JP2008270015A - 膜電極接合体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電解質膜と触媒層と保湿層とガス拡散層とを備える膜電極接合体を適用した燃料電池において、発電性能を向上させる。
【解決手段】膜電極接合体の製造工程において、電解質膜110の両面に、それぞれ、アノード側触媒層120a、および、カソード側触媒層120cを形成する(ステップS100)。次に、カソード側触媒層120c上に、保湿層122を形成する保湿層形成溶液を塗布する(ステップS110)。次に、保湿層形成溶液に含まれる溶媒が乾燥して固化する前に、アノード側触媒層120a、および、保湿層122の表面に、それぞれ、アノード側ガス拡散層130a、および、カソード側ガス拡散層130cを、ホットプレス接合する(ステップS120)。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池に用いられる膜電極接合体の製造方法に関するものである。
水素と酸素との電気化学反応によって発電する燃料電池がエネルギ源として注目されている。この燃料電池として、電解質膜として固体高分子膜を用いた固体高分子型燃料電池が提案されている。この固体高分子型燃料電池は、プロトン伝導性を有する電解質膜(固体高分子膜)の両面に、それぞれガス拡散電極(アノード、および、カソード)を接合してなる膜電極接合体を、セパレータによって挟持することによって構成される。アノード、および、カソードは、それぞれ上記電気化学反応を促進するための触媒層と、燃料電池の外部から供給された反応ガス(燃料ガス、および、酸化剤ガス)を拡散させつつ、触媒層に供給するためのガス拡散層とを備える。そして、この固体高分子型燃料電池では、電解質膜のプロトン伝導性を維持するために、電解質膜を適切な湿潤状態に保つ必要がある。
そこで、従来、このような膜電極接合体について、電解質膜の湿潤状態を適切に保つための種々の技術が提案されている(例えば、下記特許文献1〜3)。例えば、下記特許文献1には、固体高分子型燃料電池において、カソード拡散層の触媒層と接する面に、イオン交換樹脂、カーボン粒子および気層成長炭素繊維からなる保水層を有することが記載されている。また、下記特許文献2には、膜電極接合体において、アノード側電極触媒層とガス拡散層との間に保水層を有することが記載されている。また、下記特許文献3には、膜電極接合体において、カソード側ガス拡散層のカソード触媒層と対向する面に、撥水材料を含む保水性調製層を形成することが記載されている。
特開2005−302339号公報 特開2006−85984号公報 特開2002−124270号公報
しかし、上記特許文献1〜3に記載された技術では、膜電極接合体において、触媒層とガス拡散層との間に、保水層や、保水性調整層を設けることによって、電解質膜の湿潤状態を保つことはできるものの、膜電極接合体の製造方法の違いによって、この膜電極接合体を適用した燃料電池における発電性能に差異が生じることについては考慮されていなかった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、電解質膜と触媒層と保湿層とガス拡散層とを備える膜電極接合体を適用した燃料電池において、発電性能を向上させることが可能な技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するために以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]固体高分子からなる電解質膜と触媒層と保湿層とガス拡散層とを備える膜電極接合体の製造方法であって、前記電解質膜の両面にそれぞれ前記触媒層を形成する触媒層形成工程と、前記保湿層を形成するための保湿層形成溶液を、少なくともカソード側の前記触媒層上に塗布する塗布工程と、前記保湿層上に前記ガス拡散層を構成するガス拡散層基材を接合する接合工程と、を備えることを要旨とする。
本願発明者は、固体高分子からなる電解質膜と触媒層と保湿層(先述した保水層、保水性調製層に相当)とガス拡散層とを備える膜電極接合体において、その製造方法によって、燃料電池の発電性能を向上させることができることを実験的に見出した。すなわち、本適用例では、電解質膜の両面にそれぞれ触媒層(アノード側触媒層、および、カソード側触媒層)を形成した後に、保湿層を形成するための溶液である保湿層形成溶液を、少なくともカソード側触媒層上に塗布し、この両面にガス拡散層を構成するガス拡散層基材を接合する。つまり、本適用例において、上記保湿層形成溶液を塗布して、保湿層を形成するのは、ガス拡散層上でもなく、アノード側触媒層上のみでもない。本適用例によって、この膜電極接合体を適用した燃料電池の発電性能を向上させることができる。これは、保湿層形成溶液の一部が、触媒層に存在する微細な気孔内に浸透することによって、触媒層と保湿層との間における接触抵抗が低減されることによる。なお、保湿層は、カソード側触媒層上に限らず、さらに、アノード側触媒層上にも形成するようにしてもよい。
[適用例2]適用例1の製造方法において、前記接合工程は、前記塗布工程後、前記保湿層形成溶液に含まれる溶媒が乾燥して固化する前に、前記ガス拡散層基材を接合する工程を含むようにすることが好ましい。こうすることによって、保湿層形成溶液の一部を、さらに、ガス拡散層基材側にも浸透させ、ガス拡散層と保湿層との間における接触抵抗を低減し、さらに、この膜電極接合体を適用した燃料電池の発電性能を向上させることができる。
[適用例3]適用例1または2の製造方法において、前記接合工程は、前記電解質膜と前記触媒層と前記保湿層と前記ガス拡散層とを、ホットプレス接合によって接合する工程を含むようにしてもよい。こうすることによって、電解質膜と触媒層と保湿層とガス拡散層とを、比較的容易に、かつ、高い密着性で接合することができる。
[適用例4]適用例1ないし3のいずれかの製造方法において、前記保湿層形成溶液は、撥水剤を含むようにすることが好ましい。こうすることによって、保湿層おけるガス拡散性を向上させ、フラッディングを抑制することができる。
[適用例5]燃料電池に用いられ、固体高分子からなる電解質膜と触媒層と保湿層とガス拡散層とを備える膜電極接合体の製造方法であって、前記電解質膜の両面にそれぞれ前記触媒層を形成する触媒層形成工程と、前記保湿層を形成するための保湿層形成溶液であって、撥水剤を含む保湿層形成溶液を、アノード側の前記触媒層上のみに塗布する塗布工程と、前記保湿層上に前記ガス拡散層を構成するガス拡散層基材を接合する接合工程と、を備えることを要旨とする。こうすることによって、この膜電極接合体を適用した燃料電池の発電性能を向上させることができる。これは、保湿層形成溶液の一部が、アノード側触媒層に存在する微細な気孔内に浸透することによって、アノード側触媒層と保湿層との間における接触抵抗が低減されることによる。また、保湿層形成溶液には、撥水剤が含まれているので、保湿層おけるガス拡散性を向上させ、フラッディングを抑制することができる。
なお、適用例5の製造方法において、前記接合工程は、前記塗布工程後、前記保湿層形成溶液に含まれる溶媒が乾燥して固化する前に、前記ガス拡散層基材を接合する工程を含むようにすることが好ましい。こうすることによって、保湿層形成溶液の一部を、さらに、ガス拡散層基材側にも浸透させ、ガス拡散層と保湿層との間における接触抵抗を低減し、さらに、この膜電極接合体を適用した燃料電池の発電性能を向上させることができる。
また、適用例5の製造方法において、前記接合工程は、前記電解質膜と前記触媒層と前記保湿層と前記ガス拡散層とを、ホットプレス接合によって接合する工程を含むようにしてもよい。こうすることによって、電解質膜と触媒層と保湿層とガス拡散層とを、比較的容易に、かつ、高い密着性で接合することができる。
本発明は、上述の膜電極接合体の製造方法としての構成の他、上述の膜電極接合体を用いた燃料電池の製造方法、上述の製造方法によって製造された膜電極接合体、燃料電池の発明として構成することもできる。なお、それぞれの態様において、先に示した種々の付加的要素を適用することが可能である。
以下、本発明の実施の形態について、実施例に基づき説明する。
A.実施例:
A1.膜電極接合体の構成:
図1は、本発明の一実施例としての膜電極接合体100の概略構成を示す説明図である。膜電極接合体100の断面図を示した。この膜電極接合体100は、燃料電池に用いられる。
図示するように、膜電極接合体100は、プロトン伝導性を有する電解質膜110の一方の面に、アノードとして、アノード側触媒層120aと、アノード側ガス拡散層130aとを、この順に備える。また、膜電極接合体100は、電解質膜110の他方の面に、カソードとして、カソード側触媒層120cと、保湿層122と、カソード側ガス拡散層130cとを、この順に備える。
なお、本実施例では、電解質膜110として、例えば、ナフィオン(登録商標)等の固体高分子膜を用いている。したがって、電解質膜110のプロトン伝導性を維持するために、電解質膜110を適切な湿潤状態に保つ必要がある。保湿層122は、カソード側触媒層120cで、発電時に生成された生成水を保水し、電解質膜110の湿潤状態を適切に保つ機能を有する。また、本実施例では、アノード側ガス拡散層130a、および、カソード側ガス拡散層130cを構成するガス拡散層基材として、カーボンクロスを用いるものとした。ガス拡散層基材として、カーボンペーパ等、ガス拡散性、および、導電性を有する他の材料を用いるものとしてもよい。以下、この膜電極接合体100の製造工程について説明する。
A2.膜電極接合体の製造工程:
図2は、膜電極接合体100の製造工程を示す説明図である。まず、電解質膜110の両面に、それぞれ、アノード側触媒層120a、および、カソード側触媒層120cを形成する(ステップS100)。アノード側触媒層120a、および、カソード側触媒層120cは、電解質膜110の両面に、それぞれ触媒インクを塗布して乾燥させることによって形成される。触媒インクは、例えば、白金(Pt)等の水素と酸素との電気化学反応を促進する触媒金属を担持したカーボンと、電解質溶液としてのナフィオン分散溶液と、溶媒(例えば、水、エタノール、ポリエチレングリコール)とを混合したものである。これらの混合割合は、任意に設定可能である。
次に、カソード側触媒層120c上に、保湿層122を形成する保湿層形成溶液を塗布する(ステップS110)。本実施例において、保湿層形成溶液は、気層成長炭素繊維(VGCF:Vaper Grown Carbon Fiber(VGCFは登録商標))と、電解質溶液と、撥水剤としての撥水ポリマとを混合したものである。これらの混合割合は、任意に設定可能である。撥水ポリマは、保湿層122によって、カソード側触媒層120cで、発電時に生成された生成水を保水しつつも、保湿層122におけるガス拡散性を向上させ、フラッディングを抑制する機能を有している。なお、気層成長炭素繊維(VGCF)の代わりに、例えば、カーボンブラック等を用いるものとしてもよい。また、本実施例では、保湿層形成溶液に混合される電解質溶液に含まれる電解質として、フッ素系イオン交換樹脂であるフレミオン(登録商標)を用いるものとしたが、他の電解質を用いるようにしてもよい。
次に、保湿層形成溶液に含まれる溶媒が乾燥して固化する前に、アノード側触媒層120a、および、保湿層122の表面に、それぞれ、アノード側ガス拡散層130a、および、カソード側ガス拡散層130cを、ホットプレス接合する(ステップS120)。ホットプレス接合によって、電解質膜と触媒層と保湿層とガス拡散層とを、比較的容易に、かつ、高い密着性で接合することができる。
以上の製造工程によって、膜電極接合体100を製造することができる。また、さらに、この膜電極接合体100を、セパレータによって挟持することによって、燃料電池を製造することができる。
B.比較例、および、実施例の効果:
上述した製造工程によって膜電極接合体100を製造することによる効果を示すため、以下、本実施例の製造工程と比較例の製造工程との差異、および、本実施例の製造工程によって製造された膜電極接合体100と比較例の製造工程によって製造された膜電極接合体を燃料電池に適用したときの発電特性の差異について説明する。
B1.比較例の膜電極接合体の製造工程:
図3は、本実施例の膜電極接合体100の製造工程と、比較例の膜電極接合体の製造工程との差異を示す説明図である。3つの比較例(比較例A〜C)の製造工程の差異を示した。なお、比較例A〜Cにおいても、電解質膜110の両面に、それぞれアノード側触媒層120a、および、カソード側触媒層120cを形成する工程は、本実施例の製造工程と同じである(図2のステップS100参照)。また、比較例A〜Cの製造工程によって製造される膜電極接合体100A,100B,100Cにおいても、本実施例の製造工程によって製造される膜電極接合体100と同様に、カソード側触媒層120cとカソード側ガス拡散層130cとの間に、保湿層を備えている。ただし、比較例の製造工程では、保湿層形成溶液の成分、および、保湿層の形成位置のうちの少なくとも一方が、本実施例の製造工程とは異なっている。
比較例Aの製造工程では、保湿層形成溶液は、本実施例とは異なり、気層成長炭素繊維(VGCF)と、電解質溶液とを混合したものであり、撥水ポリマは混合されていない。また、保湿層も、本実施例とは異なり、保湿層形成溶液を、カソード側ガス拡散層130cを構成するガス拡散層基材上に塗布して乾燥させることによって形成した。そして、電解質膜110の両面に、それぞれアノード側触媒層120a、および、カソード側触媒層120cを形成したものの、アノード側触媒層120a上に、アノード側のガス拡散層基材を重ねるとともに、カソード側触媒層120c上に、保湿層がカソード側触媒層120cと当接するように、保湿層が形成されたガス拡散層基材を重ね、これらをホットプレス接合した。
比較例Bの製造工程では、保湿層形成溶液は、本実施例と同様に、気層成長炭素繊維(VGCF)と、電解質溶液と、撥水ポリマとを混合したものである。また、保湿層は、本実施例とは異なり、保湿層形成溶液を、カソード側ガス拡散層130cを構成するガス拡散層基材上に塗布して乾燥させることによって形成した。そして、電解質膜110の両面に、それぞれアノード側触媒層120a、および、カソード側触媒層120cを形成したものの、アノード側触媒層120a上に、アノード側のガス拡散層基材を重ねるとともに、カソード側触媒層120c上に、保湿層がカソード側触媒層120cと当接するように、保湿層が形成されたガス拡散層基材を重ね、これらをホットプレス接合した。
比較例Cの製造工程では、保湿層形成溶液は、本実施例とは異なり、気層成長炭素繊維(VGCF)と、電解質溶液とを混合したものであり、撥水ポリマは混合されていない。また、保湿層は、本実施例と同様に、保湿層形成溶液を、カソード側触媒層120c上に塗布して乾燥させることによって形成した。そして、電解質膜110の両面に、それぞれアノード側触媒層120a、および、カソード側触媒層120cを形成したものの、アノード側触媒層120a上に、アノード側のガス拡散層基材を重ねるとともに、カソード側触媒層120c上に形成された保湿層上に、カソード側のガス拡散層基材を重ね、これらをホットプレス接合した。
B2.燃料電池の発電特性:
図4は、比較例A〜Cの製造工程によって製造された膜電極接合体100A,100B,100C、および、本実施例の製造工程によって製造された膜電極接合体100を燃料電池に適用したときの、燃料電池の発電特性をそれぞれ示す説明図である。横軸をカソードストイキ比とし、縦軸をセル電圧としたグラフを示した。カソードストイキ比とは、(カソードに供給される酸素の量)/(発電に利用される酸素の量)である。
この図において、実線で示した曲線は、本実施例の製造工程によって製造された膜電極接合体100を燃料電池に適用したときの、燃料電池の発電特性を示している。また、破線で示した曲線は、比較例Aの製造工程によって製造された膜電極接合体100Aを燃料電池に適用したときの、燃料電池の発電特性を示している。また、一点鎖線で示した曲線は、比較例Bの製造工程によって製造された膜電極接合体100Bを燃料電池に適用したときの、燃料電池の発電特性を示している。また、二点鎖線で示した曲線は、比較例Cの製造工程によって製造された膜電極接合体100Cを燃料電池に適用したときの、燃料電池の発電特性を示している。
ここで、カソードストイキ比が比較的低い領域に着目する。図から分かるように、比較例Aの製造工程によって製造された膜電極接合体100Aを適用した燃料電池(以下、比較例Aの燃料電池と呼ぶ)では、セル電圧が最も低い。そして、比較例Bの製造工程によって製造された膜電極接合体100Bを適用した燃料電池(以下、比較例Bの燃料電池と呼ぶ)では、セル電圧が2番目に低い。そして、比較例Cの製造工程によって製造された膜電極接合体100Cを適用した燃料電池(以下、比較例Cの燃料電池と呼ぶ)では、セル電圧が3番目に低い。そして、本実施例の製造工程によって製造された膜電極接合体100を適用した燃料電池(以下、本実施例の燃料電池と呼ぶ)では、セル電圧が最も高い。これは、以下の理由による。
すなわち、比較例Aの燃料電池と、比較例Bの燃料電池とを比較した場合、膜電極接合体100Aと、膜電極接合体100Bとにおいて、保湿層の形成位置は同じであるが、比較例Bの燃料電池では、保湿層に撥水ポリマが含まれるのに対し、比較例Aの燃料電池では、保湿層に撥水ポリマが含まれない。このため、比較例Bの燃料電池では、比較例Aの燃料電池よりも、保湿層におけるガス拡散性が向上し、発電性能が向上した。これは、比較例Cの燃料電池と、本実施例の燃料電池との比較についても同様である。
また、比較例Aの燃料電池と、比較例Cの燃料電池とを比較した場合、膜電極接合体100Aと、膜電極接合体100Cとにおいて、保湿層形成溶液の成分は、同じであるが、比較例Cの燃料電池では、保湿層がカソード側触媒層120c上に形成されるのに対し、比較例Aの燃料電池では、カソード側ガス拡散層130cを構成するガス拡散層基材上に形成されている。したがって、比較例Cの燃料電池では、膜電極接合体100Cの製造工程において、保湿層形成溶液の一部が、カソード側触媒層120cに存在する微細な気孔内に浸透するのに対し、比較例Aの燃料電池では、膜電極接合体100Aの製造工程において、保湿層形成溶液の一部が、カソード側触媒層120cに存在する微細な気孔内に浸透しない。このため、比較例Cの燃料電池では、カソード側触媒層120cと保湿層との間における接触抵抗が、比較例Aの燃料電池よりも低減され、発電性能が向上した。これは、比較例Bの燃料電池と、本実施例の燃料電池との比較についても同様である。
そして、本実施例の燃料電池では、上述した発電性能の向上に有効な2つの要素、すなわち、保湿層形成溶液に撥水ポリマが含まれることと、保湿層をカソード側触媒層120c上に形成することとを兼ね備えているので、上述した比較例A〜Cの燃料電池よりも発電性能が向上した。
以上説明したように、本発明の膜電極接合体100の製造方法によれば、この膜電極接合体100を適用した燃料電池の発電性能を向上させることができる。
C.変形例:
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様での実施が可能である。例えば、以下のような変形が可能である。
C1.変形例1:
上記実施例では、膜電極接合体100の製造工程において、保湿層形成溶液に撥水ポリマを含むものとしたが、本発明は、これに限られない。先に図3、および、図4を用いて説明した比較例Aの燃料電池と比較例Cの燃料電池との比較から分かるように、保湿層を、カソード側ガス拡散層130cを構成するガス拡散層基材上ではなく、カソード側触媒層120c上に形成することによって、燃料電池の発電性能を向上させることができる。
C2.変形例2:
上記実施例では、膜電極接合体100の製造工程のステップS120において、保湿層形成溶液に含まれる溶媒が乾燥して固化する前に、アノード側触媒層120a、および、保湿層122の表面に、それぞれ、アノード側ガス拡散層130a、および、カソード側ガス拡散層130cを、ホットプレス接合するものとしたが、保湿層形成溶液に含まれる溶媒が乾燥して固化した後に、ホットプレス接合するようにしてもよい。ただし、上記実施例によれば、保湿層形成溶液の一部を、カソード側ガス拡散層130cを構成するガス拡散層基材側にも浸透させることができるので、この膜電極接合体を適用した燃料電池の発電性能を向上させることができる。なお、先に図3、および、図4を用いて説明した比較例の製造工程、および、燃料電池の発電特性において、撥水ポリマを含む保湿層形成溶液をカソード側触媒層120c上に塗布し、保湿層形成溶液に含まれる溶媒が乾燥して固化した後に、ホットプレス接合した膜電極接合体については、図示、および、説明を省略しているが、この場合には、実施例の燃料電池と、比較例Cの燃料電池との間の発電特性が得られる。
C3.変形例3:
上記実施例では、膜電極接合体100は、保湿層122を、カソード側触媒層120c上にのみ形成するものとしたが、本発明は、これに限られず、さらにアノード側触媒層120a上にも形成するものとしてもよい。
C4:変形例4:
上記実施例では、膜電極接合体100の製造工程において、撥水剤としての撥水ポリマを含む保湿層形成溶液を、カソード側触媒層120c上のみに形成するものとしたが、本発明は、これに限られず、撥水ポリマを含む保湿層形成溶液をカソード側触媒層120c上のみに形成するものとしてもよい。こうすることによっても、上記実施例と同様に、この膜電極接合体を適用した燃料電池の発電性能を向上させることができる。また、保湿層形成溶液には、撥水ポリマが含まれているので、保湿層おけるガス拡散性を向上させ、フラッディングを抑制することができる。
本発明の一実施例としての膜電極接合体100の概略構成を示す説明図である。 膜電極接合体100の製造工程を示す説明図である。 本実施例の膜電極接合体100の製造工程と比較例の膜電極接合体の製造工程との差異を示す説明図である。 比較例A〜3の製造工程によって製造された膜電極接合体、および、本実施例の製造工程によって製造された膜電極接合体100を燃料電池に適用したときの、燃料電池の発電特性をそれぞれ示す説明図である。
符号の説明
100,100A,100B,100C…膜電極接合体
110…電解質膜
120a…アノード側触媒層
120c…カソード側触媒層
122…保湿層
130a…アノード側ガス拡散層
130c…カソード側ガス拡散層

Claims (5)

  1. 燃料電池に用いられ、固体高分子からなる電解質膜と触媒層と保湿層とガス拡散層とを備える膜電極接合体の製造方法であって、
    前記電解質膜の両面にそれぞれ前記触媒層を形成する触媒層形成工程と、
    前記保湿層を形成するための保湿層形成溶液を、少なくともカソード側の前記触媒層上に塗布する塗布工程と、
    前記保湿層上に前記ガス拡散層を構成するガス拡散層基材を接合する接合工程と、
    を備える製造方法。
  2. 請求項1記載の製造方法であって、
    前記接合工程は、前記塗布工程後、前記保湿層形成溶液に含まれる溶媒が乾燥して固化する前に、前記ガス拡散層基材を接合する工程を含む、製造方法。
  3. 請求項1または2記載の製造方法であって、
    前記接合工程は、前記電解質膜と前記触媒層と前記保湿層と前記ガス拡散層とを、ホットプレス接合によって接合する工程を含む、製造方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の製造方法であって、
    前記保湿層形成溶液は、撥水剤を含む、製造方法。
  5. 燃料電池に用いられ、固体高分子からなる電解質膜と触媒層と保湿層とガス拡散層とを備える膜電極接合体の製造方法であって、
    前記電解質膜の両面にそれぞれ前記触媒層を形成する触媒層形成工程と、
    前記保湿層を形成するための保湿層形成溶液であって、撥水剤を含む保湿層形成溶液を、アノード側の前記触媒層上のみに塗布する塗布工程と、
    前記保湿層上に前記ガス拡散層を構成するガス拡散層基材を接合する接合工程と、
    を備える製造方法。
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