JPH09173971A - プレス加工性、スポット溶接性、および耐食性に優れた潤滑樹脂処理金属板 - Google Patents

プレス加工性、スポット溶接性、および耐食性に優れた潤滑樹脂処理金属板

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JPH09173971A
JPH09173971A JP7340333A JP34033395A JPH09173971A JP H09173971 A JPH09173971 A JP H09173971A JP 7340333 A JP7340333 A JP 7340333A JP 34033395 A JP34033395 A JP 34033395A JP H09173971 A JPH09173971 A JP H09173971A
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Chiyoko Tada
田 千代子 多
Hiroyuki Ogata
形 浩 行 尾
Hideo Ogishi
岸 英 夫 大
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プレス加工性、スポット溶接性および耐食性に
優れ、自動車、家電製品、建材材料等の素材として好適
な潤滑樹脂処理金属板の提供。 【解決手段】金属板の表面に、乾式シリカを特定の量含
み、かつ片面当りのクロム付着量が金属Cr換算で10
〜200mg/m2 のクロメート皮膜と、その上に、
(A)水酸基、イソシアネート基、カルボキシル基、グ
リシジル基およびアミノ基から選ばれる少なくとも1種
の官能基を有する樹脂、(B)有機ケイ素化合物および
(C)融点が70〜150℃のポリエチレン系ワックス
を含み、ガラス転移温度(Tg)が0〜90℃である樹
脂混合物から樹脂皮膜を、片面当たり0.1〜2.0g
/m2 の付着量で有する、潤滑樹脂処理金属板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、潤滑樹脂処理金属
板に関し、特に、プレス加工性、スポット溶接性および
耐食性に優れ、自動車、家電製品、建材材料等の素材と
して好適な潤滑樹脂処理金属板に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車、家電製品、建築材料等に使用さ
れる金属板、特に亜鉛または亜鉛系めっき鋼板等のめっ
き鋼板は、無塗装もしくは塗装を施されて使用される。
また、これらの亜鉛または亜鉛系合金めっき鋼板は、種
々の工程を通り、その間、かなり長時間にわたって無塗
装の状態でおかれるため、錆が発生したり、めっき鋼板
の表面に種々の物質が吸着、付着してしまい、塗装時に
塗装密着性が悪化する等の問題があった。
【0003】そこで、需要家で使用されるまでの一次防
錆処理として、めっき鋼板にはクロメート処理が施され
る。しかし、このクロメート処理しためっき鋼板の耐食
性は、一般に、塩水噴霧試験でせいぜい24〜48時間
程度である。また、特殊クロメート処理であるシリカゾ
ルを添加した塗布型クロメート処理でも、塩水噴霧試験
で100〜200時間程度の耐食性しか得られない。し
たがって、長期にわたって苛酷な腐食環境下で使用され
る製品では、耐食性が不十分となる。
【0004】苛酷な腐食環境下で使用される鋼板を得る
方法として、クロメート処理の代わりにりん酸塩処理を
施した後、厚さ20μm程度の塗装を施し、腐食を防止
する方法がある。しかし、この方法によって得られるめ
っき鋼板は、スポット溶接性、アース性等の通電性に関
係する性能が低下または溶接実施不能となる。また、こ
のような厚塗り塗装を施しためっき鋼板を、プレス加工
等の成形加工に供すると、塗膜の剥離や亀裂を生じ、そ
の剥離部分または亀裂部で局部的な耐食性の低下を招
く。さらに、塗装されていると、スポット溶接等の溶接
が困難または不可能となるため、溶接する箇所は予め塗
膜を除去しておくことが必要となる。一方、耐食性を得
るために塗膜を厚くするほど多くの塗料を消費し、コス
トアップを招く等の問題もある。したがって、塗料を用
いることなく、それ自体優れた耐食性を有する表面処理
鋼板の開発が望まれている。
【0005】一方、このような金属板は多くの場合には
需要家による製造工程においてプレス成形が施される。
金属板をプレス成形するに際しては、潤滑油を金属板の
表面に塗布するが、この潤滑油の塗布に際してプレス成
形後の脱脂工程で使用されるフロン系溶剤がオゾン層を
破壊し、地球温暖化を招く原因であるとして、その使用
が規制されつつある。そのため、成形時に潤滑油等を使
用せず、かつ成形後に脱脂工程を必要とせずにプレス成
形が可能であり、かつ耐食性、溶接性に優れる表面処理
金属板に対する要求が年々強まってきている。
【0006】このような潤滑樹脂処理鋼板として、特公
昭62−24505号公報には、亜鉛系めっき鋼板上に
クロメート皮膜を有し、その上に複合リン酸アルミニウ
ム、クロム酸防錆顔料と、潤滑剤としてポリオレフィン
ワックス、二硫化モリブデンおよびシリコーンを含有す
るウレタン変性エポキシ樹脂層を1〜10g/m2 有す
る、耐食性および潤滑性に優れた鋼板が提案されてい
る。
【0007】また、特開昭63−83172号公報に
は、樹脂中に潤滑剤(ポリエチレンワックス、脂肪酸ア
ミノ系化合物、金属石鹸類、金属硫化物類、フッ化黒
鉛、窒化ホウ素、グリース、アルカリ金属硫酸塩等)を
含有し、さらに導電性物質(カーボンブラック、グラフ
ァイト、金属粉末、半導体酸化物、リン化鉄等)を含有
させることにより、樹脂皮膜の電気抵抗を低下させた、
防錆潤滑性皮膜形成樹脂組成物が提案されている。
【0008】さらに、特開平1−301332号公報に
は、亜鉛系めっき鋼板上の両面に、クロメート皮膜を有
し、その上に、水酸基および/またはカルボキシル基を
有する樹脂、有機ケイ素化合物、および低融点および高
融点の2種のワックスを含有する、ガラス転移温度(T
g)が70℃以上の樹脂組成物層を、片面あたり乾燥重
量で0.3〜3.0g/m2 有する潤滑樹脂処理鋼板が
提案されている。
【0009】前記特公昭62−24505号公報に開示
されている鋼板は、樹脂皮膜が、複合リン酸アルミニウ
ム、クロム系防錆顔料およびウレタン変性エポキシ樹脂
を含有することによって優れた耐食性を発現し、また、
ポリオレフィンワックス、二硫化モリブデンおよびシリ
コーンの含有により優れたプレス成形性を発現する。し
かしながら、この鋼板は、1〜10g/m2 ものウレタ
ン変性エポキシ樹脂層を含有するため、この皮膜の電気
抵抗が高く導電性が低くなり、良好なアース性やスポッ
ト溶接性を得ることができない。
【0010】また、特開昭63−83172号公報に開
示される防錆性潤滑性皮膜形成樹脂組成物は、導電性顔
料として無機物を利用するため、顔料の粒径が大きく、
一般的に樹脂膜厚を厚くせざるをえず、その結果、プレ
ス加工時の耐パウダリング性が悪く、しかも、アース性
やスポット溶接性も所期の効果が得られない。
【0011】さらに、特開平1−101332号公報に
開示される潤滑樹脂処理鋼板は、低融点ワックスと高融
点ワックスとをブレンドして使用することにより、1つ
の金型で連続的にプレス成形を行う際においても成形開
始初期から金型昇温時に至るまで、良好なプレス成形性
を発揮することができる。しかしながら、樹脂組成物層
のTgが70℃以上と高いため、スポット溶接における
連続打点性が低い。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、前記従来技術の問題点を解決し、成形開始初期はも
ちろん連続的に成形を行って金型が昇温した状態におい
ても良好なプレス成形性を発揮することができ、さら
に、スポット溶接性、耐食性にも優れる潤滑樹脂処理金
属板を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前述の従来技術からも明
らかなように、金属板表面にクロメート処理を施した
後、潤滑性の樹脂皮膜を形成することにより、亜鉛系め
っき鋼板の耐食性および潤滑性を向上することができ
る。
【0014】そこで、本発明者らは、このような従来技
術の長所を生かしつつ、高速プレス成形でも連続成形可
能で、しかも連続スポット溶接性、耐食性良好な表面処
理金属板を実現するために鋭意検討した結果、表面上
に、乾式シリカをクロムに対して特定の割合で含み、か
つ片面当りの付着量が特定の範囲にあるクロメート皮膜
を少なくとも一面に有し、その上層にガラス転移温度
(Tg)および付着量が特定の範囲にある樹脂皮膜を有
する金属板が、プレス加工性、スポット溶接性および耐
食性を両立できることを見いだし、本発明を成すに至っ
た。
【0015】すなわち、本発明は、金属板の少なくとも
一方の面に、粒径1〜50nmの乾式シリカを、乾式シ
リカ/クロムの重量比で0.1〜5.0含み、かつ片面
あたりの付着量が金属Cr換算で10〜200mg/m
2 のクロメート皮膜を有し、その上に、下記組成の樹脂
混合物であって、かつガラス転移温度(Tg)が0〜9
0℃である樹脂混合物からなり、付着量が片面当たり
0.1〜2.0g/m2である樹脂皮膜を有する、プレ
ス加工性、スポット溶接性、および耐食性に優れた潤滑
樹脂処理金属板を提供するものである。 <樹脂混合物の組成> (A)水酸基、イソシアネート基、カルボキシル基、グリシジル基およびアミ ノ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する樹脂 100重量部 (B)有機ケイ素化合物 5〜80重量部 (C)融点が70〜150℃のポリエチレン系ワックス 1〜40重量部
【0016】前記金属板が、亜鉛めっき鋼板、亜鉛系め
っき鋼板、アルミニウムめっき鋼板、アルミニウム合金
めっき鋼板、アルミニウム板またはアルミニウム合金板
であると、好ましい。
【0017】前記有機ケイ素化合物が、下記式(a)で
表されるシリケート類またはシロキサン類、および
(b)で表されるシラン化合物から選ばれる少なくとも
1種であると、好ましい。
【0018】
【化3】
【0019】〔式(a)中、R1 は、置換または非置換
のアルキル基、アリル基またはアリール基であり、nは
12以下の整数である〕
【0020】
【化4】
【0021】〔式(b)中、R2 は、置換または非置換
のアルキル基、アリル基、アリール基、ビニル基、γ−
クロルプロピル基、γ−アミノプロピル基、γ−(2−
アミノエチル)アミノプロピル基、γ−メルカプトプロ
ピル基、γ−グリシドキシプロピル基、β−(3,4−
エポキシシクロヘキシル)エチル基、またはγ−メタク
リルオキシプロピル基であり、また、R3 は、置換また
は非置換のアルキル基またはアリール基であり、nは1
または2である〕
【0022】以下、本発明のプレス加工性およびスポッ
ト溶接性、耐食性に優れた潤滑樹脂処理金属板(以下、
「本発明の処理金属板」という)について詳細に説明す
る。
【0023】本発明の処理金属板は、金属板の少なくと
も一方の面に、乾式シリカを含むクロメート皮膜と、該
クロメート皮膜の上に形成された樹脂皮膜とを有するも
のである。本発明の処理金属板において、クロメート皮
膜および樹脂皮膜は、金属板の片面にのみ形成されてい
てもよいし、金属板の両面に形成されていもよい。
【0024】本発明の処理金属板の素材である金属板
は、この種の潤滑樹脂処理金属板に使用されるものであ
ればよく、特に制限されない。特に、本発明は、亜鉛め
っき鋼板、亜鉛系めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼
板、アルミニウム合金めっき鋼板、アルミニウム板また
はアルミニウム合金板に適用すると好ましい。
【0025】本発明の処理金属板において、金属板上に
形成されるクロメート皮膜は、この種の潤滑樹脂処理金
属板に、通常形成される皮膜でよく、例えば、無水クロ
ム酸、クロム酸塩、重クロム酸等を主剤とする水溶液
や、該水溶液にコロイダルシリカ等を混合した処理液
を、金属板上に、常法にしたがって処理したクロム水和
酸化物主体の皮膜が挙げられる。
【0026】本発明において、このクロメート皮膜は、
乾式シリカを含有するものである。この乾式シリカとし
ては、通常の気相シリカ粉末(例えば、アエロジル社
製)でよく、これを予め水分散させたものでもよい。こ
の乾式シリカは、粒径が1〜50nmであり、好ましく
は10〜30nmのものである。乾式シリカの粒径が1
nm以下であると、比表面積が過大となり、著しく凝集
しやすくなるため溶接性を劣化させるおそれがあり、5
0nm以上であるとクロメート皮膜強度が低下し、プレ
ス加工時にクロメート層の凝集破壊が起こる。
【0027】また、クロメート皮膜における乾式シリカ
/クロムの重量比は、0.1〜5.0であり、好ましく
は1.0〜3.0である。クロメート皮膜における乾式
シリカ/クロムの重量比が0.1未満ではシリカが点在
するためのクロメートの不均一化を起こさず、溶接性が
劣化するためであり、5.0を超えるとシリカがクロメ
ートに保持されず、プレス加工時に容易に皮膜破壊を起
こすためである。
【0028】本発明の処理金属板において、クロメート
皮膜の付着量は金属Cr換算で、片面あたり10〜20
0mg/m2 、好ましくは30〜100mg/m2 であ
る。クロメート皮膜の付着量が10mg/m2 未満で
は、金属板と樹脂皮膜との密着性が不充分であり、プレ
ス加工時に樹脂皮膜が剥離してプレス成形性が低下する
ばかりでなく、十分な耐食性を得ることができない。逆
に、クロメート皮膜の付着量が200mg/m2 を超え
ると、それ以上の耐食性を得られないばかりか、表面外
観の低下を招き、曲げ加工やプレス成形等の鋼板の変形
を伴う加工を施された際に、クロメート皮膜の凝集破壊
がおこり、樹脂組成物層の密着性が劣化してプレス成形
性やプレス加工部耐食性が劣化する。その上、溶接性も
絶縁皮膜であるクロメート皮膜の付着量増加とともに劣
化する。
【0029】本発明の処理金属板は、前記のクロメート
皮膜の上に、さらに(A)水酸基、イソシアネート基、
カルボキシル基、グリシジル基およびアミノ基から選ば
れる少なくとも1種の官能基を有する樹脂、(B)有機
ケイ素化合物および(C)ポリエチレン系ワックスを必
須成分とする樹脂混合物からなる樹脂皮膜を有するもの
である。
【0030】樹脂皮膜を構成する樹脂混合物の(A)成
分であるベース樹脂は、水酸基、イソシアネート基、カ
ルボキシル基、グリシジル基およびアミノ基から選ばれ
る少なくとも1種の官能基を含有する樹脂であり、場合
により有機溶剤に可溶なもの、または水に溶解または分
散可能なものが好適である。このベース樹脂として、例
えば、アクリル系共重合体、ウレタン樹脂、ポリエステ
ル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、脂肪酸もしくは
多塩基酸変性ポリブタジエン樹脂、メチロール基導入フ
ェノール樹脂、アルカノールアミン変性ポリウレタン樹
脂、ポリアミン樹脂、アミノ樹脂、ポリカルボン酸樹
脂、ポリビニルアセタール類等が挙げられ、これらは1
種単独でも2種以上を組み合わせても用いられる。これ
らの中でも、分子内に水酸基を含有する樹脂が好まし
く、特に、アクリル系共重合体、ウレタン樹脂、ポリエ
ステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアセタール類が
好適である。
【0031】また、樹脂混合物の(B)成分である有機
ケイ素化合物は、下記式(a):
【0032】
【化5】
【0033】で表されるシリケート類またはシロキサン
類、および下記式(b):
【0034】
【化6】
【0035】で表されるシラン化合物から選ばれる少な
くとも1種である。式(a)において、R1 は置換また
は非置換のアルキル基、アリル基またはアリール基であ
り、nは12以下の整数である。アルキル基としては、
例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げら
れ、アリール基としては、例えば、フェニル基、ベンジ
ル基、フェネチル基等が挙げられる。また、R1 が置換
基を有する場合、その置換基として、例えば、メチル
基、エチル基、水酸基等が挙げられる。
【0036】また、式(b)中、R2 は、R2 は、置換
または非置換のアルキル基、アリル基、アリール基、ビ
ニル基、γ−クロルプロピル基、γ−アミノプロピル
基、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピル基、γ−
メルカプトプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、ま
たはγ−メタクリルオキシプロピル基であり、また、R
3 は、置換または非置換のアルキル基またはアリール基
であり、nは1または2である。アルキル基としては、
例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げら
れ、アリール基としては、例えば、フェニル基、ベンジ
ル基、フェネチル等が挙げられる。また、R 2 もしくは
3 が置換基を有する場合、その置換基として、例え
ば、メチル基、エチル基、水酸基等が挙げられる。
【0037】前記式(a)で表されるシリケート類また
はシロキサン類の代表例としては、メチルオルトシリケ
ート、エチルオルトシリケート、n−プロピルオルトシ
リケート、n−ブチルオルトシリケート、n−オクチル
オルトシリケート、フェニルオルトシリケート、ベンジ
ルオルトシリケート、フェネチルオルトシリケート、ア
リル(Allyl)オルトシリケート、メタアリルオル
トシリケート等あるいはそれらのシリケート類の脱水縮
合によって生成するシロキサン類が挙げられる。
【0038】また、前記式(b)で表されるシラン化合
物の代表例としては、ジビニルジエトキシシラン、ジビ
ニル−ジ−(β−メトキシエトキシ)シラン、ジ(γ−
グリシドキシプロピル)、ジメトキシシラン、メチルト
リエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル
トリス−β−メトキシエトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシ
プロピルトリメトキシシラン、β−(3、4−エポキシ
シクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0039】本発明において、樹脂混合物の必須成分で
ある(B)有機ケイ素化合物として、前記式(a)で表
されるシリケート類またはシロキサン類、もくしは式
(b)で表されるシラン化合物の中でも、シリケート類
またはシラン化合物が、分子量が小さく、シリカに比べ
て熱分解し易く、溶接性の改善について好適である。
【0040】樹脂混合物中の(B)有機ケイ素化合物の
含有割合は、(A)成分であるベース樹脂100重量部
に対して、5〜80重量部の割合であり、好ましくは1
0〜40重量部の割合である。この有機ケイ素化合物の
含有割合が、ベース樹脂100重量部に対して、5重量
部未満であると、本発明の処理金属板の耐食性および加
工部耐食性が劣る。また、80重量部を超えると、プレ
ス成形時にパウダリングを生じ易くなり、本発明の処理
金属板の潤滑性が低下するとともに、溶接性も劣化す
る。
【0041】さらに、樹脂混合物の(C)成分であるポ
リエチレン系ワックスは、融点が70〜150℃、好ま
しくは90〜130℃であるものである。ポリエチレン
系ワックスが融点が70℃未満のものであると、プレス
加工において金型が昇温したときにワックスが融解し、
その溶融粘度が大幅に低下するため、金型と金属板との
金属接触が生じ、摩擦係数が低下するおそれがある。ポ
リエチレン系ワックスの融点が150℃を超えるもので
あると、硬度は十分であるが、樹脂皮膜の弾性率が高い
ため柔軟性が不足し、潤滑剤の添加による摩擦係数低減
効果が少なくなる。
【0042】また、このポリエチレン系ワックスは、平
均粒径が1〜7μmであるものが好ましく、平均粒径が
2〜5μmのものが特に好ましい。平均粒径が1μm未
満のポリエチレン系ワックスを使用すると、樹脂皮膜が
ワックスを被覆してしまい、潤滑剤としての効果が薄
れ、平均粒径が7μmを超えるポリエチレン系ワックス
を使用すると、ワックスの皮膜からの脱離が多くなる。
【0043】樹脂混合物中の(C)ポリエチレン系ワッ
クスの含有割合は、(A)成分であるベース樹脂100
重量部に対して、1〜40重量部の割合であり、好まし
くは5〜20重量部の割合である。このポリエチレン系
ワックスの含有割合が、ベース樹脂100重量部に対し
て、1重量部未満では、潤滑性向上への寄与が少なく、
プレス加工性に劣り、40重量部を超えると樹脂皮膜強
度が低下し、プレス加工品の外観が低下する。
【0044】また、本発明において、樹脂混合物は、前
記(A)、(B)および(C)成分以外に、必要に応じ
て、本発明の効果を損なわない範囲で、各種の成分を含
有していてもよい。特に、本発明で用いる樹脂混合物
は、酸性の触媒あるいは酸性の触媒作用をする物質を含
有しないことが望ましい。酸触媒等が存在すると、有機
ケイ素化合物とベース樹脂が反応して、有機ケイ素化合
物とベース樹脂との間で緻密な架橋皮膜を形成したり、
また、有機ケイ素化合物自体がベース樹脂の分子中に取
り込まれてしまうこともあり、溶接性が低下してしまう
おそれがある。樹脂混合物中に酸触媒を添加しない場合
には、樹脂成分が互いに結合することなく独立して存在
する混合物を形成しているため、溶接性が向上する。
【0045】さらに、本発明において、樹脂混合物は、
ガラス転移温度(Tg)が0〜90℃、好ましくは30
〜80℃のものである。Tgが0℃未満の場合、樹脂皮
膜の摩耗度が高く金型と金属板の金属接触が起り、潤滑
性が低下する。Tgが90℃を超えると、樹脂皮膜の摩
耗度は低くなるが、プレス成形時に樹脂皮膜の柔軟性が
低下し、やはり潤滑性に劣る。
【0046】さらにまた、本発明の処理金属板におい
て、前記樹脂混合物からなる樹脂皮膜の付着量は、片面
あたり0.1〜2.0g/m2 であり、好ましくは0.
5〜1.5g/m2 である。樹脂皮膜の付着量が0.1
g/m2 未満では、処理金属板表面の凹凸が埋め切れ
ず、耐食性およびプレス性の向上効果が小さい。また、
樹脂皮膜の付着量が2.0g/m2 を超えると、耐食性
は向上するが、溶接性が低下する。
【0047】本発明の処理金属板の製造は、金属板の表
面にクロメート処理を施して所定のクロメート皮膜を形
成した後、樹脂皮膜を形成する工程にしたがって行うこ
とができる。金属板上に施すクロメート処理は、公知の
通常の処理方法に従えばよく、例えば、無水クロム酸、
クロム酸塩、重クロム酸等を主剤とした水溶液中で、浸
漬クロメート処理、電解クロメート処理を行う方法、ま
た、上記水溶液にコロイダルシリカ等を混合した処理液
を金属板上に塗布する塗布型クロメート処理を行う方法
によって、クロム水和物を主体とする皮膜を形成させる
ことができる。まだ、金属板をクロメート処理液で処理
した後、フラットゴムロール等で絞る工程や、熱風乾燥
等の乾燥工程を経て、クロメート皮膜が金属板表面に形
成される。
【0048】また、樹脂皮膜の形成は、前記(A)、
(B)および(C)成分、ならびに必要に応じて配合さ
れる各種の成分を所定量用意し、それらを混合・分散さ
せて物理的に均一にすることによって樹脂混合物を調製
した後、この樹脂混合物をクローメト皮膜の上に、所定
の付着量となるように塗布して、乾燥する方法によって
行うことができる。樹脂混合物の塗布は、ロール塗布、
スプレー塗布、浸漬塗布、ハケ塗り等の常法にしたがっ
て行うことができ、特に制限されない。また、乾燥は、
通常、50〜180℃で、3〜90秒間加熱することに
よって行うことができる。
【0049】
【作用】ところで、樹脂被膜鋼板のスポット溶接時、最
も問題となるのはその初期通電点の確保であり、絶縁物
の分解もしくは排除が早期に行われる材料ほど電極に与
える熱負荷が少なく、連続溶接性に優れることが知られ
ている。これに対して、一般に、クロメート皮膜は均一
な厚みをもった層であり、添加剤が水溶性(例えばリン
酸イオン、金属イオン、湿式シリカ等)であった場合は
添加剤添加後も均一な層である。ところが、乾式シリカ
を添加すると、シリカは粒径を保ったまま不均一に分布
し、その間隙に入り込む形となり、クロメート皮膜も乾
式シリカの分布にしたがって、不均一に分布することが
判明した。そこで、本発明においては、乾式シリカをク
ロメート皮膜に含有させて、不均一な皮膜を形成させ、
この不均一な皮膜によって、有効に初期通電点を確保さ
せ、溶接性を向上せしめることができ、また、乾式シリ
カの添加は、耐食性、上塗り塗膜との密着性向上にも寄
与すると考えられる。
【0050】また、一般に、本発明のごとく表面に有機
樹脂皮膜を有する金属板においては、耐食性を向上させ
る手段として、シリカ(SiO2 )を樹脂皮膜に配合す
ることが行われる。そのシリカとして、通常、コロイダ
ルシリカ、例えば、スノーテックス−Oやスノーテック
ス−N(いずれも日産化学社製)やオルガノシリカゾ
ル、例えば、エチルセロソルブシリカゾル(日産化学社
製)を用いる場合が多い。しかし、これらのいずれを用
いても溶接性の劣化が著しい。これは、上記シリカは不
導体の無機重合体であり、しかも結合エネルギーが高い
ため、溶接時の昇温によって熱分解し難いことか原因と
考えられる。また、シリカでなく、アルキルシリケート
を用いた場合も、樹脂とアルキルシリケートが化学結合
し、緻密な無機有機重合体を形成し、溶接時に樹脂皮膜
が熱分解し難い上、溶接チップ表面に熱分解された樹脂
にひきづられてシリコン系分解物が付着して、チップの
損耗を促進させ、その結果、連続スポット溶接性を低下
させると考えられる。
【0051】これに対して、本発明において、有機ケイ
素化合物として、前記式(a)で表されるシリケール類
またはシロキサン類、または式(b)で表されるシラン
化合物は、前記のシリカに比べて熱分解しやすく、かつ
樹脂と結合していないため、樹脂にひきずられてチップ
に付着することもなく、溶接性が劣化しにくいと考えら
れる。
【0052】さらに、一般に乾式潤滑剤としては、ポリ
オレフィン系ワックス、二硫化モリブデン、有機モリブ
デン、グラファイト、フッ化カーボン、金属石鹸、窒化
ホウ素、フッカ樹脂等が知られており、これらは軸受け
用潤滑剤として使用されたり、プラスチックや油グリー
ス等に添加して、潤滑性を向上させるために用いられて
いる。そこで、これらの潤滑剤を用いて潤滑性の優れた
潤滑樹脂処理金属板を得ることが考えられる。しかし、
高速プレス成形下(500mm/s)という摺動部の発
熱を伴う苛酷なプレス成形条件で、皮膜剥離を起こさず
連続成形可能な高度の潤滑性を有する樹脂処理鋼板を得
るためには、潤滑剤の種類(熱特性)、量、混合物のT
gが非常に重要となる。これらが適切に処方された潤滑
樹脂処理金属板では、金属板上の樹脂皮膜表面の潤滑剤
が金型との摩擦を低減し、樹脂皮膜の損傷が防止され、
連続成形性が向上すると考えられる。そこで、本発明に
おいては、潤滑剤とベース樹脂との組合わせについて鋭
意検討を行い、高速プレス成形が連続的に約1000個
実施される場合、金型温度は常温〜100℃の範囲の条
件となるが、最も可能性の高い条件は70℃である。一
方、ポリエチレン系ワックスは、その融点近傍で最も低
摩耗率を示し、摩擦係数も低い。そこで、本発明におい
ては、融点が70〜150℃の範囲のポリエチレン系ワ
ックスを使用することにより、本発明の目的を達成する
ことができると考えられる。
【0053】
【実施例】次に、実施例に基づいて、本発明をさらに具
体的に説明する。
【0054】(実施例および比較例)各例において、表
1に示す組合せで、下記1)に示す金属板に、下記の
2)〜6)に示す条件でクロメート皮膜および樹脂皮膜
の形成を行い、潤滑樹脂処理金属板の試験片No.1〜
49を製造した。
【0055】1)金属板の種類 A.電気亜鉛めっき鋼板 板厚0.8mm 亜鉛めっき付着量20g/m2 (片面あたり) B.電気亜鉛−ニッケルめっき鋼板 板厚0.8mm 亜鉛−ニッケルめっき付着量20g/m2 (片面あた
り) ニッケル含有量12% C.溶融亜鉛めっき鋼板 板厚0.8mm 亜鉛めっき付着量60g/m2 (片面あたり) D.亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板(Al含有率5
5%) 板厚0.8mm 亜鉛−アルミニウムめっき付着量60g/m2 (片面あ
たり) E.JIS 5182合金板 代表的な加工用アルミニウム合金板 板厚1.0mm
【0056】2)クロメート種類、処理 前記各金属板に、乾式シリカを所定量添加したCrO3
20g/l処理液をスプレー処理した後、フラットゴ
ムロールで絞り、熱風乾燥した。クロメート皮膜の付着
量は、スプレー処理時間を調整した。 <乾式シリカ> アエロジル社製アエロジルOX50〜300 日産化学社製スノーテックス・N(比較例)
【0057】3)樹脂皮膜処理 別表に示す組成の処理液をロール塗布により片面で乾燥
重量で所定の付着量となるよう塗布し、20秒後の到達
板温が150℃になるような条件で乾燥し、樹脂皮膜を
形成した。
【0058】4)有機樹脂の種類 エポキシ樹脂 油化シェルエポキシ社製 商品名:
エピコート1009 アルキッド樹脂 三井東圧化学社製 商品名:ユリ
ックス アクリル樹脂 三井東圧化学社製 商品名:アルマ
テックス749 ウレタン樹脂 三井東圧化学社製 商品名:オレス
ター ブチラール樹脂 電気化学工業社製 商品名:デン
カブチラール ポリエステル樹脂 三井東圧化学社製 商品名:アル
マテックスP645
【0059】5)有機ケイ素化合物の種類 日本コルコート化学(株)社製 商品名:エチルシリ
ケート40 信越化学工業(株)社製 商品名:KBM503 日産化学工業(株)社製 商品名:スノーテックス−
【0060】6)ポリオレフィンワックスの種類 三井石油化学工業(株)社製 商品名:三井ハイワック
【0061】得られた試験片No.1〜49について、
下記の方法にしたがって、プレス性、溶接性および耐食
性を評価または測定した。結果を表2に示す。 7)プレス性の試験方法と評価方法 表面処理後の試験片の加工性は、無塗油で径33mmφ
の高速高温ビード付き円筒絞り加工(加工速度500m
m/s)し、その加工限界であるしわ押え圧力(t)に
より評価した。またそのときの耐パウダリング性をダイ
スに付着した剥離粉をセロテープで採取し、その程度か
ら評価した。評価基準は以下に示す。 評価基準 1:ダイス付着なし 2:ダイス付着若干あり 3:ダイス付着やや多い 4:ダイス付着多い
【0062】8)溶接性試験 CF型(5mmφ)の電極を用いて通電サイクル10サ
イクル、加圧力:200kgf、電流:8.0kAで連
続打点試験を行い、ナゲット径が板厚のTの5√t以下
になる限界の打点数を求め、連続打点数とした。
【0063】9)耐食性試験 塩水噴霧試験(JIS Z−2371)をおこない、白
錆発生までに要する時間で表した。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】
【表4】
【0068】
【表5】
【0069】
【表6】
【0070】以上より明らかなように、本発明において
は、クロメート層に乾式シリカを所定量添加すること
で、クロメート層を不均一化させ、その結果、従来のも
のに比べて溶接性、加工性および耐食性に優れる潤滑樹
脂処理金属板が得られることがわかる。
【0071】
【発明の効果】本発明の潤滑樹脂処理金属板は、プレス
加工性、スポット溶接性および耐食性に優れ、特に、成
形開始初期はもちろん連続的に成形を行って金型が昇温
した状態においても良好なプレス成形性を発揮すること
ができるものである。そのため、本発明の潤滑樹脂処理
金属板は、自動車、家電製品、建材材料等の素材として
好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C23C 28/00 C23C 28/00 C

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属板の少なくとも一方の面に、粒径1〜
    50nmの乾式シリカを、乾式シリカ/クロムの重量比
    で0.1〜5.0含み、かつ片面あたりの付着量が金属
    Cr換算で10〜200mg/m2 のクロメート皮膜を
    有し、その上に、下記組成の樹脂混合物であって、かつ
    ガラス転移温度(Tg)が0〜90℃である樹脂混合物
    からなり、付着量が片面当たり0.1〜2.0g/m2
    である樹脂皮膜を有する、プレス加工性、スポット溶接
    性、および耐食性に優れた潤滑樹脂処理金属板。 <樹脂混合物の組成> (A)水酸基、イソシアネート基、カルボキシル基、グリシジル基およびアミ ノ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する樹脂 100重量部 (B)有機ケイ素化合物 5〜80重量部 (C)融点が70〜150℃のポリエチレン系ワックス 1〜40重量部
  2. 【請求項2】前記金属板が、亜鉛めっき鋼板、亜鉛系め
    っき鋼板、アルミニウムめっき鋼板、アルミニウム合金
    めっき鋼板、アルミニウム板またはアルミニウム合金板
    である請求項1に記載のプレス加工性、スポット溶接
    性、および耐食性に優れた潤滑樹脂処理金属板。
  3. 【請求項3】前記有機ケイ素化合物が、下記式(a)で
    表されるシリケート類またはシロキサン類、および
    (b)で表されるシラン化合物から選ばれる少なくとも
    1種である請求項1または2に記載のプレス加工性、ス
    ポット溶接性、および耐食性に優れた潤滑樹脂処理金属
    板。 【化1】 〔式(a)中、R1 は、置換または非置換のアルキル
    基、アリル基またはアリール基であり、nは12以下の
    整数である〕 【化2】 〔式(b)中、R2 は、置換または非置換のアルキル
    基、アリル基、アリール基、ビニル基、γ−クロルプロ
    ピル基、γ−アミノプロピル基、γ−(2−アミノエチ
    ル)アミノプロピル基、γ−メルカプトプロピル基、γ
    −グリシドキシプロピル基、β−(3,4−エポキシシ
    クロヘキシル)エチル基、またはγ−メタクリルオキシ
    プロピル基であり、また、R3 は、置換または非置換の
    アルキル基またはアリール基であり、nは1または2で
    ある〕
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998045114A1 (fr) * 1997-04-09 1998-10-15 Kawasaki Steel Corporation Plaque d'acier destinee a un reservoir de carburant tres resistant a la corrosion
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