JP5872243B2 - インクジェット記録用光沢紙及びその製造方法 - Google Patents
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Description
基材としての基紙は、原料パルプを含有する紙料を抄紙して得ることができる。基紙の抄紙方法は、特に限定されるものではなく、例えば、長網抄紙機、長網多層抄紙機、円網抄紙機、円網多層抄紙機、長網円網コンビ多層抄紙機、ツインワイヤー抄紙機などの各種装置で製造される。抄紙方式は、例えば、酸性抄紙、中性抄紙である。
塗工層を2層以上で設ける場合には、インク吸収層を形成する工程を有することが好ましい。インク吸収層は、前記した顔料及び結着剤を主体とするインク吸収層に含有される各種成分を配合し、適当な固形分濃度に調整した塗工液(以降、インク吸収層形成用塗工液という。)を基紙の表面上に塗工後、乾燥して形成する。
光沢発現層は、前記した(A)、(B)及び顔料など光沢発現層に含有される各種成分を配合し、適当な固形分濃度に調整した塗工液(以降、光沢発現層形成用塗工液という。)を基紙上又はインク吸収層上に塗工後、乾燥して形成する。このとき、光沢発現層形成用塗工液には、(C)を配合しない。光沢発現層形成用塗工液に(C)を配合すると、塗工液が急激に増粘して塗工できない。
光沢発現層は、ゲル化キャスト法で形成する。光沢発現層形成用塗工液を塗工後、塗工面が湿潤状態にあるうちに、塗工面上にゲル化液を塗布してゲル化処理する。ゲル化液は、ゲル化剤として(C)を含有する水溶液である。ゲル化液中の(C)の固形分濃度は、0.1〜20質量%であることが好ましい。より好ましくは、0.5〜10質量%である。この範囲とすることで、結果として光沢発現層中に(C)を0.1〜50質量%含有させることができる。ゲル化液中の(C)の固形分濃度が0.1質量%未満では、十分なゲル化力が得られない場合がある。ゲル化液中の(C)の固形分濃度が20質量%を超えると、インクジェット画像の鮮明性の低下を引き起こす場合がある。
ゲル化処理後、ゲル化処理した塗工面が湿潤状態にあるうちに、塗工面を加熱した鏡面ロールに圧着して乾燥する。鏡面ロールから剥離すると、光沢発現層の表面が光沢面となる。
<基材の形成>
坪量157g/m2の上質紙の両面に、サイズプレスにて酸化澱粉を含有するサイズ液を片面あたり1g/m2(乾燥質量)塗布して表面処理し、紙基材を得た。
顔料として合成シリカ(ミズカシルP−78A:水澤化学工業社製)100部と、結着剤としてポリビニルアルコール(PVA124:クラレ社製)10部及びエチレン‐酢酸ビニル(ポリゾールEVA AD−13:昭和高分子社製)40部と、インク定着剤としてカチオン性ポリマー(パピオゲンP‐103:センカ社製)30部とを配合し、固形分濃度19%のインク吸収層形成用塗工液を得た。続いて、紙基材の片面に、インク吸収層形成用塗工液をエアーナイフコーターで絶乾塗工量が10g/m2となるように塗工・乾燥してインク吸収層を形成した。
顔料として気相法シリカ(アエロジル200:日本アエロジル社製、平均一次粒子径12nm)90部及び凝集体コロイダルシリカの一種であるパールネックレス状コロイダルシリカ(スノーテックスPS−MO、カチオン性、一次粒子径18〜25nm、二次粒子径80〜150nm:日産化学工業社製)10部と、結着剤である(A)としてシラノール変性ポリビニルアルコール(PVA‐R1130:クラレ社製)6部と、結着剤である(B)としてアルギン酸ナトリウム1部とを配合し、固形分濃度が16%の光沢発現層形成用塗工液を得た。インク吸収層上に、光沢発現層形成用塗工液をエアーナイフコーターで絶乾塗工量が10g/m2となるように塗工した。次いで、ゲル化剤である(C)として多価金属塩(塩化アルミニウム)を5%含む水溶液をゲル化液として、絶乾塗工量が1.5g/m2となるように塗工面上に塗布してゲル化処理を行ったのち、得られた塗工層表面が湿潤状態にあるうちに表面温度105℃の金属ドラムに圧着し、剥離してインクジェット記録用光沢紙を作製した。なお、光沢発現層における(C)の含有量は、光沢発現層中の全質量に対して13%であった。
実施例1において、ゲル化液を、ゲル化剤である(C)として多価金属塩(塩化カルシウム)を5%含む水溶液に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用光沢紙を作製した。
実施例1において、ゲル化液を、ゲル化剤である(C)として多価金属塩(硫酸アルミニウム)を5%含む水溶液に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用光沢紙を作製した。
実施例1において、ゲル化液を、ゲル化剤である(C)として多価金属塩(塩化マグネシウム)を5%含む水溶液に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用光沢紙を作製した。
実施例1において、ゲル化液を、ゲル化剤である(C)としてポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドを5%含む水溶液に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用光沢紙を作製した。
実施例1において、光沢発現層形成用塗工液に使用する結着剤である(A)を、シラノール変性ポリビニルアルコール(PVA‐R1130:クラレ社製)3部及びポリビニルアルコール(PVA−235:クラレ社製)3部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用光沢紙を作製した。
実施例1において、光沢発現層形成用塗工液に使用する結着剤である(B)を、アルギン酸カリウム1部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用光沢紙を作製した。
実施例1において、光沢発現層形成用塗工液に使用する結着剤である(B)(アルギン酸ナトリウム)を配合しないこととした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用光沢紙を作製した。
実施例1において、ゲル化液を、ゲル化剤である(C)(カチオン性物質)を配合しないこととした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用光沢紙を作製した。
実施例1において、光沢発現層形成用塗工液に(C)として多価金属塩(塩化アルミニウム)を配合したところ、塗工液が増粘してゲル状になり、塗工することができなかった。
得られたインクジェット記録用光沢紙の光沢発現層表面について、鏡面性を評価するために写像性を測定した。写像性は、JIS H 8686−2:1999「アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の写像性試験方法」に準じて、光学くし幅2mmにて入反射角度60°とし、写像性測定器(ICM−1T:スガ試験機社製)を用いて測定した。評価基準は次のとおりである。
50%以上:反射した像が鮮明に写り、光沢感に優れている(実用可能レベル)。
50%未満:反射した像が不鮮明に写り、光沢感に劣る(実用不可レベル)。
ISO標準画像(ISO/JIS−SCID高精細カラーデジタル標準画像データ、画像の名称:ポートレート、画像の識別番号:N1)をインクジェットプリンター(PM−G820:セイコーエプソン社製)を用いて、得られたインクジェット記録用紙の光沢発現層を形成した側の面に印字した。印字した画像を目視によって評価した。評価基準は次のとおりである。
◎:記録画像が非常に鮮明でコントラストがはっきりしている(実用可能レベル)。
○:記録画像が鮮明でコントラストがはっきりしている(実用下限レベル)。
△:記録画像が鮮明であるがコントラストがはっきりしなく、色が沈んでいる(実用不可レベル)。
×:記録画像が不鮮明で、色が沈んでいる(実用不可レベル)。
インクジェットプリンター(PM−G820:セイコーエプソン社製)を用いて、CMYKの各インクのベタ(100%濃度)及び文字並びにRGB(Red‐Green‐Blue)のベタ(100%濃度)及び文字を得られたインクジェット記録用紙の光沢発現層を形成した側の面に印字した。ベタ部の各色の境界及び文字のにじみの程度を目視によって評価した。評価基準は次のとおりである。
◎:境界がくっきりしてにじみが全く無く、文字が鮮明である(実用可能レベル)。
○:境界のにじみが目立たず、文字が鮮明である(実用下限レベル)。
△:境界のにじみが目立ち、文字が不鮮明ある(実用不可レベル)。
×:境界のにじみがひどく、文字が判別できない(実用不可レベル)。
圧着後の金属ドラムの汚れの程度を目視によって評価した。評価基準は次のとおりである。
○:金属ドラムにくもり及び塗工液による汚れが全く無く、操業が容易である(実用可能レベル)。
△:金属ドラムにくもり及び塗工液による汚れが僅かにあるが操業できる(実用下限レベル)。
×:金属ドラムのくもり及び塗工液による汚れが全面にあり、操業ができない(実用不可レベル)。
Claims (2)
- 基材の少なくとも片面に2層以上の塗工層が設けられ、該塗工層の最表層が光沢発現層であるインクジェット記録用光沢紙において、
前記光沢発現層が、ポリビニルアルコール若しくは変性ポリビニルアルコールのいずれか一方又は両方(A)と、アルギン酸アルカリ金属塩(B)と、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩及びポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドの中から選ばれる1種以上(C)と、を含み、かつ、キャストコート層であり、
前記光沢発現層が、ホウ素化合物を含有しないことを特徴とするインクジェット記録用光沢紙。 - 基材の少なくとも片面に2層以上の塗工層が設けられ、該塗工層の最表層が光沢発現層であるインクジェット記録用光沢紙の製造方法において、
前記光沢発現層を設ける手段が、ホウ素化合物を使用せず、前記光沢発現層を形成するための塗工液の塗工面が湿潤状態にあるうちに、該塗工面上にゲル化液を塗布し、加熱した鏡面ロールに圧着して乾燥するゲル化キャスト法であり、
前記塗工液が、ポリビニルアルコール若しくは変性ポリビニルアルコールのいずれか一方又は両方(A)と、アルギン酸アルカリ金属塩(B)と、を含有し、
前記ゲル化液が、ゲル化剤としてカルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩及びポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドの中から選ばれる1種以上(C)を含有することを特徴とするインクジェット記録用光沢紙の製造方法。
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