337nmであり、
且つ結晶子サイズ(Lc)が50nm以上の炭素材料か
らなることを特徴とする請求項6に記載の非水系電解液
二次電池。
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