JP2009295596A - 固体電解質膜及び燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、優れた親水性及び撥水性を兼備する触媒層−電解質膜接合体を製造するための、触媒層付き固体電解質膜を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の触媒層付き固体電解質膜は、固体電解質膜の一方面上又は両面上に白金含有触媒層が形成され、更に該白金含有触媒層上にガス及び液体の透過層が形成された電解質膜であって、前記透過層は、親水性領域と撥水性領域とを有している。本発明の触媒層付き固体電解質膜の両面に電極を配置し、加圧することにより、優れた親水性及び撥水性を兼備する触媒層−電解質膜接合体を製造できる。
【選択図】図2
【解決手段】本発明の触媒層付き固体電解質膜は、固体電解質膜の一方面上又は両面上に白金含有触媒層が形成され、更に該白金含有触媒層上にガス及び液体の透過層が形成された電解質膜であって、前記透過層は、親水性領域と撥水性領域とを有している。本発明の触媒層付き固体電解質膜の両面に電極を配置し、加圧することにより、優れた親水性及び撥水性を兼備する触媒層−電解質膜接合体を製造できる。
【選択図】図2
Description
本発明は、固体電解質膜及び燃料電池に関する。
燃料電池は、電解質膜の両面に触媒層を配置した構成からなり、水素及び酸素の電気化学反応により発電する。そのため、発電時に発生するのは水のみである。燃料電池は、従来の内燃機関と異なり、二酸化炭素等の環境負荷ガスを発生しないため、次世代のクリーンエネルギーシステムとして注目されている。
燃料電池は、燃料である水素ガスと酸化剤ガスである酸素により以下の反応を起こさせることにより、起電力を発生させている。
燃料極: H2 → 2H++2e-
空気極: 2H++2e-+(1/2)O2 → H2O
燃料電池は、発電の際に発熱を伴い、電解質膜内の温度上昇により膜内の含水量が低下し、そのためにイオン伝導性が低下する。
空気極: 2H++2e-+(1/2)O2 → H2O
燃料電池は、発電の際に発熱を伴い、電解質膜内の温度上昇により膜内の含水量が低下し、そのためにイオン伝導性が低下する。
燃料極は、電解質膜のドライアップを防ぐための水分保持性(親水性)と、H2の吸着
サイトを確保するためのある程度の撥水性を有していることが必要である。
サイトを確保するためのある程度の撥水性を有していることが必要である。
一方、空気極側では電池反応に伴って水を生成している。この水は、逆浸透により燃料極側へ水分を補給する役目を果たすが、高電流密度域での多量の水分発生等により、空気極のO2吸着サイトを埋めてしまいフラッディングを起こす原因となる。このため、空気
極は、O2の吸着サイトを確保するための撥水性を備えていることが必要となる。
極は、O2の吸着サイトを確保するための撥水性を備えていることが必要となる。
このような観点から、空気極に適度の撥水性を付与するために、例えば、電極−電解質膜接合体において、固体高分子電解質膜上に電極触媒層が形成されている部分と電極触媒層が形成されていない部分とを設ける方法(例えば、特許文献1等)、(2)触媒層を複数個に分割し、分割した複数の触媒層は少なくとも2種類以上の親水性の異なる材料からなり、触媒層と触媒層の隙間にはフッ素樹脂等からなる撥水剤を充填する方法(例えば、特許文献2等)等が提案されている。
また、燃料極に適度の親水性を付与するために、(3)カーボンペーパー等のガス拡散層表面に酸化チタン等の光触媒性親水性層を設ける方法(例えば、特許文献3等)、(4)多孔質プレート中に酸化チタン等の親水性材料を充填する方法(例えば、特許文献4等)等が提案されている。
しかしながら、これらの特許文献に記載されている燃料電池では、親水性及び撥水性の双方に優れるという相反する要求を同時に解決することは困難である。従って、上記(1)〜(4)の方法では、所望の電池性能を備えた燃料電池を製造し得ない。
本発明の課題は、優れた親水性及び撥水性を兼備する触媒層−電解質膜接合体を製造するための、触媒層付き固体電解質膜を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねてきた。その結果、固体電解質膜上に白金含有触媒層を形成し、更に該白金含有触媒層上に親水性領域と撥水性領域とを有するガス及び液体の透過層を形成することにより、所望の触媒層付き固体電解質膜が得られることを見い出した。本発明は、斯かる知見に基づき完成されたものである。
1.固体電解質膜の一方面上又は両面上に白金含有触媒層が形成され、更に該白金含有触媒層上にガス及び液体の透過層が形成された電解質膜であって、前記透過層は、1個の親水性領域と、撥水性領域とを有し、且つ、前記透過層は、エネルギー照射により濡れ性が撥水性から親水性に変化する材料を含有している、触媒層付き固体電解質膜。
2.前記透過層は、光触媒及びエネルギー照射により濡れ性が撥水性から親水性に変化する材料を含有し、且つ、前記エネルギー照射により濡れ性が撥水性から親水性に変化する材料は、オルガノポリシロキサンである上記1に記載の電解質膜。
3.前記オルガノポリシロキサンが、フルオロアルキル基を含有するポリシロキサンである上記2に記載の電解質膜。
4.上記1〜3のいずれかに記載の電解質膜を用いて製造される電極−電解質膜接合体。
5.上記1〜3のいずれかに記載の電解質膜を含む燃料電池。
1.固体電解質膜の一方面上又は両面上に白金含有触媒層が形成され、更に該白金含有触媒層上にガス及び液体の透過層が形成された電解質膜であって、前記透過層は、1個の親水性領域と、撥水性領域とを有し、且つ、前記透過層は、エネルギー照射により濡れ性が撥水性から親水性に変化する材料を含有している、触媒層付き固体電解質膜。
2.前記透過層は、光触媒及びエネルギー照射により濡れ性が撥水性から親水性に変化する材料を含有し、且つ、前記エネルギー照射により濡れ性が撥水性から親水性に変化する材料は、オルガノポリシロキサンである上記1に記載の電解質膜。
3.前記オルガノポリシロキサンが、フルオロアルキル基を含有するポリシロキサンである上記2に記載の電解質膜。
4.上記1〜3のいずれかに記載の電解質膜を用いて製造される電極−電解質膜接合体。
5.上記1〜3のいずれかに記載の電解質膜を含む燃料電池。
触媒層付き固体電解質膜
本発明の触媒層付き固体電解質膜は、固体電解質膜の一方面又は両面上に、アノード極又はカソード極と呼ばれる白金含有触媒層が形成され、更に各々の白金含有触媒層上にガス及び液体の透過層が形成されている。前記透過層は、親水性領域と撥水性領域とを有している。
本発明の触媒層付き固体電解質膜は、固体電解質膜の一方面又は両面上に、アノード極又はカソード極と呼ばれる白金含有触媒層が形成され、更に各々の白金含有触媒層上にガス及び液体の透過層が形成されている。前記透過層は、親水性領域と撥水性領域とを有している。
本発明の触媒層付き固体電解質膜の一実施態様を示す平面図を図1に、そのA−A線断面図を図2に示す。
図1及び図2において、1は固体電解質膜、2は白金含有触媒層(アノード)、3は白金含有触媒層(カソード)、4はガス及び液体の透過層、aは前記透過層の親水性領域、bは前記透過層の撥水性領域である。
固体電解質膜1の一方面上の全体に亘って白金含有触媒層(アノード)2が形成され、該固体電解質膜の他方面上の全体に亘って白金含有触媒層(カソード)3が形成されている。更に白金含有触媒層(アノード)2の全面に透過層4が、白金含有触媒層(カソード)3の全面に透過層4がそれぞれ形成されている。透過層4は、親水性領域aと撥水性領域bとを有している。
本発明の触媒層付き固体電解質膜の好ましい一実施態様によれば、透過層4に複数個の親水性領域が撥水性領域を挟んで一定間隔で存在している。前記複数個の親水性領域は同一形状であるのが望ましい。
本発明の触媒層付き固体電解質膜の好ましい他の一実施態様によれば、固体電解質膜の一方面又は両面に、複数個の白金含有触媒層2又は白金含有触媒層3が一定間隔で形成された層があり、更に該白金含有触媒層上に親水性領域と撥水性領域とを有する透過層が形成されている。前記複数個の白金含有触媒層2及び白金含有触媒層3は同一形状であるのが望ましい。
本発明の触媒層付き固体電解質膜の他の一実施態様を示す平面図を図3に、そのB−B線断面図を図4に示す。
図3及び図4において、1は固体電解質膜、2は白金含有触媒層(アノード)、3は白金含有触媒層(カソード)、4はガス及び液体の透過層、4aは前記透過層の親水性領域、4bは前記透過層の撥水性領域である。
固体電解質膜1の一方面上の一部に複数個の白金含有触媒層(アノード)2が形成され、該固体電解質膜の他方面上の一部に複数個の白金含有触媒層(カソード)3が形成されている。更に各々の白金含有触媒層(アノード)2の全面にガス及び液体の透過層4aが、各々の白金含有触媒層(カソード)3の全面に前記透過層4aがそれぞれ形成されている。該透過層4aは、親水性領域を有している。固体電解質膜1上の白金含有触媒層(アノード)2又は白金含有触媒層(カソード)3が形成されていない部分には、ガス及び液体の透過層4bが形成されている。該透過層4bは撥水性領域を有している。
本発明の触媒層付き固体電解質膜の好ましい一実施態様によれば、前記透過層4aは、親水性領域のみからなり、撥水性領域を有していないのが望ましく、前記透過層4bは、撥水性領域のみからなり、親水性領域を有していないのが望ましい。
本発明の触媒層付き固体電解質膜の好ましい他の一実施態様によれば、前記複数個の白金含有触媒層2及び白金含有触媒層3は、固体電解質膜の一方面又は両面に、一定間隔で形成されているのが望ましく、またこれらの触媒層は同一形状であるのが望ましい。
本発明の触媒層付き固体電解質膜の好ましい他の一実施態様によれば、前記白金含有触媒層2又は白金含有触媒層3と親水性領域を有する透過層4aとが同一形状であるのが望ましい。
固体電解質膜
固体電解質膜は、公知のものである。固体電解質膜の膜厚は、通常20〜250μm程度、好ましくは20〜80μm程度である。
固体電解質膜は、公知のものである。固体電解質膜の膜厚は、通常20〜250μm程度、好ましくは20〜80μm程度である。
固体電解質膜は、例えば、基材上に水素イオン伝導性高分子電解質を含有する溶液を塗布し、乾燥することにより形成される。
水素イオン伝導性高分子電解質としては、例えば、パーフルオロスルホン酸系のフッ素イオン交換樹脂、より具体的には、炭化水素系イオン交換膜のC−H結合をフッ素で置換したパーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマー(PFS系ポリマー)等が挙げられる。電気陰性度の高いフッ素原子を導入することで、化学的に非常に安定し、スルホン酸基の解離度が高く、高いイオン伝導性が実現できる。このような水素イオン伝導性高分子電解質の具体例としては、デュポン社製の「Nafion」、旭硝子(株)製の「Flemion」、旭化
成(株)製の「Aciplex」、ゴア(Gore)社製の「Gore Select」等が挙げられる。
成(株)製の「Aciplex」、ゴア(Gore)社製の「Gore Select」等が挙げられる。
水素イオン伝導性高分子電解質含有溶液中に含まれる水素イオン伝導性高分子電解質の濃度は、通常5〜60重量%程度、好ましくは20〜40重量%程度である。
水素イオン伝導性高分子電解質含有溶液の塗布方法としては、該溶液の粘度、固形分濃度等に応じて公知の塗布方法を広く適用でき、例えば、ナイフコーター、バーコーター、スプレー、ディップコーター、スピンコーター、ロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷等を挙げることができる。
水素イオン伝導性高分子電解質含有溶液を塗布した後、乾燥することにより、基材上に電解質膜が形成される。乾燥温度は、通常40〜100℃程度、好ましくは60〜80℃程度である。乾燥時間は、乾燥温度にもよるが、通常5分〜2時間程度、好ましくは30分〜1時間程度である。
白金含有触媒層
上記固体電解質膜上に形成される白金含有触媒層(カソード触媒層及びアノード触媒層)は、公知のものである。
上記固体電解質膜上に形成される白金含有触媒層(カソード触媒層及びアノード触媒層)は、公知のものである。
触媒層は、触媒を担持させた炭素粒子及び水素イオン伝導性高分子電解質を含有する。
触媒としては、例えば白金、白金化合物等が挙げられる。白金化合物としては、例えば、ルテニウム、パラジウム、ロジウム、ニッケル、モリブデン、イリジウム、鉄等からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属と白金との合金等が挙げられる。
カソード触媒層に含まれる触媒は、通常、白金であり、アノード触媒層に含まれる触媒は、通常、上記金属と白金との合金である。
水素イオン伝導性高分子電解質としては、例えば、パーフルオロスルホン酸系のフッ素イオン交換樹脂、より具体的には、炭化水素系イオン交換膜のC−H結合をフッ素で置換したパーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマー(PFS系ポリマー)等が挙げられる。電気陰性度の高いフッ素原子を導入することで、化学的に非常に安定し、スルホン酸基の解離度が高く、高いイオン伝導性が実現できる。このような水素イオン伝導性高分子電解質の具体例としては、デュポン社製の「Nafion」、旭硝子(株)製の「Flemion」、旭化
成(株)製の「Aciplex」、ゴア(Gore)社製の「Gore Select」等が挙げられる。
成(株)製の「Aciplex」、ゴア(Gore)社製の「Gore Select」等が挙げられる。
電解質膜上に触媒層を形成させるに当たっては、触媒を担持させた炭素粒子及び水素イオン伝導性高分子電解質を適当な溶剤に混合、分散してペースト状にしておき、形成される触媒層が所望の層厚になるように、このペーストを公知の方法に従い電解質膜上に塗布するのがよい。
溶剤としては、例えば、各種アルコール類、各種エーテル類、各種ジアルキルスルホキシド類、水又はこれらの混合物等が挙げられる。
これら溶剤の中でも、アルコール類が好ましい。アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール等の炭素数1〜4の一価アルコール、各種の多価アルコール等が挙げられる。
ペーストの塗布方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ナイフコーター、バーコーター、スプレー、ディップコーター、スピンコーター、ロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷、インクジェット法等の一般的な方法を適用できる。
斯かるペーストを塗布した後、乾燥することにより、触媒層が形成される。乾燥温度は、通常40〜100℃程度、好ましくは60〜80℃程度である。乾燥時間は、乾燥温度にもよるが、通常5分〜2時間程度、好ましくは30分〜1時間程度である。
また、上記触媒層は、プラスチック基材上に上記ペーストを塗布し、プラスチック基材上に触媒層を形成した後、公知の転写法に従って、触媒層を転写し、固体電解質膜上に形成させることができる。ここで用いるペーストは、上記ペーストと同じでよく、また、ペーストの塗布方法も上記と同じでよい。
触媒層の厚さは、通常10〜200μm程度、好ましくは10〜100μm程度、より好ましくは15〜50μm程度がよい。
ガス及び液体の透過層
図1及び図2で示されるガス及び液体の透過層は、親水性領域と撥水性領域とを有している。
図1及び図2で示されるガス及び液体の透過層は、親水性領域と撥水性領域とを有している。
本発明の透過層の形成方法について、図面を引用しつつ説明する。
図5は、本発明の透過層の形成方法について概略を示す図面である。
図5(a)中のAは、固体電解質膜1の一方面全体に白金含有触媒層2が形成され、更に白金含有触媒層2の上面全体に撥水性材料層4’が形成された積層体である。
積層体Aの撥水性材料層側から、フォトマスク5を介して積層体Aに向かってエネルギー照射(光照射)する(図5(b))。
撥水性材料層に、光照射すると、撥水性材料層中に含まれる光触媒の作用により、光照射された撥水性材料表面層の濡れ性が変化し、該材料層の光照射部分に親水性領域aが形成される(図5(c))。
フォトマスク5は、図5において、光を透過する部分6と光を透過しない部分7とからなっているが、図6に示すように、光を透過する層6’の一方面の一部に光遮断層7’が形成されていてもよい。
フォトマスク5の基材としては、公知のものを広く使用できる。フォトマスクの基材としては、例えば、ステンレス板等の金属基板をエッチングして物理的に孔を形成したもの、アルミニウム等の金属箔を積層したフィルムを部分的に打ち抜いたもの、フィルムに部分的に金属蒸着を施したもの等を挙げることができる。
本発明のガス及び液体の透過層4は、このようにして親水性領域aと撥水性領域bとが形成されている。
光照射により、光照射された撥水性材料の表面層だけでなく、撥水性材料層内部まで濡れ性が変化し、撥水性材料層の表面層及び内部の全体に親水性領域が形成される。
撥水性材料層
撥水性材料層4’に用いられる材料としては、露光により光触媒により濡れ性が変化する材料であって、且つ光触媒の作用により劣化、分解し難い主鎖を有するものである限り、公知のものを広く使用できる。このような材料としては、例えば、オルガノポリシロキサンを挙げることができる。
撥水性材料層4’に用いられる材料としては、露光により光触媒により濡れ性が変化する材料であって、且つ光触媒の作用により劣化、分解し難い主鎖を有するものである限り、公知のものを広く使用できる。このような材料としては、例えば、オルガノポリシロキサンを挙げることができる。
オルガノポリシロキサンとしては、例えば、(1)ゾルゲル反応等によりハロゲノシラン、アルコキシシラン等を加水分解、重縮合して大きな強度を発揮するオルガノポリシロキサン、(2)撥水牲及び撥油性に優れた反応性シリコーンを架橋したオルガノポリシロキサン等を挙げることができる。
上記(1)のオルガノポリシロキサンとしては、一般式:
YnSiX(4-n) (A)
(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基又はエポキシ基を示し、Xはアルコキシ基、アセチル基又はハロゲンを示す。nは0〜3の整数を示す。)
で表される珪素化合物の1種もしくは2種以上の加水分解縮合物又は共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。
YnSiX(4-n) (A)
(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基又はエポキシ基を示し、Xはアルコキシ基、アセチル基又はハロゲンを示す。nは0〜3の整数を示す。)
で表される珪素化合物の1種もしくは2種以上の加水分解縮合物又は共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。
上記Yで示される各基の炭素数は1〜20の範囲内であることが好ましく、また、Xで示されるアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましい。
一般式(A)で表される珪素化合物を具体的に示すと、例えば、メチルトリクロルシラン、メチルトリブロムシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリt−ブトキシシラン;エチルトリクロルシラン、エチルトリブロムシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリt−ブトキシシラン;n−プロピルトリクロルシラン、n−プロピルトリブロムシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリイソプロポキシシラン、n−プロピルトリt−ブトキシシラン;n−ヘキシルトリクロルシラン、n−ヘキシルトリブロムシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリイソプロポキシシラン、n−ヘキシルトリt−ブトキシシラン;n−デシルトリクロルシラン、n−デシルトリブロムシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−デシルトリイソプロポキシシラン、n−デシルトリt−ブトキシシラン;n−オクタデシルトリクロルシラン、n−オクタデシルトリブロムシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリエトキシシラン、n−オクタデシルトリイソプロポキシシラン、n−オクタデシルトリt−ブトキシシラン;フェニルトリクロルシラン、フェニルトリブロムシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリt−ブトキシシラン;テトラクロルシラン、テトラブロムシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン;ジメチルジクロルシラン、ジメチルジブロムシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン;ジフェニルジクロルシラン、ジフェニルジブロムシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン;フェニルメチルジクロルシラン、フェニルメチルジブロムシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン;トリクロルヒドロシラン、トリブロムヒドロシラン、トリメトキシヒドロシラン、トリエトキシヒドロシラン、トリイソプロポキシヒドロシラン、トリt−ブトキシヒドロシラン;ビニルトリクロルシラン、ビニルトリブロムシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリt−ブトキシシラン;トリフルオロプロピルトリクロルシラン、トリフルオロプロピルトリブロムシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−メタアクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−アミノプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリt−ブトキシシラン;β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
本発明においては、オルガノポリシロキサンが、フルオロアルキル基を含有するオルガノポリシロキサンであることが好ましい。
フルオロアルキル基を含有するオルガノポリシロキサンとしては、公知のフッ素系シランカップリング剤を広く使用でき、その具体例としては、例えば、下記に示すフルオロアルキルシランの1種もしくは2種以上の加水分解縮合物又は共加水分解縮合物が挙げられる。
CF3(CF2)3CH2CH2Si(OCH3)3;
CF3(CF2)5CH2CH2Si(OCH3)3;
CF3(CF2)7CH2CH2Si(OCH3)3;
CF3(CF2)9CH2CH2Si(OCH3)3;
(CF3)2CF(CF2)4CH2CH2Si(OCH3)3;
(CF3)2CF(CF2)6CH2CH2Si(OCH3)3;
(CF3)2CF(CF2)8CH2CH2Si(OCH3)3;
CF3(C6H4)C2H4Si(OCH3)3;
CF3(CF2)3(C6H4)C2H4Si(OCH3)3;
CF3(CF2)5(C6H4)C2H4Si(OCH3)3;
CF3(CF2)7(C6H4)C2H4Si(OCH3)3;
CF3(CF2)3CH2CH2SiCH3(OCH3)2; CF3(CF2)5CH2CH2SiCH3(OCH3)2;
CF3(CF2)7CH2CH2SiCH3(OCH3)2;
CF3(CF2)9CH2CH2SiCH3(OCH3)2;
(CF3)2CF(CF2)4CH2CH2SiCH3(OCH3)2;
(CF3)2CF(CF2)6CH2CH2SiCH3(OCH3)2;
(CF3)2CF(CF2)8CH2CH2SiCH3(OCH3)2;
CF3(C6H4)C2H4SiCH3(OCH3)2;
CF3(CF2)3(C6H4)C2H4SiCH3(OCH3)2;
CF3(CF2)5(C6H4)C2H4SiCH3(OCH3)2;
CF3(CF2)7(C6H4)C2H4SiCH3(OCH3)2;
CF3(CF2)3CH2CH2Si(OCH2CH3)3;
CF3(CF2)5CH2CH2Si(OCH2CH3)3;
CF3(CF2)7CH2CH2Si(OCH2CH3)3;及び
CF3(CF2)9CH2CH2Si(OCH2CH3)3
上記のようなフルオロアルキル基を含有するオルガノポリシロキサンを撥水性材料として使用すると、該材料にエネルギー(光)が照射された際、該材料に接触する光触媒含有層中の光触媒の作用により、フルオロアルキル基のフルオロカーボン鎖が分解除去され、Si−OH結合が形成される。その結果、撥水性材料層のエネルギー照射部分は親水性になる。
CF3(CF2)5CH2CH2Si(OCH3)3;
CF3(CF2)7CH2CH2Si(OCH3)3;
CF3(CF2)9CH2CH2Si(OCH3)3;
(CF3)2CF(CF2)4CH2CH2Si(OCH3)3;
(CF3)2CF(CF2)6CH2CH2Si(OCH3)3;
(CF3)2CF(CF2)8CH2CH2Si(OCH3)3;
CF3(C6H4)C2H4Si(OCH3)3;
CF3(CF2)3(C6H4)C2H4Si(OCH3)3;
CF3(CF2)5(C6H4)C2H4Si(OCH3)3;
CF3(CF2)7(C6H4)C2H4Si(OCH3)3;
CF3(CF2)3CH2CH2SiCH3(OCH3)2; CF3(CF2)5CH2CH2SiCH3(OCH3)2;
CF3(CF2)7CH2CH2SiCH3(OCH3)2;
CF3(CF2)9CH2CH2SiCH3(OCH3)2;
(CF3)2CF(CF2)4CH2CH2SiCH3(OCH3)2;
(CF3)2CF(CF2)6CH2CH2SiCH3(OCH3)2;
(CF3)2CF(CF2)8CH2CH2SiCH3(OCH3)2;
CF3(C6H4)C2H4SiCH3(OCH3)2;
CF3(CF2)3(C6H4)C2H4SiCH3(OCH3)2;
CF3(CF2)5(C6H4)C2H4SiCH3(OCH3)2;
CF3(CF2)7(C6H4)C2H4SiCH3(OCH3)2;
CF3(CF2)3CH2CH2Si(OCH2CH3)3;
CF3(CF2)5CH2CH2Si(OCH2CH3)3;
CF3(CF2)7CH2CH2Si(OCH2CH3)3;及び
CF3(CF2)9CH2CH2Si(OCH2CH3)3
上記のようなフルオロアルキル基を含有するオルガノポリシロキサンを撥水性材料として使用すると、該材料にエネルギー(光)が照射された際、該材料に接触する光触媒含有層中の光触媒の作用により、フルオロアルキル基のフルオロカーボン鎖が分解除去され、Si−OH結合が形成される。その結果、撥水性材料層のエネルギー照射部分は親水性になる。
また、上記の(2)の反応性シリコーンとしては、下記一般式で表される骨格をもつ化合物を挙げることができる。
(ここで、mは2以上の整数(好ましくは2〜20の整数)を示す。R1及びR2は、それぞれ炭素数1〜10の置換もしくは非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基又はシアノアルキル基を示す。)
R1及びR2で示されるアルケニル基の具体例としては、例えばビニル基等が、アリール基の具体例としては、例えばフェニル基、ハロゲン置換フェニル基等が挙げられる。
R1及びR2で示されるアルケニル基の具体例としては、例えばビニル基等が、アリール基の具体例としては、例えばフェニル基、ハロゲン置換フェニル基等が挙げられる。
R1及びR2がメチル基である反応性シリコーンは、表面エネルギーが最も小さくなる(撥水性が最も大きくなる)ので好ましく、モル比でメチル基が60%以上であることが好ましい。また、モル比で全体の40%以下がビニル基、フェニル基又はハロゲン置換フェニル基である反応性シリコーンが好ましい。
上記一般式(B)で表される反応性シリコーンの鎖末端及び/又は側鎖には、1個又は2個以上の反応性基を有する。反応性基の具体例を、以下に示す。
[Rは炭素数10以下の炭化水素鎖を示す。]
上記(2)の撥水牲及び撥油性に優れた反応性シリコーンを架橋したオルガノポリシロキサンは、例えば、上記反応性シリコーンを公知の方法に従って架橋させることにより製造される。
上記(2)の撥水牲及び撥油性に優れた反応性シリコーンを架橋したオルガノポリシロキサンは、例えば、上記反応性シリコーンを公知の方法に従って架橋させることにより製造される。
本発明においては、上記(2)のオルガノポリシロキサンに、ジメチルポリシロキサンのような架橋反応をしない安定なオルガノシリコーン化合物を混合して使用してもよい。
本発明においては、このようにオルガノポリシロキサン等の種々の材料を撥水性材料層に用いることができるが、上述したように、撥水性材料層にフッ素を含有させることが、撥水性材料層の撥水性向上に効果的である。従って、光触媒の作用により劣化又は分解し難い材料にフッ素を含有させる、具体的にはオルガノポリシロキサンにフッ素を含有させて撥水性材料層とすることが好ましい。
このように、オルガノポリシロキサンにフッ素を含有させる方法としては、(i)通常高い結合エネルギーを有する主剤に対し、フッ素化合物を比較的弱い結合エネルギーで結合させる方法、(ii)比較的弱い結合エネルギーで結合されたフッ素化合物を撥水性材料層に混入させる方法等を挙げることができる。このような方法でフッ素を導入することにより、エネルギーが照射された場合に、まず結合エネルギーが比較的小さいフッ素−炭素結合部位が切断され、これによりフッ素を撥水性材料層中から除去することができる。
上記(i)の方法としては、上記オルガノポリシロキサンにフルオロアルキル基を置換基として導入する方法等を挙げることができる。
具体的には、Yがフルオロアルキル基を示す一般式(A)の珪素化合物を原料化合物として用い、ゾルゲル反応等によりハロゲノシラン、アルコキシシラン等を加水分解、重縮合することにより、フルオロアルキル基を有するオルガノポリシロキサンを製造することができる。
Yがフルオロアルキル基を示す一般式(A)の珪素化合物としては、フルオロアルキル基を有するものである限り公知のものを広く使用できる。一般式(A)の珪素化合物には、フルオロアルキル基が少なくとも1個含まれていればよい。フルオロアルキル基の炭素数は、通常4〜30、好ましくは6〜20、より好ましくは6〜16、更に好ましくは6〜8である。
本発明においては、上記フルオロアルキル基を有する珪素化合物をフルオロアルキル基を有していない珪素化合物と混合して用い、これらの共加水分解縮合物を本発明のオルガノポリシロキサンとして用いてもよい。また、フルオロアルキル基を有する珪素化合物の1種又は2種以上を用い、これらの加水分解縮合物又は共加水分解縮合物を本発明のオルガノポリシロキサンとして用いてもよい。
このようにして得られるフルオロアルキル基を有するオルガノポリシロキサンにおいては、このオルガノポリシロキサンを構成する珪素化合物の内、上記フルオロアルキル基を有する珪素化合物が0.01モル%以上、好ましくは0.1モル%以上含まれていることが好ましい。
上記フルオロアルキル基を有する珪素化合物が0.01モル%以上含まれていると、撥水性材料層上の撥水性を高くすることができ、エネルギーを照射して親水性領域とした部分との濡れ性の差異を大きくすることができるので、有利である。
また、上記一般式(B)で表される反応性シリコーンを架橋したオルガノポリシロキサンにフッ素を含有させる場合には、一般式(B)におけるR1及びR2のいずれか又は両方にフルオロアルキル基等のフッ素含有基を導入すればよい。
上記(ii)の方法で使用されるフッ素化合物は、低分子量及び高分子量のいずれでもよい。低分子量のフッ素化合物としては、例えば、フッ素系の界面活性剤等が挙げられる。高分子量のフッ素化合物としては、例えば、撥水性材料との相溶性の高いフッ素樹脂等が挙げられる。
本発明の撥水性材料層には、上記オルガノポリシロキサンと共に、光触媒が含有されている。
光触媒としては、光半導体として知られる光触媒を広く使用でき、例えば、二酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、酸化タングステン(WO3)、酸化ビスマス(Bi2O3)、酸化鉄(Fe2O3)等を挙げることができる。これら光触媒は、1種単独で又は2種以上を混合して使用される。
本発明においては、バンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で毒性もなく、入手が容易な二酸化チタンを好適に使用できる。
二酸化チタンには、アナターゼ型とルチル型とがあり、本発明ではいずれのタイプでも使用することができる。アナターゼ型の二酸化チタンがより好ましい。アナターゼ型二酸化チタンは励起波長が380nm以下にある。
このようなアナターゼ型二酸化チタンとしては、より具体的には、塩酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(石原産業(株)製のSTS−02(平均粒径7nm)、石原産業(株)製のST−K01)、硝酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(日産化学(株)製のTA−15(平均粒径12nm))等を挙げることができる。
光触媒の粒径が小さいほど光触媒反応が効率よく行われるので、粒径の比較的小さな光触媒を用いるのが好ましい。光触媒の平均粒径は、50nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましい。ここで、平均粒径とは、全体の粒子径に対して累積50%に相当する粒子径をいう。
撥水性材料層中の光触媒の含有量は、ポリオルガノシロキサンに対して、通常5〜60重量%、好ましくは20〜40重量%の範囲である。
本発明の撥水性材料層には、更に界面活性剤を含有させることができる。使用できる界面活性剤としては、具体的には、日光ケミカルズ(株)製のNIKKOL BL、BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素系界面活性剤、デュポン社製のZONYL FSN、FSO、旭硝子(株)製サーフロンS−141、145、大日本インキ化学工業(株)製メガファックF−141、144、ネオス(株)製のフタージェントF−200、F251、ダイキン工業(株)製のユニダインDS−401、402、スリーエム(株)製フロラードFC−170、176等のフッ素系ないしはシリコーン系の非イオン界面活性剤等を挙げることかできる。また、非イオン界面活性剤の代わりに、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤又は両性界面活性剤を用いることもできる。
本発明の撥水性材料層には、上記界面活性剤の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレート、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンゾイミダゾール、ポリアクリルニトリル、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマーないしポリマー等を含有させることができる。
本発明の撥水性材料層には、更に紫外線吸収剤を含有させることができる。紫外線吸収剤としては、公知のものを広く使用でき、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤等が挙げられる。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、より具体的には、BASF(株)製のUVINUL D−49、UVINUL D−50、ケミプロ化成(株)製のKemisorb1011、Kemisorb1001等を例示できる。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、より具体的には、アデカアーガス化学(株)製のMARK LA−31、住友化学(株)製のSumisorb250等を例示できる。
撥水性材料層は、光触媒及びオルガノポリシロキサンを必要に応じて界面活性剤等の他の添加剤と共に溶剤中に分散して塗布液を調製し、この塗布液を白金含有触媒層上に塗布することにより形成することができる。使用される溶剤としては、例えば、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤が好ましい。塗布は、例えば、スピンコート、スプレーコート、ディップコート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法により行うことができる。
本発明において、撥水性材料層の厚みは、最終製品である燃料電池の性能等の考慮すると、50〜2000Å程度が好ましく、300〜1000Å程度がより好ましい。
本発明のガス及び液体の透過層は、上記撥水性材料層に親水性領域を形成させることにより得られる。
例えば、本発明のガス及び液体の透過層は、撥水性材料層にエネルギー照射(露光)することにより製造される。
撥水性材料層に、光触媒含有層を介してエネルギー照射(露光)すると、光触媒の作用により、光照射された撥水性材料層表面の濡れ性が変化し、該材料層の光照射部分に親水性領域が形成される。このようにして、親水性領域と撥水性領域とを有するガス及び液体の透過層が製造される。
本発明でいうエネルギー照射(露光)とは、光触媒による撥水性材料層表面の濡れ性を変化させることが可能ないかなるエネルギー線の照射をも含む概念であり、例えば、紫外線、可視光線、赤外線の他、これらの光線よりも更に短波長又は長波長の電磁波、放射線等を挙げることができる。
通常このような露光に用いる光の波長は、400nm以下の範囲、好ましくは380nm以下の範囲から適宜設定されるが、これに限定されるものではない。
露光に使用される光源としては、公知のものを広く使用でき、例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、エキシマランプ、その他種々の光源を挙げることができる。
露光に際してのエネルギーの照射量は、光触媒の作用により撥水性材料層の濡れ性の変化が行われるのに十分な照射量とする。
エネルギーの照射方向は、撥水性材料層にエネルギーが照射されるものであれば、いかなる方向から照射されてもよく、また、照射されるエネルギーも特に平行光等の平行なものに限定されない。
本発明において、上記撥水性材料を用いることにより、該撥水性材料層中の光触媒の作用により、上記撥水性材料に含まれる有機基の酸化、分解等により、該撥水性材料の露光部分が親水性に変化し、未露光部との濡れ性に大きな差異を生じさせることができる。
撥水性材料層における光触媒の作用機構については、未だ解明されていないが、光の照射によって生成したキャリアが、近傍の化合物との直接反応、又は、酸素及び水の存在下で生じた活性酸素種によって、有機物の化学構造に変化を及ぼすものと考えられる。本発明においては、このキャリアが撥水性材料層中の化合物になんらかの作用をするものと推察される。
エネルギー照射(露光)は、図4(b)に示すように、所望の形状を有するフォトマスク7を介して、積層体Aの撥水性材料層側に行われる。或いは、エキシマ、YAG等のレーザーを用い、パターン状に描画照射することも可能である。
電極−電解質膜接合体
電極−電解質膜接合体は、本発明の触媒層付き固体電解質の両面に、電極基材をそれぞれ配置し、加圧することにより製造される。
電極−電解質膜接合体は、本発明の触媒層付き固体電解質の両面に、電極基材をそれぞれ配置し、加圧することにより製造される。
電極基材としては、公知であり、燃料極、空気極を構成する各種の電極基材を使用できる。
電極は、燃料である水素ガス及び酸化剤ガスである酸素ガスを効率よく触媒層に供給するため、多孔質の導電性基材からなっている。多孔質の導電性基材としては、例えば、カーボンペーパー、カーボンクロス等が挙げられる。
電極の厚さは、ガス拡散の観点から、50〜400μm程度が好ましく、75〜275μm程度がより好ましい。
電極−電解質膜接合体の一例を図7に示す。
燃料電池
本発明の燃料電池は、例えば、上記電極−電解質膜接合体を組み込むことにより製造される。
本発明の燃料電池は、例えば、上記電極−電解質膜接合体を組み込むことにより製造される。
本発明の触媒層付き固体電解質膜は、優れた親水性及び撥水性を兼備している。従って、本発明の触媒層付き固体電解質膜を使用することにより、優れた親水性及び撥水性を兼備する触媒層−電解質膜接合体が得られ、所望の性能を取り出すことのできる燃料電池を製造することができる。
以下に実施例を掲げて、本発明を一層明らかにする。
実施例1
白金含有触媒層の形成
カソード触媒層形成用インキ(ペースト)は、白金担持触媒(Pt:30wt%、田中貴金属工業製のTEC10V30E)10g、5wt%ナフィオン溶液(デュポン社製、溶剤プロパノール)40g及びイソプロパノール(和光純薬(株)製)40gを分散機にて攪拌混合することにより調製した。
白金含有触媒層の形成
カソード触媒層形成用インキ(ペースト)は、白金担持触媒(Pt:30wt%、田中貴金属工業製のTEC10V30E)10g、5wt%ナフィオン溶液(デュポン社製、溶剤プロパノール)40g及びイソプロパノール(和光純薬(株)製)40gを分散機にて攪拌混合することにより調製した。
アノード触媒層形成用インキ(ペースト)は、白金−ルテニウム担持触媒(田中貴金属工業製のTEC66E50)10g、5wt%ナフィオン溶液(デュポン社製、溶剤プロパノール)40g及びイソプロパノール(和光純薬(株)製)40gを分散機にて攪拌混合することにより調製した。
ポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム(E3120、東洋紡績製、13μm)上に、ダイコートにて、カソード触媒層の乾燥後の膜厚が30μmとなるようにカソード触媒層形成用インキを塗布後、水イオン伝導性電解質膜(ナフィオン117、デュポン社製、膜厚175μm)に温度150℃、プレス厚5Mpaにて転写し、次いでPETフィルムを剥離することにより、電解質膜の一方面にカソード触媒層を形成させた。
次に、ポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム(E3120、東洋紡績製、13μm)上に、ダイコートにて、アノード触媒層の乾燥後の膜厚が30μmとなるようにアノード触媒層形成用インキを塗布後、上記水イオン伝導性電解質膜(ナフィオン117、デュポン社製、膜厚175μm)の他方面に、温度150℃、プレス厚5Mpaにて転写し、次いでPETフィルムを剥離することにより、上記電解質膜の他方面にアノード触媒層を形成させ、触媒層付き固体電解質膜を製造した。
透過性層の形成
1.撥水性材料層形成用溶液の調製
イソプロパノール(和光純薬(株)製)3重量部及びアナターゼ型チタニアゾル2重量部(石原産業(株)製)を混合し、90℃で10分間撹拌した後、この混合物にフルオロメトキシシラン0.14重量部を混合し、90℃で10分間撹拌した。得られた溶液をイソプロパノールで4倍に希釈し、撥水性材料層形成用溶液を製造した。
2.撥水性材料層の形成
上記で製造した固体電解質膜のカソード触媒層上に、スピンコーターを用いて上記撥水性材料層形成用溶液を塗布し、その後、150℃で10分間の乾燥処理を行うことにより、厚さ20〜100nmの撥水性材料層を形成した。
1.撥水性材料層形成用溶液の調製
イソプロパノール(和光純薬(株)製)3重量部及びアナターゼ型チタニアゾル2重量部(石原産業(株)製)を混合し、90℃で10分間撹拌した後、この混合物にフルオロメトキシシラン0.14重量部を混合し、90℃で10分間撹拌した。得られた溶液をイソプロパノールで4倍に希釈し、撥水性材料層形成用溶液を製造した。
2.撥水性材料層の形成
上記で製造した固体電解質膜のカソード触媒層上に、スピンコーターを用いて上記撥水性材料層形成用溶液を塗布し、その後、150℃で10分間の乾燥処理を行うことにより、厚さ20〜100nmの撥水性材料層を形成した。
次に、上記と同様にして、固体電解質膜のアノード触媒層上に、スピンコーターを用いて上記撥水性材料層形成用溶液を塗布し、その後、150℃で10分間の乾燥処理を行うことにより、厚さ20〜100nmの撥水性材料層を形成した。
3.透過層の形成
次に、開口マスクを用意し、マスクを介して、撥水性材料層上に水銀灯(主波長365nm,30mW/cm2)を10分間照射し、上記マスクのパターンと同一パターンの親水性領域を撥水性材料層上に形成された。なお、開口部のマスクパターンは、50×50mmのマスクで開口率を80%とし、パターン幅2.00mm、パターンピッチを2.25mmとした。透過層には、400個の同一形状の親水性領域が撥水性領域を挟んで縦方向及び横方向にそれぞれ一定の間隔(0.26mm)で形成されていた。この操作をもう一度繰り返して、固体電解質膜の反対側の撥水性材料層を水銀灯により照射した。
3.透過層の形成
次に、開口マスクを用意し、マスクを介して、撥水性材料層上に水銀灯(主波長365nm,30mW/cm2)を10分間照射し、上記マスクのパターンと同一パターンの親水性領域を撥水性材料層上に形成された。なお、開口部のマスクパターンは、50×50mmのマスクで開口率を80%とし、パターン幅2.00mm、パターンピッチを2.25mmとした。透過層には、400個の同一形状の親水性領域が撥水性領域を挟んで縦方向及び横方向にそれぞれ一定の間隔(0.26mm)で形成されていた。この操作をもう一度繰り返して、固体電解質膜の反対側の撥水性材料層を水銀灯により照射した。
上記のようにして、本発明の触媒層付き固体電解質膜を製造した。
燃料電池セルの作成
上記で製造した触媒層付き固体電解質膜の両面に、ガス拡散電極としてカーボンペーパー(TGP−H−090、東レ(株)製、厚さ275μm)を配置し、サンドイッチした後、熱プレスにて触媒層付固体電解質膜とカーボンペーパーとを接合することで燃料電池セルを作成した。
上記で製造した触媒層付き固体電解質膜の両面に、ガス拡散電極としてカーボンペーパー(TGP−H−090、東レ(株)製、厚さ275μm)を配置し、サンドイッチした後、熱プレスにて触媒層付固体電解質膜とカーボンペーパーとを接合することで燃料電池セルを作成した。
実施例2
カソード触媒層形成用インキ及びアノード触媒層形成用インキは、実施例1で調製したものを使用した。
カソード触媒層形成用インキ及びアノード触媒層形成用インキは、実施例1で調製したものを使用した。
水イオン伝導性電解質膜(ナフィオン117、デュポン社製、膜厚175μ)の片面に、スクリーン印刷用のマスクを用いて、カソード触媒層の乾燥後の膜厚が30μmとなるようにカソード触媒層形成用インキを塗布し、乾燥した。該マスクは、50×50mmのマスクで、開口率を80%とし、パターン幅2.00mm、パターンピッチを2.25mmとしたものである。このようにして、該電解質膜の片面上に複数個のカソード触媒層を形成させた。
次にアノード触媒層形成用インキを用い、上記と同様にして、上記電解質膜の他方面上に複数個のアノード触媒層を形成させた。
このようにして、電解質膜の一方面上に複数個のカソード触媒層を形成し、該電解質膜の他方面上に複数個のアノード触媒層を形成した電解質膜を製造した。電解質膜の一方面上に400個の同一形状のカソード触媒層(大きさ2.25×2.25mm)が、縦方向及び横方向に一定の間隔(0.26mm)で形成されていた。また、電解質膜の他方面上に400個の同一形状のアノード触媒層(大きさ2.25×2.25mm)が、縦方向及び横方向にそれぞれ一定の間隔(0.26mm)で形成されていた。
カソード触媒層上及びカソード触媒層が形成されていない電解質膜上に、スピンコーターを用いて、実施例1で製造した上記撥水性材料層形成用溶液を塗布し、その後、150℃で10分間の乾燥処理を行うことにより、撥水性材料層を形成した。この際、カソード触媒層上の撥水性材料層厚が20〜100nmになるように、カソード触媒層が形成されていない電解質膜上の撥水性材料層厚が30020〜30100nmになるように留意した。
次に、アノード触媒層上及びアノード触媒層が形成されていない電解質膜上に、スピンコーターを用いて、実施例1で製造した上記撥水性材料層形成用溶液を塗布し、その後、150℃で10分間の乾燥処理を行うことにより、撥水性材料層を形成した。この際、アノード触媒層上の撥水性材料層厚が20〜100nmになるように、アノード触媒層が形成されていない電解質膜上の撥水性材料層厚が30020〜30100nmになるように留意した。
次に上記スクリーン印刷用マスクと同一パターンのマスクを用意し、上記で得られる電解質膜の撥水性材料層上に水銀灯(主波長365nm,30mW/cm2)を10分間照
射し、上記マスクのパターンと同一パターンの親水性領域を撥水性材料層上に形成した。なお、開口部のマスクパターンは、50×50mmのマスクで開口率を80%とし、パターン幅2.00mm、パターンピッチを2.25mmとした。この操作をもう一度繰り返して、固体電解質膜の反対側の撥水性材料層に水銀灯を照射した。
射し、上記マスクのパターンと同一パターンの親水性領域を撥水性材料層上に形成した。なお、開口部のマスクパターンは、50×50mmのマスクで開口率を80%とし、パターン幅2.00mm、パターンピッチを2.25mmとした。この操作をもう一度繰り返して、固体電解質膜の反対側の撥水性材料層に水銀灯を照射した。
上記のようにして、本発明の触媒層付き固体電解質膜を製造した。アノード触媒層上及びカソード触媒層上には、400個の同一形状の透過層(親水性領域のみ)が縦方向及び横方向にそれぞれ一定の間隔(0.26mm)で形成されていた。アノード触媒層又はカソード触媒層が形成されていない固体電解質膜上の透過層は、親水性領域がなく、撥水性領域のみであった。
燃料電池セルの作成
上記で製造した触媒層付き固体電解質膜の両面に、ガス拡散電極としてカーボンペーパー(TGP−H−090、東レ(株)製、厚さ275μm)を配置し、サンドイッチした後、熱プレスにて触媒層付固体電解質膜とカーボンペーパーとを接合することで燃料電池セルを作成した。
上記で製造した触媒層付き固体電解質膜の両面に、ガス拡散電極としてカーボンペーパー(TGP−H−090、東レ(株)製、厚さ275μm)を配置し、サンドイッチした後、熱プレスにて触媒層付固体電解質膜とカーボンペーパーとを接合することで燃料電池セルを作成した。
比較例1
透過層を形成しない以外は実施例1と同様にして燃料電池セルを製造した。
透過層を形成しない以外は実施例1と同様にして燃料電池セルを製造した。
試験例1
実施例1、実施例2又は比較例1で作成した燃料電池セルを挟み込むように、燃料供給用の流路を形成したセパレータを配置し、絶縁層を介してボルトで締め付けて評価用のスタックを作成した。次に、アノードに水素ガス、カソードに空気を供給し、初期特性を評価すると共に、1000時間の連続運転を行い、その後の電池特性と比較した。
実施例1、実施例2又は比較例1で作成した燃料電池セルを挟み込むように、燃料供給用の流路を形成したセパレータを配置し、絶縁層を介してボルトで締め付けて評価用のスタックを作成した。次に、アノードに水素ガス、カソードに空気を供給し、初期特性を評価すると共に、1000時間の連続運転を行い、その後の電池特性と比較した。
その結果、実施例1及び実施例2で作成した燃料電池セルは、1000時間運転後の電池性能の低下が殆どなく、比較例1で作成した燃料電池セルに比べ良好な結果を示した。
1 … 固体電解質膜
2 … 白金含有触媒層(アノード)
3 … 白金含有触媒層(カソード)
4 … ガス及び液体の透過層
4’… 撥水性材料層
a … 親水性領域 b … 撥水性領域
4a… 親水性領域を有するガス及び液体の透過層
4b… 撥水性領域を有するガス及び液体の透過層
5 … フォトマスク
6 … 光を透過する部分
7 … 光を透過しない部分
6’… 光を透過する層
7’… 光遮断層
8 … 光
9 … 電解質膜
10… ガス拡散電極
2 … 白金含有触媒層(アノード)
3 … 白金含有触媒層(カソード)
4 … ガス及び液体の透過層
4’… 撥水性材料層
a … 親水性領域 b … 撥水性領域
4a… 親水性領域を有するガス及び液体の透過層
4b… 撥水性領域を有するガス及び液体の透過層
5 … フォトマスク
6 … 光を透過する部分
7 … 光を透過しない部分
6’… 光を透過する層
7’… 光遮断層
8 … 光
9 … 電解質膜
10… ガス拡散電極
Claims (5)
- 固体電解質膜の一方面上又は両面上に白金含有触媒層が形成され、更に該白金含有触媒層上にガス及び液体の透過層が形成された電解質膜であって、
前記透過層は、1個の親水性領域と、撥水性領域とを有し、且つ、前記透過層は、エネルギー照射により濡れ性が撥水性から親水性に変化する材料を含有している、
触媒層付き固体電解質膜。 - 前記透過層は、光触媒及びエネルギー照射により濡れ性が撥水性から親水性に変化する材料を含有し、且つ、前記エネルギー照射により濡れ性が撥水性から親水性に変化する材料は、オルガノポリシロキサンである請求項1に記載の電解質膜。
- 前記オルガノポリシロキサンが、フルオロアルキル基を含有するポリシロキサンである請求項2に記載の電解質膜。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の電解質膜を用いて製造される電極−電解質膜接合体。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の電解質膜を含む燃料電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009215593A JP2009295596A (ja) | 2009-09-17 | 2009-09-17 | 固体電解質膜及び燃料電池 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008270015A (ja) * | 2007-04-23 | 2008-11-06 | Toyota Motor Corp | 膜電極接合体の製造方法 |
-
2009
- 2009-09-17 JP JP2009215593A patent/JP2009295596A/ja not_active Withdrawn
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