JP2008271770A - 冷却器及びこれを備えた電力変換装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電子部品(半導体モジュール2)を冷却するための冷却器1。電子部品に密着して配されると共に内部に冷却媒体を流通させる冷媒流路31を有する冷却チューブ3と、冷却チューブ3における電子部品とは反対側の面に隣接して配されると共に内部に高圧流体を充填することができる高圧チューブ5とを有する冷却器1。この冷却器1を、半導体モジュール2の冷却手段として備えた電力変換装置4。
【選択図】図1
Description
例えば、特許文献1に記載の電力変換装置においては、半導体モジュールの両面に一対の冷却チューブを配置している。そして、該一対の冷却チューブをその外側から押え板と板ばね部材とによって挟み込むことで、冷却チューブを半導体モジュールに密着させている。
しかしながら、押え板と板ばね部材とを用いることにより、積層される半導体モジュールの間隔が大きくなってしまい、電力変換装置の小型化が困難となるという問題がある。
上記電子部品に密着して配されると共に内部に冷却媒体を流通させる冷媒流路を有する冷却チューブと、
該冷却チューブにおける上記電子部品とは反対側の面に隣接して配されると共に内部に上記冷却媒体よりも圧力が高い高圧流体を充填することができる高圧チューブとを有することを特徴とする冷却器にある(請求項1)。
上記冷却器においては、高圧チューブに供給する高圧流体の圧力によって、冷却チューブを電子部品に押圧することができる。即ち、高圧流体を供給した高圧チューブが膨張することにより、高圧チューブから冷却チューブに対して、半導体モジュール側へ向かう押圧力が働く。これにより、電子部品の放熱面に冷却チューブが充分に追従することとなり、冷却チューブと電子部品との間の熱抵抗を小さくして、冷却効率を向上させることができる。
また、上記高圧チューブに供給する高圧流体の圧力を調整することにより、冷却チューブの押圧力を調整し、高い冷却効率を確保することができる。
上記電子部品に密着して配されると共に内部に冷却媒体を流通させる冷媒流路を有する冷却チューブと、
該冷却チューブにおける上記電子部品とは反対側の面に隣接して配されると共に、温度に応じて膨張、収縮するサーモワックスを内部に封入してなり、積層方向に拡幅、縮幅することができる加圧チューブとを有することを特徴とする冷却器にある(請求項12)。
上記冷却器においては、加圧チューブ内のサーモワックスの膨張によって、冷却チューブを電子部品に押圧することができる。即ち、電子部品の温度が上昇して、冷却チューブ内の冷却媒体の温度が高くなると、冷却チューブに隣接配置された加圧チューブ内のサーモワックスが温度上昇して膨張する。これにより加圧チューブから冷却チューブに対して、電子部品側へ向かう押圧力が働く。これにより、電子部品の放熱面に冷却チューブが充分に追従することとなり、冷却チューブと電子部品との間の熱抵抗を小さくして、冷却効率を向上させることができる。このように、電子部品の温度が上昇して、その冷却を行う必要性が特に高まったときに、冷却効率を向上させることができる。
また、上記冷却チューブには上記加圧チューブが密着して配されるため、その内部に充填されたサーモワックスが熱抵抗となり、当該冷却チューブに密着する電子部品とは別の発熱体(例えば他の電子部品)によってその冷却チューブを流れる冷却媒体の温度上昇が生じたりすることを抑制することができる。これにより、当該電子部品に対する他の電子部品等の発熱体による熱干渉を抑制することができる。
上記電子部品に密着して配されると共に内部に冷却媒体を流通させる冷媒流路を有する冷却チューブと、
該冷却チューブにおける上記電子部品とは反対側の面に隣接して配されると共に、温度に応じて膨張、収縮するバネ性を有する形状記憶合金からなる加圧部材とを有することを特徴とする冷却器にある(請求項15)。
上記冷却器は、冷却チューブにおける上記電子部品とは反対側の面に、上記形状記憶合金からなる加圧部材を密着配置してなる。そのため、加圧部材の膨張によって、冷却チューブを電子部品に押圧することができる。即ち、電子部品の温度が上昇して、冷却チューブ内の冷却媒体の温度が高くなると、冷却チューブに隣接配置された形状記憶合金である加圧部材が温度上昇して、積層方向に膨張するようにすることができる。これにより加圧部材から冷却チューブに対して、電子部品側へ向かう押圧力が働く。これにより、電子部品の放熱面に冷却チューブが充分に追従することとなり、冷却チューブと電子部品との間の熱抵抗を小さくして、冷却効率を向上させることができる。このように、電子部品の温度が上昇して、その冷却を行う必要性が特に高まったときに、冷却効率を向上させることができる。
また、上記冷却チューブには上記加圧部材が密着して配されるため、加圧部材の内部に空間を設けたりすることにより、この空間が熱抵抗となり、当該冷却チューブに密着する電子部品とは別の発熱体(例えば他の電子部品)によってその冷却チューブを流れる冷却媒体の温度上昇が生じたりすることを抑制することができる。これにより、当該電子部品に対する他の電子部品等の発熱体による熱干渉を抑制することができる。
上記半導体モジュールを冷却する手段として、上記第1〜第3の発明にかかる冷却器を備えてなることを特徴とする電力変換装置にある(請求項16)。
本発明によれば、熱干渉を防ぐと共に半導体モジュールの冷却効率を容易に調整することができる電力変換装置を提供することができる。
また、上記電子部品としては、例えば、電力変換装置の構成部品である半導体素子を内蔵した半導体モジュールが挙げられるが、本発明の冷却器は、これに限らず、例えばリアクトル等、種々の電子部品に対応することができる。
この場合には、上記電子部品を両面から冷却することができ、冷却効率に優れた冷却器を得ることができる。
この場合には、上記一対の冷却チューブを一体部品によって構成することとなるため、組付け作業性に優れた冷却器を得ることができる。
この場合にも、上記一対の冷却チューブを一体部品によって構成することとなるため、組付け作業性に優れた冷却器を得ることができる。また、上記一対の冷却チューブの構造的強度を向上させることができる。
この場合には、上記一対の高圧チューブを一体部品によって構成することとなるため、組付け作業性に優れた冷却器を得ることができる。
この場合にも、上記一対の高圧チューブを一体部品によって構成することとなるため、組付け作業性に優れた冷却器を得ることができる。また、上記一対の高圧チューブの構造的強度を向上させることができる。
この場合には、上記複数の電子部品の間で放熱面の平行度や反り量などにバラツキがあっても、個別に電子部品に対する冷却チューブの押圧力を調整できるため、各電子部品における放熱面の平行度や反り量に応じて上記押圧力を設定することができる。これにより、上記複数の電子部品の冷却効率を効果的に向上させることができる。
この場合にも、熱干渉を防ぐと共に電子部品の冷却効率を容易に調整することができる電力変換装置を提供することができる。
この場合にも、熱干渉を防ぐと共に電子部品の冷却効率を容易に調整することができる電力変換装置を提供することができる。
この場合には、例えば上記冷却器を電力変換装置等に組付けた後においても、適宜高圧流体の供給圧力を調整して、各電子部品の冷却効率を調整することができる。
例えば、電力変換装置の組付け時において、放熱面の平行度が低い半導体モジュール(電子部品)や、反り量が大きい半導体モジュール(電子部品)を積層する場合においても、これらの放熱面に冷却チューブが追従するように上記高耐圧チューブが冷却チューブを押圧することにより、半導体モジュール(電子部品)と冷却チューブとの間に塗布する伝熱グリースの量などを抑制することができる。さらには半導体モジュール(電子部品)の機械加工精度の緩和が可能になる。
このように、放熱設計における種々の条件の管理を緩和することができる。
更には、例えば電力変換装置の稼動時において、半導体モジュール(電子部品)の熱膨張が生じたとき、これに対応して、半導体モジュールと冷却チューブとの間の圧力を調整することが可能となる。
この場合には、上記高圧チューブにおける熱抵抗が大きくなり、電子部品の熱干渉をより効果的に防ぐことができる。
なお、上記高圧流体は、空気以外にも、例えば、他の気体、或いはオイルや水などの液体とすることもできる。
この場合には、異常加熱等によりサーモワックスが必要以上に膨張したときに、加圧チューブが破裂するなどの不具合を防ぐことができる。また、上記バッファ部は上記戻し機構を有するため、加圧チューブ内におけるサーモワックスが収縮したときに、バッファ部におけるサーモワックスを加圧チューブ内に再度、円滑に戻すことができる。すなわち、バッファ部において冷却されて流動性が低下したサーモワックスを円滑に加圧チューブ内へ戻すことができる。
この場合には、上記サーモワックスの膨張、収縮によって、上記加圧チューブを容易かつ確実に拡幅、縮幅させることができる。
本発明の実施例にかかる冷却器及びこれを備えた電力変換装置につき、図1を用いて説明する。
本例の冷却器1は、電子部品としての半導体モジュール2を冷却するための冷却器である。
冷却器1は、半導体モジュール2に密着して配されると共に内部に冷却媒体を流通させる冷媒流路を有する冷却チューブ3と、冷却チューブ3における半導体モジュール2とは反対側の面に隣接して配されると共に内部に高圧流体を充填することができる高圧チューブ5とを有する。
また、冷却器1は、複数の半導体モジュール2に密着する複数の冷却チューブ3を有している。そして、複数の半導体モジュール2のそれぞれに密着する冷却チューブ3に対して密着する高圧チューブ5は、互いに異なる圧力の高圧流体を導入することができるよう構成されている。
電力変換装置4においては、半導体モジュール2の両面に冷却チューブ3が密着配置されていると共に、各冷却チューブ3における半導体モジュール2とは反対側の面に高圧チューブ5が密着配置されている。このように配された半導体モジュール2と一対の冷却チューブ3と一対の高圧チューブ5とによって構成される半導体冷却ユニット15が複数組、高圧チューブ5同士が面接触する状態で積層されている。
また、各冷却チューブ3の冷媒流路31には、波型に形成されたフィン32が設けてある。
また、冷却チューブ3及び高圧チューブ5は、プレス成形されたアルミニウム板をろう付け等によって接合することにより構成されている。
また、高圧流体としては、空気(圧縮空気)を用いる。
また、電力変換装置4の構成部品は、筐体41の内部に収容されている。そして、積層方向の両端に配された高圧チューブ5は、筐体41の内壁面411に密着している。また、冷媒導入口131及び冷媒排出口132は、筐体41から突出している。
上記冷却器1においては、高圧チューブ5に供給する高圧流体の圧力によって、冷却チューブ3を半導体モジュール2に押圧することができる。即ち、高圧流体を供給した高圧チューブ5が膨張することにより、高圧チューブ5から冷却チューブ3に対して、半導体モジュール2側へ向かう押圧力が働く。これにより、半導体モジュール2の放熱面24に冷却チューブ3が充分に追従することとなり、冷却チューブ3と半導体モジュール2との間の熱抵抗を小さくして、冷却効率を向上させることができる。
また、高圧チューブ5に供給する高圧流体の圧力を調整することにより、半導体モジュール2の放熱面24の平行度や反り量等の個体差に応じて、冷却チューブ3の押圧力を調整し、高い冷却効率を確保することができる。
本例は、図2〜図5に示すごとく、半導体モジュール2の両面に密着配置する一対の冷却チューブ3が、折返し部33を介して連続的に形成されたU字状チューブ30の一部によってそれぞれ構成された例である。
また、上記一対の冷却チューブ3に密着配置された一対の高圧チューブ5は、折返し部53を介して連続的に形成されたU字状チューブ50の一部によってそれぞれ構成されている。
その他は、実施例1と同様である。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
本例は、図6に示すごとく、互いの折返し部33、53が反対側に配置されるように、冷却チューブ3のU字状チューブ30と高圧チューブ5のU字状チューブ50とを重ね合わせた例である。
この場合、高圧チューブ5のU字状チューブ50における折返し部53の幅は、特に小さくする必要はなく、他の部分と同等の幅を有する。
その他は、実施例2と同様の構成を有し、同様の作用効果を得ることができる。
本例は、図7〜図9に示すごとく、冷却チューブ3の冷媒流路31にフィン32を設けると共に、高圧チューブ5における冷却チューブ3側の面に突起面54を設けた例である。
また、冷却チューブ3のU字状チューブ30における折返し部33には、冷媒入口331と冷媒出口332との間の冷媒流路31を分断する遮蔽部333を設けている。
ここで、フィン32は、半導体モジュール2に内蔵された半導体素子23に略対応する位置に形成されており、この部分において冷却媒体wがフィン32を介して発熱源である半導体素子23と充分に熱交換することができるよう構成されている。
その他は、実施例2と同様の構成を有し、同様の作用効果を得ることができる。
なお、上記突起面54に代えて、この部分を特に変形しやすい構造としたり、或いは、この部分に対応する半導体モジュールの面に突出面を設けたり、反りを設けたりすることにより、上記と同様の作用効果を得ることができる。
本例は、図10に示すごとく、半導体モジュール2の両面に密着配置する一対の冷却チューブ3が、環状に形成された環状チューブ300の一部によってそれぞれ構成された例である。
即ち、一対の冷却チューブ3が、その両端部において折返し部33によって連結された状態となっている。
その他は、実施例2と同様である。
その他、実施例2と同様の作用効果を有する。
本例は、図11に示すごとく、環状チューブ300の一方の折返し部33に冷媒入口331を設け、他方の折返し部33に冷媒出口332を設けた例である。
また、冷媒入口331と冷媒出口332とは、環状チューブ300の略対角位置に配されている。
その他は、実施例5と同様の構成を有し、同様の作用効果を得ることができる。
本例は、図12〜図14に示すごとく、高圧チューブ5に対して高圧流体の供給圧力を調整する圧力調整手段61を有する冷却器1及びこれを備えた電力変換装置4の例である。
本例の電力変換装置4は、上記実施例3において示した半導体モジュール2と一対の冷却チューブ3と一対の高圧チューブ5とによって構成される半導体冷却ユニット15を、複数積層配置した状態で、筐体41内に収容している。
即ち、各半導体冷却ユニット15における高圧チューブ5は、互いに異なる圧力(P1、P2、P3、P4、P5、P6、P7)の高圧流体を導入することができるよう構成されている。また、これらの圧力は、例えば、図12に示すごとく、各半導体モジュール2の温度をモニタしながら、これらの温度(T1、T2、・・、Tn)が所定の温度範囲になるように設定する。即ち、モニタされた温度情報を基に、制御部420において、各半導体モジュール2に密着する冷却チューブ3を押圧する高圧チューブ5に供給する圧力を制御する。また、この圧力自体もモニタしながら、所定の圧力が加わるように制御している。
なお、半導体モジュール2の温度検出は、例えば、半導体モジュール2に内蔵したサーミスタ等の温度検出器によって行うことができる。
その他は、実施例1と同様である。
そして、これにより、電力変換装置4の組付け時において、半導体モジュール2と冷却チューブ3との間に塗布する伝熱グリースの量を少なくできたり、半導体モジュール2の放熱面24の平行度、反り量などの機械加工精度の緩和が可能になるなど、放熱設計における種々の条件の管理を緩和することができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
本例は、図15に示すごとく、複数の半導体モジュール2に密着する複数の冷却チューブ3に対して接触するように蛇行して配置された一連の高圧チューブ5を有する冷却器1、及びこれを備えた電力変換装置4の例である。
本例の冷却器1においては、高圧チューブ5が一連に形成されているため、圧力調整手段61は1個であり、全ての冷却チューブ3に対して、同じ圧力の押圧力を付与することとなる。
その他は、実施例7と同様である。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
本例は、図16に示すごとく、隣合う半導体モジュール2に密着する冷却チューブ3の間に、高圧チューブ5が一層挿入配置された電力変換装置4の例である。
即ち、実施例1(図1)に示す電力変換装置4は冷却チューブ3の間に二層の高圧チューブ5が配されているが、この二層分の高圧チューブ5を一層の高圧チューブ5に置き換えた状態としたのが、本例の電力変換装置4である。
その他は、実施例1と同様である。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
本例は、図17〜図22に示すごとく、温度に応じて膨張、収縮するサーモワックス61を封入した加圧チューブ6によって冷却チューブ3を半導体モジュール2に押圧することができるよう構成した冷却器1の例である。
すなわち、本例の冷却器1は、半導体モジュール2に密着して配される冷却チューブ3と、該冷却チューブ3における半導体モジュール2とは反対側の面に隣接して配された加圧チューブ6とを有する。加圧チューブ6は、サーモワックス61を内部に封入してなり、積層方向に拡幅、縮幅することができるよう構成されている。
加圧チューブ6は、その拡幅、縮幅を容易にするためのダイヤフラム部62を設けてなる。ダイヤフラム部62は、加圧チューブ6の厚み方向に直交する方向の端部に、設けられ、図22に示すごとく、その変形によって、加圧チューブ6の厚み方向の幅を拡張させたり、縮小させたりすることができる。
なお、サーモワックス61は、例えば、所定の温度(例えば60〜65℃)を境にして急激に流動性が変化し、体積が変化するように調整した脂肪酸などを原料としたロウ状の固体または半固体樹脂からなるものによって構成することができる。
その他は、実施例1と同様である。
上記冷却器1においては、加圧チューブ6内のサーモワックス61の膨張によって、冷却チューブ3を半導体モジュール2に押圧することができる。即ち、半導体モジュール2の温度が上昇して、冷却チューブ3内の冷却媒体の温度が高くなると、冷却チューブ3に隣接配置された加圧チューブ6内のサーモワックス61が温度上昇して膨張する。これにより、図22(B)に示すごとく、加圧チューブ6が厚み方向に拡幅する。このとき、加圧チューブ6に設けられたダイヤフラム部62が変形することにより、加圧チューブ6が容易に拡幅する。
なお、半導体モジュール2の温度が低くなった場合には、サーモワックス61の温度が低下するために、サーモワックス61は収縮して、図22(A)に示すごとく、加圧チューブ6は厚み方向に縮幅する。
また、冷却チューブ3には加圧チューブ6が密着して配されるため、その内部に充填されたサーモワックス61が熱抵抗となり、当該冷却チューブ3に密着する半導体モジュール2とは別の発熱体(当該冷却チューブ3における反対側面に配された半導体モジュール2)によってその冷却チューブ3を流れる冷却媒体の温度上昇が生じたりすることを抑制することができる。これにより、当該半導体モジュール2に対する他の半導体モジュール2による熱干渉を抑制することができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
本例は、図23に示すごとく、上記実施例10に示したサーモワックス61を封入した加圧チューブ61の代わりに、温度に応じて膨張、収縮するバネ性を有する形状記憶合金からなる加圧部材7を用いた冷却器1の例である。なお、図23においては、加圧部材7の両面に配設した冷却チューブ3の記載は省略してある。
上記加圧部材7は、実施例10と同様に、一対の冷却チューブ3の間に配された管状のチューブであり、加圧部材7の厚み方向に直交する方向の端部に、ダイヤフラム部72を設けてなる。該ダイヤフラム部72は、低温時においては、図23(A)に示すごとく、波型上に形成され、高温時においては、図23(B)に示すごとく、略直線状に伸びる。
その他は、実施例10と同様である。
また、冷却チューブ3には加圧部材7が密着して配されるため、加圧部材7の内部に空間70を設けることにより、この空間が熱抵抗となり、当該冷却チューブ3に密着する半導体モジュール2とは別の発熱体(当該冷却チューブ3における反対側面に配された半導体モジュール2)によってその冷却チューブ3を流れる冷却媒体の温度上昇が生じたりすることを抑制することができる。これにより、当該半導体モジュール2に対する他の半導体モジュール2による熱干渉を抑制することができる。
その他、実施例10と同様の作用効果を得ることができる。
2 半導体モジュール
3 冷却チューブ
31 冷媒流路
4 電力変換装置
5 高圧チューブ
6 加圧チューブ
61 サーモワックス
7 加圧部材
Claims (16)
- 電子部品を冷却するための冷却器であって、
上記電子部品に密着して配されると共に内部に冷却媒体を流通させる冷媒流路を有する冷却チューブと、
該冷却チューブにおける上記電子部品とは反対側の面に隣接して配されると共に内部に上記冷却媒体よりも圧力が高い高圧流体を充填することができる高圧チューブとを有することを特徴とする冷却器。 - 請求項1において、上記電子部品の両面に上記冷却チューブを密着配置することができるよう構成されていることを特徴とする冷却器。
- 請求項2において、上記電子部品の両面に密着配置する一対の上記冷却チューブは、折返し部を介して連続的に形成されたU字状チューブの一部によってそれぞれ構成されていることを特徴とする冷却器。
- 請求項2において、上記電子部品の両面に密着配置する一対の上記冷却チューブは、環状に形成された環状チューブの一部によってそれぞれ構成されていることを特徴とする冷却器。
- 請求項2〜4のいずれか一項において、上記一対の冷却チューブに密着配置された一対の上記高圧チューブは、折返し部を介して連続的に形成されたU字状チューブの一部によってそれぞれ構成されていることを特徴とする冷却器。
- 請求項2〜4のいずれか一項において、上記一対の冷却チューブに密着配置された一対の上記高圧チューブは、環状に形成された環状チューブの一部によってそれぞれ構成されていることを特徴とする冷却器。
- 請求項1〜6のいずれか一項において、上記冷却器は、複数の上記電子部品に密着する複数の上記冷却チューブを有しており、上記複数の電子部品のそれぞれに密着する上記冷却チューブに対して密着する上記高圧チューブは、互いに異なる圧力の高圧流体を導入することができるよう構成されていることを特徴とする冷却器。
- 請求項1〜7のいずれか一項において、上記冷却器は、複数の上記電子部品に密着する複数の上記冷却チューブを有しており、上記高圧チューブは、隣合う上記電子部品に密着する上記冷却チューブの間に挿入配置されていることを特徴とする冷却器。
- 請求項1〜4、7及び8において、上記冷却器は、複数の上記電子部品に密着する複数の上記冷却チューブに対して接触するように蛇行して配置された一連の上記高圧チューブを有することを特徴とする冷却器。
- 請求項1〜9のいずれか一項において、上記冷却器は、上記高圧チューブに対して高圧流体の供給圧力を調整する圧力調整手段を有することを特徴とする冷却器。
- 請求項1〜10のいずれか一項において、上記高圧流体は空気であることを特徴とする冷却器。
- 電子部品を冷却するための冷却器であって、
上記電子部品に密着して配されると共に内部に冷却媒体を流通させる冷媒流路を有する冷却チューブと、
該冷却チューブにおける上記電子部品とは反対側の面に隣接して配されると共に、温度に応じて膨張、収縮するサーモワックスを内部に封入してなり、積層方向に拡幅、縮幅することができる加圧チューブとを有することを特徴とする冷却器。 - 請求項12において、上記加圧チューブは、必要以上に膨張した上記サーモワックスを逃すためのバッファ部を設けてなり、該バッファ部は、上記加圧チューブ内の上記サーモワックスが収縮したときに上記バッファ部内の上記サーモワックスを上記加圧チューブ内に戻すための戻し機構を有することを特徴とする冷却器。
- 請求項12又は13において、上記加圧チューブは、該加圧チューブの拡幅、縮幅を容易にするためのダイヤフラム部を設けてなることを特徴とする冷却器。
- 電子部品を冷却するための冷却器であって、
上記電子部品に密着して配されると共に内部に冷却媒体を流通させる冷媒流路を有する冷却チューブと、
該冷却チューブにおける上記電子部品とは反対側の面に隣接して配されると共に、温度に応じて膨張、収縮するバネ性を有する形状記憶合金からなる加圧部材とを有することを特徴とする冷却器。 - 半導体素子を内蔵する複数の半導体モジュールを有する電力変換装置において、
上記半導体モジュールを冷却する手段として、請求項1〜15に記載の冷却器を備えてなることを特徴とする電力変換装置。
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