JP2511497B2 - 成形性に優れた潤滑樹脂処理鋼板 - Google Patents

成形性に優れた潤滑樹脂処理鋼板

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JP2511497B2 JP63133515A JP13351588A JP2511497B2 JP 2511497 B2 JP2511497 B2 JP 2511497B2 JP 63133515 A JP63133515 A JP 63133515A JP 13351588 A JP13351588 A JP 13351588A JP 2511497 B2 JP2511497 B2 JP 2511497B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は自動車、家電、建材製品等に使用される表面
処理鋼板であって、成形性に優れた潤滑樹脂処理鋼板に
関する。
<従来の技術> 自動車、家電、建材製品等に使用される鋼板、特に亜
鉛または亜鉛系合金めっき鋼板のようなめっき鋼板は、
無塗装または塗装して使用するが、それまでに種々の工
程を通り、しかもその間に、かなり長時間にわたって無
塗装の状態でおかれる。そのため、その間に錆が発生し
たり、めっき鋼板表面に種々の物質が吸着、付着したり
して、塗料の密着性が悪くなるなどの問題がある。
従って、めっき鋼板が需要家で使用されるまでの一次
防錆処理として、クロメート処理が施される。しかし、
このクロメート処理の耐食性は、一般に、塩水噴霧試験
で高々24〜48時間程度であり、また、特殊クロメート処
理であるシリカゾルを添加した塗布型クロメート処理で
も、塩水噴霧試験で100〜200時間の耐食性しか得られな
い。従って、長期にわたって苛酷な腐食環境下で使用さ
れる製品では、耐食性が不十分である。
製品が苛酷な腐食環境下で使用される場合を考慮し
て、クロメート処理の代りにりん酸塩処理を施した後、
20μm厚程度の塗装を施し、腐食を防止する方法があ
る。しかるに、このような厚塗り塗装を施した場合に
は、鋼板にプレス加工等を施したとき、塗膜の剥離や亀
裂を生じ、その部分で局部的な耐食性の低下を生じる。
また、塗装板では、スポット溶接などの溶接が困難また
は不可能になるので、溶接部は予め塗膜の除去が必要に
なる。さらに、塗膜を厚くするほど多くの塗料を消費
し、コストアップを招く等の問題もある。
従って、塗料を用いることなく、それ自体優れた耐食
性を有する表面処理鋼板の開発が望まれている。
また、鋼板をプレス成形するに際しては、潤滑油を鋼
板表面に塗布するが、この作業は脱脂工程があるため、
加工時に潤滑油等を使用せずにプレス加工ができる表面
処理鋼板の開発も望まれている。
さらに、需要家が、従来の表面処理鋼板を用いて種々
の工程を経て製品を製造する場合、作業者のハンドリン
グなどにより、鋼板の表面に指紋等の汚れが付着し、商
品化値を著しく低下させることがある。従って、ハンド
リング時に、指紋等の汚れがつき難い表面処理鋼板の開
発も望まれている。
このような背景の下で、従来技術として、 (1)亜鉛系めっき鋼板上にクロメート被膜を有し、そ
の上に、複合リン酸アルミニウム、クロム系防錆顔料
と、潤滑剤としてポリオレフィンワックス、二硫化モリ
ブデン、シリコーンとを含有するウレタン変性エポキシ
樹脂層を1〜10g/m2有することを特徴とする耐食性およ
び潤滑性に優れた2層クロメート処理鋼板(特公昭62−
24505号公報)、 (2)亜鉛系めっき鋼板上にクロメート被膜を有し、そ
の上に、シリカ粉末、親水性ポリアミド樹脂および潤滑
剤としてポリエチレンワックスを含有するウレタン化エ
ポキシエステル樹脂層を0.3〜5μm有することを特徴
とするカチオン電着塗装性に優れた有機複合鋼板(特開
昭63−35798号公報)、 (3)γ層単層のみからなるニッケル含有亜鉛めっき鋼
板上にクロメート被膜を有し、その上に、導電顔料とし
てリン化鉄、潤滑剤としてポリオレフィン系化合物、カ
ルボン酸エステル系化合物、ポリアルキレングリコール
系化合物から選ばれた化合物と塗料用樹脂とを含有する
塗膜層を1〜20μm有することを特徴とする耐食性塗装
積層体(特開昭62−73938号公報) が開示されている。
(1)〜(3)のいずれもが、クロメート被膜上に、
潤滑剤としてポリオレフィン系化合物を含有する潤滑樹
脂被膜を有することを特徴とする、耐食性、潤滑性に優
れる2層型被膜処理鋼板である。
<発明が解決しようとする課題> 上記従来技術における2層型被膜処理鋼板の潤滑性
は、低速プレス成形(〜5mm/sec.)に対しては有効であ
るが、実プレスのような高速プレス成形(250mm/sec.程
度)における苛酷な成形条件では、プレス時に摺動面が
高温(70℃以上)になり、樹脂被膜層が剥離し易くな
り、樹脂剥離粉が金型、プレス成形品表面に付着し、連
続成形性および加工後の外観を損うという問題がある。
本発明は、上述した従来技術の欠点を解消し、高速プ
レス成形時において、連続成形性に優れる表面処理鋼
板、特に、プレス油なしで成形可能であり、ハンドリン
グ時に指紋等の汚れがつき難い表面処理鋼板を提供する
ことを目的とするものである。
<課題を解決するための手段> 前述した従来技術に見られるように、鋼板表面にクロ
メート処理後、潤滑性樹脂系被膜を形成させることによ
り、亜鉛または亜鉛合金めっき鋼板の耐食性、潤滑性を
向上させることができる。
本発明者らは、これらの従来技術の長所を生かしつ
つ、高速プレス成形下でも潤滑性が良好な有機樹脂被膜
を鋭意検討した結果、水酸基および/またはカルボキシ
ル基を有する樹脂中にシリカを含有させることにより、
耐食性が向上し、固形潤滑剤として、融点が70℃以上の
ポリオレフィンワックスを含有させ、あるいは、融点が
70℃未満のポリオレフィンワックスと融点が70℃以上の
ポリオレフィンワックスとを組み合せて含有させ、か
つ、該樹脂混合物または複合物のガラス転移温度(Tg)
を70℃以上にすることにより、高速プレス成形下で潤滑
性が良好な被膜が得られることを見い出し、本発明に至
った。
本発明は、亜鉛または亜鉛合金めっき鋼板上に、クロ
ム付着量が、金属クロム換算で、片面で200mg/m2以下の
クロメート被膜を両面に有し、その上に、下記組成の樹
脂混合物または複合物で、かつ、該樹脂混合物または複
合物のガラス転移温度(Tg)が70℃以上で、その付着量
が、片面で乾燥重量で0.3〜3g/m2である樹脂被膜を両面
に有することを特徴とする成形性に優れた潤滑樹脂処理
鋼板 樹脂混合物または複合物の組成 ・水酸基および/またはカルボキシル基を有する樹脂10
0重量部 ・シリカ 10〜80重量部 ・融点が70℃以上のポリオレフィンワックス20重量部以
下 を提供するものである。
また、本発明は、亜鉛または亜鉛合金めっき鋼板上
に、クロム付着量が、金属クロム換算で、片面で200mg/
m2以下のクロメート被膜を両面に有し、その上に、下記
組成の樹脂混合物または複合物で、かつ、該樹脂混合物
または複合物のガラス転移温度(Tg)が70℃以上で、そ
の付着量が片面で乾燥重量で0.3〜3g/m2である樹脂被膜
を両面に有することを特徴とする成形性に優れた潤滑樹
脂処理鋼板 樹脂混合物または複合物の組成 ・水酸基および/またはカルボキシル基を有する樹脂10
0重量部 ・シリカ 10〜80重量部 ・融点が70℃未満のポリオレフィンワックスおよび融点
が70℃以上のポリオレフィンワックス(ただし、前者は
全ポリオレフィンワックス量の70wt%以下)20重量部以
下 を提供するものである。
以下に、本発明の成形性に優れた潤滑樹脂処理鋼板に
ついて、詳細に説明する。
本発明で対象とする潤滑樹脂処理鋼板の素材として
は、電気亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛−ニッケルめっき鋼
板、溶融亜鉛めっき鋼板、5%アルミニウム−亜鉛溶融
めっき鋼板等の各種亜鉛系めっき鋼板を挙げることがで
きる。
亜鉛系めっき鋼板両面のクロメート被膜は、公知の通
常のクロメート被膜でよく、例えば、無水クロム酸、ク
ロム酸塩、重クロム酸等を主剤とした水溶液や、上記水
溶液にコロイダルシリカ等を混合した処理液を、亜鉛系
めっき鋼板上に、公知の通常の方法で処理したクロム水
和酸物主体の被膜である。
本発明の成形性に優れた潤滑樹脂処理鋼板は、前記の
クロメート被膜上に、次のような組成および付着量の有
機樹脂被膜を両面に有する。
即ち、水酸基および/またはカルボキシル基を有する
樹脂と、該樹脂100重量部に対し、シリカ10〜80重量部
と、固形潤滑剤として、融点が70℃以上のポリオレフィ
ンワックス、あるいは、融点が70℃未満のポリオレフィ
ンワックスと融点が70℃以上のポリオレフィンワックス
とを組み合せて20重量部以下含み、かつ、該樹脂混合物
または複合物のガラス転移温度(Tg)が70℃以上の樹脂
被膜であって、その付着量が、片面で乾燥重量で0.3〜
3.0g/m2の被膜である。
本発明の潤滑樹脂混合物または複合物に使用するベー
ス樹脂は、水酸基および/またはカルボキシル基を有す
る樹脂であるが、このような樹脂としては、エポキシ樹
脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェ
ノール樹脂、メラミン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂
等があげられる。
本発明におけるこれらの樹脂の有用性は、以下の点に
ある。
即ち、該潤滑樹脂処理鋼板は、耐食性を向上させるた
めに、シリカ−樹脂の無機有機複合被膜を形成させたも
のであるが、シリカ表面の水酸基と反応して高耐食性被
膜の形成が可能な活性基として、水酸基やカルボキシル
基が望ましいからである。
シリカは、該潤滑樹脂処理鋼板の耐食性を向上させる
ために配合するが、コロイダルシリカ、例えば、スノー
テックス−Oやスノーテックス−N(いずれも日産化学
社製)等や、オルガノシリカゾル、例えば、エチルセロ
ソルブシリカゾル(日産化学社製)等や、シリカ粉末、
例えば、気相シリカ粉末(アエロジル社製)等や、有機
シリケート、例えば、エチルシリケート等を用いるとよ
い。シリカ粉末の粒径は、シリカを均一に分散させるた
めに、5〜70nmであることが好ましい。
また、ベース樹脂とシリカの反応促進剤として、シラ
ンカップリング剤を用いてもかまわない。シランカップ
リング剤としては、γ−(2−アミノエチル)アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン等があげられる。
ベース樹脂中に、反応促進剤、安定剤、分散剤等の一
般的な添加剤を、本発明の趣旨を損わない範囲で適宜添
加することは差支えなく、むしろ好ましい。
次に、潤滑性付与剤について説明する。
一般に、乾式潤滑剤としては、ワックス、二硫化モリ
ブデン、有機モリブデン、グラファイト、フッ化カーボ
ン、金属セッケン、窒化ホウ素、フッ素樹脂等が知られ
ており、これらは、軸受け用潤滑剤として使用された
り、プラスチックや油、グリース等に添加して、潤滑性
を向上させるために用いられている。そこで、これらの
潤滑剤を用いて、潤滑性の優れた樹脂処理鋼板を得るた
めの検討を行った。
本発明のように、高速プレス成形下という摺動部の発
熱を伴う苛酷なプレス成形条件で、被膜剥離を起さず、
連続成形可能な高度の潤滑性を有する樹脂処理鋼板を得
るためには、摩擦係数が小さく融点の高い潤滑剤が、樹
脂被膜表面に、均一に存在する樹脂被膜が必要である。
そのような被膜で処理された鋼板では、鋼板上の樹脂被
膜表面の潤滑剤が金型との摩擦を低減し、樹脂被膜の損
傷が防止され、連続成形性が向上する。
このような目的に合った潤滑剤について鋭意検討した
結果、融点が高く、かつ、比重の小さい有機系潤滑剤が
有効であり、融点が70℃以上(以下高融点という)のポ
リオレフィンワックスが最適であることがわかった。
高速プレス成形時、摺動面は高温となる。この時、高
融点ポリオレフィンワックスは、潤滑剤として有効に働
く。
加えて、融点が70℃未満(以下低融点という)のポリ
オレフィンワックスを併用すると、潤滑性はさらに向上
することもわかった。その理由は以下の通りである。
高速プレス成形時、摺動面は高温になるので、高温で
潤滑剤として有効に働く高融点ポリオレフィンワックス
の添加が、潤滑性の向上に勿論有効であるが、成形初期
においては、板温は常温であり、常温において潤滑剤と
して有効に働く低融点ポリオレフィンワックスの添加が
望ましいからである。
このように、高融点タイプ、低融点タイプ2種類のポ
リオレフィンワックスを添加することにより、成形初期
には低融点ポリオレフィンワックスが、中期〜後期には
高融点ポリオレフィンワックスが有効に働き、潤滑性が
向上する。しかし、成形のごく初期において板温は上昇
する上、板温が常温であるようなごく初期の微小時間に
おいて、板が破断することはないと考えられるので、高
融点ポリオレフィンワックスのみを添加した場合でも、
十分な潤滑効果が得られる。
尚、低融点ポリオレフィンワックスの添加は、ベース
樹脂へのワックスの分散性の向上にも有効であると考え
られる。
ポリオレフィンワックスは、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリブテン等のオレフィン系炭化水素の重合体
から成るワックスであれば、いずれでもよい。
続いて、被膜付着量や配合成分の配合量等の数値限定
理由を述べる。
本発明では、クロメート被膜の付着量は、金属クロム
換算で、片面で200mg/m2以下とするのがよい。付着量が
200mg/m2を超えても、付着量の増加の割合に対し耐食性
の向上効果が少なく、また処理液の劣化が激しくなり、
表面外観が悪くなり、しかも被膜が厚くなることにより
プレス成形性が低下するからである。
また、本発明で用いる樹脂混合物または複合物中の配
合成分は、下記の割合で含まれていることが好ましい。
耐食性を向上させるためのシリカは、水酸基および/
またはカルボキシル基を有する樹脂100重量部に対し、1
0〜80重量部加えることが好ましい。10重量部未満で
は、耐食性向上効果が小さく、80重量部を超えると、被
膜硬度が高まり、成形時に型カジリを生じ、プレス成形
性を低下させる。
潤滑性付与剤のポリオレフィンワックスの添加量は、
水酸基および/またはカルボキシル基を有する樹脂100
重量部に対し、高融点タイプ単独、または、高融点タイ
プ、低融点タイプ併せて、20重量部以下が望ましい。20
重量部を超えると、樹脂被膜強度が低下し、潤滑性が低
下する。また、高融点タイプと低融点タイプの割合は、
低融点タイプが全ポリオレフィンワックス量の70wt%以
下であることが望ましい。前述したように、高速プレス
成形時には摺動面が高温となるため、低融点タイプの割
合が70wt%超になると、成形中期〜後期にワックスがベ
トつき、十分な潤滑性を得ることができなくなる。そし
て、プレス速度が50mm/sec.以下のような実プレスにそ
ぐわない成形速度で加工することが必要となるためであ
る。
以上に述べた成分を、以上に述べた割合で含有させ、
そのTgが70℃以上となるように、ベース樹脂等の必須成
分と、その他の添加剤を組合せることが好ましい。
Tgが70℃未満であると、高速プレス成形時の加工面の
昇温により、被膜が軟化、剥離し、剥離樹脂粉が金型に
堆積し、連続成形性を低下させる。また、加工後の製品
の外観も、著しく悪くなる。
さらに、このような潤滑樹脂被膜の付着量は、片面で
乾燥重量で0.3〜3.0g/m2とすることが好ましい。
付着量が0.3g/m2未満では、鋼板表面の凹凸を埋めき
れず、耐食性の向上効果が小さい。また、3g/m2を超え
ると、耐食性の向上効果はあるが、被膜が厚くなること
により、プレス成形性が低下し、耐パウダリング性が低
下し、かつ、経済的でないからである。
次に、本発明の成形性に優れた潤滑樹脂処理鋼板の製
造方法について、その一例を詳細に説明する。
本発明で対象とする潤滑樹脂処理鋼板の素材として
は、電気亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛−ニッケルめっき鋼
板、溶融亜鉛めっき鋼板、5%アルミニウム−亜鉛溶融
めっき鋼板等の各種亜鉛系めっき鋼板を挙げることがで
きる。
本発明の成形性に優れた潤滑樹脂処理鋼板の製造にあ
たり、亜鉛系めっき鋼板上に施すクロメート処理は、公
知の通常の処理方法に従えばよく、例えば、無水クロム
酸、クロム酸塩、重クロム酸等を主剤とした水溶液中
で、浸漬クロメート処理、電解クロメート処理を行なえ
ばよく、また、上記水溶液にコロイダルシリカ等を混合
した処理液を、亜鉛系めっき鋼板上に塗布する塗布型ク
ロメート処理等を行なって、クロム水和酸物を主体とす
る被膜を形成させてもよい。なお、亜鉛系めっき鋼板を
クロメート処理液で処理した後、フラットゴムロール等
で絞る工程や、熱風乾燥等の乾燥工程を経て、クロメー
ト被膜が鋼板両面に形成される。
続いて、前記のクロメート被膜上に、上述した樹脂混
合物または複合物からなる有機樹脂被膜を、以下の方法
で形成させる。
各配合成分を所定量用意し、それらを混合・分散させ
て、物理的に均一とする。次に、好ましくはシランカッ
プリング剤を加え、再び混合・分散させ、物理的に均一
な樹脂混合物または複合物とする。
前記樹脂混合物または複合物を、ロール塗布、スプレ
ー塗布、浸漬塗布、ハケ塗り等の公知の通常の方法によ
って、所定の厚さとなるように塗布し、通常80〜180℃
で、通常3〜90秒間乾燥させる。
このようにして、本発明の成形性に優れた潤滑樹脂処
理鋼板が製造される。
<実施例> 次に、本発明を実施例に基いて、さらに具体的に説明
する。
(本発明例) 下記条件下で、本発明の潤滑樹脂処理鋼板の試験片N
o.1〜17を作製した。
1)めっき鋼板の種類 A.電気亜鉛めっき鋼板 板厚0.8mm 亜鉛めっき付着量20g/m2 B.電気亜鉛−ニッケルめっき鋼板 板厚0.8mm 亜鉛−ニッケルめっき付着量20g/m2 ニッケル含有量12% C.溶融亜鉛めっき鋼板 板厚0.8mm 亜鉛めっき付着量60g/m2 2)クロメート処理 前記各めっき鋼板の両面に、CrO3 20g/、Na3AlF6
4g/なる組成のクロメート処理液をスプレー処理し
た後、フラットゴムロールで絞り、熱風乾燥した。クロ
メート被膜の付着量は、スプレー処理時間を調整して、
表1に示す値(片面当り200mg/m2以下)とした。
3)樹脂被膜処理 表1に示す組成の処理液を、ロール塗布により、片面
で乾燥重量で0.3〜3.0g/m2となるように両面に塗布し、
150℃で40秒間乾燥し、樹脂被膜を形成した。
(比較例) 前記各めっき鋼板に、本発明例と同様にクロメート処
理を施し、その上に、表1に示す組成の処理液を、表1
に示す付着量となるように塗布し、樹脂被膜を形成さ
せ、試験片No.18〜29を作製した。
(試験・評価方法) 1)潤滑性試験 無塗油の試験片を、エリクセンカップ絞り試験機で絞
り比を変えて加工し、その限界絞り比を求めた。また、
その時の耐パウダリング性を、ダイスに付着した剥離粉
をセロテープで採取し、その程度から評価した。
プレス条件 ・しわ押え圧 1トン ・ポンチ径 33mmφ ・ブランク径 59〜79mmφ ・絞り速度 5mm/sec.、500mm/sec. 評価基準 ◎:ダイス付着なし ○:ダイス付着若干あり △:ダイス付着やや多 ×:ダイス付着多 2)平板耐食性試験 塩水噴霧試験(JIS Z−2371)を行い、白錆発生まで
に要する時間で評価した。
3)加工後耐食性試験 無塗油の試験片を、エリクセンカップ絞り試験機で、
下記条件にて絞り加工を施し、そのカップの絞り面に対
し、塩水噴霧試験(JIS Z−2371)を行なった。白錆発
生までに要する時間で評価した。
プレス条件 ・しわ押え圧 1トン ・ポンチ径 33mmφ ・ブランク径 59mmφ ・絞り比 1.78 ・絞り速度 500mm/sec. 前記の方法にて作製された試験片No.1〜29について上
記の方法で、潤滑性、平板耐食性、加工後耐食性を試験
・評価した。
結果は表2に示した。
表2から明らかなように、本発明の潤滑樹脂処理鋼板
は、高速プレス成形時においても、連続成形性、潤滑性
が良好であり、そのために、パウダリングが殆ど発生し
ない。また、加工後の耐食性も良好である。
<発明の効果> 本発明によれば、高速プレス成形時における潤滑性が
良好なため、連続成形性に優れる表面処理鋼板を提供す
ることができる。
また、プレス加工時に、プレス油等の潤滑油を使用せ
ずに、そのままプレス加工が可能であり、ハンドリング
時に指紋等の汚れがつき難い表面処理鋼板を提供するこ
とができる。
さらに、プレス加工時の潤滑性を良好とするために、
従来、需要家において行われていた潤滑油の塗布作業や
脱脂処理を省略でき、そのために、コストダウンが図れ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−283935(JP,A) 特開 昭64−297(JP,A) 特開 昭63−35798(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】亜鉛または亜鉛合金めっき鋼板上に、クロ
    ム付着量が、金属クロム換算で、片面で200mg/m2以下の
    クロメート被膜を両面に有し、その上に、下記組成の樹
    脂混合物または複合物で、かつ、該樹脂混合物または複
    合物のガラス転移温度(Tg)が70℃以上で、その付着量
    が、片面で乾燥重量で0.3〜3g/m2である樹脂被膜を両面
    に有することを特徴とする成形性に優れた潤滑樹脂処理
    鋼板。 樹脂混合物または複合物の組成 ・水酸基および/またはカルボキシル基を有する樹脂10
    0重量部 ・シリカ 10〜80重量部 ・融点が70℃以上のポリオレフィンワックス20重量部以
  2. 【請求項2】亜鉛または亜鉛合金めっき鋼板上に、クロ
    ム付着量が、金属クロム換算で、片面で200mg/m2以下の
    クロメート被膜を両面に有し、その上に、下記組成の樹
    脂混合物または複合物で、かつ、該樹脂混合物または複
    合物のガラス転移温度(Tg)が70℃以上で、その付着量
    が、片面で乾燥重量で0.3〜3g/m2である樹脂被膜を両面
    に有することを特徴とする成形性に優れた潤滑樹脂処理
    鋼板。 樹脂混合物または複合物の組成 ・水酸基および/またはカルボキシル基を有する樹脂10
    0重量部 ・シリカ 10〜80重量部 ・融点が70℃未満のポリオレフィンワックスおよび融点
    が70℃以上のポリオレフィンワックス(ただし、前者は
    全ポリオレフィンワックス量の70wt%以下)20重量部以
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