JPH09173972A - 溶接性、連続加工性、および加工部耐食性に優れた潤滑樹脂処理金属板 - Google Patents

溶接性、連続加工性、および加工部耐食性に優れた潤滑樹脂処理金属板

Info

Publication number
JPH09173972A
JPH09173972A JP34074095A JP34074095A JPH09173972A JP H09173972 A JPH09173972 A JP H09173972A JP 34074095 A JP34074095 A JP 34074095A JP 34074095 A JP34074095 A JP 34074095A JP H09173972 A JPH09173972 A JP H09173972A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
resin
metal plate
corrosion resistance
weldability
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP34074095A
Other languages
English (en)
Inventor
Chiyoko Tada
田 千代子 多
Hiroyuki Ogata
形 浩 行 尾
Hideo Ogishi
岸 英 夫 大
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Steel Corp filed Critical Kawasaki Steel Corp
Priority to JP34074095A priority Critical patent/JPH09173972A/ja
Publication of JPH09173972A publication Critical patent/JPH09173972A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C28/00Coating for obtaining at least two superposed coatings either by methods not provided for in a single one of groups C23C2/00 - C23C26/00 or by combinations of methods provided for in subclasses C23C and C25C or C25D

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Chemical Treatment Of Metals (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】溶接性、塗油連続加工性、および加工部耐食性
に優れ、自動車、家電、建材製品等の素材として好適な
潤滑樹脂処理金属板の提供。 【解決手段】金属板の表面に、クロム付着量が金属Cr
換算で片面あたり5〜200mg/m2 のクロメート皮
膜と、その上に、(A)水酸基、イソシアネート基、カ
ルボキシル基、グリシジル基およびアミノ基から選ばれ
る少なくとも1種の官能基を有する樹脂、(B)有機ケ
イ素化合物および(C)ポリエチレン系ワックスを含
み、かつガラス転移温度(Tg)が0〜90℃である樹
脂混合物からなる樹脂皮膜を、片面あたり0.1〜2.
0g/m2 の付着量で有する、潤滑樹脂処理金属板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、潤滑樹脂処理金属
板に関し、特に、溶接性、塗油連続加工性、および加工
部耐食性に優れ、自動車、家電、建材製品等の素材とし
て好適な潤滑樹脂処理金属板に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車、家電、建材製品等に使
用される金属板は、加工性、耐食性、溶接性等に優れる
ことが要求される。近年、製品の高機能化に伴って、金
属板に要求される性能のレベルが厳しくなってきてい
る。また、製品の用途も多様化し、これまでの要求項目
に加え、塗装密着性、耐溶剤性等の性能も要求されるよ
うになってきた。
【0003】ところで、通常、このような用途に使用さ
れる金属板は、耐食性改善のために亜鉛に代表される金
属めっきが施される。また、無塗装の状態で長時間放置
されると錆びが発生したり、表面に種々の物質が吸着、
付着したりすることから、さらにめっき上に一次防錆処
理としてクロメート処理が施される場合が多い。しか
し、このクロメート処理の耐食性は、一般に、塩水噴霧
試験でせいぜい24〜48時間程度であり、また、特殊
クロメート処理であるシリカゾルを添加した塗布型クロ
メート処理でも、塩水噴霧試験で100〜200時間の
耐食性しか得られない。従って、長期にわたって苛酷な
腐食環境下で使用される製品では、耐食性が不十分とな
る。
【0004】そこで、製品が苛酷な腐食環境下で使用さ
れる場合を考慮して、クロメート処理の代りにりん酸塩
処理を施した後、20μm厚程度の塗装を施し、腐食を
防止する方法がある。しかし、このような厚塗り塗装を
施した金属板にプレス加工等を施すと、塗膜の剥離や亀
裂を生じ、その部分で局部的な耐食性の低下を生じる
上、塗料コストが嵩む、溶接が全く不可能といった問題
があった。
【0005】一方、金属板をプレス加工するに際して
は、潤滑油が金属板表面に塗布される。しかし、プレス
後の脱脂に使用されるフロン系溶剤が、オゾン層を破壊
し、地球温暖化を促進する原因として使用が規制されつ
つある。そのため、無塗油、無脱脂でプレス加工可能で
あり、かつ耐食性および溶接性に優れる表面処理金属板
に対する要求が年々強まってきている。
【0006】近年、亜鉛または亜鉛系合金めっき鋼板に
クロメート処理を施し、さらにその上に潤滑剤および防
錆剤を含む潤滑性樹脂を被覆した潤滑樹脂処理薄膜鋼板
が開発され(特公昭62−24505号公報、特開昭6
1−60886号公報、特開平1−301332公
報)、加工性、耐食性、溶接性に優れた表面処理鋼板と
して着目されている。この表面処理鋼板は、加工性、耐
食性、溶接性の観点から優れた性能の期待された前述の
潤滑樹脂処理薄膜鋼板では、低速プレス加工(〜5mm
/sec)においては優れた性能を示している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、実プレス時の
加工速度が500mm/sec程度にも上る高速プレス
加工のような苛酷な加工条件下での連続プレスでは、プ
レス成形時に、金型と被加工金属板との摺動面が昇温
し、プレス成形の初期には常温であったものが、数10
個のプレス成形を行った後には高温(100℃以上)に
なることが知られている。そのため、前記の潤滑樹脂処
理薄膜鋼板は、金型の昇温がない低速プレス成形もしく
は高速プレス成形においても、プレス成形の初期には優
れた潤滑性を発揮する。しかし、高速連続プレスにおい
ては樹脂皮膜層が剥離しやすくなり、樹脂剥離粉、めっ
き剥離粉が金型、プレス加工品表面に付着し、パウダリ
ング性を低下させ、ついにはプレス不良に至るといった
問題が十分に解決されていなかった。
【0008】一方、高速プレス加工における金型の昇温
にも耐え得る表面処理鋼板として、融点120℃以上の
高融点ワックスを添加した樹脂皮膜を有するもの(特開
平4−44840号公報)、および熱硬化性樹脂中に融
点120℃以下のポリエチレンワックスを添加してなる
樹脂皮膜を有するもの(特開平4−313368号公
報)が提案されている。たしかに、前者の表面処理鋼板
は、高融点ワックスを添加したことにより、金型の昇温
時であってもワックスが融解することなく潤滑性を発揮
し、後者の表面処理鋼板は、熱硬化性樹脂を使用してい
るため、高温での皮膜強度が保たれ、皮膜が損傷するこ
となく加工可能であり、かつ加工部耐食性にも優れたも
のである。しかし、前者においては、高融点ワックスの
みを添加するものであるため、低速プレス加工のような
金型の昇温が軽度の加工、あるいは高速プレス加工にお
いてもプレス加工の初期では、ワックスの柔軟度が不足
し、潤滑性が不足し、時にはプレス割れに至る問題があ
る。また、後者においては、プレス加工性、耐食性には
優れた効果が認められるが、熱分解が困難な皮膜である
ため、溶接性が著しく劣るものであった。
【0009】また、この種の潤滑処理金属板の需要家に
よっては、金型昇温によるクリアランス変化、あるいは
皮膜脱離粉による金型損傷を軽減させる目的で、揮発性
が高く、加工後脱脂不要な速乾油を用いて加工を行なう
場合がある。従来のめっき鋼板あるいはクロメート処理
鋼板では、潤滑油塗布により加工性は例外なく向上して
いたが、前述の潤滑樹脂処理薄膜鋼板の場合、速乾油塗
布による加工性への効果は一様でなく、なかには速乾油
塗布により加工不能となるばかりでなく、加工部耐食性
に著しく劣るものもあり、問題となっていた。
【0010】そこで、本発明の目的は、速乾油の有無に
かかわらず高速連続プレス加工時においてプレス成形の
初期から金型の昇温時まで一貫して潤滑性に優れ、かつ
加工部耐食性および溶接性に優れる潤滑樹脂処理金属板
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するべく、前記潤滑樹脂処理金属板の溶接性、連
続加工性、塗油連続加工性、および加工部耐食性に注目
し、速乾油の有無にかかわらず、常温から高温に至るい
ずれの温度においても一貫して優れた加工性を示す樹脂
について鋭意検討を重ねた。その結果、下記a)〜d)
の知見を得るに至った。 a)潤滑樹脂処理金属板の加工性は、樹脂皮膜中の固形
潤滑剤(ワックス)の種類、添加量、および添加方法に
よって大きな影響を受ける。速乾油塗布下では、樹脂皮
膜中のワックスが、低分子量無極性物質であるため、炭
化水素を主成分とする無極性低分子量物質である速乾油
に溶解し、皮膜強度が低下する。 b)油へのワックス溶解は、高温であるほど、また接触
する油/ワックスの比が大であるほど促進される。ま
た、溶解速度は、ワックス種に依存するが、特にワック
ス密度が高いほど溶解しにくい。 c)さらにパウダリングを防ぎ、無塗油でも良好な加工
性および加工部外観、さらには優れた加工部耐食性を得
るためには、皮膜のガラス転移点(Tg)も大きく影響
を与え、Tgがプレス時金型温度付近にあるとき、皮膜
強度および柔軟性のバランスがとれ、高い潤滑性、耐パ
ウダリング性を示す。 d)一方、無塗油でのプレス加工時において、高温下に
おいても良好な潤滑性を維持するためには、融点が高い
ワックスを樹脂皮膜に添加することが好ましいが、高融
点ワックスは、低温下での潤滑性が不足する。しかし、
ワックスが潤滑性効果を発揮するのは、融解開始温度か
ら融点未満までの温度範囲であるため、樹脂皮膜中に融
解開始温度が低いワックスを共存させることで、低温か
ら高温に至る幅広い金型温度で一貫して優れた加工性を
満足させることが可能である。この融解開始温度は、ワ
ックスの分子量分布と密接に関係しており、ワックス中
の低分子量成分が融解を開始させる温度を決定する。
【0012】そこで、これらの知見に基づいて、樹脂皮
膜に含有させる耐食性向上剤および潤滑剤について、検
討を行った。その結果、一般に、耐食性を向上させる手
段としてシリカ(SiO2 )が用いられる。コロイダル
シリカ、オルガノシリカゾル、シリカ粉末等を用いる場
合が多く、本発明のごとく、潤滑処理金属板の分野で
は、一般的である。しかし、これらのいずれを用いても
溶接性の劣化が著しい。これは、上記シリカは、不導体
の無機重合体であり、しかも結合エネルギーが高いた
め、溶接時の昇温によって熱分解し難いことが原因と考
えられた。
【0013】また、シリカの代わりにアルキルシリケー
トを用いた場合も、樹脂とアルキルシリケートが化学結
合し、緻密な無機有機重合体を形成していると、溶接時
皮膜が熱分解し難い上、溶接チップ表面に熱分解樹脂に
ひきづられてシリコン系分解物が付着して、溶接チップ
の損耗を促進させ、その結果、連続スポット溶接性が低
下する、と考えられた。
【0014】そこで、本発明においては、樹脂皮膜を構
成する樹脂混合物の(B)成分として特定の有機ケイ素
化合物が、シリカに比べて熱分解しやすく、かつ樹脂と
結合していないため、樹脂にひきずられてチップに付着
することもなく、溶接性が劣化しにくいことを知見し
た。
【0015】次に、一般に、乾式潤滑剤としては、ポリ
オレフィン系ワックス、二硫化モリブデン、有機モリブ
デン、グラファイト、フッ化カーボン、金属セッケン、
窒化ホウ素、フッ素樹脂等が知られており、これらは、
軸受け用潤滑剤として使用されたり、プラスチックや
油、グリース等に添加して、潤滑性を向上させるために
用いられている。
【0016】本発明のように、高速プレス加工という摺
動部の発熱を伴う苛酷なプレス加工条件で、皮膜剥離を
起こさず、連続加工可能な高度の潤滑性を有する樹脂処
理金属板を得るためには、潤滑剤の種類、添加量、粒径
および混合皮膜Tgが非常に重要となる。一般に、高速
プレス加工が連続的に実施される場合、金型温度は常温
から120℃程度まで温度上昇する。一方、速乾油を塗
油した場合もその加工条件によっては、常温から100
℃程度まで上昇する。従って、100℃という高温下で
も潤滑樹脂層が良好な潤滑性を維持するためには、10
0℃でも、溶解し、溶融粘度を大幅に低下させることな
しに、皮膜の柔軟性と皮膜の硬度のバランスを保ってい
ることが重要となる。また、速乾油を塗油した場合、潤
滑剤が油に溶解することなく、その性能を維持するため
には、潤滑剤と速乾油との相溶性を低下させることが重
要となる。
【0017】そこで、金属板に所定のクロメート処理を
行なってクロメート皮膜を形成し、そのクロメート皮膜
の上層を被覆する樹脂皮膜の成分として添加するワック
スの種類、量、密度、融点、および粒径を適正に調整す
ることにより、実プレスにおけるプレス初期から連続プ
レスによる金型昇温時の、幅広い金型温度で一貫して優
れた加工性を示し、かつ速乾油塗布により、一層優れた
加工性を示す製品を安価で提供することができることを
知見した。すなわち、本発明者等は、融点が100℃以
上150℃以下で、かつ結晶密度が0.95g/cm3
以上1.0g/cm3 以下であるポリエチレン系ワック
スを配合することが有効であることを知見し、本発明を
完成させるに至ったのである。
【0018】本発明は、上記の各種の知見に基づいてな
されたもので、金属板の少なくとも一方の面に、クロム
付着量が金属Cr換算で片面あたり5〜200mg/m
2 のクロメート皮膜を有し、その上に下記組成の樹脂混
合物であって、かつガラス転移温度(Tg)が0〜90
℃である樹脂混合物からなり、付着量が片面あたり0.
1〜2.0g/m2 である樹脂皮膜を有する、溶接性、
連続加工性、および加工部耐食性に優れた潤滑樹脂処理
金属板を提供するものである。 <樹脂混合物の組成> (A) 水酸基、イソシアネート基、カルボキシル基、グリシジル基およびア ミノ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する樹脂 100重量部 (B) 有機ケイ素化合物 5〜80重量部 (C) 融点が100〜150℃で、かつ結晶密度が0.95〜1.0g/c m3 であるポリエチレン系ワックス 1〜40重量部
【0019】また、本発明は、前記金属板が、亜鉛めっ
き鋼板、亜鉛系めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板、
アルミニウム合金めっき鋼板、アルミニウム板またはア
ルミニウム合金板である場合に適用すると、好ましい。
【0020】さらに、前記有機ケイ素化合物が、下記式
(a)で表されるシリケート類またはシロキサン類、お
よび(b)で表されるシラン化合物から選ばれる少なく
とも1種であると、好ましい。
【0021】
【化3】
【0022】〔式(a)中、R1 は、置換または非置換
のアルキル基、アリル基またはアリール基であり、nは
12以下の整数である〕
【0023】
【化4】
【0024】〔式(b)中、R2 は、置換または非置換
のアルキル基、アリル基、アリール基、ビニル基、γ−
クロルプロピル基、γ−アミノプロピル基、γ−(2−
アミノエチル)アミノプロピル基、γ−メルカプトプロ
ピル基、γ−グリシドキシプロピル基、β−(3,4−
エポキシシクロヘキシル)エチル基、またはγ−メタク
リルオキシプロピル基であり、また、R3 は、置換また
は非置換のアルキル基またはアリール基であり、nは1
または2である〕
【0025】また、前記(C)ポリエチレン系ワックス
が、平均粒径が1〜7μmであるものであると、好まし
い。
【0026】さらにまた、前記(C)ポリエチレン系ワ
ックスが、その融解開始温度が25〜60℃の含低分子
量成分ワックスがワックス全量の10〜50重量%含む
ものであると、好ましい。
【0027】以下、本発明の溶接性、連続加工性、およ
び加工部耐食性に優れた潤滑樹脂処理金属板(以下、
「本発明の処理金属板」という)について詳細に説明す
る。
【0028】本発明の処理金属板は、金属板の少なくと
も一方の面に、クロメート皮膜と、該クロメート皮膜の
上に形成された樹脂皮膜とを有するものである。本発明
の処理金属板において、クロメート皮膜および樹脂皮膜
は、金属板の片面にのみ形成されていてもよいし、金属
板の両面に形成されていてもよい。
【0029】本発明の処理金属板の素材である金属板
は、この種の潤滑樹脂処理金属板に使用されるものであ
ればよく、特に制限されない。特に、本発明は、亜鉛め
っき鋼板、亜鉛系めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼
板、アルミニウム合金めっき鋼板、アルミニウム板また
はアルミニウム合金板に適用すると好ましい。
【0030】本発明の処理金属板において、金属板上に
形成されるクロメート皮膜は、この種の潤滑樹脂処理鋼
板に、通常形成される皮膜でよく、例えば、無水クロム
酸、クロム酸塩、重クロム酸等を主剤とする水溶液や、
該水溶液にコロイダルシリカ等を混合した処理液を、金
属板上に、常法にしたがって処理したクロム水和酸物主
体の皮膜が挙げられる。
【0031】本発明の処理金属板において、クロメート
皮膜の付着量は、金属Cr換算で片面あたり5〜200
mg/m2 が好ましく、特に、10〜100mg/m2
が好ましい。クロメート皮膜の付着量が5mg/m2
満では、金属板表面を十分に被覆できないため、金属板
と後記の樹脂皮膜との密着性が不十分となり、そのため
プレス加工時に皮膜が剥離して加工部外観を損い、加工
性が劣化する原因となる。また、200mg/m2 を超
えると、加工時にクロメート皮膜の凝集破壊が起り樹脂
皮膜が剥離しやすく、加工性を劣化させ、クロム溶出が
起りやすくなり、環境に悪影響を与えるおそれがある。
その上、溶接性も絶縁皮膜であるクロメート皮膜の付着
量増加とともに劣化する。
【0032】本発明の処理金属板は、前記のクロメート
皮膜の上に、さらに(A)水酸基、イソシアネート基、
カルボキシル基、グリシジル基およびアミノ基から選ば
れる少なくとも1種の官能基を有する樹脂、(B)有機
ケイ素化合物および(C)ポリエチレン系ワックスを必
須成分とする樹脂混合物からなる樹脂皮膜を有するもの
である。
【0033】樹脂皮膜を構成する樹脂混合物の(A)成
分であるベース樹脂は、水酸基、イソシアネート基、カ
ルボキシル基、グリシジル基およびアミノ基から選ばれ
る少なくとも1種の官能基を含有する樹脂であり、場合
により有機溶剤に可溶なもの、または水に溶解または分
散可能なものが好適である。このベース樹脂として、例
えば、アクリル系共重合体、ウレタン樹脂、ポリエステ
ル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、脂肪酸もしくは
多塩基酸変性ポリブタジエン樹脂、メチロール基導入フ
ェノール樹脂、アルカノールアミン変性ポリウレタン樹
脂、ポリアミン樹脂、アミノ樹脂、ポリカルボン酸樹
脂、ポリビニルアセタール類等が挙げられ、これらは1
種単独でも2種以上を組み合わせても用いられる。これ
らの中でも、分子内に水酸基を含有する樹脂が好まし
く、特に、アクリル系共重合体、ウレタン樹脂、ポリエ
ステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアセタール類が
好適である。
【0034】また、樹脂混合物の(B)成分である有機
ケイ素化合物は、下記式(a):
【0035】
【化5】
【0036】で表されるシリケート類またはシロキサン
類、および下記式(b):
【0037】
【化6】
【0038】で表されるシラン化合物から選ばれる少な
くとも1種である。式(a)において、R1 は置換また
は非置換のアルキル基、アリル基またはアリール基であ
り、nは12以下の整数である。アルキル基としては、
例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げら
れ、アリール基としては、例えば、フェニル基、ベンジ
ル基、フェネチル基等が挙げられる。また、R1 が置換
基を有する場合、その置換基として、例えば、メチル
基、エチル基、水酸基等が挙げられる。
【0039】また、式(b)中、R2 は、置換または非
置換のアルキル基、アリル基、アリール基、ビニル基、
γ−クロルプロピル基、γ−アミノプロピル基、γ−
(2−アミノエチル)アミノプロピル基、γ−メルカプ
トプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、または
γ−メタクリルオキシプロピル基であり、また、R
3 は、置換または非置換のアルキル基またはアリール基
であり、nは1または2である。アルキル基としては、
例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げら
れ、アリール基としては、例えば、フェニル基、ベンジ
ル基、フェネチル基等が挙げられる。また、R2 もしく
はR3 が置換基を有する場合、その置換基として、例え
ば、メチル基、エチル基、水酸基等が挙げられる。
【0040】前記式(a)で表されるシリケート類また
はシロキサン類の代表例としては、メチルオルトシリケ
ート、エチルオルトシリケート、n−プロピルオルトシ
リケート、n−ブチルオルトシリケート、n−オクチル
オルトシリケート、フェニルオルトシリケート、ベンジ
ルオルトシリケート、フェネチルオルトシリケート、ア
リル(Allyl)オルトシリケート、メタアリルオル
トシリケート等あるいはそれらのシリケート類の脱水縮
合によって生成するシロキサン類が挙げられる。
【0041】また、前記式(b)で表されるシラン化合
物の代表例としては、ジビニルジエトキシシラン、ジビ
ニル−ジ−(β−メトキシエトキシ)シラン、ジ(γ−
グリシドキシプロピル)、ジメトキシシラン、メチルト
リエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル
トリス−β−メトキシエトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシ
プロピルトリメトキシシラン、β−(3、4−エポキシ
シクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0042】本発明において、樹脂混合物の必須成分で
ある(B)有機ケイ素化合物として、前記式(a)で表
されるシリケート類またはシロキサン類、もくしは式
(b)で表されるシラン化合物の中でも、シリケート類
またたはシラン化合物が、分子量が小さく、シリカに比
べて熱分解しやすく、溶接性の改善について好適であ
る。
【0043】樹脂混合物中の(B)有機ケイ素化合物の
含有割合は、(A)成分であるベース樹脂100重量部
に対して、5〜80重量部の割合であり、好ましくは1
0〜40重量部の割合である。この有機ケイ素化合物の
含有割合が、ベース樹脂100重量部に対して、5重量
部未満であると、本発明の処理金属板の耐食性および加
工部耐食性が劣る。また、80重量部を超えると、プレ
ス成形時にパウダリングを生じ易くなり、本発明の処理
金属板の潤滑性が低下するとともに、溶接性も劣化す
る。
【0044】さらに、樹脂混合物の(C)成分であるポ
リエチレン系ワックスは、融点が100〜150℃、好
ましくは110〜140℃、結晶密度が0.95〜1.
0g/cm3 のものである。ポリエチレン系ワックスの
融点が100℃未満であると、金型昇温時にワックスが
融解し、その溶融粘度を大幅に低下させ、金型と板との
金属接触を生じ、融点が150℃を超えるものである
と、硬度は十分であるが、比較的低温時の皮膜の柔軟性
が不足し、潤滑剤の添加による摩擦係数低減効果が少な
く。また、結晶密度が0.95g/cm3 未満のポリエ
チレン系ワックスであると、速乾油塗油時に油とワック
スとの相溶性が高いため、ワックスが速乾油中に溶出し
て、潤滑性を低下させる。
【0045】また、このポリエチレン系ワックスは、平
均粒径が1〜7μmであるものが好ましく、平均粒径が
2〜5μmのものが特に好ましい。平均粒径が1μm未
満のポリエチレン系ワックスを使用すると、樹脂皮膜が
ワックスを被覆してしまい、潤滑剤としての効果が薄
れ、平均粒径が7μmを超えるポリエチレン系ワックス
を使用すると、ワックスの皮膜からの脱離が多くなる。
【0046】さらに、このポリエチレン系ワックスは、
さらに、融解開始温度が25〜60℃である含低分子量
成分ワックスを、ワックス全量の10〜50重量%含む
ものであると、好ましい。融解開始温度が25℃未満の
含低分子量成分ワックスを含むと、常温で樹脂皮膜のベ
タツキが生じ、製品である処理金属板の外観上好ましく
なく、融解開始温度が60℃を超える含低分子量成分ワ
ックスを含むと、所期の低温プレス加工性の向上効果が
得られない。また、含低分子量成分ワックスの含有量
が、ワックス全量の10重量%未満であると、低速での
プレス加工性あるいは高速での初期プレス加工性の向上
効果が少なく、50重量%を超えると高温でのプレス加
工性が悪化する。本発明において、融点の高いワックス
は、一般に融解開始温度も高く、常温付近での硬度も高
いため、プレス加工の初期および低速でのプレス加工に
おいては、柔軟性に乏しく、皮膜剥離を起こし易い。そ
のため、融点の高いワックスのみではなく、常温から高
温まで一貫して良好なプレス加工性を発揮させるために
は、融解開始温度の低い含低分子量ワックスを併用する
ことが好ましい。ただし、低分子量成分を多量に使用す
ると、連続プレス加工時の昇温過程において融解するワ
ックスの割合が増加し、皮膜硬度が低下し、加工性の劣
化を招くおそれがある。また、速乾油を塗油した場合、
潤滑油が油に溶解することなく、その性能を維持するた
めには、潤滑油と速乾油との相溶性を低下させることが
重要となる。
【0047】樹脂混合物中の(C)ポリエチレン系ワッ
クスの含有割合は、(A)成分であるベース樹脂100
重量部に対して、1〜40重量部の割合であり、好まし
くは5〜20重量部の割合である。このポリエチレン系
ワックスの含有割合が、ベース樹脂100重量部に対し
て、1重量部未満では、潤滑性向上への寄与が少なく、
高速連続プレス加工性に劣り、40重量部を超えると樹
脂皮膜強度が低下し、パウダリングが発生する。
【0048】また、本発明において、樹脂混合物は、前
記(A)、(B)および(C)成分以外に、必要に応じ
て、本発明の効果を損なわない範囲で、各種の成分を含
有していてもよい。
【0049】さらに、本発明において、樹脂混合物は、
ガラス転移温度(Tg)が0〜90℃、好ましくは30
〜80℃のものである。Tgが0℃未満の場合、樹脂皮
膜の摩耗率が高く金型と金属板の金属接触が起り、潤滑
性が低下する。Tgが90℃を超えると、樹脂皮膜の摩
耗率は低くなるが、プレス成形時に樹脂皮膜の柔軟性が
低下し、やはり潤滑性に劣る。
【0050】さらにまた、本発明の処理金属板におい
て、前記樹脂混合物からなる樹脂皮膜の付着量は、片面
あたり0.1〜2.0g/m2 であり、好ましくは0.
5〜1.5g/m2 である。樹脂皮膜の付着量が0.1
g/m2 未満では、処理金属板表面の凹凸が埋め切れ
ず、潤滑性の向上効果が小さい。また、樹脂皮膜の付着
量が2.0g/m2 を超えると、潤滑性は向上するが、
樹脂皮膜の凝集破壊が起り、プレス成形後の外観に劣
り、またコストアップに繋がる。
【0051】本発明の処理金属板の製造は、金属板の表
面にクロメート処理を施して所定のクロメート皮膜を形
成した後、樹脂皮膜を形成する工程にしたがって行うこ
とができる。金属板上に施すクロメート処理は、公知の
通常の処理方法に従えばよく、例えば、無水クロム酸、
クロム酸塩、重クロム酸等を主剤とした水溶液中で、浸
漬クロメート処理、電解クロメート処理を行う方法、ま
た、上記水溶液にコロイダルシリカ等を混合した処理液
を金属板上に塗布する塗布型クロメート処理を行う方法
によって、クロム水和物を主体とする皮膜を形成させる
ことができる。まだ、金属板をクロメート処理液で処理
した後、フラットゴムロール等で絞る工程や、熱風乾燥
等の乾燥工程を経て、クロメート皮膜が金属板表面に形
成される。
【0052】また、樹脂皮膜の形成は、前記(A)、
(B)および(C)成分、ならびに必要に応じて配合さ
れる各種の成分を、所定量用意し、それらを混合・分散
させて物理的に均一にすることによって樹脂混合物を調
製した後、この樹脂混合物をクローメト皮膜の上に、所
定の付着量となるように塗布して、乾燥する方法によっ
て行うことができる。樹脂混合物の塗布は、ロール塗
布、スプレー塗布、浸漬塗布、ハケ塗り等の常法にした
がって行うことができ、特に制限されない。また、乾燥
は、通常、80〜180℃で、3〜90秒間加熱するこ
とによって行うことができる。
【0053】
【実施例】次に、実施例に基づいて、本発明をさらに具
体的に説明する。
【0054】(実施例1〜30)各例において、表1ま
たは表2に示すとおり、下記1)に示す金属板に、下記
2)〜6)に示す条件でクロメート処理および樹脂皮膜
の形成を行い、潤滑樹脂処理金属板の試験片を製造し
た。
【0055】1)金属板の種類 A.電気亜鉛めっき鋼板 板厚0.8mm 亜鉛めっき付着量20g/m2 B.電気亜鉛・ニッケルめっき鋼板 板厚0.8mm 亜鉛−ニッケルめっき付着量20g/m2 ニッケル含有量12% C.溶融亜鉛めっき鋼板 板厚0.8mm 亜鉛めっき付着量60g/m2 D.亜鉛−Al合金めっき鋼板(Al含有率55%) 板厚0.8mm 亜鉛−Alめっき付着量60g/m2 E.JIS 5182合金板 代表的な加工用アルミニウム合金板 板厚1.0mm
【0056】2)クロメート皮膜の形成 前記各金属板にCrO3 20g/l、Na3 AlF6
4g/lなる組成のクロメート処理液をスプレー処理
して塗布した後、フラットゴムロールで絞り、熱風乾燥
した。クロメート皮膜の付着量は、スプレー処理時間を
調整して両面塗布した。
【0057】3)樹脂皮膜の形成 表1に示す組成の処理液を、ロール塗布により、片面で
乾燥重量で0.1〜2.0g/m2 となるように両面塗
布し、20秒後の到達板温が150℃になるような条件
で乾燥させ、樹脂皮膜を形成させた。
【0058】4)有機樹脂の種類 エポキシ樹脂 油化シェルエポキシ社製 エピコー
ト1009 アルキッド樹脂 三井東圧化学社製 ユリックス アクリル樹脂 三井東圧化学社製 アルマテックス7
49 ウレタン樹脂 三井東圧化学社製 オレスター プチラール樹脂 電気化学工業社製 デンカプチラー
ル ポリエステル樹脂 三井東圧化学社製 アルマテック
スP645
【0059】5)有機ケイ素化合物の種類 日本コルコート化学(株)社製 エチルシリケー
ト40 信越化学工業(株)社製 KBM503 日産化学工業(株)社製シリカ粉末 スノーテックス
−N
【0060】6)ポリエチレン系ワックスの種類 三井石油化学工業(株)製 三井ハイワックス 融点105〜127℃ ワックスは、キシレンまたはトルエン溶媒中で、加温し
て溶解させた後、異なる冷却速度で冷却させて、種々の
粒径のものを自製して、用いた。
【0061】(比較例1〜16)各例において、前記各
金属板に、実施例と同様に、表2に示すとおり、クロメ
ート処理を施し、その上に、表2に示す組成の処理液
を、表2に示す付着量となるように塗布し、樹脂皮膜を
形成させ、試験片を作成した。
【0062】以上の実施例1〜30および比較例1〜1
6で得られた試験片について、下記の方法にしたがっ
て、プレス性試験、溶接性試験、平均耐食性試験、およ
び加工部耐食性試験を行って評価した。結果を表3また
は表4に示す。 (試験・評価方法) 1)プレス性の試験方法と評価方法 表面処理の試験片の加工性は、径33mmφの高速高温
ビード付き円筒絞り加工(加工速度500mm/s)
し、絞り比2.12における加工限界である限界しわ押
え圧力(t)により評価した。評価は、無塗油、および
速乾油(日本工作油(株)性G6215FS)塗布下で
行った。また、その時の耐パウダリング性をダイスに付
着した剥離粉をセロテープで採取し、その付着程度から
評価した。評価基準は以下に示す。 評価基準 ◎:ダイス付着なし ○:ダイス付着若干あり △:ダイス付着やや多 ×:ダイス付着多
【0063】2)溶接性試験 ラジアス型(10mmφ、100mmR)の電極を用
い、加圧力190kg、電流78kA、通電サイクル1
3サイクルで連続打点試験を行い、引張強度およびナゲ
ット径を測定し、ナゲット径が板厚tの4√tに達しな
くなる限界の打点数を求めた。さらに全打点中でチリの
発生した打点数の割合を求めた。
【0064】3)平均耐食性試験 塩水噴霧試験(JIS Z−2371)を行ない、白錆
発生までに要する時間を耐食性の指標とした。
【0065】4)加工部耐食性試験 前記1)と同様の高速高温ビード付き円筒絞り加工試験
にてしわ押え厚1tで加工し、そのカップ壁面に対し塩
水噴霧試験(JIS Z−2371)を行ない、白錆発
生までに要する時間を加工部耐食性の指標とした。
【0066】以上の試験結果から明らかなように、比較
例1〜16のものは、本発明の範囲をはずれているため
に、本発明の実施例例1〜30に比べて諸性能の評価結
果が劣るものであった。特に、従来技術に相当する低密
度のワックスを使用したものは、塗油加工性に劣る。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】
【表3】
【0070】
【表4】
【0071】
【表5】
【0072】
【表6】
【0073】(実施例31〜64)各例において、表5
に示すとおり、下記1)に示す金属板に、前記2)〜
6)に示す条件でクロメート処理および樹脂皮膜の形成
を行い、潤滑樹脂処理金属板の試験片を製造した。
【0074】(比較例17〜36)各例において、前記
1)の金属板に、実施例と同様に、表6に示すとおり、
クロメート処理を施し、その上に、表6に示す組成の処
理液を、表6に示す付着量となるように塗布し、樹脂皮
膜を形成させ、試験片を作成した。
【0075】以上の実施例31〜64および比較例17
〜36で得られた試験片について、前記の方法にしたが
って、プレス性試験、溶接性試験、平均耐食性試験、お
よび加工部耐食性試験を行って評価した。結果を表7ま
たは表8に示す。
【0076】
【表7】
【0077】
【表8】
【0078】
【表9】
【0079】
【表10】
【0080】
【表11】
【0081】
【表12】
【0082】
【発明の効果】本発明の潤滑樹脂処理金属板は、溶接
性、塗油連続加工性、および加工部耐食性に優れ、速乾
油の有無にかかわらず高速連続プレス加工時においてプ
レス成形の初期から金型の昇温時まで一貫して潤滑性に
優れるものである。そのため、本発明の潤滑樹脂処理金
属板は、自動車、家電、建材製品等の素材として好適で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C23C 28/00 C23C 28/00 C

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属板の少なくとも一方の面に、クロム付
    着量が金属Cr換算で片面あたり5〜200mg/m2
    のクロメート皮膜を有し、その上に下記組成の樹脂混合
    物であって、かつガラス転移温度(Tg)が0〜90℃
    である樹脂混合物からなり、付着量が片面あたり0.1
    〜2.0g/m2 である樹脂皮膜を有する、溶接性、連
    続加工性、および加工部耐食性に優れた潤滑樹脂処理金
    属板。 <樹脂混合物の組成> (A) 水酸基、イソシアネート基、カルボキシル基、グリシジル基およびア ミノ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する樹脂 100重量部 (B) 有機ケイ素化合物 5〜80重量部 (C) 融点が100〜150℃で、かつ結晶密度が0.95〜1.0g/c m3 であるポリエチレン系ワックス 1〜40重量部
  2. 【請求項2】前記金属板が、亜鉛めっき鋼板、亜鉛系め
    っき鋼板、アルミニウムめっき鋼板、アルミニウム合金
    めっき鋼板、アルミニウム板またはアルミニウム合金板
    である請求項1に記載の溶接性、連続加工性、および加
    工部耐食性に優れた潤滑樹脂処理金属板。
  3. 【請求項3】前記有機ケイ素化合物が、下記式(a)で
    表されるシリケート類またはシロキサン類、および
    (b)で表されるシラン化合物から選ばれる少なくとも
    1種である請求項1または2に記載の溶接性、連続加工
    性、および加工部耐食性に優れた潤滑樹脂処理金属板。 【化1】 〔式(a)中、R1 は、置換または非置換のアルキル
    基、アリル基またはアリール基であり、nは12以下の
    整数である〕 【化2】 〔式(b)中、R2 は、置換または非置換のアルキル
    基、アリル基、アリール基、ビニル基、γ−クロルプロ
    ピル基、γ−アミノプロピル基、γ−(2−アミノエチ
    ル)アミノプロピル基、γ−メルカプトプロピル基、γ
    −グリシドキシプロピル基、β−(3,4−エポキシシ
    クロヘキシル)エチル基、またはγ−メタクリルオキシ
    プロピル基であり、また、R3 は、置換または非置換の
    アルキル基またはアリール基であり、nは1または2で
    ある〕
  4. 【請求項4】前記(C)ポリエチレン系ワックスが、平
    均粒径が1〜7μmであるものである請求項1〜3のい
    ずれかに記載の溶接性、連続加工性、および加工部耐食
    性に優れた潤滑樹脂処理金属板。
  5. 【請求項5】前記(C)ポリエチレン系ワックスが、そ
    の融解開始温度が25〜60℃の含低分子量成分ワック
    スがワックス全量の10〜50重量%含むものである請
    求項1〜4のいずれかに記載の溶接性、連続加工性、お
    よび加工部耐食性に優れた潤滑樹脂処理金属板。
JP34074095A 1995-12-27 1995-12-27 溶接性、連続加工性、および加工部耐食性に優れた潤滑樹脂処理金属板 Withdrawn JPH09173972A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34074095A JPH09173972A (ja) 1995-12-27 1995-12-27 溶接性、連続加工性、および加工部耐食性に優れた潤滑樹脂処理金属板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34074095A JPH09173972A (ja) 1995-12-27 1995-12-27 溶接性、連続加工性、および加工部耐食性に優れた潤滑樹脂処理金属板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09173972A true JPH09173972A (ja) 1997-07-08

Family

ID=18339856

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34074095A Withdrawn JPH09173972A (ja) 1995-12-27 1995-12-27 溶接性、連続加工性、および加工部耐食性に優れた潤滑樹脂処理金属板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09173972A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002064857A1 (fr) * 2001-02-14 2002-08-22 Nippon Paint Co., Ltd. Agent de traitement pour surface metallique, procede de traitement de la surface metallique et materiau metallique traite en surface

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002064857A1 (fr) * 2001-02-14 2002-08-22 Nippon Paint Co., Ltd. Agent de traitement pour surface metallique, procede de traitement de la surface metallique et materiau metallique traite en surface

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2616357C (en) Pre-sealed steel sheet with improved anti-corrosion and weldability and preparing method thereof
JPH02194946A (ja) 高カチオン電着塗装性有機複合めっき鋼板
JP3573307B2 (ja) 電着塗装性およびプレス成形性に優れた樹脂塗装鋼板
JPH0339485A (ja) 成形時の耐パウダリング性に優れた潤滑樹脂処理鋼板
JP3029798B2 (ja) 潤滑処理鋼板とそれに用いる皮膜形成性組成物
JPH0243040A (ja) 耐食性に優れた潤滑樹脂処理鋼板
JP2511497B2 (ja) 成形性に優れた潤滑樹脂処理鋼板
JPH09173972A (ja) 溶接性、連続加工性、および加工部耐食性に優れた潤滑樹脂処理金属板
JPH09173971A (ja) プレス加工性、スポット溶接性、および耐食性に優れた潤滑樹脂処理金属板
JPH0316726A (ja) 成型性の優れた潤滑樹脂処理鋼板
JPH08267002A (ja) 連続角筒成形性および連続溶接打点性に優れた潤滑樹脂処理鋼板
US6372365B1 (en) Resin-coated Al-Zn alloy coated steel sheet
JP3847921B2 (ja) 高耐食性燃料タンク用鋼板
JPH02274532A (ja) 高溶接性有機複合めっき鋼板
JPH05237449A (ja) プレス成形性、加工部耐食性に優れた潤滑樹脂処理鋼板
JPH08230100A (ja) 溶接性、プレス性、プレス加工部耐食性に優れた潤滑樹脂処理金属板
JPH11151778A (ja) 高耐食性燃料タンク用鋼板
JPH0659455B2 (ja) 耐食性,溶接性に優れた潤滑性薄膜樹脂鋼板
JP3934762B2 (ja) 高耐食性燃料タンク用鋼板
JP3934763B2 (ja) 高耐食性燃料タンク用鋼板
JPH09323376A (ja) 着色潤滑処理鋼板およびその製造法
JPH01110140A (ja) 耐食性、潤滑性に優れた複合被覆鋼板
JPH07331163A (ja) 水系塗料組成物及び該組成物で被覆したアルミニウム材
JPH01301333A (ja) 成形性、耐食性に優れた潤滑樹脂処理鋼板
JP2753666B2 (ja) 電着塗装性にすぐれる樹脂塗装鋼板

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20030304