JP2008273146A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェット記録で染料インク及び顔料インクのいずれを使用した場合においても印字濃度が高く、かつ印字ムラがなく、高白色度を持つインクジェット記録用紙を提供すること。
【解決手段】基材上に、少なくとも1層のインク受容層と、当該インク受容層上に形成された光沢層とを有するインクジェット記録用紙であって、前記光沢層上に設けた最表層がジアミン系化合物とヒドラジド誘導体を含有し、前記ヒドラジド誘導体が、ヒドラジド誘導体とアクリルアミドとの共重合体であることを特徴とするインクジェット記録用紙である。
【選択図】なし

Description

本発明は、水性顔料インク及び水性染料インクを用いるインクジェット記録に最適なインクジェット記録用紙に関する。
インクジェットプリンタによる記録は、騒音が少なく高速記録が可能であり、かつ多色化が容易なために多方面で利用されている。インクジェット記録に用いるインク中には多量の溶媒が含まれているため速やかに用紙に浸透させる必要があり、当初は上質紙やマット調塗工紙のインクジェット記録用紙が主体であったが、銀塩写真に近い画像が求められるにつれ、いわゆるキャストコート紙等の高光沢インクジェット記録用紙も増加してきている。
一方、従来の主流であった着色剤を使用した染料インクのみでなく、耐水性や耐光性に優れた着色顔料を分散した顔料インクも使用されるため、着色剤の浸透性の高い染料インクと着色顔料が表面に留まりやすい顔料インクの双方に対応したインクジェット記録用紙が要求されている。
これらに対応すべく、特許文献1では、所定の粒子径である微細顔料を塗工し、バインダーとホウ素化合物との架橋反応によりゲル化させて鏡面仕上すること(いわゆるゲル化キャスト法)が開示されている。しかし、ゲル化の際に光沢層の塗工液が凝集することで均一な塗工層が形成できず、したがってインク浸透性にバラツキが生じる問題があった。特にカラーインクジェットプリンタの解像度が向上するにつれ、インク浸透の差異による印字ムラに対する要望が高まっている。
更に、ホウ素単体を用いた架橋反応は、ポリビニルアルコール中の多量の水酸基と架橋するため、架橋密度が高くなり、塗工層が固く、もろくなってしまう問題があった。
特開2005−186604号公報
本発明は、上記現状に鑑み、インクジェット記録で染料インク及び顔料インクのいずれを使用した場合においても印字濃度が高く、かつ印字ムラがなく、更に、塗工層に柔軟性があり、加工適性にも優れた高白色度を持つインクジェット記録用紙を提供することを課題とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、インク受容層と光沢層とを有するインクジェット記録用紙において、前記光沢層上に設けた最表層がジアミン系化合物とヒドラジド誘導体を含有し、前記ヒドラジド誘導体を、ヒドラジド誘導体とアクリルアミドとの共重合体にすることで、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、基材上に、少なくとも1層のインク受容層と、当該インク受容層上に形成された光沢層とを有するインクジェット記録用紙であって、
前記光沢層上に設けた最表層がジアミン系化合物とヒドラジド誘導体を含有し、前記ヒドラジド誘導体が、ヒドラジド誘導体とアクリルアミドとの共重合体であることを特徴とするインクジェット記録用紙である。
本発明においては、前記光沢層がアセトアセチル化ポリビニルアルコール及び保水剤を含有することが好ましく、前記保水剤がセルロース誘導体であることがより好ましく、
前記セルロース誘導体がアルデヒド変性ヒドロキシエチルセルロースであることがより好ましい。
本発明のインクジェット記録用紙は、最表層によるゲル化強度が十分であるので良好に製造することが可能で、高度の白色度及び光沢度を有しており、インクジェット記録で染料インク及び顔料インクのいずれを使用した場合においても印字濃度が高く、かつ印字ムラがなく、染料インクを使用した場合の表面の曇りを抑制することができるので、鮮明な印面が得られ、さらには用紙表面にひび割れ等が生じにくいものである。
基材に用いるパルプとしては特に限定されないが、例えば、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)や針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)や広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)等の化学パルプ;サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、リファイナーメカニカルパルプ(RMP)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、サーモグランドパルプ(TGP)、砕木パルプ(GP)、ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)等の機械パルプ;デインキングパルプ(DIP)、ウェストパルプ(WP)等の化学パルプや機械パルプ由来の古紙パルプ等が挙げられ、これらの中から1種又は2種以上を選択して用いることができる。これらのうち、白色度、平滑性向上の点から、LBKPを原料パルプ全量の80〜100質量%用いることが好ましい。
パルプのカナダ標準濾水度(フリーネス)は350〜500mlとすることが好ましい。350ml未満では基材のクッション性が低下し、反光沢面の印刷適性が低下する傾向がある。500mlを超えると、基材の強度が低下し、ギロチン断裁時に紙粉が発生しやすくなる。
前記基材は、JIS P 8251に準じた灰分率が1〜5重量%、好ましくは2〜4重量%となるように、填料を含有することが好ましい。填料は、平滑性向上によりオフセット印刷でのムラを改善し、葉書用途として使用するための不透明度を向上させ、さらにはパルプの繊維間結合を抑え基材に空隙を生じさせることでクッション性を向上させ、インクジェットプリンタにおける搬送ギアによる穴開きや、連続印字時の搬送ロール押し付けによって反光沢面−光沢面の擦れによる光沢面への傷を低減することができる。上記灰分率が1重量%未満では通信面にキズ入りが見られる場合があり、5重量%を超えると反光沢面印刷時にブランケットに紙粉が付着しやすくなり、断裁時には紙粉が発生しやすくなる。
前記填料としては特に限定されないが、酸化チタン、クレー、タルク、炭酸カルシウム等が挙げられる。
オフセット印刷時の表面強度向上や紙粉低減の観点から、前記基材は、酸化澱粉、アセチル化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉等の各種澱粉を、内添及び/又は表面塗工によって含有することが好ましい。基材中の含有量は1〜10g/mが好ましく、1g/m未満では表面強度低下により紙粉が発生しやすくなり、10g/mを超えるとインク吸収性が低下する傾向がある。
前記基材は、その他の添加薬品として、紙力増強剤、内添サイズ剤、外添サイズ剤、歩留向上剤等、公知のものを含むことができる。
前記基材上には、インクを吸収して乾燥させるため、顔料及びバインダーを含む少なくとも1層のインク受容層を設ける。
前記顔料としては特に限定されないが、例えば、非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、クレー、炭酸カルシウム、タルク、炭酸マグネシウム、過硫酸バリウム、珪酸マグネシウム等の無機顔料が挙げられる。特に非晶質シリカは細孔容積が大きいためインク吸収性が良好であり、好ましい。
前記顔料の粒子径としては特に限定されないが、コールカウンター法による平均2次粒子径が1〜10μmの範囲が好ましい。1μm未満では層内の空隙がなくインク吸収性が低下する傾向があり、10μmを超えると層内の空隙が大きく印刷ムラが発生する傾向がある。
前記顔料を基材に接着させるバインダーとしては特に限定されないが、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、酸化澱粉、エーテル化澱粉、アクリル酸エステル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられ、これらのうち少なくとも1種類以上を選択して使用することができる。特にスチレン−アクリル酸共重合体は塗料が増粘することなく光沢層の塗液に対する強度が得られるため好ましい。インク受容層におけるバインダー含有量を顔料100重量部に対して有効成分基準で20〜70重量部とすることが、インク吸収性、表面強度の点で好ましく、20重量部未満では表面強度が劣り、70重量部を超えると、インク吸収性が劣る。
前記インク受容層の塗工量は特に限定されないが、例えば、乾燥重量で5〜15g/m程度である。
前記インク受容層上には、顔料及びバインダーを含む光沢層を設ける。
光沢層に含まれる顔料としては、前記インク受容層と同様の顔料を使用することができるが、特に、気相法により生成された非晶質シリカが、顔料インクの定着性が良好で好ましい。粒子の大きさは特に限定されないが、長径は100〜200nm程度でよい。その他の顔料としてはコロイダルシリカ、アルミナ、クレー、炭酸カルシウム、タルク、炭酸マグネシウム、過硫酸バリウム、珪酸マグネシウム等を使用することができる。
本発明では、光沢層中のバインダーとしてゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、スチレンと無水マレイン酸共重合体、カルボキシメチルセルロース、多糖類等を使用することができるが、なかでもポリビニルアルコールが耐水性の点で好ましく、特にアセトアセチル化ポリビニルアルコールを使用することで、最表層の塗工液との架橋反応性が良好となり、均一な塗工面を形成することができる。アセトアセチル化ポリビニルアルコールとは、アセトアセチル基を有する変性ポリビニルアルコールであり、なかでも、ケン化度98%以上の完全ケン化、重合度2000以上の高粘度のものが、ゲル化が容易で好ましい。
光沢層中におけるバインダーの含有量としては特に限定されないが、顔料100重量部に対して有効成分基準で5〜50重量部が好ましく、10〜40重量部がより好ましい。バインダー含有量が5重量部未満ではインク受容層への顔料の定着性が低下し紙粉が発生しやすくなり、50重量部を超えるとバインダーの被膜によりインク吸収性が低下する傾向がある。
本発明では、光沢層の塗工液中に、さらに保水剤を配合することが好ましい。これによって、紙中へのバインダー成分の浸透が抑制されるのみでなく、バインダーとしてアセトアセチル化ポリビニルアルコールを使用する場合は、ゲル化が促進される。光沢層中に保水剤を配合する利点として、塗工液がインク受容層、もしくは、原紙に吸収されないために、ひび割れの抑制につながることがある。また、アセトアセチル化ポリビニルアルコールと保水剤を併用することで、塗工面のひび割れや、染料インクでの印字時に表面の曇り(ヘイズ)を抑制することもできる。
本発明において保水剤とは、塗工液の保水力を向上させた高分子化合物であり、塗工液の紙中への浸透を調整することができる。具体的には、特に限定されないが、ポリアクリル酸系、ポリウレタン系、ポリアクリルアミド系、セルロース誘導体系、バイオガム系、グアガム誘導体系等が挙げられる。なかでもセルロース誘導体が、保水効果が高く均一な塗工面を形成することができるので好ましい。
セルロース誘導体とは、セルロースが持つ水酸基をエステル化又はエーテル化したもの、及び、その変性物を指し、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、これらの各種変性物(例えば、アルデヒド変性物、カチオン変性物、アルキル変性物等)が挙げられる。特にアルデヒド変性ヒドロキシエチルセルロースはアセトアセチル化ポリビニルアルコールのゲル化を促進するため、顔料インクにおいて印字濃度を高めることができる。
保水剤の配合量としては特に限定されないが、顔料100重量部に対して有効成分基準で0.01〜5重量部が好ましく、0.1〜3重量部がより好ましい。保水剤の配合量が少なすぎると、塗工層表面のバインダーが被膜化しインク吸収性が低下する傾向がある。逆に多すぎると塗工液が増粘して、均一な塗工層形成が困難となり印字ムラが発生しやすくなる。
前記光沢層の塗工量は特に限定されないが、例えば、乾燥重量で5〜15g/m程度である。
本発明では、光沢層上に、これをゲル化させることを目的として最表層を塗工する。最表層の塗工液(凝固液)は、光沢層中のバインダーを架橋反応させるため、架橋剤を含有する。架橋剤としては特に限定されないが、例えば、ホウ素化合物、エポキシ化合物、グリシジル化合物、ジルコニウム化合物、アルミニウム化合物、クロム化合物等が挙げられ、なかでも、ゲル化反応が早いホウ素化合物が好ましい。
ホウ素化合物としては特に限定されないが、例えば、ホウ砂(Na[B(OH)]・8HO);ホウ酸(HBO);オルトホウ酸塩、二ホウ酸塩、四ホウ酸塩等の各種ホウ酸塩等を使用することができるが、速やかに架橋反応を起こし、均一な塗工層を形成することができるため、ホウ砂、及び、ホウ酸が好ましい。
さらには、光沢層中のバインダーがアセトアセチル化ポリビニルアルコールである場合にはその中のアセトアセチル基と架橋反応させるため、最表層には、多価金属化合物、アルデヒド化合物、エポキシ化合物、メチロール化合物等を配合することができるが、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、四塩化チタン、乳酸チタン、テトライソプロピルチタネート、酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、クロムミョウバン、カリウムミョウバン、塩基性ポリ水酸化アルミニウム、塩化コバルト、塩化第一鉄、硫酸第一鉄、塩化第二鉄、酢酸クロム、酢酸バリウム等の多価金属化合物がアセトアセチル化ポリビニルアルコールとの反応性が早いため好ましく、特に塩化ジルコニウム(ZrCl)は速やかにゲル化され、均一な塗工層を形成することができ、好ましい。
光沢層の柔軟性が向上することによって塗工面のひび割れが抑制されるので、本発明では、最表層は、ジアミン系化合物とヒドラジド誘導体を含有する。この2つに加えて、さらにホウ素化合物を含有することが好ましい。
従来の、ホウ素化合物単独を用いたゲル化剤(架橋剤)は架橋密度が高くなりすぎて塗工面の表面が割れやすくなってしまう。そこでホウ素化合物の一部置き換えとしてジアミン系化合物とヒドラジド誘導体を架橋剤として併用して用いて架橋反応させることで架橋密度が減少し、塗工層に柔軟性を与えることができた。バインダーがアセトアセチル化ポリビニルアルコールの場合、ホウ素化合物は当該バインダー中の水酸基と架橋反応し、ジアミン系化合物とヒドラジド誘導体は、当該バインダーに含まれるアセトアセチル基と架橋反応する。
更に、ジアミン系化合物とヒドラジド誘導体を併用して用いることにより、ジアミン系化合物単独からなるゲル化剤よりも塗工層表面のJIS P 8148に準じたISO白色度が90以上の高白色度を得ることができる。要因として、ジアミンのみの架橋では、アミンの酸化や、共役形の存在による電子の励起による黄変化が発生するが、ヒドラジド誘導体と併用することで、ジアミンの配合を抑える事ができたためと考えられる。
ジアミン系化合物としては、アミノ基(特に1級アミノ基)を2個有する化合物であれば特に限定されないが、炭素原子に結合した一級アミノ基を2個有する化合物であることが好ましく、例えば、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、メタキシレンジアミン、ノルボルナンジアミン、エチレンジアミン、メタキシレンジアミンとエピクロルヒドリンとの重縮合物等が挙げられ、特に1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンは光沢層がムラになりにくいため好ましい。
ヒドラジド誘導体としては、低分子のヒドラジド誘導体(アジピン酸ヒドラジド)ではなく、アクリルアミドとの共重合体を使用する。アクリルアミドとの共重合体が好ましい原因として、アクリルアミドが存在することにより、電子吸引性が増加し、他のヒドラジド誘導体よりも活性が高く、反応性、反応速度が高いことが考えられる。また、バインダーがアセトアセチル化ポリビニルアルコールの場合には、アセトアセチル基とのエナミン反応物を安定して与えることができる。
また、アクリルアミドとしては、アミノポリアクリルアミドであることで、よりインクの定着性を高めることができるため、特に好ましい。
更にヒドラジド誘導体としては、アクリルアミドとの共重合体中において、ヒドラジン当量が通常50〜300の範囲にあるものであってよく、150〜180の範囲にあるものが好ましい。150未満では光沢ムラや印字ムラが発生しやすく、180を超えると染料インク使用時には曇りやすくなる。
ジアミン系化合物に対するヒドラジド誘導体の含有比率(重量比)は通常1:0.1〜1:3であってよく、1:0.25〜1:1.5とすることがより好ましく、0.25未満では白色度が低下し、1.5を超えると光沢ムラ及び印字ムラが発生しやすくなる。
更に、ホウ砂も併用する場合には、ホウ砂に対する架橋剤(ジアミン系化合物+ヒドラジド誘導体)の含有比率(重量比)は通常1:2〜1:4であってよく、1:2.5〜1:3.5することがより好ましい。2未満では塗工層のひび割れが発生し、4を超えると光沢ムラや印字ムラが発生しやすい。
前記最表層の塗工量は特に限定されないが、例えば、乾燥重量で0.5〜2g/m程度である。
インク受容層、光沢層、及び、最表層の塗工液の塗布方法としては特に限定されないが、例えば、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、コンマコーター、ブレードコーター等の公知の塗工機を用いて塗工することができる。
本発明のインクジェット記録用紙では、銀塩写真並の高い光沢を持たせるため、鏡面仕上げを行うことが好ましい。その方法としては、光沢層用塗料又は最表層用塗料を塗布した塗工層の表面が湿潤状態にある間に、該塗工層を加熱した鏡面に圧接した後、乾燥して行う、いわゆるキャストコート法によることが好ましい。キャストコート法は、一般に、(1)塗工層が湿潤状態にある間に、鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着(圧接)して乾燥するウェットキャスト法(直接法)、(2)湿潤状態の塗工層を一旦(半)乾燥した後に再湿潤液により膨潤可塑化(湿潤)させ、鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着し乾燥するリウェットキャスト法(再湿潤法)、(3)湿潤状態の塗工層を凝固液等の凝固処理によりゲル状態にして、鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着し乾燥するゲル化キャスト法(凝固法)、の3種類に分けることができる。本発明では、ゲル化キャスト法が、塗工層のクラック(ひび割れ)なく光沢層を形成することができ、特に顔料インクの沈み込みが抑制されるため好ましい。
以下に実施例を掲げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1〜5
1.基材
原料として広葉樹晒クラフトパルプ100%のパルプを使用し、フリーネスを370mlとした。紙力剤、サイズ剤を絶乾パルプ1tに対してそれぞれ有効成分基準で5kgずつ内添し、填料としてタルクを灰分3.0重量%となるよう内添した。長網抄紙機で抄造・乾燥後、サイズプレスを用いて酸化澱粉を乾燥重量3.0g/mとなるよう塗工し、米坪157g/mの基材を得た。
2.インク受容層
非晶質シリカ(グレース社製、品番:ED5)100重量部に対して、バインダーとしてスチレン−アクリル酸共重合樹脂(日本NSC社製、品番:KE35)30重量部を含む塗工液を調製し、これを、前記基材の表面に、乾燥重量10g/mとなるよう塗工した。なお、各部数は有効成分基準の数字である。(以下も同様)
3.光沢層及び最表層
気相法シリカ(日本アエロジル社製、品番:アエロジル300)100重量部に対して、バインダーとしてアセトアセチル化ポリビニルアルコール(日本合成化学社製、品番:ゴーセファイマーZ410、ケン化度99%、重合度2100)を20重量部、及び、保水剤としてアルデヒド変性ヒドロキシエチルセルロース(三昌社製、品番:SANHEC−HH)を2重量部添加した塗工液を調製し、これを、前記インク受容層の塗工・乾燥後の表面に、光沢層として、乾燥重量10g/mとなるよう塗工した。
さらに、ホウ砂(SVM社製)、ジアミン系化合物(三菱ガス化学社製、品番:1,3BAC、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン)、及びヒドラジド誘導体(大塚化学社製、品番:APAP250、ヒドラジド誘導体とアミノポリアクリルアミドとの共重合物、ヒドラジン当量164)を含有し、ホウ砂に対する架橋剤(ジアミン系化合物+ヒドラジド誘導体)の比率は1:3(重量比)の割合とし、ジアミン系化合物:ヒドラジド誘導体の比率は表1記載のとおりとした塗工液を調製し、これを光沢層上に乾燥重量1g/mとなるよう塗工し、ゲル化キャスト法により鏡面仕上げを行った。
実施例6は、ヒドラジド誘導体であるAPAP250(ヒドラジン当量164)をAPAP280(ヒドラジド誘導体とアミノポリアクリルアミドとの共重合物、ヒドラジン当量106)に変更し、実施例7は保水剤としてアルデヒド変性ヒドロキシエチルセルロースの代わりに、カルボキシルメチルセルロース(ダイセル化学社製、品番:CMC)を使用し、実施例8はポリアクリル酸系(サンノプコ社製、品番:SNシックナー926)を使用し、実施例9はポリウレタン系(サンノプコ社製、品番:SNシックナー625N)を使用し、実施例10はポリアクリルアミド系(サンノプコ社製、品番:SN−4X4027)を使用し、実施例11では、ジアミン系化合物として、ガスカミン328(三菱ガス化学社製、品番:ガスカミン328、メタキシレンジアミンとエピクロルヒドリンの重縮合物)を使用した点以外は実施例1と同様にした。
比較例1では、最表層の架橋剤として、ジアミン系化合物である1,3BACを使用せず、比較例2では、ヒドラジド誘導体であるAPAP250を使用せず、比較例3では、
ヒドラジド誘導体としてADH(アジピン酸ヒドラジド)を使用し、比較例4では、ジアミン系化合物、ヒドラジド誘導体を使用せず、ホウ砂のみを使用し、比較例5では、ジアミン系化合物の代わりにスミマールM−30W(住友化学社製、メチロール化メラミン)を使用した点以外は実施例1と同様にした。
測定・評価方法
上記によって製造したインクジェット記録用紙について、以下のとおり測定・評価を行った。結果を以下の表1に示す。
染料インク適性を測定、評価するにあたっては、エプソン社製のインクジェットプリンタ、品番:PM−G730を使用した。
顔料インク適性を測定、評価するにあたっては、エプソン社製のインクジェットプリンタ、品番:PX−G930を使用した。
1)曇り(ヘイズ)
印字後の印面の曇りについて下記基準で目視評価した。
◎:全く曇りはなく、鮮明な印面が得られた。
〇:曇りはほとんどなく、良好な印面が得られた。
×:部分的に曇りが見られ、印面がぼやけていた。
2)印字ムラ
ベタ印字部分について、インク濃度ムラの有無を下記基準で目視評価した。
◎:インク濃度のムラは見られず、鮮明な印面であった。
〇:インク濃度ムラがほとんどなく、均一な印面であった。
×:インク濃度ムラが見られ、不均一な印面であった。
3)印字濃度
ベタ印字部分について、印字濃度を下記基準で目視評価した。
◎:インクの沈みがなく、高い印字濃度が得られた。
〇:若干のインク沈みがあるが、十分な印字濃度が得られた。
×:インクの沈みにより印字濃度が低かった。
4)ISO白色度
JIS P 8148「紙,板紙及びパルプ−ISO白色度(拡散青色光反射率)の測定方法」に基づいて測定した。
5)光沢度
JIS P−8142「紙及び板紙−75度鏡面光沢度の測定方法」に基づいて測定した。
6)加工適性
製造後の用紙について加工適性を下記基準で、評価した。
加工適性:用紙に角度90度の折れ曲がり適性を与え、折れ曲がった後の光沢面のひび割れを評価する。
◎:光沢面にひび割れは全くなく、折れ曲げる前と変わりない。
〇:光沢面にひび割れが若干有る。
×:光沢面に、ひび割れが多数入り、加工適性がない。
7)ゲルの強度
光沢層用塗工液に最表層用ゲル化液を塗工した後の、ゲル化強度を評価した。
◎:十分にゲル化しており、塗料がただれることなく、キャストドラムに転写できる。
〇:ゲル化が不十分であり、キャストドラムにて、塗料がややただれる。
×:ゲル化が全く不十分であり、キャストドラムに転写できない。
Figure 2008273146
表1の結果から、実施例1〜11では、染料インクを用いた場合に印面の曇りや印字ムラがなく良好な印面が得られ、顔料インクを用いた場合にも印字濃度が高く、印字ムラがなく良好な印面が得られた。また、ISO白色度も90を下回らず、光沢度、加工適性、ゲルの強度共に良好であった。
最表層の架橋剤として1,3BACを使用しなかった比較例1、APAP250を使用しなかった比較例2、APAP250の代わりにADHを使用した比較例3、ホウ砂のみ使用した比較例4、ジアミン系化合物を使用しなかった比較例5では、上記のような良好な結果を得ることはできなかった。

Claims (4)

  1. 基材上に、少なくとも1層のインク受容層と、当該インク受容層上に形成された光沢層とを有するインクジェット記録用紙であって、
    前記光沢層上に設けた最表層がジアミン系化合物とヒドラジド誘導体を含有し、前記ヒドラジド誘導体が、ヒドラジド誘導体とアクリルアミドとの共重合体であることを特徴とするインクジェット記録用紙。
  2. 前記光沢層がアセトアセチル化ポリビニルアルコール及び保水剤を含有することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録用紙。
  3. 前記保水剤がセルロース誘導体であることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録用紙。
  4. 前記セルロース誘導体がアルデヒド変性ヒドロキシエチルセルロースであることを特徴とする請求項3記載のインクジェット記録用紙。
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