JPH0694542B2 - アルカリ除去可能な塗膜保護組成物 - Google Patents

アルカリ除去可能な塗膜保護組成物

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JPH0694542B2
JPH0694542B2 JP61096962A JP9696286A JPH0694542B2 JP H0694542 B2 JPH0694542 B2 JP H0694542B2 JP 61096962 A JP61096962 A JP 61096962A JP 9696286 A JP9696286 A JP 9696286A JP H0694542 B2 JPH0694542 B2 JP H0694542B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はアルキル基の炭素数1〜4の(メタ)アクリル
酸アルキルエステル70〜95重量部、α,β−モノエチレ
ン性不飽和カルボン酸5〜20重量部、及びその他の共重
合可能なα,β−モノエチレン性単量体0〜25重量部か
ら成る単量体混合物を乳化重合して調製した、生成する
ポリマーのガラス転移温度が−10℃〜40℃の範囲にある
乳化重合体の水性分散体と、紫外線吸収剤とから成り、
塗膜上に塗布、乾燥させることにより優れた塗膜の保護
効果を有し、不要になればアルカリ性の水で容易に除去
することが出来る特性を有する水性の塗膜保護組成物に
関する。
〔従来の技術及びその問題点〕
自動車、各種機器・機械類の製品又は部品などは、塗装
により美観を高められるが、これら商品において輸送時
の傷の防止、或は屋外放置の際の水、太陽光線(特に紫
外線)による塗膜の劣化防止のために、種々の保護方法
が考案されたり実施されている。例えば(1)ポリ塩化
ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑樹脂
シートによる包装又は熱融着包装、(2)ポリエチレン
ワックス又はマイクロクリスタリンワックスなどを主成
分とする言わゆるガードワックスの塗布、(3)被塗装
体(下地)への密着性に乏しい塗料又は樹脂を塗布し不
要になれば剥離除去する言わゆるストリッパブルペイン
トの塗布、等の保護方法が挙げられるが、(1)は被包
装体の形状が複雑大型になると、包装或はその除去が困
難であり、(2)はワックス除去の際手間がかかり、
(3)は被塗装体の形状が複雑になると、剥離除去に手
間がかかる等、それぞれ欠点を有している。
一方、鋼材、機械部品などの金属面に対する傷の防止或
は防錆のためにアルカリ可溶性の樹脂を一時的に塗装
し、不要になればアルカリ水で溶解除去するという方法
が実施されている。
この方法は、スプレー、刷毛、ディッピングなど種々の
塗装方法を被塗装体の形状に合わせて採用することが出
来、塗装が容易であり、且つ被膜が不要の際にはアルカ
リ水にて容易に除去することが出来ると言う優れた特徴
を有する。しかしながらこの方法を塗装面の保護に適用
しようとすると、樹脂の溶剤、可塑剤等により保護すべ
き下地塗装面を傷めたり、或は、特に紫外線による下地
塗装面の劣化に対する保護効果が充分でない等の欠点が
ある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者らは、前記した従来技術の欠点に鑑み自動車、
各種機器・機械類の製品又は部品等の塗装により美観を
重視する商品において、これら塗装された商品の輸送す
る際の傷の防止、或は屋外放置の際の水、太陽光線(特
に紫外線)による塗膜の劣化防止に用いることができる
保護組成物について鋭意研究した。その結果、特定組成
の単量体混合物を乳化重合して調製した特定のガラス転
移温度を有する乳化重合体を含有してなる水性分散体
と、紫外線吸収剤との特定の混合比率を有する混合物を
塗装面に塗布した場合、下地の塗装面に対し優れた傷の
防止効果及び水、紫外線に対する優れた劣化防止効果を
有し、保護塗装時には容易に且つ下地の塗装面を傷める
ことなく塗装することができ、また保護塗膜の除去に際
しては、弱いアルカリ性の水で容易に除去することがで
きる等、優れた特性が得られることを見い出し、本発明
を完成するに至った。
〔発明の構成〕
本発明を概説すると、本発明は必須成分として、 (A):アルキル基の炭素数1〜4の(メタ)アクリル
酸アルキルエステル70〜95重量部、α,β−モノエチレ
ン性不飽和カルボン酸5〜20重量部、及びその他の共重
合可能なα,β−モノエチレン性単量体0〜25重量部か
ら成る単量体混合物100重量部を乳化重合して調製し
た、ガラス転移温度が−10℃〜40℃の範囲にある重合体
を含有してなる水性分散体と、 (B):紫外線吸収剤 とから成り、かつ(A):(B)の混合比率がそれぞれ
固形分重量比で100:0.1〜100:5の範囲であることを特徴
とする水性のアルカリ除去可能な塗膜保護組成物を提供
せんとするものである。
以下、本発明の構成について詳しく説明する。
本発明で使用する(A)成分としての水性分散体は、特
定量のアルキル基の炭素数が1〜4の(メタ)アクリル
酸アルキルエステルとα,β−モノエチレン性不飽和カ
ルボン酸とを乳化重合させることにより調製される。
前記アルキル基の炭素数1〜4の(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸メ
チル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸
n−プロピル、(メタ)アクリル酸iso−プロピル、
(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸is
o−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチルなどが挙
げられ、これらは1種もしくは2種以上の混合として用
いられ、その量は全単量体100重量部中70〜95重量部で
ある。
前記α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸としては
例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコ
ン酸、フマール酸、マレイン酸などが挙げられ、これら
は1種もしくは2種以上の混合物として全単量体中5〜
20重量部用いられる。
本発明においては。乳化重合に際してその他の共重合可
能な単量体を用いることができる。この種の共重合可能
な単量体としては、例えばスチレン、ビニルトルエンの
如き芳香族ビニル化合物;ビニルピロリドンの如き複素
環式ビニル化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、
バーサチック酸ビニルの如きビニルエステル類;塩化ビ
ニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデンの如きハロゲ
ン化ビニル化合物;エチレン、プロピレンの如きα−オ
レフィン類;(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、
(メタ)アクリル酸ラウリル等アルキル炭素数5以上の
(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリルアミ
ド、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸β
−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、
アリルグリシジルエーテル等極性基を有する単量体など
が挙けられ、これらは1種もしくは2種以上の混合物と
して全単量体中0〜25重量部用いられる。
本発明において、必須のモノマー成分であるアルキル基
の炭素数1〜4の(メタ)アクリル酸アルキルエステル
は、乳化重合して得られるポリマーのアルカリ可溶性、
耐候性、耐水性の見地より全単量体100重量部中70〜95
重量部使用される。その使用量が95重量部を超えると、
生成ポリマーから得た被膜のアルカリ可溶性が劣り、ま
た70重量部未満の場合には被膜のアルカリ可溶性、耐候
性、耐水性の釣り合いが悪くなり好ましくない。
また、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸は得ら
れるポリマーのアルカリ可溶性と耐水性の釣り合いで使
用量が決定されるべきであり、全単量体100重量部中5
〜20重量部、より好ましくは7〜15重量部使用される。
20重量部を超える量を使用すると、得られるポリマーの
親水性が高くなり過ぎ、被膜のアルカリ可溶性には優れ
るものの、耐水性が劣り好ましくない。逆に5重量部未
満の使用量では被膜のアルカリ可溶性が劣りやはり好ま
しくない。
その他の共重合可能な単量体は得られるポリマーの親水
性、疎水性の釣り合いから選択、使用されるべきであ
り、必要に応じて全単量体、100重量部中0〜25重量部
使用される。
本発明で使用する(A)成分である乳化重合体の水性分
散体は、前記単量体混合物を通常の乳化重合法により重
合させることにより調製することができる。その際、得
られるポリマーのガラス転移温度が−10℃〜40℃の範囲
であることが必要で、より好ましくは0℃〜30℃のもの
が良い。ガラス転移温度が40℃を超えると、造膜性が劣
るため好ましくなく、また−10℃未満では常温で被膜の
軟化が激しく、被膜の耐水性に劣り、且つ下地塗面の外
部衝撃に対する傷の防止効果に劣る。
乳化重合に用いられる乳化剤としては公知慣用のものが
用いられ、例えばアニオン型乳化剤、ノニオン型乳化
剤、カチオン型乳化剤、その他反応性乳化剤などが挙げ
られ、これらは1種もしくは2種以上の混合物として用
いることができる。
又、保護コロイドとして公知慣用の例えばポリビニルア
ルコール、ヒドロキシエチルセルロースなどを併用して
もよい。
本発明において、これら乳化剤及び保護コロイドの種類
及び使用量は特に制限はないが、通常、アニオン型乳化
剤とノニオン型乳化剤との併用が好ましい。その使用量
は得られるポリマーの被膜の耐水性及び乾燥性を考慮
し、通常、単量体混合物100重量部に対し0.2〜4重量部
使用されるが、HLB14以下のノニオン型乳化剤を使用し
た場合、下地の塗膜を劣化させる可能性があるので、そ
の使用量は1重量部以下が好ましい。
また、得られるポリマーの分子量は特に製限はないが、
ポリマーの被膜の耐水性、耐候性とアルカリ可溶性の釣
り合いより、ラウリルメルカプタンの如き公知慣用の連
鎖移動剤、又はビニルシラン類、ジビニルベンゼンの如
き公知慣用の言わゆる架橋剤を必要に応じて少量使用し
ても良い。
又、得られるポリマーの粒子径は特に制限はないが、被
膜の造膜性、耐水性、アルカリ可溶性の向上の観点から
粒子径は小さい程好ましいが、逆に過度に粒子径が小さ
いと得られる乳化重合体の粘度が著しく高くなり、作業
性が劣ることから重量平均粒子径は0.05〜0.2μの範囲
であることが好ましい。
本発明において、(A)成分の調製時に重合開始剤が通
常用いられる、一般に乳化重合に使用される触媒であれ
ば全て使用することができる。その代表的なものを挙げ
れば、過酸化水素、過硫酸アンモニウムなどの水溶性無
機過酸化物もしくは過硫酸塩;クメンハイドロパーオキ
サイド、ベンゾイルパーオキサイドなどの有機過酸化
物;アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ化合物など
であり、これらは1種もしくは2種以上の混合物として
用いられる。その使用量は単量体の総量に対し0.1〜2
重量%程度である。尚、これらの触媒と金属イオン及び
還元剤との併用による公知のレドックス重合法を採用し
ても良い。
本発明において、(A)成分の調製時に前記した各種の
単量体はこれを一括して、もしくは分割して、或は連続
的に重合反応系に滴下して加えてもよく、重合開始剤の
存在下に0〜100℃、実用的には30〜90℃の温度で重合
される。
本発明で使用する(B)成分としての紫外線吸収剤には
例えばサリチル酸メチル、サリチル酸フェニル、サリチ
ル酸クレジル、サリチル酸ベンジル等のサリチル酸エス
テル類;2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4−ベンジロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−
4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−
クロロベンゾフェノン、2−アミノベンゾフェノン等の
ベンゾフェノン類;2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−
ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒ
ドロキシ−5′−t−ブチルフェニル)−5−クロロベ
ンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メ
トキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒ
ドロキシ−3′,5′−ジ−ネオペンチルフェニル)ベン
ゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール類;2−シアノ−
3,3−ジフェニルアクリル酸エチル、2−シアノ−3,3−
ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル、α−シアノ
−β−メチル−4−メトキシ桂皮酸メチル等の置換アク
リロニトリル類;2,2′−チオビス(4−オクチルフェノ
レート)ニッケル錯塩、{2,2′−チオビス(4−t−
オクチルフェノラート)}−n−ブチルアミン・ニッケ
ル錯塩等のニッケル錯塩;p−メトキシベンジリデンマロ
ン酸ジメチル、レゾルシノールモノ安息香酸エステル、
ヘキサメチルリン酸トリアミド、2,5−ジフェニル−p
−ベンゾキノン等の紫外線吸収剤が挙げられる。これら
は1種もしくは2種以上の混合物として、前記(A)成
分である水性分散体中の乳化重合体の固形分100重量部
に対し、固形分で0.1〜5重量部使用される。
その使用量が0.1重量部未満であると得られる保護被膜
の下地被膜に対する紫外線による劣化の保護効果が充分
でないばかりでなく、保護被膜自体が紫外線により劣
化、変成し、アルカリ除去の際、除去しにくくなり好ま
しくない。逆に使用量が5重量部を超える場合、これ以
上の量を使用しても紫外線吸収剤の効果が飽和してしま
い適当ではない。より好ましくは前記(A)成分中の乳
化重合体の固形分100重量部に対し、紫外線吸収剤を固
形分で0.3〜3重量部使用するのが良い。
(A)成分中の乳化重合体と(B)成分の紫外線吸収剤
の混合は、乳化重合体に対し紫外線吸収剤を少量の有機
溶剤に溶解してから添加し、混合しても良く、あるいは
乳化重合時に、あらかじめ紫外線吸収剤を単量体混合物
に溶解させて乳化重合を行なうことにより混合しても良
い。
尚、本発明による水性のアルカリ除去可能な塗膜保護組
成物には造膜性、被膜物性、保存安定性、塗装作業性等
の改善のため、各種配合物、例えば造膜助剤等の有機溶
剤、各種水溶性樹脂、消泡剤、防腐剤、増粘剤、凍結安
定剤などの使用は全て可能であるが、下地塗膜への悪影
響を考慮し、有機溶剤の総使用量は組成物中好ましくは
10重量%以下、より好ましくは4重量%以下にするのが
良い。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明する。以
下において部及び%は、特に断りのない限り全て重量基
準である。
実施例1 ステンレス製反応容器に脱イオン水140部、ラウリル硫
酸ソーダ1部、及びHLB18のポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテル1部を仕込み、窒素気流下で75〜80℃
に加温、攪拌しながら過硫酸アンモニウム0.5部を仕込
んだ。
次いでアクリル酸n−ブチル48部、メタアクリル酸メチ
ル42部、アクリル酸5部及びメタアクリル酸5部よりな
る混合物を、180分間要して滴下、共重合せしめ、更に
同温度で60分間保持して重合を完結せしめた。
次いで30℃に冷却し5%アンモニア水及び水の計10部に
てpH6.5に調整した。ヒドロキシフェニルベンゾトリア
ゾール系紫外線吸収剤チヌビン328(チバ・ガイギー社
製)0.5部とヒンダードビスフェノール系紫外線吸収剤
ノクライザーNS−6(大内新興化学工業(株)製)0.5
部とをトルエン5部に溶解せしめたものを加え、均一に
なるまで充分攪拌した。得られた水性分散体組成物は不
揮発分40%、粘度240cps、pH6.5、ポリマーガラス転移
温度15℃(理論値)であった。これを組成物Iとする。
実施例2 単量体混合物の組成をアクリル酸2−エチルヘキシル15
部、アクリル酸エチル40部、メタアクリル酸メチル33部
及びメタアクリル酸12部とした以外は実施例1と同一の
手法を繰り返した。得られた水性分散体組成物は不揮発
分40%、粘度310cps、pH6.5、ポリマーガラス転移温度1
7℃(理論値)であった。これを組成物IIとする。
実施例3 ステンレス製反応容器に脱イオン水140部、ラウリル硫
酸ソーダ1部及びHLB18のポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル1部を仕込み、窒素気流下で75〜80℃に
加温、撹拌しながら過硫酸アンモニウム0.5部を仕込ん
だ。
次いでアクリル酸n−ブチル48部、メタアクリル酸メチ
ル42部、アクリル酸5部を及びメタアクリル酸5部より
なる混合物を180分間要して滴下、共重合せしめ、更に
同温度で60分間保持して重合を完結せしめた。
次いで30℃に冷却し5%アンモニア水及び水の計10部に
てpH6.5に調整した。ヒンダードアミン系紫外線吸収剤
サノール292(チバ・ガイギー社製)1部及びヒンダー
ドビスフェノール系のノクライザーNS−6 1部をトルエ
ン8部に溶解せしめたものを加え均一になるまで充分攪
拌した。得られた水性分散体組成物は不揮発分40%、粘
度250cps、pH6.5、ポリマーガラス転移温度15℃(理論
値)であった。これを組成物IIIとする。
実施例4 ステンレス製反応容器に脱イオン水145部、ラウリル硫
酸ソーダ1部及びHLB18のポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル1部を仕込み、窒素気流下で75〜80℃に
加熱、攪拌しながら過硫酸アンモニウム0.5部を仕込ん
だ。
次いでアクリル酸n−ブチル48部、メタアクリル酸メチ
ル42部、アクリル酸5部及びメタアクリル酸5部よりな
る混合物にヒンダードビスフェノール系紫外線吸収剤ノ
クライザーNS−6 0.5部及びサルチル酸エステル系紫外
線吸収剤シーソープ201(白石カルシウム(株)製)0.5
部とを溶解せしめたものを180分間要して滴下、共重合
せしめ、更に同温度で60分間保持して重合を完結せしめ
た。
次いで5%アンモニア水及び水の計10部にてpHを6.5に
調整した。得られた水性分散体組成物は不揮発分40%、
粘度110cps、pH6.5、ポリマーガラス転移温度15℃(理
論値)であった。これを組成物IVとする。
比較例1 単量体混合物の組成をアクリル酸2−エチルヘキシル45
部、スチレン10部、メタアクリル酸メチル35部、アクリ
ル酸5部及びメタアクリル酸5部とした以外は実施例1
と同一の手法を繰り返した。得られた水性分散体組成物
は不揮発分40%、粘度160cps、pH6.5、ポリマーガラス
転移温度11℃(理論値)であった。これを組成物I′と
する。
比較例2 単量体混合物の組成をアクリル酸n−ブチル48部、メタ
アクリル線メチル48部及びアクリル酸4部とした以外は
実施例1と同一の手法を繰り返した。得られた水性分散
体組成物は不揮発分40%、粘度200cps、pH6.5、ポリマ
ーガラス転移温度14℃(理論値)であった。これを組成
物II′とする。
比較例3 単量体混合物の組成をアクリル酸n−ブチル28部、メタ
アクリル酸メチル62部、アクリル酸5部及びメタアクリ
ル酸5部とした以外は実施例1と同一の手法を繰り返し
た。得られた水性分散体組成物は不揮発分40%、粘度22
0cps、pH6.5、ポリマーガラス転移温度45℃(理論値)
であった。これを組成物III′とする。
比較例4 単量体混合物の組成をアクリル酸n−ブチル50部、アク
リル酸エチル22部、メタアクリル酸メチル18部、アクリ
ル酸5部及びメタアクリル酸5部とした以外は実施例1
と同一の手法を繰り返した。得られた水性分散体組成物
は不揮発分40%、粘度250cps、pH6.5、ポリマーガラス
転移温度−13℃(理論値)であった。これを組成物IV′
とする。
比較例5 単量体混合物の組成をアクリル酸n−ブチル48部、メタ
アクリル酸メチル27部、メタアクリル酸25部とし、又乳
化剤組成をラウリル硫酸ソーダ1部、HLB18のポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル3部とした以外は実
施例1と同一の手法を繰り返した。得られた水性分散体
組成物は不揮発分40%、粘度120cps、pH6.5、ポリマー
ガラス転移温度17℃(理論値)であった。これを組成物
V′とする。
比較例6 実施例1と同一の手法により乳化重合体を合成し紫外線
吸収剤及びトルエンを後添加しないものを調製した。得
られた水性分散組成物は不揮発分41%、粘度220cps、pH
6.5、ポリマーガラス転移温度15℃(理論値)であっ
た。これを組成物VI′とする。
比較例7 比較例6に記載の組成物VI′250部にヒドロキシフェニ
ルベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤チヌビン328 0.03
部とヒンダードビスフェノール系紫外線吸収剤ノクライ
ザーNS−6 0.03部とをトルエン5部に溶解せしめたもの
を添加し均一になるまで充分撹拌した。得られた水性分
散体組成物は不揮発分40%、粘度240cps、pH6.5、ポリ
マーガラス転移温度15℃(理論値)であった。これを組
成物VII′とする。
前記実施例1〜4及び比較例1〜7にそれぞれ記載した
組成物I〜IV及び組成物I′〜VII′の組成を第1表に
まとめて記載する。
応用例1 組成物I〜IV及び組成物I′〜VII′の被膜の耐水製、
耐酸性及びアルカリ可溶性(アルカリ除去性)を比較す
るため、ガラス板にそれぞれの組成物を3ミルアプリケ
ータにて塗布し、25℃、湿度60%にて1日間乾燥し塗膜
を作成した。
尚、組成物III′に付いては、そのままでは前記乾燥条
件で造膜しないため、組成物III′100部に対しフタル酸
ジブチル5部を後添加し塗膜を作成した。
それぞれの塗膜を20℃の水道水にガラス板ごと3日間浸
漬し、塗膜の変化を目視にて判定した。
又、同様に作成した塗膜を硝酸にてpH1.0に調整した20
℃の水に1日間浸漬し塗膜の変化を目視にて判定した。
又、同様に作成した塗膜を20℃の2%アンモニア水に20
分間浸漬、あるいは40℃のpH12.5に調整した水酸化ナト
リウム水溶液に1分間浸漬した後、被膜の状態を目視に
て判定した。
それぞれの結果をまとめて第2表に記載する。
応用例2 アクリル樹脂、メラミン樹脂から成るツーコートワンベ
ークの言わゆるメタリック塗装した鋼板及び油長30%の
アルキド樹脂、メラミン樹脂から成り酸化チタン顔料を
用いたPWC40%の焼付け塗装、言わゆるソリッドカラー
塗装した鋼板の上に、それぞれ組成物I,II,III,IV,II
I′,IV′,V′,VI′,VII′を乾燥膜厚100μに成る様にバ
ンコーターを用い塗布し、25℃、湿度60%にて1日間乾
燥し塗膜を作成した。尚、組成物I′,II′は第2表に
記載する如く、アルカリ除去性が悪いため、以下に示す
試験は行なわなかった。又組成物III′は応用例1に述
べた如く造膜性が不良のため組成物III′100重量部に対
しフタル酸ジブチル5部を後添加し試験に供した。
それぞれの組成物で塗装をした試験板の、保護塗装によ
る下地塗膜に対する傷の保護効果を評価するため、それ
ぞれ保護塗装した試験板及びブランクとして保護塗装を
施していない試験板を20℃で描画試験機(東洋精機製作
所製)にて試験し、続いて試験板を20℃の2%アンモニ
ア水に20分間浸漬し、保護塗膜を除去した後、水洗、風
乾し下地塗膜であるメタリック塗膜、ソリッドカラー塗
膜の傷の有無を目視にて判定した。
次にそれぞれの組成物が下地塗膜に及ぼす影響を評価す
るため、同様に作成した保護塗装を施した試験板を1週
間室温で放置した後、試験板を20℃の2%アンモニア水
に20分間浸漬し、保護塗膜を除去し、水洗、風乾し、各
下地塗膜の光沢保持率をグロスメーターModel GM26D(6
0゜)(村上色彩技術研究所製)にて測定した。
又、保護塗装の下地塗膜に対する紫外線の保護効果と保
護塗膜自体の耐候性を評価するため、それぞれ同様に作
成した保護塗装した試験板及びブランクとして保護塗装
を施していない試験板をサンシャインウェザー○メター
にて2000時間促進耐候試験を行なった。
試験後、試験板を20℃の2%アンモニア水に20分間浸漬
し保護塗膜の状態を目視にて判定し、且つ保護塗膜の除
去が困難なものは更に2%アンモニア水中で脱脂綿を用
い物理的に洗浄除去し、続いて水洗、風乾の後、各下地
塗膜の光沢保持率を前記と同様にグロスメーターにて測
定した。
次に、保護塗膜よる酸に対する下地塗膜の保護効果を評
価するため、それぞれ同様に作成した保護塗装した試験
板及びブランクとして保護塗装を施していない試験板を
硝酸にてpH1.0に調製した20℃の水に1日間浸漬した後
引き上げ、水洗後更に20℃の2%アンモニア水に20分間
浸漬し、保護塗膜を除去し、水洗、風乾後の下地塗膜の
光沢保持率を上記と同様にグロスメーターにて測定し
た。
以上の結果をまとめて第3表に記載する。
第2表〜第3表に示されるように、本発明になる水性の
アルカリ除去可能な塗膜保護組成物は、それ自体の保護
塗膜が耐水性、耐酸性、アルカリ除去性に優れていると
ともに、下地塗膜の傷に対する保護効果に優れ、かつ下
地塗膜に対して耐候性、耐酸性の面で優れた効果を奏す
る。
特に、比較例との関連で注目すべきことは、第2表の比
較例で保護塗装膜自体のアルカリ除去性が良好とされた
ものでも(比較例IV′〜VII′)、第3表に示される如
く耐候試験後においては、それが悪化している点であ
る。このことは本発明の特定モノマー組成の乳化重合体
成分と紫外線吸収剤成分との特定割合から組成物におい
て、耐候性を良好に維持するためにこれら成分が相乗的
に作用していることを意味している。
〔発明の効果〕
本発明になる水性のアルカリ除去可能な塗膜保護組成物
は、その必須の構成成分が耐候性、耐久性に優れる(メ
タ)アクリル酸エステル系重合体成分と、紫外線吸収剤
成分とから成るものであり、塗膜の上に本発明の組成物
を塗装すると、水、紫外線による下地塗膜の劣化に対し
て優れた防止効果が得られる。又、衝撃による傷に対す
る保護効果にも優れ、保護被膜が不要になれば、アルカ
リ性の水で容易に溶解、除去することができる。
さらに、本発明の塗膜保護組成物が水性であることから
保護塗装時に下地塗膜を傷める恐れが少なく、作業性に
も優れている。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A):アルキル基の炭素数1〜4の(メ
    タ)アクリル酸アルキルエステル70〜95重量部、α,β
    −モノエチレン性不飽和カルボン酸5〜20重量部、及び
    その他の共重合可能なα,β−モノエチレン性単量体0
    〜25重量部から成る単量体混合物100重量部を乳化重合
    して調製した、ガラス転移温度が−10℃〜40℃の重合体
    を含有してなる水性分散体、 (B):紫外線吸収剤 とから成り、かつ(A):(B)の混合比率がそれぞれ
    固形分重量比で100:0.1〜100:5の範囲であることを特徴
    とする水性のアルカリ除去可能な塗膜保護組成物。
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