JP2005340173A - 燃料電池スタック - Google Patents

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Abstract

【課題】セル間で酸化剤供給量や温度がばらつく場合、酸化剤供給量が相対的に少なく、あるいは温度が相対的に低いセルにおいて、カソードのフラッディング現象や酸化剤流路の閉塞が生じる。
【解決手段】セパレータを介して積層された3つ以上の平板状のセルを含み、各セルはアノードと、カソードと、アノードとカソードに挟持された電解質膜とを含み、かつカソードに隣接するセパレータに形成された酸化剤流路を有し、アノードおよびカソードは、それぞれ電解質膜に接する触媒層と、拡散層とを含む燃料電池スタックにおいて、相対的に温度が低いセルもしくは空気の供給量が少ないセルにおいて、カソードにおけるフラッディング現象等を防止するために、酸化剤流路の入口の断面積、カソードの触媒層の面積、電解質膜の厚み、またはカソードおよび酸化剤流路の組み合わせに含まれる撥水剤の量を、スタックの少なくとも一方の端部に配置されたセルで最大とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、セパレータを介して積層された3つ以上の平板状のセルを含む燃料電池スタックであって、前記セルは、アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードに挟持された電解質膜とを含み、かつ前記カソードに隣接するセパレータに形成された酸化剤流路を有する燃料電池スタックに関する。
燃料電池は、使用する電解質の種類によって、燐酸型、アルカリ型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型、固体高分子型等に分類される。これらの中で、低温動作が可能で、出力密度が高いという特徴を有する固体高分子型燃料電池は、車載用電源や家庭用コージェネレーションシステム等において実用化されつつある。
一方、近年ではノート型パソコンや携帯電話、PDAといった携帯機器の高機能化に伴い、消費電力は増加する傾向にある。現在使用されている携帯機器用の電源であるリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池は、この消費電力の増加に追従してエネルギー密度を向上させることができず、近々電源の容量不足という問題が生じることが懸念されている。
この問題を解決する電源として、固体高分子型燃料電池(以下PEFCと記す)が注目されている。中でも常温で液体の燃料を、水素に改質することなく、電極において直接酸化して電気エネルギーを取り出すことができる直接燃料酸化型燃料電池は、改質器が不要で電源の小型化が容易である点から、最も期待されている。
直接燃料酸化型燃料電池の燃料としては、低分子量のアルコールやエーテル類が検討されている。中でも高エネルギー効率および高出力が得られるメタノールが最も有望視されており、ダイレクトメタノール型燃料電池(以下DMFCと記す)と呼ばれている。
DMFCのアノードおよびカソードでの反応は、それぞれ下記反応式(1)、(2)で表される。カソードに酸化剤として供給される酸素は、空気から取り入れることが一般的である。
CH3OH+H2O→CO2+6H++6e-・・・(1)
3/2O2+6H++6e-→3H2O ・・・(2)
現在のところ、DMFCの電解質膜としては、水素を燃料としたPEFCと同様に、Nafion(登録商標)を代表とするパーフルオロカーボンスルホン酸膜が使用されるのが一般的である。
燃料であるメタノールは、アノードで式(1)のように反応することが理想的であるが、電解質膜を透過してカソードに到達するクロスオーバー現象が起こることがある。クロスオーバー現象は、燃料電池の発電性能を低下させる。カソードに到達したメタノールは、カソードにおいて、下記反応式(3)のように酸化される。その結果、カソードの電位が低下して、燃料電池の発電電圧が低下する。
CH3OH+3/2O2→CO2+2H2O・・・(3)
クロスオーバー現象は、含水することによってプロトン伝導性を有するタイプの電解質膜と、水溶性の燃料とを使用する場合に発生すると考えられるため、現在開発が進められている直接燃料酸化型の燃料電池のほとんどに共通している。
燃料電池の理論起電力は、水素を燃料としたPEFCで1.23V、DMFCで1.21Vである。しかし、実際の発電電圧は、式(2)の反応過電圧が大きいことにより、PEFCでは0.6〜0.8Vである。DMFCの場合は、クロスオーバー現象に加え、式(1)の反応過電圧も大きいことから、0.3〜0.5Vであるのが実状である。
従って、電子機器を作動するためには、燃料電池のセルを複数直列に接続してスタックを構成するか、昇圧回路によって所望の電圧を得ることが必要であり、それらの両方を適用することが一般的である。
セルを複数接続する場合のセルの配列は、燃料電池を電源とする機器の形状や燃料を送液するポンプおよび空気を送風するポンプなどの補機の有無にもよるが、主に省スペースの観点から決定される。通常は、平板状のセルを積層したものが使用されている。具体的には、アノード、カソードおよびこれらで挟持された電解質膜を含み、アノードに隣接する燃料流路とカソードに隣接する酸化剤流路を有するセルが、バイポーラプレートもしくはセパレータを介して積層される。燃料や酸化剤の流路には、バイポーラプレートやセパレータの表面に形成した溝が利用される。
このような燃料電池スタックにおいて、理想的には、どのセルにも均一に燃料および空気が供給されることが求められる。しかし、実際には供給量にばらつきが生じることによってセル毎の発電性能が異なり、スタック全体の発電性能の低下を招くことがある。そこで、ガス供給用のマニホールドの構造を改良したり、燃料ガスの供給を等分配するための改良等が提案されている(特許文献1参照)。
他にも、燃料ガスの供給ばらつきを抑制する技術は、様々な角度から検討され続けている。しかし、カソードのフラッディング現象に対する改良に関しては、セルの内部構造の改良しか行われておらず、スタック全体を改良するための提案はなされていない。
水の沸点である100℃以下の温度で作動させるPEFCにおいては、いわゆるフラッディング現象が起こりやすい。フラッディング現象とは、式(2)の反応によってカソードで発生する水が、電極中で過飽和状態になって凝集し、電極内のガス拡散性が悪化する現象である。これに対しては、ガス流路の形状をセル内で変化させ、水の凝集を防ぐ改良が提案されている(特許文献2参照)。
カソードのフラッディング現象の発生度合いは、セル毎に異なる。例えば、スタック内でセル毎の温度分布が生じると、温度の低いセルほど水が凝集しやすく、フラッディング現象が発生しやすくなる。平板状のセルを積層したスタックでは、最上段あるいは最下段に位置するセルほど、熱がスタック外へ拡散しやすいため、セルの温度は相対的に低くなる。
また、DMFCの場合、クロスオーバー現象は、アノードと電解質膜との界面におけるメタノール濃度が高いほど増加するため、1〜2mol/Lの低濃度のメタノール水溶液を使用することが多い。しかし、クロスオーバー現象では、メタノールとともに水も電解質膜を透過する。そのため、多量の水がアノードからカソードへと移動する。その水の移動量は、発電によってカソードで生成する水量の約100倍に及ぶ場合もある。よって、フラッディング現象は、ますます深刻となる。
特開平5−190186号公報 特開平8−138696号公報
燃料電池スタックにおいて、発電によってセル内で発生する熱は、反応物質(燃料や空気)によってセル外に排出されるか、セパレータを伝導してスタックの表面から放出されるか、スタック内に強制的に流通させる冷却媒体によって除去される。このため、外気、リード線、筐体などと熱交換しやすい端部のセルほど放熱されやすく、相対的に温度が低くなる傾向にある。特に冷却媒体をスタック内に流通させない場合には、その傾向が大きい。
また、1つの酸化剤供給装置を用いて、ダクトを介してスタック全体に酸化剤を供給する場合、スタックの端部に位置するセルの付近には、ダクトの壁面が存在する。そのため端部のセルでは、酸化剤の流量が低下しやすい。
以上のことから、スタックの端部に位置するセルにおいては、空気流量が不足したり、温度が低下したりしやすく、スタックの端部の少なくとも一方のセルにおいて、空気流量が最小となり、または温度が最低となることが多い。
以上を鑑み、本発明は、以下の(i)〜(iv)の燃料電池スタックを提案する。
(i)本発明は、セパレータを介して積層された3つ以上の平板状のセルを含む燃料電池スタックであって、前記セルは、アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードに挟持された電解質膜とを含み、かつ前記カソードに隣接するセパレータに形成された酸化剤流路を有し、前記アノードおよび前記カソードは、それぞれ、前記電解質膜に接する触媒層と、拡散層とを含み、前記酸化剤流路の入口の断面積は、前記スタックの端部に配置された少なくとも一方のセルで最大であることを特徴とする燃料電池スタックに関する。
ここでは、相対的に熱の逸散が多く、温度が低くなりがちなセルでは、酸化剤流路の入口の断面積を大きくする。これにより、マニホールドから酸化剤流路への酸化剤の進入性が高まり、酸化剤の供給量が多くなる。また、酸化剤流路の入口の断面積を大きくすることで、温度の低いセルでも水の凝集が起こりにくくなり、セル毎のフラッディング現象の発生度合いのばらつきを緩和することができる。よって、フラッディング現象により、一部のセルの電圧が低下したり、セルが転極したりして、スタック全体の出力が低下することを防止できる。
本発明は、酸化剤流路の入口の断面積を規定するものである。よって、入口から出口に到達するまでの間に、複数の流路が合流してもしなくてもよく、流路の断面積が変化してもしなくてもよく、流路が分岐してもしなくてもよい。また、酸化剤が1本の流路から入り、セル内部で拡散層内を必ず通り、他の流路から出て行くようなタイプの流路(インターディジット流路)でもよい。
酸化剤流路の入口とは、1つのセルの酸化剤流路に酸化剤を導入する入口であり、入口は複数の通路に分割されていてもよい。入口が複数の通路に分割されている場合、酸化剤流路の入口の断面積は、前記複数の通路の断面積の合計である。なお、カソードに隣接するセパレータが、酸化剤を導入するマニホルド孔を有する場合、酸化剤流路の入口とマニホルド孔とは区別される。
酸化剤流路には、通常、カソードに隣接するセパレータに形成された一本または複数本の溝が利用される。流路を構成する溝が途中で合流したり、分岐したりせず、かつ、一本あたりの溝の断面積が酸化剤の入口から出口まで変化しない場合には、酸化剤流路の入口の断面積(S0)は、通常、一本あたりの溝の断面積(S1)と、溝の本数(N1)との積と一致する(S0=S1×N1)。また、流路を構成する溝が途中で合流したり、分岐したり、一本あたりの溝の断面積が入口から出口まで変化したりする場合には、酸化剤流路の入口の断面積(S0)は、酸化剤の入口における一本あたりの溝の断面積(S2)と、酸化剤の入口における溝の本数(N2)との積と一致する(S0=S2×N2)。すなわち、酸化剤流路の入口の断面積は、溝の深さ、幅もしくは本数を変化させることにより、調整することができる。
酸化剤流路の入口の断面積は、少なくとも一方の端部のセルにおいて他のセルにおける酸化剤流路の入口の断面積より大きくなっているか、端部から中心に向かって平均的に漸減していればよい。また、両端部のセルにおいて、酸化剤流路の入口の断面積が最大であり、中央部もしくは中央付近のセルにおいて、最小であることが好ましい。
本発明は、酸化剤が流路を通過する際の圧力損失が低く、酸化剤供給装置の吐出圧力が小さく、流路の入口と出口との圧力差が小さいタイプの燃料電池スタックにおいて、特に有効である。なぜなら、流路の入口と出口との圧力差が大きく、酸化剤供給装置の吐出圧力が高いタイプの燃料電池スタックの場合、流路の入口の断面積が大きなセルでは、著しく酸化剤流量が増加するため、逆にセル間に流量の不均衡が生じる可能性があるためである。従って、本発明の燃料電池スタックにおいて、酸化剤流路の圧力損失は、燃料電池スタックの大きさにもよるが、約10kPa以下であることが好ましい。また、本発明の燃料電池スタックでは、特に限定されないが、ファンなどを空気供給装置として用いることが好ましい。
(ii)本発明は、また、セパレータを介して積層された3つ以上の平板状のセルを含む燃料電池スタックであって、前記セルは、アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードに挟持された電解質膜とを含み、かつ前記カソードに隣接するセパレータに形成された酸化剤流路を有し、前記アノードおよび前記カソードは、それぞれ、前記電解質膜に接する触媒層と、拡散層とを含み、前記カソードの触媒層の面積は、前記スタックの端部に配置された少なくとも一方のセルで最大である燃料電池スタックに関する。
ここでは、酸化剤流量が少ないため、もしくは温度が低いために、フラッディング現象が発生しやすいセルでは、カソードの触媒層の面積を相対的に大きくし、フラッディング現象の発生しにくいセルでは、カソードの触媒層の面積を相対的に小さくする。これにより、直列に接続された複数のセルにおいて、触媒層の面積を大きくしたセルでは、電流密度が低くなり、触媒層の面積を小さくしたセルでは、電流密度が高くなる。その結果、フラッディング現象のばらつきが抑制され、各セルに流れる電流のばらつきも同時に抑制される。
反応式(2)からわかるように、カソードで生成する水量は、発電電流に比例する。従って、カソードの面積を大きくしたセルでは、カソードでの単位面積あたりの水生成量が低くなる。そのため、酸化剤供給量が相対的に少なくても、あるいは温度が相対的に低くても、水が凝集しにくくなり、フラッディング現象が発生しにくくなる。よって、フラッディング現象により、一部のセルの電圧が低下したり、セルが転極したりして、スタック全体の出力が低下することを防止できる。
カソードの触媒層の面積は、少なくとも一方の端部のセルにおいて他のセルにおけるカソードの触媒層の面積より大きくなっているか、端部から中心に向かって平均的に漸減していればよい。また、両端部のセルにおいて、カソードの触媒層の面積が最大であり、中央部もしくは中央付近のセルにおいて、最小であることが好ましい。
(iii)本発明は、また、セパレータを介して積層された3つ以上の平板状のセルを含む直接燃料酸化型の燃料電池スタックであって、前記セルは、アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードに挟持された電解質膜とを含み、かつ前記カソードに隣接するセパレータに形成された酸化剤流路を有し、前記アノードおよび前記カソードは、それぞれ、前記電解質膜に接する触媒層と、拡散層とを含み、前記電解質膜の厚みは、前記スタックの端部に配置された少なくとも一方のセルで最大である燃料電池スタックに関する。
ここでは、3つ以上の平板状のセルを積層してDMFCなどの直接燃料酸化型燃料電池のスタックを構成する場合に、相対的に燃料のクロスオーバー量が多くなりがちなセルでは、電解質膜の厚みを厚くし、相対的にクロスオーバー量が少なくなりがちなセルでは、電解質膜の厚みを薄くする。電解質膜を厚くしたセルでは、クロスオーバーによるカソードへの水の移動量が減少するため、酸化剤供給量が相対的に少なくても、あるいは温度が相対的に低くても、フラッディング現象が発生しにくくなる。よって、フラッディング現象により、一部のセルの電圧が低下したり、セルが転極したりして、スタック全体の出力が低下することを防止できる。
電解質膜の厚みは、少なくとも一方の端部のセルにおいて他のセルにおける電解質膜の厚みより大きくなっているか、端部から中心に向かって平均的に漸減していればよい。また、両端部のセルにおいて、電解質膜の厚みが最大であり、中央部もしくは中央付近のセルにおいて、最小であることが好ましい。
(iv)本発明は、また、セパレータを介して積層された3つ以上の平板状のセルを含む燃料電池スタックであって、前記セルは、アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードに挟持された電解質膜とを含み、かつ前記カソードに隣接するセパレータに形成された酸化剤流路を有し、前記アノードおよび前記カソードは、それぞれ、前記電解質膜に接する触媒層と、拡散層とを含み、前記カソードおよび酸化剤流路の組み合わせには、撥水剤が含まれており、前記撥水剤の量は、前記スタックの端部に配置された少なくとも一方のセルで最大である燃料電池スタックに関する。
ここでは、酸化剤流量が少ないため、もしくは温度が低いために、フラッディング現象が発生しやすいセルでは、カソードおよび酸化剤流路の組み合わせに含まれる撥水剤の量を相対的に多くし、フラッディング現象の発生しにくいセルでは、カソードおよび酸化剤流路の組み合わせに含まれる撥水剤の量を相対的に少なくする。
カソードおよび酸化剤流路の組み合わせに含まれる撥水剤には、触媒層(例えば触媒と電解質との混合物)に任意に混合される撥水剤、拡散層(例えばカーボンペーパーやカーボンクロス)に任意に含ませる撥水剤、拡散層や触媒層に任意に塗布もしくは吹き付けることにより形成されるコーティング層に含まれる撥水剤、酸化剤流路を形成するセパレータの溝に任意に付着させる撥水剤などが全て含まれる。
カソードに含まれる撥水剤の量を多くすると、触媒層や拡散層の表面や細孔に水が定着するのを防止する効果が高まる。また、酸化剤流路に含まれる撥水剤の量を多くすると、酸化剤流路で水が滞留するのを防止する効果が高まる。よって、水の定着や滞留によるガス拡散の阻害が抑制され、水蒸気の排出が促進され、フラッディング現象を抑制できる。すなわち、酸化剤供給量が相対的に少なくても、あるいは温度が相対的に低くても、フラッディング現象が発生しにくくなる。よって、フラッディング現象により、一部のセルの電圧が低下したり、セルが転極したりして、スタック全体の出力が低下することを防止できる。
カソードおよび酸化剤流路の組み合わせに含まれる撥水剤の量は、少なくとも一方の端部のセルにおいて、他のセルにおけるカソードおよび酸化剤流路の組み合わせに含まれる撥水剤の量より大きくなっているか、端部から中心に向かって平均的に漸減していればよい。また、両端部のセルにおいて、カソードおよび酸化剤流路の組み合わせに含まれる撥水剤の量が最大であり、中央部もしくは中央付近のセルにおいて、最小であることが好ましい。
以上のように、本発明によれば、セル間で酸化剤供給量や温度がばらつく場合でも、酸化剤供給量が相対的に少なく、あるいは温度が相対的に低いセルにおいて、カソードのフラッディング現象や酸化剤流路の閉塞を抑制することができる。これにより、セル毎の発電性能のばらつきが抑えられ、高出力で安定した発電が可能な燃料電池スタックを提供できる。
第1実施形態
図1は、本実施形態に係る燃料電池スタック10の空気の流れ方向に対して垂直な断面模式図である。図2は、燃料電池スタック10と、空気供給装置21と、空気導入ダクト22との位置関係を示す断面図であり、燃料電池スタックの断面は、空気の流れ方向に対して平行である。ここでは、1つの空気供給装置21と、1つの燃料電池スタック10の空気流路の入口とが、空気導入ダクト22により連結されている。空気導入ダクト22の断面は、燃料電池スタック10に近づくに従って大きくなっているが、ダクトの形状はこれに限定されるものではない。
燃料電池スタック10は、膜電極複合体(MEA)11と、その両側にそれぞれ配置されたセパレータとの積層体である。MEA11の周縁部には、絶縁性を有するガスケット13が配されている。ガスケット13は、互いに隣接するセル同士が短絡するのを防止するとともに、燃料および空気の漏出を防止している。燃料電池スタック10の場合、積層された9個のセルを有する。各セルは、MEA11とその両側に配置された燃料流路14および酸化剤流路15を有する。
MEA11は、図3に示すように、触媒層31aと拡散層32aとを含むアノード34、触媒層31bと拡散層32bとを含むカソード35、アノード34とカソード35で挟持された電解質膜33を有する。電解質膜33には、固体高分子電解質、例えばNafion(登録商標)を代表とするパーフルオロカーボンスルホン酸が好ましく用いられるが、有機無機複合電解質も用いられる。有機無機複合電解質は、特に限定されないが、例えばシリカや酸化タングステンなどと有機物との複合体などが挙げられる。アノード34の拡散層32aは、基材36aとその触媒層側表面のコーティング層37aからなり、カソード35の拡散層32bは、基材36bとその触媒層側表面のコーティング層37bからなる。なお、触媒層31aと31bの組成は同じでもよく、異なってもよい。また、拡散層32aと32bの構成は同じでもよく、異なってもよい。
燃料電池スタック10の一方の端部には、酸化剤流路15だけを片面に有するセパレータ12aが配置されており、酸化剤流路15は、MEA11のカソード35と隣接している。燃料電池スタック10の他方の端部には、燃料流路14だけを片面に有するセパレータ12bが配置されており、燃料流路14は、MEA11のアノード34と隣接している。2つのMEA11で挟持された他のセパレータ12は、一方の面に燃料流路14を有し、他方の面に酸化剤流路15を有しており、燃料流路14はMEA11のアノード34に隣接し、酸化剤流路15はMEA11のカソード35に隣接している。
図2において、燃料電池スタック10に比べて、空気供給装置21のサイズは小さく、空気導入ダクト22の断面は、燃料電池スタック10に近づくに従って大きくなっている。よって、空気供給装置21を燃料電池スタック10の高さの中央に配置する場合、空気の風速や流れの状態にもよるが、空気導入ダクト22の壁面に近いセルに送られる空気ほど、その壁面から受ける摩擦力が大きくなる。そのため、空気供給装置21から送風される空気流量は、燃料電池スタック10の両端部で最小となり、中央のセル(すなわち端部から数えて5番目のセル)で最大となることが多い。
省電力化、低騒音化、機器の小型化等を重視する観点からは、空気供給装置21として、非容積式の遠心ファンや軸流ファンなどを用いることが望まれる。しかし、非容積式の空気供給装置は、大きな流量が得られる反面、吐出圧力が小さいため、セル毎の空気流量のばらつきが大きくなる。空気供給装置21が、比較的高い吐出圧力を有する容積式ポンプであれば、酸化剤流路の入口と出口における圧力差、すなわち空気を酸化剤流路に送り込む推進力がセル間で均一になり易い。よって、セル毎の空気流量のばらつきは抑制しやすい。しかし、省電力化、低騒音化、機器の小型化等を重視する場合には、容積式ポンプの使用は困難である。
また、燃料電池スタック10において、発電によってセル内で発生する熱は、両端部に位置するセパレータ12a、12bを伝導して放出されやすいため、端部のセルほど放熱されやすく、相対的に温度が低くなる傾向にある。
そこで、燃料電池スタック10においては、空気供給量が相対的に少なく、温度が低くなりやすい両端部のセルで、酸化剤流路の入口の断面積を大きくし、酸化剤供給量が相対的に多く、温度が低下しにくい中央のセルで、酸化剤流路の入口の断面積を小さくしている。酸化剤流路の入口の断面積が大きいほど、流路内の空気の流通性が良好となり、水蒸気も拡散も容易となる。その結果、発生した水のうちの水蒸気として存在する割合が高くなり、液体の水がセル内に滞留しにくくなる。よって、フラッディング現象により、一部のセルの電圧が低下したり、セルが転極したりして、スタック全体の出力が低下することを防止できる。また、酸化剤流路の入口の断面積が大きいほど、空気と流路表面との摩擦による圧力損失も減少するため、空気を流路内に供給するためのポンプの小型化および省電力化も容易となる。
酸化剤流路の入口の断面積をセル毎に変化させる場合、どのような方法で変化させてもよいが、例えば、流路の高さ、幅、間隔(本数)のいずれかを、適正範囲内で変化させる方法を挙げることができる。燃料電池スタック10の場合、酸化剤流路15は、セパレータの表面に形成された複数の直線状の平行溝で構成されており、溝はセパレータの一方の端面から他方の端面まで形成されている。溝の本数は、両端部のセルで最大(13本)であり、中心のセルで最小(9本)であり、溝の断面積はいずれも等しく、入口から出口まで変化していない。
図1では、酸化剤流路15の入口の断面積は、端部のセルにおいて最大であり、中央部に向かって漸次減少しているが、必ずしもセル毎に変化する必要はない。例えば、スタックを複数セルからなるブロックに区切り、ブロック毎に漸次減少させてもよい。また、端部のセルにおける酸化剤流路の入口の断面積だけを、他のセルにおける酸化剤流路の入口の断面積より大きくするだけでもよい。
なお、酸化剤流路の形状もしくはパターンは、特に限定されないが、カソード表面に均一に空気を供給できる形状であることが望ましい。好ましい流路形状として、例えば、途中で分岐しない一本の蛇行させた溝からなるサーペンタイン型流路が挙げられる。また、複数の直線状の平行溝で構成された平行流型流路は、作製が容易であり、圧力損失をサーペンタイン型流路に比べて著しく低減できるという利点を有する点で好ましい。サーペンタイン型流路を採用する場合には、圧力損失が大きくなるため、ポンプの吐出圧力を大きくする必要があり、ポンプが大型化したり、騒音が大きくなったりする可能性がある。小型の燃料電池スタックにおいては、平行流型流路が好適である。
燃料をアノードに供給する方式は、特に限定されず、図1、2のように、セパレータの表面に形成された燃料流路を利用するものに限定されない。例えば、不織布などをアノードとセパレータとの間に介在させ、毛管浸透現象を利用して、燃料をアノードに供給してもよい。また、アノードに均一に燃料を吹き付けるスプレー方式でもよい。
セパレータには、腐食されにくく、かつ電子伝導性の高いカーボン板が使用されることが多いが特に限定されない。酸化剤流路は、例えば、カーボン板などからなるセパレータの表面を切削して溝を掘り込むことにより形成される。ただし、流路の形成方法はこれに限定されず、どのような方法で形成してもよい。例えば様々な成形法(moldingもしくはcasting)により、流路を有するセパレータを成形したり、平坦な板の表面にリブを貼り付けて流路を形成してもよい。
触媒層31a、bには、白金に代表される貴金属触媒とNafion(登録商標)に代表される高分子電解質との混合物が好ましく用いられる。貴金属触媒は、その表面積を大きくする観点から、微粒子状にしたり、炭素粒子や酸化物に担持させたりして用いられる。触媒層は、例えば、貴金属触媒を担持した炭素粒子と高分子電解質との混合物をペースト状にして電解質膜の表面に定着させることにより形成される。カソード側の触媒としては、白金が好ましく用いられる。アノード側の触媒としては、燃料中に含まれる一酸化炭素やメタノールの酸化過程で生成する一酸化炭素による活性点の被毒を低減するために、白金ルテニウム合金などが好ましく用いられる。フラッディング現象を抑制するために、特にカソード側の触媒層には、撥水剤を混合させることが好ましい。撥水剤には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素樹脂が好ましく用いられる。
アノードやカソードの拡散層を構成する基材36a、bには、カーボンペーパーやカーボンクロスが好適に用いられる。これらの基材は多孔質であり、そのマトリックス中に撥水剤が含まれるように撥水処理を施すことが好ましい。撥水処理では、例えばPTFEやテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などの撥水剤と界面活性剤を含むディスパージョンに基材を浸漬し、乾燥させ、その後、基材を焼成する。コーティング層37a、bは、例えば、撥水処理された基材の触媒層側表面に、炭素粒子とPTFEなどの撥水剤との混合物をスプレー法やドクターブレード法によってコーティングして形成する。
第2実施形態
本実施形態の燃料電池スタックは、酸化剤流路の入口の断面積をスタックの端部に配置されたセルで最大とする代わりに、カソードの触媒層の面積をスタックの端部に配置されたセルで最大とすること以外、第1実施形態と同様の構造を有する。
図4は、本実施形態に係る燃料電池スタック40の空気の流れ方向に対して垂直な断面模式図である。燃料電池スタック40は、膜電極複合体(MEA)41と、その両側にそれぞれ配置されたセパレータとの積層体である。MEA41の周縁部には、絶縁性を有するガスケット43が配されている。燃料電池スタック40の場合、積層された9個のセルを有する。各セルは、MEA41とその両側に配置された燃料流路44および酸化剤流路45を有する。MEA41の構造は、第1実施形態と同様である。
燃料電池スタック40の一方の端部には、酸化剤流路45だけを片面に有するセパレータ42aが配置されており、酸化剤流路45は、MEA41のカソードと隣接している。燃料電池スタック40の他方の端部には、燃料流路44だけを片面に有するセパレータ42bが配置されており、燃料流路44は、MEA41のアノードと隣接している。2つのMEA41で挟持された他のセパレータ42は、一方の面に燃料流路44を有し、他方の面に酸化剤流路45を有しており、燃料流路44はMEA41のアノードに隣接し、酸化剤流路45はMEA41のカソードに隣接している。
燃料電池スタック40では、MEA41のサイズが、スタック40の両端部に配置されたセルで最大であり、スタック40の中央のセル(すなわち端部から数えて5番目のセル)で最小となっている。MEA41のサイズは、カソードの触媒層の面積に比例させてある。よって、空気供給量が少なく、温度も低くなりやすい端部のセルであっても、中央部のセルに比べて、電流密度が低くなり、フラッディング現象が抑制される。その結果、セル間に流れる電流のばらつきも抑制される。
電解質膜の面積を一定にしてカソードの触媒層の面積だけをセル毎に変化させる場合、アノードの触媒層の面積がカソードの触媒層の面積よりも小さい場合は、アノードの触媒層が対向しないカソードの触媒層部分の反応効率が他の部分に比べて低下する。アノードの触媒層の面積がカソードの触媒層の面積より大きい場合にも同様の傾向がある。よって、特に限定されないが、カソードの触媒層の面積に応じて、アノードの触媒層の面積も変化させることが望ましい。
カソードの触媒層の面積を変化させる場合、主要な酸化剤流路の方向に対して平行方向において触媒層の幅を変化させてもよく、垂直方向において変化させてもよく、両方向において変化させてもよい。ただし、特に触媒層の面積の小さなセルにおいて、カソードへの空気の供給と生成水の排除を速やかに行う観点からは、主要な酸化剤流路を流れる空気とカソードとの接触面積を、できるだけ大きくすることが望ましい。よって、触媒層の幅は、主要な酸化剤流路の方向に対して平行方向において、できるだけ大きくすることが好ましい。
図4では、MEA41のカソード触媒層の面積は、端部のセルにおいて最大であり、中央部に向かって漸次減少しているが、必ずしもセル毎に変化する必要はない。例えば、スタックを複数セルからなるブロックに区切り、ブロック毎に漸次減少させてもよい。また、端部のセルにおけるMEAのカソード触媒層の面積だけを、他のセルにおけるMEAの面積より大きくするだけでもよい。
第3実施形態
本実施形態の燃料電池スタックは、酸化剤流路の入口の断面積をスタックの端部に配置されたセルで最大とする代わりに、電解質膜の厚みをスタックの端部に配置されたセルで最大とすること以外、第1実施形態と同様の構造を有する。セパレータを介して積層された3つ以上のセルを含む燃料電池スタックでDMFCを構成する場合、クロスオーバー現象によるメタノールや水の移動を考慮して設計することが重要である。
まず、クロスオーバー現象によるメタノールの移動について説明する。
メタノールの移動は、主にメタノールの濃度拡散とプロトンの電気化学的移動の2つが原因で起こると考えられている。前者は電解質膜とアノードとの界面および電解質膜とカソードとの界面におけるメタノール濃度差に基づく拡散現象である。後者は発電時の電解質膜中のプロトン移動によって起こる電気泳動もしくは電気浸透現象である。
濃度拡散現象は、アノードに供給されるメタノール水溶液の濃度に大きく依存するが、通常は電流密度を大きくすると、アノードと電解質膜との界面におけるメタノール濃度が低下するため、電流密度とは負の相関にある。また、電極内でのメタノールの拡散速度などにも依存する。一方、電気化学的移動現象は、電流密度を大きくすると、プロトンの移動量が増加するため、電流密度とは正の相関を示す。ただし、電流密度が大きくなると、上記のようにアノードと電解質膜との界面におけるメタノール濃度が低下するため、一定の電流密度を超えると負の相関に転換することがある。一般的には、濃度拡散現象の方がクロスオーバー現象に大きく影響する。
クロスオーバーによるメタノールの移動量は、上記のように、主に濃度勾配の影響を受けるため、一般的には電解質膜の厚みに反比例することが知られている。膜の厚みが増加すると、アノードとカソードとの距離が増加して、濃度勾配の傾きが減少するからである。
次に、クロスオーバー現象による水の移動について説明する。
メタノール水溶液の濃度が高い場合、アノードに存在する水量は少なく、発電またはクロスオーバーしたメタノールの酸化によりカソードで生成する水量は多くなる。カソードで生成する水量が著しく増加すると、水濃度のバランスが逆転して、カソードからアノードへと水が逆拡散することも知られている。しかし、通常は、水の移動量は、水の濃度拡散よりも、電気化学的移動に大きく依存すると考えられる。
水の電気化学的移動は、電界の影響を受ける。また、電界の大きさは、電解質膜の厚み、すなわち電極間距離により変化する。よって、電解質膜の厚みを変化させることで、水の移動量も変化する。電解質膜の厚みと水の移動量との間には負の相関がある。
以上より、クロスオーバー現象によるメタノールや水の移動は、電解質膜の厚みにより、ある程度制御できることがわかる。しかし、全てのセルの電解質膜を厚くすると不利益が生じる。電解質膜が厚いと、プロトン伝導に対する抵抗が増加することになり、発電時のオーミックな過電圧を増加させ、発電特性を低下させることになる。このような不利益を抑制するために、本発明では、電解質膜の厚みをセル毎に変化させている。すなわち、フラッディング現象が発生しやすく、クロスオーバー現象の抑制が重要となるスタック両端部のセルでは、他のセルよりも電解質膜を厚くしている。これにより、酸化剤供給量が相対的に少なくなりやすく、温度が相対的に低くなりやすい両端部のセルでは、クロスオーバー現象によるメタノールや水の移動量が少なくなり、燃料電池スタック全体の性能低下を効果的に抑制することが可能となる。
例えば、電解質膜の厚みを、燃料電池スタックの両端部のセルにおいて最大とし、中央部に向かって漸次減少させ、中央部のセルで最小にすることが好ましい。電解質膜の厚みは、必ずしもセル毎に変化する必要はなく、例えばスタックを複数セルからなるブロックに区切り、ブロック毎に電解質膜の厚みを漸次減少させてもよい。また、端部のセルにおける電解質膜の厚みだけを、他のセルにおける電解質膜の厚みより大きくするだけでもよい。
第4実施形態
本実施形態の燃料電池スタックは、酸化剤流路の入口の断面積をスタックの端部に配置されたセルで最大とする代わりに、カソードおよび酸化剤流路の組み合わせに含まれる撥水剤の量をスタックの端部に配置されたセルで最大とすること以外、第1実施形態と同様の構造を有する。
フラッディング現象は、カソードで生成した水、およびアノードからクロスオーバーによりカソードに移動する水によって、カソードの触媒層および拡散層もしくはカソードに隣接する酸化剤流路に水滴が滞留し、空気の拡散が妨げられたり、有効な触媒活性点が減少したりする現象である。フラッディング現象の抑制には、カソードの触媒層および拡散層に撥水剤を含ませ、カソード内の水の排出を促進することが有効である。
しかし、通常、撥水剤として用いられるPTFEやFEPといった物質は、その使用量が多くなると、電極反応、プロトンもしくは電子の移動、ガス拡散等を阻害する。このような不利益を抑制するために、本発明では、カソードおよび酸化剤流路の組み合わせに含まれる撥水剤の量をセル毎に変化させている。すなわち、全てのセルに含まれる撥水剤の含有量を一様に多くするのではなく、全体のバランスを考慮して撥水剤の含有量をセル毎に調整している。
具体的には、フラッディング現象が発生しやすく、クロスオーバー現象の抑制が重要となるスタック両端部のセルでは、他のセルよりもカソードおよび酸化剤流路の組み合わせに含まれる撥水剤の量を多くしている。これにより、酸化剤供給量が相対的に少なくなりやすく、温度が相対的に低くなりやすい両端部のセルでは、フラッディング現象が抑制され、燃料電池スタック全体の性能低下を効果的に抑制することが可能となる。
例えば、カソードおよび酸化剤流路の組み合わせに含まれる撥水剤の量を、燃料電池スタックの両端部のセルにおいて最大とし、中央部に向かって漸次減少させ、中央部もしくは中央部付近のセルで最小にすることが好ましい。カソードおよび酸化剤流路の組み合わせに含まれる撥水剤の量は、必ずしもセル毎に変化する必要はなく、例えばスタックを複数セルからなるブロックに区切り、ブロック毎に撥水剤の量を漸次減少させてもよい。また、端部のセルにおける撥水剤の量だけを、他のセルにおける撥水剤の量より大きくするだけでもよい。
撥水剤は、カソードだけに付与してもよく、酸化剤流路だけに付与してもよく、カソードおよび酸化剤流路の両方に付与してもよい。カソードに撥水剤を付与する場合、触媒層だけに付与してもよく、拡散層だけに付与してもよく、触媒層および拡散層の両方に付与してもよい。また、拡散層や触媒層に任意に塗布もしくは吹き付けることにより形成されるコーティング層に撥水剤を含ませてもよい。
例えば、触媒層に撥水剤を含ませる場合には、貴金属触媒を担持した炭素粒子と高分子電解質との混合物に、PTFE粉末を混合してペースト状にし、得られたペーストを用いて各セルのアノードもしくはカソードを作製する。その際、セル毎に、ペーストに含ませるPTFE粉末の量を変化させる。また、拡散層に撥水剤を含ませる場合には、基材となるカーボンペーパーやカーボンクロスを、PTFEやFEPの分散液中に浸漬し、乾燥後、焼成する。その際、セル毎に、使用する分散液に含まれるPTFEやFEPの量を変化させる。また、コーティング層に撥水剤を含ませる場合には、撥水剤の分散液と炭素粒子とを混合してペーストを調製し、得られたペースト基材に塗布し、乾燥後、焼成する。その際、セル毎に、ペーストに含まれる撥水剤の量を変化させる。
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、以下の実施例は本発明を限定するものではない。
《実施例1》
第1実施形態に係る燃料電池スタックの一例として、図1に示したのと同じ構造を有し、燃料としてメタノールを用いるDMFCの燃料電池スタックについて説明する。
(i)膜電極複合体(MEA)の作製
平均一次粒子径30nmの導電性炭素粒子100重量部に、触媒として白金を50重量部を担持したものをカソードの触媒粒子に用い、同じ炭素粒子100重量部に、原子比Pt:Ru=1:1の白金−ルテニウム合金を50重量部担持したものをアノードの触媒粒子に用いた。高分子電解質である旭硝子(株)製のフレミオン(Flemion:登録商標)のエタノール溶液を水で希釈し、希釈液中に各触媒粒子を投入し、超音波分散機を用いて分散させ、脱泡して、アノード用触媒ペーストおよびカソード用触媒ペーストをそれぞれ作製した。ペースト中のFlemionの含有量は、固形分中、30重量%とした。
各触媒ペーストを、厚み50μmのポリプロピレンシート上に、バーコータを用いて塗布し、常温で1日放置して乾燥させた。Dupont社製のNafion(登録商標)117(高分子電解質膜:形状は一辺が12cmの正方形)の両面に、それぞれアノードの触媒を担持したポリプロピレンシートと、カソードの触媒を担持したポリプロピレンシートを配置し、ホットプレス機で各触媒を高分子電解質膜に熱転写させ、その後、ポリプロピレンシートを除去した。膜上に形成された触媒層の面積は、アノードおよびカソードの双方において25cm2とし、形状は一辺が5cmの正方形とした。
拡散層の基材には、東レ(株)製のカーボンペーパ(TGP−H−090)を使用し、ダイキン工業(株)製のFEPディスパージョン(ND−1)を所望の濃度に希釈した液に、1分間浸漬して引き上げた。その後、基材を100℃の熱風乾燥機中で乾燥させ、270℃の電気炉中で2時間焼成を行った。基材に付与された撥水剤(FEP)の含有量は全体の5重量%であった。
ダイキン工業(株)製のPTFEディスパージョン(D−1)に、アセチレンブラック粉末を投入し、超音波分散機で分散させ、得られた分散液を、減圧下で脱泡しながらダルトン式撹拌混合機で攪拌混合し、コーティング層のペーストを調製した。ペースト中の撥水剤の含有量は、固形分中、20重量%とした。このペーストをバーコータで撥水剤が付与されたカーボンペーパの基材の片面に塗布し、常温で乾燥後、270℃の電気炉中で2時間焼成を行った。撥水剤(FEPとPTFE)の含有量は、基材とコーティング層の総重量に対して3重量%であった。コーティング層を担持した基材は、触媒層と同じ大きさに打ち抜き、拡散層として用いた。2枚の拡散層で、両面にアノードの触媒層およびカソードの触媒層を担持した高分子電解質膜を挟持し、膜電極複合体(MEA)を得た。その際、拡散層のコーティング層をそれぞれの触媒層と対面させた。
(ii)セパレータの作製
厚み2mmの黒鉛板の表面に、切削によって、酸化剤流路もしくは燃料流路となる溝を形成することにより、10枚のセパレータを作製した。
酸化剤流路は、平行流型とし、複数の直線状の溝を平行に形成した。黒鉛板にマニホールド孔は形成せず、流路を構成する溝を黒鉛板の一方の端面から他方の端面まで形成した。空気は燃料電池スタックの一側面に隣接する空気導入ダクトから、直接、各酸化剤流路に送り込み、スタックの他側面から排出させることとした。酸化剤流路を構成する溝の断面は、高さ0.7mm、幅1mmの長方形で、全てのセパレータで一定とした。ただし、平行溝の間隔をセル毎に変化させることで、酸化剤流路の入口の断面積を変化させた。
燃料流路は、サーペンタイン型流路とし、流路の入口および出口と連通するマニホールド孔を黒鉛板に形成した。流路を構成する溝の断面は、幅および高さがともに1mmの正方形とした。燃料流路は、全てのセパレータで同一とした。
燃料電池スタックの両端部に配するセパレータは、それぞれ片面だけに酸化剤流路および燃料流路を形成した黒鉛板とした。残りの8枚のセパレータは、それぞれ一方の面に酸化剤流路を形成し、他方の面に燃料流路を形成した。
燃料電池スタックの一端部に配置される酸化剤流路だけを片面に有するセパレータおよびその端部から9番目の位置に配置されるセパレータでは、酸化剤流路の溝間隔を1.6mmとし、中央のセルに向かうにつれて、0.2mmずつ間隔を増加させた。よって、燃料電池スタックの中央部に配置されるセパレータでは、溝間隔は2.4mmであった。
正方形の電極の両端1mmを除く、幅48mm以内に、できる限り多くの溝を配置した結果、各セルに隣接する酸化剤流路の溝の本数は、両端部のセルから順次に30本、26本、24本、21本および20本となり、酸化剤流路の入口の断面積は、それぞれ21mm2、18.2mm2、16.8mm2、14.7mm2および14mm2となった。
(iii)燃料電池スタックの組立
両端部の2セル(1番目または9番目のセル)で酸化剤流路の入口の断面積が最大になり、中央部のセル(端部から5番目のセル)で最小になるように、MEAとセパレータとを交互に積層し、9セルのスタックを完成した。その際、MEAの周縁部に、燃料および空気の漏れを防止するシリコーンゴム製のシート状ガスケットを配してから、これをセパレータで挟持した。両端部のセパレータの外側には、金メッキを施した銅板からなる集電板を配置し、その外側に絶縁板を配置した。さらに、その外側にステンレス鋼製の圧迫板を配置し、これらでスタック全体を挟持し、8本の締結ボルトとナットとバネを用いて、スタック全体を積層方向に加圧して、燃料電池スタックを完成させた。これをスタックAとする。
《比較例1》
全てのセパレータに形成する酸化剤流路において、溝間隔を2.0mmとし、溝本数を24本としたこと以外、実施例1と同様にして、燃料電池スタックを作製した。酸化剤流路の入口の断面積は、全てのセルで16.8mm2となった。これをスタックRとする。
《実施例2》
第2実施形態に係る燃料電池スタックの一例として、図4に示したのと同じ構造を有し、燃料としてメタノールを用いるDMFCの燃料電池スタックについて説明する。
高分子電解質膜に転写する触媒層の大きさを変化させたこと以外、比較例1と同様にして、燃料電池スタックBを作製した。具体的には、酸化剤流路の方向に対して平行方向において触媒層の幅を50mmで固定し、酸化剤流路の方向に対して垂直方向において、触媒層の幅を変化させた。全てのセパレータの酸化剤流路は、比較例1と同様とした。
燃料電池スタックの一端部から1番目および9番目のセルでは、酸化剤流路の方向に対して垂直方向における触媒層の幅を5.6cmとし、中央部のセルに向かうにつれて、3mmずつ減少させ、中央部のセルでは4.4cmとした。これにより、触媒層の面積は、両端部のセルから中心部に向かって順次に28cm2、26.5cm2、25cm2、23.5cm2、22cm2となった。両端部のセルの電流密度は、中央部のセルの79%に減少することになる。なお、アノードの触媒層とカソードの触媒層の形状と大きさは、各MEAについて同一とした。
セパレータの酸化剤流路は、比較例1と同様に、酸化剤流路の入口の断面積が、全てのセルで16.8mm2となるようにした。
《実施例3》
第3実施形態に係る燃料電池スタックの一例として、燃料としてメタノールを用いるDMFCの燃料電池スタックについて説明する。
MEAに用いる高分子電解質膜の厚みを変化させたこと以外、比較例1と同様にして、燃料電池スタックCを作製した。
ただし、セル間で膜厚の差異が大きすぎると、発電性能のばらつきを助長することになる。そこで、できる限りセル間における膜厚の差異を小さくするために、複数の市販の電解質膜を単独で、もしくは組み合わせて用いた。市販されているNafion膜には、Nafion112、115および117の3種類があり、これらの厚みは、それぞれ50μm、125μmおよび175μmである。
2枚の電解質膜を組み合わせる場合、電解質膜の間に隙間ができないように水を塗布して重ねた後、ホットプレスにより膜同士を接合させた。ホットプレスは、MEAの作製の際と同様に行った。ホットプレスにより接合した直後では、元の膜厚の合計よりも薄くなることがあったが、水分を含ませると元の膜厚の合計と一致することが確認できた。
燃料電池スタックの一端部から1番目および9番目のセルでは、Nafion117と112を1枚ずつ用い、2番目および8番目のセルでは、Nafion112を4枚用い、3番目および7番目のセルでは、Nafion117を1枚用い、4番目および6番目のセルでは、Nafion112を3枚用い、中央部の5番目のセルでは、Nafion115を1枚用いた。よって、MEAの電解質膜の厚みは、両端部のセルから順に、225μm、200μm、175μm、150μmおよび125μmとなった。
セパレータの酸化剤流路は、比較例1と同様に、酸化剤流路の入口の断面積が、全てのセルで16.8mm2となるようにした。
《実施例4》
第4実施形態に係る燃料電池スタックの一例として、燃料としてメタノールを用いるDMFCの燃料電池スタックについて説明する。
カソードおよびアノードの拡散層に含まれる撥水剤の量を変化させたこと以外、比較例1と同様にして、以下の要領で、燃料電池スタックDを作製した。
まず、ダイキン工業(株)製のFEPディスパージョン(ND−1)を異なる量の水で希釈して、濃度の異なる5種類の分散液を調製した。次いで、拡散層の基材である東レ(株)製のカーボンペーパ(TGP−H−090)を、所定濃度に希釈したFEPディスパージョンに、1分間浸漬して引き上げた。その後、基材を100℃の熱風乾燥機中で乾燥させ、270℃の電気炉中で2時間焼成を行った。基材に付与された撥水剤(FEP)の含有量は、それぞれ全体中の11重量%、9重量%、7重量%、5重量%および3重量%。これらをそれぞれ基材α、β、γ、δおよびεとした。
次に、ダイキン工業(株)製のPTFEディスパージョン(D−1)と、アセチレンブラック粉末との混合比率を変化させたこと以外、実施例1と同様にして、コーティング層用の組成の異なる5種類のペーストを調製した。
こうして得られたペーストを、FEPの含有量が多い基材ほどPTFEの含有量が多くなるように、また、アセチレンブラックとPTFEとの総量が同じになるように基材α、β、γ、δおよびεの片面に塗布し、常温で乾燥後、270℃の電気炉中で2時間焼成を行った。その結果、撥水剤(FEPとPTFE)の含有量が、基材とコーティング層の総重量に対して、それぞれ7重量%、5重量%、3重量%、2重量%および1重量%%である拡散層α、β、γ、δおよびεが得られた。
燃料電池スタックの一端部から1番目および9番目のセルでは拡散層α、2番目および8番目のセルでは拡散層β、3番目および7番目のセルでは拡散層γ、4番目および6番目のセルでは拡散層δ、中央部の5番目のセルではεを用い、比較例1と同様にして9セルからなる燃料電池スタックを作製した。
セパレータの酸化剤流路は、比較例1と同様に、酸化剤流路の入口の断面積が、全てのセルで16.8mm2となるようにした。
[評価]
実施例1〜4および比較例1の燃料電池スタックについて、発電試験を行い、本発明の効果を確認した。
空気供給装置としては、ミネベア社製のシロッコファンを使用し、ファンの吹き出し口から燃料電池スタックの酸化剤流路の入口までの間を、断面が長方形であるポリプロピレン製の空気導入ダクトで繋いだ。発電試験は、温度25℃、湿度60%にコントロールされた雰囲気中で実施した。
各セルに送られる空気の流量は、各セルにおいて体積流量が1L/分となるように制御した。
燃料にはメタノールを用い、濃度1mol/Lのメタノール水溶液を、液体ポンプによって18ml/分の流量で燃料電池スタックのアノードに供給した。
発電試験では、スクリブナー社製の電子負荷装置890Bを使用し、定電圧制御で2.7Vに設定して、1時間連続運転させ、その時の出力の推移を計測した。9セルが均等な電圧で発電すれば、各セルとも0.3Vとなる設定である。各セルの電圧と温度を、データロガーを使用して1秒毎に記録した。発電試験における燃料電池スタックの出力の推移を図5に示す。
燃料電池スタックには、昇温用ヒーター等を搭載しなかったが、常温で発電を開始しても、燃料電池スタックは自己発熱し、全セルの平均値は60℃まで上昇した。このとき、実施例1の燃料電池スタックにおいては、中央部のセルで最も温度が高く、両端部のセルに向かうほど低くなっており、その差は時間的に変化するものの、常に5〜10℃の範囲にあった。
図5からわかるように、比較例1の燃料電池スタックRは、非常に短い時間に出力低下が起こり始めている。各セルの電圧を見ると、両端部のセルの電圧が出力の低下と同時に著しく低下していることがわかった。発電を中止すると、各セルは開回路電圧(OCV)に戻り、両端部以外のセル電圧は0.7Vに復帰したが、両端部のセルは復帰後の電圧が0.5Vと低かった。
燃料電池スタックRの酸化剤流路の内部をペンライトで光をあてて観察したところ、両端部に近いセルほど、流路の壁面と拡散層の表面に、多くの水滴が付着しており、水滴で完全に閉塞している流路が観察された。閉塞している流路の本数は、両端部のセルに近いほど多くなる傾向があった。そこで、エアガンを用いて全ての流路に高圧の空気を吹き付けて、水滴を除去したところ、両端部のセルのOCVが他のセルと同じレベルに復帰した。その後、発電を再開したところ、試験開始時と同等の出力が得られたが、最初の試験とほぼ同じ時間後には、再び出力が低下し始め、再現性が確認された。
以上のことから、燃料電池スタックの出力低下の要因は、カソードのフラッディングによることが明らかである。特に、両端部のセルで著しくフラッディングが起こりやすいことが出力低下の主要因である。発電停止後のOCVが低い原因も、フラッディングによって空気の拡散が阻害され、カソードにおける空気の活量が低下していることによるものと推定される。
一方、本発明の燃料電池スタックA、B、CおよびDでは、出力低下や出力のふらつきがほとんどなく、1時間安定して発電することができた。また、セル毎の電圧についても、一部のセルだけで著しく電圧が低下する現象は見られなかった。発電停止後のOCVは、全てのセルについて0.7Vとなった。酸化剤流路の内部を観察すると、いずれのセルにも、目立った水滴は見られなかった。
本発明の燃料電池スタックは、携帯用小型電子機器、例えば、携帯電話や携帯情報端末(PDA)、ノートPC、ビデオカメラ等の電源として有用である。また、電動スクータ用電源等の用途にも適用できる。
本発明の第1実施形態に係る燃料電池スタックの縦断面模式図である。 燃料電池スタックと空気供給装置と空気導入ダクトとの位置関係の一例を示す断面模式図である。 膜電極複合体(MEA)の断面模式図である。 本発明の第2実施形態に係る燃料電池スタックの縦断面模式図である。 本発明の燃料電池スタックの発電試験における出力の推移を示す図である。
符号の説明
10、40 燃料電池スタック
11、41 膜電極複合体(MEA)
12、42 2つのMEAで挟持されたセパレータ
12a、42a 酸化剤流路だけを片面に有するセパレータ
12b、42b 燃料流路だけを片面に有するセパレータ
13、43 ガスケット
14、44 燃料流路
15、45 酸化剤流路
21 空気供給装置
22 空気導入ダクト
31a、31b 触媒層
32a、32b 拡散層
33 電解質膜
34 アノード
35 カソード
36a、36b 基材
37a、37b コーティング層

Claims (4)

  1. セパレータを介して積層された3つ以上の平板状のセルを含む燃料電池スタックであって、
    前記セルは、アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードに挟持された電解質膜とを含み、かつ前記カソードに隣接するセパレータに形成された酸化剤流路を有し、
    前記アノードおよび前記カソードは、それぞれ、前記電解質膜に接する触媒層と、拡散層とを含み、
    前記酸化剤流路の入口の断面積は、前記スタックの端部に配置された少なくとも一方のセルで最大であることを特徴とする燃料電池スタック。
  2. セパレータを介して積層された3つ以上の平板状のセルを含む燃料電池スタックであって、
    前記セルは、アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードに挟持された電解質膜とを含み、かつ前記カソードに隣接するセパレータに形成された酸化剤流路を有し、
    前記アノードおよび前記カソードは、それぞれ、前記電解質膜に接する触媒層と、拡散層とを含み、
    前記カソードの触媒層の面積は、前記スタックの端部に配置された少なくとも一方のセルで最大であることを特徴とする燃料電池スタック。
  3. セパレータを介して積層された3つ以上の平板状のセルを含む直接燃料酸化型の燃料電池スタックであって、
    前記セルは、アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードに挟持された電解質膜とを含み、かつ前記カソードに隣接するセパレータに形成された酸化剤流路を有し、
    前記アノードおよび前記カソードは、それぞれ、前記電解質膜に接する触媒層と、拡散層とを含み、
    前記電解質膜の厚みは、前記スタックの端部に配置された少なくとも一方のセルで最大であることを特徴とする燃料電池スタック。
  4. セパレータを介して積層された3つ以上の平板状のセルを含む燃料電池スタックであって、
    前記セルは、アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードに挟持された電解質膜とを含み、かつ前記カソードに隣接するセパレータに形成された酸化剤流路を有し、
    前記アノードおよび前記カソードは、それぞれ、前記電解質膜に接する触媒層と、拡散層とを含み、
    前記カソードおよび酸化剤流路の組み合わせには、撥水剤が含まれており、前記撥水剤の量は、前記スタックの端部に配置された少なくとも一方のセルで最大であることを特徴とする燃料電池スタック。
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