JPH0659455B2 - 耐食性,溶接性に優れた潤滑性薄膜樹脂鋼板 - Google Patents

耐食性,溶接性に優れた潤滑性薄膜樹脂鋼板

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JPH0659455B2
JPH0659455B2 JP2212629A JP21262990A JPH0659455B2 JP H0659455 B2 JPH0659455 B2 JP H0659455B2 JP 2212629 A JP2212629 A JP 2212629A JP 21262990 A JP21262990 A JP 21262990A JP H0659455 B2 JPH0659455 B2 JP H0659455B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は、自動車,家電製品,建材製品等の素材とし
て適用されるところの、樹脂薄膜をコーティングした薄
膜樹脂鋼板に関するものである。
〈従来技術とその課題〉 一般に、自動車,家電製品,建材製品等の素材鋼板には
優れた耐食性,塗装密着性,溶接性等が必要とされてい
るが、近年、製品の高性能化傾向に伴ってその要求品質
レベルは一段と厳しいものとなってきている。
ところで、通常、上記用途に供する鋼板では耐食性改善
のために亜鉛又は亜鉛系合金メッキが施されるが、この
ようなメッキ鋼板でも無塗装のままで長時間放置すると
錆が発生するので、1次防錆のため更にクロメート処理
を施される場合が多い。しかしながら、一般のクロメー
ト処理では塩水噴霧試験で精々48時間程度の耐食性し
か確保できず、最終素材製品として十分な耐食性を有し
ているとは言えなかった。そこで、この問題を解決すべ
くシリカゾル等を添加した特殊な処理液を用いる塗布型
クロメート処理法が開発されたが、それでも適用環境が
厳しい場合の耐食性や塗装密着性が十分とは言えず、こ
れを適用したメッキ鋼板もやはり最終素材製品として十
分に満足できるものではなかった。
また、厳しい環境にも対処できるよう、リン酸塩処理を
施したメッキ鋼板に樹脂塗料を厚く(膜厚:数十ミクロン
程度に)コーティングする手段も検討されているが、こ
のような処理を施した鋼板は溶接が不可能である上、塗
料コストが嵩むと言う問題点があって採用が躊躇される
ものであった。
ところが、最近、亜鉛又は亜鉛系合金メッキ鋼板にクロ
メート処理を施し、更にその上に有機樹脂を薄くコーテ
ィングした薄膜樹脂鋼板が開発され(特公昭60-33192
号,特開昭64−8034号)、耐食性,塗装密着性が良好で
溶接も可能な表面処理鋼板として注目を浴びている。
一方、鋼板のプレス成形では一般に“潤滑油の塗布→プ
レス→脱脂”と言う工程が採られるが、近年になって
「潤滑油を使用しないプレス加工」に対するユーザーの
要望が日増しに強まる傾向を見せている。これは、潤滑
油の不使用や脱脂工程の省略がコストダウンを可能にす
ると言う理由によるだけでなく、潤滑油を使用しないこ
とによる作業環境の改善、更には脱脂液を使用しないこ
とによる大気環境の改善にもつながるからであった。従
って、潤滑油の使用なしに十分なプレス成形性を示すと
共に、耐食性や塗装密着性にも優れ、しかも溶接が可能
な表面処理鋼板に対する要求は、今後益々切実なものと
なってくることが予想される。
しかるに、耐食性,塗装密着性,溶接性の点から大きな
期待が持たれる前述の薄膜樹脂鋼板では、無塗油でのプ
レス加工は殆んど不可能であるか、或いはダイスでのカ
ジリが激しくて製品外観に問題を来たすばかりでなく、
加工後の耐食性が著しく劣化してしまうため、プレス成
形素材鋼板としてそれほど満足できるものではなかっ
た。
もっとも、プレス加工性向上のため高分子樹脂中に潤滑
剤を添加し、これをクロメート処理鋼板上に薄くコーテ
ィングした潤滑性薄膜樹脂鋼板も開発されている(特公
昭62−24505号,特公昭63−25032号,特開昭63−195282
号)。そして、確かにこの潤滑性薄膜樹脂鋼板は室温近
傍でのスピードが比較的遅いプレス加工の場合には非常
に良好な性能を発揮した。
しかしながら、実際のプレス作業では、プレススピード
が非常に速い上、連続してプレス成形が行われるため、
プレス型や成形鋼板(製品)の温度は相当に高い値となっ
てしまう。例えば、10段のトランスファープレスマシ
ンを使用して、絞り比:2.0の製品を2段でプレスした場
合には最終製品の温度が1000個成形した段階で80
℃程度まで上昇し、また絞り比:4.0の製品を3段でプレ
スした場合には500個成形した段階で製品温度が12
0℃にまで達した例もある。そして、このように成形鋼
板温度が非常に高くなる実際のプレス作業においては、
従来の薄膜樹脂鋼板では樹脂の軟化による鋼板と型との
メタルタッチが起こりやすく、樹脂剥離,メッキ剥離を
起こして樹脂が型に付着するため連続プレス成形性が悪
くなると言う問題のほか、樹脂剥離,メッキ剥離のため
に製品がかじられてしまい製品外観や加工後耐食性の悪
化を招くとの問題が十分に解決されていなかった。
このようなことから、本発明が目的としたのは、加工の
前後を通じて優れた耐食性を示すと共に、溶接も可能で
あり、しかも鋼板温度が高温となる実際のプレス作業で
潤滑油の使用なしに良好な連続プレス成形を実施でき
て、十分に満足できる加工後外観が得られる成形用耐食
鋼板を提供することであった。
〈課題を解決するための手段〉 本発明者等は、上記目的を達成すべく、特に亜鉛又は亜
鉛系合金メッキ鋼板にクロメート処理と薄い樹脂塗装を
施した前記“薄膜樹脂鋼板”の耐食性,塗塗密着性,溶
接性に注目し、その高温度下における加工性(潤滑性)の
改善策を求めて鋭意研究を重ねた結果、次のような知見
を得ることができた。即ち、 a) 薄膜樹脂鋼板の潤滑性改善には樹脂皮膜中への特定
の固形潤滑剤添加が不可欠であるが、その粒径の違いが
潤滑性に大きな影響を与え、この影響は高温下において
特に顕著に現れる。ところが、添加する固形潤滑剤の粒
径を特定の範囲に調整すると樹脂皮膜の高温下における
潤滑性能が極めて良好な領域で安定化するようになる。
b) 一方、高温下においても良好な潤滑性を維持するた
めには樹脂皮膜中へ添加する固形潤滑剤として融点の高
いものを選ぶのが好ましいが、高融点潤滑剤のみでは鋼
板の加工後外観に悪影響を与える。しかし、樹脂皮膜中
に高融点固形潤滑剤と低融点固形潤滑剤を共存させれ
ば、高温下での良好な潤滑性と十分に満足できる加工後
外観とを同時に確保することも可能である。
c) また、上記樹脂皮膜の下地としてのクロメート処理
皮膜も、樹脂皮膜の密着性改善効果を通じて鋼板の加工
性に少なからぬ影響を与えるが、良好な加工性を確保す
るには該クロメート処理皮膜の形成量も特定の範囲内と
なるように調整する必要がある。
c) そこで、亜鉛又は亜鉛系合金メッキ鋼板上に形成す
るクロメート処理皮膜の形成量を特定の範囲に調整する
と共に、その上にコーティングする有機樹脂の中へ添加
する固形潤滑剤の種別選定と粒径調整を適正に行うと、
実際のプレス作業において予想される120℃程度の温
度上昇が生じたとしても潤滑剤の使用なしに良好なプレ
ス成形を行うことが可能となり、環境への悪影響を懸念
することなく十分に満足できる品質の製品を低コストで
提供できるようになる。
本発明は、上記知見事項等に基づいてなされたもので、 「亜鉛又は亜鉛系合金メッキ鋼板上に、クロム付着量が
金属Cr換算で片面当り200mg/m2以下のクロメート皮
膜と、粒径が3〜100μmの結晶性固形潤滑剤を含む
塗布量:0.2〜4.0g/m2の樹脂被覆層とをこの順序で有し
て成ると共に、前記結晶性固形潤滑剤中において 1次分散粒子径:20μm以上, 融点:120℃以上 の高融点潤滑剤が潤滑剤全量の10重量%以上を占める
如くに薄膜樹脂鋼板を構成することにより、自動車,家
電製品,建材製品等の素材として好適な優れた耐食性,
塗装密着性,潤滑性,加工熱による昇温下でのプレス成
形性,加工後外観並びに加工後耐食性と、十分な溶接性
とを兼備せしめた点」 に特徴を有している。
本発明での対象素材たる亜鉛又は亜鉛系合金メッキ鋼板
としては、亜鉛メッキ鋼板,亜鉛-鉄合金メッキ鋼板,
亜鉛-ニッケル合金メッキ鋼板,亜鉛-マンガン合金メッ
キ鋼板,亜鉛-アルミ合金メッキ鋼板,亜鉛-コバルト-
クロム合金メッキ鋼板、或いはこれら任意の鋼板のメッ
キ成分にNi,Fe,Mn,Mo,Co,Al,Cr等の元素を1種又
は2種以上添加したものを挙げることができる。勿論、
上記メッキのうちの同種又は異種のものを2層以上施し
た複合メッキ鋼板(例えばFe含有量の異なるFe-Zn合金メ
ッキを2層以上施したメッキ鋼板等)であっても差し支
えない。ただ、これらのうち、特に耐食性の見地からは
亜鉛-ニッケル合金メッキ鋼板や亜鉛-マンガン合金メッ
キ鋼板が好ましく、また亜鉛-ニッケル合金メッキ鋼板
を使用する場合にはメッキ皮膜中のNi含有量を5〜20
重量%の範囲に、亜鉛-マンガン合金メッキ鋼板を使用
する場合にはメッキ皮膜中のMn含有量を30〜85重量
%の範囲にそれぞれ調整することが好ましい。
なお、これら亜鉛系メッキ鋼板を製造する際のメッキ手
段としては、電解法,溶融法,気相法等のうちの実施可
能な何れによっても良いことは言うまでもない。
上述の素材メッキ鋼板の表面には、耐食性向上と樹脂と
の密着性向上のためにクロメート皮膜が形成せしめられ
るが、その膜厚はクロム付着量として金属Cr換算で20
0mg/m2以下とする必要がある。なぜなら、クロム付着
量が200mg/m2を超えるとクロメート皮膜層内での凝
集破壊が起こって加工性が劣化する恐れがある上、溶接
性も劣化するためである。ただ、クロム付着量が10mg
/m2を下回るとクロメート皮膜の均一性に難ができがち
となるため、好ましくはクロム付着量を10〜200mg
/m2に調整するのが良い。なお、クロメート皮膜を形成
させるためのクロメート処理としては反応型,塗布型,
電解型等の何れの方法によっても構わないが、形成され
るクロメート皮膜中に6価のCr(Cr6+)が存在するように
図るのが望ましい。なぜなら、このCr6+はセルフヒーリ
ング効果を有しているため、加工等で鋼板に傷が付いた
場合でも腐食を抑制する作用を発揮するためである。
さて、本発明に係る複合鋼板は、素材メッキ鋼板上にク
ロメート処理を施して特定膜厚のクロメート皮膜を形成
させ、更にその上に潤滑性向上等のための有機複合樹脂
を薄膜にコーティングしたことを特徴としているが、こ
の有機複合樹脂はベース樹脂に特定の固形潤滑剤を含ん
で成る組成を有している。
ベース樹脂は、鋼板の耐食性,塗装密着性を向上させる
ほか、固形潤滑剤を強固に保持するために必要なもので
ある。このベース樹脂としては、例えばエポキシ基,カ
ルボキシル基,エステル基,アルデヒド基,水酸基,ア
ミノ基等の官能基の1種又は2種以上を側鎖及び/又は
主鎖に有する樹脂を挙げることができ、このような樹脂
としてアクリル樹脂,アルキド樹脂,ウレタン樹脂,エ
ポキシ樹脂,フェノール樹脂,アミノ樹脂,不飽和ポリ
エステル樹脂,ビニル樹脂等を例示できる。
また、固形潤滑剤は樹脂皮膜層の潤滑性を向上させるた
めに添加するが、有機系の結晶性固形潤滑剤が選ばれ、
例えばパラフィン系やポリオレフィン系のワックス、或
いはフッ素樹脂が好ましく、これらの内の1種又は2種
以上から成るものを選ぶのが良い。
即ち、固形潤滑剤として一般には (a) ワックス(パラフィンワックスのような天然ワッ
クスやポリエチレンワックス,ステアリン酸エステルの
ような合成ワックス等がある), (b) 層間の剪断強さが弱く、結晶層間が滑ることによ
って摩擦を低下させる層状固体潤滑剤(例えば黒鉛,二
硫化モリブデン,二硫化タングステン,窒化ホウ素,フ
ッ化黒鉛等がある), (c) 摩擦特性が良く、低い摩擦係数値を有するプラス
チック(例えばテフロンと言う商品名で呼ばれているフ
ッ素樹脂やナイロン,ポリエチレン,塩化ビニル等があ
る), (d) 金属表面の境界潤滑に効果的に作用する金属せっ
けん(ステアリン酸ナトリウム,ステアリン酸カルシウ
ム等がある), 等の数多くのものが知られているが、前記ベース樹脂中
へ混入してクロメート処理鋼板表面に塗布する場合、特
にワックス或いはプラスチックのような有機系の結晶性
固形潤滑剤を採用することによって初めて「皮膜中に均
一に分散し、かつ加工後の外観・加工後の耐食性に優れ
る」と言う所望の効果がもたらされる。これは、有機系
の結晶性固形潤滑剤は他のもの比べて柔らかく、ベース
樹脂となじみやすいことによるものと推測される。これ
に対して、例えば黒鉛,二硫化モリブデン等の層状固形
潤滑剤は良好な加工性を示しはするが、結晶が硬い上、
ベース樹脂中に保持されにくくて鋼板とプレス型との摺
動により潤滑剤が剥離を起こしやすく、この潤滑剤が鋼
板のメッキ表面にキズを入れかじってしまうために、加
工後外観に劣ると言う問題を生じる。また、ステアリン
酸カルシウムのような金属石けんも、同様の理由で加工
後外観に問題が生じて不適当である。
ここで、樹脂皮膜層が高温下でも良好な潤滑性(低い動
摩擦係数値)を保持するためには、潤滑剤の粒径及び融
点が非常に重要となる。
つまり、本発明に係る薄膜樹脂鋼板では樹脂膜厚が薄い
ので、潤滑剤が均一に分散すれば鋼板表面にかなり微細
な凹凸が形成される。このため、該樹脂層は潤滑剤自身
が持つ摩擦係数よりも低い摩擦係数値を有することとな
る。このように、鋼板表面状態が潤滑性に大きな影響を
及ぼすが、固形潤滑剤の粒径が3μm未満であると樹脂
皮膜層が潤滑剤をカバーしてしまって鋼板表面に微細な
凹凸が形成されなくなり、そのため潤滑剤を添加した効
果が殆んど認められなくなる。一方、潤滑剤の粒径が1
00μmを超えると樹脂が潤滑剤を保持できなくなって
潤滑剤の剥離が起きることから、やはり良好な潤滑性が
得られなくなる。従って、固形潤滑剤の粒径を3〜10
0μmと限定した。
また、固形潤滑剤の融点も樹脂皮膜層の潤滑性に影響を
及ぼすが、高温下でも所望の潤滑性を発揮させるために
は、融点が120℃以上のものを固形潤滑剤全量に対し
て少なくとも10重量%以上含んでいなければならな
い。そして、この場合、融点120℃以上の固形潤滑剤
は粒径が20μm以上でないとその性能を十分に引き出
すことができない。
即ち、実際のプレス作業においては、加工が進むにつれ
て素材鋼板は加工熱にて常温から120℃程度まで温度
上昇する。従って、120℃と言う高温下でも樹脂皮膜
層が良好な潤滑性を維持するためには、潤滑剤が120
℃でも溶解しないで鋼板表面(樹脂層表面)に或る程度の
微細な凹凸を保っておくことが重要となる。本発明者等
は、このためには全固形潤滑剤中に融点が120℃以上
でかつ粒径が20μm以上のものを配合するのが有効で
あることを種々の研究によって見出し、本発明を完成す
るに至ったのである。
ただ、非常に融点の高い有機系固形潤滑剤は一般に常温
付近での硬度も高いため、プレス加工初期に型との摺動
で固形潤滑剤の剥離を起こしやすく、加工外観を劣化さ
せると言う問題が生じがちである。そのため、融点が非
常に高い固形潤滑剤だけを使用することは好ましくな
い。従って、樹脂皮膜層に常温から120℃までの温度
範囲で良好な潤滑性,動摩擦係数を発揮させるために
は、固形潤滑剤として“融点が120℃以上の高融点潤
滑剤”と“融点が120℃未満の低融点潤滑剤”を組み
合わせることが好ましい。但し、低融点固形潤滑剤を多
量に使用すると、プレス加工段階で鋼板温度が融点以上
になり固形潤滑剤が溶融して鋼板や型に付着していくた
め、連続プレス成形性が劣化すると言う問題を生じる。
そこで、固形潤滑剤の全量中に“融点が120℃以上の
高融点固形潤滑剤”が占める割合が重量比で10%以
上、好ましくは10〜90%となるように成分調整する
のが良い。
また、ベース樹脂への固形潤滑剤の添加量としては 有機高分子(ベース樹脂):固形潤滑剤 =〔1:0.02〕〜〔1:0.4〕 の範囲が好ましい。この理由は ベース樹脂:固形潤滑剤=1:0.02 の比率よりも潤滑剤添加量が少ないと十分な潤滑性を得
ることができず、一方、 ベース樹脂:固形潤滑剤=1:0.4 の比率よりも潤滑剤添加量が多いとベース樹脂が潤滑剤
を保持できなくなり、加工時の型との摺動で潤滑剤の剥
離を起こしやすくなって潤滑性が劣化するからである。
また、潤滑剤の添加量を多くすることは塗装密着性を劣
化させると言う問題も引き起こす。
更に、樹脂皮膜層の潤滑性に関しては、該樹脂層のガラ
ス転移点Tg(樹脂がガラス状態からゴム状態へ変化する
温度)も少なからぬ影響を与え、Tgがプレス温度から大
きく離れる条件の場合には良好な潤滑性が発揮されない
恐れがある。つまり、薄膜樹脂鋼板が120℃程度にま
で温度が上昇するような苛酷な実プレス作業においても
なお良好な潤滑性を示し、連続プレス成形が可能な状態
を維持するためには、高温下であっても小さな摩擦係数
値を有していることが必要であり、具体的には120℃
程度の温度下で0.15以下の摩擦係数値でないと十分とは
言えない。
この高温下における摩擦係数値には樹脂被覆層の熱特性
が影響し、特に樹脂がガラス状態からゴム状態へ移る
“ガラス転移点(Tg)”が重要であって、このTg近傍では
潤滑性が非常に良好となり小さな動摩擦係数値を示す。
そして、多くの実験結果から、〔Tg±30℃〕の温度範
囲では殆んど動摩擦係数値に変化が認められず、この範
囲であれば極めて良好な潤滑性を示すことが確認され
た。しかし、〔Tg+30℃〕を超える温度になると樹脂
が軟化して完全にゴム状態或いは流動状態となり、ブレ
ス型とメッキ層とのメタルタッチが起こりやすくなって
かじりを生じ動摩擦係数値が急激に上昇する。また、こ
のように樹脂がゴム状態或いは流動状態になった場合に
は固形潤滑剤の保持も困難となり、潤滑剤による潤滑効
果が期待できなくなってくる。一方、〔Tg−30℃〕を
下回る温度では樹脂が完全にガラス状態となっており、
樹脂がプレス型に接触すると徐々に削られる現象を起こ
すのでやはり動摩擦係数値は上昇する。もっとも、この
場合には潤滑剤が強固に保持され、鋼板表面に微細な凹
凸を形成しているため、動摩擦係数値の上昇は防止でき
る。
従って、120℃まで被加工材温度が上昇するような苛
酷なプレス条件下でも良好な潤滑性を保持するために
は、被覆する樹脂としてTgが20〜120℃のものを選
択することが望ましいと言える。即ち、Tgが20℃を下
回る樹脂では、いくら良好な潤滑剤を使用しても120
℃の高温下では高融点固形潤滑剤も保持できなくなり、
潤滑効果が認められなくなる。一方、Tgが120℃を超
える場合には、平板での潤滑性は潤滑剤を選択すれば良
好となるものの、樹脂皮膜が非常に硬いために塗膜の内
部応力が高く、加工を行うと型とのこすれによる外観不
良を生じたり、樹脂層中にクラックが入って耐食性を劣
化する等の問題が懸念されるようになる。
ところで、薄膜樹脂鋼板の樹脂層中へ固形潤滑の他にシ
リカを添加することは、鋼板の耐食性を更に向上させる
上で非常に好ましいことである。
シリカとしては、水分散性のコロイダルシリカ(例えば
酸性側で安定化したスノーテックス-Oやスノーテック
ス-OL,或いは塩基性側で安定化したスノーテックス-
N〔何れも日産化学工業(株)の商品名〕等)や有機溶
剤中にコロイド状に分散させたオルガノシリカゾル(例
えばメタノールシリカゾルやn-ブタノールシリカゾル
等)が適用でき、また粉末タイプの乾式シリカ(例えばデ
グサ社の商品名AEROSIL等)も使用できる。この
ようなシリカの粒径としては、樹脂中に均一に分散させ
るために5〜100mμに調整するのが適当である。
このシリカは、シリカ表面にある水酸基(シラノール
基)がベース樹脂と反応して、或いはシランカップリン
グ剤{γ-アミノプロピルトリエトキシシラン,ビニル
トリエトキシシラン,γ-グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン,γ-メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン,ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン
等}を用いてシリカ粒子表面を変性させることによりベ
ース樹脂と反応させることで、更なる耐食性向上効果を
発揮する。また、シリカはベース樹脂と反応して有機-
無機複合樹脂を形成するが、これを通じて樹脂の硬度,
ガラス転移点(Tg)を上昇させる効果も奏する。
なお、樹脂中へのシリカの添加量は 有機高分子(ベース樹脂):シリカ =〔1:0.05〕〜〔1:1〕 の範囲とするのが好ましく、シリカ添加量が ベース樹脂:シリカ=1:0.05 の比率以上になると耐食性向上効果が顕著となって、近
年ユーザーから要求されるようになった最終製品(例え
ば絞り比:2.0の円筒絞り品)での耐食性が塩水噴霧20
0hr以上と言った性能を安定して満足するようになる。
しかしシリカ添加量が ベース樹脂:シリカ=1:1 の比率を超えて多くなると形成される有機-無機複合樹
脂皮膜は透水性が大きくなって耐食性の劣化を招くほ
か、樹脂皮膜が非常に硬くかつ脆くなって加工時に剥離
しやすくなり、固形潤滑剤を添加しても十分な潤滑性が
得られなくなる恐れが出てくる。
ここで、樹脂-シリカの反応性を高め、シリカの分散性
を向上させるために前述した如くシランカップリング剤
等の反応促進剤を共に添加したり、固形潤滑剤の樹脂液
中での分散性を上げるために界面活性剤等の安定剤や分
散剤をベース樹脂に添加することは、塗工性や製品性能
の安定化につながるので好ましいことである。また、樹
脂皮膜の架橋密度を向上させて不膜の硬度やTgを上げ、
耐食性,潤滑性の向上を図るため、クロム酸,アンモニ
ア等の架橋促進触媒を添加することも好ましい手立てで
ある。特に、クロム酸の添加は、Cr6+の持つセルフヒー
リング効果によって加工後耐食性の向上が期待できるの
で非常に望ましい。なお、クロム酸の添加量としては、
皮膜乾燥重量当り30%以下であることが好ましく、これ
よりも多く添加すると樹脂薬液中の安定性が悪くなると
同時に、未反応のクロム酸が溶出して逆に耐食性が劣化
する懸念が出てくる。
このように、ベース樹脂,固体潤滑剤,シリカ等を均一
に分散させた樹脂をメッキ鋼板上に薄くコーティングす
るに当り、形成する樹脂被覆層の厚さは塗布量で0.2〜
4.0g/m2に調整すべきである。なぜなら、該樹脂被覆層
の塗布量が 0.2g/m2未満であるとメッキ鋼板を全面コー
ティングすることが困難であり、また加工によってメッ
キ層とプレス型とのメタルタッチを防止するだけの十分
な膜厚が確保できないので潤滑性,加工後外観,加工後
耐食性が劣化する。一方、4.0g/m2を超える塗布量とし
た場合には、耐食性は向上し加工後外観も良好となる
が、樹脂層表層が固形潤滑剤で殆んど覆われるため、表
層の凹凸は大きくなるもののベース樹脂が固形潤滑剤を
保持できなくなって剥離を生じやすくなり、このための
潤滑低下や塗装密着性の劣化を招く。その上、絶縁皮膜
である樹脂層が厚くなるので溶接性が悪化して特に抵抗
溶接ができなくなると言う問題を引き起こす上、経済的
にも好ましくない。
なお、本発明に係る薄膜樹脂鋼板の製造に際し、各被覆
層の形成には公知の通常の寸法が十分採用でき、その処
理方法については特に規定されるものではない。また、
このような被覆層構造の形成は鋼板の両面であっても片
面のみであっても良く、使用目的に応じて決定すれば良
い。例えば、加工性の面からすると、片面に本発明に係
る皮膜構造を形成すると共に、他面を樹脂コーティング
しないか或いは潤滑剤を含んでいない樹脂をコーティン
グし、鋼板の表裏間で潤滑性能を変えることが好まし
い。しかし、この場合には本発明に係る皮膜構造を形成
しなかった面の耐食性が悪くなるので、両面に良好な加
工後耐食性が求められるときには両面共に本発明に係る
皮膜構造を形成するのが良い。
続いて、本発明の効果を実施例によって更に具体的に説
明する。
〈実施例〉 実施例 1 第1表に示すメッキ鋼板を準備し、これら各メッキ鋼板
に、Cr3+/Cr6+=2/3となるように還元剤を添加したCr
O3:20g/を含むクロメート処理液(pH:1.8)をCr付
着量が250mg/m2以下となるように回転塗布し、最高
到達温度:100℃で20秒間オーブン乾燥した。
次いで、第2表に示す組成の樹脂,潤滑剤,シリカを均
一に分散させた樹脂液を、乾燥重量にて0.1〜5.0g/m2
塗布量範囲となるようにバーコーターで塗布し、第2表
に示す条件で焼付・乾燥した。
このようにして得られた樹脂被覆複合鋼板について、各
種温度における潤滑性,加工後外観,加工後耐食性,並
びに平板耐食性を調査したが、その結果を第3表に示
す。
なお、上記各特性の調査と評価は下記の手法によって行
った。
(A) 加工性 室温下において無塗油の試験片に下記条件の円筒絞りを
施し、その限界絞り比を求めた。その際、実用できるレ
ベルとしては、同一の材質の冷延鋼板に潤滑油を塗油し
た場合の限界絞り比が 2.3あるため、限界絞り比は2.3
以上と考えられる。
プレス条件 しわ抑え圧:1トン, ポンチ径:40mmφ, ダイス径:42mmφ, ブランク径:80〜100mmφ。
(B) 高温潤滑性 バウデン試験機(先端子:鋼球)を用い、無塗油で20
℃,60℃,120℃の試験片温度での動摩擦係数値を
測定した。なお、このとき加えた荷重は500gで、摺
動回数は10回とした。そして、評価結果は ◎:動摩擦係数が0.10未満, ○:動摩擦係数が0.10以上0.15未満, △:動摩擦係数が0.15以上0.20未満, ×:動摩擦係数が0.20以上, で表示した。
(C) 加工後外観 室温下において無塗油の試験片を下記試験条件で円筒絞
りし、その時の加工後外観を観察した。
プレス条件 しわ抑え圧:1トン,ポンチ径:40mmφ, ダイス径:42mmφ,絞り比:2.0。
そして、評価結果は ◎:カジリ無し, ○:カジリ僅かに有り, △:カジリやや多い, ×:カジリ多い, で表示した。
(D) 加工後耐食性 前記円筒絞り試験と同一条件で無塗油の試験片を加工
し、試験片の摺動部に温水が当たるように加工品を設置
して塩水噴霧試験(JISZ2371準拠)を行い、白錆発
生時間を観察した。
そして、評価結果は ◎:白錆発生時間500hr以上, ○:白錆発生時間200hr以上500hr未満, △:白錆発生時間100hr以上200hr未満, ×:白錆発生時間100hr未満。
で表示した。
(E) 平板耐食性 試験片を平板で塩水噴霧試験(JIS Z2371)に供し、白錆
発生時間を観察した。
そして、評価結果は ◎:白錆発生時間1000hr以上, ○:白錆発生時間500hr以上1000hr未満, △:白錆発生時間200hr以上500hr未満, ×:白錆発生時間200hr未満。
で表示した。
第3表に示される結果からも明らかなように、本発明に
係る薄膜樹脂鋼板は優れた加工性高温潤滑性と平板耐食
性を示し、かつ加工後外観及び加工後耐食性とも十分に
満足できるものであることが分かる。
実施例 2 第1表のAで示される電気Znメッキ鋼板を準備し、この
電気Znメッキ鋼板にCr3+/Cr6+=2/3となるように還元剤
を添加したCrO3:20g/を含むクロメート処理液(p
H:1.8)をCr付着量が80mg/m2以下となるように回転塗
布し、最高到達温度:100℃で20秒間オーブン乾燥
した。
次いで、ベース樹脂としてのアクリルエステル共重合
体,平均粒径が1〜110μmの範囲内での各種粒径で融点
の異なるポリエチレンワックスを組み合わせた固形潤滑
剤(配合比:0.10,全ワックス量に対する融点120℃以
上のポリエチレンワックス量:60重量%),シリカ分と
してのコロイダルシリカ(配合比:0.20)を均一に分散さ
せた樹脂液を、乾燥重量にて0.1〜5.0g/m2の塗布量範囲
となるようにバーコーターで塗布し、最高到達温度:1
00℃で10秒間焼付・乾燥した。なお、このとき形成
された樹脂層のTgは60℃であった。
このようにして得られた薄膜樹脂鋼板について、加工
性,高温における潤滑性,加工後外観,並びにスポット
溶接性を調査し、その結果を第1図乃至第6図に整理し
て示した。
なお、加工性については、実施例1におけると同様のプ
レス条件にて円筒絞りを行い、限界絞り比が2.3以上を
○,限界絞り比が2.3未満を×として表示した。高温に
おける潤滑性は実施例1と同様のバウデン試験により、
また加工後外観も実施例1と同様の円筒絞り試験によっ
てそれぞれ調査した。そして、スポット溶接性について
は 電極チップ…6φWR型, 溶接電流…9kA, 加圧力…200kgf, 通電時間…10サイクル, の条件にて試験片のスポット溶接を行い、 ○:溶接可能, ×:溶接不可能, の評価基準で評価した。
さて、第1図は、融点120℃以上のワックス(高融点
ワックス)粒径及びその配合量(配合比)と加工性との関
係を示したグラフである。なお、第1図における「高融
点ワックス比率」とは で表わされるものである。そして、この際のワックス全
量は0.12g/m2,樹脂被覆層へのワックス配合比は0.10
で、120℃未満のワックス(低融点ワックス)粒径は
25μmのものに、また樹脂膜厚は1.6g/m2に統一し
た。この第1図に示される結果からも、薄膜樹脂鋼板が
優れた加工性を発揮するには、高融点ワックスの粒径が
20μm以上で、その配合比率は10以上にする必要の
あることが確認できる。
第2図は、バウデン試験によって確かめられたワックス
粒子径と動摩擦係数との関係を示したものである。この
際における高融点ワックス粒径は35μmに、その配合
比を60%に、そして樹脂膜厚は 1.6g/m2に統一した。
この第2図に示される結果からも、本発明に係る薄膜樹
脂鋼板は優れた高温潤滑性を示すのに対して、融点が1
20℃未満の低融点ワックスの粒径が3μmを下回ると
潤滑性が急激に低下することが分かる。
第3図は、円筒絞り試験によって確かめられたワックス
平均粒子径と加工後外観との関係を示したものである。
この際における高融点ワックス粒径は35μmに、その
配合比を60%に、そして樹脂膜厚は1.6g/m2に統一し
た。この第3図に示される結果からも、本発明に係る薄
膜樹脂鋼板は加工後外観に優れるのに対して、低融点ワ
ックスの粒径が3〜100μmの範囲から外れると加工
後外観の悪化を招くことが分かる。
第4図は、バウデン試験によって確かめられた樹脂膜厚
と動摩擦係数との関係を示したものである。この際に用
いた固形潤滑剤は、粒径35μmの高融点ワックスを6
0%、粒径25μmの低融点ワックスを40%組み合わ
せたものに統一した。この第4図に示される結果から
も、本発明に係る薄膜樹脂鋼板は優れた高温潤滑性を示
すのに対して、樹脂膜厚が塗布量で0.2g/m2を下回ると
潤滑性が急激に低下することが分かる。
第5図は、円筒絞り試験によって確かめられた樹脂膜厚
と加工後外観との関係を示したものである。この際に用
いた固形潤滑剤は、粒径35μmの高融点ワックスを6
0%、粒径25μmの低融点ワックスを40%組み合わ
せたものに統一した。この第5図に示される結果から
も、本発明に係る薄膜樹脂鋼板は加工後外観に優れるの
に対し、樹脂膜厚が塗布量で0.2〜4.0g/m2の範囲から外
れると加工後外観の悪化を招くことが分かる。
第6図は、スポット溶接試験によって確かめられた樹脂
膜厚とスポット溶接性との関係を示したものである。こ
の際に用いた固形潤滑剤は、粒径35μmの高融点ワッ
クスを60%、粒径25μmの低融点ワックスを40%
組み合わせたものに統一した。この第5図に示される結
果からも、本発明に係る薄膜樹脂鋼板はスポット溶接が
可能であるのに対して、樹脂膜厚が塗布量で4.0g/m2
上回るとスポット溶接が不可能になることが分かる。
〈効果の総括〉 以上に説明した如く、この発明によれば、高温下でも良
好な潤滑性を発揮するためプレススピードを十分に速く
することができ、より苛酷なプレス条件においても良好
な連続プレス成形が潤滑油を使用することなく可能であ
る耐食性に優れた樹脂被覆複合鋼板が提供され、ユーザ
ーでのプレス油塗油工程や脱脂工程の省略,それによる
コスト低減,プレス油を使用しないための作業環境の向
上,脱脂液を使用しないための環境衛生改善等の便益が
享受できるようになるなど、、産業上極めて有用な効果
がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例で確認された高融点ワックス粒径及び
その配合比率と加工性との関係を示すグラフである。 第2図は、実施例で確認された固形潤滑剤粒径と高温下
での潤滑性との関係を示すグラフである。 第3図は、実施例で確認された固形潤滑剤粒径と加工後
外観との関係を示すグラフである。 第4図は、実施例で認識された樹脂被覆層厚と潤滑性と
の関係を示すグラフである。 第5図は、実施例で確認された樹脂被覆層厚と加工後外
観との関係を示すグラフである。 第6図は、実施例で確認された樹脂被覆層厚とスポット
溶接性との関係を示すグラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】亜鉛又は亜鉛系合金メッキ鋼板上に、クロ
    ム付着量が金属Cr換算で片面当り200mg/m2以下のク
    ロメート皮膜と、粒径が3〜100μmの結晶性固形潤
    滑剤を含む塗布量:0.2〜4.0g/m2の樹脂被覆層とをこの
    順序で有して成ると共に、前記結晶性固形潤滑剤中にお
    いて 1次分散粒子径:20μ以上, 融点:120℃以上 の高融点潤滑剤が潤滑剤全量の10重量%以上を占めて
    いることを特徴とする、潤滑性,耐食性,溶接性に優れ
    た薄膜樹脂鋼板。
  2. 【請求項2】前記樹脂被覆層が、乾燥重量比で 有機高分子:固形潤滑剤 =〔1:0.02〕〜〔1:0.4〕, 有機高分子:シリカ=〔1:0.05〕〜〔1:1〕の割合で
    固形潤滑剤及びシリカを含み、かつ20〜120℃のガ
    ラス転移点を有したものである、請求項1に記載の潤滑
    性,耐食性,溶接性に優れた薄膜樹脂鋼板。
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