JPH07109436A - 塗料組成物及び被覆アルミニウム材 - Google Patents

塗料組成物及び被覆アルミニウム材

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JPH07109436A
JPH07109436A JP28033893A JP28033893A JPH07109436A JP H07109436 A JPH07109436 A JP H07109436A JP 28033893 A JP28033893 A JP 28033893A JP 28033893 A JP28033893 A JP 28033893A JP H07109436 A JPH07109436 A JP H07109436A
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water
coating composition
coating
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hydrophilicity
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JP28033893A
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Kazuyoshi Tokida
和義 常田
Susumu Ogawa
進 小川
Osamu Ogawa
修 小川
Hiroji Sasaki
博治 佐々木
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Dai Nippon Toryo KK
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Dai Nippon Toryo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、塗料の安定性、耐食性、親水
性及びプレス加工性に優れた被覆アルミニウム材を提供
することである。 【構成】本発明は、(A)水性アクリル樹脂、(B)
(b−1)セルロース粒子及び/又は(b−2)吸水性
ポリマー粒子、(C)(c−1)ポリビニルピロリドン
及び/又は(c−2)ポリエチレングリコール及び
(D)水からなる塗料組成物であり、更には、該塗料組
成物を塗布した、親水性皮膜を有する被覆アルミニウム
材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗料組成物及び該組成
物から得られた親水性皮膜を有する被覆アルミニウム材
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、耐食性等の本来の性能を全く損う
ことなく、しかも表面が親水性を有するような皮膜を得
るための塗料組成物に対する要望が強くなってきてい
る。例えば、ルームエアコンの急激な普及に伴って、熱
交換器用のフィン材の需要が大幅に伸びているが、この
ようなフィン材に対して前記のような特殊な性能を有す
る塗料が要求されているのである。
【0003】前記フィン材としては軽量化、加工性及び
熱伝導性の観点からアルミニウム及び/又はアルミニウ
ム合金(以下、本発明では単に「アルミニウム」とい
う)が広く使用されている。該フィン材は熱交換率の向
上、即ち表面の水濡れ性を良くする目的で、アルミニウ
ム表面にベーマイト処理等の化成処理を施すか、塗装処
理が行われるのが一般的である。これは、アルミニウム
の防食とともに、熱交換器の運転中に発生する凝縮水の
付着による通風抵抗の増大を防止し、熱交換効率の向上
を計るためである。
【0004】塗料を塗装することによって前記性能を有
する皮膜を形成させる方法としては、大別して無機質
(主として水ガラス)皮膜を形成させる方法と、有機質
皮膜を形成させる方法が知られている。
【0005】無機質(水ガラス)皮膜を形成させる方法
としては、例えば特開昭58-126989号公報や特公昭55-13
47 号公報に記載の方法が知られている。しかし、この
方法により形成された水ガラス皮膜は、凝縮水により徐
々に溶解するため、皮膜表面の親水性の持続性及び耐食
性に問題があった。
【0006】また、クロメート系処理により耐食性皮膜
を形成させた後、無機質(水ガラス)皮膜を形成させる
方法(特開昭59-13078号公報、特開昭50-38645号公報)
も知られており、これらの方法によっても、耐食性は向
上するが、水ガラスの溶解による親水持続性の低下とい
う基本的な問題点は解決していなかった。その上これら
の方法はクロメート系処理によるクロム等の重金属を含
む排水処理が必要であり、更に塗布工程が2回になるた
め、1回塗りに比べて処理設備が大きくなり、工程数や
設備の点で割高になるという問題点もあった。
【0007】一方、有機質皮膜を形成させる方法として
は、有機樹脂、吸水性有機微粒子、及び界面活性剤から
成る塗料を塗布する方法がある(特開昭62−1293
66号公報)。
【0008】しかし、最近は熱交換器の小型化、軽量化
のためフィン材の間隔が狭くなっており、そのため高度
の親水性が要求されてきているが、前記吸水性樹脂粒子
のみでは、要求される親水性が十分発揮できなかった。
【0009】その他、有機樹脂に水ガラス、シリカ、水
酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、チタニア等を混合
し、必要により界面活性剤を併用した塗料(特開昭61
−225044号公報)や、有機−無機(シリカ)複合
体と界面活性剤よりなる塗料(特開昭59−17017
0号公報)を塗布する方法も知られているが、いずれも
皮膜の耐食性の点で不充分であった。
【0010】又、最近では工程の簡略化、皮膜の均一性
などの観点から、成形前のアルミニウムコイルに塗装
し、皮膜形成後これを所定の形状に成形加工するプレコ
ート法に対する期待が高まって来ている。前記成形加工
においても、従来のドロー加工法(張出、絞り加工)か
ら、より条件の厳しいドローレス加工法(しごき加工)
に変わって来ており、前述の如き無機質系塗料組成物や
硬質無機微粒子を含有する塗料組成物は、金型の摩耗、
成形不良、あるいは親水性皮膜の損傷等の問題点があっ
た。
【0011】更に、プレス加工時には加工油を塗布して
成形加工し、加工後トリクロルエチレン等により脱脂洗
浄して加工油を除去するのが一般的であるが、最近トリ
クロロエチレンやフロン等はオゾン層の破壊や水質汚濁
等の地球環境破壊の観点からその使用が規制されるよう
になって来ている。従って、プレス加工時には脱脂洗浄
が不要な加工油(洗浄レスタイプの加工油)が使用され
て来ている。前記洗浄レスタイプの加工油は揮発性であ
り、従来の洗浄工程の代りに熱風乾燥工程を用いて脱脂
される。
【0012】熱風乾燥による脱脂は有機溶剤によるそれ
よりも脱脂能力が劣るため、特に表面の親水性を要求さ
れるような部材においては、残留加工油の影響を押える
ために初期皮膜の親水性をより高度にする必要があっ
た。しかし、従来の塗料組成物では、要求される程度の
親水性がなかなか得られないのが現状であった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の問題点を解決し、塗料の安定性、皮膜の密着性、プ
レス加工性、親水性、親水持続性、及び耐食性に優れた
塗料組成物並びに該塗料組成物を塗布したアルミニウム
材を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、 (1)(A)水性アクリル樹脂、 (B)(b−1)セルロース粒子及び/又は(b−2)
吸水性ポリマー粒子、 (C)(c−1)ポリビニルピロリドン及び/又は(c
−2)ポリエチレングリコール及び (D) 水からなる塗料組成物、及び (2)該塗料組成物を塗布した、親水性皮膜を有する被
覆アルミニウム材に関する。
【0015】本発明の塗料組成物に使用される(A)水
性アクリル樹脂は、得られる皮膜の親水性及び耐食性の
観点から水酸基価が20〜420、好ましくは60〜3
80、酸価が10〜400、好ましくは30〜160の
数平均分子量約3000〜50,000のアクリル樹脂
が好ましい。
【0016】なお、水酸基価、酸価が前記範囲より小さ
いと皮膜の親水性が不十分になる傾向があり、一方前記
範囲より大きいと皮膜の耐食性や耐水性等が低下する傾
向にある。
【0017】アクリル樹脂は、水酸基含有の重合性不飽
和モノマーとカルボキシル基含有の重合性不飽和モノマ
ーを必須構成成分として含む重合性不飽和モノマー混合
物を例えばラジカル重合開始剤の存在下で80〜180
℃で2〜10時間反応させ、中和剤にて中和せしめ、水
溶性もしくは水分散性にしたものである。
【0018】前記水酸基含有の重合性不飽和モノマーと
しては、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレート等が代表的なものとして
挙げられる。
【0019】前記カルボキシル基含有の重合性不飽和モ
ノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸、クロトン
酸、マレイン酸、イタコン酸、コハク酸等が代表的なも
のとして挙げられる。
【0020】その他コモノマーとしては、メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチ
ル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステ
ル;スチレン、ビニルトルエン等の芳香族不飽和モノマ
ー;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、N,N−ジエトキシアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリ
ルアミド、N−n−メトキシメチル(メタ)アクリルア
ミド、N−n−エトキシメチル(メタ)アクリルアミ
ド、N−n−プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド
等の窒素含有不飽和モノマー;エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、トリスヒドロキシメチルエタン
トリ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレー
ト、ジビニルベンゼン等の多官能性不飽和モノマー;ア
クリロイルモルフォリン、酢酸ビニル、(メタ)アクリ
ロニトリル、エチレン等のその他のモノマー等が代表的
なものとして挙げられる。
【0021】本発明の塗料組成物に使用される(B)
(b−1)セルロース粒子は、得られる皮膜を粗面化す
るとともに、親水性を付与し、水濡れ性を向上させるた
めに配合する。
【0022】セルロース粒子は、精選パルプを鉱酸によ
って加水分解し、濾過水洗し、脱水乾燥後、粉砕して得
られたもので、粒子径は0.5〜10μmが適当であ
る。市販品としては、例えばアビセルPH−M06,P
H−M15,PH−M25,RC−N81,RC−59
1,RC−501;セルクリームEF−7,SF−1
7,MF−35(以上旭化成工業社製商品名)、バルフ
ァイルD−10(鐘紡社製商品名)、テクノセル(ユニ
オン化成社製商品名)等が挙げられる。
【0023】本発明の塗料組成物に使用される(B)
(b−1)吸水性ポリマー粒子は、セルロース粒子とほ
ぼ同様の目的で配合する。
【0024】吸水性ポリマー粒子は、粒子径0.5〜1
0μm(水を吸収する前のもの)で水に不溶性であっ
て、自重以上の水を吸水、保持できるものであり、例え
ばアクリル酸ソーダ重合体系、アクリル酸ソーダ−アク
リル酸アミド共重合体系、アクリル酸ソーダ−ビニルア
ルコール共重合体系、アクリル酸−ビニルアルコール共
重合体系、酢酸ビニル−メチルアクリレート共重合体ケ
ン化物系、デンプン−ポリアクリロニトリル加水分解物
系、デンプン−ポリアクリル酸塩架橋物系等が代表的な
ものとして挙げられる。市販品としては、例えばスミカ
ゲルSP−510,SP−520,NP−1010(以
上住友化学工業社製商品名)、C−A(千葉製粉社製商
品名)等が挙げられる。
【0025】上記のように本発明においては、セルロー
ス粒子と吸水性ポリマー粒子は同様の目的で使用される
ため、本発明では両者を併せて含有してもよく、又一方
のみ含有しても良い。
【0026】本発明の塗料組成物に使用される(C)
(c−1)ポリビニルピロリドンは、得られる皮膜の初
期親水性を向上させるとともに、前述の揮発性加工油
(潤滑油)がフィン材に残留していても、その悪影響を
受けることなく親水性とその持続性を持たせるために配
合する。
【0027】ポリビニルピロリドンは、数平均分子量約
17万〜90万のものが適当で、市販品としては、例え
ばルビスコールK−17,K−30,K−90(以上B
ASF社製商品名)等が挙げられる。
【0028】本発明の塗料組成物に使用される(C)
(c−2)ポリエチレングリコールは、ポリビニルピロ
リドンと同様の目的で配合する。
【0029】ポリエチレングリコールは数平均分子量約
600〜6000のものが適当で、市販品としては、例
えばPEG600,PEG1000,PEG6000
(以上日本油脂社製商品名)等が挙げられる。
【0030】上記のように本発明においては、ポリビニ
ルピロリドンとポリエチレングリコールは同様の目的で
使用されるため、本発明では両者を併せて含有してもよ
く、又一方のみ含有しても良い。
【0031】本発明の塗料組成物は、以上説明した
(A)成分、(B)成分及び(C)成分を必須成分と
し、それに水を加え、固形分約5〜30重量%としたも
のである。
【0032】これら各成分の配合割合は(A)成分であ
る水性アクリル樹脂100重量部に対し、(b−1)成
分であるセルロース粒子及び/又は(b−2)成分であ
る吸水性ポリマー粒子を5〜150重量部、好ましくは
10〜100重量部、また(c−1)成分であるポリビ
ニルピロリドン及び/又は(c−2)成分であるポリエ
チレングリコールを5〜100重量部、好ましくは10
〜80重量部が適当である。
【0033】なお、(B)成分が前記範囲より少ないと
前述の機能が十分発揮しにくくなる傾向にあり、一方多
過ぎると密着性や塗料としての安定性が低下する傾向に
なる。
【0034】また(C)成分が前記範囲より少ないと前
述の機能が十分発揮しにくくなる傾向にあり、一方多過
ぎると密着性や親水性の持続性が低下する傾向になる。
【0035】本発明の塗料組成物は、前記成分以外に
(A)成分を中和し、水溶性もしくは水分散性とするた
めの中和剤、さらに必要に応じノニオン系界面活性剤;
有機腐食抑制剤;水溶性又は水分散性アミノ樹脂、水溶
性フェノール樹脂、ブロック化ポリイソシアネート等の
架橋剤;顔料;有機溶剤;防カビ剤、抗菌剤、分散剤、
沈澱防止剤、レベリング剤、消泡剤等の各種添加剤を配
合することも可能である。
【0036】前記中和剤としては、モノエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエ
チルアミン等の通常の中和剤が代表的なものとして挙げ
られる。
【0037】前記ノニオン系界面活性剤としては、ポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレンオクチルフェニルエーテル等のアルキルアリルエ
ーテル型;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ
オキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン
オレイルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエー
テル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシ
エチレンステアリルエーテル等のアルキルエーテル型;
ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンオ
レエート、ポリオキシエチレンステアレート等のアルキ
ルエステル型;ポリオキシエチレンラウリルアミン等の
アルキルアミン型;ソルビタンラウレート、ソルビタン
パルミテート、ソルビタンステアレート、ソルビタンオ
レエート、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レンソルビタンラウレート、ポリオキシエチレンソルビ
タンパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンステ
アレート、ポリオキシエチレンソルビタンオレエート等
のソルビタン誘導体などが代表的なものとして挙げられ
る。
【0038】これらノニオン系界面活性剤は、塗料組成
物の安定性を向上させるとともに、皮膜の親水性やその
持続性向上に寄与する。ノニオン系界面活性剤の配合量
は(A)成分100重量部に対し0〜50重量部、好ま
しくは5〜30重量部である。
【0039】前記有機腐食抑制剤としては、特に分子中
に窒素原子を有するものが好適で、具体的には例えば (i)5員環、6員環等の環状構造を有し、環状構造中
に窒素原子を有さない化合物;例えばジフェニルチオカ
ルバゾン、N,N′−ジフェニルエチレンジアミン、S
−ジフェニルカルバジド、ジベンジルアミン、1,5−
ジフェニル−3−チオカルボヒドラジド、1,4−ジフ
ェニル−3−チオセミカルバジド、チオカルボアニライ
ド、チオベンズアニライド、チオアセトアニライド等、 (ii)5員環、6員環等の環状構造を有し、環状構造中
に窒素原子を有する化合物:例えば2−メルカプトベン
ゾチアゾール、ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシ−
ベンゾトリアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾー
ル、ベンズイミダゾール、2−メルカプトベンゾセレナ
ゾール、2−メルカプトベンゾキサゾール、5−メルカ
プト−3−フェニルチアジアゾール−2−チオン、2−
(o−ヒドロキシフェノール)ベンゾチアゾール、2,
2′−ジチオビス−(ベンゾチアゾール)、フェノシア
ゾリン、ジピリジルアミン、ジピリジル、ジメチルヒダ
ントイン、ピロール−2−カルボキシアルデヒド、2,
5−ジメルカプト−1,3,4−チアゾール、5−アミ
ノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、3−
アミノ−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−1,
2,4−トリアゾール、3−アミノ−5−メルカプト−
1,2,4−トリアゾール、2−メルカプト−1−メチ
ルイミダゾール、2−メルカプトチアゾリン、2−アミ
ノチアゾール、3,5−ジメチルピラゾール、ヒスチジ
ン、1,10−フェナントリロン、1,8−ジアザビシ
クロ(5,4,0)ウンデセン−7等、 (iii) 直鎖構造の化合物:例えばN−β(アミノエチ
ル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β
(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−
フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、チ
オカルボヒドラジド、カルボヒドラジド、グリシンメチ
ルエステル、アジピックジヒドラジド、アセチダジド、
等が挙げられる。
【0040】これら分子中に窒素原子を有する有機腐食
抑制剤は、基材に対して配向し、バリヤー層を形成し、
また基材の金属自体と配位共有結合するので耐食性向上
に寄与し、さらに水性アクリル樹脂と反応することが認
められ密着性向上に寄与する。
【0041】有機腐食抑制剤の配合量は(A)成分10
0重量部に対して0〜15重量部、好ましくは1〜10
重量部である。
【0042】本発明の塗料組成物は、必要に応じ化成処
理あるいは耐食性プライマーを施したアルミニウム、そ
の他金属等の表面上に、スプレー、ロールコート、シャ
ワーコート等の塗装手段により塗装され、60〜300
℃、好ましくは100〜250℃の温度で硬化し、親水
性皮膜を形成する。該皮膜の乾燥膜厚は、特に制限はな
いが、アルミニウム製フィン材に対しては、0.1〜1
0μm程度が適当である。
【0043】以下、本発明を製造例、実施例及び比較例
によりさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例
に限定されるものではない。「部」及び「%」は、各々
「重量部」及び「重量%」を示す。
【0044】
【実施例】
(水性アクリル樹脂溶液Aの調製)撹拌機、温度計、冷
却器及び窒素ガス導入管を備えたフラスコ中、エチルア
ルコール137部入れ、反応温度を還流温度に上げた
後、2−ヒドロキシエチルメタクリレート45部、アク
リル酸5部、アクリロイルモルフォリン50部及びアゾ
ビスメチルブチロニトリル6部からなる混合液を3時間
に亘って、窒素ガス雰囲気下で滴下させた。
【0045】滴下終了後、30分後から30分毎に3回
アゾビスメチルブチロニトリルを0.2部づつ追加し、
同反応温度で更に2時間反応を行なった。
【0046】この後、トリエチルアミンをpHが8.5
になるように添加し、更にイオン交換水を不揮発分が1
5%になるように加え、水性アクリル樹脂(水酸基価1
94、酸価39、数平均分子量23,000)溶液Aを
調製した。
【0047】(水性アクリル樹脂溶液Bの調製)エチル
アルコールを178部に変更し、また重合性不飽和モノ
マーを2−ヒドロキシプロピルメタクリレート70部、
ポリエチレングリコールモノメタクリレート10部、ア
クリル酸20部に変更し、アゾビスイソブチロニトリル
を7部に変更する以外は水性アクリル樹脂溶液(A)と
同様にして反応させた。
【0048】この後、アンモニア水をpH8.5になる
ように添加し、更にイオン交換水を不揮発分が15%に
なるように加え、水性アクリル樹脂(水酸基価293、
酸価155、数平均分子量27,500)溶液Bを調製
した。
【0049】(水性アクリル樹脂溶液Cの調製)前記フ
ラスコ中にイオン交換水275部、エチルアルコール1
18部を入れ、反応温度を還流温度に上げた後、過硫酸
カリウム6部を加え、次いで2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート17部、N−エトキシメチルアクリルアミド
5部、メタクリル酸8部及びアクリロイルモルフォリン
70部からなる混合液を窒素ガス雰囲気下で滴下させ
た。滴下終了後、同反応温度で4時間反応を行なった。
【0050】この後、アンモニア水をpHが8.5にな
るように添加し、更にイオン交換水を不揮発分が15%
になるように加え、水性アクリル樹脂(水酸基価73、
酸価52、数平均分子量35,000)溶液Cを調製し
た。
【0051】[実施例1〜9]表1に示した成分を混合
し、水にて固形分が10%になるように希釈し、塗料組
成物を製造した。
【0052】これら塗料組成物を脱脂、洗浄した板厚
0.12mmのアルミニウム板(JIS A 110
0)に乾燥膜厚が2μmとなるようロールコール塗装
し、200℃で30秒間焼付た。得られた被覆アルミニ
ウム材につき密着性、ウェット耐ラビング性、初期親水
性、親水持続性、耐食性及び耐アルカリクリーナー性の
試験した。その結果を表2に示す。
【0053】また得られた被覆アルミニウム板に揮発性
加工油〔「RF−190」昭和シェル社製商品名)を塗
布後、130℃、7分間加熱した。この加工油処理の被
覆アルミニウム材につき、初期親水性、親水持続性の試
験をした。その結果を表2に示す。
【0054】[比較例1〜3]表1に示した成分を混合
し、水にて固形分が10%になるように希釈し、塗料組
成物を製造した。以下実施例と同様の操作を行った。結
果を表2に示す。
【0055】
【表1】 注1)実施例1,3,4,7、比較例1:セルクレーム
EF−35(旭化成工業社製商品名)、平均粒径3〜4
μm,固形分13% 実施例2,6:アビセルPH−M06(旭化成工業社製
商品名)、平均粒径6μm、固形分100% 注2)「スミカゲルNP1010」(住友化学工業社製
商品名)、平均粒径10μm、固形分100% 注3)「ルビスコールK−30」(BAS社製商品
名)、固形分100% 注4)「PEG1000」(日本油脂社製商品名)、半
液状有効成分100% 注5)「スミマールMC−1」(住友化学工業社製商品
名)、固形分75%
【0056】
【表2】 注6)縦横各11本の2mm間隔の直交する切れ目をナ
イフで素材に到達するまで入れて、格子状に一辺の長さ
2mmの正方形を100個作った後、セロハン粘着テー
プを貼り付け、瞬時にはがした時、はがれずに残った正
方形 の数だけ判定した。
【0057】○−100/100, △−90/100
〜99/100,×−89/100 以下 注7)試験板を24時間水に浸漬後、ペーパーウェスに
てラビングテストを10回行ない、皮膜状態を判定し
た。
【0058】○−異常なし, △−一部ハクリ, ×−
全面ハクリ 注8)水道水の入ったビーカーに試験板を浸漬し、引き
上げ、水平に試験板を置いた時の塗板表面の水の濡れの
状態を目視で判定した。
【0059】○−全面に水が濡れ水玉の発生がない状態 ×−水がはじいて水玉が発生し、濡れない部分が発生し
た 注9)エルマ社製ゴニオメーターG−I型で測定した。 注10)「流水浸漬8時間→乾燥80℃,16時間」の
乾湿サイクルを5サイクル実施した後の親水性を試験し
た。 注11)「35℃、5重量%NaClを4時間噴霧→6
0℃にて2時間乾燥→50℃、95%RH(湿潤)中に
2時間放置」を1サイクルとして、サイクル腐食試験を
行ない、100サイクル後の白さび発生状況で評価し
た。
【0060】◎−白さび5%未満(面積比) ○−白さび15%未満(面積比) ×−白さび15%超(面積比) 注12)アルカリクリーナー「クリダインF−マイル
ド」(栗田工業社製商品名)に試験板を5分間浸漬した
後、皮膜状態を判定した。
【0061】○−異常なし, △−一部白化 ×−全
面白化又はハクリ
【0062】
【発明の効果】本発明の塗料組成物は、塗料の安定性に
優れているとともに、耐食性や親水性及びプレス加工性
に優れた皮膜を提供でき、従って特にアルミニウム表面
等に塗布して例えばフィン材等に使用すると優れた効果
を発揮するものである。
【0063】特に本発明は、(A)成分、(B)成分及
び(C)成分との組合せにより初期親水性と親水性の持
続性が改良され、またシリカ等の硬質無機微粒子の代り
に(B)成分を使用しているため金型の摩耗、成形不
良、さらには親水性皮膜の損傷等が生じにくい特徴を有
している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 171/02 PLQ (72)発明者 佐々木 博治 栃木県那須郡西那須野町下永田7−1414− 46

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)水性アクリル樹脂、(B)(b−
    1)セルロース粒子及び/又は(b−2)吸水性ポリマ
    ー粒子、 (C)(c−1)ポリビニルピロリドン及び/又は(c
    −2)ポリエチレングリコール及び (D) 水からなる塗料組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の塗料組成物を塗布し
    た、親水性皮膜を有する被覆アルミニウム材。
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