JPH0959539A - アルカリ可溶型保護塗料組成物 - Google Patents

アルカリ可溶型保護塗料組成物

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JPH0959539A
JPH0959539A JP21183195A JP21183195A JPH0959539A JP H0959539 A JPH0959539 A JP H0959539A JP 21183195 A JP21183195 A JP 21183195A JP 21183195 A JP21183195 A JP 21183195A JP H0959539 A JPH0959539 A JP H0959539A
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coating film
alkali
protective coating
polymer
coating composition
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Takeshi Terada
剛 寺田
Makoto Shimizu
誠 清水
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 経時でのアルカリ除去性の低下が少なく、乾
燥性等の作業性、耐酸性雨性、及び耐鉄粉展着性等の塗
膜性能に優れた保護塗膜を形成する。 【解決手段】 (A)α,β−エチレン性不飽和カルボ
ン酸モノマーと、その他のエチレン性不飽和モノマーと
を、数平均分子量が7000〜25000、Tgが10
〜50℃、酸価が90〜120となるように重合し、重
合体中の酸基を中和率が40〜80%となるように中和
した重合体に、(B)数平均分子量が600〜250
0、塩基性度(pKb値)が5.6以上であるヒンダー
ドアミン系光安定剤を含有させたことを特徴としてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリに可溶な
塗膜を与えるアルカリ可溶型保護塗料組成物に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】自動車などの塗装が施される物品におい
ては、輸送中の傷つき防止、または屋外に保管した際の
塗膜の劣化防止のために、その表面に熱可塑性樹脂シー
トなどからなる保護シートをラッピングしたり、あるい
はポリエチレンワックスなどを主成分とするワックスを
塗布したり、ストリッパブルペイントと呼ばれる下地へ
の密着性の乏しい塗料等を塗布したりしている。
【0003】しかしながら、保護シートをラッピングす
る方法では、自動車等のように物品が大型になると、ラ
ッピング作業が大がかりなものとなり、時間及び人手を
要するという問題があった。またワックスやストリッパ
ブルペイントを塗布する方法では、その除去作業に手間
がかかるという問題があった。さらにワックスの除去に
は有機溶剤が用いられるため、環境を汚染する等の問題
もあった。
【0004】保護コーティングを容易に除去することが
できる方法として、アルカリ水で溶解除去することがで
きるアルカリ可溶性の樹脂を塗装する方法が知られてい
る。このような方法によれば、塗装が容易であり、かつ
コーティングをアルカリ水で容易に除去することができ
る。このようなアルカリ可溶型の保護塗料においては、
下地塗膜に対する劣化防止、特に紫外線に対する劣化防
止の効果が不十分であるところから、特開昭62−25
3673号公報では、アルカリ可溶型保護塗料に紫外線
吸収剤を含有させることが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
アルカリ可溶型保護塗料による塗膜は、アルカリによる
除去性が経時により大幅に低下するという問題があっ
た。特に高温高湿環境下での経時劣化が著しく、アルカ
リ除去性が大幅に低下した。また耐鉄粉展着性及び耐酸
性雨性等の塗膜性能においてもより良好なものが求めら
れていた。
【0006】本発明の目的は、経時でのアルカリ除去性
の低下が少なく、乾燥性等の作業性、耐酸性雨性及び耐
鉄粉展着性等の塗膜性能に優れたアルカリ可溶型保護塗
料組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のアルカリ可溶型
保護塗料組成物は、α,β−エチレン性不飽和カルボン
酸モノマーと、その他のエチレン性不飽和モノマーと
を、数平均分子量が7000〜25000、Tg(ガラ
ス転移温度)が10〜50℃、酸価が90〜120とな
るように重合し、重合体中の酸基を中和率が40〜80
%となるように中和した重合体(A)に、数平均分子量
が600〜2500、塩基性度(pKb値)が5.6以
上であるヒンダードアミン系光安定剤(B)を含有させ
たことを特徴としている。
【0008】重合体(A)について 重合体(A)は、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸
モノマーと、その他のエチレン性不飽和モノマーとを重
合し、重合体中の酸基を中和して得られる重合体であ
る。
【0009】α,β−エチレン性不飽和カルボン酸モノ
マーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン
酸、クロトン酸、マレイン酸等を挙げることができる
が、特にアクリル酸、メタクリル酸が好適である。
【0010】その他のエチレン性不飽和モノマーとして
は、アクリル酸アルキルエステル、及びメタクリル酸ア
ルキルエステルが挙げられるが、特にアクリル酸n−ブ
チルとメタクリル酸メチルが好ましい。また、これらの
他に、親水性モノマーとしてメタクリル酸2−ヒドロキ
シエチル等の水酸基含有不飽和モノマーや、メタクリル
酸アミド等の重合性アミドモノマー、アクリルニトリル
などの重合性ニトリルモノマー等を用いることができ
る。また、スチレンなどの芳香族ビニルモノマー、ビニ
ルピロリドンなどの複素環式ビニルモノマー、酢酸ビニ
ルなどのビニルエステルモノマー、塩化ビニルなどのハ
ロゲン化ビニルモノマー、エチレン、プロピレンなどの
α−オレフィンモノマーなども用いることができ、エチ
レン性不飽和基を有するものであれば他のモノマーも使
用可能である。
【0011】モノマーの配合割合としては、α,β−エ
チレン性不飽和カルボン酸モノマー7〜25重量部に対
して、その他のエチレン性不飽和モノマー75〜93重
量部が好ましい。さらに好ましくは、α,β−エチレン
性不飽和カルボン酸モノマー12〜20重量部に対し、
その他のエチレン性不飽和モノマー80〜88重量部で
ある。α,β−エチレン性不飽和カルボン酸モノマーの
含有量が多すぎると、得られる重合体の親水性が高くな
りすぎ、十分な耐水性が得られなくなる場合がある。ま
たα,β−エチレン性不飽和カルボン酸モノマーの含有
量が少なすぎると、十分なアルカリ可溶性が得られない
場合がある。
【0012】上記モノマーを重合して得られる重合体の
数平均分子量は7000〜25000、さらに好ましく
は、10000〜20000である。数平均分子量が小
さすぎると十分な塗膜強度を得ることができず、数平均
分子量が大きすぎるとアルカリ除去性が劣る場合があ
る。数平均分子量の測定は、例えばゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー(GPC)により行うことができ
る。
【0013】またTgは10〜50℃であり、さらに好
ましくは、20〜40℃である。Tgが低すぎると塗膜
強度が不十分となる場合があり、Tgが高すぎると耐候
性が劣る場合がある。Tgの測定は、例えば示差走査熱
量測定装置(DSC)により行うことができる。
【0014】酸価は90〜120であり、さらに好まし
くは100〜110である。酸価が小さすぎるとアルカ
リ除去性が劣る場合があり、酸価が高すぎると耐候性が
劣る場合がある。酸価の測定は、例えばJIS K 0
070に規定する方法に準拠して行うことができる。
【0015】本発明において重合体(A)を得る重合方
法としては、乳化重合が好ましい。乳化重合することに
より、粒子として嵩の高い重合粒子を得ることができ、
アルカリ可溶性に優れた塗料組成物とすることができ
る。乳化重合の際の乳化剤としては、例えば、一般的な
アニオン性、またはアニオン−ノニオン性の界面活性剤
を用いることができる。また重合開始剤としては、例え
ば、過硫酸塩などの水溶性過酸化物や、アゾビスイソシ
アノ吉草酸塩などの水溶性アゾ化合物及び連鎖移動剤な
どを併用して用いることができる。
【0016】本発明の重合体(A)は、重合して得られ
た重合体中の酸基を中和率が40〜80%となるように
中和して得られる。中和剤としては、アンモニア、有機
塩基などを用いることができるが、乾燥性などの作業性
の点からはアンモニアが好ましい。中和率は40〜80
%、好ましくは50〜70%、さらに好ましくは55〜
65%である。中和率が低すぎると、塗膜の均一性が損
なわれ塗膜強度が低下し、耐鉄粉展着性に劣る傾向にあ
る。また中和率が高すぎると、塗膜中に中和剤が残り、
乾燥性及び耐酸性雨性が低下する傾向にある。
【0017】ヒンダードアミン系光安定剤(B)につい
本発明において用いられるヒンダードアミン系光安定剤
の数平均分子量は、600〜2500、好ましくは80
0〜2000の範囲内である。分子量が小さすぎると揮
散性が高くなり、経時でのアルカリ除去性の低下が少な
いという本発明の効果が十分に発揮されない。また数平
均分子量が大きすぎると樹脂成分との相溶性が不十分と
なり易い。
【0018】また塩基性度(pKb値)は5.6以上、
好ましくは、5.8以上である。塩基性度が低いと、耐
酸性が不十分となり、耐酸性雨性において優れた性能を
得ることができない。塩基性度の測定は、例えば80%
メタノール水溶液にヒンダードアミン系光安定剤を溶解
後、3Nの塩酸水溶液で滴定し、得られたpH滴定曲線
に基づいたグラフ法により算出することができる。
【0019】本発明において用いられるヒンダードアミ
ン系光安定剤の具体的な例としては、以下のような化合
物が挙げられる。テトラキス(1,2,2,6,6−ペ
ンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタン
テトラカルボキシラート
【0020】
【化1】
【0021】市販品としては、例えば商品名「アデカス
タブLA−52」(旭電化社製)が知られている。1,
2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/トリ
デシル1,2,3,4ブタンテトラカルボキシラート
【0022】
【化2】
【0023】市販品としては、例えば商品名「アデカス
タブLA−62」(旭電化社製)が知られている。1,
2,3,4−ブタンテトラカルボキシリックアシッド,
1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノー
ルと3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル
エチル)−2,4,8,10テトラオキサスピロ〔5,
5〕ウンデカンの混合エステル
【0024】
【化3】
【0025】市販品としては、例えば商品「アデカスタ
ブLA−63」(旭電化社製)が知られている。ヒンダ
ードアミン系光安定剤の配合量としては、重合体(A)
100重量部に対して0.01〜10重量部、好ましく
は0.1〜5重量部、さらに好ましくは0.3〜3重量
部である。ヒンダードアミン系光安定剤の添加量が少な
すぎる場合には、アルカリ除去性の経時劣化の防止とい
う本発明の効果が十分に得られない。またヒンダードア
ミン系光安定剤を過剰に添加しても、添加量に見合う効
果が得られず経済的に不利なものとなる。
【0026】その他の添加剤 本発明のアルカリ可溶型保護塗料組成物においては、さ
らに紫外線吸収剤を添加することができる。このような
紫外線吸収剤の添加により、ヒンダードアミン系光安定
剤との相乗効果で、さらにアルカリ除去性の低下防止を
図ることができ、特に高温高湿条件などのより過酷な条
件下における経時での除去性低下の防止を図ることがで
きる。
【0027】また、本発明のアルカリ可溶型保護塗料組
成物においては、必要に応じて腐食防止剤、酸化防止
剤、消泡剤などを添加することができる。また、塗布時
にハジキがでる場合には濡れを良くするため有機フッ素
系化合物等の界面活性剤を使用することが好ましい。
【0028】本発明のアルカリ可溶型保護塗料組成物に
おいて、溶剤は必ずしも必要ではないが、添加剤の溶解
性を高めるために、重合体(A)及びヒンダードアミン
系光安定剤(B)の合計100重量部に対して1〜50
重量部使用することが好ましい。本発明のアルカリ可溶
型保護塗料組成物を、塗膜の上に塗布する場合は、被塗
布物となる塗膜との関係を考慮して溶剤を適宜選択する
ことが好ましい。好ましい溶剤としては、イソプロピル
アルコール、メトキシプロパノール、エトキシプロパノ
ール、ブチルセロソルブ等のアルコールや、グリコール
エーテル、メチルセロソルブアセテート等のエステル
類、メチルイソブチルケトン等のケトン類、キシレン等
の芳香族炭化水素を挙げることができる。
【0029】積層塗膜 本発明の積層塗膜は、金属基板の上に形成した塗膜の上
に、上記本発明の塗料組成物からなる保護塗膜を形成し
たことを特徴としている。このような積層塗膜として
は、例えば、鋼板などの金属基板の上に、電着塗膜、中
塗り塗膜、及び上塗り塗膜を順次積層した塗膜などがあ
る。
【0030】物品表面の保護方法 本発明の物品表面の保護方法は、保護すべき物品の表面
の上に上記本発明の塗料組成物からなる保護塗膜を形成
する工程と、物品の表面を保護する必要がなくなった時
点で保護塗膜をアルカリで可溶化し除去する工程とを備
えている。
【0031】本発明において保護すべき物品の表面は、
例えば金属基板の表面や、金属基板の上に形成した塗膜
の表面などがある。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、
「部」は重量部を示す。
【0033】実施例1〜10 〔重合体の調製〕攪拌機、2つの滴下ロート、温度計、
窒素導入管及び環流冷却器を備えたフラスコを用意し、
そのフラスコの中に純水134.8部と、ノニオン性乳
化剤としてのエレミノールMON−2(商品名、三洋化
成工業社製)0.4部とを仕込んだ。滴下ロートには、
純水40部と過硫酸アンモニウム0.3部とからなる重
合開始剤水溶液と、純水80部、エレミノールMON−
2:0.6部、メタクリル酸メチル43.0部、アクリ
ル酸nブチル41.0部、メタクリル酸16.0部、及
びラウリルメルカプタン1部とからなるディスパーによ
るプレ乳化物とを別々に仕込んだ。
【0034】フラスコ内の空気を窒素導入管からの窒素
ガスにより置換し、フラスコ内を80℃に加熱し、重合
開始剤水溶液を140分間、プレ乳化物を120分間か
けて各滴下ロートから滴下した。滴下終了後、フラスコ
内を80℃でさらに1時間保ち、乳化重合反応を完了さ
せた。
【0035】フラスコ内の乳化重合体を、希アンモニア
水で中和率60%となるように中和しながら冷却し、濃
度20%の樹脂水溶液を得た。この樹脂水溶液中の重合
体の数平均分子量は15000であり、pHは7.5、
酸価は105、ガラス転移温度(Tg)は33℃であっ
た。
【0036】〔塗料組成物の調製〕得られた樹脂水溶液
の固形分100部に対して、表1に示した種類及び配合
量(固形分)のヒンダードアミン系光安定剤(HAL
S)と、紫外線吸収剤(メチル−3−〔3−ターシャリ
ー−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イ
ル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネートポリエ
チレングリコール(分子量300)との縮合物:商品名
「チヌビン1130」:チバガイギー社製)と、フッ素
系界面活性剤(商品名「エストップEF−122B」:
三菱マテリアル社製)0.5部を、ブチルセロソルブ4
8部に溶解した後添加し、さらにフォードカップNo.
4で20秒になるように純水を用いて粘度調整を行い、
塗料組成物を得た。
【0037】なお、表1に示す光安定剤の記号は以下の
通りである。 LA−52:アデカスタブLA−52;旭電化社製 LA−62:アデカスタブLA−62;旭電化社製 LA−63:アデカスタブLA−63;旭電化社製
【0038】〔塗料組成物の評価〕以上のようにして得
られた塗料組成物について以下のようにしてテスト板を
作製し、乾燥性、耐酸性雨性、耐鉄粉展着性、及び促進
曝露後のアルカリ除去性を評価した。
【0039】(テスト板の作製方法)冷延鋼板に対し、
燐酸亜鉛処理液(商品名「サーフダインSD250
0」、日本ペイント社製)を用いて燐酸亜鉛処理を施し
た後、電着塗料(商品名「パワートップU−53」、日
本ペイント社製)を用いて電着塗装(膜厚約20μm)
し、中塗り塗料(商品名「オルガTO−H850」、日
本ペイント社製)を用いて中塗り塗装(膜厚約40μ
m)し、さらに上塗り塗料(商品名「オルガTO−65
0ブラック、日本ペイント社製)を用いて上塗り塗装
(膜厚約40μm)した。このようにして塗膜を形成し
た冷延鋼板のテストピースの塗膜上に、上記実施例の塗
料組成物を乾燥膜厚が10±3μmとなるようにスプレ
ー塗装した。
【0040】(乾燥性)塗装後60℃、無風の条件下で
乾燥を行い、純水を2ml滴下し、風乾後の保護塗膜に
フクレ、シワ、ワレ等の変化が観察されなくなるのに必
要な乾燥時間を測定し、以下の評価基準で評価した。 ◎ : 15分以内 ○ : 20分以内 △ : 30分以内 × : 30分以上
【0041】(耐酸性雨性)塗装後60℃、風速1mで
10分間乾燥したテスト板にpH2の硫酸を0.1ml
滴下し、80℃に加熱乾燥後、1%モノエタノールアミ
ン水溶液で保護塗膜を除去し、保護塗膜下の塗膜の状態
を観察し、以下の基準で評価した。 ◎ : 全く汚染なし ○ : スポットのまわりに若干の汚染 △ : スポット跡がはっきり残る × : スポット部分全面に跡がはっきり残る
【0042】(耐鉄粉展着性)塗装後60℃、風速1m
で10分間乾燥したテスト板に200メッシュパスの鉄
粉を全面にふりかけ、水平に保持したまま80℃で1時
間静置し、はけで塗膜上の鉄粉を払い落とす。これを4
8時間ソルトスプレーにかけた後、保護塗膜を1%モノ
エタノールアミン水溶液で除去し、以下に示す評価基準
で錆の展着程度を評価した。 ◎ : 全く展着しない ○ : 展着面積1%以下 △ : 展着面積10%以下 × : 展着面積10%以上
【0043】(促進曝露後のアルカリ除去性) ・通常条件 岩崎電機社製アイスーパーUVテスターを用い、紫外線
照射1時間/60℃→水凝結2時間/50℃を1サイク
ルとして、240時間(80サイクル)試験したテスト
板に、1%モノエタノールアミン水溶液を吹きつけた
後、流水で洗い流したときの保護塗膜の残存量を測定
し、以下の基準で評価した。 ◎ : 残存しない ○ : わずかに点状に残るが再度除去液をかけると溶
解する △ : スポット状に残り除去液をかけても溶解しない × : ほとんど溶解せずに残存する
【0044】・高温高湿条件 岩崎電機社製アイスーパーUVテスターを用い、紫外線
照射2時間/60℃→水凝結4時間/70℃を1サイク
ルとして、480時間(80サイクル)試験したテスト
板を、上記と同様にして評価した。
【0045】以上のテスト板の評価結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】比較例1〜9 上記実施例で得られた中和後の重合体に光安定剤を添加
せずに塗料組成物を作製した(比較例1)。
【0048】また上記実施例で得られた中和後の重合体
に、表2に示す光安定剤を、表2に示す割合で添加し、
塗料組成物を得た(比較例2〜9)。なお、表2に示す
光安定剤の記号は以下の通りである。
【0049】LS−440 :サノールLS−440;
チバガイギー社製 チヌビン622;チバガイギー社製 LA−68LD:アデカスタブLA−68LD;旭電化
社製 LS−292 :サノールLS−292;チバガイギー
社製 得られた塗料組成物を用いて、上記実施例と同様にして
テスト板を作製し、塗膜性能を評価した。評価結果を表
2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】表1及び表2の比較から明らかなように、
本発明に従う光安定剤を配合した実施例1〜10の塗料
組成物は、促進曝露後においても優れたアルカリ除去性
を示している。また乾燥性、耐酸性雨性、及び耐鉄粉展
着性においても優れていることがわかる。
【0052】実施例11〜13及び比較例10〜13 次に、重合体(A)における中和率の影響を調べるた
め、上記実施例において乳化重合により得られた乳化重
合体に対し、表3に示すような中和率となるように中和
し、中和後の重合体の樹脂固形分100部に対して、ヒ
ンダードアミン系光安定剤(LA−62)を1.0部添
加し、その他は上記実施例と同様にして塗料組成物を調
製した。得られた塗料組成物について上記実施例と同様
にして塗膜性能を評価した。評価結果を表3に示す。
【0053】
【表3】
【0054】表3の結果から明らかなように、中和率4
0〜80%の場合に、乾燥性、耐酸性雨性、耐鉄粉展着
性及び促進曝露後のアルカリ除去性において優れた結果
が得られている。
【0055】
【発明の効果】本発明のアルカリ可溶型保護塗料組成物
を用いることにより、経時でのアルカリ除去性の低下が
少なく、乾燥性等の作業性、耐酸性雨性及び耐鉄粉展着
性等の塗膜性能に優れた保護塗膜を形成することができ
る。特に、高温高湿条件などの過酷な条件下においても
経時でのアルカリ除去性の低下が少なく、容易に保護塗
膜を除去することができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)α,β−エチレン性不飽和カルボ
    ン酸モノマーと、その他のエチレン性不飽和モノマーと
    を、数平均分子量が7000〜25000、Tgが10
    〜50℃、酸価が90〜120となるように重合し、重
    合体中の酸基を中和率が40〜80%となるように中和
    した重合体に、 (B)数平均分子量が600〜2500、塩基性度(p
    Kb値)が5.6以上であるヒンダードアミン系光安定
    剤を含有させたことを特徴とするアルカリ可溶型保護塗
    料組成物。
  2. 【請求項2】 前記ヒンダードアミン系光安定剤(B)
    が、前記重合体(A)100重量部に対して、0.01
    〜10重量部含有されている請求項1に記載のアルカリ
    可溶型保護塗料組成物。
  3. 【請求項3】 前記重合体(A)が乳化重合により得ら
    れる重合体である請求項1または2に記載のアルカリ可
    溶型保護塗料組成物。
  4. 【請求項4】 さらに紫外線吸収剤を含有させたことを
    特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルカ
    リ可溶型保護塗料組成物。
  5. 【請求項5】 金属基板上に形成した塗膜の上に、請求
    項1〜4のいずれか1項に記載の塗料組成物からなる保
    護塗膜を形成したことを特徴とする積層塗膜。
  6. 【請求項6】 前記金属基板上の塗膜が、電着塗膜、中
    塗り塗膜、及び上塗り塗膜を順次積層した塗膜である請
    求項5に記載の積層塗膜。
  7. 【請求項7】 保護すべき物品の表面の上に請求項1〜
    4のいずれか1項に記載の塗料組成物からなる保護塗膜
    を形成する工程と、 前記物品の表面を保護する必要がなくなった時点で、前
    記保護塗膜をアルカリで可溶化し除去する工程とを備え
    る物品表面の保護方法。
  8. 【請求項8】 前記物品の表面が金属基板上に形成した
    塗膜の表面である請求項7に記載の物品表面の保護方
    法。
JP21183195A 1995-08-21 1995-08-21 アルカリ可溶型保護塗料組成物 Pending JPH0959539A (ja)

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