JPH07216292A - 塗料組成物及び被覆アルミニウム材 - Google Patents

塗料組成物及び被覆アルミニウム材

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JPH07216292A
JPH07216292A JP764594A JP764594A JPH07216292A JP H07216292 A JPH07216292 A JP H07216292A JP 764594 A JP764594 A JP 764594A JP 764594 A JP764594 A JP 764594A JP H07216292 A JPH07216292 A JP H07216292A
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JP
Japan
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coating composition
meth
acrylic copolymer
parts
acrylate
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JP764594A
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English (en)
Inventor
Hiroji Sasaki
博治 佐々木
Sadaichi Tonomura
貞一 外村
Kazuyoshi Tokida
和義 常田
Osamu Ogawa
修 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Toryo KK
Original Assignee
Dai Nippon Toryo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】塗料の安定性に優れているとともに、耐食性、
低臭気性、親水性、耐スクラッチ性等に優れた皮膜をア
ルミニウム表面等に形成しうる塗料組成物を提供するこ
とである。 【構成】水酸基価10〜470、酸価5〜390であ
り、かつ構成モノマーとして、(1)アクリロイルモル
フォリン及び(2)(i)分子内に2個以上のラジカル
重合可能なエチレン性不飽和基を有する重合性不飽和モ
ノマー、及び(ii)N−アルコキシメチルアミド基含
有重合性不飽和モノマーからなる群より選ばれた少なく
とも1種のモノマー、とを含むアクリル共重合体を結合
剤とする親水性塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム材等の金
属表面に親水性、耐スクラッチ性等に優れた皮膜を形成
するための塗料組成物及び該組成物を塗布した、親水性
皮膜を有する被覆アルミニウム材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、耐食性等の本来の性能を全く損う
ことなく、しかも表面が親水性を有するような皮膜を得
るための塗料組成物に対する要望が強くなってきてい
る。例えば、ルームエアコンの急激な普及に伴って、熱
交換器用のフィン材の需要が大幅に伸びているが、この
ようなフィン材に対して前記のような特殊な性能を有す
る塗料が要求されているのである。前記フィン材として
は軽量化、加工性及び熱伝導性の観点からアルミニウム
又はアルミニウム合金(以下、本発明では単に「アルミ
ニウム」という)が広く使用されている。該フィン材は
熱交換率の向上、即ち表面の水濡れ性を良くする目的
で、アルミニウム表面にベーマイト処理等の化成処理を
施すか、塗装処理が行われるのが一般的である。これ
は、アルミニウムの防食とともに、熱交換器の運転中に
発生する凝縮水の付着による通風抵抗の増大を防止し、
熱交換効率の向上を計るためである。
【0003】塗料を塗装することによって前記性能を有
する皮膜を形成させる方法としては、大別して無機質
(主として水ガラス)皮膜を形成させる方法と、有機質
皮膜を形成させる方法が知られている。
【0004】無機質(水ガラス)皮膜を形成させる方法
としては、例えば特開昭58−126989号公報や特
公昭55−1347号公報に記載の方法が知られてい
る。しかし、この方法により形成された水ガラス皮膜
は、凝縮水により徐々に溶解するため、皮膜表面の親水
性の持続性、耐食性及び臭気に問題があった。また、ク
ロメート系処理により耐食性皮膜を形成させた後、無機
質(水ガラス)皮膜を形成させる方法(特開昭59−1
3078号公報、特開昭50−38645号公報)も知
られており、これらの方法によっても、耐食性は向上す
るが、水ガラスの溶解による親水持続性の低下及び臭気
という基本的な問題点は解決していなかった。その上こ
れらの方法はクロメート系処理によるクロム等の重金属
を含む排水処理が必要であり、更に塗布工程が2回にな
るため、1回塗りに比べて処理設備が大きくなる等、工
程数や設備の点で割高になるという問題点もあった。一
方、有機質皮膜を形成させる方法としては、有機樹脂と
有機微粒子あるいは吸水性有機微粒子、及び界面活性剤
から成る塗料を塗布する方法がある(特開昭62−12
9366号公報、特開昭63−372号公報)。
【0005】しかし、最近は熱交換器の小型化、軽量化
のためフィン材の間隔が狭くなっており、そのため高い
熱交換率が必要であり、高度の親水性が要求されてきて
いるが、前記塗料では親水性が不十分であった。 又、
最近では工程の簡略化、皮膜の均一性などの観点から、
成形前のアルミニウムコイルに塗装し、皮膜形成後これ
を所定の形状に成形加工するプレコート法に対する期待
が高まって来ている。前記成形加工においても、従来の
ドロー加工法(張出、絞り加工)から、より条件の厳し
いドローレス加工法(しごき加工)に変って来ており、
前述の如き従来の塗料組成物は、親水性皮膜の損傷等の
問題点があった。
【0006】更に、プレス加工時には加工油を塗布して
成形加工し、加工後トリクロルエチレン等により脱脂洗
浄して加工油を除去するのが一般的であるが、最近トリ
クロロエチレンやフロン等はオゾン層の破壊や水質汚濁
等の地球環境破壊の観点からその使用が規制されるよう
になって来ている。従って、プレス加工時には脱脂洗浄
が不要な加工油(洗浄レスタイプの加工油)が使用され
て来ている。前記洗浄レスタイプの加工油は揮発性であ
り、従来の洗浄工程の代りに熱風乾燥工程を用いて脱脂
される。
【0007】熱風乾燥による脱脂は有機溶剤によるそれ
よりも脱脂能力が劣るため、特に表面の親水性を要求さ
れるような部材においては、残留加工油の影響を押える
ために初期皮膜の親水性をより高度にする必要があっ
た。しかし、従来の塗料組成物では、要求される程度の
親水性がなかなか得られないのが現状であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の問題点を解決し、塗料の安定性、皮膜の密着性、低
臭気性、親水性、親水持続性、耐スクラッチ性、及び耐
食性に優れた塗料組成物並びに該塗料組成物を塗布した
アルミニウム材を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、 [I]水酸基価10〜470、酸価5〜390であり、
かつ構成モノマーとして、 (1)アクリロイルモルフォリン 及び (2)(i)分子内に2個以上のラジカル重合可能なエ
チレン性不飽和基を有する重合性不飽和モノマー、及び
(ii)N−アルコキシメチルアミド基含有重合性不飽
和モノマーからなる群より選ばれた少なくとも1種のモ
ノマー、とを含むアクリル共重合体を結合剤とする親水
性塗料組成物に関する。また、本発明は、 [II]分子内に窒素原子を有する有機腐食抑制剤を含
有せしめた、前記塗料組成物に関する。更に、本発明
は、 [III]該塗料組成物を塗布した親水性皮膜を有する
被覆アルミニウム材に関する。
【0010】以下本発明を詳細に説明する。本発明の塗
料組成物は、結合剤である前記アクリル共重合体、中和
剤及び水を構成成分とし、さらに必要に応じ親水性有機
溶剤、有機腐食抑制剤、架橋剤、親水性もしくは吸水性
の有機粒子、充填剤、その他ノニオン系界面活性剤、分
散剤、沈澱防止剤、消泡剤、レベリング剤、防カビ剤等
の各種添加剤を配合したものから構成される。
【0011】本発明で使用される前記アクリル共重合体
は、アクリロイルモルフォリン、水酸基を有する重合性
不飽和モノマー、カルボキシル基を有する重合性不飽和
モノマー、及び(i)分子内に2個以上のラジカル重合
可能なエチレン性不飽和基を有する重合性不飽和モノマ
ー及び(ii)N−アルコキシメチルアミド基含有重合
性不飽和モノマーからなる群より選ばれた少なくとも1
種のモノマーを含む混合物を、親水性有機溶媒もしくは
水性溶媒中で、ワンショット方式または多段方式による
溶液重合法やレドックス重合法等の常法に従って付加重
合せしめた共重合体である。
【0012】前記水酸基を有する重合性不飽和モノマー
としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリ
エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプ
ロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が代表
的なものとして挙げられる。
【0013】前記カルボキシル基を有する重合性不飽和
モノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸、無水マ
レイン酸、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸半エス
テル等が代表的なものとして挙げられる。
【0014】前記(i)分子内に2個以上のラジカル重
合可能なエチレン性不飽和基を有する重合性不飽和モノ
マーとしては、例えばエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ビス(メタ)アクリロキシエチルフォス
フェート、トリス(メタ)アクリロキシエチルフォスフ
ェート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリ
スリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メ
タ)アクリレート、グリセロールフタロキシジ(メタ)
アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエ
タンジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒド
ロキシメチルエタントリ(メタ)アクリレート、1,
1,1−トリスヒドロキシメチルプロパンジ(メタ)ア
クリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロ
パントリ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレー
ト、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリ
テート、ジアリルテレフタレート、ジアリルフタレー
ト、ジビニルベンゼン等が代表的なものとして挙げられ
る。
【0015】前記(ii)N−アルコキシメチルアミド
基含有重合性不飽和モノマーとしては、例えばN−メト
キシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチ
ル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロポキシメチル
(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシメチル
(メタ)アクリルアミド、N−n−ブトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド、N−t−ブトキシメチル(メタ)
アクリルアミド等が代表的なものとして挙げられる。
【0016】その他重合性不飽和モノマーとしては、例
えばN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、ビニルピロリドン等の含窒素モノマー;メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチ
ル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)
アクリレート等の(メタ)アクリル酸のアルキルエステ
ル;グリシジル(メタ)アクリレート、スチレン、ビニ
ルトルエン、(メタ)アクリロニトリル、ブタジエン、
酢酸ビニル、スチレンスルホン酸等が代表的なものとし
て挙げられる。アクリル共重合体は、これらモノマーを
得られる共重合体の水酸基価が10〜470、好ましく
は50〜370、酸価が5〜390、好ましくは10〜
160になるように適宜選択、組合せて共重合せしめた
ものである。
【0017】なお、水酸基価が前記範囲より小さいと得
られる皮膜の水濡れ性が低下するとともに接触角が大き
くなり、逆に前記範囲より大きいと水溶解性が高くなり
すぎて耐水性、耐食性が悪くなるので好ましくない。ま
た酸価が前記範囲より小さいと塗料の安定性や得られる
皮膜の密着性等が悪くなり、逆に前記範囲より大きくな
ると耐水性等が悪くなるので好ましくない。
【0018】またアクリル共重合体は、得られる皮膜の
親水性、耐スクラッチ性等を向上させるためアクリロイ
ルモルフォリンを必須構成モノマーとして含むものであ
り、その量は5〜95重量%、好ましくは10〜70重
量%が適当である。なおアクリロイルモルフォリンの量
が前記範囲より少ないと親水性、耐スクラッチ性等が低
下する傾向にあり、逆に多いと得られる皮膜の各種物
理、化学的特性が低下する傾向にある。
【0019】本発明のアクリル共重合体に使用される前
記分子内に2個以上のラジカル重合可能なエチレン性不
飽和基を有する重合性不飽和モノマーを単独で用いる場
合は、他の重合性不飽和モノマーと共重合することによ
りミクロゲルを形成し、得られる皮膜を粗面化するとと
もに親水性を付与し、水濡れ性を向上させる。その配合
量は、0.05〜10.0重量%、好ましくは0.5〜
8.0重量%が適当である。配合量が0.05重量%未
満だと、本発明の特徴としての皮膜の粗面化形成が乏し
くなり、親水性が低下する傾向にある。一方、配合量が
10.0重量%より多くなると、分子量が増大し、ゲル
化の誘因ともなり、又、塗装作業性も悪化する傾向にあ
る。
【0020】本発明のアクリル共重合体に使用される前
記N−アルコキシメチルアミド基含有重合性不飽和モノ
マーを単独で用いる場合は、他の重合性不飽和モノマー
と反応中、水酸基との架橋及び自己架橋を一部行い、得
られる皮膜を粗面化するとともに親水性を付与し、水濡
れ性を向上させる。その配合量は、0.5〜15.0重
量%、好ましくは1.0〜8.0重量%が適当である。
配合量が0.5重量%未満だと、本発明の特徴としての
皮膜の粗面化形成が乏しくなり、親水性が低下する傾向
にある。一方、配合量が15.0重量%より多くなる
と、得られるポリマーの親水性が乏しくなり、水濡れ性
が低下する傾向にある。
【0021】前記のように、本発明における塗料組成物
は、(i)分子内に2個以上のラジカル重合可能なエチ
レン性不飽和基を有する重合性不飽和モノマー及び(i
i)N−アルコキシメチルアミド基含有重合性不飽和モ
ノマーを、単独もしくは両者を併せて含有することが可
能である。またアクリル共重合体の数平均分子量は、皮
膜としての本来の物理、化学的特性を発揮するため3,
000〜50,000、好ましくは20,000〜4
0,000が適当である。
【0022】本発明で使用される前記アクリル共重合体
の中和剤としては、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、2−ジメチルアミノエタノール、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、モルフォリン、エチレンジ
アミン等のアミン類、アンモニア、アルカリ金属化合
物、アルカリ土類金属化合物等が代表的なものとして挙
げられる。中和剤の量は、塗料組成物のpHが約6〜1
0となるような添加量が適当である。なお、中和剤は、
アクリル共重合体製造後、添加するのが適当であるが、
アクリル共重合体製造前の重合性不飽和モノマー混合物
に予め添加しておくことも可能である。
【0023】また本発明において必要に応じ配合される
前記ノニオン系界面活性剤としてはポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチル
フェニルエーテル等のアルキルアリルエーテル型;ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン
ラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテ
ル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキ
シエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステア
リルエーテル等のアルキルエーテル型;ポリオキシエチ
レンラウレート、ポリオキシエチレンオレエート、ポリ
オキシエチレンステアレート等のアルキルエステル型;
ポリオキシエチレンラウリルアミン等のアルキルアミン
型;ソルビタンラウレート、ソルビタンパルミテート、
ソルビタンステアレート、ソルビタンオレエート、ソル
ビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン
ラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンパルミテー
ト、ポリオキシエチレンソルビタンステアレート、ポリ
オキシエチレンソルビタンオレエート等のソルビタン誘
導体などが代表的なものとし挙げられる。これらノニオ
ン系界面活性剤は、塗料組成物の安定性を向上させると
ともに、皮膜の親水性やその持続性向上に寄与する。ノ
ニオン系界面活性剤の配合量はアクリル共重合体100
重量部に対し0〜50重量部、好ましくは5〜30重量
部である。
【0024】本発明で使用される水は、後述する親水性
有機溶剤を含め、塗料組成物の固形分が約2〜30重量
%、好ましくは5〜15重量%になるように配合するの
が適当である。
【0025】本発明において必要に応じ配合される前記
親水性有機溶剤としては例えばメタノール、エタノー
ル、イソプロパノール等の低級アルコール、エチレング
リコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノエチルエーテル等のグリコールのモノアルキルエーテ
ル、アセトン、ジオキサン等が代表的なものとして挙げ
られる。これら親水性有機溶剤は、前記アクリル共重合
体製造時の溶媒として使用することが適当であるが、後
から添加配合することも可能である。
【0026】本発明において必要に応じて配合される前
記有機腐食抑制剤としては、特に分子中に窒素原子を有
するものが好適で、具体的には、例えば(i)5員環、
6員環等の環状構造を有し、環状構造中に窒素原子を有
さない化合物:例えばジフェニルチオカルバゾン、N,
N′−ジフェニルエチレンジアミン、S−ジフェニルカ
ルバジド、ジベンジルアミン、1,5−ジフェニル−3
−チオカルボヒドラジド、1,4−ジフェニル−3−チ
オセミカルバジド、チオカルボアニライド、チオベンズ
アニライド、チオアセトアニライド等、(ii)5員環、
6員環等の環状構造を有し、環状構造中に窒素原子を有
する化合物:例えば2−メルカプトベンゾチアゾール、
ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾ
ール、2−メルカプトベンズイミダゾール、ベンズイミ
ダゾール、2−メルカプトベンゾセレナゾール、2−メ
ルカプトベンゾキサゾール、5−メルカプト−3−フェ
ニルチアジアゾール−2−チオン、2−(o−ヒドロキ
シフェノール)ベンゾチアゾール、2,2′−ジチオビ
ス−(ベンゾチアゾール)、フェノシアゾリン、ジピリ
ジルアミン、ジピリジル、ジメチルヒダントイン、ピロ
ール−2−カルボキシアルデヒド、2,5−ジメルカプ
ト−1,3,4−チアゾール、5−アミノ−1,3,4
−チアジアゾール−2−チオール、3−アミノ−1,
2,4−トリアゾール、4−アミノ−1,2,4−トリ
アゾール、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−
トリアゾール、2−メルカプト−1−メチルイミダゾー
ル、2−メルカプトチアゾリン、2−アミノチアゾー
ル、3,5−ジメチルピラゾール、ヒスチジン、1,1
0−フェナントロリン、1,8−ジアザビシクロ(5,
4,0)ウンデセン−7等、(iii)直鎖構造の化合物:
例えばN−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリ
メトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルト
リエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン、チオカルボヒドラジド、カルボヒ
ドラジド、グリシンメチルエステル、アジピックジヒド
ラジド、アセチダジド、等が挙げられ、これらは一種も
しくは二種以上の混合物として用いられる。
【0027】これら分子中に窒素原子を有する有機腐食
抑制剤は、基材に対して配向し、バリヤー層を形成し、
また基材の金属自体と配位共有結合するので耐食性向上
に寄与し、さらにアクリル共重合体と反応することが認
められ、密着性向上にも寄与する。これら有機腐食抑制
剤は、アクリル共重合体100重量部に対し、0〜15
重量部、好ましくは1〜10重量部配合するのが適当で
ある。
【0028】本発明において必要に応じて配合される前
記架橋剤としては、メラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミ
ン樹脂などの水分散性のアミノ樹脂やブロック化ポリイ
ソシアネート化合物等が挙げられる。これら架橋剤は、
アクリル共重合体100重量部に対し、0〜50重量
部、好ましくは5〜40重量部配合するのが適当であ
る。
【0029】本発明において必要に応じて配合される前
記親水性もしくは吸水性の有機粒子としては、セルロー
ス粒子、アクリル酸ソーダ重合体系粒子、アクリル酸ソ
ーダーアクリル酸アミド共重合体系粒子、アクリル酸−
ビニルアルコール共重合体系粒子、酢酸ビニル−メチル
アクリレート共重合体ケン化物系粒子、デンプン−ポリ
アクリロニトリル加水分解物系粒子、デンプン−ポリア
クリル酸塩架橋物系粒子等が代表的なものとして挙げら
れる。これら親水性もしくは吸水性有機粒子は、得られ
る皮膜を粗面化するとともに、親水性を付与し、水濡れ
性を向上させる機能を有し、粒径は0.5〜10μ程度
のものが適当である。これら有機粒子は、アクリル共重
合体100重量部に対し、0〜150重量部、好ましく
は10〜100重量部配合するのが適当である。
【0030】充填剤としては、通常の塗料用体質顔料や
着色顔料を使用することができるが、特に本発明におい
ては、本発明に必須の(i)分子内に2個以上のラジカ
ル重合可能なエチレン性不飽和基を有する重合性不飽和
モノマー、あるいは(ii)N−アルコキシメチルアミ
ド基含有重合性不飽和モノマーが、皮膜を粗面化すると
ともに親水性を付与しかつ水濡れ性を向上させるという
特徴を有するため、シリカ粒子を用いる必要がない。こ
れにより、シリカ等の硬質無機微粒子を使用しなくて済
み、金型の磨耗、成形不良、更には親水性皮膜の損傷等
が生じにくいという効果を生じる。もちろん充填剤とし
てシリカ粒子を用いることもでき、かかる場合において
も、本発明の他の効果である、優れた塗料の安定性、耐
食性、低臭気性、親水性及び耐スクラッチ性等に優れた
優れた皮膜の形成は達成できる。
【0031】次に本発明の塗料組成物の塗装方法につい
て説明する。本発明の塗料組成物は、必要に応じて化成
処理あるいは耐食性プライマー等を施したアルミニウ
ム、その他金属の表面に前記塗料組成物をスプレー、ロ
ールコート、シャワーコート等の塗装手段により塗装
し、60〜300℃、好ましくは100〜250℃の焼
付温度で焼付硬化させることにより親水性皮膜を形成さ
せる。該皮膜の乾燥膜厚は、特に制限ないが、0.1〜
10μm程度が適当である。
【0032】以下本発明を実施例及び比較例によりさら
に詳細に説明するが本発明は以下の実施例に限定される
ものではない。
【0033】
【実施例】「部」、「%」は、各々「重量部」、「重量
%」を示す。
【0034】<アクリル共重合体水溶液Aの調製>攪拌
機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管を備えたセパラ
ブルフラスコ中にエチルアルコール137部を入れ、反
応温度を還流温度に上げた、次いでアクリロイルモルフ
ォリン20部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2
8部、トリメチロールプロパントリメタクリレート1.
5部、ブチルメタクリレート10部、エチルアクリレー
ト22部、アクリル酸20部及びアゾビスメチルブチロ
ニトリル6部からなる混合液を、3時間に亘って窒素ガ
ス雰囲気下で滴下した。滴下終了30分後から30分毎
に3回アゾビスメチルブチロニトリルを0.2部づつ添
加し、同反応温度で更に2時間反応させた、次いでトリ
エチルアミンをpHが8.5になるよう添加し、更にイ
オン交換水を不揮発分が15%になるように徐々に滴下
し、アクリル共重合体(水酸基価121、酸価156、
数平均分子量33,000)水溶液Aを調製した。
【0035】<アクリル共重合体水溶液Bの調製>アク
リル共重合体水溶液Aの調製方法において、エチルアル
コールを178部に変更し、混合液をアクリロイルモル
フォリン37部、N−n−ブトキシメチルアクリルアミ
ド3部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート46部、
メタクリル酸14部及びアゾビスメチルブチロニトリル
7部に変更し、中和剤をアンモニア水に変更する以外は
同様にして、アクリル共重合体(水酸基価199、酸価
91、数平均分子量35,100)水溶液Bを調製し
た。
【0036】<アクリル共重合体水溶液Cの調製>上記
セパラブルフラスコ中に、イオン交換水275部、エチ
ルアルコール118部を入れ、反応温度を還流温度に上
げた、次いで過硫酸カリウム7部を添加した後、アクリ
ロイルモルフォリン55部、ポリエチレングリコールジ
メタクリレート(n=9)5部、2−ヒドロキシエチル
アクリレート36部、アクリル酸4部からなる混合液を
3時間に亘って窒素ガス雰囲気下で滴下し、さらに同反
応温度で4時間反応させた、次いてアンモニア水をpH
が8.5になるように添加し、更にイオン交換水を不揮
発分が15%になるように徐々に滴下し、アクリル共重
合体(水酸基価174、酸価31、数平均分子量31,
400)水溶液Cを調製した。
【0037】<アクリル共重合体水溶液Dの調製>アク
リル共重合体水溶液Cの調製方法において、混合液をア
クリロイルモルフォリン7部、N−メトキシメチルアク
リルアミド10部、2−ヒドロキシプロピルメタクリレ
ート80部、アクリル酸3部に変更し、中和剤をトリエ
チルアミンに変更する以外は同様にしてアクリル共重合
体(水酸基価311、酸価24、数平均分子量36,1
00)水溶液Dを調製した。
【0038】<アクリル共重合体水溶液Eの調製>アク
リル共重合体水溶液Bの調製方法において、N−n−ブ
トキシメチルアクリルアミド3部、アクリロイルモルフ
ォリン37部をブチルメタクリレート20部、エチルア
クリレート20部に置換える以外は同様にしてアクリル
共重合体(水酸基価199、酸価91、数平均分子量2
6,500)水溶液Eを調製した。 <アクリル共重合体水溶液Fの調製>アクリル共重合体
水溶液Bの調製方法において、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート46部をブチルメタクリレート23部、エ
チルアクリレート23部に置換える以外は同様にしてア
クリル共重合体(水酸基価0、酸価91、数平均分子量
20,100)水溶液Fを調製した。
【0039】<アクリル共重合体水溶液Gの調製>アク
リル共重合体水溶液Bの調製方法において、メタクリル
酸14部をブチルメタクリレート14部に置換え、更に
中和剤で中和しない以外は同様にしてアクリル共重合体
(水酸基価199、酸価0、数平均分子量22,30
0)水溶液Gを調製した。
【0040】(実施例1〜4及び比較例1〜3)表1に
示した成分を混合し、イオン交換水にて不揮発分が10
%になるように希釈し、塗料組成物を製造した、得られ
た塗料組成物を、脱脂処理した板厚0.12mmの工業
用純アルミニウム板(JIS規格 A 1100)に乾
燥膜厚が2μmとなるようにロールコート塗装し、20
0℃で30秒間焼付けて被覆アルミニウム板を製造し
た。得られた皮膜の密着性、耐食性、初期親水性、親水
持続性、耐スクラッチ性の各試験及び塗料組成物の貯蔵
安定性試験を後記する方法に従って試験したところ表1
の下欄に示す結果となった。
【0041】表1からも明らかの通り、本発明の塗料組
成物は、優れた密着性、親水性、耐食性、耐スクラッチ
性、貯蔵安定性を有していた。 一方アクリロイルモル
フォリンを含まないアクリル共重合体を使用した比較例
1、水酸基価0のアクリル共重合体を使用した比較例
2、酸価0のアクリル共重合体を使用した比較例3は、
いずれも親水持続性が悪く、また耐スクラッチ性等も悪
かった。
【0042】
【表1】 注1)「スミマールMC−1」(住友化学工業社製商品
名)、固形分75% 注2)縦横各11本の2mm間隔の直交する切れ目をナ
イフで素材に到達するまで入れて、格子状に一辺の長さ
2mmの正方形を100個作った後、セロハン粘着テー
ブを貼り付け、瞬時にはがした時、はがれずに残った正
方形の数で判定した、○−100/100、△−90/
100〜99/100、×−89/100 以下 注3)水道水の入ったビーカーに試験板を浸漬し、引き
上げ、水平に試験板を置いた時の塗板表面の水の濡れの
状態を目視で判定した、 ○−全面に水が濡れ水玉の発生がない状態 ×−水がはじいて水玉が発生し、濡れない部分が発生し
た 注4)エルマ社製ゴニオメーターG−I型で測定した、 注5)「流水浸漬8時間→乾燥80℃、16時間」の乾
湿サイクルを5サイクル実施した後の親水性を試験し
た、 注6)「35℃、5重量%NaClを4時間噴霧→60
℃にて2時間乾燥→50℃、95%RH(湿潤)中に2
時間放置」を1サイクルとして、サイクル腐食試験を行
ない、100サイクル後の白さび発生状況で評価した、 ○−白さび10%未満(面積比) △−白さび30%未満(面積比) ×−白さび30%以上(面積比) 注7)10円硬貨を用いて塗板の引かき試験をし、皮膜
の損傷の状態を目視で判定した、 ○−圧痕は生じるが皮膜の剥離なし △−引かき部のみ皮膜剥離発生 ×−引かき及びその周辺で皮膜剥離発生 注8)塗料組成物を50℃恒温槽に1ケ月間放置し、分
離、沈澱、ゲル化、増粘等の変化を評価した、 ○−異常なし △−少し増粘 ×−分離、沈澱発生
【0043】
【発明の効果】本発明の塗料組成物は、塗料の安定性に
優れているとともに耐食性、低臭気性、親水性、耐スク
ラッチ性及びプレス加工性等に優れた皮膜を形成するこ
とが可能であり、従って特にアルミニウム表面等に塗布
して、それを例えばフィン材等に使用すると優れた効果
を発揮するものである。特に本発明は、(1)成分及び
(2)成分との組合せにより初期親水性の持続性が改良
され、またシリカ等の硬質無機微粒子を使用していない
ため金型の磨耗、成形不良、更には親水性皮膜の損傷等
が生じにくい特徴を有している。
フロントページの続き (72)発明者 小川 修 栃木県那須郡西那須野町下永田3−1172− 4

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸基価10〜470、酸価5〜390
    であり、かつ構成モノマーとして、 (1)アクリロイルモルフォリン 及び (2)(i)分子内に2個以上のラジカル重合可能なエ
    チレン性不飽和基を有する重合性不飽和モノマー、及び
    (ii)N−アルコキシメチルアミド基含有重合性不飽
    和モノマーからなる群より選ばれた少なくとも1種のモ
    ノマー、とを含むアクリル共重合体を結合剤とする親水
    性塗料組成物。
  2. 【請求項2】 分子中に窒素原子を有する有機腐食抑制
    剤を含有せしめた請求項1に記載の塗料組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の塗料組成
    物を塗布した、親水性皮膜を有する被覆アルミニウム
    材。
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