JP2008274392A - 表面処理皮膜の形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 塗膜の防食性及び仕上り性ならびに皮膜形成剤の安定性に優れた表面処理皮膜の形成方法を提供すること。
【解決手段】 金属基材に、皮膜形成剤を少なくとも2段階の多段通電方式で塗装することによって皮膜を形成する方法であって、
(i) 皮膜形成剤が、ジルコニウム化合物と、必要に応じて、チタン、コバルト、バナジウム、タングステン、モリブデン、銅、亜鉛、インジウム、アルミニウム、ビスマス、イットリウム、ランタノイド金属、アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の金属(a)の化合物とを合計金属量(質量換算)で30〜20,000ppmと、樹脂成分1〜40質量%とを含んでなり、
(ii) 金属基材を陰極として1段目の塗装を1〜50Vの電圧(V)で10〜360秒間通電することにより行い、次いで、金属基材を陰極として2段目以降の塗装を50〜400Vの電圧(V)で60〜600秒間通電することにより行い、そして
(iii) 電圧(V)と電圧(V)の差が少なくとも10Vである
ことを特徴とする表面処理皮膜の形成方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、皮膜の防食性及び皮膜形成剤の安定性に優れた表面処理皮膜の形成方法、該方法により形成される皮膜構造及び塗装物品に関する。
従来、工業用の金属基材には、下地処理として、防食性や付着性の向上を目的にリン酸亜鉛処理が行われている。しかしながら、リン酸亜鉛処理剤による化成処理は、処理剤中にリンや窒素を多量に含んでおり、且つ形成される化成被膜の性能を向上させるためにニッケル、マンガン等の重金属を多量に含有しているため、環境への影響や、処理後にリン酸亜鉛、リン酸鉄等のスラッジが多量に発生し、産業廃棄物処理などに問題がある。
また、工業用の金属基材の防食性向上を目的として、塗装ラインにおいては、「脱脂−表面調整−化成処理−電着塗装」等の処理工程に多くのスペースや時間を要している。
特許文献1には、実質的にリン酸イオンを含有せず、ジルコニウムイオン及び/又はチタニウムイオン並びにフッ素イオンを含有してなる鉄及び/又は亜鉛系基材用化成処理剤が提案されている。しかし、特開2003−155578号公報に記載の鉄及び/又は亜鉛系基材用化成処理剤は、処理後に、塗装工程によって塗膜を施さないと、十分な防食性や仕上り性が確保できないという問題がある。
特許文献2には、(A)Ti、Zr、Hf及びSiから選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む化合物と、(B)フッ素イオンの供給源としてフッ素含有化合物を含有する金属の表面処理用組成物を用いることにより、鉄又は亜鉛の少なくとも1種を含む金属の表面に耐食性に優れる表面処理皮膜を析出させることができ、且つ表面調整(表調)工程を必要としないため、処理工程の短縮、省スペース化を図ることが開示されている。しかし、特許文献2に記載の表面処理用組成物もまた、処理後に、塗装工程によって塗膜を施さないと、十分な防食性や仕上り性が確保できないという問題がある。
特許文献3及び特許文献4には、(A)アミン変性アクリル樹脂、(B)リン酸系化合物、弗化水素酸、金属弗化水素酸及び金属弗化水素酸塩から選ばれる少なくとも1種の化合物、(C)モリブデン化合物、タングステン化合物及びバナジウム化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する、自動車車体や家電製品等に使用される亜鉛系めっき鋼板に被覆することにより、プレス成形性と耐食性に優れた潤滑鋼板を得ることができる潤滑鋼板用表面処理組成物が開示されている。しかし、特許文献3及び特許文献4に記載の潤滑鋼板用表面処理組成物で表面処理された鋼板には、化成処理後に塗装工程によって塗膜を施さないと、十分な防食性や仕上り性を確保することができないため、工程の短縮、省スペース化を図ることができない。
特許文献5には、サリチリデンアミノ基とアミノ基を有する特定の共重合体からなる金属表面処理剤用ポリマー組成物が開示されている。しかし、特許文献5に記載の金属表面処理剤用ポリマー組成物で処理した鋼板もまた、塗装工程によって塗膜を施さないと、十分な防食性や仕上り性を確保することができず、工程の短縮や省スペース化を図ることができない。
また、特許文献6には、500μm以下の間隙を有する自動車ボディなどの複雑な構造を有する被塗物の間隙部に多段通電法のカチオン電着塗装によって塗膜を形成する方法が開示されている。特許文献6に記載の多段通電法は、500μm以下の間隙を有する被塗
物の隙間部を被覆して防食性の向上を図るのに有効であるが、十分な防食性や仕上り性を確保できるまでには至っていない。
さらに、特許文献7(欧州特許出願公開第1342758号明細書)には、析出開始に必要な電気量の差を一定とした複数のエマルションを含有するカチオン電着塗料を多段通電方法によって塗装して複層電着塗膜を形成する方法が開示されているが、この方法によっては、十分な防食性が得られるまでには至っていない。
特開2003−155578号公報 国際公開第02/05860号パンフレット 特開2003−166073号公報 特開2003−226982号公報 特開2003−293161号公報 特開平2−282499号公報 特開2003−328192号公報
本発明の目的は、皮膜の防食性及び皮膜形成剤の安定性に優れた表面処理皮膜の形成方法を提供することである。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、金属基材に、特定の皮膜形成剤を多段通電方式によって特定の条件下で塗装することにより、上記の目的を達成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明は、金属基材に、皮膜形成剤を少なくとも2段階の多段通電方式で塗装することによって皮膜を形成する方法であって、
(i) 皮膜形成剤が、ジルコニウム化合物と、必要に応じて、チタン、コバルト、バナジウム、タングステン、モリブデン、銅、亜鉛、インジウム、アルミニウム、ビスマス、イットリウム、ランタノイド金属、アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の金属(a)を含有する化合物とを合計金属量(質量換算)で30〜20,000ppmと、樹脂成分1〜40質量%とを含んでなり、
(ii) 金属基材を陰極として1段目の塗装を1〜50Vの電圧(V)で10〜360秒間通電することにより行い、次いで、金属基材を陰極として2段目以降の塗装を50〜400Vの電圧(V)で60〜600秒間通電することにより行い、そして
(iii) 電圧(V)と電圧(V)の差が少なくとも10Vである
ことを特徴とする表面処理皮膜の形成方法を提供するものである。
本発明は、また、上記の方法により形成される、皮膜の質量固形分合計を基準にして、ジルコニウム化合物と金属(a)含有化合物を合計金属量(質量換算)で25〜70質量%含有する厚さが0.01〜5μmの皮膜(F1)と、該皮膜(F1)上の、皮膜の質量固形分合計を基準にして、ジルコニウム化合物と金属(a)含有化合物を合計金属量(質量換算)で25質量%未満含有し且つ樹脂成分を50〜95質量%含有する厚さが0.1〜30μmの皮膜(F2)を含んでなる皮膜構造を提供するものである。
本発明の方法によって形成される表面処理皮膜は、防食性に優れている。また、本発明の方法に用いられる皮膜形成剤は、安定性に優れており、長期間工業用ラインにおいて使用しても防食性が変化することがない。
本発明の方法によって形成される皮膜構造が防食性に優れている理由は、正確にはわからないが、被塗物側に析出した皮膜(F1)が塗膜下腐食の抑制に寄与し、かつ厚さが0.1〜30μmの皮膜(F2)が仕上り性と腐食促進物質(例えば、O、Cl、Na)を遮断するという機能分担が皮膜構造中においてなされているためであろうと考えられる。
以下、本発明の表面処理皮膜の形成方法について、さらに詳細に説明する。
発明を実施するための形態
本発明は、金属基材に、特定の「皮膜形成剤」を用いて、特定の条件下に「2段階以上の多段階通電方式」によって表面処理皮膜を形成するものである。
皮膜形成剤
本発明の方法に使用する皮膜形成剤は、ジルコニウム化合物と、必要に応じて、チタン、コバルト、バナジウム、タングステン、モリブデン、銅、亜鉛、インジウム、アルミニウム、ビスマス、イットリウム、ランタノイド金属(ランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム)、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウム)及びアルカリ土類金属(ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウム)から選ばれる少なくとも1種の金属(a)を含有する化合物とからなる金属化合物成分(A)を合計金属量(質量換算)で30〜20,000ppmと、樹脂成分(B)1〜40質量%とを含んでなるものである。
金属化合物成分(A)
本発明に従う1段目の塗装においては、金属化合物成分(A)から生じる金属イオンが、2段階以上の多段階通電方式によって、金属基材の表面に析出することにより、ジルコニウム化合物と場合によりさらに金属(a)含有化合物を含んでなる皮膜(F1)が形成される。なお、ジルコニウム化合物と金属(a)含有化合物とを併用する場合、該併用に代えて、単一の化合物中にジルコニウムと金属(a)とが共存する化合物を使用することができ、また、金属(a)含有化合物として2種もしくはそれ以上の金属(a)含有化合物を併用する場合、該併用に代えて、単一の化合物中に2種もしくはそれ以上の金属(a)が共存する化合物を使用することもできる。
金属化合物成分(A)において使用されるジルコニウム化合物は、塗装時の通電により、ジルコニウムイオン、オキシジルコニウムイオン、フルオロジルコニウムイオンなどのジルコニウム含有イオンを生じるジルコニウム含有化合物であり、オキシジルコニウムイオンを生じる化合物としては、例えば、硝酸ジルコニル、酢酸ジルコニル、硫酸ジルコニルなど;フルオロジルコニウムイオンを生じる化合物としては、例えば、ジルコニウムフッ化水素酸、ジルコニウムフッ化水素酸塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩等)などが挙げられる。これらのうち、特に、ジルコニウムフッ化アンモニウム、硝酸ジルコニルが好適である。
一方、金属化合物成分(A)において必要に応じて使用される金属(a)含有化合物は、塗装時の通電により、金属(a)イオン、フルオロ金属(a)イオンなどの金属(a)含有イオンを生じる金属(a)含有化合物であり、具体的には、
チタンイオンを生じる化合物としては、例えば、塩化チタン、硫酸チタン;フルオロチタンイオンを生じる化合物としては、例えば、チタンフッ化水素酸、チタンフッ化水素酸塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩等)などが挙げら
れ;
コバルトイオンを生じる化合物としては、例えば、塩化コバルト、臭化コバルト、ヨウ化コバルト、硝酸コバルト、硫酸コバルト、酢酸コバルト、硫酸コバルトアンモニウムなどが挙げられ;
バナジウムイオンを生じる化合物としては、例えば、オルソバナジン酸リチウム、オルソバナジン酸ナトリウム、メタバナジン酸リチウム、メタバナジン酸カリウム、メタバナジン酸ナトリウム、メタバナジン酸アンモニウム、ピロバナジン酸ナトリウム、塩化バナジル、硫酸バナジルなどが挙げられ;
タングステンイオンを生じる化合物としては、例えば、タングステン酸リチウム、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸カリウム、タングステン酸アンモニウム、メタタングステン酸ナトリウム、パラタングステン酸ナトリウム、ペンタタングステン酸アンモニウム、ヘプタタングステン酸アンモニウム、リンタングステン酸ナトリウム、ホウタングステン酸バリウムなどが挙げられ;
モリブデンイオンを生じる化合物としては、例えば、モリブデン酸リチウム、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム、ヘプタモリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸マグネシウム、モリブデン酸ストロンチウム、モリブデン酸バリウム、リンモリブデン酸、リンモリブデン酸ナトリウム、リンモリブデン酸亜鉛などが挙げられ;
銅イオンを生じる化合物としては、例えば、硫酸銅、硝酸銅(II)三水和物、硫酸銅(II)アンモニウム六水和物、酸化第二銅、リン酸銅などが挙げられ;
亜鉛イオンを生じる化合物としては、例えば、酢酸亜鉛、乳酸亜鉛、酸化亜鉛などが挙げられ;
インジウムイオンを生じる化合物としては、例えば、硫酸インジウムアンモニウムなどが挙げられ;
アルミニウムイオンを生じる化合物としては、例えば、リン酸アルミニウム、アルミン酸三カルシウム、アルミン酸ナトリウムなどが挙げられ;
ビスマスイオンを生じる化合物としては、例えば、塩化ビスマス、オキシ塩化ビスマス、臭化ビスマス、ケイ酸ビスマス、水酸化ビスマス、三酸化ビスマス、硝酸ビスマス、亜硝酸ビスマス、オキシ炭酸ビスマスなどの無機系ビスマス含有化合物;乳酸ビスマス、トリフェニルビスマス、没食子酸ビスマス、安息香酸ビスマス、クエン酸ビスマス、メトキシ酢酸ビスマス、酢酸ビスマス、蟻酸ビスマス、2,2−ジメチロールプロピオン酸ビスマスなど有機系ビスマス含有化合物が挙げられ;
イットリウムイオンを生じる化合物としては、例えば、硝酸イットリウム、酢酸イットリウム、塩化イットリウム、スルファミン酸イットリウム、乳酸イットリウム、蟻酸イットリウムなどが挙げられる。
また、ランタノイド金属化合物において、ランタンイオンを生じる化合物としては、例えば、硝酸ランタン、フッ化ランタン、酢酸ランタン、ホウ化ランタン、リン酸ランタン、炭酸ランタンなど;セリウムイオンを生じる化合物としては、例えば、硝酸セリウム(III)、塩化セリウム(III)、酢酸セリウム(III)、シュウ酸セリウム(III)、硝酸アンモニウムセリウム(III)、硝酸二アンモニウムセリウム(IV)など;プラセオジウムイオンを生じる化合物としては、例えば、硝酸プラセオジウム、硫酸プラセオジウム、シュウ酸プラセオジウムなど;ネオジムイオンを生じる化合物としては、例えば、硝酸ネオジム、酸化ネオジウムなどが挙げられる。
アルカリ金属イオンを生じる化合物としては、例えば、硫酸カリウム、硝酸カリウム、硫酸リチウム、硝酸リチウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウムなどが挙げられる。
アルカリ土類金属イオンを生じる化合物としては、例えば、炭酸カルシウム、硝酸マグネシウム、酸化マグネシウム、チタン酸マグネシウム、オルト珪酸マグネシウム、ピロリ
ン酸マグネシウムなどが挙げられる。
これらの金属(a)含有化合物はそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
これら金属(a)含有化合物のうち、金属(a)として、チタン、コバルト、バナジウム、タングステン、亜鉛、アルミニウム、ランタン、プラセオジウム及びマグネシウムから選ばれる金属、特に、チタン、コバルト、バナジウム又はタングステンを含有する化合物が好適である。なかでも、チタンフッ化アンモニウム、硝酸コバルト、メタバナジン酸アンモニウム、タングステン酸アンモニウムなどが好適である。
樹脂成分(B)
皮膜形成剤に用いられる樹脂成分(B)は、防食性向上などの面から、カチオン性樹脂組成物が好適である。カチオン性樹脂組成物としては、例えば、分子中にアミノ基、アンモニウム塩基、スルホニウム塩基、ホスホニウム塩基などの水性媒体中でカチオン化可能な基を有する基体樹脂と架橋剤を含んでなるものが挙げられ、該基体樹脂の樹脂種としては、例えば、エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、ポリブタジエン樹脂系、アルキド樹脂系、ポリエステル樹脂系などが挙げられ、防食性の面からは、アミノ基含有エポキシ樹脂(B1)が好ましく、また、耐候性の面からは、アミノ基含有アクリル樹脂(B2)が好ましい。
アミノ基含有エポキシ樹脂(B1)には、エポキシ樹脂にアミノ基含有化合物を反応させてなるものが包含され、出発材料として用いられるエポキシ樹脂は、皮膜の防食性などの観点から、特に、ポリフェノール化合物とエピハロヒドリン、例えば、エピクロルヒドリンとの反応により得られるエポキシ樹脂が好適である。
該エポキシ樹脂の形成のために用い得るポリフェノール化合物としては、それ自体既知のものを使用することができ、そのようなポリフェノール化合物の例としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン(ビスフェノールA)、4,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールF)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,2,2−エタン、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン(ビスフェノールS)、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどを挙げることができる。
また、ポリフェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応により得られるエポキシ樹脂としては、長期耐食性、例えば耐ばくろ性の観点から、中でも、ビスフェノール型エポキシ樹脂、特にビスフェノールAから誘導される下記式
Figure 2008274392
で示されるものが好適である。
エポキシ樹脂としては、エポキシ当量が一般に200〜2,000、好ましくは400〜1,500の範囲内、そして数平均分子量(注1)が一般に400〜4,000、好ましくは800〜2,500の範囲内にあるものが適している。
(注1) 数平均分子量:JISK 0124−83に記載の方法に準じて、分離カラムとしてTSK GEL4000HXL、TSK G3000HXL、TSKG 2500HXL、TSK G2000HXL(東ソー(株)製)の4本を用い、溶離液としてGPC用テトラヒドロフランを用い、40℃及び流速1.0ml/分にて、RI屈折計で得られたクロマトグラムと、標準ポリスチレンの検量線から計算により求めることができる。
かかるエポキシ樹脂の市販品としては、例えば、ジャパンエポキシレジン株式会社からエピコート828EL、同左1002、同左1004、同左1007などの商品名で販売されているものが挙げられる。
上記エポキシ樹脂と反応させ得るアミノ基含有化合物としては、エポキシ基と反応する活性水素を少なくとも1個含有し、該エポキシ樹脂をカチオン化することができるものであればその種類を問わないが、特に、1級アミノ基を導入することができる1級アミノ基含有化合物を使用することが好ましい。
上記の1級アミノ基含有化合物としては、例えば、モノエタノールアミン、プロパノールアミン、ヒドロキシエチルアミノエチレンジアミン、ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなどのアミンのケチミン化物が挙げられる。
上記1級アミノ基含有化合物は、他のアミノ基含有化合物と併用することができ、そのようなアミノ基含有化合物としては、エポキシ樹脂のカチオン化のために通常用いられるものが同様に使用可能であるが、特に、2級アミンが好ましく、例えば、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジエタノールアミン、ジ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、モノメチルアミノエタノール、モノエチルアミノエタノールなどが挙げられる。
上記エポキシ樹脂にアミノ基含有化合物を、それ自体既知の方法により反応させることにより、アミノ基含有エポキシ樹脂を得ることができる。
アミノ基含有エポキシ樹脂(B1)は、一般に30〜70mgKOH/g樹脂固形分の範囲内のアミン価を有することができ、特に、40〜60mgKOH/g樹脂固形分の範囲内のアミン価を有することが、水分散性や皮膜の防食性を確保する面から好ましい。
さらに、アミノ基含有エポキシ樹脂(B1)の水分散性を高めるために、疎水性変性剤により分子分極化を図ることが好適であり、そのような変性剤としては、エポキシ基との反応性を有するカプロラクトンポリオール化合物やキシレンホルムアルデヒド樹脂などを用いることができる。
該カプロラクトンポリオール化合物は、例えば、1分子中に複数の活性水素基を含有する化合物にカプロラクトンを付加することにより得ることができる。ここで、活性水素基は、少なくとも1個の活性水素を含有する原子団を意味し、例えば、アルコール性水酸基、1級アミノ基、2級アミノ基などが包含される。
1分子中に複数の活性水素基を含有する化合物は、一般に62〜5,000、好ましくは62〜4,000、さらに好ましくは62〜1,500の範囲内の数平均分子量を有することができる。また、活性水素基含有化合物としては、1分子あたり、平均して、少なくとも2個ないし30個未満、特に2〜20個、さらに特に2〜10個の活性水素基を含有するものが好適である。
1分子中に複数の活性水素基を含有する化合物としては、具体的には、例えば、(1)ポリオール化合物、(2)1級アミノ基及び/又は2級アミノ基或いは1級アミノ基及び/又は2級アミノ基と水酸基とを有するアミン化合物、(3)線状又は分枝状のポリエーテルポリオール、(4)線状又は分枝状のポリエステルポリオールなどが挙げられる。
上記(1)のポリオール化合物は、1分子中に少なくとも2個のアルコール性水酸基を含有する化合物であり、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメチロール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、水素化ビスフェノールAなどのジオール類;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどのトリオール類;ペンタエリスリトール、α−メチルグルコキシドなどのテトロール類;ソルビトール、ジペンタエリスリトールなどのヘキソール類;シュークロースなどのオクトール類などが挙げられる。
上記(2)のアミン化合物としては、例えば、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソホロンジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
上記(3)の線状又は分枝状のポリエーテルポリオールとしては、通常62〜10,000、好ましくは62〜2,000の範囲内の数平均分子量を有する、アルキレンオキサイド(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフランなど)の開環付加反応によって製造されるものを挙げることができ、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリ(オキシエチレン/オキシプロピレン)グリコール、ビスフェノールAエチレングリコールエーテル、ビスフェノールAポリプロピレングリコールエーテルなどが挙げられる。
上記(4)の線状または分岐状のポリエステルポリオールは、通常200〜10,000、好ましくは200〜3,000の範囲内の数平均分子量を有することができ、具体的には、例えば、有機ジカルボン酸又はその無水物と有機ジオールとの、有機ジオール過剰の条件下での重縮合反応によって得られるものが挙げられる。
ここで使用される有機ジカルボン酸としては、炭素数2〜24、特に4〜12の脂肪族系、脂環式又は芳香族系ジカルボン酸、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、ヘキサクロロヘプタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、o−フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラクロロフタル酸などが挙げられる。また、これらジカルボン酸に加えて、3個以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸の無水物や不飽和脂肪酸の付加物などを少量併用することができる。有機ジオールとしては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリラクトンジオールが挙げられる。
キシレンホルムアルデヒド樹脂は、例えば、キシレン、ホルムアルデヒド及び場合によりさらにフェノール類を、酸性触媒の存在下に縮合反応させることにより製造することができる。
上記のホルムアルデヒドとしては、工業的に入手容易なホルマリン、パラホルムアルデヒド、トリオキサンなどのホルムアルデヒドを発生する化合物を例示することができる。なお、本明細書において、パラホルムアルデヒド、トリオキサンなどの重合体を用いる場合、その配合量は、ホルムアルデヒド1分子を基準に規定するものとする。
さらに、上記のフェノール類には、2個又は3個の反応サイトを持つ1価もしくは2価のフェノール性化合物が包含され、具体的には、例えば、フェノール、クレゾール類、パラ−オクチルフェノール、ノニルフェノール、ビスフェノールプロパン、ビスフェノールメタン、レゾルシン、ピロカテコール、ハイドロキノン、パラ−tert−ブチルフェノール、ビスフェノールスルホン、ビスフェノールエーテル、パラ−フェニルフェノールなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上の組合せて用いることができる。これらのうち特にフェノール、クレゾール類が好適である。
このようにして得られるキシレンホルムアルデヒド樹脂は、一般に20〜50,000mPa・s(25℃)、好ましくは25〜35,000mPa・s25℃)、さらに好ましくは30〜15,000mPa・s(25℃)の範囲内の粘度を有することができ、そして一般に100〜50,000、特に150〜30,000、さらに特に200〜10,000の範囲内の水酸基当量を有していることが好ましい。
上記のポリカプロラクトンポリオール化合物及び/又はキシレンホルムアルデヒド樹脂のエポキシ樹脂への反応方法は、特に限定されないが、一般には、アミン化合物と変性剤をエポキシ樹脂のエポキシ基に同時に反応させることが好ましい。
上記のアミン化合物と変性剤のエポキシ樹脂への付加反応は、通常、適当な溶媒中で、約80〜約170℃、好ましくは約90〜約150℃の温度で1〜6時間程度、好ましくは1〜5時間程度行なうことによって、ポリカプロラクトンポリオール化合物変性のアミノ基含有エポキシ樹脂(B1−1)又はキシレンホルムアルデヒド樹脂変性のアミノ基含有エポキシ樹脂(B1−2)を得ることができる。
上記の溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサンなどの炭化水素系;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトンなどのケトン系;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド系;メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールなどのアルコール系;水あるいはこれらの混合物などが挙げられる。
上記の変性剤の使用割合は、厳密に制限されるものではなく、皮膜形成剤の用途などに応じて適宜変えることができるが、エポキシ樹脂の固形分質量を基準にして通常5〜50質量%、好ましくは10〜30質量%の範囲内が適当である。これより少ないと樹脂の中和剤の必要量が多くなり、また、これより多いと水分散安定性が劣る可能性がある。
また、上記に述べたアミノ基含有エポキシ樹脂(B1)として、エポキシ樹脂にフェノール類、アミノ基含有化合物、及び複数の活性水素基を含有する化合物にカプロラクトンを付加して得られるポリオール化合物を反応させてなるフェノール類付加タイプのポリオール変性のアミノ基含有エポキシ樹脂(B1−3)を用いることもできる。
フェノール類付加タイプのポリオール変性のアミノ基含有エポキシ樹脂(B1−3)に用いるエポキシ樹脂は、ポリカプロラクトンポリオール化合物変性のアミノ基含有エポキシ樹脂(B1−1)又はキシレンホルムアルデヒド樹脂変性のアミノ基含有エポキシ樹脂(B1−2)の製造に関して前述したものと同様の樹脂を挙げることができる。
フェノール類付加タイプのポリオール変性アミノ基含有エポキシ樹脂に用い得るアルキルフェノール類としては、下記式(1)で示されるものが挙げられる。
Figure 2008274392
上記式(1)において、Xで表される炭素数1〜15の炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状もしくは環状であることができ、中でも、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、ノニル基などの炭素数1〜15、特に1〜12のアルキル基が好適である。これらの基は場合により水酸基(−OH)、アルコキシ基(−OR)、メルカプト基(−SH)及びアルキルチオ基(−SR)よりなる群から選ばれる基により置換されていてもよい。
上記式(1)のフェノール類の具体例としては、例えば、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、パラ−tert−ブチルフェノール、ノニルフェノールなどが挙げられる。
ポリオール化合物には、1分子中に複数の活性水素基を含有する化合物にカプロラクトンを付加することにより得られるポリオール化合物が包含され、ポリカプロラクトンポリオール化合物変性のアミノ基含有エポキシ樹脂(B1−1)又はキシレンホルムアルデヒド樹脂変性のアミノ基含有エポキシ樹脂(B1−2)の製造に関して前述したポリオール化合物を用いることができる。
アミノ基含有化合物は、ポリカプロラクトンポリオール化合物変性のアミノ基含有エポキシ樹脂(B1−1)又はキシレンホルムアルデヒド樹脂変性のアミノ基含有エポキシ樹脂(B1−2)の製造に関して前述したものと同様のアミノ基含有化合物を用いることができ、具体的には、例えば、モノエタノールアミン、プロパノールアミン、ヒドロキシエチルアミノエチレンジアミン、ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなどのアミンのケチミン化物;ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジエタノールアミン、ジ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、モノメチルアミノエタノール、モノエチルアミノエタノールなどが挙げられる。
皮膜形成剤に使用される樹脂成分(B)として、下記式(2)
Figure 2008274392
で示されるエポキシ基含有官能基を1分子中に少なくとも2個有するエポキシ樹脂と、アミノ基含有化合物及び/又はフェノール化合物とを反応させてなるアミノ基含有及び/又はフェノール化合物含有エポキシ樹脂(B1−4)も使用することができる。
上記式(2)で示されるエポキシ基含有官能基を有するエポキシ樹脂は、それ自体既知のものであり、例えば、特開昭60−170620号公報、特開昭62−135467号公報、特開昭60−166675号公報、特開昭60−161973号公報、特開平2−265975号公報などに記載されているものを使用することができる。
また、エポキシ樹脂には、末端に重合開始成分の残基、つまり活性水素含有有機化合物残基が結合しているものも含まれる。その前駆体である活性水素含有有機化合物としては、例えば、脂肪族1価アルコール、芳香族1価アルコール、2価以上の脂肪族もしくは脂環族の多価アルコールなどのアルコール類;フェノール類;脂肪酸;脂肪族、脂環族もしくは芳香族2塩基酸もしくは多塩基酸;オキシ酸;ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル部分加水分解物、デンプン、セルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ヒドロキシエチルセルロース、アリルポリオール樹脂、スチレン−アリルアルコール共重合体、アルキド樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリカプロラクトンポリオール樹脂などが挙げられる。また、これらの活性水素含有有機化合物は、活性水素と共にその骨格中に不飽和二重結合がエポキシ化された構造を有するものであってもよい。
他に、エポキシ樹脂としては、例えば、上記の活性水素含有有機化合物を開始剤とし、4−ビニルシクロヘキセン−1−オキサイド単独の存在下で又はこれと他のエポキシ基含有化合物との併存下で、それぞれに含まれるエポキシ基による開環(共)重合を行ってポリエーテル樹脂を形成せしめ、ついで該樹脂中の側鎖中に存在するビニル基を過酸類やハイドロパーオキサイド類などの酸化剤でエポキシ化することによって製造されるものを使用することもできる。
4−ビニルシクロヘキセン−1−オキサイドは、例えば、ブタジエンの2量化反応によって得られるビニルシクロヘキセンを過酢酸によって部分的エポキシ化することによって得ることができる。
共重合させうる他のエポキシ基含有化合物としては、エポキシ基を有する化合物であれば特に制限はないが、製造上、1分子中に1個のエポキシ基を有する化合物が好ましい。具体的には、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、下記式(3)
Figure 2008274392
で示されるα−オレフィンエポキサイド;スチレンオキサイド等の末端不飽和化合物の酸化物;アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテルなどを挙げることができる。
他のグリシジル基含有化合物としては、さらに、不飽和結合を有する脂環式オキシラン基含有ビニル単量体が包含され、具体的には、以下に例示するものが挙げられる。
Figure 2008274392
Figure 2008274392
上記各式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素数1〜6の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜10の2価の炭化水素基を表す。
上記式において、Rによって表される炭素数1〜6の2価の脂肪族飽和炭化水素基としては、例えば、直鎖状又は分枝状のアルキレン基、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、テトラメチレン、エチルエチレン、ペンタメチレン基などを挙げることができる。また、Rによって表わされる炭素数1〜10の2価の炭化水素基としては、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、テトラメチレン、エチルエチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ポリメチレン、フェニレン、
Figure 2008274392
などを挙げることができる。
さらに、下記式(4)
Figure 2008274392
で示される化合物、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等;ビニルシクロヘキセンの部分エポキシ化により副生し得る下記式(5)
Figure 2008274392
で示されるような脂環式不飽和基を有する化合物なども他のエポキシ基含有化合物として使用することができる。
さらにまた、4−ビニルシクロヘプテン(ビニルノルボルネン)なども使用することができる。
4−ビニルシクロヘキセン−1−オキサイドの存在下又はそれと他のエポキシ基含有化合物との併存下で行なうエポキシ基の開環(共)重合反応は、活性水素含有有機化合物の存在下で且つ触媒を用いて行うことが好ましい。
触媒としては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ピペラジンなどのアミン類;ピリジン類、イミダゾール類などの有機塩基類;蟻酸、酢酸、プロピオン酸などの有機酸類;硫酸、塩酸などの無機酸類;ナトリウムメチラートなどのアルカリ金属アルコラート類;KOH、NaOHなどのアルカリ類;BFSnCl、AlCl、SnClなどのルイス酸又はその錯体類;トリエチルアルミニウム、ジエチル亜鉛などの有機金属化合物を挙げることができる。
これらの触媒は、反応物に対して、通常0.001〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%の範囲内で使用することができる。開環(共)重合反応は、一般に−70〜200℃、好ましくは−30〜100℃の範囲内の温度で行うことができる。この反応は溶媒中で行うことが好ましく、溶媒としては活性水素を有していない通常の有機溶媒を用いることができる。
このようにして得られるポリエーテル樹脂(開環(共)重合体)は、次いで、その側鎖の脂環構造の炭素原子に直結するビニル基(−CH=CH)をエポキシ化することによって、前記式(2)で示される官能基を有するエポキシ樹脂とすることができる。
エポキシ化は過酸類やハイドロパーオキサイド類を用いて行うことができる。過酸類としては、例えば、過蟻酸、過酢酸、過安息香酸、トリフルオロ過酢酸などが挙げられ、また、ハイドロパーオキサイド類としては、例えば、過酸化水素、tert−ブチルパーオキサイド、クメンパーオキサイドなどを用いることができる。エポキシ化反応は必要に応じて触媒の存在下で実施することができる。
上記開環(共)重合体中の4−ビニルシクロヘキセン−1−オキサイドに基づくビニル基がエポキシ化されることによって、前記式(2)で示される官能基が生成する。このエポキシ化反応において、他のエポキシ基含有化合物として前記脂環式オキシラン基含有化合物などが併存すると、該化合物に含まれるビニル基もエポキシ化されることもあるが、これは前記式(2)で示される官能基とは異なったものとなる。
エポキシ化反応における溶媒使用の有無や反応温度は、用いる装置や原料物性などに応じて適宜調整することができる。エポキシ化反応の条件によって、原料重合体中のビニル基のエポキシ化と同時に原料中の下記式(6)
Figure 2008274392
で示される置換基及び/又は生成してくる前記式(2)で示される置換基がエポキシ化剤などと副反応を起こした結果、変性された置換基が生じ、エポキシ樹脂中に混在することがある。
エポキシ樹脂の市販品として、4−ビニルシクロヘキセン−1−オキサイドの開環重合体中のビニル基をエポキシ化した、EHPE−3150(ダイセル化学工業社製、商品名)を使用することもできる。
なお、前記式(2)で示されるエポキシ基含有官能基は、エポキシ樹脂の1分子中に少なくとも2個存在していればよく、エポキシ樹脂は、一般に140〜1000、好ましくは170〜300の範囲内のエポキシ当量、及び一般に200〜50,000、好ましくは1000〜10,000の範囲内の数平均分子量を有することができる。
前記エポキシ樹脂に反応せしめられるアミノ基含有化合物は、エポキシ樹脂基体にアミノ基を導入して、該エポキシ樹脂をカチオン性化するためのカチオン性付与成分であり、前記アミノ基含有エポキシ樹脂(B1−1)、アミノ基含有エポキシ樹脂(B1−2)、アミノ基含有エポキシ樹脂(B1−3)及びアミノ基含有及び/又はフェノール化合物含有エポキシ樹脂(B1−4)の製造に関して前述したと同様のアミノ基含有化合物を使用することができる。
また、アミノ基含有化合物として、他に、1分子中に水酸基、2級アミノ基及びアミド
基を有する下記式(7)
Figure 2008274392
で示される化合物を用いることもできる。
上記式(7)の化合物は、例えば、下記反応式:
Figure 2008274392
に示すように、約1モルのN−ヒドロキシアルキルアルキレンジアミンに、約1モルの炭素数5〜37、好ましくは8〜23のモノカルボン酸を反応させることによって製造することができる。
この反応において用いられるジアミンとしては、例えば、N−ヒドロキシエチルアミノエチルアミン、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、N−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、N−ヒドロキシエチルブチレンジアミン、N−ヒドロキシエチルペンチレンジアミン、N−ヒドロキシエチルヘキシレンジアミン、N−(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N−(2−ヒドロキシプロピル)プロピレンジアミン、N−(2−ヒドロキシプロピル)ブチレンジアミン、N−(2−ヒドロキシプロピル)ペンチレンジアミン、N−(2−ヒドロキシプロピル)ヘキシレンジアミンなどが挙げられ、なかでも、N−ヒドロキシエチルアミノエチルアミン、N−ヒドロキシエチルプロピレンジアミンが好適である。
また、モノカルボン酸としては、例えば、椰子油脂肪酸、ひまし油脂肪酸、こめぬか油脂肪酸、大豆油脂肪酸、トール油脂肪酸、脱水ひまし油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、あまに油脂肪酸、桐油脂肪酸などの混合脂肪酸;カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、リノール酸、リノレイン酸、エレオステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘニン酸などが挙げられる。このうち特に、ステアリン酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸及びこれらの酸を含む混合脂肪酸が好ましい。
N−ヒドロキシアルキルアルキレンジアミンとモノカルボン酸との反応は、例えば、該両成分をほぼ等モル比で混合し、トルエンやメチルイソブチルケトンなどの有機溶媒を用いて規定量の反応生成水を除去し、減圧法などで残存有機溶剤を除去することによって行われる。
上記のフェノール化合物としては、フェノール性水酸基を1分子中に少なくとも1個、好ましくは1〜5個有するものを使用することができる。具体的には、例えば、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)イソブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチルフェニル)プロパン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラ(p−ヒドロキシフェニル)エタン、4,4−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどの多価フェノール化合物が挙げられる。
さらに、フェノール、ノニルフェノール、α−もしくはβ−ナフトール、p−tert−オクチルフェノール、o−もしくはp−フェニルフェノールなどのモノフェノール化合物も使用することができる。
防食性により優れた塗膜を形成するためには、フェノール化合物として、特に、ビスフェノールA[2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン]又はビスフェノールF[ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン]などのビスフェノール類とエピクロルヒドリンとの反応生成物を用いることが好ましい。
該反応生成物のうち、特に、数平均分子量が少なくとも200、好適には約800〜約3,000の範囲内にあり且つ1分子あたり平均して2個以下、好ましくは0.8〜1.2個のフェノール性水酸基を含有する下記式で代表的に示されるものが適している。
Figure 2008274392
上記式におけるRの前駆体である活性水素含有化合物としては、例えば、2級アミンのようなアミン類;ノニルフェノールのようなフェノール類;脂肪酸のような有機酸;チオール類;アルカノール、セロソルブ、ブチルセロソルブ、カービトールのようなアルコール類;無機酸などの化合物が挙げられる。
さらに、フェノール化合物として、例えば、分子量が200以上、好適には380〜2000の範囲内のビスフェノールAジグリシジルエーテル型のポリエポキシド1モルと、分子量が200以上、好適には200〜2000の範囲内のビスフェノールA型ポリフェノール1モルと、活性水素を有する化合物1モルとを、必要に応じて触媒や溶媒の存在下で、約30〜約300℃、好適には約70〜約180℃の温度で反応させたものも使用することができる。これらの反応モル比は単なる例示であって、これらに制限されるものではなく任意に選択することができる。
また、フェノール化合物として、ダイマージオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールなどのポリオール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールなどのポリエーテルグリコール類;ポリカプロラクトンのようなポリエステルポリオール類;ポリカルボン酸類;ポリイソシアネート類;モノイソシアネート類;エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイドなどの不飽和化合物の酸化物;アリルグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテルなどの水酸基を有する化合物のグリシジルエーテル;脂肪酸のような有機酸のグリシジルエステル;脂環式オキシラン含有化合物などをビスフェノールAに反応させたものを使用することもできる。さらに、かかる化合物に、δ−4−カプロラクトン、アクリルモノマーなどをグラフト重合させたものも使用することができる。
アミノ基含有及び/又はフェノール化合物含有エポキシ樹脂(B1−4)は、以上に述べたエポキシ樹脂に、アミノ基含有化合物及び/又はフェノール化合物を反応させることによって得られる。
このようなアミノ基含有及び/又はフェノール化合物含有エポキシ樹脂(B1−4)は、従来のビスフェノールA型エポキシ樹脂との反応によって得られるものに比べて、防食性に優れるという利点を有している。
エポキシ樹脂とアミノ基含有化合物又はエポキシ樹脂とフェノール化合物との反応は、例えば、約50〜約300℃、特に約70〜約200℃の範囲内の温度で行うことができる。反応順序は特に制限されず、全成分を同時に仕込んで反応させるか、又はエポキシ樹脂にそれ以外の各成分を任意の順序で添加して順次反応させることができる。
アミノ基含有及び/又はフェノール化合物含有エポキシ樹脂(B1−4)は、一般に20〜150mgKOH/g、特に30〜125mgKOH/gの範囲内のアミン価、一般に300〜1,000mgKOH/g、特に325〜850mgKOH/gの範囲内の水酸基価、及び一般に800〜15,000、特に900〜10,000の範囲内の数平均分子量を有することができる。
アミノ基含有エポキシ樹脂(B1−4)は、特に、疎水部と親水部とが共存分極化しているため水分散性に優れている。
樹脂成分(B)として使用されるアミノ基含有アクリル樹脂(B−2)において、出発材料として用いられるアクリル樹脂は、そのアクリル樹脂を構成するモノマー成分として、水酸基含有アクリルモノマー、アミノ基含有アクリルモノマー及びその他のモノマーなどをラジカル共重合することによって得られるものであることができる。
水酸基含有アクリルモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとカプロラクトンとの付加生成物(例えば、プラクセルFA−2、プラクセルFM−3など、いずれもダイセル株式会社製、商品名)などが挙げられる。これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
アミノ基含有アクリルモノマーとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメ
チルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジ−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
その他のモノマーとしては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニルモノマー、;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のアルキルエステルなどが挙げられる。
また、グリシジル(メタ)アクリレートを含むラジカル重合性不飽和モノマーのアクリル樹脂のグリシジル基に、活性水素を含有するアミノ基含有化合物を付加することにより得られる樹脂も好適に用いることができ、それによって、塗料安定性の向上に寄与することができる。
上記アクリル樹脂に反応させ得るアミノ基含有化合物としては、該アクリル樹脂をカチオン化できるものであればとくにその種類には制限はなく、例えば、モノエタノールアミン、プロパノールアミン、ヒドロキシエチルアミノエチレンジアミン、ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなどのアミンのケチミン化物;ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジエタノールアミン、ジ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、モノメチルアミノエタノール、モノエチルアミノエタノールなどが挙げられる。
上記のアクリル樹脂とアミノ基含有化合物をそれ自体既知の方法により反応させることによりアミノ基含有アクリル樹脂(B−2)を得ることができる。
アミノ基含有アクリル樹脂(B−2)は、一般に10〜300mgKOH/g、好ましくは30〜250mgKOH/g、さらに好ましくは50〜200mgKOH/g樹脂固形分の範囲内の水酸基価、一般に30〜100mgKOH/g、好ましくは35〜90mgKOH/g、さらに好ましくは40〜80mgKOH/g樹脂固形分の範囲内のアミン価、及び一般に600〜3,000、好ましくは800〜2,700、さらに好ましくは1,000〜2,500の範囲内の数平均分子量を有することができる。
樹脂成分(B)は、架橋剤としてブロック化ポリイソシアネート化合物(B−3)を含有することができる。ブロック化ポリイソシアネート化合物(B−3)としては、芳香族、脂環族又は脂肪族のポリイソシアネート化合物などをブロック剤でブロックしたものが挙げられ、これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
芳香族ポリイソシアネートの具体例としては、1,3−もしくは1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−もしくは2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、クルードTDI、2,4’−もしくは4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、クルードMDI、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−もしくはp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートなどが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、エチレンジイソシアネート、テトラメチ
レンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートなどが挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、p−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、シクロヘキシレンジイソシアネートなどが挙げられる。
これらのポリイソシアネート化合物の中、耐候性の観点から、脂肪族ポリイソシアネートや脂環式ポリイソシアネートが好ましい。
ブロック剤は、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基に付加してブロックするものであり、そしてブロック剤の付加によって生成するブロックポリイソシアネート化合物は常温において安定で、且つ一般的な電着塗膜の焼き付け温度である約100℃ないし約200℃に加熱した際、ブロック剤を解離してイソシアネート基を再生しうるものであることが望ましい。
このような要件を満たすブロック剤としては、例えば、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタムなどのラクタム系化合物;メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム化合物;フェノール、パラ−t−ブチルフェノール、クレゾールなどのフェノール系化合物;n−ブタノール、2−エチルヘキサノールなどの脂肪族アルコール類;フェニルカルビノール、メチルフェニルカルビノールなどの芳香族アルキルアルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテルアルコール化合物;プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、3−メチル−1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、3−メチル−4,3−ペンタンジオール、3−メチル−4,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、ジメチロール吉草酸、グリセリン酸などの水酸基含有化合物を挙げることができる。
以上に述べた基体樹脂及び架橋剤を含んでなる樹脂成分(B)は、カルボン酸などの中和剤及び脱イオン水によって水分散することによって樹脂エマルションとし、皮膜形成剤の調製に用いることができる。
樹脂成分(B)における基体樹脂と架橋剤の配合割合は、基体樹脂と架橋剤の合計固形分質量を基準にして、基体樹脂は通常50〜90質量%、好ましくは55〜85質量%、さらに好ましくは60〜80質量%の範囲内、そして架橋剤は通常10〜50質量%、好ましくは15〜45質量%、さらに好ましくは20〜40質量%の範囲内とすることができる。
皮膜形成剤は、ジルコニウム化合物と、必要に応じて、チタン、コバルト、バナジウム、タングステン、モリブデン、銅、亜鉛、インジウム、アルミニウム、ビスマス、イットリウム、ランタノイド金属、アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の金属(a)を含有する化合物からなる金属化合物成分(A)を、合計金属量(質量換算)で、30〜20,000ppm、好ましくは50〜10,000ppm、さらに好
ましくは100〜5,000ppm含有し、また、樹脂成分(B)を1〜40質量%、好ましくは5〜35質量%、さらに好ましくは10〜30質量%含有することができ、それによって、防食性や仕上り性に優れた皮膜構造を形成せしめることができる。
金属化合物成分(A)が金属(a)含有化合物を含む場合、その含有量は、本発明の方法により形成される塗装物品の用途などに応じて変えることができるが、金属化合物成分(A)の質量を基準にして、一般には90質量%以下、好ましくは5〜80質量%、さらに好ましくは10〜75質量%の範囲内とすることができる。
皮膜形成剤は、さらに必要に応じて、その他の添加剤、例えば、顔料、触媒、有機溶剤、顔料分散剤、表面調整剤、界面活性剤などを塗料分野で通常使用されている配合量で含有することができる。なお、上記の顔料や触媒としては、例えば、チタン白、カーボンブラックなどの着色顔料;クレー、タルク、バリタなどの体質顔料;トリポリリン酸二水素アルミニウム、リンモリブデン酸アルミニウムなどの防錆顔料;ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイドなどの有機錫化合物;ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジベンゾエート、ジブチル錫ジベンゾエートなどのジアルキル錫の脂肪族もしくは芳香族カルボン酸塩などの錫化合物が挙げられる。
皮膜形成剤の調製は、例えば、以下に述べる(1)〜(3)の方法により行うことができる:
(1) 樹脂成分(B)及び場合によりその他の添加剤を一緒にし、十分に混ぜ合わせて溶解ワニスを作製し、それに水性媒体中で、例えば、蟻酸、酢酸、乳酸、プロピオン酸、クエン酸、リンゴ酸、スルファミン酸及びこれらの2種もしくはそれ以上の混合物などから選ばれる中和剤を添加して水分散化してなるエマルション中に、金属化合物成分(A)を配合する方法。
(2) 金属化合物成分(A)に、顔料や触媒、その他の添加剤、水を加え分散せしめて予め顔料分散ペーストを調製し、その顔料分散ペーストを樹脂成分(B)のエマルションに添加する方法。
(3) あらかじめ作製した電着塗料の浴に、金属化合物成分(A)を水で希釈して配合する方法。
皮膜形成剤は、脱イオン水などで希釈して、浴固形分濃度が通常5〜40質量%、好ましくは8〜15質量%、pHが通常1.0〜9.0、好ましくは3.0〜6.0の範囲内となるように調整し使用することができる。
以上の如くして調製される皮膜形成剤は、以下に述べる少なくとも2段階の多段階通電方式によって、金属基材上に本発明が目的とする皮膜構造を形成せしめることができる。
多段階通電方式による塗装
本発明に従う皮膜形成剤の塗装は、多段階通電方式により行うことができ、具体的には、以上に述べた皮膜形成剤を浴とし且つ金属基材を陰極として1段目の塗装を1〜50V、好ましくは2〜40Vの電圧(V)で10〜360秒間、好ましくは30〜300秒間、さらに好ましくは60〜240秒間通電することにより行い、次いで、金属基材を陰極として2段目以降の塗装を50〜400V、好ましくは75〜370V、さらに好ましくは100〜350Vの電圧(V)で60〜600秒間、好ましくは80〜400秒間、さらに好ましくは90〜240秒間通電することにより行い、そして電圧(V)と電圧(V)の差を少なくとも10V、好ましくは20〜400V、さらに好ましくは30〜350Vとすることにより行うことができる。
特に、1段目の塗装は、通常0.1〜1.5mA/cm、特に0.15〜1.2mA/cm、さらに特に0.2〜1.0mA/cmの電流密度で行うことが好ましい。
また、通電塗装は、通常0.1〜5m、好ましくは0.2〜3m、さらに好ましくは0.3〜1mの極間距離及び1/8〜2/1、好ましくは1/5〜1/2の極比(陽極/陰極)で行うことができる。
皮膜の析出機構としては、まず、1段目の通電によって、陰極近傍のpH上昇により加水分解反応が起こり、皮膜形成剤中のジルコニウムイオン種(例えば、ジルコニウムとフッ素との錯体イオン)が難溶性の皮膜(F1)(主に、酸化ジルコニウム)として陰極上に析出する。
なお、1段目の通電では、陰極上が低電流密度であるため、通常、樹脂成分(B)は皮膜形成剤の浴中へ拡散(分散)又は電極へ析出して再溶解し、陰極上に実質的な皮膜を形成するに至らない。次いで、2段目の通電によって、樹脂成分(B)や顔料を主成分とする皮膜(F2)が形成され、本発明の皮膜構造を得ることができる。
なお、皮膜形成剤の浴温としては、通常5〜45℃、好ましくは10〜40℃、さらに好ましくは20〜35℃の範囲内が適している。
析出した皮膜は焼付けて硬化させることができる。皮膜の焼付け温度は、被塗物表面で約100〜約200℃、好ましくは約120〜約180℃の範囲内の温度が適しており、焼き付け時間は5〜90分、好ましくは10〜50分程度とすることができる。
上記の多段階通電方式による本発明に従う皮膜形成剤の塗装によって、金属基材上に、皮膜の質量固形分合計を基準にして、ジルコニウム化合物と金属(a)含有化合物を、合計金属量(質量換算)で、25〜70質量%、特に30〜65質量%、さらに特に35〜60質量%含有する厚さが0.01〜5μm、特に0.05〜5μmの皮膜(F1)と、該皮膜(F1)上の、皮膜の質量固形分合計を基準にして、ジルコニウム化合物と金属(a)含有化合物を合計金属量(質量換算)で25質量%未満、特に1〜20質量%、さらに特に2〜15質量%含有し且つ樹脂成分を50〜95質量%、特に55〜92.5質量%、さらに特に60〜90質量%含有する厚さが0.1〜30μm、特に0.5〜25μmの皮膜(F2)を含んでなる皮膜構造を形成せしめることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、「部」及び「%」は「質量部」及び「質量%」である。
製造例1:アミノ基含有エポキシ樹脂溶液No.1
PP−400(三洋化成社製、商品名、ポリプロピレングリコール分子量400)400部に、ε−カプロラクトン300部を加えて、130℃まで昇温した。その後、テトラブトキシチタン0.01部を加え、170℃に昇温した。この温度を保ちながら経時でサンプリングし、未反応のε−カプロラクトンが実質的になくなったことを確認した時点で冷却し、変性剤1を得た。
別のフラスコに、jER828EL(ジャパンエポキシレジン社製、商品名、エポキシ樹脂エポキシ当量190 分子量350)1000部、ビスフェノールA 400部及びジメチルベンジルアミン0.2部を加え、130℃でエポキシ当量が750になるまで反応させた。次に、変性剤1を200部、ジエタノールアミンを140部及びジエチレントリ
アミンのケチミン化物65部を加え120℃で4時間反応させた後、エチレングリコールモノブチルエーテルで固形分を調整し、樹脂固形分80%のポリオール変性のアミノ基含有エポキシ樹脂溶液No.1を得た。該アミノ基含有エポキシ樹脂No.1は、アミン価が56mgKOH/g、数平均分子量が2,000であった。
製造例2:アミノ基含有エポキシ樹脂溶液No.2
温度計、還流冷却器及び攪拌機を備えた内容積2リットルのセパラブルフラスコに、50%ホルマリン480部、フェノール110部、98%工業用硫酸202部及びメタキシレン424部を仕込み、84〜88℃で4時間反応させた。反応終了後、静置して樹脂相と硫酸水相とを分離した後、樹脂相を3回水洗し、20〜30mmHg/120〜130℃の条件で20分間未反応メタキシレンをストリッピングして、粘度1050センチポイズ(25℃)のフェノール変性のキシレンホルムアルデヒド樹脂 480部を得た。
別のフラスコに、jER828EL(ジャパンエポキシレジン社製、商品名、エポキシ樹脂、エポキシ当量190、分子量350)1000部、ビスフェノールA400部及びジメチルベンジルアミン0.2部を加え、130℃でエポキシ当量が750になるまで反応させた。
次に、キシレンホルムアルデヒド樹脂を300部、ジエタノールアミンを137部及びジエチレントリアミンのメチルイソブチルケトンとのケチミン化物を95部加え120℃で4時間反応させた後、エチレングリコールモノブチルエーテル403部を加え、樹脂固形分80%のキシレンホルムアルデヒド樹脂変性のアミノ基含有エポキシ樹脂溶液No.2を得た。該アミノ基含有エポキシ樹脂No.2は、アミン価が57mgKOH/g、数平均分子量が2,000であった。
製造例3:アミノ基含有エポキシ樹脂溶液No.3
PP−400(三洋化成社製、商品名、ポリプロピレングリコール分子量400)400部にε−カプロラクトン300部を加えて、130℃まで昇温した。その後、テトラブトキシチタン0.01部を加え、170℃に昇温した。この温度を保ちながら経時でサンプリングし、赤外吸収スペクトル測定にて未反応のε−カプロラクトン量を追跡し、未反応のε−カプロラクトンが実質的になくなったことを確認した時点で冷却し、変性剤2を得た。
別に、jER828EL(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名、エポキシ樹脂エポキシ当量190 分子量350)1000部にビスフェノールA 400部及びジメチルベンジルアミン0.2部を加え、130℃でエポキシ当量が750になるまで反応させた。
その中にノニルフェノール120部を加え、130℃でエポキシ当量が1000になるまで反応させた。次いで変性剤2を200部、ジエタノールアミンを95部及びジエチレントリアミンのケチミン化物を65部加え、120℃で4時間反応させた後、エチレングリコールモノブチルエーテルで希釈し、樹脂固形分80%のノニルフェノールが付加されたポリオール変性のアミノ基含有エポキシ樹脂溶液No.3を得た。該アミノ基含有エポキシ樹脂No.3は、アミン価が40mgKOH/g、数平均分子量が2,000であった。
製造例4:アミノ基含有エポキシ樹脂溶液No.4
撹拌機、温度計、滴下ロート及び還流冷却器を取付けたフラスコに、エチレングリコールモノブチルエーテル397部、EHPE−3150(エポキシ当量180ダイセル化学工業(株)製)900部、アミノ基含有化合物(注2)370部、ジエタノールアミン3
15部及びフェノール化合物(注3)1651部を加え、混合撹拌しながら、150℃まで昇温し、エポキシ基残量が0になるまで反応させた。さらに、エポキシ当量190のビスフェノールAジグリシジルエーテル3610部、ビスフェノールA1596部、ジエタノールアミン525部及びエチレングリコールモノブチルエーテル1433部を添加し、150℃でエポキシ基残量が0になるまで反応させて、樹脂固形分80%、アミン付加エポキシ樹脂溶液No.4を得た。該アミン付加エポキシ樹脂No.4は、アミン価が65mgKOH/g、数平均分子量が2,000であった。
(注2) アミノ基含有化合物:
温度計、撹はん機、還流冷却器及び水分離器を取り付けた反応容器に、12−ヒドロキシステアリン酸300部とヒドロキシエチルアミノエチルアミン104部及びトルエン80部を仕込み、混合撹拌しながら徐々に加熱し必要に応じてトルエンを除去し温度を上げながら反応水18部を分離除去した後残存するトルエンを減圧除去し、アミン価148mgKOH/g、凝固点69℃のアミノ基含有化合物を得た。
(注3) フェノール化合物:
撹拌機、温度計、滴下ロート及び還流冷却器を取付けたフラスコに、ジエタノールアミン105部、エポキシ当量190のビスフェノールAジグリシジルエーテル760部、ビスフェノールA456部及びエチレングリコールモノブチルエーテル330部を添加し、150℃でエポキシ基残量が0になるまで反応し、固形分80%のフェノール化合物を得た。
製造例5:硬化剤No.1の製造
イソホロンジイソシアネート222部にメチルイソブチルケトン44部を加え、70℃に昇温した。その後、メチルエチルケトキシム174部を2時間かけて滴下して、この温度を保ちながら経時でサンプリングして赤外吸収スペクトル測定にて未反応のイソシアネートの吸収がなくなったことを確認し、樹脂固形分90%のブロックポリイソシアネート化合物の硬化剤No.1を得た。
製造例6:エマルションNo.1の製造
上記製造例1にて得た樹脂固形分80%のアミノ基含有エポキシ樹脂No.1 87.5部(固形分70部)、硬化剤No.1 33.3部(固形分30部)及び10%蟻酸10.7部を混合し、均一に攪拌した後、脱イオン水181部を強く攪拌しながら約15分かけて滴下し、固形分32.0%のエマルションNo.1を得た。
製造例7〜10:エマルションNo.2〜No.4の製造
製造例6と同様に操作することにより、表1の配合内容のエマルションNo.2〜No.4を得た。
Figure 2008274392
製造例10:顔料分散ペーストNo.1の製造
製造例4で得た80%のアミノ基含有エポキシ樹脂溶液No.4 6.3部(固形分5部)、10%酢酸1.5部、JR−600E(注4)14部(固形分14部)、カーボンMA−7(注5)0.3部(固形分0.3部)、ハイドライトPXN(注6)9.7部(固形分9.7部)、ジオクチル錫オキサイド1部(固形分1部)及び脱イオン水21.8部を混合分散し、固形分55質量%の顔料分散ペーストNo.1を得た。
製造例11:顔料分散ペーストNo.2の製造
下記表2に示す化合物を用いる以外は製造例10と同様に操作して、顔料分散ペーストNo.2を得た。
Figure 2008274392
(注4) JR−600E:テイカ社製、商品名、チタン白。
(注5) カーボンMA−7:三菱化成社製、商品名、カーボンブラック。
(注6) ハイドライトPXN:ジョージアカオリン社製、商品名、カオリン。
製造例12
エマルションNo.1 219部(固形分70部)、製造例10で得た55%顔料分散ペーストNo.1 54.5部(固形分30部)及び脱イオン水726.5部を混合して固形分10%の浴とし、次いでジルコニウムフッ化アンモニウム1.32部を加えて皮膜形成剤No.1を得た。
製造例13〜26
下記表3及び表4に示す配合とする以外は、製造例13と同様にして皮膜形成剤No.2〜No.15を得た。
Figure 2008274392
Figure 2008274392
実施例1
皮膜形成剤No.1の浴を28℃に調整し、冷延鋼板(70mm×150mm×0.8mm)を陰極(極間距離15cm)として浸漬し、「第1段目が5Vで60秒間−第2段目が260Vで120秒間」の通電条件にて、皮膜(F1)と皮膜(F2)の総合乾燥膜厚が20μmとなるように通電を行った。得られた皮膜を電気乾燥機によって170℃で20分間焼付けし、試験板No.1を得た。なお、第1段目通電時の電流密度は0.2mA/cmであった。
実施例2〜14
表5及び表6に示す皮膜形成剤及び通電条件を使用する以外は、実施例1と同様にして、試験板No.2〜No.14を得た。
Figure 2008274392
Figure 2008274392
比較例1〜14
表7及び表8に示す皮膜形成剤及び通電条件を使用する以外は、実施例1と同様にして、試験板No.15〜No.28を得た。
Figure 2008274392
Figure 2008274392
(注7) 皮膜状態:
試験板を切断して皮膜(F1)と皮膜(F2)の皮膜状態を、HF−2000(日立製作所製、商品名、電界放出型透過型電子顕微鏡)及びJXA−8100(日本電子製、商品名、電子線プローブマイクロアナライザー)を用いて観察した。皮膜状態の評価は以下の基準に従って行った。
○:層分離がはっきり認められる。
△:皮膜(F1)と皮膜(F2)境界がはっきりしないが、層分離が多少認められる

×:層分離は認められない。
(注8) Zrと金属(a)の金属量(%):
皮膜(F1)及び皮膜(F2)中の金属量(質量%)を、JY−5000RF(堀場製作所製、商品名、グロー放電発光分析計)及びRIX−3100(株式会社リガク製、商品名、蛍光X線分光分析装置)を用いて測定した。
(注9) 樹脂成分(B)の含有量:
焼付け硬化前の皮膜(F2)を掻き取り、下記式(2)に従って算出した。
皮膜(F2)を105℃で3時間乾燥した後の質量・・・・・・b1
800℃のるつぼに入れて5時間焼付けた後の残分質量・・・b2
樹脂成分(B)の含有量(%)=[(b1−b2)/b1]×100・・・式(2)
(注10) 防食性:
試験板の素地に達するように皮膜にナイフでクロスカット傷を入れ、JISZ−2371に準じて480時間耐塩水噴霧試験を行った。評価はナイフ傷からの錆、フクレ幅によって以下の基準で評価した。
◎:錆、フクレの最大幅がカット部より2mm未満(片側)。
○:錆、フクレの最大幅がカット部より2mm以上で且つ3mm未満(片側)。
△:錆、フクレの最大幅がカット部より3mm以上で且つ4mm未満(片側)。
×:錆、フクレの最大幅がカット部より4mm以上(片側)。
(注11) 耐ばくろ性:
試験板に、スプレー塗装方法で、WP−300(関西ペイント株式会社製、商品名、水性中塗り塗料)を硬化膜厚が25μmとなるように塗装した後、電気熱風乾燥器で140℃×30分焼き付けを行なった。さらに、その中塗塗膜上に、スプレー塗装方法で、ネオアミラック6000(関西ペイント株式会社製、商品名、上塗り塗料)を硬化膜厚が35μmとなるように塗装した後、電気熱風乾燥器で140℃×30分焼き付けを行ない、暴露試験板を作製した。
得られた暴露試験板上の塗膜に、素地に達するようにナイフでクロスカットキズを入れ、千葉県千倉町で、水平にて1年間暴露した後、ナイフ傷からの錆、フクレ幅によって以下の基準で評価した。
◎:錆またはフクレの最大幅がカット部より2mm未満(片側)。
○:錆またはフクレの最大幅がカット部より2mm以上で且つ3mm未満(片側)。
△:錆またはフクレの最大幅がカット部より3mm以上で且つ4mm未満(片側)。
×:錆またはフクレの最大幅がカット部より4mm以上(片側)。
(注12) 仕上り性:
試験板の塗面をサーフテスト301(株式会社ミツトヨ社製、商品名、表面粗度計)を用いて、表面粗度値(Ra)をカットオフ0.8mmにて測定し、以下の基準で評価した。
○:表面粗度値(Ra)が0.2μm未満。
△:表面粗度値(Ra)が0.2μm以上でかつ0.3μm未満。
×:表面粗度値(Ra)が0.3μm以上。
(注13) 皮膜形成剤安定性:
各々の皮膜形成剤を30℃にて30日間容器を密閉して攪拌した。その後、皮膜形成剤を400メッシュ濾過網を用いて全量濾過し、残さ量(mg/L)を測定し、以下の基準で評価した。
◎:5mg/L未満。
○:5mg/L以上でかつ10mg/L未満。
△:10mg/L以上でかつ15mg/L未満。
×:15mg/L以上。

Claims (12)

  1. 金属基材に、皮膜形成剤を少なくとも2段階の多段通電方式で塗装することによって皮膜を形成する方法であって、
    (i) 皮膜形成剤が、ジルコニウム化合物と、必要に応じて、チタン、コバルト、バナジウム、タングステン、モリブデン、銅、亜鉛、インジウム、アルミニウム、ビスマス、イットリウム、ランタノイド金属、アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の金属(a)を含有する化合物とを合計金属量(質量換算)で30〜20,000ppmと、樹脂成分1〜40質量%とを含んでなり、
    (ii) 金属基材を陰極として1段目の塗装を1〜50Vの電圧(V)で10〜360秒間通電することにより行い、次いで、金属基材を陰極として2段目以降の塗装を50〜400Vの電圧(V)で60〜600秒間通電することにより行い、そして
    (iii) 電圧(V)と電圧(V)の差が少なくとも10Vである
    ことを特徴とする表面処理皮膜の形成方法。
  2. 1段目の塗装をさらに0.05〜1.5mA/cmの電流密度で行う請求項1に記載の方法。
  3. 皮膜形成剤がジルコニウム化合物と金属(a)含有化合物を合計金属量(質量換算)で50〜10,000ppm含有する請求項1に記載の方法。
  4. 皮膜形成剤が樹脂成分を5〜35質量%含有する請求項1に記載の方法。
  5. 金属基材を陰極として1段目の塗装を2〜40Vの電圧(V)で30〜300秒間通電することにより行い、次いで、金属基材を陰極として2段目以降の塗装を75〜370Vの電圧(V)で80〜400秒間通電することにより行う請求項1に記載の方法。
  6. 電圧(V)と電圧(V)の差が20〜400Vである請求項1に記載の方法。
  7. 樹脂成分が基体樹脂及び架橋剤を含んでなるカチオン性樹脂組成物である請求項1に記載の方法。
  8. 基体樹脂がアミノ基含有エポキシ樹脂又はアミノ基含有アクリル樹脂である請求項7に記載の方法。
  9. アミノ基含有エポキシ樹脂がアミノ基含有ビスフェノール型エポキシ樹脂である請求項8に記載の方法。
  10. 架橋剤がブロック化ポリイソシアネート化合物である請求項7に記載の方法。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の方法により形成される、皮膜の質量固形分合計を基準にして、ジルコニウム化合物と金属(a)含有化合物を合計金属量(質量換算)で25〜70質量%含有する厚さが0.01〜5μmの皮膜(F1)と、該皮膜(F1)上の、皮膜の質量固形分合計を基準にして、ジルコニウム化合物と金属(a)含有化合物を合計金属量(質量換算)で25質量%未満含有し且つ樹脂成分を50〜95質量%含有する厚さが0.1〜30μmの皮膜(F2)を含んでなる皮膜構造。
  12. 請求項1〜10のいずれかに記載の方法により形成された表面処理皮膜を有する塗装物品。
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