JP5000802B2 - 無機膜形成用塗布剤、その無機膜形成方法、そのものを用いて得られる無機膜被覆アルミニウム材及び無機膜被覆鋼材 - Google Patents

無機膜形成用塗布剤、その無機膜形成方法、そのものを用いて得られる無機膜被覆アルミニウム材及び無機膜被覆鋼材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属の防食性に優れた無機膜を形成する無機形成用塗布剤及びそれを塗布し乾燥して無機膜を形成する方法及びその無機膜被覆アルミニウム材、無機膜被覆鋼材に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
空調機の熱交換器用のフィン基材としては、軽量性、加工性、熱伝導性に優れたアルミニウム又はアルミニウム合金に化成処理を施したものが一般に使用されている。
【0003】
空調機の熱交換器は冷房時に発生する凝縮水が水滴となってフィン間に水のブリッジを形成し、空気の通風路を狭めるため通風抵抗が大きくなって電力の損失、騒音の発生、水滴の飛散などの不具合が発生するといった問題がある。かかる現象を防止する方策として、例えば、アルミニウム製フィン材(以下、「フィン材」という)の表面を親水化処理して水滴及び水滴によるブリッジの形成を防止することが行われている。
【0004】
しかしながら、これらの方法で得られる親水化処理皮膜を形成したフィン材は、皮膜が親水性を有することもあって、強い腐食環境下に置かれていると、数ケ月程度で腐食されてしまうといった問題があった。
【0005】
この問題を解決する方法として、耐食性、コストなどの面から基材であるアルミニウム又はアルミニウム合金材表面にクロメート処理を施す方法が多く行われている。しかしながら、クロメート処理はクロムイオンが有害金属イオンであるため環境保全の面から問題がある。
【0006】
また、上記したクロムイオンを使用しない下地処理剤や処理方法としても公知であり、例えば、チタン塩(ジルコニウム塩)、過酸化水素及び(縮合)リン酸(誘導体)を含有する酸性溶液で処理するアルミニウム表面処理法(特開昭54−24232号公報)、アルミニウムをチタンイオン(ジルコニウムイオン、鉄イオン)、錯化剤を含有するアルカリ性水溶液で処理し、水洗後、リン酸等の酸性水溶液で処理するアルミニウム表面処理法(特開昭54−160527号公報)、リン酸イオン、チタン化合物、フッ化物及び促進剤を含むアルミニウム表面処理組成物(特開平9−20984号公報)、(縮合)リン酸(塩)、チタニウム塩(ジルコニム塩)、フッ化物、(次)亜リン酸(塩)を含有するアルミニウム系金属表面処理用組成物(特開平9−143752号公報)などが挙げられる。
【0007】
しかしながら、上記したチタン化合物を使用した下地処理剤や処理方法は、下地処理剤の安定性が十分でないこと、クロメート処理と比較して耐食性が十分でないこと、親水性が十分でないこと及び耐久性が十分でないことなどの問題点があった。
また、近年、防錆被覆鋼板には優れた耐食性が要求され、従来の冷延鋼板にかわり亜鉛系めっき鋼板を基板とする表面処理鋼板が多く使用されている。
【0008】
従来、亜鉛系めっき鋼板の表面処理として、クロム酸塩処理及びリン酸亜鉛処理が一般に行われているが、クロムの毒性が問題になっている。クロム酸塩処理は、処理工程でのクロム酸塩ヒュームの揮散の問題、排水処理設備に多大の費用を要すること、さらには化成処理被膜からのクロム酸の溶出による問題などがある。また6価クロム化合物は、IARC(International Agency for Researchon Cancer Review)を初めとして多くの公的機関が人体に対する発癌性物質に指定しており極めて有害な物質である。
【0009】
またリン酸亜鉛処理では、リン酸亜鉛処理後、通常、クロム酸によるリンス処理を行うためクロム処理の問題があるとともに、リン酸亜鉛処理剤中の反応促進剤、金属イオンなどの排水処理、被処理金属からの金属イオンの溶出によるスラッジ処理の問題がある。
【0010】
クロム酸塩処理やリン酸亜鉛処理以外の処理方法としては、(1)重燐酸アルミニウムを含有する水溶液で処理した後、150〜550℃の温度で加熱する表面処理方法(特公昭53-28857号公報参照)、(2)タンニン酸を含有する水溶液で処理する方法(特開昭51-71233号公報参照)などが提案され、また、(3)亜硝酸ナトリウム、硼酸ナトリウム、イミダゾール、芳香族カルボン酸、界面活性剤等による処理方法もしくはこれらを組合せた処理方法が行われている。
【0011】
しかしながら、(1)の方法は、この上に塗料を塗装する場合、塗料の密着性が十分でなく、また、(2)の方法は、耐食性が劣り、(3)の方法は、いずれも高温多湿の雰囲気に暴露された場合の耐食性が劣るという問題がある。
【0012】
また、膜厚数μm以下の薄膜の被膜を有する亜鉛系鋼板として、特開昭58-224174 号公報、特開昭60-50179号公報、特開昭60-50180号公報などには、亜鉛系めっき鋼板を基材とし、これにクロメート被膜を形成し、さらにこの上に最上層として有機複合シリケート被膜を形成した防錆鋼板が知られており、このものは、加工性及び耐食性に優れた性能を有する。しかしながら、この防錆鋼板はクロメート被膜を有するため、前記したと同様にクロメートイオンによる安全衛生面の問題があった。また、この防錆鋼板からクロメート被膜を除いた鋼板では、いまだ耐食性が十分ではない。
本発明の目的は、特に金属の防食性に優れた無機の膜を形成する無機形成用塗布剤及びそれを塗布し乾燥して無機膜を形成する方法を提供することである。
【0013】
また、本発明の目的は、耐食性に優れ、クロムを含有しない下地処理被膜の特に熱交換器アルミニウムフィン材に適したの無機膜被覆アルミニウム材を提供することである。
【0014】
さらに、本発明の目的は、亜鉛系めっき鋼板にクロメート被膜がなくても、優れた耐食性を発揮する無機膜被覆鋼材を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究の結果、特定の弗化物塩と特定の加水分解性モノマー及び/又はその低縮合物とを反応させてなる無機膜形成用塗布剤が、従来からの問題点を解消することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0016】
かくして本発明によれば、下記成分
(A)チタン弗化塩及びジルコニウム弗化塩から選ばれる少なくとも1種の弗化物塩、及び(B)一般式 M(OR) (式中、Mはチタン原子であり、Rは同一もしくは異なって炭素数1〜4のアルキル基を示す)である加水分解性モノマー及び/又はその低縮合物を反応させてなることを特徴とする無機膜形成用塗布剤が提供される。
【0017】
また、本発明は、上記無機膜形成用塗布剤を、基材に塗布し、必要に応じて加熱処理して形成させることを特徴とする無機膜形成方法が提供される。
また、本発明は、アルミニウム材又はアルミニウム合金材表面に、上記無機膜形成用塗布剤から形成されてなる無機膜が形成されてなることを特徴とする無機膜被覆アルミニウム材が提供される。
【0018】
更に、本発明は、鋼材表面に、上記無機膜形成用塗布剤から形成されてなる無機膜が被覆されてなることを特徴とする無機膜被覆鋼材が提供される。
【0019】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の無機膜形成用塗布剤について説明する。
【0020】
本発明の無機膜形成用塗布剤は、A)ケイ弗化塩、チタン弗化塩、及びジルコニウム弗化塩から選ばれる少なくとも1種の弗化物塩、以下、このものを単に「弗化物塩(A)」と略すことがある。)、及び(B)全てが加水分解性基により置換されたシリコンモノマ−、チタンモノマー、ジルコニウムモノマーから選ばれる少なくとも1種の加水分解性モノマー及び/又はその低縮合物(以下、これらのものをまとめて単に「加水分解性化合物(B)」と略すことがある。)を反応させてなるものである。
【0021】
上記弗化物塩(A)は、ケイ弗化塩、チタン弗化塩、及びジルコニウム弗化塩から選ばれる少なくとも1種の弗化物塩である。該成分として、塩を形成するものとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム等が挙げられる。
【0022】
上記弗化物塩(A)と反応させるために使用される加水分解性モノマーは、シリコン、チタン及びジルコニウムの原子に直接加水分解性基が全て結合したものである。該加水分解性基は加水分解反応により水酸基を生じる官能基である。該加水分解性基としては、従来から公知のものであれば制限はないが、特に加水分解性に優れること、無着色の点から低級アルコキシル基が好ましい。
【0023】
加水分解性モノマーとしては、特に、一般式 M(OR)4 (式中、Mはシリコン原子、チタン原子又はジルコニウム原子であり、Rは同一もしくは異なって炭素数1〜4のアルキル基を示す)のテトラアルコキシ化合物が好ましい。炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等が挙げられる。
【0024】
該加水分解性モノマーとして、具体的には、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシシラン、トリメトキエトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、トリエトキシメトキシシラン、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシシチタン、トリメトキエトキシチタン、ジメトキシジエトキシチタン、トリエトキシメトキシチタン、テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトラプロポキシジルコニウム、テトラブトキシシジルコニウム、トリメトキエトキシジルコニウム、ジメトキシジエトキシジルコニウム、トリエトキシメトキシジルコニウム等が好適なものとして挙げられる。
【0025】
加水分解性モノマーの低縮合物としては、上記した加水分解性モノマーをお互いに加水分解して縮合反応させた低縮合物を使用することができる。低縮合物の縮合度は2〜30、特に縮合度2〜10の範囲内のものを使用することが好ましい。該加水分解縮合反応は、従来から公知の方法、例えば、加水分解性モノマーを水及び触媒(例えば、塩基性触媒、酸性触媒等)の存在下で常温もしくは加熱により反応を行うことができる。上記反応は、必要に応じて、例えば、メタノ−ル、エタノ−ル、イソプロピルアルコ−ル、エチレングリコ−ル系、プロピレングリコ-ル系等の親水性溶剤中で行うことができる。
【0026】
上記弗化物塩(A)と加水分解性化合物(B)との反応割合は、弗化物塩(A)1に対して、加水分解性化合物(B)を0.05〜10重量比、好ましくは0.1〜10重量比の範囲で反応させることが望ましい。加水分解性化合物(B)が0.1未満になると造膜性が低下し、耐食性が劣り、一方、加水分解性化合物(B)が10を超えると弗化物塩の比率が低下し、耐食性が劣るので好ましくない。
また、上記弗化物塩(A)と加水分解性化合物(B)との反応は、反応温度1〜 70℃、好ましくは、5〜70℃の範囲内で5分〜20時間、好ましくは、5分〜10時間反応させることにより製造できる。
【0027】
弗化物塩(A)と加水分解性化合物(B)との反応により製造された本発明の無機膜形成用塗布剤は、弗化物塩(A)と加水分解性化合物(B)との反応物、及び弗化物塩(A)、加水分解性化合物(B)の混合物も含むことができる。弗化物塩(A)と加水分解性化合物(B)との反応物の構成は明白ではないが、弗化物塩(A)と加水分解性化合物(B)とが直鎖状、分岐状、又はこれらの構造が組合わさったものと考えられる。また、分子末端は弗化物塩(A)反応構成成分であっても加水分解性化合物(B)反応構成成分であっても構わない。
【0028】
本発明の無機膜形成用塗布剤は、必要に応じて、例えば、メタノ−ル、エタノ−ル、イソプロピルアルコ−ル、エチレングリコ−ル系、プロピレングリコ-ル系等の親水性溶剤で希釈して使用することができる。
【0029】
本発明の無機膜形成用塗布剤には、必要に応じて、例えば、上記した成分以外に、必要に応じて界面活性剤、防菌剤、防錆剤(タンニン酸、フィチン酸、ベンゾトリアゾールなど)、着色顔料、体質顔料、防錆顔料などの顔料類などを含有することができる。
【0030】
本発明の無機膜形成用塗布剤は、塗装固形分として、通常0.01〜10重量%、特に0.1〜5重量%が好ましい。固形分が0.01重量%未満になると、造膜性が不十分となり、耐食性が劣り、一方10重量%を超えると、膜にワレを生じ、耐食性が劣るので好ましくない。
【0031】
本発明の無機膜形成用塗布剤は、酸性領域で安定な液体となり、特にPH1〜5、特に2〜5の範囲が好ましい。
本発明の無機膜形成用塗布剤は、基材に塗布し、必要に応じて加熱処理して形成させることにより無機膜を形成させることができる。
【0032】
該基材としては、特に制限なしに、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、ポリエステル系樹脂、弗素系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン樹脂、ナイロン樹脂、ブチラール樹脂、繊維素樹脂、フェノール樹脂、及びこれら2種以上の樹脂のものが組合わさった樹脂や表面処理やプライマーが施されたプラスチック基材、ガラス、セメント等の無機基材、紙、繊維等のパルプ基材、鉄鋼、アルミニウム、銅、ステンレス、亜鉛、錫、これら2種以上の金属が組合わさったものや表面処理やプライマーが施された金属基材などが挙げられる。
【0033】
本発明の無機膜形成用塗布剤において、該塗布剤をアルミニウム材又はアルミニウム合金材に適用して得られる無機膜被覆アルミニウム材、及び鋼材、金属表面のリン酸塩処理皮膜表面に適用して得られる無機膜被覆鋼材について、以下に説明する。
【0034】
無機膜被覆アルミニウム材:
アルミニウム材上に本発明の無機膜形成用塗布剤を塗装し乾燥させることによって無機膜を形成することができる。無機膜形成用塗布剤は、基材であるアルミニウム材(例えば、アルミニウムフィン材などの如き熱交換器に組み立てられたものであってもよい)上に、それ自体既知の塗装方法、例えば、浸漬塗装、シャワー塗装、スプレー塗装、ロール塗装、電着塗装などによって塗装することができる。無機膜形成用塗布剤の乾燥条件は、通常、素材到達最高温度が約60〜250℃となる条件で約2秒から約30分間乾燥させることが好適である。
【0035】
また、無機膜形成用塗布剤の乾燥膜厚としては通常、0.001〜10μm、特に0.1〜3μmの範囲が好ましい。0.001μm未満になると、耐食性、耐水性などの性能が劣り、一方10μmを超えると、無機膜が割れたり親水性などが劣るので好ましくない。
【0036】
無機膜被覆鋼材:
下記鋼材表面に本発明の無機膜形成用塗布剤を塗装し乾燥させることによって無機膜形成用塗布剤を形成することができる。無機膜形成用塗布剤は、下記鋼材(例えば、組み立てられたものであってもよい)上に、それ自体既知の塗装方法、例えば、浸漬塗装、シャワー塗装、スプレー塗装、ロール塗装、電着塗装などによって塗装することができる。無機膜形成用塗布剤の乾燥条件は、通常、素材到達最高温度が約60〜250℃となる条件で約2秒から約30分間乾燥させることが好適である。
【0037】
また、無機膜形成用塗布剤の乾燥膜厚としては通常、0.001〜10μm、特に0.1〜3μmの範囲が好ましい。0.001μm未満になると、耐食性、耐水性などの性能が劣り、一方10μmを超えると、無機膜が割れたり親水性などが劣るので好ましくない。
【0038】
鋼材としては、好ましくは溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、鉄−亜鉛合金めっき鋼板、ニッケル−亜鉛合金めっき鋼板、アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板(例えば、「ガルバリウム」、「ガルファン」という商品名で販売されている合金めっき鋼板)などを挙げることができる。また、亜鉛系めっき鋼板として、クロム酸塩処理、リン酸亜鉛処理、複合酸化膜処理などの化成処理を施した亜鉛系めっき鋼板も使用することもできる。
【0039】
該無機膜被覆鋼材は、耐食性、耐指紋性などに優れ、そのまま防錆鋼板、潤滑防錆鋼板として使用することもできるが、この上に、さらに上層被膜を形成することもできる。この上層被膜を形成する組成物は、目的に応じて適宜選定すればよく種々の塗料組成物を使用することができる。この塗料組成物としては、例えば、プライマー塗料、着色上塗塗料などを挙げることができる。プライマー塗料を塗装し、さらにその上に着色上塗塗料を塗装してもよい。
【0040】
【発明の効果】
本発明において、上記した構成を有する無機膜形成用塗布剤を、例えば、アルミニウム、電気亜鉛メッキ鋼板等の金属基材に塗装、加熱して無機膜を形成することにより、無機膜形成用塗布剤を構成する弗化物塩(A)構成成分は金属腐食の抑制剤として作用し、一方、加水分解性化合物(B)構成成分は酸化珪素、酸化チタン、酸化ジルコニウムなどの如き酸化金属膜又は酸化珪素膜を形成するので酸素透過性の少ない無機膜が形成されるので防食性に優れた無機膜が形成され、そして(A)構成成分と(B)構成成分とが化学結合しているので、金属腐食の抑制剤として働き金属素材に配位した弗化物塩(A)構成成分を(B)構成成分の酸化金属膜又は酸化珪素膜で保護するために高防食性、高耐久性の無機膜が形成されたものと推察される。
【0041】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下、「部」および「%」はそれぞれ「重量部」および「重量%」を意味する。本発明は以下の実施例に制限されるものではない。
【0042】
無機膜形成用塗布剤(1)の製造例
テトラiso-プロポキシチタン2.0部とエタノール48部の混合物をチタン弗化アンモニウム2.5部と脱イオン水47.5部の混合物中に20℃で1時間かけて撹拌しながら滴下した。白濁の無機膜形成用塗布剤(1)を得た。
【0043】
無機膜形成用塗布剤(2)の製造例
テトラiso-プロポキシチタン2.0部をチタン弗化アンモニウム2.5部と脱イオン水96.5部の混合物中に20℃で1時間かけて撹拌しながら滴下した。白濁の無機膜形成用塗布剤(2)を得た。
【0044】
無機膜形成用塗布剤(3)の製造例
製造例1において、テトラiso-プロポキシチタン2.0部とエタノール48部の混合物をチタン弗化アンモニウム0.5部と脱イオン水49.5部の混合物中に同様の製造条件で白濁の無機膜形成用塗布剤(3)を得た。
【0045】
無機膜形成用塗布剤(4)の製造例
製造例1のテトラiso-プロポキシチタンの代わりにテトラn−ブトキシチタンを使用して同様の製造条件で白濁の無機膜形成用塗布剤(4)を得た。
【0046】
無機膜形成用塗布剤(5)の製造例
製造例1のテトラiso-プロポキシチタンの代わりに87.5%テトラ-n-ブトキシジルコニウム2.0部を使用して同様の製造条件で白濁の無機膜形成用塗布剤(5)を得た。
【0047】
無機膜形成用塗布剤(6)の製造例
製造例1のチタン弗化アンモニウムの代わりにジルコニウム弗化アンモニウムを使用して同様の製造条件で白濁の無機膜形成用塗布剤(6)を得た。
【0049】
無機膜形成用塗布剤(7)の製造例
製造例1のチタン弗化アンモニウムの代わりにチタン弗化ナトリウムを使用して同様の製造条件で白濁の無機膜形成用塗布剤(7)を得た。
【0050】
無機膜形成用塗布剤(8)の製造例
製造例1のチタン弗化アンモニウムの代わりにチタン弗化カリウムを使用して同様の製造条件で白濁の無機膜形成用塗布剤(8)を得た。
【0051】
無機膜形成用塗布剤(9)の製造例
テトラiso-プロポキシチタン2.0部とエタノール48部の混合物を脱イオン水50部の混合物中に20℃で1時間かけて撹拌しながら滴下した。白濁の無機膜形成用塗布剤(9)を得た。
【0052】
無機膜形成用塗布剤(10)の製造例
チタン弗化アンモニウム2.5部と脱イオン水97.5部の混合し、透明の無機膜形成用塗布剤(10)を得た。
【0053】
無機膜形成用塗布剤(11)の製造例
ジルコニア弗化アンモニウム2.5部と脱イオン水97.5部の混合し、透明の無機膜形成用塗布剤(11)を得た。
【0054】
無機膜形成用塗布剤(1)〜(8)[実施例(1)〜(8)に順次相当]、無機膜形成用塗布剤(9)〜(11)[比較例(1)〜(3)に順次相当]を得た。
【0055】
試験板の作成A: 板厚0.1mmのアルミニウム板(A1050)を、アルカリ脱脂剤(日本シービーケミカル(株)製、商品名「ケミクリーナー561B」)を溶解した濃度2%の水溶液を使用して脱脂、水洗した後、上記実施例及び比較例で得た下地処理剤を乾燥皮膜重量が0.2g/m2となるように塗布し、素材到達温度が100℃になるようにして20秒間焼付けて下地処理皮膜を形成した。
【0056】
得られた各試験塗板に耐食性の試験を行った。その試験結果を後記表1に示す。試験は下記の試験方法に従って行った。
【0057】
耐食性:JIS−Z−2371塩水噴霧試験法に準ずる。試験時間は120時間、240時間及び360時間の3段階とし、下記基準により評価した。
○…塗面に白サビ、フクレの発生が認められない
△…白サビ又はフクレが少し発生
×…白サビ又はフクレが著しく発生。
【0058】
試験板の作成B: 板厚0.6mm、片面のめっき付着量20g/m2 の電気亜鉛めっき鋼板を、アルカリ脱脂剤(日本シービーケミカル(株)製、商品名「ケミクリーナー561B」)を溶解した濃度2%の水溶液を使用して脱脂、水洗した後、上記実施例及び比較例で得た下地処理剤を乾燥皮膜重量が1.0g/m2となるように塗布し、素材到達温度が100℃になるようにして20秒間焼付けて下地処理皮膜を形成した。
得られた各試験塗板に耐食性の試験を行った。その試験結果を後記表2に示す。試験は下記の試験方法に従って行った。
【0059】
耐食性:試験塗板の端面部及び裏面部をシールした試験塗板に、JIS Z2371に規定する塩水噴霧試験を72時間まで行い、24時間経過時及び48時間経過時における塗膜面の錆の程度を下記基準により評価した。
a:白錆の発生が認められない、
b:白錆の発生程度が塗膜面積の5%未満、
c:白錆の発生程度が塗膜面積の5%以上で10%未満、
d:白錆の発生程度が塗膜面積の10%以上で50%未満、
e:白錆の発生程度が塗膜面積の50%以上。
【0060】
試験板の作成C
板厚0.6mm、片面のめっき付着量20g/m2 の電気亜鉛めっき鋼板を、基材として用いた。
上記めっき鋼板の表面をアルカリ脱脂した後、表面調整(日本パーカライジング(株)製の「プレパレンZ」を用いたスプレー処理)を行い、さらにリン酸亜鉛処理(日本パーカライジング(株)製の「パルボンド3308」を用いたスプレー処理)を行った後、水洗、乾燥してリン酸亜鉛処理を施しためっき鋼板を得た。リン酸亜鉛処理皮膜の付着量は1.5g/m2とした。
【0061】
上記リン酸亜鉛処理を施しためっき鋼板表面に上記実施例及び比較例で得た下地処理剤を乾燥皮膜重量が1.0g/m2となるように塗布し、素材到達温度が100℃になるようにして20秒間焼付けて下地処理皮膜を形成した。
得られた各試験塗板に耐食性の試験を行った。その試験結果を後記表3に示す。試験は下記の試験方法に従って行った。
【0062】
耐食性:試験塗板の端面部及び裏面部をシールした試験塗板に、JIS Z2371に規定する塩水噴霧試験を72時間まで行い、24時間経過時及び48時間経過時における塗膜面の錆の程度を下記基準により評価した。
a:白錆の発生が認められない、
b:白錆の発生程度が塗膜面積の5%未満、
c:白錆の発生程度が塗膜面積の5%以上で10%未満、
d:白錆の発生程度が塗膜面積の10%以上で50%未満、
e:白錆の発生程度が塗膜面積の50%以上。
表1
【0063】
【表1】
Figure 0005000802
【0064】
表2
【0065】
【表2】
Figure 0005000802
【0066】
表3
【0067】
【表3】
Figure 0005000802

Claims (6)

  1. 下記成分
    (A)チタン弗化塩及びジルコニウム弗化塩から選ばれる少なくとも1種の弗化物塩、及び(B)一般式 M(OR) (式中、Mはチタン原子であり、Rは同一もしくは異なって炭素数1〜4のアルキル基を示す)である加水分解性モノマー及び/又はその低縮合物を反応させてなることを特徴とする無機膜形成用塗布剤。
  2. 上記低縮合物が、縮合度2〜30であることを特徴とする請求項1に記載の無機膜形成用塗布剤。
  3. 弗化物(A)と加水分解性モノマー及び/又はその低縮合物(B)との反応割合が、弗化物(A)1に対して、加水分解性モノマー及び/又はその低縮合物(B)を0.05〜10重量比の範囲で反応させてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の無機膜形成用塗布剤。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の無機膜形成用塗布剤を、基材に塗布し、必要に応じて加熱処理して形成させることを特徴とする無機膜形成方法。
  5. アルミニウム材又はアルミニウム合金材表面に、請求項1〜のいずれか1項に記載の無機膜形成用塗布剤から形成されてなる無機膜が形成されてなることを特徴とする無機膜被覆アルミニウム材。
  6. 鋼材表面に、請求項1〜のいずれか1項に記載の無機膜形成用塗布剤から形成されてなる無機膜が被覆されてなることを特徴とする無機膜被覆鋼材。
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