JP5446782B2 - インプリント用基板およびインプリント転写方法 - Google Patents

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本発明は、被加工物に所望のパターンを転写形成するインプリント転写方法と、それに使用するインプリント用基板に関する。
微細加工技術として、近年インプリント転写に注目が集まっている。インプリント転写は、基材の表面に微細な凹凸構造を形成した型部材を用い、凹凸構造を被加工物に転写することで微細構造を等倍転写するパターン形成技術である(特許文献1)。
上記のインプリント転写の一つの方法として、光インプリント法が知られている。この光インプリント法では、例えば、インプリント用基板に被加工物として光硬化性の樹脂層を形成し、この樹脂層に所望の凹凸構造を有するモールド(型部材)を押し当てる。そして、この状態でモールド側から樹脂層に紫外線を照射して硬化させ、その後、モールドを樹脂層から引き離す。これにより、モールドが有する凹凸が反転した凹凸構造を被加工物である樹脂層に形成することができる(特許文献2)。このような光インプリント法は、従来のフォトリソグラフィ技術では形成が困難なナノメートルオーダーの微細パターンの形成が可能であり、次世代リソグラフィ技術として有望視されている。
この光インプリント法では、モールドを樹脂層から引き離す際に、硬化した樹脂層がモールドに付着するのを防止する必要がある。この付着防止の方法として、モールド表面へ離型処理を施す方法(特許文献3)、あるいは、インプリント用基板と硬化した樹脂層との密着性を向上させる方法(特許文献4)が提案されている。また、モールドやインプリント用基板の水の接触角と、モールドのパターン(凹部)内部への樹脂の充填性との関係も検討されており、パターン(凹部)内部への樹脂の充填を行うには、モールドとインプリント用基板の水の接触角が互いに適正な値となるよう考慮しなければならないことが知られている(非特許文献1)。
米国特許第5,772,905号 特表2002−539604号公報 特許第4154595号公報 特開2004−71934号公報
D.Morihara, H.Hiroshima, Y. Hirai., Microelectronic Engineering, Volume 86, Issue 4-6 (April 2009), 684-687
一般に樹脂に対するモールドやインプリント用基板の離型性や密着性の指標には、モールドやインプリント用基板の水の接触角が用いられており、接触角が大きいほど離型性が向上し、接触角が小さいほど密着性が向上する。したがって、硬化した樹脂がモールドへ付着しないようにするためには、モールドの接触角θTとインプリント用基板の接触角θSとの間にθS<θTなる関係が成立する必要がある。そして、この関係を満足するように、モールド表面へ離型剤を塗布するような離型処理を施すことにより、硬化した樹脂層がモールドに付着することが防止される。しかし、モールドを繰り返し使用する場合(例えば、ステップアンドリピート方式を採用する場合)、モールドの離型性が低下してしまう場合があり、その際にはθS<θTという関係が崩れる場合が生じる。これにより、硬化した樹脂の一部がモールドに付着してしまい、安定したインプリント転写が行えないという問題があった。
一方、樹脂層にモールドを押し当てたときに、モールドのパターン(凹部)内部に樹脂が充填されるためには、モールドやインプリント用基板の接触角を適正な範囲に制御する必要があり、樹脂層に対するモールドの離型性を確保する条件(上記のθS<θTなる関係)が成立しても、接触角が適正な範囲から外れる場合には、パターン内部に樹脂が充填されず欠陥を生じるという問題があった。
したがって、モールドのパターン(凹部)内部への樹脂の充填性と、硬化した樹脂層に対するモールドの離型性とを満足するようにモールドやインプリント用基板の接触角を設定する必要があるが、この設定はパターン(凹部)の幅、深さ、形状などに応じて変更が必要となる。このため、特定の材料を使用している場合には、転写が可能な条件の許容範囲が狭く、また、許容範囲に適合する材料を得られたとしても、その材料が必ずしも目的となる性能を発揮するとは限らないため、使用目的に合致する材料が場合によっては得られず、プロセスに制限が課されるという問題があった。
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたものであり、モールドのパターン内部への樹脂充填性と、樹脂層に対するモールドの離型性とに優れ、高精細なインプリント転写が安定して行えるインプリント転写方法と、このような転写方法を可能とするインプリント用基板とを提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明のインプリント用基板は、被加工物を配設しモールドを用いたインプリント転写に供し、前記モールドのパターン内部に被加工物が充填される際の濡れ性と、硬化した被加工物から前記モールドを引き離す際の濡れ性を変化させて使用することができるインプリント用基板において、基板本体と、該基板本体の一方の面に設けられた濡れ性変化層とを備え、該濡れ性変化層は、光触媒とオルガノポリシロキサンを含有する層、あるいは、光触媒含有層とオルガノポリシロキサン含有層とがこの順に前記基板本体上に積層された層であり、光を照射することにより表面の濡れ性が変化する層であるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記濡れ性変化層は、光を照射することにより水の接触角が低下する層であるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記濡れ性変化層は、前記基板本体の一方の面の所望の領域に設けられたものであるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記濡れ性変化層は少なくとも使用するモールドのパターン領域と同じか、それより大きい領域に形成されたものであるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記基板本体は、多面付けで区画されており、各面付け毎に前記濡れ性変化層を備えるような構成とした。
本発明のインプリント転写方法は、上述の本発明のインプリント用基板の前記濡れ性変化層上に被加工物を配設し、該被加工物にモールドのパターン領域を押し当て、被加工物の所定領域を硬化させ、次いで、前記濡れ性変化層に光を照射して濡れ性変化層の水の接触角を前記モールドの水の接触角よりも30°以上小さくなるように低下させ、その後、硬化した被加工物から前記モールドを引き離すような構成とした。
本発明のインプリント転写方法は、上述の本発明のインプリント用基板の前記濡れ性変化層上に被加工物を配設し、該被加工物にモールドのパターン領域を押し当て、前記濡れ性変化層に光を照射して濡れ性変化層の水の接触角を前記モールドの水の接触角よりも30°以上小さくなるように低下させ、次いで、前記モールドを介し被加工物に光を照射して被加工物の所定領域を硬化させ、その後、硬化した被加工物から前記モールドを引き離すような構成とした。
本発明のインプリント転写方法は、上述の本発明のインプリント用基板の前記濡れ性変化層上に被加工物を配設し、該被加工物にモールドのパターン領域を押し当て、前記モールドを介し被加工物および前記濡れ性変化層に光を照射して被加工物を硬化させると共に、光が照射された前記濡れ性変化層の水の接触角を前記モールドの水の接触角よりも30°以上小さくなるように低下させ、その後、硬化した被加工物から前記モールドを引き離すような構成とした。
本発明の他の態様として、被加工物を配設する前に、前記モールドのパターン内部に被加工物が充填され易いように、光を照射して前記濡れ性変化層の水の接触角を予め調整するような構成とした。
本発明のインプリント用基板では、濡れ性変化層の濡れ性を任意に変更することができるので、モールドのパターン内部に被加工物が充填され易いように、濡れ性変化層の濡れ性を調節することができ、また、インプリント転写において硬化された被加工物に対する密着性を制御することができ、これにより硬化された被加工物に対するモールドの離型性を向上させることができる。
本発明のインプリント転写方法では、モールドの離型時におけるインプリント用基板の濡れ性変化層の水の接触角を、モールドの水の接触角よりも30°以上小さくなるように低下させて制御するので、モールドのパターン内部への被加工物の充填性と、硬化した被加工物に対するモールドの離型性とを両立させることができ、これにより高精細なインプリント転写を安定して行うことができる。また、モールドの条件は常に一定にすることができるので、モールドを連続して繰り返し使用するプロセス(例えば、ステップアンドリピート方式)であっても、安定したインプリント転写が可能である。
本発明のインプリント用基板の一実施形態を示す断面図である。 本発明のインプリント用基板の他の実施形態を示す断面図である。 本発明のインプリント用基板の他の実施形態を示す断面図である。 本発明のインプリント用基板の他の実施形態を示す平面図である。 本発明のインプリント転写方法の一実施形態を示す工程図である。 本発明のインプリント転写方法の他の実施形態を示す工程図である。 本発明のインプリント転写方法の他の実施形態を示す工程図である。 本発明のインプリント転写方法の他の実施形態を示す工程図である。 本発明のインプリント転写方法で使用するモールドの他の例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
[インプリント用基板]
<第1の実施形態>
図1は、本発明のインプリント用基板の一実施形態を示す断面図である。
図1において、インプリント用基板1は、基板本体2と、この基板本体2の一方の面2aに設けられた濡れ性変化層3とを備えたものである。
インプリント用基板1を構成する基板本体2は、例えば、石英やソーダライムガラス、ホウ珪酸ガラス等のガラス、シリコンやガリウム砒素、窒化ガリウム等の半導体、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂基板、金属基板、あるいは、これらの材料の任意の組み合わせからなる複合材料基板であってよい。また、図2に示されるように、基板本体2は所望のパターン構造物5が面2a側に形成されたものであってもよい。このパターン構造物5としては、特に限定されず、半導体やディスプレイ等に用いられる微細配線や、フォトニック結晶構造、光導波路、ホログラフィのような光学的構造等が挙げられる。
また、インプリント用基板1を構成する濡れ性変化層3は、光を照射することにより水の接触角が低下する層である。このような濡れ性変化層3は、光触媒とオルガノポリシロキサンを含有する層とすることができる。尚、本発明では、水の接触角はマイクロシリンジから水滴を滴下して30秒後に接触角測定器(協和界面科学(株)製 CA−Z型)を用いて測定する。
濡れ性変化層3に使用する光触媒としては、照射された光を吸収したときに、周囲の有機物の化学構造に変化を及ぼすものであり、例えば、光半導体として知られている酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、酸化タングステン(WO3)、酸化ビスマス(Bi23)、酸化鉄(Fe23)等のような金属酸化物を挙げることができ、これらの1種、あるいは2種以上の組み合わせで使用することができる。
このような光触媒のなかで、本発明では特に酸化チタンが、バンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で毒性もなく、入手も容易であることから好適に使用することができる。酸化チタンには、アナターゼ型とルチル型があり、本発明ではいずれも使用することができるが、アナターゼ型の二酸化チタンが好ましい。このアナターゼ型の酸化チタンは励起波長が380nm以下にあり、また、粒径が小さいものの方が光触媒反応が効率的に起るので好ましく、例えば、平均粒径が50nm以下、より好ましくは20nm以下のものが好適である。このようなアナターゼ型の酸化チタンとしては、例えば、塩酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(石原産業(株)製 STS−02(平均粒径7nm))、硝酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(日産化学(株)製 TA−15(平均粒径12nm))等を挙げることができる。
また、濡れ性変化層3に使用するオルガノポリシロキサンは、光触媒により濡れ性が変化し、かつ、光触媒の作用により劣化、分解し難い主鎖を有するものであり、例えば、(1)ゾルゲル反応等によりクロロまたはアルコキシシラン等を加水分解、重縮合して大きな強度を発揮するオルガノポリシロキサン、(2)撥水性や撥油性に優れた反応性シリコーンを架橋したオルガノポリシロキサン等を挙げることができる。
上記の(1)の場合、一般式 YnSiX(4-n)
(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基まはたエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基、アセチル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)
で示される珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。尚、Yで示される基の炭素数は1〜20の範囲内であることが好ましく、また、Xで示されるアルコキシル基は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基であることが好ましい。
具体的には、メチルトリクロルシラン、メチルトリブロムシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリt−ブトキシシラン;エチルトリクロルシラン、エチルトリブロムシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリt−ブトキシシラン;n−プロピルトリクロルシラン、n−プロピルトリブロムシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリイソプロポキシシラン、n−プロピルトリt−ブトキシシラン;n−ヘキシルトリクロルシラン、n−ヘキシルトリブロムシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリイソプロポキシシラン、n−ヘキシルトリt−ブトキシシラン;n−デシルトリクロルシラン、n−デシルトリブロムシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−デシルトリイソプロポキシシラン、n−デシルトリt−ブトキシシラン;n−オクタデシルトリクロルシラン、n−オクタデシルトリブロムシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリエトキシシラン、n−オクタデシルトリイソプロポキシシラン、n−オクタデシルトリt−ブトキシシラン;フェニルトリクロルシラン、フェニルトリブロムシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリt−ブトキシシラン;テトラクロルシラン、テトラブロムシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン;ジメチルジクロルシラン、ジメチルジブロムシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン;ジフェニルジクロルシラン、ジフェニルジブロムシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン;フェニルメチルジクロルシラン、フェニルメチルジブロムシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン;トリクロルヒドロシラン、トリブロムヒドロシラン、トリメトキシヒドロシラン、トリエトキシヒドロシラン、トリイソプロポキシヒドロシラン、トリt−ブトキシヒドロシラン;ビニルトリクロルシラン、ビニルトリブロムシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリt−ブトキシシラン;トリフルオロプロピルトリクロルシラン、トリフルオロプロピルトリブロムシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−メタアクリロキシプロピルメチルジメトキシラン、γ−メタアクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−アミノプロピルメチルジメトキシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−アミノプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリt−ブトキシシラン;β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシラン;および、これらの部分加水分解物;および、これらの混合物を使用することができる。
また、特にフルオロアルキル基を含有するポリシロキサンを好ましく用いることができ、具体的には、下記のフルオロアルキルシランの1種または2種以上の加水分解縮合物、共加水分解縮合物が挙げられ、一般にフッ素系シランカップリング剤として知られたものを使用することができる。
CF3(CF23CH2CH2Si(OCH33
CF3(CF25CH2CH2Si(OCH33
CF3(CF27CH2CH2Si(OCH33
CF3(CF29CH2CH2Si(OCH33
(CF3)CF(CF24CH2CH2Si(OCH33
(CF3)CF(CF26CH2CH2Si(OCH33
(CF3)CF(CF28CH2CH2Si(OCH33
CF3(C64)C24Si(OCH33
CF3(CF23(C64)C24Si(OCH33
CF3(CF25(C64)C24Si(OCH33
CF3(CF27(C64)C24Si(OCH33
CF3(CF23CH2CH2SiCH3(OCH32
CF3(CF25CH2CH2SiCH3(OCH32
CF3(CF27CH2CH2SiCH3(OCH32
CF3(CF29CH2CH2SiCH3(OCH32
(CF3)CF(CF24CH2CH2SiCH3(OCH32
(CF3)CF(CF26CH2CH2SiCH3(OCH32
(CF3)CF(CF28CH2CH2SiCH3(OCH32
CF3(C64)C24SiCH3(OCH32
CF3(CF23(C64)C24SiCH3(OCH32
CF3(CF25(C64)C24SiCH3(OCH32
CF3(CF27(C64)C24SiCH3(OCH32
CF3(CF23CH2CH2Si(OCH2CH33
CF3(CF25CH2CH2Si(OCH2CH33
CF3(CF27CH2CH2Si(OCH2CH33
CF3(CF29CH2CH2Si(OCH2CH33;および
CF3(CF27SO2N(C25)C24CH2Si(OCH33
また、上記の(2)の反応性シリコーンとしては、下記のような一般式で表される骨格を有する化合物を挙げることができる。
Figure 0005446782
ただし、nは2以上の整数であり、R1、R2はそれぞれ炭素数1〜10の置換もしくは非置換のアルキル、アルケニル、アニールあるいはシアノアルキル基であり、モル比で全体の40%以下がビニル、フェニル、ハロゲン化フェニルである。また、R1、R2がメチル基のものが表面エネルギーが最も小さくなるので好ましく、モル比でメチル基が60%以上であることが好ましい。また、鎖末端もしくは側鎖には、分子鎖中に少なくとも1個以上の水酸基等の反応性基を有することが好ましい。
また、上記のオルガノポリシロキサンとともに、ジメチルポリシロキサンのような架橋反応を生じない安定なオルガノシリコーン化合物を混合してもよい。
また、濡れ性変化層3には、さらに界面活性剤を含有させることができる。具体的には、日光ケミカルズ(株)製 NIKKOL BL、BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素系、デュポン社製 ZONYL FSN、FSO、旭硝子(株)製 サーフロンS−141,145、大日本インキ化学工業(株)製 メガファックF−141,144、ネオス(株)製 フタージェントF−200、F−251、ダイキン工業(株)製 ユ二ダインDS−401、402、スリーエム(株)製 フロラードFC−170、176等のフッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤を挙げることができ、また、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもできる。
また、濡れ性変化層3には、上記の界面活性剤の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレート、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマー、ポリマー等を含有させることができる。
このような濡れ性変化層3は、上述した成分を必要に応じて他の添加物とともに溶剤中に分散して塗布液を調製し、この塗布液を基板本体2上に塗布することにより形成することができる。使用する溶剤としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤が好ましい。塗布はスピンコーティング法、スプレーコーティング法、ディップコーティング法、ロールコーティング法、ビードコーティング法等の公知の塗布方法により行うことができる。また、紫外線硬化型の成分を含有している場合、紫外線を照射して硬化処理を行うことにより濡れ性変化層3を形成することができる。
このような濡れ性変化層3の厚みは、例えば、0.01〜1μmの範囲で適宜設定することができ、また、濡れ性変化層3中の光触媒の含有量は、5〜60重量%、好ましくは20〜40重量%の範囲で設定することができる。濡れ性変化層3の厚みが0.01μm未満であると、膜厚が薄くなることで剥離力に対する機械的強度が低下し、例えば、モールドを被加工物から引き剥がす際に濡れ性変化層3が破損し、被加工物がモールドに付着してしまうことがあり好ましくない。一方、濡れ性変化層3の厚みが1μmを超えると、濡れ性変化層3の基板本体2に対する応力が無視できなくなり、基板本体2に意図しない反りが発生するため好ましくない。また、濡れ性変化層3中の光触媒の含有量が5重量%未満であると、濡れ性変化が不十分となったり、濡れ性変化に要する時間が長くなり、60重量%を超えると、濡れ性変化層3の機械的強度が不十分となり好ましくない。
<第2の実施形態>
また、本発明では、図3に示すように、インプリント用基板11が、基板本体12と、この基板本体12の一方の面12aに、光触媒含有層13aとオルガノポリシロキサン含有層13bとがこの順に積層されてなる濡れ性変化層13とを備えたものとすることができる。
光触媒含有層13aは、光触媒単独で形成されたものであってもよく、また、バインダーと混合して形成されたものであってもよい。
光触媒含有層13aを光触媒単独で形成する場合、例えば、光触媒が酸化チタンの場合は、基板本体12上に無定形チタニアを形成し、次いで、焼結により結晶性チタニアに相変化させる方法等が挙げられる。ここで用いる無定形チタニアとしては、例えば、四塩化チタン、硫酸チタン等のチタンの無機塩の加水分解、脱水縮合により、あるいは、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラメトキシチタン等の有機チタン化合物を酸存在下で加水分解、脱水縮合させることにより得ることができる。次いで、400〜500℃における焼成によってアナターゼ型チタニアに変性し、600〜700℃の焼成によってルチル型チタニアに変性することができる。
また、光触媒含有層13aをバインダーと混合して形成する場合、バインダーの主骨格が光触媒の作用で分解されないような高い結合エネルギーを有するものが好ましく、例えば、上述のオルガノポリシロキサン等をバインダーとして使用することができる。このようにオルガノポリシロキサンをバインダーとして用いた場合は、光触媒とバインダーであるオルガノポリシロキサンを必要に応じて他の添加物とともに溶剤中に分散して塗布液を調製し、この塗布液を基板本体12上に塗布することにより光触媒含有層13aを形成することができる。使用する溶剤としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤が好ましい。塗布はスピンコーティング法、スプレーコーティング法、ディップコーティング法、ロールコーティング法、ビードコーティング法等の公知の塗布方法により行うことができる。また、バインダーとして紫外線硬化型の成分を含有している場合、紫外線を照射して硬化処理を行うことにより光触媒含有層13aを形成することができる。
また、バインダーとして無定形シリカ前駆体を用いることができる。この無定形シリカ前駆体は、一般式SiX4で表され、Xはハロゲン、メトキシ基、エトキシ基またはアセチル基等であるケイ素化合物、それらの加水分解物であるシラノール、または平均分子量3000以下のポリシロキサンが好ましい。具体的には、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラメトキシシラン等が挙げられ、これらを単独で、あるいは2種以上混合して用いることができる。そして、バインダーとして無定形シリカ前駆体を用いる場合、無定形シリカ前駆体と光触媒の粒子とを非水性溶媒中に均一に分散させ、基板本体12上に空気中の水分により加水分解させてシラノールを形成させた後、常温で脱水縮重合することにより光触媒含有層13aを形成することができる。シラノールの脱水縮重合を100℃以上で行えば、シラノールの重合度が増し、膜表面の強度を向上できる。
光触媒含有層13aの光触媒の含有量は、5〜60重量%、好ましくは20〜40重量%の範囲で設定することができる。また、光触媒含有層13aの厚みは0.005〜10μm程度の範囲で適宜設定することができる。光触媒含有層13aの光触媒の含有量が5重量%未満であると、オルガノポリシロキサン含有層13bの濡れ性変化が不十分となったり、濡れ性変化に要する時間が長くなり、また、60重量%を超えると、光触媒含有層13aの機械的強度が不十分となり好ましくない。光触媒含有層13aの厚みが0.005μm未満であると、光触媒含有層13aの均一性の信頼が低下し、十分な機能を発揮できないおそれがあり、10μmを超えると、濡れ性変化層13の基板本体12に対する応力が無視できなくなり、基板本体12に意図しない反りが発生するため好ましくない。
また、光触媒含有層13aには、上記の光触媒、バインダーの他に、界面活性剤を含有させることができる。具体的には、日光ケミカルズ(株)製 NIKKOL BL、BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素系、デュポン社製 ZONYL FSN、FSO、旭硝子(株)製 サーフロンS−141,145、大日本インキ化学工業(株)製 メガファックF−141,144、ネオス(株)製 フタージェントF−200、F−251、ダイキン工業(株)製 ユ二ダインDS−401、402、スリーエム(株)製 フロラードFC−170、176等のフッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤を挙げることができ、また、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもできる。
また、光触媒含有層13aには、上記の界面活性剤の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレート、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマー、ポリマー等を含有させることができる。
また、濡れ性変化層13を構成するオルガノポリシロキサン含有層13bは、上述のオルガノポリシロキサンを、必要に応じてオルガノシリコーン化合物、界面活性剤、オリゴマー、ポリマー等とともに溶剤中に分散して塗布液を調製し、この塗布液を光触媒含有層13a上に塗布することにより形成することができる。このようなオルガノポリシロキサン含有層13bの厚みは、0.001〜1μm、好ましくは0.01〜0.1μmの範囲で適宜設定することができる。オルガノポリシロキサン含有層13bの厚みが0.001μm未満であると、膜厚が薄くなることで剥離力に対する機械的強度が低下するため、例えば、モールドを被加工物から引き剥がす際にオルガノポリシロキサン含有層13bが破損し、被加工物がモールドに付着してしまうおそれがあり好ましくない。一方、オルガノポリシロキサン含有層13bの厚みが1μmを超えると、基板本体12に対する応力が無視できなくなり、基板本体12に意図しない反りが発生するため好ましくない。
上述のような濡れ性変化層3,13は、基板本体2,12の所望の領域、例えば、基板本体の周辺部を除く領域、あるいは、基板本体に予め形成された特定のパターン構造物を除く領域、あるいは、後工程で所望の加工が施される部位を除く領域等に形成されたものでもよく、また、基板本体2,12の全面に形成されたものであってもよい。また、濡れ性変化層3,13は、使用するモールド(型部材)のパターン領域(凹部が形成されている領域)と同じか、それよりも大きい領域に形成されたものであってよい。また、図4に示すように、基板本体2,12が多面付けで区画(各区画の境界を鎖線で示している)されている場合には、各面付け毎に濡れ性変化層3,13を形成してもよい。
このような本発明のインプリント用基板は、濡れ性変化層の濡れ性を任意に変更することができるので、モールドのパターン内部に被加工物が充填され易いように、濡れ性変化層の濡れ性を調節することができ、また、インプリント転写において硬化された被加工物に対する密着性を制御することができ、これにより硬化された被加工物に対するモールドの離型性を向上させることができる。
[インプリント転写方法]
<第1の実施形態>
図5は、本発明のインプリント転写方法の実施形態を説明するための工程図であり、上述のインプリント用基板1(図1参照)を用いた例である。
本実施形態では、インプリント用基板1の濡れ性変化層3上に被加工物として光硬化性の樹脂層21を配設する(図5(A))。次に、樹脂層21にモールド(型部材)31のパターン領域(凹部が形成されている領域)を押し当てる(図5(B))。
次いで、モールド31側から樹脂層21に光を照射して、樹脂層21を硬化させて樹脂層21′とする(図5(C))。ここで照射する光は、光硬化性の樹脂層21の感光波長域を含む光であって、濡れ性変化層3に含有される光触媒の励起波長域から外れる光である。このような照射光としては、例えば、紫外線、VUV(真空紫外線)等を使用することができる。また、加熱をすることで樹脂層21を硬化させることも可能である。
次いで、濡れ性変化層3に光を照射し、濡れ性変化層3の水の接触角θsを低下させて、水の接触角がθ′sである濡れ性変化層3′とする(図5(D))。ここで照射する光は、濡れ性変化層3に含有される光触媒の励起波長域内の光を少なくとも含むものである。このような照射光としては、例えば、VUV(真空紫外線)、紫外線、可視光線、赤外線等を使用することができる。濡れ性変化層3への光照射は、モールド31側から行ってもよく、また、インプリント用基板1の基板本体2が照射光を透過可能である場合には、インプリント用基板1側から行ってもよい。
このように光照射で濡れ性が変化した濡れ性変化層3′の接触角θ′sは、モールド31の水の接触角θtとの間に、θt−θ′s≧30°となる関係が成立するものである。これにより、濡れ性変化層3′に対する硬化した樹脂層21′の密着性が、モールド31に対する硬化した樹脂層21′の密着性よりも大きいものとなる。濡れ性変化層3′の接触角θ′sと、モールド31の接触角θtとの間にθt−θ′s≧30°となる関係が成立しない場合、硬化した樹脂層21′の濡れ性変化層3′に対する密着性とモールド31に対する密着性との差が不十分であり、硬化した樹脂層21′からモールド31を引き離す際に、モールド31に樹脂層21′が付着するおそれがある。
次いで、硬化した樹脂層21′からモールド31を引き離すことにより、モールド31が有する凹凸パターンが反転した凹凸構造22が被加工物である樹脂層21′に転写形成される(図5(E))。
<第2の実施形態>
図6は、本発明のインプリント転写方法の他の実施形態を説明するための工程図であり、上述のインプリント用基板1(図1参照)を用いた例である。
本実施形態では、上述の実施形態と同様に、インプリント用基板1の濡れ性変化層3上に被加工物として光硬化性の樹脂層21を配設し、この樹脂層21にモールド31のパターン領域を押し当てる。次いで、濡れ性変化層3に光を照射し、濡れ性変化層3の水の接触角θsを低下させて、水の接触角がθ′sである濡れ性変化層3′とする(図6(A))。ここで照射する光は、濡れ性変化層3に含有される光触媒の励起波長域を含む光であって、光硬化性の樹脂層21の感光波長域から外れる光である。このような照射光としては、例えば、VUV(真空紫外線)、紫外線、可視光線、赤外線等を使用することができる。濡れ性変化層3への光照射は、モールド31側から行ってもよく、また、インプリント用基板1の基板本体2が照射光を透過可能である場合には、インプリント用基板1側から行ってもよい。
このように光照射で濡れ性が変化した濡れ性変化層3′の接触角θ′sは、モールド31の接触角θtとの間に、θt−θ′s≧30°となる関係が成立するものである。
次いで、モールド31側から樹脂層21に光を照射して、樹脂層21を硬化させて樹脂層21′とする(図6(B))。ここで照射する光は、光硬化性の樹脂層21の感光波長域内の光を少なくとも含むものである。このような硬化した樹脂層21′の濡れ性変化層3′に対する密着性は、上記のように、濡れ性変化層3′の接触角θ′sと、モールド31の接触角θtとの間に、θt−θ′s≧30°となる関係が成立するので、モールド31に対する硬化した樹脂層21′の密着性よりも大きいものとなる。濡れ性変化層3′の接触角θ′sと、モールド31の接触角θtとの間にθt−θ′s≧30°となる関係が成立しない場合、硬化した樹脂層21′の濡れ性変化層3′に対する密着性とモールド31に対する密着性との差が不十分であり、硬化した樹脂層21′からモールド31を引き離す際に、モールド31に樹脂層21′が付着するおそれがある。
次いで、硬化した樹脂層21′からモールド31を引き離すことにより、モールド31が有する凹凸パターンが反転した凹凸構造22が被加工物である樹脂層21′に転写形成される(図6(C))。
<第3の実施形態>
図7は、本発明のインプリント転写方法の他の実施形態を説明するための工程図であり、上述のインプリント用基板1(図1参照)を用いた例である。
本実施形態では、上述の実施形態と同様に、インプリント用基板1の濡れ性変化層3上に被加工物として光硬化性の樹脂層21を配設し、この樹脂層21にモールド31のパターン領域を押し当てる。次に、モールド31側から樹脂層21および濡れ性変化層3に光を照射する(図7(A))。これにより、樹脂層21を硬化させて樹脂層21′とする。また、これと同時に、濡れ性変化層3の水の接触角θsを低下させて、水の接触角がθ′sである濡れ性変化層3′とする。ここで照射する光は、光硬化性の樹脂層21の感光波長域と濡れ性変化層3に含有される光触媒の励起波長域とに波長が存在する光を少なくとも含むものである。このような照射光としては、例えば、VUV(真空紫外線)、紫外線、可視光線、赤外線等を使用することができる。このように光照射で濡れ性が変化した濡れ性変化層3′の水の接触角θ′sは、モールド31の水の接触角θtとの間に、θt−θ′s≧30°となる関係が成立するようにする。これにより、濡れ性変化層3′に対する硬化した樹脂層21′の密着性が、モールド31に対する硬化した樹脂層21′の密着性よりも大きいものとなる。濡れ性変化層3′の接触角θ′sと、モールド31の接触角θtとの間にθt−θ′s≧30°となる関係が成立しない場合、硬化した樹脂層21′の濡れ性変化層3′に対する密着性とモールド31に対する密着性との差が不十分であり、硬化した樹脂層21′からモールド31を引き離す際に、モールド31に樹脂層21′が付着するおそれがある。
次いで、硬化した樹脂層21′からモールド31を引き離すことにより、モールド31が有する凹凸パターンが反転した凹凸構造22が被加工物である樹脂層21′に転写形成される(図7(B))。
上述の各実施形態では、樹脂層21にモールド31を押し当てたときに、モールド31のパターン(凹部)内部に樹脂が充填され易いように、濡れ性変化層3の水の接触角θs、および、モールド31の水の接触角θtを適正な範囲に設定することができる。また、モールド31のパターン(凹部)内部への樹脂の充填性向上を目的として、モールド31の接触角θtとの関係から、濡れ性変化層3に光を照射して、接触角θsを上記の接触角θ′sより大きい範囲で若干低下させて所望の接触角θ″s(θ′s<θ″s<θs)とする調整を予め行ってもよい。
また、濡れ性変化層3の濡れ性を変化させる目的で、モールド31のパターン領域に光触媒を含有する層を形成してもよい。この場合の光触媒を含有する層は、上述の本発明のインプリント用基板の光触媒を含有する層13aと同様に形成することができる。
このような本発明のインプリント転写方法では、モールドのパターン内部への被加工物の充填性と、硬化した被加工物に対するモールドの離型性とを両立させることができ、これにより高精細なインプリント転写を安定して行うことができる。
また、本発明のインプリント転写方法では、モールドの条件は常に一定にすることができるので、モールドを連続して繰り返し使用するプロセス(例えば、ステップアンドリピート方式)であっても、安定したインプリント転写が可能である。これについて、図8を参照して説明する。ここでは、多面付けのインプリント用基板1の所望の面付けの濡れ性変化層3上に被加工物として光硬化性の樹脂層21を配設し、この樹脂層21にモールド31のパターン領域を押し当てる(図8(A))。図示例では、多面付けの各面付けの境界を鎖線で示している。次に、この1面付けの範囲内において、光を照射して、樹脂層21を硬化させて樹脂層21′とし、また、濡れ性変化層3の水の接触角θsを低下させて、水の接触角がθ′sである濡れ性変化層3′とし、モールド31の水の接触角θtとの間に、θt−θ′s≧30°の関係を成立させる(図8(B))。尚、この光照射は、上述の図5〜図7のいずれの態様であってもよい。
その後、硬化した樹脂層21′からモールド31を引き離し、モールド31が有する凹凸パターンが反転した凹凸構造22を樹脂層21′に転写形成し、次いで、次の面付けに樹脂層21を配設し、この樹脂層21にモールド31を押し当て、同様の操作を繰り返すことができる。このように、ステップアンドリピート方式を採用する場合、本発明では、繰り返し転写を行うことでモールド表面の状態が変化したとしても、モールドの離型処理をその都度やり直す必要はなく、インプリント用基板の濡れ性を面付け毎に調整するだけで安定したインプリント転写が可能である。尚、上記のようなステップアンドリピート方式でのインプリント転写では、全ての面付けに予め樹脂層21を配設しておいてもよい。
本発明のインプリント転写方法で使用するモールドは、図示例のような形状に限定されるものではなく、例えば、図9に示されるようなメサ構造を有するモールド32であってもよい。
上述の実施形態は例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
次に、より具体的な実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。
[実施例1]
<インプリント用基板の作製>
基板本体として、厚み625μmの石英ウエハを150mmφの寸法としたものを準備した。
一方、JSR(株)製 グラスカHPC7002を30g、JSR(株)製 グラスカHPC402H(アルキルアルコキシシラン)を10g混合し、この塗布液を上記の基板本体の一方の面にスピンコーティング法で塗布し、乾燥(150℃、10分間)して、厚さ2μmの塗布層を形成した。次に、JSR(株)製 グラスカHPC7002を15g、JSR(株)製 グラスカHPC402H(アルキルアルコキシシラン)を5g、チタニアゾル(日産化学(株)製 TA−15(平均粒径12nm))を混合し、この塗布液を上記の塗布層上にスピンコーティング法で塗布した。これを乾燥(150℃、10分間)することにより、加水分解、重縮合反応を進行させ、光触媒とオルガノポリシロキサンを含有する濡れ性変化層(厚み3μm)を形成し、インプリント用基板とした。
このように作製したインプリント用基板の濡れ性変化層の水の接触角θsは63°であった。尚、水の接触角はマイクロシリンジから水滴を滴下して30秒後に接触角測定器(協和界面科学(株)製 CA−Z型)を用いて測定した。
<モールドの作製>
厚み6.35mmの石英ガラスを用いてモールドを作製した。このモールドは、大きさが25mm×25mmであり、深さ100nm、ライン/スペースが50nm/50nmの凹凸パターンを備えるものであった。また、このモールドの水の接触角θtを上記と同様に測定したところ、78°であった。
<インプリント転写>
上記にように作製したインプリント用基板の表面(濡れ性変化層を形成した面)に容量が0.01μLとなるように光硬化性樹脂層(東洋合成工業(株)製 PAK−01)を5×5箇所(計25箇所)、5mmピッチで配設して被加工物とし、基板本体側が当接するようにインプリント装置の基板ステージに載置した。
次いで、光硬化性樹脂層に上記のモールドを押し込み、この状態でインプリント装置の照明光学系から平行光(ピーク波長が365nmの紫外線)を100mJ/cm2照射した。これにより、光硬化性樹脂層を硬化させた。
次に、インプリント装置の照明光学系から平行光(ピーク波長が172nmの真空紫外線)を130mJ/cm2照射した。これにより、インプリント用基板の濡れ性変化層の水の接触角は63°(θs)から8°(θ′s)へ低下し、上記のモールドの水の接触角θt(78°)よりも30°以上小さい値となった。
その後、硬化した樹脂層からモールドを引き離した。そして、形成されたパターンについて、欠陥率を下記のように測定した。その結果、欠陥率は0.08であり、良好なインプリント転写が行われたことが確認された。
(欠陥率の測定)
光学顕微鏡でパターン領域内を5箇所観察し、一つの観察箇所(1.0mm×1.0mm)内で、樹脂層の剥がれや、パターン欠損が確認できた面積の割合を測定した。したがって、この欠陥率が大きい程、欠陥が多いことを意味し、本発明では、欠陥率が0.1未満を実用レベルと判定する。
[実施例2]
<インプリント用基板の作製>
実施例1と同様にして、インプリント用基板を作製した。
<モールドの作製>
実施例1と同様にして、モールドを作製した。
<インプリント転写>
インプリント用基板の表面(濡れ性変化層を形成した面)に容量が0.01μLとなるように光硬化性樹脂層(東洋合成工業(株)製 PAK−01)を5×5箇所(計25箇所)、5mmピッチで配設して被加工物とし、基板本体側が当接するようにインプリント装置の基板ステージに載置した。
次いで、光硬化性樹脂層にモールドを押し込んだ状態でインプリント装置の照明光学系から平行光(ピーク波長が172nmの真空紫外線)を130mJ/cm2照射した。これにより、インプリント用基板の濡れ性変化層の水の接触角は63°(θs)から8°(θ′s)へ低下し、上記のモールドの水の接触角θt(78°)よりも30°以上小さい値となった。
次に、インプリント装置の照明光学系から平行光(ピーク波長が365nmの紫外線)を100mJ/cm2照射した。これにより、光硬化性樹脂層を硬化させた。
その後、硬化した樹脂層からモールドを引き離した。そして、形成されたパターンについて、実施例1と同様に欠陥率を測定した結果、欠陥率は0.04であり、良好なインプリント転写が行われたことが確認された。
[実施例3]
<インプリント用基板の作製>
実施例1と同様にして、インプリント用基板を作製した。
<モールドの作製>
実施例1と同様にして、モールドを作製した。
<インプリント転写>
インプリント用基板の表面(濡れ性変化層を形成した面)に容量が0.01μLとなるように光硬化性樹脂層(東洋合成工業(株)製 PAK−01)を5×5箇所(計25箇所)、5mmピッチで配設して被加工物とし、基板本体側が当接するようにインプリント装置の基板ステージに載置した。
次いで、光硬化性樹脂層にモールドを押し込み、この状態でインプリント装置の照明光学系から平行光(ピーク波長が172nmと365nmとにある紫外線)を100mJ/cm2照射した。このとき照度を計測したのは波長365nmであり、波長172nmの照度は波長365nmより1.3倍大きいことを確認してある。これにより、光硬化性樹脂層が硬化されるとともに、インプリント用基板の濡れ性変化層の水の接触角は63°(θs)から8°(θ′s)へ低下し、上記のモールドの水の接触角θt(78°)よりも30°以上小さい値となった。
その後、硬化した樹脂層からモールドを引き離した。そして、形成されたパターンについて、実施例1と同様に欠陥率を測定した結果、欠陥率は0.09であり、良好なインプリント転写が行われたことが確認された。
[比較例1]
インプリント用基板の濡れ性変化層の濡れ性を変化させることなく、硬化した樹脂層からモールドを引き離した他は、実施例1と同様にしてインプリント転写を行った。
このインプリント転写では、モールドへの樹脂層の付着が大となり、形成されたパターンについて、実施例1と同様に欠陥率を測定した結果、欠陥率は0.54であり、実用レベルを満足していないことが確認された。
[比較例2]
インプリント用基板の濡れ性変化層の濡れ性変化において、平行光の照射量を60mJ/cm2とし、インプリント用基板の濡れ性変化層の水の接触角を63°(θs)から52°(θ′s)までの低下とし、モールドの水の接触角θt(78°)との差が26°となるようにした他は、実施例1と同様にしてインプリント転写を行った。
そして、形成されたパターンについて、実施例1と同様に欠陥率を測定した。その結果、欠陥率は0.21であり、比較例1に比べて欠陥率は低いものの、実用レベルを満足するものではなかった。
[実施例4]
<インプリント用基板の作製>
基板本体として、厚み625μmの石英ウエハを150mmφの寸法としたものを準備した。
一方、実施例1と同様にして濡れ性変化層を形成した後、VUV(波長172nm)を60mJ/cm2照射して、インプリント用基板とした。
このように作製したインプリント用基板の濡れ性変化層の水の接触角θsは50°であった。
<モールドの作製>
実施例1と同様にして、モールドを作製した。
<インプリント転写>
上記にように作製したインプリント用基板の表面(濡れ性変化層を形成した面)に容量が0.01μLとなるように光硬化性樹脂層(東洋合成工業(株)製 PAK−01)を5×5箇所(計25箇所)、5mmピッチで配設して被加工物とし、基板本体側が当接するようにインプリント装置の基板ステージに載置した。
次いで、光硬化性樹脂層に上記のモールドを押し込んだ状態でインプリント装置の照明光学系から平行光(ピーク波長が365nmの紫外線)を100mJ/cm2照射した。これにより、光硬化性樹脂層を硬化させた。
次に、インプリント装置の照明光学系から平行光(ピーク波長が172nmの真空紫外線)を30mJ/cm2間照射した。これにより、インプリント用基板の濡れ性変化層の水の接触角は50°(θs)から30°(θ′s)へ低下し、上記のモールドの水の接触角θt(78°)よりも30°以上小さい値となった。
その後、硬化した樹脂層からモールドを引き離した。そして、形成されたパターンについて、実施例1と同様に欠陥率を測定した結果、欠陥率は0.09であり、良好なインプリント転写が行われたことが確認された。
[比較例3]
<インプリント用基板の作製>
基板本体として、厚み625μmの石英ウエハを150mmφの寸法としたものを準備した。
次に、シランカップリング剤(信越化学工業(株)製 KBM−403)を上記の基板本体の一方の面にスピンコーティング法で塗布し、乾燥(120℃、60分間)して塗布層を形成し、インプリント用基板とした。
このように作製したインプリント用基板の塗布層表面の水の接触角θsは3°であった。
<モールドの作製>
実施例1と同様にして、モールドを作製した。このモールドの水の接触角θtは、実施例1と同様、78°であり、濡れ性変化層の水の接触角θsよりも30°以上大きい値であった。
<インプリント転写>
インプリント用基板は濡れ性変化層を有していないため、濡れ性を変化させることができないものであった。よって、濡れ性を変化させることを行わない他は、実施例1と同様にしてインプリント転写を行った。
そして、形成されたパターンについて、実施例1と同様に欠陥率を測定した。その結果、離型時の樹脂層の剥がれに起因する欠陥が多くみられた。また、モールドのパターンへの樹脂の充填不良に起因するパターン欠損も存在しており、欠陥率は0.53であり、実用レベルを満足していないことが確認された。
[比較例4]
<インプリント用基板の作製>
実施例1と同様にして、インプリント用基板を作製した。
<モールドの作製>
実施例1と同様にしてモールドを作製し、さらに、このモールドにオプツールDSX(ダイキン工業(株)製)を用いて離型処理を施してモールドとした。このモールドの水の接触角θtを上記と同様に測定したところ、110°であった。
<インプリント転写>
インプリント用基板の濡れ性変化層の濡れ性変化において、平行光の照射量を60mJ/cm2とし、インプリント用基板の濡れ性変化層の水の接触角を63°(θs)から52°(θ′s)まで低下させ、モールドの水の接触角θt(110°)よりも30°以上小さい値とした他は、実施例1と同様にしてインプリント転写を行った。
そして、形成されたパターンについて、実施例1と同様に欠陥率を測定した。その結果、モールドのパターンへの樹脂の充填不良に起因するパターン欠損がおおくみられ、欠陥率は0.19であり、実用レベルを満足していないことが確認された。
[実施例5]
<インプリント用基板の作製>
基板本体として、厚み625μmの石英ウエハを150mmφの寸法としたものを準備した。
一方、イソプロピルアルコールを30g、トーケムプロダクツ(株)製 MF−160E(フルオロアルキルシランが主成分)を0.4g、東芝シリコーン(株)製 TSL8113(トリメトキシメチルシラン)を3g、石原産業(株)製 ST−K01(光触媒である二酸化チタン水分散体)を20g混合し、100℃で20分間攪拌した。これをイソプロピルアルコールにより3倍に希釈し、この塗布液を上記の基板本体の一方の面にスピンコーティング法で塗布し、乾燥(150℃、30分間)して、厚さ0.2μmの触媒含有層を形成した。
次に、シリコーンコーティング剤(東芝シリコーン(株)製 YSR3022(組成:ポリアルキルシロキサンおよびポリアルキル水素シロキサン 30重量%; メチルエチルケトン 10重量%; トルエン 60重量%))を100重量部、触媒(東芝シリコーン(株)製 YC6831(組成:有機スズ化合物 40重量%; トルエン 60重量%))を4重量部、トルエンを400重量部含有する濡れ性変化層用の塗布液を調製し、上記の触媒含有層上にスピンコーティング法で塗布し、乾燥(100℃、10分間)して、厚さ3μmのオルガノポリシロキサン含有層を積層して濡れ性変化層を形成し、インプリント用基板とした。
このように作製したインプリント用基板の濡れ性変化層の水の接触角θsは99°であった。
<モールドの作製>
実施例1と同様にしてモールドを作製し、さらに、このモールドにオプツール(ダイキン工業(株)製)を用いて離型処理を施してモールドとした。このモールドの水の接触角θtを上記と同様に測定したところ、117°であった。
<インプリント転写>
上記にように作製したインプリント用基板の表面(濡れ性変化層を形成した面)に容量が0.01μLとなるように光硬化性樹脂層(東洋合成工業(株)製 PAK−01)を5×5箇所(計25箇所)、5mmピッチで配設して被加工物とし、基板本体側が当接するようにインプリント装置の基板ステージに載置した。
次いで、光硬化性樹脂層に上記のモールドを押し込み、この状態でインプリント装置の照明光学系から平行光(ピーク波長が365nmの紫外線)を100mJ/cm2照射した。これにより、光硬化性樹脂層を硬化させ、かつ、インプリント用基板の濡れ性変化層の水の接触角を変化させた。これにより、接触角は99°(θs)から6°(θ′s)へ低下し、上記のモールドの水の接触角θt(117°)よりも30°以上小さい値となった。
その後、硬化した樹脂層からモールドを引き離した。そして、形成されたパターンについて、実施例1と同様に欠陥率を測定した結果、欠陥率は0.02であり、良好なインプリント転写が行われたことが確認された。
ナノインプリント技術を用いた微細加工に利用可能である。
1,11…インプリント用基板
2,12…基板本体
3,13…濡れ性変化層
3′,13′…濡れ性は変化した濡れ性変化層
13a…触媒含有層
13b…オルガノポリシロキサン含有層
21…被加工物
21′…硬化した被加工物
31,32…モールド

Claims (9)

  1. 被加工物を配設しモールドを用いたインプリント転写に供し、前記モールドのパターン内部に被加工物が充填される際の濡れ性と、硬化した被加工物から前記モールドを引き離す際の濡れ性を変化させて使用することができるインプリント用基板において、
    基板本体と、該基板本体の一方の面に設けられた濡れ性変化層とを備え、該濡れ性変化層は、光触媒とオルガノポリシロキサンを含有する層、あるいは、光触媒含有層とオルガノポリシロキサン含有層とがこの順に前記基板本体上に積層された層であり、光を照射することにより表面の濡れ性が変化する層であることを特徴とするインプリント用基板。
  2. 前記濡れ性変化層は、光を照射することにより水の接触角が低下する層であることを特徴とする請求項1に記載のインプリント用基板。
  3. 前記濡れ性変化層は、前記基板本体の一方の面の所望の領域に設けられたものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインプリント用基板。
  4. 前記濡れ性変化層は少なくとも使用するモールドのパターン領域と同じか、それより大きい領域に形成されたものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインプリント用基板。
  5. 前記基板本体は、多面付けで区画されており、各面付け毎に前記濡れ性変化層を備えることを特徴とする請求項4に記載のインプリント用基板。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のインプリント用基板の前記濡れ性変化層上に被加工物を配設し、該被加工物にモールドのパターン領域を押し当て、被加工物の所定領域を硬化させ、次いで、前記濡れ性変化層に光を照射して濡れ性変化層の水の接触角を前記モールドの水の接触角よりも30°以上小さくなるように低下させ、その後、硬化した被加工物から前記モールドを引き離すことを特徴とするインプリント転写方法。
  7. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のインプリント用基板の前記濡れ性変化層上に被加工物を配設し、該被加工物にモールドのパターン領域を押し当て、前記濡れ性変化層に光を照射して濡れ性変化層の水の接触角を前記モールドの水の接触角よりも30°以上小さくなるように低下させ、次いで、前記モールドを介し被加工物に光を照射して被加工物の所定領域を硬化させ、その後、硬化した被加工物から前記モールドを引き離すことを特徴とするインプリント転写方法。
  8. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のインプリント用基板の前記濡れ性変化層上に被加工物を配設し、該被加工物にモールドのパターン領域を押し当て、前記モールドを介し被加工物および前記濡れ性変化層に光を照射して被加工物を硬化させると共に、光が照射された前記濡れ性変化層の水の接触角を前記モールドの水の接触角よりも30°以上小さくなるように低下させ、その後、硬化した被加工物から前記モールドを引き離すことを特徴とするインプリント転写方法。
  9. 被加工物を配設する前に、前記モールドのパターン内部に被加工物が充填され易いように、光を照射して前記濡れ性変化層の水の接触角を予め調整することを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれかに記載のインプリント転写方法。
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