JP2002241670A - 金属表面処理剤、金属表面処理方法および表面処理金属材料 - Google Patents

金属表面処理剤、金属表面処理方法および表面処理金属材料

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JP2002241670A JP2001037606A JP2001037606A JP2002241670A JP 2002241670 A JP2002241670 A JP 2002241670A JP 2001037606 A JP2001037606 A JP 2001037606A JP 2001037606 A JP2001037606 A JP 2001037606A JP 2002241670 A JP2002241670 A JP 2002241670A
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resin
aqueous
aqueous dispersion
surface treatment
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Motohiro Sasaki
基寛 佐々木
Koichi Saito
宏一 斉藤
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Nippon Paint Co Ltd
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    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C30/00Coating with metallic material characterised only by the composition of the metallic material, i.e. not characterised by the coating process

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 皮膜の導電性と耐食性に優れ、また、皮膜上
に上塗り塗膜を形成した時の塗装密着性に優れた金属表
面処理剤、金属表面処理方法および表面処理金属材料を
提供する。 【解決手段】 金属表面処理剤は、不飽和カルボン酸を
10〜30質量%含有するエチレン−不飽和カルボン酸
共重合体のカルボキシル基の30%以上をカリウムイオ
ンを用いて中和し、水分散化したアイオノマー樹脂とエ
ポキシ化合物とを反応させて得られる水性分散体を含
む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属表面処理剤、
金属表面処理方法および表面処理金属材料に関し、一層
詳細には、アイオノマー樹脂系の水性分散体を含む金属
表面処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
【従来の技術】家電製品、事務機器、建材あるいは自動
車等に広く用いられる有機複合皮膜鋼板は耐食性に優れ
る。この有機複合皮膜鋼板は、またさらに、用途に応じ
て、塗装密着性、耐指紋性あるいは潤滑性等を付与した
高機能鋼板として幅広く実用化されている。
【0003】ここで、有機複合皮膜鋼板とは、鋼板の表
面にクロメート処理を施し、さらにその表面に厚みの薄
い有機樹脂皮膜を形成したものをいう。
【0004】従来、有機複合皮膜鋼板の有機樹脂皮膜を
形成する方法の一つとして、エチレンと不飽和カルボン
酸共重合体を金属イオンで中和したアイオノマー樹脂の
水性分散体を用いる方法が知られている。
【0005】このアイオノマー樹脂は、各種の基材、特
に金属と良好な密着性を有し、また、形成された皮膜
は、強靭で傷がつきにくく、エタノールやメチルエチル
ケトン等の有機溶剤に対する耐溶剤性が優れた材料であ
る。
【0006】また、アイオノマー樹脂をベースとし、こ
れに50℃以下の温度で多価エポキシ化合物を混合して
形成した水性分散体組成物が提案されている(特開平4
−314748号公報)。さらにまた、マグネシウムや
亜鉛等の2価の金属で中和されたアイオノマー樹脂と、
エポキシ基含有化合物と、アイオノマー樹脂およびエポ
キシ基含有化合物との3種成分を含む金属表面用防錆処
理剤が提案されている(特開平11−71536号公
報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ア
イオノマー樹脂あるいはアイオノマー樹脂をベースとし
た組成物で形成した皮膜は、膜厚が厚い場合には導電性
が不足し、また、上塗り塗料を塗布した時には、必ずし
も良好な塗装密着性を得ることができない。
【0008】本発明は、上記の課題に鑑みてなされたも
のであり、表面処理剤として用いた時の皮膜の導電性に
優れ、また、皮膜上に上塗り塗膜を形成した時の塗装密
着性に優れた金属表面処理剤、金属表面処理方法および
表面処理金属材料を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
ついて鋭意検討した結果、以下の本発明に至った。 1.不飽和和カルボン酸を10〜30質量%含有するエ
チレン−不飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル基の
30%以上をカリウムイオンを用いて中和し、水分散化
したアイオノマー樹脂とエポキシ化合物とを反応させて
得られる水性分散樹脂を含むことを特徴とする金属表面
処理剤。 2.上記の水性分散樹脂の存在下で、不飽和単量体をラ
ジカル重合して得られる複合水性分散樹脂を含むことを
特徴とする金属表面処理剤。 3.上記水性分散樹脂または複合水性分散樹脂に、さら
に水性ポリウレタン樹脂、水性ポリエステル樹脂、水性
アクリル樹脂から選ばれる少なくとも1種の水性樹脂を
配合してなることを特徴とする金属表面処理剤。 4.上記水性分散樹脂と、水性ポリウレタン樹脂、水性
ポリエステル樹脂、水性アクリル樹脂から選ばれる少な
くとも1種の水性樹脂との混合物中で、不飽和単量体を
ラジカル重合して得られる複合水性分散樹脂混合物を含
むことを特徴とする金属表面処理剤。 5.さらにシリカ微粒子を配合してなることを特徴とす
る上記の金属表面処理剤。 6.上記金属表面処理剤を金属の表面に塗布して皮膜を
形成することを特徴とする金属表面処理方法。 7.上記皮膜の上にさらに上塗り塗料を塗布して塗膜を
形成することを特徴とする上記の金属表面処理方法。 8.上記金属表面処理方法によって得られる表面処理金
属材料。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について以下
に説明する。
【0011】本発明の金属表面処理剤は、不飽和カルボ
ン酸を10〜30質量%含有するエチレン−不飽和カル
ボン酸共重合体のカルボキシル基の30%以上をカリウ
ムイオンを用いて中和し、水分散化したアイオノマー樹
脂とエポキシ化合物とを反応させて得られる水性分散樹
脂を含む。
【0012】本発明の不飽和カルボン酸としては、アク
リル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコ
ン酸、クロトン酸などが挙げられるが、特に、アクリル
酸、メタクリル酸が好ましい。
【0013】本発明のアイオノマー樹脂はイオン源とし
てカリウムを用いる。イオン源が他の1価のイオン、例
えば、ナトリウムの場合は形成される皮膜の導電性が十
分でない。また、イオン源が2価のイオン、例えば、亜
鉛、マグネシウムの場合も同様に導電性が十分ではな
い。
【0014】また、本発明のアイオノマー樹脂はカリウ
ムイオンによるカルボキシル基の中和度が30%以上で
ある。中和度が30%未満の場合は導電性が十分でな
く、また、中和度が極端に低い場合は耐溶剤性が低下す
る。一方、中和度の上限は特に限定しないが、耐食性の
観点からは100%以内とするのが好適である。
【0015】本発明では、上記アイオノマー樹脂の水分
散体とエポキシ化合物とを反応させて水性分散樹脂を形
成し、この水性分散樹脂を含む金属表面処理剤を得る。
【0016】ここで、エポキシ化合物は、エポキシ基を
1分子内に少なくとも1個以上有する化合物をいい、グ
リシジルエーテル類やグリシジルエステル類などが挙げ
られる。グリシジルエーテル類としては、例えば、フェ
ニルグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエー
テル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、グリセ
リンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパン
ポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグ
リシジルエーテルなどが挙げられる。また、グリシジル
エステル類としては、例えば、アジピン酸ジグリシジル
エステル、フタル酸ジグリシジルエステルなどが挙げら
れる。
【0017】アイオノマー樹脂とエポキシ化合物との反
応は30℃〜沸点の範囲の温度で行い、より好適には、
60〜95℃の範囲の温度で行う。温度が30℃未満の
場合は反応が十分に進行しない。また、反応時間は0.
5〜10時間である。
【0018】上記金属表面処理剤は、表面処理剤として
用いた時の皮膜の導電性に優れ、また、その皮膜上に上
塗り塗膜を形成した時の塗装密着性に優れるまた、この
ようにして得られる金属表面処理剤は、上記の水性分散
樹脂にさらに他の樹脂を複合し、あるいは配合すること
ができる。
【0019】すなわち、上記水性分散樹脂の存在下で、
不飽和単量体を開始剤を用いてラジカル重合することに
よりアイオノマー系水性分散樹脂とアクリル樹脂との複
合水性分散樹脂とすることができる。
【0020】また、上記水性分散樹脂または複合水性分
散樹脂に、さらに、水性ポリウレタン樹脂、水性ポリエ
ステル樹脂、水性アクリル樹脂から選ばれる少なくとも
1種の水性樹脂を配合してもよい。
【0021】また、上記水性分散樹脂と、水性ポリウレ
タン樹脂、水性ポリエステル樹脂、水性アクリル樹脂か
ら選ばれる少なくとも1種の水性樹脂との混合物中で不
飽和単量体をラジカル重合して複合水性分散樹脂混合物
としてもよい。
【0022】ここで、不飽和単量体としては、アルキル
(メタ)アクリレート類、スチレン、(メタ)アクリル
酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類などを
使用することができる。
【0023】また、重合開始剤としては、過硫酸カリウ
ム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、アゾビスシア
ノ吉草酸、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合
物などが使用できる。
【0024】また、水性ポリウレタン樹脂は、例えば、
ジオール類をヘキサメチレンジイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートなど
のジイソシアネート化合物と反応させ、さらにジアミン
などで鎖延長し、水分散化させるなどして得ることがで
きる。水性ポリエステル樹脂は、例えば、ジオール類と
多塩基酸とを脱水縮合させ、アミンなどで中和し、水溶
化あるいは水分散化させるなどして得ることができる。
水性アクリル樹脂は、例えば、不飽和カルボン酸を含む
不飽和モノマーを有機溶剤中でラジカル重合させたの
ち、アミンなどで中和し、水溶化あるいは水分散化させ
る方法や、界面活性剤水溶液中で不飽和モノマーを乳化
重合する方法などによって得ることができる。
【0025】上記複合または配合する他の樹脂は、複合
または配合する前の水性分散樹脂に対して50質量%以
下、より好ましくは30質量%以下の範囲で使用する。
【0026】上記により得られる金属表面処理剤は、表
面処理剤として用いた時の皮膜の耐食性を向上すること
ができる。なお、複合または配合する量が50質量%を
越えると、得られる金属表面処理剤の導電性向上効果が
損なわれる。
【0027】上記複合水性分散体を得るときのラジカル
重合条件は、反応温度が40〜90℃、反応時間が0.
5〜10時間である。
【0028】また、本発明の金属表面処理剤は、より好
適には、上記の水性分散樹脂または複合水性分散樹脂に
シリカ微粒子をさらに配合したものである。
【0029】ここで、シリカ微粒子は、特に限定するも
のではないが、例えば、平均粒径が0.01〜0.5μ
m程度のものが好適であり、コロイダルシリカやヒュー
ムドシリカ等から適宜選択して用いることができる。シ
リカ微粒子は、配合されているすべての水性樹脂の合計
量に対して10〜50質量%配合すると好適である。
【0030】シリカ微粒子を配合することにより、金属
表面処理剤で表面処理した金属材料の耐食性を向上させ
ることができる。
【0031】本発明の金属表面処理方法は、上記の金属
表面処理剤を金属の表面に塗布して皮膜を形成する。塗
布方法は、特に限定するものではなく、ロールコート
法、スプレー法、浸漬法等の通常の塗布方法を用いるこ
とができる。
【0032】上記の金属表面処理方法により形成される
皮膜は、導電性および耐食性に優れ、また、耐溶剤性に
優れる。
【0033】また、本発明の金属表面処理方法は、上記
の皮膜上に上塗り塗料を塗布して塗膜を形成する。塗布
方法は、特に限定するものではなく、ロールコート法、
スプレー法、浸漬法等の通常の塗布方法を用いることが
できる。
【0034】上記の金属表面処理方法により得られる表
面処理金属材料は、上塗り塗料の塗装密着性に優れる。
【0035】
【実施例】実施例および比較例を挙げて本発明をさらに
説明する。なお、本発明は以下に説明する実施例に限定
されるものではない。
【0036】(金属表面処理剤の調製)金属表面処理剤
の原料は、表1に示すように、以下のものを用いた。
【0037】
【表1】 実施例および比較例の金属表面処理剤は、エチレン−ア
クリル酸共重合体として、プリマコール5980I(ダ
ウケミカル製 アクリル酸含有量20質量%)、また
は、エチレン−メタクリル酸共重合体として、ニュクレ
ル2060(三井・デュポンポリケミカル製 メタクリ
ル酸含有量20質量%)を用いた。
【0038】実施例のカリウムイオン源として水酸化カ
リウムを用いた。また、比較例の金属イオン源として、
1価のナトリウムイオン源としては水酸化ナトリウム
を、2価の亜鉛イオン源としては酸化亜鉛を用いた。な
お、一部の実施例および比較例については、揮発性の中
和剤であるアンモニアを金属イオン源と併用し、あるい
は金属イオン源に代えて用いた。
【0039】実施例のエポキシ化合物は、デナコール3
13(グリセリンポリグリシジルエーテル ナガセ化成
工業製)、デナコール321(トリメチロールプロパン
ポリグリシジルエーテル ナガセ化成工業製)、また
は、エピコート828(ビスフェノールAジグリシジル
エーテル 油化シェルエポキシ製)を用いた。
【0040】また、水性ポリウレタン樹脂としては、ア
デカボンタイターHUX−320(旭電化工業製)を用
いた。
【0041】また、複合水性分散体を形成する時の不飽
和単量体は、表1に示すものを用いた。ここで、KPS
とは重合開始剤としての過硫酸カリウムである。
【0042】また、複数の実施例において配合するシリ
カ微粒子としては、粒子径が10〜20nmのコロイダ
ルシリカを、固形分として20質量%含むスノーテック
スN(日産化学工業製)を用いた。
【0043】上記の各原料を用いた金属表面処理剤の調
製方法は、以下の方法に依った。
【0044】攪拌機、温度調節器、滴下漏斗、窒素導入
管および冷却器を備えたフラスコに、各実施例および比
較例で条件設定した所定量のエチレン−(メタ)アクリ
ル酸共重合体と、同じく所定量の金属イオン源と、さら
に一部の実施例および比較例について所定量の25質量
%アンモニア水と、各実施例および比較例ごとに僅かに
異なる量の脱イオン水を仕込み、攪拌しながら95℃の
温度に2時間保持した。その後、水冷し、実施例および
比較例ごとに異なる中和率の水分散液を得た。この水分
散液の固形分量は、脱イオン水の量を実施例または比較
例ごとに僅かに異なる量に予め設定することにより、実
施例および比較例の全てにおいて一律に22質量%に調
整されている。
【0045】上記の水分散液に、各実施例および比較例
で設定した所定量のエポキシ化合物を加えて、攪拌しな
がら85℃の温度に2時間保持して反応を終了し、水性
分散樹脂を得た。
【0046】なお、実施例2については、上記水性分散
樹脂に、さらに水性ポリウレタン樹脂を配合した。ま
た、実施例3については、上記水性分散樹脂の存在下で
不飽和単量体を重合した。また、実施例4については、
上記水性分散樹脂と水性ポリウレタン樹脂との混合物中
で不飽和単量体を重合した。
【0047】不飽和単量体の重合は下記のように行っ
た。まず、表1記載の不飽和単量体の数値の半量を80
℃に保持した水性分散樹脂の入ったフラスコに撹拌しな
がら投入し、10分後に1%過硫酸カリウム水溶液を表
1記載の数値の2/3量投入して反応を開始させた。さ
らに10分経過後残りの不飽和単量体を加え、ついで、
さらに10分後に残りの1%過硫酸カリウム水溶液を加
え、その後2時間80℃の温度に保持して反応を終了し
た。
【0048】得られた水性分散樹脂または複合水性分散
樹脂に、各実施例および比較例で設定した所定量のコロ
イダルシリカおよび脱イオン水を加えて、全て一律に固
形分が20質量%に調整された金属表面処理剤を得た。
【0049】金属表面処理剤についての各実施例1〜6
および比較例1〜5の具体的な原料配合条件について、
表1に示す。
【0050】(表面処理金属材料の調製)上記各実施例
および比較例の金属表面処理剤を塗布する金属材料とし
て、表2および表3に示すように、EG(電気亜鉛めっ
き鋼板)、GI(溶融亜鉛めっき鋼板)およびGL(溶
融亜鉛―アルミニウム合金めっき鋼板)の3種の鋼板を
用いた。なお、3種の鋼板は、日本テストパネル製の7
0mm×150mm×0.8mmの寸法のものを用い
た。
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】 上記の各鋼板をアルカリ脱脂剤で脱脂し、ついでクロメ
ート処理を施して金属クロム換算で30mg/mのク
ロメート層を形成させた後、各実施例または比較例の金
属表面処理剤を、バーコーター#3を用いて乾燥後の膜
厚が1μmになるように塗布し、鋼板到達温度が150
℃になるまで焼き付け乾燥して皮膜を形成し、後述する
導電性、耐食性、および耐溶剤性を評価するための試験
板を得た。
【0053】また、上記の試験材に、さらに上塗り塗料
としてスーパーラック100(日本ペイント製メラミン
アルキッド塗料)をバーコーター#32を用いて乾燥後
の膜厚が20μmとなるように塗布し、150℃で20
分間焼き付け乾燥して塗膜を形成し、後述する上塗り密
着性を評価するための試験板を得た。
【0054】以上の調製方法により得た表面処理金属材
料についての実施例A〜Rおよび比較例A〜Oの皮膜の
導電性、耐食性、および耐溶剤性を評価するとともに、
上塗り塗膜の塗装密着性を評価した結果を、同じく表
2、表3に示す。
【0055】(性能評価)評価方法は、それぞれ以下の
方法に依った。
【0056】まず、皮膜の評価について説明する。
【0057】皮膜の導電性評価は、ロレスター(三菱化
学製表面抵抗測定器)を用い試験材の表面抵抗(単位
Ω)を測定することによって行った。したがって、数値
が小さいほど導電性がよい。表2、表3の数値は、10
回の測定値の平均値を用いた。
【0058】皮膜の耐食性は、試験材の端面部および裏
面部をシールして5%の食塩水を35℃で噴霧し、24
0時間経過後の白錆発生面積率を10点満点で評価し
た。評価基準は以下の通りである。 10点:白錆発生なし 9点:白錆発生面積が5%未満 8点:同5%以上10%未満 7点:同10%以上20%未満 6点:同20%以上30%未満 5点:同30%以上40%未満 4点:同40%以上50%未満 3点:同50%以上70%未満 2点:同70%以上90%未満 1点:同90%以上 皮膜の耐溶剤性は、試験板をラビングテスターに設置
後、エタノールを含浸させたガーゼを0.5Kgf/c
の荷重で試験板に押し当てて10回往復させた後、
試験板表面の皮膜状態を観察した。ケロシンについて
も、往復回数を50回に変えた以外は上記と同様にして
実施した。評価基準は下記の通りである。 ◎:擦り面に跡が全くつかない ○:擦り面に跡がわずかにつく △:擦り面に白い跡がつく ×:擦り面に皮膜がなくなる つぎに、上塗り塗膜の塗装密着性の評価について説明す
る。
【0059】塗装密着性は二次密着試験で評価した。
【0060】二次密着試験は、試験板を沸騰水中に30
分間浸漬後、下記の碁盤目、エリクセン、および碁盤目
+エリクセンの三項目について評価した。
【0061】碁盤目の項目は、試験板に1mmの碁盤目
100個を刻んだ後、碁盤目部分に粘着テープ(ニチバ
ン製セロテープ)を貼り、これを剥がすことによりテー
プ剥離性を下記の基準で10点満点で評価したものであ
る。
【0062】エリクセンの項目は、エリクセン・テスタ
ーを使用して試験板面の一部を7mm突出させるように
加工し、粘着テープを張りつけて、上記碁盤目の項目と
同様の評価を行ったものである。
【0063】碁盤目+エリクセンの項目は、予め碁盤目
を形成した後エリクセン・テスターを使用して碁盤目形
成箇所を7mm突出させるように加工し、この突出箇所
に粘着テープを張りつけて、上記碁盤目の項目と同様の
評価を行ったものである。
【0064】三項目の評価基準はいずれも以下の通りで
ある。 10点:剥離なし 9点:塗膜残存率が90%以上 8点:同80%以上 7点:同70%以上 6点:同60%以上 5点:同50%以上 4点:同40%以上 3点:同30%以上 2点:同20%以上 1点:同10%以上 0点:同0〜10%未満
【発明の効果】本発明に係る金属表面処理剤、金属表面
処理方法および表面処理金属材料によれば、使用する金
属表面処理剤が不飽和カルボン酸を10〜30質量%含
有するエチレン−不飽和カルボン酸共重合体のカルボキ
シル基の30%以上をカリウムイオンを用いて中和し、
水分散化したアイオノマー樹脂とエポキシ化合物とを反
応させて得られる水性分散樹脂を含むため、皮膜の導電
性と耐食性に優れ、また、皮膜上に上塗り塗膜を形成し
たときの塗装密着性に優れるという効果を得ることがで
きる。また、本発明に係る金属表面処理剤、金属表面処
理方法および表面処理金属材料によれば、水性分散樹脂
にさらに他の樹脂を複合あるいは配合し、あるいはさら
にまたシリカ微粒子を配合するため、皮膜の耐食性がよ
り良好である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 201/00 C09D 201/00 C23C 26/00 C23C 26/00 Z Fターム(参考) 4F100 AA20A AB01B AB03 AK12 AK25A AK41A AK51A AK53A AK70A AL01A AL05A BA02 BA03 BA07 BA10B BA10C CC00C DE01A JB02 JB05A JG01 JL11 JM02A JM02C 4J038 CB061 CG142 CP052 DB421 DD042 DG052 GA06 HA446 NA03 NA12 NA20 NA24 PA19 PB05 PB06 PB07 PB09 PC02 PC08 4K044 AA02 AA03 AB02 BA10 BA21 BB03 BC02 BC04 BC12 CA53

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和カルボン酸を10〜30質量%含
    有するエチレン−不飽和カルボン酸共重合体のカルボキ
    シル基の30%以上をカリウムイオンを用いて中和し、
    水分散化したアイオノマー樹脂とエポキシ化合物とを反
    応させて得られる水性分散樹脂を含むことを特徴とする
    金属表面処理剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の水性分散樹脂の存在下
    で、不飽和単量体をラジカル重合して得られる複合水性
    分散樹脂を含むことを特徴とする金属表面処理剤。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の水性分散樹脂または請求
    項2記載の複合水性分散樹脂に、水性ポリウレタン樹
    脂、水性ポリエステル樹脂、水性アクリル樹脂から選ば
    れる少なくとも1種の水性樹脂をさらに配合してなるこ
    とを特徴とする金属表面処理剤。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の水性分散樹脂と、水性ポ
    リウレタン樹脂、水性ポリエステル樹脂、水性アクリル
    樹脂から選ばれる少なくとも1種の水性樹脂との混合物
    中で、不飽和単量体をラジカル重合して得られる複合水
    性分散樹脂混合物を含むことを特徴とする金属表面処理
    剤。
  5. 【請求項5】 さらにシリカ微粒子を配合してなること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の金属
    表面処理剤。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の金
    属表面処理剤を金属の表面に塗布して皮膜を形成するこ
    とを特徴とする金属表面処理方法。
  7. 【請求項7】 前記皮膜の上にさらに上塗り塗料を塗布
    して塗膜を形成することを特徴とする請求項6記載の金
    属表面処理方法。
  8. 【請求項8】 請求項6または7記載の金属表面処理方
    法によって得られる表面処理金属材料。
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