JP2001109103A - 複合材およびそれを用いたパターン形成体 - Google Patents

複合材およびそれを用いたパターン形成体

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JP2001109103A
JP2001109103A JP28152199A JP28152199A JP2001109103A JP 2001109103 A JP2001109103 A JP 2001109103A JP 28152199 A JP28152199 A JP 28152199A JP 28152199 A JP28152199 A JP 28152199A JP 2001109103 A JP2001109103 A JP 2001109103A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パターン形成体を形成するに当たり、エネル
ギー照射後の現像・洗浄等の後工程が特に必要なく、か
つ高精細なパターンを形成することが可能な複合材およ
びこの複合材を用いて形成されるパターン形成体を提供
することを主目的とするものである。 【解決手段】 本発明は、基材と、この基材の少なくと
も一方の表面に形成され、少なくともフッ素および光触
媒を含む光触媒含有層とからなる複合材であって、上記
光触媒含有層に対しエネルギーを照射した際に、上記光
触媒の作用により上記光触媒含有層表面のフッ素含有量
がエネルギー照射前に比較して低下するように上記光触
媒含有層が形成されていることを特徴とする複合材を提
供することにより上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エネルギーを照射
することにより表面のフッ素含有量を変化させ、表面に
おけるフッ素含有量の異なるパターン形成体を得ること
ができる複合材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、基材上に図案、画像、文字、
回路等の各種パターンを形成するパターン形成体の製造
方法としては、各種のものが製造されている。
【0003】例えば、印刷を例に挙げて説明すると、印
刷方法の一種である平版印刷に使用する平版印刷版は、
インクを受容する親油性部位と、印刷インクを受容しな
い部位とからなるパターンを有する平版を製造し、この
平版を用いて親油性部位に印刷すべきインクの画像を形
成し、形成した画像を紙等に転写して印刷している。こ
うした印刷では、このように印刷版原版に、文字、図形
等のパターンを形成してパターン形成体である印刷版を
製造し、印刷機に装着して使用している。代表的な平版
印刷版であるオフセット印刷用の印刷版原版には、数多
くのものが提案されている。
【0004】オフセット印刷用の印刷版は、印刷版原版
にパターンを描いたマスクを介して露光して現像する方
法、あるいは電子写真方式によって直接に露光して印刷
版原版上に直接に製版する方法等によって作製すること
ができる。電子写真式のオフセット印刷版原版は、導電
性基材上に酸化亜鉛等の光導電性粒子および結着樹脂を
主成分とした光導電層を設け、これを感光体として電子
写真方式によって露光し、感光体表面に親油性の高い画
像を形成させ、続いて不感脂化液で処理し非画像部分を
親水化することによってオフセット原版、すなわちパタ
ーン形成体を得る方法によって作製されている。親水性
部分は水等によって浸漬して疎油性とされ、親油性の画
像部分に印刷インクが受容されて紙等に転写される。し
かしながら、パターン形成に当たっては不感脂化液での
処理等の種々の露光後の処理が必要となる。
【0005】また、レーザーの照射によって、インクに
対して受容性の高い部位と撥インク性の部位からなるパ
ターンを形成することが可能なヒートモード記録材料を
用いた平版印刷原版を作製する方法も提案されている。
ヒートモード記録材料は、現像等の工程が不要で、単に
レーザー光によって画像を形成するのみで印刷版を製造
することができるという特徴を有しているが、レーザー
の強度の調整、レーザーにより変質した固体状物質など
残留物等の処理の問題、耐刷性などに課題があった。
【0006】また、高精細なパターンを形成する方法と
して、基材上に塗布したフォトレジスト層にパターン露
光を行い、露光後、フォトレジストを現像し、さらにエ
ッチングを行ったり、フォトレジストに機能性を有する
物質を用いて、フォトレジストの露光によって目的とす
るパターンを直接形成する等のフォトリソグラフィーに
よるパターン形成体の製造方法が知られている。
【0007】フォトリソグラフィーによる高精細パター
ンの形成は、液晶表示装置等に用いられるカラーフィル
タの着色パターンの形成、マイクロレンズの形成、精細
な電気回路基板の製造、パターンの露光に使用するクロ
ムマスクの製造等に用いられているが、これらの方法に
よっては、フォトレジストを用いると共に、露光後に液
体現像液によって現像を行ったり、エッチングを行う必
要があるので、廃液を処理する必要が生じる等の問題点
があり、またフォトレジストとして機能性の物質を用い
た場合には、現像の際に使用されるアルカリ液等によっ
て劣化する等の問題点もあった。
【0008】カラーフィルタ等の高精細なパターンを印
刷等によって形成することも行われているが、印刷で形
成されるパターンには、位置精度等の問題があり、高精
度なパターンの形成は困難であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたものであり、パターン形成体を形成す
るに当たり、エネルギー照射後の現像・洗浄等の後工程
が特に必要なく、かつ高精細なパターンを形成すること
が可能な複合材およびこの複合材を用いて形成されたパ
ターン形成体を提供することを主目的とするものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は請求項1において、基材と、この基材の少
なくとも一方の表面に形成され、少なくともフッ素およ
び光触媒を含む光触媒含有層とからなる複合材であっ
て、上記光触媒含有層に対しエネルギーを照射した際
に、上記光触媒の作用により上記光触媒含有層表面のフ
ッ素含有量がエネルギー照射前に比較して低下するよう
に上記光触媒含有層が形成されていることを特徴とする
複合材を提供する。
【0011】このように、本発明の複合材は、基材表面
に形成された光触媒含有層上のエネルギー照射部分のフ
ッ素含有量が低下するように構成されているので、エネ
ルギーをパターン照射することにより、フッ素含有量の
低下した部分からなるパターンを形成することができ
る。フッ素含有量が低下するとその部分は、他の部分と
比較して親油性の高い領域となるので、この部分にイン
ク等を付着させることにより、容易にカラーフィルタ等
の機能性素子を形成することができる。
【0012】上記請求項1に記載された複合材において
は、請求項2に記載するように、上記光触媒含有層のフ
ッ素含有量を、エネルギー照射前を100とした場合
に、エネルギー照射により10以下まで低下させること
ができる光触媒含有層を有することを特徴とする複合材
であることが好ましい。
【0013】このように、重量を基準として10以下ま
でフッ素含有量を低下させることができる光触媒含有層
であれば、エネルギーを照射した際に、エネルギー照射
部分と未照射部分とのフッ素含有量に大きな差異を生じ
させることができる。したがって、エネルギー照射部分
と未照射部分との親油性に大きな違いを生じさせること
ができるので、このような複合材にエネルギーをパター
ン照射してフッ素含有量の相違に基づくパターン形成体
を形成し、そこにインク等を塗布した際に、フッ素含有
量が低下した親油性の部位のみに正確にインク等を塗布
することが可能となり、精度良くカラーフィルタ等の機
能性素子を得ることができる。
【0014】上記請求項1または請求項2に記載した本
発明の複合材においては、請求項3に記載するように、
光触媒含有層に含有される光触媒が、二酸化チタン(T
iO 2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、
チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、酸化タング
ステン(WO3)、酸化ビスマス(Bi23)、および
酸化鉄(Fe23)から選択される1種または2種以上
の物質であることが好ましい。中でも請求項4に記載す
るように二酸化チタン(TiO2)であることが好まし
い。これは、二酸化チタンのバンドギャップエネルギー
が高いため光触媒として有効であり、かつ化学的にも安
定で毒性もなく、入手も容易だからである。
【0015】上記請求項4に記載の複合材において、請
求項5に記載するように、上記光触媒含有層表面のフッ
素の含有量を、X線光電子分光法で分析して定量化する
と、チタン(Ti)元素を100とした場合に、フッ素
(F)元素が500以上となる比率でフッ素(F)元素
が光触媒含有層表面に含まれている光触媒含有層を有す
ることが好ましい。この程度の量のフッ素(F)元素が
含まれていれば、エネルギー未照射部分の撥油性が十分
であり、エネルギーを照射してフッ素(F)元素含有量
が低下した部分のパターンを形成し、ここにインク等を
塗布する場合に、インク等のはみ出しがなく、より正確
にインク等の塗布を行うことができるからである。
【0016】さらに、上記請求項3から請求項5までの
いずれかの請求項に記載の複合材において、請求項6に
記載するように、上記光触媒含有層が、少なくとも上記
光触媒とバインダとを含み、上記バインダがフルオロア
ルキル基を有するオルガノポリシロキサンであることが
好ましい。
【0017】本発明の複合材において、光触媒含有層中
にフッ素元素を含有させる方法には種々の方法を挙げる
ことができるが、特に光触媒含有層を少なくとも光触媒
およびバインダを含有する層とし、このバインダとして
フルオロアルキル基を有するオルガノポリシロキサンと
することにより、容易に光触媒含有層中にフッ素元素を
含有させることができ、かつエネルギーの照射により、
その含有量を容易に低下させることができるからであ
る。
【0018】上記請求項6に記載した複合材において
は、請求項7に記載するように、上記オルガノポリシロ
キサンが、YnSiX(4-n)(ここで、Yはアルキル基、
フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基
またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基またはハ
ロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)で示さ
れる珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物
もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサ
ンであることが好ましい。このようなオルガノポリシロ
キサンであれば、フルオロアルキル基を容易に導入する
ことが可能であるからである。
【0019】さらに、上記請求項6または請求項7に記
載の複合材においては、請求項8に記載するように、上
記オルガノポリシロキサンを構成する上記珪素化合物の
内、フルオロアルキル基を含む珪素化合物が0.01モ
ル%以上含まれていることが好ましい。
【0020】このように、フルオロアルキル基を含む珪
素化合物が、0.01モル%以上含まれていれば、光触
媒含有層表面に十分にフッ素元素が含有されることにな
り、エネルギーが照射されフッ素元素の含有量が低下し
た光触媒含有層上の親油性の部位と、エネルギーが未照
射の光触媒含有層表面における撥油性の部位との差異を
大きくすることができることから、インク等がエネルギ
ーが照射されていない撥油性の部位にはみ出すことなく
正確に塗布することができるからである。
【0021】また、上記請求項1から請求項8までのい
ずれかの請求項に記載の複合材においては、請求項9に
記載するように、上記光触媒含有層の表面における表面
張力40mN/mの液体との接触角が10度以上である
ことが好ましい。エネルギーの照射により、濡れ性の差
によるパターンを形成するためには、未照射部分がこの
程度の濡れ性であることが好ましいからである。
【0022】さらに、本発明においては、請求項10に
記載するように、請求項1から請求項4までのいずれか
の請求項に記載の複合材に対して、エネルギーをパター
ン照射することにより、フッ素を含有する光触媒含有層
中にフッ素含有量が低い部位のパターンが形成されてい
ることを特徴とするパターン形成体を提供することによ
り上記目的を達成するものである。
【0023】このように、フッ素含有量の多少によりパ
ターンを形成したパターン形成体は、その表面に撥油性
を有する光触媒含有層中に親油性を有する部分からなる
パターンを形成することが可能であるので、親油性を有
する部分に油性のインク等を付着させることにより、こ
のパターン形成体上に形成されたパターンに沿ってイン
ク等を正確に付着させることが可能となり、これにより
精度の高いカラーフィルタ等の機能性素子を得ることが
できる。
【0024】上記請求項10に記載のパターン形成体に
おいては、請求項11に記載するように、上記光触媒含
有層上へのエネルギー照射により形成されたフッ素含有
量が低い部位におけるフッ素含有量が、エネルギー照射
されていない部分のフッ素含有量を100とした場合に
10以下であることが好ましい。
【0025】このように、上記光触媒含有層上へのエネ
ルギー照射により形成されたフッ素含有量が低い部位に
おけるフッ素含有量が、エネルギー照射されていない部
分のフッ素含有量を100とした場合、重量基準で10
以下であると、エネルギー照射部分と未照射部分との親
油性に大きな違いを生じさせることができる。したがっ
て、このようなパターン形成体にインク等を塗布して機
能性部を形成することにより、フッ素含有量が低下した
親油性の部位のみに正確に機能性部を形成することが可
能となり、精度良く機能性素子を得ることができる。
【0026】さらに、本発明は請求項12に記載するよ
うに、上記請求項5記載の複合材に対してエネルギーを
パターン照射することにより、チタン(Ti)元素を1
00とした場合に、フッ素(F)元素が500以上とな
る比率でフッ素(F)元素が光触媒含有層表面に含まれ
ている光触媒含有層表面に、チタン(Ti)元素を10
0とした場合にフッ素(F)元素が50以下となる比率
でフッ素(F)元素が含まれている部位のパターンが形
成されていることを特徴とするパターン形成体を提供す
る。
【0027】このようなパターン形成体は、エネルギー
照射部位とエネルギー未照射部位とのフッ素含有量が大
きく異なることから、上述した理由と同じ理由により精
度の高い機能性素子を得ることができる。
【0028】また、本発明は請求項13に記載するよう
に、上記請求項9記載の複合材に対してエネルギーをパ
ターン照射することにより、表面張力40mN/mの液
体との接触角が10度以上である光触媒含有層上に、表
面張力40mN/mの液体との接触角が10度未満であ
る部位のパターンが形成されていることを特徴とするパ
ターン形成体を提供する。このようなパターン形成体
は、濡れ性に差のあるパターンが形成されているので、
より親油性の高い部位にインク等を付着させ機能性部と
することにより、容易にカラーフィルタ等の機能性素子
とすることが可能となる。
【0029】上記請求項1から請求項9までのいずれか
の請求項に記載された複合部材は、請求項14に記載さ
れるように、上記複合部材の光触媒含有層にエネルギー
を照射してパターン形成体を製造する際に、上記光触媒
含有層に照射するエネルギーが、紫外光を含む光である
ことが好ましいが、光描画照射によるパターンの形成等
を行う場合は、請求項15に記載するように、このエネ
ルギーとして光触媒反応開始エネルギーおよび反応速度
増加エネルギーを用い、上記光触媒反応開始エネルギー
を照射した部分に上記反応速度増加エネルギーを照射す
ることにより、露光部分を形成するようにしてもよい。
【0030】これは、光触媒含有層に対し、光触媒反応
開始エネルギーを加え、この光触媒反応開始エネルギー
が加えられた領域内に反応速度増加エネルギーをパター
ン状に加えることにより露光部分のパターンを形成する
ものである。すなわち、いままで発明者等によって提案
されてきた光描画照射によるパターンの形成は、上記紫
外線等の光触媒反応開始エネルギーを用いるものであっ
たため、装置が高価、取り扱いが困難、さらには連続出
力ができない等の問題を有する場合があった。しかしな
がら、この方法においては、紫外線等の光触媒反応開始
エネルギーを加え、この光触媒反応開始エネルギーが加
えられた領域に対して赤外線等の反応速度増加エネルギ
ーを用いてパターンを形成するようにしたものであるの
で、パターン形成に際して、赤外線レーザ等の比較的安
価で取り扱いが容易である反応速度増加エネルギーを用
いることができるという利点を有するのである。
【0031】本発明においては、このように光触媒反応
開始エネルギーおよび反応速度増加エネルギーの二つの
エネルギーを用いる場合は、請求項16に記載するよう
に、上記光触媒反応開始エネルギーが紫外光を含む光で
あり、上記反応速度増加エネルギーが赤外線レーザで加
えられる熱エネルギーであることが好ましい。これは、
本発明においては二酸化チタンが光触媒として好適に用
いられるのであるが、この二酸化チタンのバンドギャッ
プの関係から光触媒反応開始エネルギーとしては紫外光
が好ましいからである。また、反応速度増加エネルギー
が熱であることが好ましく、この熱エネルギーは赤外線
レーザにより加えられることが好ましい。赤外線レーザ
を用いる方法は、比較的安価でかつ取り扱いが容易であ
るからである。
【0032】本発明においては、請求項17に記載され
るように、請求項10から請求項13までのいずれかの
請求項に記載されたパターン形成体に形成されたパター
ンに対応した部位上に機能性部を形成することにより、
カラーフィルタやマイクロレンズ等の機能性素子を得る
ことができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の複合材について詳
細に説明する。本発明の複合材は、基材と、この基材の
少なくとも一方の表面に形成された光触媒含有層とから
なるものであり、光触媒含有層が少なくとも光触媒と
フッ素とを含有する点、およびこの光触媒含有層表面
のフッ素含有量が、光触媒含有層に対しエネルギーを照
射した際に、上記光触媒の作用によりエネルギー照射前
に比較して低下するように上記光触媒含有層が形成され
ている点の二つの点に大きな特徴を有する。
【0034】本発明の複合材は、このような二つの特徴
を有するものであるので、エネルギーをパターン照射す
ることにより、容易にフッ素の含有量の少ない部分から
なるパターンを形成することができる。ここで、フッ素
は極めて低い表面エネルギーを有するものであり、この
ためフッ素を多く含有する物質の表面は、臨界表面張力
がより小さくなる。したがって、フッ素の含有量の多い
部分の表面の臨界表面張力に比較してフッ素の含有量の
少ない部分の臨界表面張力は大きくなる。これはすなわ
ち、フッ素含有量の少ない部分はフッ素含有量の多い部
分に比較して親油性となっていることを意味する。よっ
て、周囲の表面に比較してフッ素含有量の少ない部分か
らなるパターンを形成することは、撥油性の領域内に親
油性のパターンを形成することとなる。
【0035】なお、本発明において、親油性とは表面張
力が50より小さい液体に対して濡れ性が良好である旨
を意味し、同様に撥油性とは表面張力が50より小さい
液体に対して濡れ性が良好でない旨を意味するものであ
る。
【0036】このように、本発明の複合材はエネルギー
をパターン照射することにより、撥油性の領域内に親油
性のパターンを形成することができるので、この親油性
の領域のみにインク等を付着させることが容易に可能と
なり、親油性部分に沿って機能性部が形成された機能性
素子、例えばカラーフィルタやマイクロレンズ等を容易
に形成することができるのである。
【0037】(光触媒含有層)まず、本発明の複合材に
用いられる光触媒含有層について説明する。本発明の複
合材に用いられる光触媒含有層の特徴は、上述したよう
に少なくとも光触媒とフッ素とを含むものであり、かつ
光触媒含有層表面にエネルギーを照射することによりフ
ッ素の含有量が低下するところにある。
【0038】ここで、本発明の複合材における光触媒含
有層内に含まれるフッ素の含有量は、エネルギー照射
前、すなわち本発明の複合材における光触媒含有層のフ
ッ素含有量を100とした場合、エネルギー照射により
10以下、好ましくは5以下、特に好ましくは1以下ま
で低下させることができるように光触媒含有層が形成さ
れていることが好ましい。ここで「低下させることがで
きる」としたのは、光触媒含有層中のフッ素含有量はエ
ネルギー照射の条件により低下幅が異なるものであり、
このエネルギー照射の時間、強度等の条件は、得られる
機能性素子(カラーフィルタ、マイクロレンズ等)によ
り適宜決定されるものである。したがって、実際に複合
材にエネルギーを照射してパターン形成体とした際のフ
ッ素含有量の低下率は機能性素子によって異なることに
なる。したがって、ここでは、複合材の光触媒含有層に
おいて含有されるフッ素の内、除去されうるフッ素を全
て除去された状態における低下率で規定したものであ
る。なお、この低下率は重量を基準としたものである。
【0039】このような光触媒含有層中のフッ素含有量
の測定は、一般的に行われている種々の方法を用いるこ
とが可能であり、例えばX線光電子分光法(X-ray Phot
oelectron Spectroscopy, ESCA(Electron Spectroscop
y for Chemical Analysis)とも称される。)、蛍光X線
分析法、質量分析法等の定量的に表面のフッ素の量を測
定できる方法であれば特に限定されるものではない。
【0040】このようなフッ素を含む光触媒含有層とし
ては、少なくともフッ素と光触媒が含まれており、エネ
ルギーの照射による光触媒の作用によりフッ素の含有量
が減少するように構成されたものであればよい。具体的
には、フッ素が光触媒により切断されるような結合によ
り固定されている場合等を挙げることができる。
【0041】この光触媒含有層における、後述するよう
な二酸化チタンに代表される光触媒によるフッ素含有量
の低下の作用機構については、必ずしも明確なものでは
ないが、光の照射によって生成したキャリアが、近傍の
化合物との直接反応、あるいは、酸素、水の存在下で生
じた活性酸素種によって、有機物等の化学構造に変化を
及ぼし、これにより低分子化したフッ素が除去されるも
のと考えられている。
【0042】(光触媒)本発明で使用する光触媒として
は、光半導体として知られる例えば二酸化チタン(Ti
2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、チ
タン酸ストロンチウム(SrTiO3)、酸化タングス
テン(WO3)、酸化ビスマス(Bi23)、および酸
化鉄(Fe23)を挙げることができ、これらから選択
して1種または2種以上を混合して用いることができ
る。
【0043】本発明においては、特に二酸化チタンが、
バンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で毒性
もなく、入手も容易であることから好適に使用される。
二酸化チタンには、アナターゼ型とルチル型があり本発
明ではいずれも使用することができるが、アナターゼ型
の二酸化チタンが好ましい。アナターゼ型二酸化チタン
は励起波長が380nm以下にある。
【0044】このようなアナターゼ型二酸化チタンとし
ては、例えば、塩酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル
(石原産業(株)製STS−02(平均粒径7nm)、
石原産業(株)製ST−K01)、硝酸解膠型のアナタ
ーゼ型チタニアゾル(日産化学(株)製TA−15(平
均粒径12nm))等を挙げることができる。
【0045】本発明においては、光触媒として上述した
ような二酸化チタンを用いることが好ましいが、このよ
うに二酸化チタンを用いた場合の、光触媒含有層中に含
まれるフッ素の含有量としては、X線光電子分光法で分
析して定量化すると、チタン(Ti)元素を100とし
た場合に、フッ素(F)元素が500以上、このましく
は800以上、特に好ましくは1200以上となる比率
でフッ素(F)元素が光触媒含有層表面に含まれている
ことが好ましい。フッ素(F)が光触媒含有層にこの程
度含まれることにより、光触媒含有層上における臨界表
面張力を十分低くすることが可能となることから表面に
おける撥油性を確保でき、これによりエネルギーをパタ
ーン照射したパターン部分における表面の親油性の程度
との差異を大きくすることができ、最終的に得られる機
能性素子の品質を向上させることができるからである。
【0046】なお、本発明における光触媒の粒径は小さ
いほど光触媒反応が効果的に起こるので好ましく、平均
粒径か50nm以下が好ましく、20nm以下の光触媒
を使用するのが特に好ましい。
【0047】本発明における光触媒含有層としては、フ
ッ素が含有されており、かつエネルギーの照射によりフ
ッ素含有量が低下するように形成されているのであれ
ば、光触媒とバインダとから構成されているものであっ
てもよいし、光触媒単体で製膜されたものであってもよ
い。
【0048】光触媒単独で形成する場合、例えば二酸化
チタンの場合は、透明基板上に無定形チタニアを形成
し、次いで焼成により結晶性チタニアに相変化させる方
法等が挙げられる。ここで用いられる無定形チタニアと
しては、例えば四塩化チタン、硫酸チタン等のチタンの
無機塩の加水分解、脱水縮合、テトラエトキシチタン、
テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−プロポキシ
チタン、テトラブトキシチタン、テトラメトキシチタン
等の有機チタン化合物を酸存在下において加水分解、脱
水縮合によって得ることができる。次いで、400℃〜
500℃における焼成によってアナターゼ型チタニアに
変性し、600℃〜700℃の焼成によってルチル型チ
タニアに変性することができる。
【0049】(バインダ)本発明における光触媒含有層
は、上述したような光触媒単独で製膜されたものであっ
てもよいが、フッ素を含有させる際の容易性を考慮する
と、光触媒とバインダとにより製膜されたものであるこ
とが好ましい。
【0050】このようにバインダを用いる場合は、バイ
ンダの主骨格が上記の光触媒の光励起により分解されな
いような高い結合エネルギーを有するものが好ましく、
例えばこのようなバインダとしては、オルガノポリシロ
キサン等を挙げることができる。このようなオルガノポ
リシロキサンとしては、例えば、(1)ゾルゲル反応等
によりクロロまたはアルコキシシラン等を加水分解、重
縮合して大きな強度を発揮するオルガノポリシロキサ
ン、(2)撥水牲や撥油性に優れた反応性シリコーンを
架橋したオルガノポリシロキサン等のオルガノポリシロ
キサンを挙げることができる。
【0051】上記の(1)の場合、一般式: YnSiX(4-n) (ここで、Yはアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェ
ニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基、
アセチル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整
数である。)で示される珪素化合物の1種または2種以
上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオ
ルガノポリシロキサンであることが好ましい。なお、こ
こでYで示される基の炭素数は1〜20の範囲内である
ことが好ましく、また、Xで示されるアルコキシ基は、
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基で
あることが好ましい。
【0052】このような珪素化合物としては、メチルト
リクロルシラン、メチルトリブロムシラン、メチルトリ
メトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルト
リイソプロポキシシラン、メチルトリt−ブトキシシラ
ン;エチルトリクロルシラン、エチルトリブロムシラ
ン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシ
ラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリt
−ブトキシシラン;n−プロピルトリクロルシラン、n
−プロピルトリブロムシラン、n−プロピルトリメトキ
シシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロ
ピルトリイソプロポキシシラン、n−プロピルトリt−
ブトキシシラン;n−ヘキシルトリクロルシラン、n−
へキシルトリブロムシラン、n−ヘキシルトリメトキシ
シラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−へキシ
ルトリイソプロポキシシラン、n−へキシルトリt−ブ
トキシシラン;n−デシルトリクロルシラン、n−デシ
ルトリブロムシラン、n−デシルトリメトキシシラン、
n−デシルトリエトキシシラン、n−デシルトリイソプ
ロポキシシラン、n−デシルトリt−ブトキシシラン;
n−オクタデシルトリクロルシラン、n−オクタデシル
トリブロムシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラ
ン、n−オクタデシルトリエトキシシラン、n−オクタ
デシルトリイソプロポキシシラン、n−オクタデシルト
リt−ブトキシシラン;フェニルトリクロルシラン、フ
ェニルトリブロムシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリイソプ
ロポキシシラン、フェニルトリt−ブトキシシラン;テ
トラクロルシラン、テトラブロムシラン、テトラメトキ
シシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラ
ン、ジメトキシジエトキシシラン;ジメチルジクロルシ
ラン、ジメチルジブロムシラン、ジメチルジメトキシシ
ラン、ジメチルジエトキシシラン;ジフェニルジクロル
シラン、ジフェニルジブロムシラン、ジフェニルジメト
キシシラン、ジフェニルジエトキシシラン;フェニルメ
チルジクロルシラン、フェニルメチルジブロムシラン、
フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエ
トキシシラン;トリクロルヒドロシラン、トリブロムヒ
ドロシラン、トリメトキシヒドロシラン、トリエトキシ
ヒドロシラン、トリイソプロポキシヒドロシラン、トリ
t−ブトキシヒドロシラン;ビニルトリクロルシラン、
ビニルトリブロムシラン、ビニルトリメトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシ
シラン、ビニルトリt−ブトキシシラン;トリフルオロ
プロピルトリクロルシラン、トリフルオロプロピルトリ
ブロムシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラ
ン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリフ
ルオロプロピルトリイソプロポキシシラン、トリフルオ
ロプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−グリシドキシ
プロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルト
リエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソ
プロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリt−
ブトキシシラン;γ−メタアクリロキシプロピルメチル
ジメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルメチ
ルジエトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリ
エトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリイ
ソプロポキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルト
リt−ブトキシシラン;γ−アミノプロピルメチルジメ
トキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピル
トリイソプロポキシシラン、γ−アミノプロピルトリt
−ブトキシシラン;γ−メルカプトプロピルメチルジメ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキ
シシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メ
ルカプトプロピルトリt−ブトキシシラン;β−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リエトキシシラン;および、それらの部分加水分解物;
および、それらの混合物を挙げることができる。
【0053】本発明においては、このようなオルガノポ
リシロキサンに対してフッ素を含有させるために、上記
一般式において、置換基Yとしてフルオロアルキル基を
有する珪素化合物を用いることが好ましい。このよう
に、フルオロアルキル基を有する珪素化合物を用いて合
成したオルガノポリシロキサンをバインダとして用いた
場合は、エネルギーが照射された際、光触媒含有層中の
光触媒の作用により、フルオロアルキル基の炭素結合の
部分が分解されることから、光触媒含有層表面にエネル
ギーを照射した部分のフッ素含有量を低減させることが
できるからである。
【0054】本発明において用いられるフルオロアルキ
ル基を有する珪素化合物としては、フルオロアルキル基
を有するものであれば特に限定されるものではないが、
少なくとも1個のフルオロアルキル基を有し、このフル
オロアルキル基の炭素数が4から30、好ましくは6か
ら20、特に好ましくは6から16である珪素化合物が
好適に用いられる。このような珪素化合物としては、具
体的には下記のフルオロアルキルシランを挙げることが
できる。
【0055】CF3(CF23CH2CH2Si(OC
33;CF3(CF25CH2CH2Si(OC
33;CF3(CF27CH2CH2Si(OC
33;CF3(CF29CH2CH2Si(OC
33;(CF32CF(CF24CH2CH2Si(O
CH33;(CF32CF(CF26CH2CH2Si
(OCH33;(CF32CF(CF28CH2CH2
i(OCH33;CF3(C64)C24Si(OC
33;CF3(CF23(C64)C24Si(OC
33;CF3(CF25(C64)C24Si(OC
33;CF3(CF27(C64)C24Si(OC
33;CF3(CF23CH2CH2SiCH3(OCH
32;CF3(CF25CH2CH2SiCH3(OC
32;CF3(CF27CH2CH2SiCH3(OCH
32;CF3(CF29CH2CH2SiCH3(OC
32;(CF32CF(CF24CH2CH2SiCH
3(OCH32;(CF32CF(CF26CH2CH2
SiCH3(OCH32;(CF32CF(CF28
2CH2SiCH3(OCH32;CF3(C64)C2
4SiCH3(OCH32;CF3(CF23(C
64)C24SiCH3(OCH32;CF3(CF25
(C64)C24SiCH3(OCH32;CF3(CF
27(C64)C24SiCH3(OCH32;CF
3(CF23CH2CH2Si(OCH2CH33;CF3
(CF25CH2CH2Si(OCH2CH33;CF
3(CF27CH2CH2Si(OCH2CH33;CF3
(CF29CH2CH2Si(OCH2CH33;CF
3(CF27SO2N(C25)C24CH2Si(OC
33
【0056】本発明においては、中でも炭素数が6から
8であるフルオロアルキル基を有する上記珪素化合物、
すなわちフルオロアルキルシランが好ましい。
【0057】本発明においては、このようなフルオロア
ルキル基を有する珪素化合物を上述したフルオロアルキ
ル基を有さない珪素化合物と混合して用い、これらの共
加水分解縮合物を上記オルガノポリシロキサンとして用
いてもよいし、このようなフルオロアルキル基を有する
珪素化合物を1種または2種以上用い、これらの加水分
解縮合物、共加水分解縮合物を上記オルガノポリシロキ
サンとして用いてもよい。
【0058】このようにして得られるフルオロアルキル
基を有するオルガノポリシロキサンにおいては、このオ
ルガノポリシロキサンを構成する珪素化合物の内、上記
フルオロアルキル基を有する珪素化合物が0.01モル
%以上、好ましくは0.1モル%以上含まれていること
が好ましい。
【0059】フルオロアルキル基がこの程度含まれるこ
とにより、光触媒含有層上の撥油性を高くすることがで
き、エネルギーを照射して親油性とした部分との濡れ性
の差異を大きくすることができるからである。
【0060】また、上記の(2)による反応性シリコー
ンを用いてオルガノポリシロキサンを得る際の反応性シ
リコーンとしては、下記一般式で表される骨格をもつ化
合物を挙げることができる。
【0061】
【化1】
【0062】ただし、nは2以上の整数であり、R1
2はそれぞれ炭素数1〜10の置換もしくは非置換の
アルキル、アルケニル、アリールあるいはシアノアルキ
ル基であり、モル比で全体の40%以下がビニル、フェ
ニル、ハロゲン化フェニルである。また、R1、R2がメ
チル基のものが表面エネルギーが最も小さくなるので好
ましく、モル比でメチル基が60%以上であることが好
ましい。また、鎖末端もしくは側鎖には、分子鎖中に少
なくとも1個以上の水酸基等の反応性基を有する。
【0063】このように反応性シリコーンを用いてオル
ガノシロキサンを合成する場合も同様に、R1,R2のい
ずれかもしくは両方をフルオロアルキル基等のフッ素を
含有する置換基とすることにより、光触媒含有層中にフ
ッ素を含ませることが可能であり、またエネルギーが照
射された場合に、シロキサン結合より結合エネルギーの
小さいフルオロアルキル基の部分が分解されるため、エ
ネルギー照射により光触媒含有層表面におけるフッ素の
含有量を低下させることができる。
【0064】なお、バインダとして上記のオルガノポリ
シロキサンとともに、ジメチルポリシロキサンのような
架橋反応をしない安定なオルガノシリコーン化合物を混
合してもよい。
【0065】本発明において、バインダとして用いるこ
とができるのは、上記オルガノポリシロキサンに限定さ
れるものではなく、例えば無定形シリカ前駆体を用いる
こともできる。この無定形シリカ前駆体は、一般式Si
4で表され、Xはハロゲン、メトキシ基、エトキシ
基、またはアセチル基等であるケイ素化合物、それらの
加水分解物であるシラノール、または平均分子量300
0以下のポリシロキサンが好ましい。
【0066】具体的には、テトラエトキシシラン、テト
ライソプロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラ
ン、テトラブトキシシラン、テトラメトキシシラン等が
挙げられる。また、この場合には、無定形シリカの前駆
体と光触媒の粒子とを非水性溶媒中に均一に分散させ、
透明基板上に空気中の水分により加水分解させてシラノ
ールを形成させた後、常温で脱水縮重合することにより
光触媒含有層を形成できる。シラノールの脱水縮重合を
100℃以上で行えば、シラノールの重合度が増し、膜
表面の強度を向上できる。また、これらの結着剤は、単
独あるいは2種以上を混合して用いることができる。
【0067】本発明においては、このように種々のバイ
ンダを光触媒含有層のバインダとして用いることができ
るが、このようなバインダを含む光触媒含有層にフッ素
を含有させる方法としては、通常高い結合エネルギーを
有するバインダに対し、フッ素化合物を比較的弱い結合
エネルギーで結合させる方法、比較的弱い結合エネルギ
ーで結合されたフッ素化合物を光触媒含有層に混入させ
る方法等を挙げることができる。このような方法でフッ
素を導入することにより、エネルギーが照射された場合
に、まず結合エネルギーが比較的小さいフッ素結合部位
が分解され、これによりフッ素を光触媒含有層中から除
去することができるからである。
【0068】上記オルガノポリシロキサンにフルオロア
ルキル基を置換基として導入する方法は前者の典型的な
例として挙げることができる。後者の例、すなわち、バ
インダの結合エネルギーより弱いエネルギーで結合した
フッ素化合物を導入させる方法としては、例えば、低分
子量のフッ素化合物を導入させる場合は、例えばフッ素
系の界面活性剤を混入する方法等を挙げることができ、
また高分子量のフッ素化合物を導入させる方法として
は、バインダ樹脂との相溶性の高いフッ素樹脂を混合す
る等の方法を挙げることができる。
【0069】本発明における光触媒含有層の表面は、表
面張力40mN/mの液体との接触角が10度以上、好
ましくは表面張力30mN/mの液体との接触角が10
度以上、特に表面張力20mN/mの液体との接触角が
10度以上であることが好ましい。これは、エネルギー
が照射されない部分は、パターン形成体を形成した際に
通常撥油性が要求される部分であることから、このよう
な液体との接触角が小さい場合は、撥油性が十分でな
く、インク等の機能性部を形成する際に親油性のパター
ン部分以外にインク等が残存する可能性が生じるため好
ましくないからである。
【0070】なお、本発明でいう液体との接触角とは、
種々の表面張力を有する液体との接触角を接触角測定器
(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マ
イクロシリンジから液滴を滴下して30秒後)し、その
結果から、もしくはその結果をグラフにして得たもので
ある。また、この測定に際して、種々の表面張力を有す
る液体としては、純正化学株式会社製のぬれ指数標準液
を用いた。
【0071】(添加剤等)本発明における光触媒含有層
には、界面活性剤を含有させることができる。具体的に
は、日光ケミカルズ(株)製NIKKOL BL、B
C、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素系、デュポン
社製ZONYL FSN、FSO、旭硝子(株)製サー
フロンS−141、145、大日本インキ化学工業
(株)製メガファックF−141、144、ネオス
(株)製フタージェントF−200、F251、ダイキ
ン工業(株)製ユニダインDS−401、402、スリ
ーエム(株)製フロラードFC−170、176等のフ
ッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤を挙
げることかでき、また、カチオン系界面活性剤、アニオ
ン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもでき
る。
【0072】また、光触媒含有層には上記の界面活性剤
の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステ
ル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレー
ト、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポ
リカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイ
ミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポ
リプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸
ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイ
ミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリ
ン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマ
ー、ポリマー等を含有させることができる。
【0073】このような光触媒含有層は、上述した成分
を必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗
布液を調製し、この塗布液を基材上に塗布することによ
り形成することができる。使用する溶剤としては、エタ
ノール、イソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤
が好ましい。塗布はスピンコート、スプレーコート、デ
ィッブコート、ロールコート、ビードコート等の公知の
塗布方法により行うことができる。また、紫外線硬化型
の成分を含有している場合、紫外線を照射して硬化処理
を行うことにより光触媒含有層を形成することかでき
る。
【0074】このような光触媒含有層における光触媒の
含有量は、必要とする機能性素子の種類等により大きく
ことなるものであるが、通常5〜60重量%、好ましく
は20〜40重量%の範囲で設定することができる。ま
た、光触媒含有層の厚みも得られる機能性素子の種類等
により大きく異なるが、具体的に挙げるとすると、0.
05〜10μmの範囲内が好ましい。
【0075】(基材)本発明の複合材においては、強度
との関係や最終的な機能性素子との関係から、基材上に
上述した光触媒含有層が形成される。このような基材と
しては、得られるパターン形成体もしくはパターン形成
体により形成された機能性素子の用途に応じて、ガラ
ス、アルミニウム、およびその合金等の金属、プラスチ
ック、織物、不織布等を挙げることができる。
【0076】(パターン形成体)本発明の複合材の光触
媒含有層表面に、パターン状にエネルギーを照射するこ
とにより、上述したようにフッ素含有量が少ない部分の
パターンを有するパターン形成体が得られる。このフッ
素含有量が少ない部分は、上述したように周囲の領域よ
り親油性が高い部分となる。したがって、このようにし
て得られるパターン形成体は、撥油性表面に親油性の高
い部分がパターン状に形成されたパターン形成体とな
る。よって、親油性を有する部分に油性のインク等を付
着させることにより、このパターン形成体上に形成され
たパターンに沿ってインク等を正確に付着させることが
可能となり、これにより精度の高いカラーフィルタ等の
機能性素子を得ることができる。
【0077】ここで、本発明のパターン形成体において
は、エネルギーが照射されて形成されたフッ素含有量が
低い部位における光触媒含有層中のフッ素含有量は、エ
ネルギー照射されていない部分のフッ素含有量を100
とした場合に、10以下、好ましくは、5以下、特に好
ましくは1以下であることが好ましい。なお、この比率
は重量を基準としたものである。
【0078】このような範囲内とすることにより、エネ
ルギー照射部分と未照射部分との親油性に大きな違いを
生じさせることができる。したがって、このようなパタ
ーン形成体にインク等を塗布して機能性部を形成するこ
とにより、フッ素含有量が低下した親油性の部位のみに
正確に機能性部を形成することが可能となり、精度良く
機能性素子を得ることができるからである。
【0079】また、本発明のパターン形成体において
は、特に光触媒として二酸化チタンを用いた場合に、同
様の理由から、上述した複合材に対してエネルギーをパ
ターン照射することにより、Ti元素を100とした場
合に、フッ素元素が500以上、好ましくは800以
上、特に好ましくは1200以上となる比率でフッ素元
素が光触媒含有層表面に含まれている光触媒含有層表面
に、Ti元素を100とした場合にフッ素元素が50以
下、好ましくは20以下、特に好ましくは10以下とな
る比率でフッ素元素が含まれている部位のパターンが形
成されていることが好ましい。
【0080】さらに、本発明のパターン形成体において
は、光触媒含有層に含有されるフッ素の含有量を、エネ
ルギーの照射により低下させることにより、表面張力4
0mN/mの液体との接触角が10度以上、好ましくは
表面張力30mN/mの液体との接触角が10度以上、
特に好ましくは表面張力20mN/mの液体との接触角
が10度以上である光触媒含有層上に、表面張力40m
N/mの液体との接触角が10度未満、好ましくは表面
張力50mN/mの液体との接触角が10度以下、特に
好ましくは表面張力60mN/mの液体との接触角が1
0度以下である部位のパターンが形成されていることが
好ましい。このようなパターン形成体は、濡れ性に差の
あるパターンが形成されているので、より親油性の高い
部位にインク等を付着させ機能性部とすることにより、
容易にカラーフィルタ等の機能性素子とすることが可能
となる。
【0081】(エネルギー)本発明のパターン形成体
は、上述したように、上記複合材にパターン状にエネル
ギーを照射して得られるものであるが、この光触媒含有
層に照射するエネルギーとしては、紫外光を含む光を用
いることができる。このような紫外光を含む光源として
は、例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセ
ノンランプ等を挙げることができる。この露光に用いる
光の波長は400nm以下の範囲、好ましくは380n
m以下の範囲から設定することができ、また、露光に際
しての光の照射量は、露光された部位が光触媒の作用に
より親油性を発現するのに必要な照射量とすることがで
きる。
【0082】エネルギーの照射に際してパターン照射が
必要な場合は、上述したような光源を用い、フォトマス
クを介したパターン照射により行うことができるが、他
の方法として、エキシマ、YAG等のレーザーを用いて
パターン状に描画照射する方法を用いることも可能であ
る。しかしながら、このようなレーザを用いた方法は、
装置が高価、取り扱いが困難、さらには連続出力ができ
ない等の問題を有する場合がある。
【0083】したがって、本発明においては、光触媒含
有層に対し、光触媒反応開始エネルギーを加え、この光
触媒反応開始エネルギーが加えられた領域内に反応速度
増加エネルギーをパターン状に加えることにより親油性
領域のパターンを形成するようにしてもよい。このよう
なエネルギーの照射方法を用いてパターンを形成するこ
とにより、パターン形成に際して、赤外線レーザ等の比
較的安価で取り扱いが容易である反応速度増加エネルギ
ーを用いることができ、これにより上述したような問題
が生じないからである。
【0084】このようなエネルギーを加えることにより
フッ素含有量の低下した親油性領域のパターンが形成で
きるのは、以下の理由による。すなわち、まずパターン
を形成する領域に対して光触媒反応開始エネルギーを加
えることにより、光触媒含有層に対する光触媒の触媒反
応を開始させる。そして、この光触媒反応開始エネルギ
ーが加えられた領域内に、反応速度増加エネルギーを加
える。このように反応速度増加エネルギーを加えること
により、既に光触媒反応開始エネルギーが加えられ、光
触媒の触媒作用により反応が開始されている光触媒含有
層内の反応が、急激に促進される。そして所定の時間、
反応速度増加エネルギーを加えることにより、光触媒含
有層内のフッ素含有量を所望の範囲まで低下させ、反応
速度増加エネルギーが加えられたパターンをフッ素含有
量の低下した親油性領域のパターンとすることができる
のである。
【0085】a.光触媒反応開始エネルギーについて このエネルギー照射方法に用いられる光触媒反応開始エ
ネルギーとは、光触媒が光触媒含有層中の化合物に対し
て、その特性を変化させるための触媒反応を開始させる
エネルギーをいう。
【0086】ここで加える光触媒反応開始エネルギーの
量は、光触媒含有層中のフッ素含有量の低下を急激に生
じない程度の量である。加えられる光触媒反応開始エネ
ルギーの量が少ない場合は、反応速度増加エネルギーを
加えてパターンを形成する際の感度が低下するため好ま
しくなく、またこの量が多すぎると、光触媒反応開始エ
ネルギーを加えた光触媒含有層における特性の変化の度
合いが大きくなりすぎて、反応速度増加エネルギーを加
えた領域との差異が不明確となってしまうため好ましく
ない。この加えるエネルギーの量に関しては、予めエネ
ルギーを加える量と光触媒含有層中のフッ素含有量の変
化量とを予備実験等を行うことにより決定される。
【0087】この方法における光触媒反応開始エネルギ
ーとしては、光触媒反応を開始させることができるエネ
ルギーであれば特に限定されるものではないが、中でも
光であることが好ましい。
【0088】本発明において用いられる光触媒は、その
バンドギャップによって触媒反応を開始する光の波長が
異なる。例えば、硫化カドニウムであれば496nm、
また酸化鉄であれば539nmの可視光であり、二酸化
チタンであれば388nmの紫外光である。したがっ
て、光であれば可視光であれ紫外光であれ本発明で用い
ることができる。しかしながら、上述したようにバンド
ギャップエネルギーが高いため光触媒として有効であ
り、かつ化学的にも安定で毒性もなく、入手も容易とい
った理由から光触媒としては二酸化チタンが好適に用い
られる関係上、この二酸化チタンの触媒反応を開始させ
る紫外光を含む光であることが好ましい。具体的には、
400nm以下の範囲、好ましくは380nm以下の範
囲の紫外光が含まれることが好ましい。
【0089】このような紫外光を含む光の光源として
は、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンラン
プ、エキシマランプ等の種々の紫外線光源を挙げること
ができる。
【0090】本発明においては、この光触媒反応開始エ
ネルギーが加えられる範囲は、光触媒含有層の一部分で
あってもよく、例えばこの光触媒反応開始エネルギーを
パターン状に加え、さらに後述する反応速度増加エネル
ギーもパターン状に加えることにより、フッ素含有量が
低下した親油性領域のパターンを形成することも可能で
あるが、工程の簡略化、単純化等の理由から、この光触
媒反応開始エネルギーをパターンを形成する領域全面に
わたって加えることが好ましく、このように全面にわた
って光触媒反応開始エネルギーが加えられた領域に反応
速度増加エネルギーをパターン状に加えることにより、
光触媒含有層上に親油性領域のパターンを形成するよう
にすることが好ましい。
【0091】b.反応速度増加エネルギーについて 次に、この方法に用いられる反応速度増加エネルギーに
ついて説明する。この方法に用いられる反応速度増加エ
ネルギーとは、上記光触媒反応開始エネルギーによって
開始された光触媒含有層の濡れ性を変化させる反応の反
応速度を増加させるためのエネルギーをいう。本発明に
おいては、このような作用を有するエネルギーであれば
いかなるエネルギーであっても用いることができるが、
中でも熱エネルギーを用いることが好ましい。
【0092】このような熱エネルギーをパターン状に光
触媒含有層に加える方法としては、光触媒含有層上に熱
によるパターンが形成できる方法であれば特に限定され
るものではないが、赤外線レーザによる方法や感熱ヘッ
ドによる方法等を挙げることができる。このような赤外
線レーザとしては、例えば指向性が強く、照射距離が長
いという利点を有する赤外線YAGレーザ(1064n
m)や、比較的安価であるという利点を有するダイオー
ドレーザ(LED;830nm、1064nm、110
0nm)等の他、半導体レーザ、He−Neレーザ、炭
酸ガスレーザ等を挙げることができる。
【0093】この方法においては、上述した光触媒反応
開始エネルギーを加えることにより、光触媒を活性化さ
せて光触媒含有層内の触媒反応によるフッ素含有量の低
下を開始させ、この変化が生じた部分に反応速度増加エ
ネルギーを加えてその部分の触媒反応を促進させること
により、反応速度増加エネルギーが加えられた領域と、
加えられなかった領域との反応速度の差により、親油性
領域のパターンを形成することができる。
【0094】(機能性素子)本発明においては、上述し
たパターン形成体の上に形成されたパターンに対応した
部位上に機能性部を配置することにより種々の機能性素
子を得ることができる。
【0095】ここで機能性とは、光学的(光選択吸収、
反射性、偏光性、光選択透過性、非線形光学性、蛍光あ
るいはリン光等のルミネッセンス、フォトクロミック性
等)、磁気的(硬磁性、軟磁性、非磁性、透磁性等)、
電気・電子的(導電性、絶縁性、圧電性、焦電性、誘電
性等)、化学的(吸着性、脱着性、触媒性、吸水性、イ
オン伝導性、酸化還元性、電気化学特性、エレクトロク
ロミック性等)、機械的(耐摩耗性等)、熱的(伝熱
性、断熱性、赤外線放射性等)、生体機能的(生体適合
性、抗血栓性等)な各種の機能を意味するものである。
【0096】このような機能性部のパターン形成体のパ
ターンに対応した部位への配置は、光触媒含有層表面に
親油性のパターンが形成されていることから、機能性部
用組成物をパターン形成体上に塗布することにより、濡
れ性の良好な親油性領域のみ機能性部用組成物が付着す
ることになり、容易にパターン形成体のパターンに対応
した部位に機能性部を配置することができる。
【0097】本発明に用いられる機能性部用組成物とし
ては、機能性素子の機能、機能性素子の形成方法等によ
って大きく異なるものである。また、その態様も、紫外
線硬化型モノマー等に代表される溶剤で希釈されていな
い組成物や、溶剤で希釈した液体状の組成物等種々のも
のが考えられる。
【0098】本発明に用いられる機能性部用組成物とし
ては、パターン形成体に付着等させて配置されることに
より機能性部となるものであってもよく、またパターン
形成体上に配置された後、薬剤により処理され、もしく
は紫外線、熱等により処理された後に機能性部となるも
のであってもよい。この場合、機能性部用組成物の結着
剤として、紫外線、熱、電子線等で効果する成分を含有
している場合には、硬化処理を行うことにより素早く機
能性部が形成できることから好ましい。
【0099】このような機能性素子の形成方法を具体的
に説明すると、機能性部用組成物をディップコート、ロ
ールコート、ブレードコート、スピンコート等の塗布手
段、インクジェット等を含むノズル吐出手段等の手段を
用いて上記パターン形成体上に形成された親油性領域の
パターン上に機能性部を形成する。例えば、図1に示す
ように、基材1上に光触媒含有層2が設けられ、この光
触媒含有層2にはエネルギーをパターン照射することに
より形成された濡れ性変化部位(親油性領域)3が形成
されたパターン形成体4上に、ブレードコータ5を用い
て機能性部用組成物6を塗布する方法、もしくは、図2
に示すように同様なパターン形成体4上に機能性部用組
成物6を滴下し、スピンコータ7により塗布する方法等
を挙げることができる。このようにして機能性部用組成
物6を塗布することにより、図3に示すように濡れ性が
変化して親油性領域となった濡れ性変化部位3上にのみ
機能性部用組成物が付着する。この機能性部用組成物を
硬化させて機能性部8とすることにより、機能性素子を
形成することができる。
【0100】また、図4はさらに他の機能性素子の形成
方法を示すものである。まず、図4(A)に示すように
濡れ性変化部位3のパターンを有する光触媒含有層2が
基材1上に設けられたパターン形成体4上に、シート9
の片面に熱溶融性組成物層10が積層された熱転写体1
1を、熱溶融性組成物層10が濡れ性変化部位3に接触
するように密着させる。次いで図4(B)に示すように
熱転写体11のシート9側から加熱板12を押し当てて
加熱する。そして図4(C)に示すように、冷却後熱転
写体11を引き剥がすことにより、光触媒含有層2上に
形成された濡れ性変化部位3のパターンに沿うように機
能性部8が形成された機能性素子を得ることができる
(図4(D))。
【0101】このようにして得られる機能性素子として
具体的には、カラーフィルタ、マイクロレンズ等を挙げ
ることができる。
【0102】上記カラーフィルタは、液晶表示装置等に
用いられるものであり、赤、緑、青等の複数の画素部が
ガラス基板等上に高精細なパターンで形成されたもので
ある。本発明の複合材およびこれを用いて形成されたパ
ターン形成体をこのカラーフィルタの製造に用いること
により、低コストで高精細なカラーフィルタとすること
ができる。すなわち、光触媒含有層にエネルギーをパタ
ーン照射することにより、フッ素含有量が低下し、濡れ
性の変化したパターンが形成されたパターン形成体を得
る。次いで、この濡れ性変化部位(エネルギー照射によ
り親油性領域となった部位)に、例えばインクジェット
装置等によりインク(機能性部用組成物)を付着・硬化
させることにより、容易に画素部(機能性部)を形成す
ることができ、これにより少ない工程数で高精細なカラ
ーフィルタを得ることができる。
【0103】また、機能性素子がマイクロレンズである
場合は、光触媒含有層上にエネルギーをパターン照射
し、フッ素含有量の少ない濡れ性が変化した円形のパタ
ーンを有するパターン形成体を製造する。次いで、濡れ
性が変化した部位上にレンズ形成用組成物(機能性部用
組成物)を滴下すると、濡れ性が変化した親油性領域の
みに広がり、さらに滴下することにより液滴の接触角を
変化させることができる。このレンズ形成用組成物を硬
化させることにより種々の形状あるいは焦点距離のもの
を得ることが可能となり、高精細なマイクロレンズを得
ることができる。
【0104】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0105】
【実施例】以下、本発明について、実施例を通じてさら
に詳述する。
【0106】イソプロピルアルコール3g、フルオロア
ルキルシラン(トーケムプロダクツ(株)製;MF−1
60E(商品名)、N−[3−(トリメトキシシリル)
プロピル]−N−エチルパーフルオロオクタンスルホン
アミドのイソプロピルエーテル50重量%溶液)0.0
14g、酸化チタンゾル(石原産業(株)製;STS−
01(商品名))2g、シリカゾル(日本合成ゴム
(株)製;グラスカHPC7002(商品名))0.6
g、およびアルキルアルコキシシラン(日本合成ゴム
(株)製;HPC402II(商品名))0.2gを混合
し、100℃で20分間撹拌した。この溶液を厚さ0.
7mmの無アルカリガラス基板上にスピンコーティング
法によりコートし、厚さ0.15μmの光触媒含有層を
得た。
【0107】この光触媒含有層表面に格子状のフォトマ
スクを介して超高圧水銀ランプにより70mW/cm2
(365nm)の照度で2分間紫外線照射を行い、n−
オクタン(表面張力21mN/m)に対する接触角を接
触角測定器(協和界面科学製CA−Z型)により測定し
た結果、未露光部は52度であったのに対し、露光部は
0度であった。
【0108】未露光部および露光部をX線光電子分光装
置(V.G.Sientific社ESCALAB220-I-XL)により元素分析
を行った。シャリーのバッククラウンド補正、スコフィ
ールドの相対感度係数補正により定量計算を行い得られ
た結果をチタン(Ti)を100とした場合の重量によ
る相対値で示すと、未露光部はチタン(Ti)100に
対しフッ素(F)1279であるのに対し、露光部では
チタン(Ti)100に対しフッ素(F)6であった。
【0109】これらの結果から、光触媒含有層を露光す
ることにより、光触媒含有層表面のフッ素の割合が減少
し、これにより表面が撥油性から親油性に変化している
ことがわかった。
【0110】
【発明の効果】本発明は、基材と、この基材の少なくと
も一方の表面に形成され、少なくともフッ素および光触
媒を含む光触媒含有層とからなる複合材であって、上記
光触媒含有層に対しエネルギーを照射した際に、上記光
触媒の作用により上記光触媒含有層表面のフッ素含有量
がエネルギー照射前に比較して低下するように上記光触
媒含有層が形成されていることを特徴とする複合材であ
る。
【0111】このように、本発明の複合材は、基材表面
に形成された光触媒含有層上のエネルギー照射部のフッ
素含有量が低下するように構成されているので、エネル
ギーをパターン照射することにより、フッ素含有量の低
下した部分からなるパターンを形成することができる。
フッ素含有量が低下するとその部分は、他の部分と比較
して親油性の領域となるので、この部分にインク等を付
着させることにより、容易にカラーフィルタ等の機能性
素子を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合材を用いて機能性素子を製造する
製造方法の一例を説明するための概略断面図である。
【図2】本発明の複合材を用いて機能性素子を製造する
製造方法の他の例を説明するための概略断面図である。
【図3】本発明の複合材を用いて機能性素子を製造する
製造方法の他の例を説明するための概略断面図である。
【図4】(A)から(D)は、本発明の複合材を用いて
機能性素子を製造する製造方法の他の例を説明するため
の概略断面図である。
【符号の説明】
1…基材 2…光触媒含有層 4…パターン形成体 8…機能性部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H048 BA28 BA29 BA47 2H123 AE00 AE11 BA00 BA01 BB00 BB02 4F100 AA17B AA21B AA23B AA25B AA28B AA34B AG00 AH05B AK52B AR00B AT00A BA02 CA23B EH462 GB90 JL08B 4G069 AA03 AA08 BA04A BA04B BA22A BA22B BA48A BB01A BB01B BB04A BB06A BC12A BC22A BC25A BC35A BC50A BC60A BC66A BD15A BD15B BE32A BE32B BE34A BE34B EA07 EB15Y EB18Y ED01 FA03 FB23 FC08

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と、この基材の少なくとも一方の表
    面に形成され、少なくともフッ素および光触媒を含む光
    触媒含有層とからなる複合材であって、前記光触媒含有
    層に対しエネルギーを照射した際に、前記光触媒の作用
    により前記光触媒含有層表面のフッ素含有量がエネルギ
    ー照射前に比較して低下するように前記光触媒含有層が
    形成されていることを特徴とする複合材。
  2. 【請求項2】 前記光触媒含有層のフッ素含有量を、エ
    ネルギー照射前を100とした場合に、エネルギー照射
    により10以下まで低下させることができる光触媒含有
    層を有することを特徴とする請求項1記載の複合材。
  3. 【請求項3】 前記光触媒含有層に含有される光触媒
    が、二酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、
    酸化スズ(SnO2)、チタン酸ストロンチウム(Sr
    TiO3)、酸化タングステン(WO3)、酸化ビスマス
    (Bi23)、および酸化鉄(Fe23)から選択され
    る1種または2種以上の物質であることを特徴とする請
    求項1または請求項2に記載の複合材。
  4. 【請求項4】 前記光触媒含有層に含有される光触媒が
    二酸化チタン(TiO2)であることを特徴とする請求
    項3記載の複合材。
  5. 【請求項5】 前記光触媒含有層表面のフッ素の含有量
    を、X線光電子分光法で分析して定量化すると、Ti元
    素を100とした場合に、フッ素元素が500以上とな
    る比率でフッ素元素が光触媒含有層表面に含まれている
    光触媒含有層を有することを特徴とする請求項4記載の
    複合材。
  6. 【請求項6】 前記光触媒含有層が、少なくとも前記光
    触媒とバインダとを含み、前記バインダがフルオロアル
    キル基を有するオルガノポリシロキサンであることを特
    徴とする請求項3から請求項5までのいずれかの請求項
    に記載の複合材。
  7. 【請求項7】 前記オルガノポリシロキサンが、Yn
    iX(4-n)(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキ
    ル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ
    基を示し、Xはアルコキシル基またはハロゲンを示す。
    nは0〜3までの整数である。)で示される珪素化合物
    の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水
    分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることを
    特徴とする請求項6記載の複合材。
  8. 【請求項8】 前記オルガノポリシロキサンを構成する
    前記珪素化合物の内、フルオロアルキル基を含む珪素化
    合物が0.01モル%以上含まれていることを特徴とす
    る請求項7記載の複合材。
  9. 【請求項9】 前記光触媒含有層の表面における表面張
    力40mN/mの液体との接触角が、10度以上である
    ことを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか
    の請求項に記載の複合材。
  10. 【請求項10】 請求項1から請求項4までのいずれか
    の請求項に記載の複合材に対して、エネルギーをパター
    ン照射することにより、フッ素を含有する光触媒含有層
    中にフッ素含有量が低い部位のパターンが形成されてい
    ることを特徴とするパターン形成体。
  11. 【請求項11】 前記光触媒含有層上へのエネルギー照
    射により形成されたフッ素含有量が低い部位におけるフ
    ッ素含有量が、エネルギー照射されていない部分のフッ
    素含有量を100とした場合に10以下であることを特
    徴とする請求項10記載のパターン形成体。
  12. 【請求項12】 請求項5記載の複合材に対してエネル
    ギーをパターン照射することにより、チタン元素を10
    0とした場合に、フッ素元素が500以上となる比率で
    フッ素元素が光触媒含有層表面に含まれている光触媒含
    有層表面に、チタン元素を100とした場合にフッ素元
    素が50以下となる比率でフッ素元素が含まれている部
    位のパターンが形成されていることを特徴とするパター
    ン形成体。
  13. 【請求項13】 請求項9記載の複合材に対してエネル
    ギーをパターン照射することにより、表面張力40mN
    /mの液体との接触角が10度以上である光触媒含有層
    上に、表面張力40mN/mの液体との接触角が10度
    未満である部位のパターンが形成されていることを特徴
    とするパターン形成体。
  14. 【請求項14】 請求項1から請求項9までのいずれか
    の請求項に記載された複合部材の光触媒含有層にエネル
    ギーを照射してパターン形成体を製造するパターン形成
    体の製造方法において、前記光触媒含有層に照射するエ
    ネルギーが、紫外光を含む光であることを特徴とするパ
    ターン形成体の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項1から請求項9までのいずれか
    の請求項に記載された複合部材の光触媒含有層にエネル
    ギーを照射してパターン形成体を製造するパターン形成
    体の製造方法において、前記光触媒含有層に照射するエ
    ネルギーが、光触媒反応開始エネルギーおよび反応速度
    増加エネルギーであり、前記光触媒反応開始エネルギー
    を照射した部分に前記反応速度増加エネルギーを照射す
    ることにより、露光部分を形成することを特徴とするパ
    ターン形成体の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記光触媒反応開始エネルギーが紫外
    光を含む光であり、前記反応速度増加エネルギーが赤外
    線レーザにより加えられた熱エネルギーであることを特
    徴とする請求項15記載のパターン形成体の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項10から請求項13までのいず
    れかの請求項に記載されたパターン形成体に形成された
    パターンに対応した部位上に機能性部が形成されたこと
    を特徴とする機能性素子。
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