JP2017503062A - 酸化マグネシウムを含む導電性基材のための水性ディップコーティング組成物 - Google Patents
酸化マグネシウムを含む導電性基材のための水性ディップコーティング組成物 Download PDFInfo
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Abstract
Description
(A1)少なくとも1つのカソード析出性の結合剤、および
(A2)任意に少なくとも1つの架橋剤
を含み、pHが4.0〜6.5の範囲である水性コーティング組成物(A)であって、コーティング組成物(A)の全質量に対して全量で少なくとも30ppmのビスマスを含み、
コーティング組成物(A)の全質量に対して少なくとも0.005質量%の酸化マグネシウム粒子(B)が水性コーティング組成物(A)の製造に使用される、
水性コーティング組成物(A)である。
本発明にしたがって使用される適切な導電性基材は、日常的に用いられる当業者に公知の導電性基材のすべてである。本発明にしたがって使用される導電性基材は、好ましくは、鋼、好ましくは、冷延鋼板、ディップ亜鉛メッキ鋼、合金メッキ鋼(例えばGalvalume、Galvannealed、またはGalfanなど)およびアルミナイズド鋼などのメッキ鋼からなる群から選択される鋼、アルミニウム、およびマグネシウムからなる群から選択される;例えばディップ亜鉛メッキ鋼などのメッキ鋼が特に適している。特に好ましくは、使用される基材の表面は少なくとも部分的にガルバニール処理されている。熱間圧延鋼、高強度鋼、Zn/Mg合金、およびZn/Ni合金が、また基材として適している。特に適した基材は、自動車生産用のボディーまたは完全ボディーの部材である。本発明の方法はまた、コイルコーティング用に使用することができる。当該の導電性基材が使用される前に、基材は、好ましくは、清浄化および/または脱グリースされる。
本発明にしたがって使用される水性コーティング組成物(A)は、成分(A1)としての少なくとも1つのカソード析出性の結合剤および任意に成分(A2)としての少なくとも1つの架橋剤とを含む。
a)飽和もしくは不飽和モノカルボン酸(例えば、安息香酸、アマニ油脂肪酸、2−エチルヘキサン酸、バーサチック酸)、多様な鎖長を有する脂肪族、脂環式および/または芳香族ジカルボン酸(例えば、アジピン酸、セバシン酸、イソフタル酸、または二量体脂肪酸)、ヒドロキシアルキルカルボン酸(例えば、乳酸、ジメチロールプロピオン酸)、およびカルボキシル含有ポリエステルスなどのカルボキシル基を含む化合物、あるいは
b)ジエチルアミンまたはエチルヘキシルアミンまたは第2級アミノ基を有するジアミン、例えば、ジメチルエチレンジアミンなどのN,N’−ジアルキルアルキレンジアミン、N,N’−ジメチルポリオキシプロピレンジアミンなどのN,N’−ジアルキルポリオキシアルキレンアミン、ビス−N,N’−シアンエチル−エチレンジアミンなどのシアンアルキル化アルキレンジアミン、ビス−N,N’−シアンエチルポリオキシプロピレンジアミンなどのシアンアルキル化ポリオキシアルキレンアミン、バーサミドなどのポリアミノアミド、例えば、特にジアミン(例えば、ヘキサメチレンジアミン)、ポリカルボン酸、特に二量体脂肪酸、およびモノカルボン酸、特に脂肪酸のアミノ末端反応生成物、または1モルのジアミノヘキサンと2モルのモノグリシジルエーテル、またはモノグリシジルエステル、特にバーサチック酸などのα−分枝脂肪酸のグリシジルエステルとの反応生成物などのアミノ基を含む化合物、あるいは
c)ネオペンチルグリコール、ビスエトキシル化ネオペンチルグリコール、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバラート、ジメチルヒダントイン−N−N’−ジエタノール、ヘキサン−1,6−ジオール、ヘキサン−2,5−ジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,1−イソプロピリデンビス(p−フェノキシ)−2−プロパノール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、またはトリエタノールアミン、メチルジエタノールアミンなどのアミノアルコール、またはアミノメチルプロパン−1,3−ジオールメチルイソブチルケチミンもしくはトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンシクロヘキサノンケチミンなどのヒドロキシル含有アルキルケチミン、およびまた多様な官能基および分子量を有するポリグリコールエーテル、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカプロラクタムポリオールなどのヒドロキシル基を含む化合物、あるいは
d)ナトリウムメトキシドの存在下でエポキシ樹脂のヒドロキシル基によってエステル交換される飽和もしくは不飽和脂肪酸メチルエステル。
本発明の水性コーティング組成物(A)は、導電性基材を電着材料で少なくとも部分的にコートするのに適しており、このことは、この組成物(A)が、導電性基材の基材面に電着の形態で少なくとも部分的に施用されるのに適していることを意味する。好ましくは、本発明の水性コーティング組成物(A)全体が、カソード析出性である。
コーティング組成物(A)は、コーティング組成物(A)の全質量に対して全量で少なくとも30ppmのビスマスを含む。
‐(A3)コーティング組成物(A)中に溶液の形態でコーティング組成物(A)の全質量に対して少なくとも130ppmのビスマス、
または
‐(A3)コーティング組成物(A)中に溶液の形態でコーティング組成物(A)の全質量に対して少なくとも30ppmのビスマス、および
‐(A4)コーティング組成物(A)中に非溶液の形態でコーティング組成物(A)の全質量に対して少なくとも100ppmのビスマスを含む。
(A3)コーティング組成物(A)中に溶液の形態でコーティング組成物(A)の全質量に対して少なくとも300ppmのビスマス
または
(A3)コーティング組成物(A)中に溶液の形態でコーティング組成物(A)の全質量に対して少なくとも100ppmのビスマス、および
(A4)コーティング組成物(A)中に非溶液の形態でコーティング組成物(A)の全質量に対して少なくとも200ppmのビスマス
を含む、コーティング組成物(A)の全質量に対して全量で少なくとも300ppmのビスマスを含む。
(A3)コーティング組成物(A)中に溶液の形態でコーティング組成物(A)の全質量に対して少なくとも400ppmのビスマス、および
または
(A3)コーティング組成物(A)中に溶液の形態でコーティング組成物(A)の全質量に対して少なくとも150ppmのビスマス、および
(A4)コーティング組成物(A)中に非溶液の形態でコーティング組成物(A)の全質量に対して少なくとも250ppmのビスマス
を含む、コーティング組成物(A)の全質量に対して全量で少なくとも400ppmのビスマスを含む。
または
(A3)コーティング組成物(A)中に溶液の形態でコーティング組成物(A)の全質量に対して少なくとも500ppmのビスマス、および
または
(A3)コーティング組成物(A)中に溶液の形態でコーティング組成物(A)の全質量に対して少なくとも200ppmのビスマス、および
(A4)コーティング組成物(A)中に非溶液の形態でコーティング組成物(A)の全質量に対して少なくとも300ppmのビスマス
を含む、コーティング組成物(A)の全質量に対して全量で少なくとも500ppmのビスマスを含む。
任意に少なくとも1つの成分(A6)から(A8)、および/または(B)の存在下で、および任意に(A1)および/または(A2)の存在下で、好ましくはビスマスの酸化物、塩基性酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、塩基性硝酸塩、サリチル酸塩、および塩基性サリチル酸塩、ならびにまたその混合物からなる群から選択される少なくとも1つの水不溶性ビスマス化合物を、この化合物とビスマスを錯化するのに適した少なくとも1つの少なくとも二座の錯化剤(A5)との少なくとも部分的、好ましくは完全な反応によって、水中で少なくとも部分的に、好ましくは完全に転換して少なくとも1つの水不溶性ビスマス化合物(A3)にしてコーティング組成物(A)の少なくとも成分(A3)および(A5)ならびにまた任意に、成分(A4)および/または(A6)から(A8)および/または任意に(A1)および/または(A2)および/または(B)の少なくとも1つを含む混合物を得、および、
任意に成分(A6)から(A8)および/または(B)の少なくとも1つの存在下で、任意に生成混合物を少なくとも成分(A1)とおよび任意に成分(A2)と混合してコーティング組成物(A)を得ることによって取得可能である。
本発明の水性コーティング組成物(A)は、好ましくは成分(A5)としてビスマスを錯化するのに適した少なくとも1つの少なくとも二座の錯化剤を含み、少なくとも1つの錯化剤(A5)が、コーティング組成物(A)中に存在するビスマスの全量に対して少なくとも5モル%の割合で水性コーティング組成物(A)中に存在する。
さらに、所望の用途に応じて、本発明にしたがって使用される水性コーティング組成物(A)は、少なくとも1つの顔料(A6)を含むことができる。
水性コーティング組成物(A)中に任意に存在するジルコニウムイオンのモル割合は、好ましくは、それぞれの場合水性組成物(A)の全質量に対して、水性コーティング組成物(A)中に存在するビスマスの全モル量の、好ましくは、少なくとも1/100未満、好ましくは、少なくとも1/200未満、より好ましくは、少なくとも1/300または1/400または1/500または1/600または1/700または1/800または1/900または1/1000未満である。さらに特に好ましくは、コーティング組成物(A)は、ジルコニウムイオンを含まない。
本発明のコーティング組成物(A)は、コーティング組成物(A)の全質量に対して少なくとも0.005質量%の酸化マグネシウム粒子(B)を使用して製造される。酸化マグネシウム粒子(B)は、例えばCarl Roth GmbH & Co.KG社から8280.1のカタログ番号で市販されている酸化マグネシウムを含む。
本発明のさらなる主題は、本発明の水性コーティング組成物(A)を製造するための方法であり、その方法は、少なくとも工程(0):
(0)任意に、成分(A6)から(A8)および任意に(A1)および/または(A2)および/または(B)の少なくとも1つの存在下で、少なくとも1つの水不溶性ビスマス化合物、より好ましくは、ビスマスの酸化物、塩基性酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、塩基性硝酸塩、サリチル酸塩、および塩基性サリチル酸塩、ならびにまたその混合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を、この化合物とビスマスが錯化されるのに適した少なくとも1つの少なくとも二座の錯化剤(A5)との少なくとも部分的、好ましくは完全な反応によって、水中で少なくとも部分的に、好ましくは完全に転換して少なくとも1つの水溶性ビスマス化合物(A3)にして、コーティング組成物(A)の少なくとも成分(A3)および(A5)、任意に成分(A4)ならびにまた任意に、(A1)および/または(A2)、および/または(B)、および/または成分(A6)から(A8)の少なくとも1つを含む混合物を得る工程を含む。
工程(0)を実施した後に得られた混合物を、少なくとも成分(A1)および任意に成分(A2)およびまた(B)、任意に、成分(A6)から(A8)のうちの少なくとも1つと混合してコーティング組成物(A)を得る工程のような少なくとも1つのさらなる工程を含む。
本発明のさらなる主題は、導電性基材を電着材料で少なくとも部分的にコートするための、本発明のコーティング組成物(A)、または導電性基材を電着材料で少なくとも部分的にコートするために本発明の方法で使用される水性コーティング組成物(A)の使用である。
本発明のさらなる主題は、少なくとも1つの工程(1):
特に使用される基材が少なくとも部分的に亜鉛メッキされた基材、例えば少なくとも部分的に亜鉛メッキされた鋼などである場合、
(1)カソードとして接続された導電性の基材を本発明の水性コーティング組成物(A)と接触させる工程
を含む、導電性基材を電着材料で少なくとも部分的にコートする方法である。
(1)カソードとして接続された導電性基材を本発明の水性コーティング組成物(A)に、
水性コーティング組成物に、
接触させる工程であって、工程(1)が少なくとも2つの連続する段階(1a)および(1b):
(1a)好ましくは少なくとも5秒間にわたり印加される1〜50Vの範囲の印加電圧での段階、および
(1b)50〜400Vの範囲の印加電圧での段階であり、ただし、段階(1b)で印加される電圧が段階(1a)で印加される電圧より少なくとも10V大であることを条件とする段階
で実施される工程を含む、導電性基材を電着材料で少なくとも部分的にコートするための方法である。
導電性基材を電着材料で少なくとも部分的にコートするための本発明の方法は、少なくとも1つの工程(1)を含み、これは、カソードとして接続された導電性基材を水性コーティング組成物(A)と接触させる工程である。
本発明の方法の工程(1)は、以下のような少なくとも2つの連続する段階(1a)および(1b):
(1a)少なくとも5秒間にわたり印加される1〜50Vの範囲の印加電圧での段階、および
(1b)50〜400Vの範囲の印加電圧での段階であり、ただし、段階(1b)で印加される電圧が段階(1a)で印加される電圧より少なくとも10V大であることを条件とする段階で実施される。
段階(1a)の実行中では、対応するビスマス富化層が、導電性基材上の予備析出層として形成され、これは、例えば、蛍光X線分析によって検出可能であり、定量可能である。本明細書でのビスマスは、好ましくは、金属ビスマス(0)の形態であるが、あるいはまたはさらには、3価の形態および/または他の酸化状態で存在することもできる。この予備析出層は、詳細には、コーティング組成物中に存在する成分(A1)および任意に(A2)および/または(A5)および/または(A6)をほとんど含まない。適切に形成されたビスマス富化層は、好ましくは、腐食防止効果を発揮し、この効果の優秀性は、付加ビスマス相に比例している(表面積1m2当たりのビスマスのmgでの)。好ましい付加層は、表面積1m2当たり少なくとも10または少なくとも20または少なくとも30、より好ましくは、少なくとも40または少なくとも50、より具体的には、少なくとも100または少なくとも180mgのビスマス(金属として計算された)である。
段階(1b)の実行中では、実際のディップワニスコーティングが、ディップワニス成分、より具体的には、(A1)および任意に(A2)および/または(A5)の析出によって、段階(1a)後に得られた予備析出層上に形成される。このコーティングも、ビスマスを含み、このビスマスは、3価の形態またはあるいはもしくはさらに他の酸化状態で存在してもよい。このビスマスは、本発明の方法の下流の任意の養生工程または架橋工程(6)における触媒として働くことができる。したがって、コーティング組成物(A)の生成において、好ましくは、かかる触媒の組み込みを省略することも可能である。
本発明の方法は、任意に、上に記載されたように2つの段階、(1a)および(1b)を伴う、好ましくは、工程(1)に続く以下のような工程(2):
(2)析出したコーティング組成物(A)を養生する前に、コーティング組成物(A)で少なくとも部分的にコートされた基材を水性ゾルーゲル組成物に接触させる工程
をさらに含む。
少なくとも1つの化合物Si(X1)3(R1)
[式中、その中のR1は、第1級アミノ基、第2級アミノ基、エポキシド基、およびエチレン性不飽和二重結合を有する基からなる群から選択される少なくとも1つの反応性官能基を有する非加水分解性有機基である]、
より具体的には、少なくとも1つの化合物Si(X1)3(R1)
[式中、その中のR1は、反応性官能基として少なくとも1つのエポキシド基を有する非加水分解性有機基であり、X1は、例えば、O−C1〜6アルキル基などの加水分解性基である]、およびさらに、
任意に少なくとも1つのさらなる化合物Si(X1)3(R1)
[式中、その中のR1は、第1級アミノ基および第2級アミノ基からなる群から選択される少なくとも1つの反応性官能基を有する非加水分解性有機基であり、X1は、例えば、O−C1〜6アルキル基などの加水分解性基である]、
および任意に少なくとも1つの化合物Si(X1)4
[式中、X1は、例えば、O−C1〜6アルキル基などの加水分解性基である]、
および任意に少なくとも1つの化合物Si(X1)3(R1)
[式中、その中のR1は、例えば、C1〜10アルキル基などの反応性官能基を有さない非加水分解性有機基であり、X1は、例えば、O−C1〜6アルキル基などの加水分解性基である]、
および任意に少なくとも1つの化合物Zr(X1)4
[式中、X1は、例えば、O−C1〜6アルキル基などの加水分解性基である]と水との反応
によって取得可能である。
(3)工程(1)または工程(2)の後に取得可能である、水性コーティング組成物(A)で少なくとも部分的にコートされた基材を水および/または限外ろ過液ですすぐ工程
のような工程(3)をさらに含む。
(4)工程(1)または工程(2)または工程(3)後に取得可能である水性コーティング組成物(A)で少なくとも部分的にコートされた基材を、好ましくは30秒から最長1時間にわたって、より好ましくは、30秒から最長30分間にわたって水および/または限外ろ過液と接触させる
という工程(4)をさらに含むことができる。
(4a)工程(1)または工程(2)または工程(3)または工程(4)後に取得可能である水性コーティング組成物(A)で少なくとも部分的にコートされた基材を、水溶液または水性分散液、好ましくは、少なくとも1つの架橋触媒(V)、好ましくは、結合剤(A1)の反応性官能基を架橋するのに適している少なくとも1つの架橋触媒(V)、より具体的には、結合剤(A1)として使用されるエポキシド系ポリマー樹脂および/またはアクリラート系ポリマー樹脂の水溶液と接触させる
という工程(4a)をさらに含むことができる。
(5)本発明で用いる水性コーティング組成物(A)で少なくとも部分的にコートされ、工程(1)および/または(2)および/または(3)および/または(4)および/または(4a)後に取得可能な基材に少なくとも1つのさらなるコーティング膜を施用する
工程のような、好ましくは、工程(1)および/または(2)および/または(3)および/または(4)および/または(4a)に続き、好ましくは、任意の工程(6)の前に実施される少なくとも1つの工程(5)をさらに含む。
(6)工程(1)および/または任意に(2)および/または(3)および/または(4)および/または(4a)の後に基材に少なくとも部分的に施用された水性コーティング組成物(A)、または工程(1)および/または任意に(2)および/または(3)および/または(4)および/または(4a)および/または(5)の後に基材に少なくとも部分的に施用されたコーティングを養生する
工程のような少なくとも1つの工程(6)をさらに含む。
本発明のさらなる主題は、本発明の水性コーティング組成物(A)で少なくとも部分的にコートされた導電性基材、または導電性基材を電着材料で少なくとも部分的にコートするための本発明の方法によって取得可能である少なくとも部分的にコートされた導電性基材である。
1.VDA 621−415によるVDA交互気候試験
この交互気候試験は、基材上のコーティングの耐食性を決定するのに使用される。VDA交互気候試験は、適切にコートされたディップコート鋼(HDG)基材に対して実施される。交互気候試験は、10サイクルで実施される。1サイクルは、全部で168時間(1週間)からなり、
a)DIN EN ISO 9227 NSS(日付:2012年12月1日)にしたがった24時間の塩散布ミスト試験、
b)続いての8時間の2005年9月、AHT法のDIN EN ISO 6270−2による加温を含めた貯蔵、
c)続いての16時間の2005年9月、AHT法のDIN EN ISO 6270−2による冷却を含めた貯蔵、
d)b)およびc)の3倍の反復(したがって全部で72時間)、および
e)48時間の2005年9月、AHT法のDIN EN ISO 6270−2による通気気候チャンバを用いる冷却を含めた貯蔵
を包含する。
PV 210交互気候試験は基材上のコーティングの耐食性を解明するのに使用される。交互気候試験は、本発明の方法によりまたは比較のための方法によりコートされた導電性のディップコート鋼(HDG)基材について行われる。この交互気候試験は30サイクルで行われる。1サイクル(24時間)は、DIN EN ISO 9227 NSS(日付:2012年9月1日)にしたがった4時間の塩散布ミスト試験、2005年9月のDIN EN ISO 6270−2(AHT法)にしたがった冷却を含む4時間の保存、および2005年9月のDIN EN ISO 6270−2、AHT法、にしたがった40±3℃および100%の湿度における加温を含む16時間の保存からなる。5サイクルが終わるごとに、2005年9月のDIN EN ISO 6270−2、AHT法、にしたがった冷却を含む48時間の休止がある。したがって30サイクルは全部で42日の期間に相当する。
調査下のコーティングの膜質量(表面積1m2当たりのmgで)は、DIN 51001(日付:2003年8月)による波長分散型蛍光X線分析(XFA)によって決定される。この方法では、例えば、コーティングのビスマス含量または、本発明の方法の工程(1)の段階(1a)後に得られるコーティングなどのビスマス含量またはビスマス付加層を決定することができる。同様に、例えば、ジルコニウムなどの他の元素のそれぞれの量を決定することも可能である。蛍光X線分析を実施した場合に得られる信号は、コートされない参照試料の別個に測定された基材に対する値によって補正される。全カウント数(1秒当たりのキロカウント)が、ビスマスなどの分析下のそれぞれの元素に対して決定される。参照試料(コートされない基材)のそれぞれの元素の全カウント数が、当該の試料に対してこの方法で決定されたそれぞれの全カウント数から差し引かれて分析下の元素に対する正味のカウント数が得られる。元素に特有の変換関数(較正測定から得られる)を使用してこれらが膜質量(mg/cm2)に変換される。多数のコートが施用される場合は、それぞれの膜質量が、それぞれの施用後に決定される。次いで、続いてのコートに対して、それぞれの場合の先行膜の全カウント数が参照として用いられる。この決定方法は、本発明の方法の工程(1)の段階(1a)後に得られるコーティングのビスマス含量を決定するのに使用される。
例えば、ビスマス含量などの分析下の試料中のある種の元素量は、DIN EN ISO 11885(日付:2009年9月)による誘導結合プラズマ原子発光分光法(ICP−OES)を使用して決定される。この目的のために、コーティング組成物(A)または比較組成物の試料を採取し、この試料をマイクロ波により分解する:ここで、コーティング組成物(A)または比較組成物の試料が秤量され、この試料の揮発性構成成分が、1時間にわたり18℃〜130℃までの直線的な温度上昇による加熱によって除去される。この生成試料の最大0.5g量が、硝酸(強度65%)と硫酸(強度96%)(前記酸それぞれ5ml)の1:1混合物と混合される。次いで、Berghof(Speedwave IV instrument)からの装置を使用して、マイクロ波分解が実施される。分解中に、試料混合物は、20〜30分にわたり温度250°Cまで加熱され、この温度が10分間維持される。分解後は、残留試料混合物は、固体画分を含まない清澄な溶液でなければならない。DIN EN ISO 11885によるICP−OESを使用して、次いで試料中のビスマス全量が、確認される。この試料は、高周波場によって発生するアルゴンプラズマ中の熱励起にかけられ、電子遷移のための発光が、対応波長のスペクトル線として可視化され、光学系を使用して分析される。発光強度とビスマスなどの当該元素濃度の間には直線関係が存在する。実行する前に、公知の元素標準(参照標準)を使用して、較正測定が、分析下の特定試料の関数として実施される。こうした較正は、試料中のビスマス量の濃度などの未知溶液の濃度を決定するのに使用することができる。
1.発明の水性コーティング組成物および比較のコーティング組成物の生成
比較のコーティング組成物V1
結合剤および架橋剤の水性分散液(固体含量37.5質量%でBASF Coatings GmbHから市販の製品CathoGuard(登録商標)520)(2130部)を室温(18〜23℃)で少量の脱イオン水(2464.5部)と混合して混合物M1を得る。この混合物M1に、顔料ペーストP1(306部)、およびビスマス(III)(99.5部)を含有する水溶性化合物を加え、生成混合物を室温(18〜23℃)で撹拌により混合して混合物M2を得る。室温(18〜23℃)で24時間にわたってさらに撹拌した後、結果として比較用コーティング組成物(V1)を得る。使用されるビスマス(III)を含有する水溶性化合物はL−(+)−乳酸ビスマス(Bi1)であり、11.9質量%のビスマス含量を有する。
本発明のコーティング組成物Z1は比較用コーティング組成物V1の製造と同様に製造されるが、306部の顔料ペーストP1ではなく、顔料ペーストP2(329.5部)を使用し、さらに、2464.5部ではなく2441部の脱イオン水を使用する点が異なる。顔料ペーストP2は顔料ペーストP1の製造と同様に製造されるが、7.5部の脱イオン水ではなく14.5部の脱イオン水を使用し、10.7部のASP 200ケイ酸アルミニウムではなく10.2部のこの製品を使用する点、およびさらに、0.5部の酸化マグネシウム(Carl Roth GmbH & Co.KGの市販製品、カタログ番号8280.1)を混合物M3に加える点が異なる。
水性コーティング組成物Z1または比較用コーティング組成物V1をそれぞれの場合においてディップコーティングとして基材としての金属試験パネルに塗布する。組成物Z1ならびにV1のそれぞれを上記のようなその製造後にそれぞれの基材に塗布する。
V1:
段階(1a):120秒にわたり4V(等電位的に)
段階(1b):傾斜電圧:30秒間にわたり電圧200Vまでの直線的増加およびこの電圧における保持時間180秒
Z1:
段階(1a):120秒にわたり4V(等電位的に)
段階(1b):傾斜電圧:30秒間にわたり電圧160Vまでの直線的増加およびこの電圧における保持時間60秒
その後に続くベーキング工程は、それぞれの場合25分間175℃(オーブン温度)で生成コーティングをベークすることによって実施される。それぞれの基材上にベークされる本発明の水性コーティング組成物の乾燥膜厚は、それぞれの場合20μmである。
コーティング組成物、Z1またはV1でコートされた基材T1(ディップ亜鉛メッキ鋼(HDG))を調べる。
Claims (22)
- (A1)少なくとも1つのカソード析出性の結合剤と、
(A2)任意に少なくとも1つの架橋剤と
を含む、導電性基材を電着材料で少なくとも部分的にコートするための水性コーティング組成物(A)であって、
pHが4.0〜6.5の範囲であり、
コーティング組成物(A)の全質量に対して全量で少なくとも30ppmのビスマスを含み、
コーティング組成物(A)の全質量に対して少なくとも0.005質量%の酸化マグネシウム粒子(B)を使用して製造される、
水性コーティング組成物(A)。 - 水性コーティング組成物(A)がコーティング組成物(A)の全質量に対して少なくとも0.01質量%の酸化マグネシウム粒子(B)を使用して製造される、請求項1に記載のコーティング組成物(A)。
- 水性コーティング組成物(A)がコーティング組成物(A)の全質量に対して0.01質量%〜2質量%の範囲の量の酸化マグネシウム粒子(B)を使用して製造される、請求項1または2に記載のコーティング組成物(A)。
- 酸化マグネシウム粒子(B)がコーティング組成物(A)中に少なくとも部分的に溶解した形態である、請求項1から3のいずれか一項に記載のコーティング組成物(A)。
- コーティング組成物(A)中に存在するビスマスの全量が、コーティング組成物(A)の全質量に対して少なくとも100ppm〜20000ppmの範囲である、請求項1から4のいずれか一項に記載のコーティング組成物(A)。
- コーティング組成物(A)中に存在するビスマスの全量の少なくとも一部がコーティング組成物(A)中に溶液の形態(A3)で存在する、請求項1から5のいずれか一項に記載のコーティング組成物(A)。
- コーティング組成物(A)の全質量に対して全量で少なくとも130ppmのビスマスを含むコーティング組成物(A)であって、
(A3)コーティング組成物(A)中で溶液の形態のビスマスを、コーティング組成物(A)の全質量に対して少なくとも130ppm、または
(A3)コーティング組成物(A)中で溶液の形態のビスマスを、コーティング組成物(A)の全質量に対して少なくとも30ppm、および
(A4)コーティング組成物(A)中で溶液ではない形態のビスマスを、コーティング組成物(A)の全質量に対して少なくとも100ppm
を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のコーティング組成物(A)。 - (A5)ビスマスを錯化するのに適した少なくとも1つの少なくとも二座の錯化剤
をさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のコーティング組成物(A)。 - 少なくとも1つの錯化剤(A5)が、コーティング組成物(A)中に存在するビスマスの全量に対して少なくとも5モル%の割合で水性コーティング組成物(A)中に存在する、請求項8に記載のコーティング組成物(A)。
- 成分(A3)および(A5)が、成分(A3)および(A5)から形成される錯体および/または塩の形態でコーティング組成物(A)中に存在する、請求項8または9に記載のコーティング組成物(A)。
- 任意に成分(A1)および/または(A2)および/または(B)の少なくとも1つの存在下で、少なくとも1つの水溶性ビスマス化合物を、この化合物と少なくとも1つの錯化剤(A5)との少なくとも部分反応により水中で少なくとも部分的に少なくとも1つの水溶性ビスマス化合物(A3)へ変換し、コーティング組成物(A)の少なくとも成分(A3)および(A5)、ならびに任意に(A4)および/または(A1)および/または(A2)および/または(B)を含む混合物を得る工程と、
得られた混合物を少なくとも成分(A1)および/または(A2)および/または(B)と任意に混合してコーティング組成物(A)を得る工程と、
で得られる請求項1から10のいずれか一項に記載のコーティング組成物(A)。 - 結合剤(A1)が、少なくとも部分的にプロトン化された第三級アミノ基を有するポリマー性樹脂である、請求項1から11のいずれか一項に記載のコーティング組成物(A)。
- 第三級アミノ基が、それぞれ互いに独立に少なくとも2つのC1〜3アルキル基を有し、
当該アルキル基はそれぞれが少なくとも一カ所ヒドロキシル基で置換された請求項12に記載のコーティング組成物(A)。 - 少なくとも工程(0)、すなわち
(0)任意に成分(A1)および/または(A2)および/または(B)の少なくとも1つの存在下で、少なくとも1つの水溶性ビスマス化合物を、この化合物と少なくとも1つの錯化剤(A5)との少なくとも部分反応によって、水中で少なくとも部分的に少なくとも1つの水溶性ビスマス化合物(A3)へ転換し、コーティング組成物(A)の少なくとも成分(A3)および(A5)、任意に成分(A4)および/または(A1)および/または(A2)および/または(B)を含む混合物を得る工程を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の水性コーティング組成物(A)の製造方法。 - 導電性基材を電着材料で少なくとも部分的にコートするために請求項1から13のいずれか一項に記載の水性コーティング組成物(A)を使用する方法。
- 少なくとも工程(1):
(1)カソードとして接続された導電性基材を請求項1から13のいずれか一項に記載の水性コーティング組成物(A)に接触させる工程
を含む、導電性基材を電着材料で少なくとも部分的にコートするための方法。 - 工程(1)が少なくとも2つの連続する段階(1a)および(1b):
(1a)少なくとも5秒間にわたり1〜50Vの範囲の電圧を印加する段階と、
(1b)50〜400Vの範囲の電圧であって、段階(1a)で印加する電圧より少なくとも10V高い電圧を印加する段階と、
で実施される、請求項16に記載の方法。 - 析出電流密度が少なくとも1A/m2になるような電圧を工程(1a)で印加する、請求項17に記載の方法。
- 段階(1a)で印加される電圧が少なくとも5〜300秒の範囲にわたり印加される、請求項17または18に記載の方法。
- 50〜400Vの範囲で印加される段階(1b)の電圧が、段階(1a)を実行した後に0〜300秒の時間間隔で実施され、かつ、50〜400Vの電圧範囲内の値で10〜300秒の範囲の間維持される、請求項17から19のいずれか一項に記載の方法。
- 請求項1から13のいずれか一項に記載の水性コーティング組成物(A)で少なくとも部分的にコートされた導電性基材または請求項16から20のいずれか一項に記載の方法によって取得可能な少なくとも部分的にコートされた導電性基材。
- 請求項21に記載の少なくとも1つの基材から製造される物品または部品。
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