JP2003293161A - 金属表面処理剤用ポリマー組成物 - Google Patents
金属表面処理剤用ポリマー組成物Info
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Abstract
防錆力を持つ無公害型の金属表面処理剤用ポリマー組成
物を提供すること。 【解決手段】 数平均分子量3,000〜100,00
0の共重合体であって、該共重合体が特定のサリチリデ
ンアミノ基を共重合体1分子当り平均1個以上、及び、
特定のアミノ基を共重合体1分子当り平均1個以上有す
ることを特徴とする金属表面処理剤用ポリマー組成物、
該ポリマー組成物を含有する金属用表面処理剤、及び、
該金属用表面処理剤を塗布してなる表面処理鋼材。
Description
処理及びリン酸塩処理に替わる加工性、耐食性、上塗塗
装性等に優れた皮膜を得ることのできる無公害型の金属
表面処理剤用のポリマー組成物に関する。
を向上させるためクロム酸塩処理及びリン酸塩処理が一
般に行われている。しかしながらクロム酸塩を使用する
表面処理方法は、処理工程でのクロム酸塩ヒュームの飛
散、廃水処理設備に多大な費用を要すること、さらには
化成処理皮膜からクロム酸塩が溶出するなどの問題があ
る。また、6価クロム化合物はIARC(International
Agency for Rearch on Cancer Review)を初めとして多
くの公的機関が人体に対する発癌性物質に指摘してお
り、極めて有毒な物質である。
はリン酸鉄系の表面処理が通常行われているが、耐食性
を付与する目的でリン酸塩処理後、通常のクロム酸によ
るリンス処理をおこなうため、クロム処理の問題ととも
にリン酸塩処理剤中の反応促進剤、金属イオンなどの廃
水処理、被処理金属からの金属イオンの溶出によるスラ
ッジ処理などの問題がある。
方法として、(1)重リン酸アルミニウムを含有する水
溶液で処理した後、150〜550℃の温度で加熱する
表面処理方法(特公昭53-28857号公報参照)、(2)タ
ンニン酸を含有する水溶液で処理する方法(特開昭51-7
1233号公報参照)などが提案され、また、(3)亜硝酸
ナトリウム、硼酸ナトリウム、イミダゾール、芳香族カ
ルボン酸、界面活性剤等による処理方法もしくはこれら
を組み合わせた処理方法が行われている。
塗料を塗装する場合塗料の密着性が十分でなく、(2)
の方法は、耐食性が劣り、また、(3)の方法は、いず
れも高温多湿の雰囲気に暴露された場合の耐食性が劣る
という問題がある。
る亜鉛系鋼板として、特開昭58-224174号公報、特開昭6
0-50179号公報、特開昭60-50180号公報などには、亜鉛
系めっき鋼板を基材とし、これにクロメート皮膜を形成
し、さらにこの上に最上層として有機複合シリケート被
膜を形成した防錆鋼板が知られており、このものは、加
工性及び耐食性に優れた性能を有する。しかしながら、
この防錆鋼板はクロメート皮膜を有するため、前記した
と同様にクロメートイオンによる安全衛生面の問題があ
った。また、この防錆鋼板からクロメート皮膜を除いた
鋼板では、いまだ耐食性は十分ではない。
酸塩処理に匹敵する防錆力を持つ無公害型の金属表面処
理剤用ポリマー組成物を提供することにある。
を解決するため鋭意検討した結果、特定のサリチリデン
アミノ基と特定のアミノ基とを共に有する金属表面処理
剤用ポリマー組成物が上記目的を達成するものであるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
0〜100,000の共重合体であって、該共重合体が
下記式(1)に示すサリチリデンアミノ基を共重合体1
分子当り平均1個以上、及び、下記式(2)に示すアミ
ノ基を共重合体1分子当り平均1個以上有することを特
徴とする金属表面処理剤用ポリマー組成物に関する。
し、R2及びR3はそれぞれ独立に炭素数1〜8のアル
キル基又はヒドロキシアルキル基を表す。
リマー組成物を含有する金属用表面処理剤に関する。
金属素材に塗布して得られる表面処理鋼材に関する。
る。
リデンアミノ基と下記式(2)に示すアミノ基とを同時
に有するものである。
し、R2及びR3はそれぞれ独立に炭素数1〜8のアル
キル基又はヒドロキシアルキル基を表す。
は耐食性と密着性の点から共重合体1分子当り平均1個
以上、特に5〜500個の範囲内で含有することが好ま
しく、上記式(2)に示すアミノ基は、耐食性の点から
共重合体1分子当り平均1個以上、特に3〜500個の
範囲内で含有することが好ましい。
のサリチリデンアミノ基を有する不飽和単量体及び式
(2)のアミノ基を有する不飽和単量体及び必要に応じ
てその他の不飽和単量体を用いて共重合することにより
得ることができるが、先にエポキシ基含有アクリル樹脂
(A)を合成し、該エポキシ基含有アクリル樹脂(A)
のエポキシ基にサリチリデンアミノ化合物(B)及び2
級アミン化合物(C)を反応させても得ることができ
る。サリチリデンアミノ基を有する不飽和単量体は、エ
ポキシ基含有不飽和単量体とサリチリデンアミノ化合物
(B)とを反応させることにより得ることができるが、
製造工程が複雑となるので先にエポキシ基含有アクリル
樹脂(A)を合成する後者の方法の方が経済的である。
なお、どちらか一方だけを後から反応させて付加しても
よい。
(3)に示すサリチリデンアミノ基を含有する繰り返し
単位を有する。
素原子又はメチル基を表し、R5は二価の結合基を表
し、nは1以上の整数を表す。
〜8のアルキレン基、炭素数1〜8のオキシアルキレン
基、下記式(4)の構造を有する基又は下記式(5)の
構造を有する基であることが好ましい。
ルキレン基、フェニレン基又は置換フェニレン基を表
し、R8は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素
数1〜8のオキシアルキル基又は下記式(6)の構造を
有する基を表す。
ン基、フェニレン基又は置換フェニレン基を表し、R
10は水素原子又はメチル基を表す。
のエポキシ基にサリチリデンアミノ化合物(B)及び2
級アミン化合物(C)を反応させて本発明のポリマー組
成物を得る方法についてさらに詳細に説明する。
樹脂(A)は、通常、エポキシ基を含有する不飽和単量
体(例えばグリシジルメタクリレート、グリシジルアク
リレートなど)とその他の不飽和単量体とを公知の方法
により共重合することにより得ることができる。該その
他の不飽和単量体としては、例えば、メチル(メタ)ア
クリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル
(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレー
ト、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、ラウリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メ
タ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、
セチル(メタ)アクリレート等のアクリル酸またはメタ
クリル酸の炭素数1〜18のアルキルエステル;シクロ
ヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)
アクリレート;スチレン、α−メチルスチレン、ビニル
トルエン等の芳香族ビニル系単量体;ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシアミル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘ
キシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレート、該ヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレート1モルに対してε−カプロラクトンを1〜
5モル開環付加させてなる、水酸基を有するカプロラク
トン変性アルキル(メタ)アクリレート等の水酸基含有
重合性不飽和単量体;アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−
エトキシ(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシ(メ
タ)アクリルアミド、N−イソプロポキシ(メタ)アク
リルアミド、N−ブトキシ(メタ)アクリルアミド、N
−sec−ブトキシ(メタ)アクリルアミド、N−te
rt−ブトキシ(メタ)アクリルアミド等のアクリルア
ミド系モノマー;アクリルニトリル、メタクリロニトリ
ル、酢酸ビニル、エチレン、ブタジエン等を挙げること
ができるが、中でもスチレン、アクリル酸またはメタク
リル酸の炭素数1〜8のアルキルエステルが処理液安定
性及び耐食性などの点から好ましい。本発明において、
各化合物の語尾の「(メタ)アクリレート」は「アクリ
レートまたはメタクリレート」を、また、「(メタ)ア
クリルアミド」は「アクリルアミドまたはメタクリルア
ミド」を意味する。
る、ラジカル重合開始剤としては、従来公知のものが使
用でき、例えば、過酸化ベンゾイル、ジt−ブチルハイ
ドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイ
ド、クミルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサ
イド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイ
ド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ラウリルパー
オキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルバー
オキシ−2−エチルヘキサノエートなどの過酸化物;
α,α’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、アゾ
ビスジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサン
カルボニトリルなどのアゾ化合物などが挙げられる。
き、例えば溶液重合、バルク重合、乳化重合、サスペン
ジョン重合などを挙げることができる。
に限定されないが、エポキシ基含有アクリルポリマーか
ら本発明の樹脂を誘導する際には、エポキシ基と反応し
ないものが好ましい。例えば、アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、ジブチルケトン、シ
クロヘキサノンなどのケトン類;エタノール、ブタノー
ル、2−エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコー
ル、エチレングリコール、エチレングリコールモノイソ
プロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエー
テル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロ
ピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコール
モノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチル
エーテルなどの水酸基を含有するアルコール類やエーテ
ル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモ
ノブチルエーテルアセテートなどのエステル類;トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素などを例示でき、こ
れらの1種または2種以上を混合して使用することがで
きる。
反応させるサリチリデンアミノ化合物(B)としては、
エポキシ基と反応する基とサリチリデンアミノ基を有す
る化合物が好適に使用できる。該エポキシ基と反応する
基としてはカルボキシル基、2級アミノ基などが挙げら
れる。
ノ化合物(D)としては、例えばサリチルアルデヒド又
はメチルサリチルアルデヒドに、1分子中にカルボキシ
ル基と1級アミノ基を同時に含む化合物を反応させて得
ることができる。
ノ基を同時に含む化合物としては、アラニン、アスパラ
ギン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニ
ン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、トリプト
ファン、チロシン、バリンなどの天然アミノ酸、また
は、アントラニル酸、p−アミノ安息香酸、m−アミノ
安息香酸、アミノサリチル酸、3−アミノ−4−クロロ
安息香酸、アミノ安息香酸メチル、p−(アミノメチ
ル)安息香酸、アミノフェニル酢酸などのフェニル基含
有化合物が挙げられるが、中でも処理液安定性および耐
食性などの点からアントラニル酸及びp−アミノ安息香
酸が好ましい。
ルデヒドとカルボキシル基含有サリチリデンアミノ化合
物(D)との反応は、一般的には溶液中で行われ、反応
温度は20〜80℃の範囲内が適当である。
リチリデンアミノ化合物(E)は、サリチルアルデヒド
またはメチルサリチルアルデヒドと、1分子中に1級ア
ミノ基と2級アミノ基を同時に含む化合物を反応させて
得ることができる。
基を同時に含む化合物は、例えば、N−(β−アミノエ
チル)エタノールアミン、N−(β−アミノエチル)イ
ソプロパノールアミン、N−(γ−アミノプロピル)エ
タノールアミン、ヒドロキシエチルアミノプロピルアミ
ン、モノメチルアミノプロピルアミン、イミノビスプロ
ピルアミン、ジエチレントリアミンなどが挙げられる
が、中でも、処理液安定性および耐食性の点からN−
(β−アミノエチル)エタノールアミン及びジエチレン
トリアミンが好ましい。
ルデヒドと2級アミノ基含有サリチリデンアミノ化合物
(E)との反応は、一般的には溶液中で行われ、反応温
度は20〜80℃の範囲内が適当である。
させる2級アミン化合物(C)は、1分子中に少なくと
も1個の活性水素を有するアミン化合物であり、具体的
には例えば、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミ
ン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ピペリジ
ン、ルペチジン、ピロリジン、ジベンジルアミン、N,
N−ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミ
ン、N−エチルエタノールアミン、N−n−ブチルエタ
ノールアミン、N−t−ブチルエタノールアミン、モル
ホリンなどを挙げることができるが、これらに限定され
るものではなく、また、これらは1種でまたは2種以上
混合して用いることができる。これらアミン化合物の中
でもアルカノールアミン類が好適である。また、1級ア
ミノ基をあらかじめケトン化合物と反応させてケチミン
化させた後、残りの活性水素とエポキシ基含有アクリル
ポリマー(A)のエポキシ基と反応させてもよい。
チリデンアミノ化合物(B)及び2級アミン化合物
(C)との反応は、同時に行うこともできるが、製造安
定性の面からは(B)及び(C)を別々に反応させる方
が望ましく、反応させる順序に特に制限はない。反応は
通常溶液中で行われるが、反応温度はエポキシ基とカル
ボキシル基との反応では60〜150℃の範囲内、エポ
キシ基と2級アミノ基との反応では40〜140℃の範
囲内が適当である。
用ポリマー組成物の数平均分子量は、耐食性および製造
安定性の点から3,000〜100,000、好ましく
は5,000〜50,000の範囲内が適している。
ロムを含有しなくても十分な耐食性を有する金属用表面
処理剤を得ることができる。
成物単独でも金属との密着性がよく、耐食性のよい皮膜
を得ることができるが、他の有機高分子化合物、架橋
剤、エッチング剤、酸化性促進剤、ノンクロム系防錆剤
などを添加することにより、さらに耐食性は向上する。
エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂、
ウレタン系樹脂、オレフィン−カルボン酸系樹脂、ナイ
ロン系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリ
コール、ポリグリセリン、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロースなどが挙げられる。
リン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、テトラ
リン酸ナトリウム、メタリン酸、メタリン酸アンモニウ
ム、ヘキサメタリン酸ナトリウムなどのリン酸系化合
物;弗化水素酸;珪弗化水素酸、ジルコニウム弗化水素
酸、チタン弗化水素酸などの金属弗化水素酸及びそれら
の塩などが挙げられる。
ン、モリブデン酸、モリブデン酸リチウム、モリブデン
酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム、モリブデン酸ア
ンモニウムなどのモリブデン化合物;酸化タングステ
ン、タングステン酸、タングステン酸リチウム、タング
ステン酸ナトリウム、タングステン酸カリウム、タング
ステン酸アンモニウムなどのタングステン化合物;酸化
バナジウム、バナジン酸、オルソバナジン酸リチウム、
オルソバナジン酸ナトリウム、メタバナジン酸リチウ
ム、メタバナジン酸カリウム、メタバナジン酸ナトリウ
ム、メタバナジン酸アンモニウム、ピロバナジン酸ナト
リウム、塩化バナジル、硫酸バナジルなどのバナジウム
化合物;酸化亜鉛、炭酸亜鉛、硝酸亜鉛などの亜鉛化合
物;タンニン酸、フィチン酸、ベンゾトリアゾールなど
の有機防錆剤などが挙げられる。
オン、亜硝酸イオン、塩素酸イオン、臭素酸イオン、有
機ニトロ化合物、有機過酸化物、過酸化水素などが挙げ
られる。
機溶剤、潤滑剤、増粘剤、界面活性剤、着色顔料、体質
顔料、シリカ、防錆顔料などを含有することができる。
ル、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレング
リコール系、プロピレングリコール系等の親水性溶剤が
好適に用いられる。
ス成形性が格段に向上するものであり、本発明の表面処
理剤に添加することにより耐食性と潤滑性を兼ね備えた
皮膜を形成することができ、1コートで潤滑鋼板を得る
ことができる。潤滑剤としては、具体的には例えば、フ
ッ素樹脂微粉末(例えば、四フッ化エチレン樹脂、四フ
ッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂、四フッ
化エチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合
樹脂、四フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂、三フッ
化塩化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂等の微粉
末)、ポリオレフィンワックス(例えば、ポリエチレン
ワックス、ポリプロピレンワックス等)、1つの粒子中
にポリオレフィンとフッ素樹脂とが混在して含まれる潤
滑剤、グラファイト、窒化ホウ素、フッ化カーボンなど
が挙げられる。中でも特に、ポリオレフィンワックスと
フッ素樹脂微粉末とを複合添加することにより、潤滑性
は格段に向上する。
表面処理鋼材を得ることができる。
ては、金属素材であれば何ら制限を受けない。例えば、
鉄、銅、アルミニウム、スズ、亜鉛ならびにこれらの金
属を含む合金、及びこれらの金属によるめっき鋼板もし
くは蒸着製品などがあがられる。
に、それ自体既知の処理方法、例えば浸漬塗装、スプレ
ー塗装、ロール塗装などにより処理することができる。
表面処理の乾燥条件は、通常、素材到達最高温度が約6
0〜約250℃となる条件で約2秒〜約30秒乾燥させ
ることが好適である。
処理膜厚を薄くし過ぎると、耐食性、耐水性などの性能
が低下し、一方処理膜厚を厚くし過ぎると、表面処理剤
が割れたり加工性が低下したりするため、通常0.05
〜10μm、特に0.1〜3μmの範囲が好ましい。
より具体的に説明する。なお、以下、「部」及び「%」
はいずれも重量基準によるものとする。
中にエチレングリコールモノブチルエーテルを400部
投入し、撹拌しながら反応容器内の温度を90℃まで上
げた。90℃の温度に保持しながら、グリシジルメタク
リレート500部、スチレン250部、n−ブチルアク
リレート250部及びt−ブチルパーオキシ−2−エチ
ルヘキサノエート10部の混合物を3時間かけて滴下
し、更に同温度で5時間保持し熟成した。冷却後エチレ
ングリコールモノブチルエーテル55部を投入し、固形
分68%のエポキシ基含有アクリル樹脂溶液(a)を得
た。得られたアクリル樹脂の数平均分子量は約20,0
00及びエポキシ当量は290であった。
中にプロピレングリコールモノメチルエーテル740部
を投入し、アントラニル酸137部(1モル)を加え、
撹拌しながら反応容器中の温度を40℃に保持し、反応
容器内にサリチルアルデヒド122部(1モル)をゆっ
くりと加えながら撹拌した。約60℃まで発熱した。6
0℃に保持しながら約3時間熟成し有効成分26%の赤
色のサリチリデンアミノ化合物溶液(b1)を得た。
中にプロピレングリコールモノメチルエーテル310部
を投入し、モノメチルアミノプロピルアミン88部(1
モル)を加え、撹拌しながら反応容器中の温度を30℃
保持し、反応容器内にサリチルアルデヒド122部(1
モル)をゆっくりと加えながら撹拌した。約70℃まで
発熱し、40〜50℃を保持しながら約3時間熟成し
た。有効成分40%の赤色のサリチリデンアミノ化合物
溶液(b2)を得た。
中にプロピレングリコールモノメチルエーテル520部
を投入し、ジエチレントリアミン103部(1モル)を
加え、撹拌しながら反応容器中の温度を30℃保持し、
反応容器内にサリチルアルデヒド244部(2モル)を
ゆっくりと加えながら撹拌した。約50℃まで発熱し、
40〜50℃を保持しながら約3時間熟成した。有効成
分40%の赤色のサリチリデンアミノ化合物溶液(b
3)を得た。
中に製造例1に記載のエポキシ基含有アクリル樹脂溶液
(a)を1000部と製造例2に記載のサリチリデンア
ミノ化合物溶液(b1)670部を仕込み、100℃で
6時間反応させた。反応容器内の温度を85℃に下げ
て、ジエチルアミン120部を添加し、さらに同温度に
6時間保持して、固形分55%のポリマー組成物溶液を
得た。得られたポリマー組成物溶液をpH2のリン酸水
溶液に溶解してポリマー組成物水溶液P1を得た。得ら
れたポリマーの数平均分子量は30,000であった。
行ない各ポリマー組成物水溶液を得た。
中に製造例1に記載のエポキシ基含有アクリル樹脂溶液
(a)1000部、ジエチルアミン175部及びエチレ
ングリコールモノブチルエーテル385部を仕込み、8
0℃で4時間反応させて固形分55%のポリマー組成物
溶液を得た。得られたポリマー組成物溶液をpH2のリ
ン酸水溶液に溶解してポリマー組成物水溶液Q1を得
た。得られたポリマーの数平均分子量は25,000で
あった。
中に製造例1に記載のエポキシ基含有アクリル樹脂溶液
(a)1000部、N−メチルエタノールアミン181
部及びエチレングリコールモノブチルエーテル390部
を仕込み、80℃で3時間反応させて固形分55%のポ
リマー組成物溶液を得た。得られたポリマー組成物溶液
をpH2のリン酸水溶液に溶解してポリマー組成物水溶
液Q2を得た。得られたポリマーの数平均分子量は3
3,000であった。
ー組成物水溶液を用いて、下記表2に示す組み合わせ
で、各々のポリマー組成物が固形分で50g/l、リン
酸が100g/l及びフッ化水素酸が50g/lの含有
量となるように水溶液を調整して各金属用表面処理剤を
作成した。
電気亜鉛めっき鋼板(めっき目付量20g/m2)を
(a)脱脂→(b)水洗→(c)表面処理(ディップ処
理)→(d)水洗→(e)純水洗浄→(f)乾燥するこ
とにより処理を行った。なお、(c)表面処理は浴温5
0℃の処理液に2分浸漬した。また、(f)乾燥は雰囲
気温度100℃の条件で10分行った。
ミラック#1000ホワイト(関西ペイント社製、熱硬
化型アルキド樹脂塗料、白色)を乾燥膜厚が30μmと
なるように塗装し、130℃で20分間焼き付けて上塗
塗装板を得た。得られた塗装板について以下の評価を行
った。評価結果を下記表2に示した。
の傷を碁盤目状に入れて1mm角のマス目を100個作
成した。この碁盤目部にセロハン粘着テープを密着させ
て瞬時に剥がした際の上層塗膜の剥離程度を下記基準に
より評価した。 ○:上層塗膜の剥離が全く見られない、 △:上層塗膜の剥離が1〜10個程度認められる、 ×:上層塗膜の剥離が10個以上程度認められる。
シールした試験塗板に、JIS Z2371に規定する
塩水噴霧試験を240時間まで行い、平坦部のサビ、フ
クレ等を下記基準で評価するとともに、クロスカット部
にセロハン粘着テープを密着させ瞬時に剥がしたときの
クロスカット部の最大剥離幅(片側mm)を表記した。 ○:白錆、ふくれ等の発生程度が塗膜面積の5%以内、 △:白錆、ふくれ等の発生程度が塗膜面積の10%以上
で30%未満、 ×:白錆、ふくれ等の発生程度が塗膜面積の50%以
上。
物を含有する表面処理剤を用いて金属を表面処理するこ
とにより、クロム酸塩処理及びリン酸塩処理に匹敵する
防錆力を持つ表面処理鋼材を得ることができる。
Claims (7)
- 【請求項1】 数平均分子量3,000〜100,00
0の共重合体であって、該共重合体が下記式(1)に示
すサリチリデンアミノ基を共重合体1分子当り平均1個
以上、及び、下記式(2)に示すアミノ基を共重合体1
分子当り平均1個以上有することを特徴とする金属表面
処理剤用ポリマー組成物。 【化1】 上記式中R1は水素原子又はメチル基を表し、R2及び
R3はそれぞれ独立に炭素数1〜8のアルキル基又はヒ
ドロキシアルキル基を表す。 - 【請求項2】 ポリマー組成物が、下記式(3)に示す
サリチリデンアミノ基を含有する繰り返し単位を少なく
とも1つ有するものである請求項1に記載の金属表面処
理剤用ポリマー組成物。 【化2】 上記式中R4は水素原子又はメチル基を表し、R5は二
価の結合基を表す。 - 【請求項3】 二価の結合基R5が、炭素数1〜8のア
ルキレン基、炭素数1〜8のヒドロキシアルキレン基、
下記式(4)の構造を有する基又は下記式(5)の構造
を有する基である請求項2に記載の金属表面処理剤用ポ
リマー組成物。 【化3】 上記式中R6及びR7は炭素数1〜8のアルキレン基、
フェニレン基又は置換フェニレン基を表し、R8は水素
原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のヒド
ロキシアルキル基又は下記式(6)の構造を有する基を
表す。 【化4】 上記式中R9は、炭素数1〜8のアルキレン基、フェニ
レン基又は置換フェニレン基を表し、R10は水素原子
又はメチル基を表す。 - 【請求項4】 ポリマー組成物が、エポキシ基含有アク
リル樹脂(A)のエポキシ基にサリチリデンアミノ化合
物(B)及び2級アミン化合物(C)を反応させて得ら
れるものである請求項1〜3のいずれか一項に記載の金
属表面処理剤用ポリマー組成物。 - 【請求項5】 サリチリデンアミノ化合物(B)が、サ
リチルアルデヒド又はメチルサリチルアルデヒドと、1
分子中にカルボキシル基と1級アミノ基を同時に含む化
合物(D)又は1分子中に1級アミノ基と2級アミノ基
を同時に含む化合物(E)とを反応させて得られるもの
である請求項4に記載の金属表面処理剤用ポリマー組成
物。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項に記載のポ
リマー組成物を含有することを特徴とする金属用表面処
理剤。 - 【請求項7】 請求項6に記載の金属用表面処理剤を金
属素材に塗布して得られる表面処理鋼材。
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US7906002B2 (en) | 2006-08-04 | 2011-03-15 | Kansai Paint Co., Ltd. | Method for forming surface-treating film |
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