JP4091330B2 - 金属表面処理剤用ポリマー組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、従来のクロム酸塩処理及びリン酸塩処理に替わる加工性、耐食性、上塗塗装性等に優れた皮膜を得ることのできる無公害型の金属表面処理剤用のポリマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】
従来、金属表面の耐食性を向上させるためクロム酸塩処理及びリン酸塩処理が一般に行われている。しかしながらクロム酸塩を使用する表面処理方法は、処理工程でのクロム酸塩ヒュームの飛散、廃水処理設備に多大な費用を要すること、さらには化成処理皮膜からクロム酸塩が溶出するなどの問題がある。また、6価クロム化合物はIARC(International Agency for Rearch on Cancer Review)を初めとして多くの公的機関が人体に対する発癌性物質に指摘しており、極めて有毒な物質である。
【0003】
また、リン酸塩処理では、リン酸亜鉛系又はリン酸鉄系の表面処理が通常行われているが、耐食性を付与する目的でリン酸塩処理後、通常のクロム酸によるリンス処理をおこなうため、クロム処理の問題とともにリン酸塩処理剤中の反応促進剤、金属イオンなどの廃水処理、被処理金属からの金属イオンの溶出によるスラッジ処理などの問題がある。
【0004】
クロム酸塩処理やリン酸塩処理以外の処理方法として、(1)重リン酸アルミニウムを含有する水溶液で処理した後、150〜550℃の温度で加熱する表面処理方法(特公昭53-28857号公報参照)、(2)タンニン酸を含有する水溶液で処理する方法(特開昭51-71233号公報参照)などが提案され、また、(3)亜硝酸ナトリウム、硼酸ナトリウム、イミダゾール、芳香族カルボン酸、界面活性剤等による処理方法もしくはこれらを組み合わせた処理方法が行われている。
【0005】
しかしながら、(1)の方法は、この上に塗料を塗装する場合塗料の密着性が十分でなく、(2)の方法は、耐食性が劣り、また、(3)の方法は、いずれも高温多湿の雰囲気に暴露された場合の耐食性が劣るという問題がある。
【0006】
また、膜厚数μm以下の薄膜の被覆を有する亜鉛系鋼板として、特開昭58-224174号公報、特開昭60-50179号公報、特開昭60-50180号公報などには、亜鉛系めっき鋼板を基材とし、これにクロメート皮膜を形成し、さらにこの上に最上層として有機複合シリケート被膜を形成した防錆鋼板が知られており、このものは、加工性及び耐食性に優れた性能を有する。しかしながら、この防錆鋼板はクロメート皮膜を有するため、前記したと同様にクロメートイオンによる安全衛生面の問題があった。また、この防錆鋼板からクロメート皮膜を除いた鋼板では、いまだ耐食性は十分ではない。
【0007】
本発明の目的は、クロム酸塩処理及びリン酸塩処理に匹敵する防錆力を持つ無公害型の金属表面処理剤用ポリマー組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定のサリチリデンアミノ基と特定のアミノ基とを共に有する金属表面処理剤用ポリマー組成物が上記目的を達成するものであることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、数平均分子量3,000〜100,000の共重合体であって、該共重合体が下記式(1)に示すサリチリデンアミノ基を共重合体1分子当り平均1個以上、及び、下記式(2)に示すアミノ基を共重合体1分子当り平均1個以上有することを特徴とする金属表面処理剤用ポリマー組成物に関する。
【0010】
【化5】
【0011】
上記式中R1は水素原子又はメチル基を表し、R2及びR3はそれぞれ独立に炭素数1〜8のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を表す。
【0012】
また、本発明は、上記金属表面処理剤用ポリマー組成物を含有する金属用表面処理剤に関する。
【0013】
さらに本発明は、上記金属用表面処理剤を金属素材に塗布して得られる表面処理鋼材に関する。
【0014】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
【0015】
【発明の実施の形態】
ポリマー組成物
本発明のポリマー組成物は、下記式(1)に示すサリチリデンアミノ基と下記式(2)に示すアミノ基とを同時に有するものである。
【0016】
【化6】
【0017】
上記式中R1は水素原子又はメチル基を表し、R2及びR3はそれぞれ独立に炭素数1〜8のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を表す。
【0018】
上記式(1)に示すサリチリデンアミノ基は耐食性と密着性の点から共重合体1分子当り平均1個以上、特に5〜500個の範囲内で含有することが好ましく、上記式(2)に示すアミノ基は、耐食性の点から共重合体1分子当り平均1個以上、特に3〜500個の範囲内で含有することが好ましい。
【0019】
上記ポリマー組成物は、例えば、式(1)のサリチリデンアミノ基を有する不飽和単量体及び式(2)のアミノ基を有する不飽和単量体及び必要に応じてその他の不飽和単量体を用いて共重合することにより得ることができるが、先にエポキシ基含有アクリル樹脂(A)を合成し、該エポキシ基含有アクリル樹脂(A)のエポキシ基にサリチリデンアミノ化合物(B)及び2級アミン化合物(C)を反応させても得ることができる。サリチリデンアミノ基を有する不飽和単量体は、エポキシ基含有不飽和単量体とサリチリデンアミノ化合物(B)とを反応させることにより得ることができるが、製造工程が複雑となるので先にエポキシ基含有アクリル樹脂(A)を合成する後者の方法の方が経済的である。なお、どちらか一方だけを後から反応させて付加してもよい。
【0020】
上記方法で得られるポリマーは、下記式(3)に示すサリチリデンアミノ基を含有する繰り返し単位を有する。
【0021】
【化7】
【0022】
上記式中R1及びR4はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、R5は二価の結合基を表し、nは1以上の整数を表す。
【0023】
上記二価の結合基R5としては、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数1〜8のオキシアルキレン基、下記式(4)の構造を有する基又は下記式(5)の構造を有する基であることが好ましい。
【0024】
【化8】
【0025】
上記式中R6及びR7は炭素数1〜8のアルキレン基、フェニレン基又は置換フェニレン基を表し、R8は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のオキシアルキル基又は下記式(6)の構造を有する基を表す。
【0026】
【化9】
【0027】
上記式中R9は、炭素数1〜8のアルキレン基、フェニレン基又は置換フェニレン基を表し、R10は水素原子又はメチル基を表す。
【0028】
ここでエポキシ基含有アクリル樹脂(A)のエポキシ基にサリチリデンアミノ化合物(B)及び2級アミン化合物(C)を反応させて本発明のポリマー組成物を得る方法についてさらに詳細に説明する。
【0029】
エポキシ基含有アクリル樹脂(A)
ポリマー組成物の合成に用いるエポキシ基含有アクリル樹脂(A)は、通常、エポキシ基を含有する不飽和単量体(例えばグリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレートなど)とその他の不飽和単量体とを公知の方法により共重合することにより得ることができる。該その他の不飽和単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート等のアクリル酸またはメタクリル酸の炭素数1〜18のアルキルエステル;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル系単量体;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアミル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、該ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート1モルに対してε−カプロラクトンを1〜5モル開環付加させてなる、水酸基を有するカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレート等の水酸基含有重合性不飽和単量体;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシ(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシ(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシ(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシ(メタ)アクリルアミド、N−sec−ブトキシ(メタ)アクリルアミド、N−tert−ブトキシ(メタ)アクリルアミド等のアクリルアミド系モノマー;アクリルニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、エチレン、ブタジエン等を挙げることができるが、中でもスチレン、アクリル酸またはメタクリル酸の炭素数1〜8のアルキルエステルが処理液安定性及び耐食性などの点から好ましい。本発明において、各化合物の語尾の「(メタ)アクリレート」は「アクリレートまたはメタクリレート」を、また、「(メタ)アクリルアミド」は「アクリルアミドまたはメタクリルアミド」を意味する。
【0030】
上記不飽和単量体を共重合する際に用いる、ラジカル重合開始剤としては、従来公知のものが使用でき、例えば、過酸化ベンゾイル、ジt−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クミルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ラウリルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルバーオキシ−2−エチルヘキサノエートなどの過酸化物;α,α’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリルなどのアゾ化合物などが挙げられる。
【0031】
重合方法としては従来公知の方法を使用でき、例えば溶液重合、バルク重合、乳化重合、サスペンジョン重合などを挙げることができる。
【0032】
溶液重合などで用いる溶剤については、特に限定されないが、エポキシ基含有アクリルポリマーから本発明の樹脂を誘導する際には、エポキシ基と反応しないものが好ましい。例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;エタノール、ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどの水酸基を含有するアルコール類やエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどのエステル類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素などを例示でき、これらの1種または2種以上を混合して使用することができる。
【0033】
サリチリデンアミノ化合物(B)
上記エポキシ基含有アクリル樹脂(A)のエポキシ基に反応させるサリチリデンアミノ化合物(B)としては、エポキシ基と反応する基とサリチリデンアミノ基を有する化合物が好適に使用できる。該エポキシ基と反応する基としてはカルボキシル基、2級アミノ基などが挙げられる。
【0034】
カルボキシル基を有するサリチリデンアミノ化合物(D)としては、例えばサリチルアルデヒド又はメチルサリチルアルデヒドに、1分子中にカルボキシル基と1級アミノ基を同時に含む化合物を反応させて得ることができる。
【0035】
上記1分子中にカルボキシル基と1級アミノ基を同時に含む化合物としては、アラニン、アスパラギン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンなどの天然アミノ酸、または、アントラニル酸、p−アミノ安息香酸、m−アミノ安息香酸、アミノサリチル酸、3−アミノ−4−クロロ安息香酸、アミノ安息香酸メチル、p−(アミノメチル)安息香酸、アミノフェニル酢酸などのフェニル基含有化合物が挙げられるが、中でも処理液安定性および耐食性などの点からアントラニル酸及びp−アミノ安息香酸が好ましい。
【0036】
サリチルアルデヒド又はメチルサリチルアルデヒドとカルボキシル基含有サリチリデンアミノ化合物(D)との反応は、一般的には溶液中で行われ、反応温度は20〜80℃の範囲内が適当である。
【0037】
上記2級アミノ基を少なくとも1つ含むサリチリデンアミノ化合物(E)は、サリチルアルデヒドまたはメチルサリチルアルデヒドと、1分子中に1級アミノ基と2級アミノ基を同時に含む化合物を反応させて得ることができる。
【0038】
上記1分子中に1級アミノ基と2級アミノ基を同時に含む化合物は、例えば、N−(β−アミノエチル)エタノールアミン、N−(β−アミノエチル)イソプロパノールアミン、N−(γ−アミノプロピル)エタノールアミン、ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン、モノメチルアミノプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、ジエチレントリアミンなどが挙げられるが、中でも、処理液安定性および耐食性の点からN−(β−アミノエチル)エタノールアミン及びジエチレントリアミンが好ましい。
【0039】
サリチルアルデヒド又はメチルサリチルアルデヒドと2級アミノ基含有サリチリデンアミノ化合物(E)との反応は、一般的には溶液中で行われ、反応温度は20〜80℃の範囲内が適当である。
【0040】
2級アミン化合物(C)
エポキシ基含有アクリル樹脂(A)のエポキシ基に反応させる2級アミン化合物(C)は、1分子中に少なくとも1個の活性水素を有するアミン化合物であり、具体的には例えば、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ピペリジン、ルペチジン、ピロリジン、ジベンジルアミン、N,N−ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−n−ブチルエタノールアミン、N−t−ブチルエタノールアミン、モルホリンなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではなく、また、これらは1種でまたは2種以上混合して用いることができる。これらアミン化合物の中でもアルカノールアミン類が好適である。また、1級アミノ基をあらかじめケトン化合物と反応させてケチミン化させた後、残りの活性水素とエポキシ基含有アクリルポリマー(A)のエポキシ基と反応させてもよい。
【0041】
エポキシ基含有アクリル樹脂(A)とサリチリデンアミノ化合物(B)及び2級アミン化合物(C)との反応は、同時に行うこともできるが、製造安定性の面からは(B)及び(C)を別々に反応させる方が望ましく、反応させる順序に特に制限はない。反応は通常溶液中で行われるが、反応温度はエポキシ基とカルボキシル基との反応では60〜150℃の範囲内、エポキシ基と2級アミノ基との反応では40〜140℃の範囲内が適当である。
【0042】
上記のようにして得られる金属表面処理剤用ポリマー組成物の数平均分子量は、耐食性および製造安定性の点から3,000〜100,000、好ましくは5,000〜50,000の範囲内が適している。
【0043】
金属用表面処理剤
上記で得られたポリマー組成物を用いることにより、クロムを含有しなくても十分な耐食性を有する金属用表面処理剤を得ることができる。
【0044】
金属用表面処理剤は、本発明のポリマー組成物単独でも金属との密着性がよく、耐食性のよい皮膜を得ることができるが、他の有機高分子化合物、架橋剤、エッチング剤、酸化性促進剤、ノンクロム系防錆剤などを添加することにより、さらに耐食性は向上する。
【0045】
上記有機高分子化合物としては、例えば、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン−カルボン酸系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセリン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどが挙げられる。
【0046】
上記エッチング剤としては、リン酸、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、テトラリン酸ナトリウム、メタリン酸、メタリン酸アンモニウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムなどのリン酸系化合物;弗化水素酸;珪弗化水素酸、ジルコニウム弗化水素酸、チタン弗化水素酸などの金属弗化水素酸及びそれらの塩などが挙げられる。
【0047】
上記防錆剤としては、例えば酸化モリブデン、モリブデン酸、モリブデン酸リチウム、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム、モリブデン酸アンモニウムなどのモリブデン化合物;酸化タングステン、タングステン酸、タングステン酸リチウム、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸カリウム、タングステン酸アンモニウムなどのタングステン化合物;酸化バナジウム、バナジン酸、オルソバナジン酸リチウム、オルソバナジン酸ナトリウム、メタバナジン酸リチウム、メタバナジン酸カリウム、メタバナジン酸ナトリウム、メタバナジン酸アンモニウム、ピロバナジン酸ナトリウム、塩化バナジル、硫酸バナジルなどのバナジウム化合物;酸化亜鉛、炭酸亜鉛、硝酸亜鉛などの亜鉛化合物;タンニン酸、フィチン酸、ベンゾトリアゾールなどの有機防錆剤などが挙げられる。
【0048】
上記酸化性促進剤としては、例えば硝酸イオン、亜硝酸イオン、塩素酸イオン、臭素酸イオン、有機ニトロ化合物、有機過酸化物、過酸化水素などが挙げられる。
【0049】
表面処理剤には、必要に応じて、さらに有機溶剤、潤滑剤、増粘剤、界面活性剤、着色顔料、体質顔料、シリカ、防錆顔料などを含有することができる。
【0050】
上記有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール系、プロピレングリコール系等の親水性溶剤が好適に用いられる。
【0051】
上記潤滑剤は、添加することにより、プレス成形性が格段に向上するものであり、本発明の表面処理剤に添加することにより耐食性と潤滑性を兼ね備えた皮膜を形成することができ、1コートで潤滑鋼板を得ることができる。潤滑剤としては、具体的には例えば、フッ素樹脂微粉末(例えば、四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂、四フッ化エチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合樹脂、四フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂等の微粉末)、ポリオレフィンワックス(例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等)、1つの粒子中にポリオレフィンとフッ素樹脂とが混在して含まれる潤滑剤、グラファイト、窒化ホウ素、フッ化カーボンなどが挙げられる。中でも特に、ポリオレフィンワックスとフッ素樹脂微粉末とを複合添加することにより、潤滑性は格段に向上する。
【0052】
表面処理鋼材
本発明の表面処理剤を基材に塗布し焼付けることにより表面処理鋼材を得ることができる。
【0053】
上記表面処理組成物が適用される基材としては、金属素材であれば何ら制限を受けない。例えば、鉄、銅、アルミニウム、スズ、亜鉛ならびにこれらの金属を含む合金、及びこれらの金属によるめっき鋼板もしくは蒸着製品などがあがられる。
【0054】
本表面処理組成物は、基材である鋼板上に、それ自体既知の処理方法、例えば浸漬塗装、スプレー塗装、ロール塗装などにより処理することができる。表面処理の乾燥条件は、通常、素材到達最高温度が約60〜約250℃となる条件で約2秒〜約30秒乾燥させることが好適である。
【0055】
また表面処理組成物の処理膜厚としては、処理膜厚を薄くし過ぎると、耐食性、耐水性などの性能が低下し、一方処理膜厚を厚くし過ぎると、表面処理剤が割れたり加工性が低下したりするため、通常0.05〜10μm、特に0.1〜3μmの範囲が好ましい。
【0056】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。なお、以下、「部」及び「%」はいずれも重量基準によるものとする。
【0057】
エポキシ基含有アクリル樹脂溶液の製造
製造例1
攪拌機、温度計および冷却器が取り付けてある反応容器中にエチレングリコールモノブチルエーテルを400部投入し、撹拌しながら反応容器内の温度を90℃まで上げた。90℃の温度に保持しながら、グリシジルメタクリレート500部、スチレン250部、n−ブチルアクリレート250部及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート10部の混合物を3時間かけて滴下し、更に同温度で5時間保持し熟成した。冷却後エチレングリコールモノブチルエーテル55部を投入し、固形分68%のエポキシ基含有アクリル樹脂溶液(a)を得た。得られたアクリル樹脂の数平均分子量は約20,000及びエポキシ当量は290であった。
【0058】
サリチリデンアミノ化合物の製造
製造例2
攪拌機、温度計および冷却器が取り付けてある反応容器中にプロピレングリコールモノメチルエーテル740部を投入し、アントラニル酸137部(1モル)を加え、撹拌しながら反応容器中の温度を40℃に保持し、反応容器内にサリチルアルデヒド122部(1モル)をゆっくりと加えながら撹拌した。約60℃まで発熱した。60℃に保持しながら約3時間熟成し有効成分26%の赤色のサリチリデンアミノ化合物溶液(b1)を得た。
【0059】
製造例3
攪拌機、温度計および冷却器が取り付けてある反応容器中にプロピレングリコールモノメチルエーテル310部を投入し、モノメチルアミノプロピルアミン88部(1モル)を加え、撹拌しながら反応容器中の温度を30℃保持し、反応容器内にサリチルアルデヒド122部(1モル)をゆっくりと加えながら撹拌した。約70℃まで発熱し、40〜50℃を保持しながら約3時間熟成した。有効成分40%の赤色のサリチリデンアミノ化合物溶液(b2)を得た。
【0060】
製造例4
攪拌機、温度計および冷却器が取り付けてある反応容器中にプロピレングリコールモノメチルエーテル520部を投入し、ジエチレントリアミン103部(1モル)を加え、撹拌しながら反応容器中の温度を30℃保持し、反応容器内にサリチルアルデヒド244部(2モル)をゆっくりと加えながら撹拌した。約50℃まで発熱し、40〜50℃を保持しながら約3時間熟成した。有効成分40%の赤色のサリチリデンアミノ化合物溶液(b3)を得た。
【0061】
ポリマー組成物水溶液の製造
実施例1
攪拌機、温度計および冷却器が取り付けてある反応容器中に製造例1に記載のエポキシ基含有アクリル樹脂溶液(a)を1000部と製造例2に記載のサリチリデンアミノ化合物溶液(b1)670部を仕込み、100℃で6時間反応させた。反応容器内の温度を85℃に下げて、ジエチルアミン120部を添加し、さらに同温度に6時間保持して、固形分55%のポリマー組成物溶液を得た。得られたポリマー組成物溶液をpH2のリン酸水溶液に溶解してポリマー組成物水溶液P1を得た。得られたポリマーの数平均分子量は30,000であった。
【0062】
実施例2〜6
下記表1に示す配合以外は実施例1と同様にして反応を行ない各ポリマー組成物水溶液を得た。
【0063】
【表1】
【0064】
比較例1
攪拌機、温度計および冷却器が取り付けてある反応容器中に製造例1に記載のエポキシ基含有アクリル樹脂溶液(a)1000部、ジエチルアミン175部及びエチレングリコールモノブチルエーテル385部を仕込み、80℃で4時間反応させて固形分55%のポリマー組成物溶液を得た。得られたポリマー組成物溶液をpH2のリン酸水溶液に溶解してポリマー組成物水溶液Q1を得た。得られたポリマーの数平均分子量は25,000であった。
【0065】
比較例2
攪拌機、温度計および冷却器が取り付けてある反応容器中に製造例1に記載のエポキシ基含有アクリル樹脂溶液(a)1000部、N−メチルエタノールアミン181部及びエチレングリコールモノブチルエーテル390部を仕込み、80℃で3時間反応させて固形分55%のポリマー組成物溶液を得た。得られたポリマー組成物溶液をpH2のリン酸水溶液に溶解してポリマー組成物水溶液Q2を得た。得られたポリマーの数平均分子量は33,000であった。
【0066】
金属用表面処理剤の製造
実施例7〜12ならびに比較例3及び4
実施例1〜6ならびに比較例1及び2で得られたポリマー組成物水溶液を用いて、下記表2に示す組み合わせで、各々のポリマー組成物が固形分で50g/l、リン酸が100g/l及びフッ化水素酸が50g/lの含有量となるように水溶液を調整して各金属用表面処理剤を作成した。
【0067】
試験塗板の作成
上記の各金属用表面処理剤を用いて、板厚0.6mmの電気亜鉛めっき鋼板(めっき目付量20g/m2)を(a)脱脂→(b)水洗→(c)表面処理(ディップ処理)→(d)水洗→(e)純水洗浄→(f)乾燥することにより処理を行った。なお、(c)表面処理は浴温50℃の処理液に2分浸漬した。また、(f)乾燥は雰囲気温度100℃の条件で10分行った。
【0068】
上記で得られた各表面処理板に、次いでアミラック#1000ホワイト(関西ペイント社製、熱硬化型アルキド樹脂塗料、白色)を乾燥膜厚が30μmとなるように塗装し、130℃で20分間焼き付けて上塗塗装板を得た。得られた塗装板について以下の評価を行った。評価結果を下記表2に示した。
【0069】
試験方法
密着性:塗装面にナイフにて素地に達する縦横各11本の傷を碁盤目状に入れて1mm角のマス目を100個作成した。この碁盤目部にセロハン粘着テープを密着させて瞬時に剥がした際の上層塗膜の剥離程度を下記基準により評価した。
○:上層塗膜の剥離が全く見られない、
△:上層塗膜の剥離が1〜10個程度認められる、
×:上層塗膜の剥離が10個以上程度認められる。
【0070】
耐食性:試験塗板の端面部および裏面部をシールした試験塗板に、JIS Z2371に規定する塩水噴霧試験を240時間まで行い、平坦部のサビ、フクレ等を下記基準で評価するとともに、クロスカット部にセロハン粘着テープを密着させ瞬時に剥がしたときのクロスカット部の最大剥離幅(片側mm)を表記した。
○:白錆、ふくれ等の発生程度が塗膜面積の5%以内、
△:白錆、ふくれ等の発生程度が塗膜面積の10%以上で30%未満、
×:白錆、ふくれ等の発生程度が塗膜面積の50%以上。
【0071】
【表2】
【0072】
【発明の効果】
本発明の金属表面処理剤用ポリマー組成物を含有する表面処理剤を用いて金属を表面処理することにより、クロム酸塩処理及びリン酸塩処理に匹敵する防錆力を持つ表面処理鋼材を得ることができる。
Claims (7)
- ポリマー組成物が、エポキシ基含有アクリル樹脂(A)のエポキシ基にサリチリデンアミノ化合物(B)及び2級アミン化合物(C)を反応させて得られるものである請求項1〜3のいずれか一項に記載の金属表面処理剤用ポリマー組成物。
- サリチリデンアミノ化合物(B)が、サリチルアルデヒド又はメチルサリチルアルデヒドと、1分子中にカルボキシル基と1級アミノ基を同時に含む化合物(D)又は1分子中に1級アミノ基と2級アミノ基を同時に含む化合物(E)とを反応させて得られるものである請求項4に記載の金属表面処理剤用ポリマー組成物。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリマー組成物を含有することを特徴とする金属用表面処理剤。
- 請求項6に記載の金属用表面処理剤を金属素材に塗布して得られる表面処理鋼材。
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