JP2005133176A - 表面処理金属板 - Google Patents

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志典 宮岡
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Abstract

【課題】クロムを含有しない皮膜層を有する、特に、耐食性、耐アルカリ性および耐疵付き性に優れた表面処理金属板を提供する。
【解決手段】金属板の少なくとも片面に、下記(a)、(b)および(c)が添加された第1の表面処理剤により形成された第1の皮膜層を有する表面処理金属板。

(a)Cu、Co、Fe、Mn、Sn、V、Mg、Ba、Al、Ca、Sr、Zr、Nb、YおよびZnからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属イオンを含む、リン酸塩、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、酢酸塩、水酸化物およびフッ化物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属化合物
(b)エポキシ樹脂のエポキシ基とアミン化合物とを反応して得られたアミン変性エポキシ樹脂
(c)リン酸、硝酸およびフッ化水素酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸
【選択図】なし

Description

本発明は、クロムを含有しない皮膜層を有する、特に、耐食性、耐アルカリ性および耐疵付き性に優れた表面処理金属板に関する。
従来より亜鉛めっき鋼板、亜鉛−アルミニウムめっき鋼板などの亜鉛系めっき鋼板は、家電、自動車、建築の分野で広く使用されている。これらの鋼板は、鋼板の耐食性向上のために、めっきの上にクロメート処理を施して、もしくはクロメート処理を施した上にさらに有機皮膜を施して使用されている。
クロメート皮膜は約0.01μmの非常に薄い膜厚であるが、いわゆる自己修復機能を有するために耐食性に優れ、かつ非常に薄いために優れた導電性を有し、さらに鋼板を高温多湿環境に暴露した後の導電性劣化が生じにくいという利点がある。
その反面、クロメート皮膜は、非常に薄くかつ脆い性質を有するために疵付きが発生しやすいという欠点がある。また、クロメート皮膜は6価クロムを含有するためにクロメート被覆工程での排水処理が必要となるという問題もある。
そこで、鋼板、特に亜鉛系めっき鋼板の白錆発生等の耐食性等の特性を改善するため、クロムを用いない表面処理技術の開発が広く行なわれており、例えば、本出願人も特許文献1において提案した。
特許文献1に記載した表面処理亜鉛系めっき鋼板は、亜鉛系めっき鋼板の表面に、金属化合物、カルボキシル基含有の水溶性有機樹脂および酸を含有する水性組成物を塗布して形成された皮膜層を有しており、耐アルカリ性、耐食性、塗装後耐食性、アルカリ脱脂後耐食性、上塗り塗装密着性に特に優れている。
しかしながら、本出願人がかかる皮膜層の特性についてさらに詳細に検討したところ、皮膜層が軟質であるため、クロメート皮膜と同様に疵付きが発生しやすく、十分な耐疵付き性が得られないことが判明した。
一般に、耐疵付き性を向上させるには、水性組成物中の金属化合物の含有量を増加させることが有用な手段であるが、上記水性組成物の場合、金属化合物から供給される金属イオンが水溶性有機樹脂のカルボキシル基と反応するために、有機樹脂同士の架橋反応が阻害される結果、耐アルカリ性が劣化する。
特開2001−214283号公報
本発明の目的は、かかる事情に鑑みてなされたもので、表面処理剤の適正化を図ることによって、クロムを含有しない皮膜層を有する、耐食性、耐アルカリ性および耐疵付き性に優れた表面処理金属板を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、金属板の少なくとも片面に、下記(a)、(b)および(c)が添加された第1の表面処理剤により形成された第1の皮膜層を有する表面処理金属板である。

(a)Cu、Co、Fe、Mn、Sn、V、Mg、Ba、Al、Ca、Sr、Zr、Nb、YおよびZnからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属イオンを含む、リン酸塩、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、酢酸塩、水酸化物およびフッ化物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属化合物
(b)エポキシ樹脂のエポキシ基とアミン化合物とを反応して得られたアミン変性エポキシ樹脂
(c)リン酸、硝酸およびフッ化水素酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸
また、第1の表面処理剤中の上記(a)に示す金属化合物の添加量は、上記(a)に示す金属化合物、上記(b)に示すアミン変性エポキシ樹脂および上記(c)に示す酸の添加量を合計したときの総量に対して60質量%超え90質量%以下であることが好ましい。
加えて、前記第1の皮膜層の表面に、さらに、水性有機樹脂およびワックスが添加された第2の表面処理剤により形成された第2の皮膜層を有することが、より一層耐疵付き性を向上させる上で好ましい。
本発明は、表面処理剤の適正化を図ることによって、クロムを含有しない皮膜層を有する、耐食性、耐アルカリ性および耐疵付き性に優れた表面処理金属板を提供することができる。
本発明の表面処理金属板の基板となる金属板には、特に制限はなく、例えば、電気亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛−ニッケルめっき鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛−アルミニウムめっき鋼板(例えばZn−5%Alめっき鋼板やZn−55%Alめっき鋼板)などの亜鉛系めっき鋼板、熱延鋼板、冷延鋼板、ステンレス鋼板、銅めっき鋼板、アルミニウム板、溶融錫−亜鉛めっき鋼板(例えばSn−10%Znめっき鋼板)、溶融アルミニウムめっき鋼板、ターンめっき鋼板(例えばPb−10%Sn)などが挙げられる。これらの金属板のうち、好ましいのは亜鉛系めっき鋼板であり、特に好ましいのは電気亜鉛めっき鋼板である。
本発明の表面処理金属板を構成する第1の皮膜層を形成するための第1の表面処理剤中に添加する金属化合物は、その金属イオンを、Cu、Co、Fe、Mn、Sn、V、Mg、Ba、Al、Ca、Sr、Zr、Nb、YおよびZnからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属イオンとする。これらの金属イオンのうち、好ましいのはMg、MnもしくはAlの金属イオンまたはそれらの混合したものであり、さらに、Mg、MnまたはAlの金属イオン以外の金属を併用してもよい。特に好ましいのは、Mg、MnおよびAlの金属イオンとZnの金属イオンを併用する場合である。
さらに、金属化合物は、前記金属イオンを含有する、リン酸塩、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩などの無機酸塩、酢酸塩などの有機酸塩、水酸化物およびフッ化物からなる群より選ばれる少なくとも1種からなるのが好ましく、より好ましいのはリン酸塩、硝酸塩または炭酸塩としての金属化合物である。
金属化合物を併用する場合の各化合物の組成比は、特に制限はないが、例えばMg、MnおよびAlの金属化合物を併用する場合、Mg/Mn/Al=1/1/1〜2/1/1(質量比)である。
前記第1の表面処理剤中に含有させるアミン変性エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂のエポキシ基とアミン化合物とを反応して得られるものである。
すなわち、特許文献1に記載されたように、水溶性有機樹脂としてカルボキシル基含有の樹脂を用いた場合には、金属イオンがカルボキシル基と反応するために、有機樹脂同士の架橋反応が阻害される結果、耐アルカリ性が劣化するが、本発明では、アミン変性エポキシ樹脂を用い、さらに好ましくは金属化合物の含有量を増加させることによって、耐アルカリ性を劣化させることなく耐疵付き性を格段に向上させることができるのである。
なお、第1の表面処理剤中の上記(a)に示す金属化合物の添加量は、上記(a)に示す金属化合物、上記(b)に示すアミン変性エポキシ樹脂および上記(c)に示す酸の添加量を合計したときの総量に対して60質量%超え90質量%以下であることが好ましい。前記金属化合物の含有量が60質量%以下であると、耐疵付き性が低下する傾向があり、90質量%超えだと、導電性の経時劣化がおこる可能性があるからである。
アミン化合物としては、ジブチルアミン、ジオクチルアミン等のジアルキルアミン化合物、メチルエタノールアミン、ブチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジメチルアミノプロピルエタノールアミン等のアルカノールアミン化合物、モルホリン、ピペリジン、4−メチルピペラジン等の複素環式アミン化合物が挙げられる。
上記アミン化合物の中で、特にジエタノールアミン等のアルカノールアミン化合物を使用することが、耐アルカリ性の優れた第1の皮膜層が得られる点で好ましい。また、例えば、モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミンなどの活性水素基を2個以上有する化合物でエポキシ樹脂を鎖延長することもできる。
なお、エポキシ樹脂に対する上記アミン化合物の反応比率は、特に制限されるものではないが、エポキシ基1個に対する活性水素の数が、好ましくは1.1以下、更に好ましくは1.0以下になるような比率とする。
上記アミン化合物の反応比率が上記範囲を超えて用いることは、未反応のアミン化合物が残存しやすくなり、これは無駄であるばかりでなく、硬化皮膜を形成させた場合に皮膜の特性に悪影響を及ぼすおそれがあるため好ましくない。
前記第1の表面処理剤中にはさらにりん酸、硝酸およびフッ化水素酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸を添加する。これらの酸はめっき面のエッチングを促進させ、金属化合物と緻密な皮膜層を形成することができるため含有させるものである。
第1表面処理剤中の(a)金属化合物/(b)アミン変性エポキシ樹脂/(c)酸の添加割合は、(a)61〜90/(b)5〜38/(c)1〜20(質量比)とすることが好ましい。(a)の割合が前記範囲より少ないと耐疵付き性が低下するおそれがあり、前記範囲を超えると導電性の経時劣化がおこるおそれがあるからである。(b)の割合が前記範囲より少ないと耐疵付き性が低下するおそれがあり、前記範囲を超えると耐食性が劣化するおそれがあるからである。(c)の割合が前記範囲より少ないとめっき面のエッチングが不十分になり耐食性が劣化するおそれがあり、前記範囲を超えるとめっき面の溶解が早過ぎ、めっき面に外観むらが生じるおそれがあるからである。なお、より好ましいのは(a)70〜85、(b)10〜30および(c)1〜10(質量比)の範囲である。
また、前記第1の皮膜層の表面に、さらに、水性有機樹脂およびワックスを添加した第2の表面処理剤により形成された第2の皮膜層を有することがより好ましい。
水性有機樹脂としては、耐食性、耐疵付き性および耐アルカリ性のバランスのとれた第2の皮膜層を形成するために、例えば水溶性もしくは水分散性のウレタン変性アクリル樹脂を用いることが好ましい。なかでもアクリル成分(アクリルポリオール)とウレタン成分(イソシアネート化合物)及びポリオレフィン成分(低分子量ポリオレフィン系ポリオール)の共重合体であることが好ましい。アクリル成分/ウレタン成分/ポリオレフィン成分の質量比は10〜80/10〜50/0〜60であることが好ましい。この範囲とすることにより、耐食性、耐疵付き性および耐アルカリ性のバランスのとれた第2の皮膜層が得られるので好ましい。また、この共重合体の重量平均分子量は1万〜50万とすることが好ましい。上記範囲の重量平均分子量とすることにより、耐食性、耐疵付き性および耐アルカリ性のバランスの取れた第2の皮膜層が得られるので好ましい。
ウレタン変性アクリル樹脂は、ウレタン成分の質量割合が10〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜30質量%である。ウレタン成分の質量割合が10質量%未満では、ウレタン樹脂特有の優れた耐疵付き性を得ることができないからであり、また、50質量%を超える場合は、ウレタン樹脂の合成に必要不可欠であるイソシアネート化合物が高価であるため経済的ではない。
ウレタン変性アクリル樹脂は、熱可塑性皮膜として成膜させることもできるし、熱硬化性皮膜として成膜させることもできる。熱硬化性皮膜として成膜させる場合には、自己架橋させることもできるし、硬化剤で架橋させることもできる。充分に架橋させるためには、さらに硬化剤を配合しても良い。硬化剤には、エポキシ化合物、アミン類、多価アルコール、多塩基酸、およびイソシアネート化合物等がある。より優れた耐食性と耐アルカリ性を得るために、エポキシ基、オキサゾリン基、イソシアネート基、およびアジリジニル基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する化合物を硬化剤として用いることがより好ましい。その他の硬化剤であるアミン類、多価アルコール、多塩基酸等は親水性の強い官能基(アミノ基、水酸基、カルボキシル基等)を有しているため、耐水性が劣化するので好ましくない。
硬化剤として、エポキシ樹脂を用いた場合、エポキシ樹脂自体の耐薬品性と接着性のため、得られる皮膜の耐薬品性と塗装密着性が向上する。また、オキサゾリン系、アルコキシシリル系、イソシアネート系、およびアジリジニル系の化合物の硬化剤を用いた場合も同様の効果が期待できると考えられる。
また、第2表面処理剤は、潤滑成分としてワックスを添加することが耐疵付き性をより一層向上させる上で好ましい。
ワックスの種類に関しては特に限定するものではないが、カルナウバワックス、ライスワックス、ラノリンワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、脂肪酸エステルワックスおよび脂肪酸アミドワックスあるいはこれらの部分けん化物、ポリエチレンワックス、ポリオレフィンワックス、塩素化炭化水素、フッ素化炭化水素、エチレンアクリルコポリマーワックスなどが挙げられる。また、これらのワックスは2種類以上を併用しても構わない。
また、ワックスの平均粒径は、0.05〜3.0μmの範囲が好ましい。平均粒径が0.05μm未満の場合は、加工性が不十分であり、3.0μmを超える場合は、固体化したワックスの分布が不均一となるため好ましくない。
加えて、ワックスの融点は50〜160℃であることが好ましい。ワックスの融点が50℃未満だと夏場の作業環境ではワックス自体が溶融し、ワックス本来の潤滑性が発揮されないため、耐疵付き性が低下する傾向があり、また、160℃を超えるとワックス自体の持つ潤滑性が発揮されないため、耐疵付き性が低下するおそれがある。
ワックス粒子の形状としては、真球状のものが高度の加工性を得る上でより好ましい。
さらに、第2の表面処理剤は、シリカを添加することがさらに耐食性を向上させる点で好ましい。なお、シリカの粒径および種類については、本発明では特に限定するものではない。
第2の表面処理剤中の(d)ウレタン変性アクリル樹脂/(e)ワックス/(f)硬化剤/(g)シリカの添加割合は、(d)1〜91/(e)2〜20/(f)0〜49/(g)0〜40(質量比)とすることが好ましい。(d)の割合が前記範囲より少ないと皮膜を形成できず、目的とする耐食性が得られないおそれがあり、前記範囲を超えても、目的とする耐食性が得られないおそれがあるからである。(e)の割合が前記範囲より少ないと、耐疵付き性への改善効果が少なく、前記範囲を超えると、目的とする耐食性が得られないおそれがあるからである。(f)の割合が前記範囲を超えると、未反応の硬化剤が残存し、目的とする耐食性が得られないおそれがあるからである。(g)の割合が前記範囲を超えると、皮膜を形成できず、目的とする耐食性が得られないおそれがあるからである。より好ましいのは、(d)25〜65/(e)5〜15/(f)10〜40/(g)5〜30の範囲(質量比)である。
第1の皮膜層は、第1の表面処理剤を金属板の表面に塗布・乾燥することによって形成することが好ましく、その塗布量は、乾燥皮膜質量にして0.5〜2.0g/mとすることがより好適である。0.5g/m未満であると、耐食性、耐疵付き性および耐アルカリ性が劣化する傾向にあり、2.0g/mを超えると、コストアップとなるので好ましくない。
第2皮膜層は、第2表面処理剤を金属板の表面に塗布・乾燥することによって形成することが好ましく、その塗布量は、乾燥皮膜質量にして2.0g/m以下とすることがより好適である。2.0g/mを超えると、耐食性、耐疵付き性の向上効果はあるが、コストアップとなるため好ましくない。
各表面処理剤の塗布方法としては、ロールコーター法、浸漬法、静電塗布法などがあるが、本発明では特に限定するものではない。
上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳しく説明する。
[発明例1〜44、比較例45および46]
表1に示す金属板A〜Oの中から選択した一の金属板の表面に、表2に示す金属化合物a〜uの中から選択した一の金属化合物と、表3に示すエポキシ当量およびアミン種で変性されたアミン変性エポキシ樹脂iおよびiiの中から選択した一のアミン変性エポキシ樹脂と、表4に示す酸I〜IIIの中から選択した一の酸とを脱イオン水に添加し、常温で撹拌混合して得られた第1の表面処理剤をロールコート塗装した後、15秒で金属板温度が140℃となるように加熱して、第1の皮膜層(乾燥皮膜質量にして0.5〜1.5g/m)を形成し、試験片を作製した。金属板、金属化合物、アミン変性エポキシ樹脂および酸の種類、添加質量比ならびに第1の皮膜層の付着量(乾燥皮膜質量に換算)を表5に示す。
なお、表3に示すアミン変性樹脂は、以下の方法で作製した。
(アミン変性エポキシ樹脂の製造)
・アミン変性エポキシ樹脂i
エポキシ当量650のビスフェノール型エポキシ樹脂650gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート605gに溶解させた後、モノエタノールアミン22.3gを仕込み、120℃で2時間反応させて重合させ、エポキシ当量4800の樹脂を得た。さらにジエタノールアミン26.7gを仕込み、110℃でエポキシ基が消滅するまで反応し、次いで、40℃の温水1543gを徐々に添加して、固形分濃度30質量%のエタノールアミン変性エポキシ樹脂iを得た。
・アミン変性エポキシ樹脂ii
エポキシ当量650のビスフェノール型エポキシ樹脂650gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート605gに溶解させた後、モノイソプロパノールアミン27.4gを仕込み、100℃で3時間反応させて重合させ、エポキシ当量4800の樹脂を得た。さらにジイソプロパノールアミン33.5gを仕込み、110℃でエポキシ基が消滅するまで反応し、次いで40℃の温水1543gを徐々に添加して固形分濃度30質量%のイソプロパノールアミン変性エポキシ樹脂iiを得た。
なお、特許文献1に示されているカルボキシル基含有の水溶性有機樹脂を用いた例をNo.46(比較例)に示す。No.46では、アクリル酸/マレイン酸=90/10(質量比)のカルボキシル基含有有機樹脂を用いた。
Figure 2005133176
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[発明例47〜96および98〜140、比較例97]
表1に示す金属板A〜Oの中から選択した一の金属板の表面に、表6に示す金属化合物a〜uおよびaa〜anの中から選択した一の金属化合物と、表3に示すエポキシ当量およびアミン種で変性されたアミン変性エポキシ樹脂iおよびiiの中から選択した一のアミン変性エポキシ樹脂と、表4に示す酸I〜IIIの中から選択した一の酸とを脱イオン水に添加し、常温で撹拌混合して得られた第1表面処理剤をロールコート塗装した後、15秒で金属板温度が140℃となるように加熱して、第1の皮膜層(乾燥皮膜質量にして0.3〜1.0g/m)を形成した後、前記第1の皮膜層の表面に、表7に示す水性有機樹脂i−1〜i−3、表8に示す硬化剤α〜γ、表9に示すワックスW1〜W4、および表10に示すシリカS1,S2を含有する第2の表面処理剤をロールコート塗装した後、15秒で金属板温度が150℃となるように加熱して、第2の皮膜層(乾燥皮膜重量にして0.2〜0.8g/m)を形成し、試験片を作製した。金属板、金属化合物、アミン変性エポキシ樹脂および酸の種類、添加質量比、第1皮膜層の付着量(乾燥皮膜質量に換算)、水性有機樹脂、ワックス、硬化剤、シリカの種類およびそれらの添加質量比ならびに第2皮膜層の付着量(乾燥皮膜質量に換算)を表11および表12に示す。
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(特性評価)
各試験片について、下記の特性(平板部耐食性、耐アルカリ性および耐疵付き性)を下記の試験方法に従って評価した。
1.平板部耐食性
試験片を70mm×150mmの大きさに剪断後、端面部をシールし、JIS Z 2371-2001 中性塩水噴霧試験に準拠した塩水噴霧試験(JIS Z2371)を行い、試験面積の5%に錆が発生するまでに要する時間を下記の評価基準に従って評価した。評価結果を表5、表11および表12に示す。
<平板部耐食性の評価基準>
◎:144時間以上
○:120時間以上144時間未満
△:72時間以上120時間未満
×:72時間未満
2.耐アルカリ性(アルカリ脱脂後耐食性)
試験片を70mm×150mmの大きさに剪断後、アルカリ脱脂液(日本パーカライジング社製CL-N364S)に60℃で2分間浸漬した後、端面部をシールし、平板部耐食性と同様に塩水噴霧試験を行い、試験面積の5%に錆が発生するまでに要する時間を下記の評価基準に従って評価した。評価結果を表5、表11および表12に示す。
<耐アルカリ性の評価基準>
○:96時間以上
△:72時間以上96時間未満
×:72時間未満
3.耐疵付き性
試験片の表面をラビングテスター(大平理化工業(株)製)を用いて、試験片を段ボールでラビング後、ラビングした試験片の表面を目視で観察し、下記の評価基準に従って評価した。試験は、荷重400g(面圧9.8kPa)、摺動距離60mm、速度120mm/s、ラビング回数1000回で行った。評価結果を表5、表11および表12に示す。
<耐疵付性の評価基準>
◎:疵の本数が0本
○:疵の本数が1〜2本
△:疵の本数が3〜10本
×:疵の本数が11本以上または変色(本数測定不能)
表5、表11および表12に示す結果から、発明例はいずれも耐食性、耐アルカリ性および耐疵付き性に優れている。
本発明によれば、クロムを含有しない皮膜層を有する、耐食性、耐アルカリ性および耐疵付き性に優れた表面処理金属板の提供が可能になる。

Claims (3)

  1. 金属板の少なくとも片面に、下記(a)、(b)および(c)が添加された第1の表面処理剤により形成された第1の皮膜層を有する表面処理金属板。

    (a)Cu、Co、Fe、Mn、Sn、V、Mg、Ba、Al、Ca、Sr、Zr、Nb、YおよびZnからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属イオンを含む、リン酸塩、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、酢酸塩、水酸化物およびフッ化物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属化合物
    (b)エポキシ樹脂のエポキシ基とアミン化合物とを反応して得られたアミン変性エポキシ樹脂
    (c)リン酸、硝酸およびフッ化水素酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸
  2. 第1の表面処理剤中の上記(a)に示す金属化合物の添加量は、上記(a)に示す金属化合物、上記(b)に示すアミン変性エポキシ樹脂および上記(c)に示す酸の添加量を合計したときの総量に対して60質量%超え90質量%以下である請求項1に記載の表面処理金属板。
  3. 前記第1の皮膜層の表面に、さらに、水性有機樹脂およびワックスが添加された第2の表面処理剤により形成された第2の皮膜層を有する請求項1または2に記載の表面処理金属板。
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