JP5523633B2 - 直接酸化型燃料電池用膜電極接合体およびそれを用いた直接酸化型燃料電池 - Google Patents

直接酸化型燃料電池用膜電極接合体およびそれを用いた直接酸化型燃料電池 Download PDF

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Description

本発明は、アノードと、カソードと、これらの間に配置された電解質膜とを含む直接酸化型燃料電池用膜電極接合体に関し、特に、アノードおよびカソードに含まれる触媒層の改善に関する。
従来から、地球温暖化、大気汚染等の環境問題および資源枯渇の問題を解決し、持続可能な循環型社会を実現させる方策として、燃料電池を用いたエネルギーシステムが提案されている。
燃料電池には、工場、住宅等に設置する定置型や、自動車、携帯電子機器などの電源として用いられる非定置型などの形態がある。ガソリンエンジンを利用した発電機に比べて、燃料電池は動作音が静粛であり、大気汚染ガスの排出がない。そのため、災害時の非常用電源、レジャー用途の可搬型電源としても、燃料電池の早期実用化が期待されている。
なかでも、メタノール、ジメチルエーテル等の有機液体燃料を水素ガスに改質することなくアノードに供給する直接酸化型燃料電池が注目されている。有機液体燃料は理論エネルギー密度が高く、貯蔵が容易であることから、燃料電池システムを簡素化しやすい。
直接酸化型燃料電池は、一対のセパレータと、これらの間に配される膜電極接合体(MEA、Membrane Electrode Assembly)とを備える単位セルを有する。MEAは、電解質膜と、その両側にそれぞれ配置されたアノードおよびカソードとを含む。アノードおよびカソードは、それぞれ触媒層と拡散層とを含む。アノードには燃料および水が供給され、カソードには酸化剤(例えば酸素ガス、空気)が供給される。
例えば、燃料としてメタノールを用いる直接メタノール型燃料電池(DMFC、Direct Methanol Fuel Cell)の電極反応は、以下の反応式(1)および(2)で示される。
アノード:CH3OH+H2O→CO2+6H++6e- (1)
カソード:3/2O2+6H++6e-→3H2O (2)
アノードでは、メタノールと水が反応して、二酸化炭素、プロトンおよび電子が生成する。プロトンは、電解質膜を通過してカソードに到達し、電子は、外部回路を経由してカソードに到達する。カソードでは、酸素ガス、プロトンおよび電子が反応して、水が生成する。カソードに供給される酸素は、例えば大気中から取り入れられる。
しかし、DMFCなどの直接酸化型燃料電池の実用化には、例えば以下のような問題がある。
カソードで生成した水やアノードから電解質膜を通過した水は、発電時間の経過とともに、カソード触媒層の内部や、カソード触媒層とカソード拡散層との境界部分に液体の状態で蓄積する。水が過剰に蓄積すると、カソード触媒層における酸化剤の拡散性が低下して、カソード触媒層の濃度過電圧が増加する。これが主原因となって、DMFCの発電性能の初期劣化が生じると考えられる。
DMFCの初期劣化は、カソードにおける水の蓄積だけでなく、燃料であるメタノールが未反応のまま電解質膜を通過しカソードに達する現象であるメタノールクロスオーバー(以下、MCOと称す)の影響を受ける。カソード触媒層では、上記式(2)の反応のほかに、クロスオーバーしたメタノールの酸化反応が起こる。特に、高濃度メタノール水溶液を燃料とする場合には、発電時間の経過とともにMCO量が増加する傾向があるため、カソード活性化過電圧が増大しやすい。また、メタノールの酸化反応で発生する二酸化炭素により、酸化剤の拡散性がさらに低下し、発電性能が低下しやすい。
MCOが発生すると、高分子電解質がメタノールによって膨潤し、触媒層などの空隙率が小さくなる傾向がある。このような高分子電解質の膨潤による影響を小さくする観点から、アノード触媒層またはカソード触媒層の材料および構造について、以下のような提案がなされている。
特許文献1は、濃度が3mol/L以上であるメタノール水溶液を燃料とするDMFCにおいて、カソード触媒層の触媒担体に対する高分子電解質の重量割合を0.2〜0.55とし、カソード触媒層の乾燥状態の空隙率を50〜85%とすることを提案している。この提案は、MCOが発生してカソード触媒層の高分子電解質が大きく膨潤した場合でも、カソード触媒層の空隙率を確保することを意図している。カソード触媒層が十分な空隙率を有することにより、プロトン伝導性、酸化剤の拡散性および水の排出性がバランスよく向上し、優れた長期寿命特性が得られる。
特許文献2は、アノード触媒層の触媒粒子/高分子電解質の重量割合を3/1〜20/1の範囲とすることを提案している。この提案は、メタノールが酸化される過程で生成する一酸化炭素による触媒被毒を抑制して、耐久性を改善することを意図している。
一方、特許文献3は、アノード触媒層およびカソード触媒層の少なくとも一方を2層構造とし、拡散層側の触媒層の高分子電解質量を、電解質膜側の触媒層の高分子電解質量より多くすることを提案している。この提案は、触媒層のプロトン伝導性を改善して、電池出力を向上させることを意図している。
特開2010−244791号公報 特開2008−4402号公報 特開2009−238499号公報
DMFCの初期劣化はカソード側で発生するが、劣化にはカソード触媒層の組成だけでなく、アノード触媒層の組成や細孔構造が大きく関与する。アノード触媒層の燃料拡散性が不均一であったり、アノード側に空気が混入して、部分的に燃料が欠如している状態で、燃料電池の起動と停止とを繰り返し行ったりすると、アノード電位が局部的に上昇しやすい。その結果、アノード触媒であるルテニウム(Ru)が溶解し、電解質膜を通過して、カソード触媒層でRu酸化物が析出することが確認されている。Ru酸化物が過剰に析出すると、カソード触媒層に含まれる白金(Pt)の酸素還元性能が低下し、DMFCの劣化に繋がる。このような劣化を抑制する観点から、アノード触媒層およびカソード触媒層の両方の組成のバランスを制御することが重要である。
特許文献1〜3は、いずれもアノード触媒層に含まれる高分子電解質量と、カソード触媒層に含まれる高分子電解質量との相対的な関係に着目していないが、両者のバランスが崩れると、燃料電池の性能は低下する。例えば、アノード触媒層に含まれる高分子電解質の重量割合が小さいと、上記式(1)の電極反応が進行しにくくなり、メタノール消費量が減少し、MCO量が大きくなりやすい。MCO量が大きくなるほど、カソード触媒層の高分子電解質はメタノールで膨潤しやすくなる。したがって、膨潤によりカソードの空隙が減少し、酸化剤の拡散性が低下するなどして、燃料電池の発電性能が低下する。ここで、カソード触媒層に含まれる高分子電解質の重量割合が大きいと、メタノールによる膨潤の影響が大きくなり、燃料電池の発電性能や耐久性の低下が大きくなる。よって、アノード触媒層に含まれる高分子電解質の量に応じて、カソード触媒層に含まれる高分子電解質の量を増減させることが望まれる。
本発明は、優れた発電特性と耐久性とを両立した直接酸化型燃料電池用膜電極接合体および直接酸化型燃料電池を提供することを目的とする。
本発明の一局面に係る直接酸化型燃料電池用膜電極接合体は、アノードと、カソードと、アノードとカソードとの間に配置された電解質膜とを含む。アノードは、電解質膜の一方の主面に配置されたアノード触媒層と、アノード触媒層に積層されたアノード拡散層と、を含む。アノード触媒層は、第1導電性炭素粒子に担持されたアノード触媒と、第1高分子電解質と、を含む。カソードは、電解質膜の他方の主面に配置されたカソード触媒層と、カソード触媒層に積層されたカソード拡散層と、を含む。カソード触媒層は、第2導電性炭素粒子に担持されたカソード触媒と、第2高分子電解質と、を含む。アノード触媒層に含まれる第1高分子電解質の重量割合M1は、カソード触媒層に含まれる第2高分子電解質の重量割合M2より大きい。
また、本発明の他の一局面に係る直接酸化型燃料電池は、上記の膜電極接合体、アノードに接するアノード側セパレータ、およびカソードに接するカソード側セパレータを備える少なくとも1つの単位セルを有する。
本発明によれば、優れた発電特性と耐久性とを両立した直接酸化型燃料電池用膜電極接合体および直接酸化型燃料電池を提供することができる。本発明に係る直接酸化型燃料電池は、濃度の高いメタノール水溶液を燃料とする場合に特に有効である。
本発明の一実施形態に係る直接酸化型燃料電池に含まれる単位セルの構成を模式的に示す縦断面図である。 図1の直接酸化型燃料電池のアノード触媒層を模式的に示す縦断面図である。 パームポロメータによる制限細孔直径分布の測定の原理を説明するための模式図である。 制限細孔直径分布の測定の原理を説明するためのグラフである。 制限細孔直径分布の測定の原理を説明するためのグラフである。 パームポロメータにより測定された制限細孔直径分布を説明するためのグラフである。 アノード触媒層およびカソード触媒層を形成するために用いられるスプレー式塗布装置の構成の一例を示す模式図である。
本発明に係る直接酸化型燃料電池用膜電極接合体は、アノードと、カソードと、これらの間に配置された電解質膜とを含む。アノードは、電解質膜の一方の主面に配置されたアノード触媒層とアノード触媒層に積層されたアノード拡散層とを含む。アノード触媒層は、第1導電性炭素粒子に担持されたアノード触媒と第1高分子電解質とを含む。カソードは、電解質膜の他方の主面に配置されたカソード触媒層とカソード触媒層に積層されたカソード拡散層とを含む。カソード触媒層は、第2導電性炭素粒子に担持されたカソード触媒と第2高分子電解質とを含む。
触媒層に含まれる高分子電解質の重量割合が大きいと、触媒層のプロトン伝導性が向上する。また、導電性炭素粒子の微粒子化が促進され、電極反応面積が大きくなる。特にアノードでは、第1高分子電解質の重量割合が過剰に小さいと、電極反応におけるメタノール消費量が減少し、MCO量が大きくなりやすい。
一方、高分子電解質はメタノールのような液体燃料に膨潤しやすいため、高分子電解質の重量割合が過剰に大きいと、触媒層の空隙の減少に繋がる。特にカソードでは、MCO量が大きいほど触媒層の空隙の減少が大きくなる。触媒層の空隙が過剰に減少すると、酸化剤ガスの拡散性が低下し、発電性能が低下する。したがって、MCO量の増減、すなわちアノード触媒層に含まれる第1高分子電解質の重量割合に応じて、カソード触媒層に含まれる第2高分子電解質の重量割合を増減させることが望ましい。
そこで、本発明においては、アノード触媒層に含まれる第1高分子電解質の重量割合M1をカソード触媒層に含まれる第2高分子電解質の重量割合M2よりも大きくしている。これにより、アノード触媒層での電極反応においてメタノールが十分に消費され、さらに、カソード触媒層において、クロスオーバーしたメタノールによる第2高分子電解質の膨潤が抑制される。特に、アノード触媒量を少なくし、高濃度のメタノール水溶液を燃料とする形態の燃料電池では、MCO量が比較的大きくなる傾向にあるが、本発明によれば、このような形態においても第2高分子電解質の膨潤による空隙の減少を十分に抑制できるため、カソード触媒層での酸化剤の拡散性が良好であり、濃度過電圧が小さく、耐久性に優れた直接酸化型燃料電池が得られる。
ここで、アノード触媒層に含まれる第1高分子電解質の重量割合M1とは、第1導電性炭素粒子、アノード触媒および第1高分子電解質の重量の合計に占める第1高分子電解質の重量の割合である。M1は、例えば以下の方法で求められる。
任意の大きさ(例えば、1cm2)のアノード触媒層に王水を加えて加熱してアノード触媒層を溶解し、溶液を得る。ICP発光分光分析法を用いて、得られる溶液に含まれる各元素の重量を測定することで、M1を求めることができる。カソード触媒層に含まれる第2高分子電解質の重量割合M2とは、第2導電性炭素粒子、カソード触媒および第2高分子電解質の重量の合計に占める第2高分子電解質の重量の割合である。M2は、アノード触媒層の代わりに、任意の大きさのカソード触媒層を用いること以外、上記のM1と同様の方法で求められる。
1は、26〜35重量%であることが好ましい。このようなアノード触媒層は、第1高分子電解質の量が、アノード触媒や第1導電性炭素粒子の量に対して、相対的に大きいといえる。これにより、第1導電性炭素粒子の微粒子化が促進されて、電極反応面積を十分に確保できる。その結果、アノード触媒の量が比較的少なくても、アノード側の電極反応でメタノールが十分に消費され、MCO量を小さくできる。また、アノード触媒の電極反応面積を十分に確保できることで、局部的なアノード電位の上昇が緩和され、Ruの溶解を抑制できる。よって、カソード触媒層でのRu酸化物の析出が抑制され、カソード触媒であるPtの酸素還元性能の低下を抑制することができる。
1が26重量%よりも小さいと、アノード触媒の電極反応面積が不十分となり、カソード触媒層でのRu酸化物の析出量が増加することがある。一方、M1が35重量%よりも大きいと、第1高分子電解質の膨潤の影響が大きくなることがある。その結果、燃料の拡散性や二酸化炭素の排出性が低下することがある。MCO量を十分に低減し、Ru酸化物の析出を大きく抑制できることから、M1を28〜33重量%とすることがより好ましい。
2は、16〜22重量%であることが好ましい。M2が16重量%よりも小さいと、カソード触媒層のプロトン伝導性を十分に確保できないことがある。一方、M2が22重量%よりも大きいと、第2高分子電解質の膨潤の影響が大きくなることがある。その結果、酸化剤ガスの拡散性が低下することがある。プロトン伝導性と酸化剤ガスの拡散性をバランスよく両立させる観点から、M 2 は、17〜21重量%であることがより好ましい。
1とM2との差(M1−M2)は、4〜16重量%であることが好ましい。(M1−M2)が4重量%よりも小さいと、MCO量に対して、第2高分子電解質の量が過剰に大きくなり、カソードが膨潤しやすくなることがある。一方、(M1−M2)が16重量%よりも大きいと、M1が過剰に大きくなったり、M2が過剰に小さくなったりしてアノード触媒層とカソード触媒層の組成のバランスが崩れ、燃料電池の発電性能が低下する場合がある。
以下、本発明の一実施形態に係る直接酸化型燃料電池用膜電極接合体およびそれを用いた直接酸化型燃料電池を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る直接酸化型燃料電池に含まれる単位セルの構成を模式的に示す縦断面図である。
図1の単位セル1は、電解質膜10と、電解質膜10を挟むアノード11およびカソード12とからなる膜電極接合体(MEA)13、並びにMEA13を挟むアノード側セパレータ14およびカソード側セパレータ15を備える。
アノード11は、アノード触媒層16とアノード拡散層17を含む。アノード触媒層16は、電解質膜10に積層されており、アノード拡散層17はアノード触媒層16に積層されている。アノード拡散層17は、アノード側セパレータ14に接している。
カソード12は、カソード触媒層18とカソード拡散層19を含む。カソード触媒層18は、電解質膜10に積層されており、カソード拡散層19は、カソード触媒層18に積層されている。カソード拡散層19は、カソード側セパレータ15に接している。
アノード側セパレータ14は、アノード11と対向する面に、燃料を供給し、未使用燃料および反応生成物を排出する燃料流路20を有する。カソード側セパレータ15は、カソード12と対向する面に、酸化剤を供給し、未使用酸化剤および反応生成物を排出する酸化剤流路21を有する。酸化剤としては、酸素ガス、または酸素ガスを含む混合ガスが用いられる。混合ガスとしては、例えば空気を用いる。
アノード11の周囲には、アノード11を封止するように、アノード側ガスケット22が配置されている。同様に、カソード12の周囲には、カソード12を封止するように、カソード側ガスケット23が配置されている。アノード側ガスケット22とカソード側ガスケット23とは、電解質膜10を介して対向している。アノード側ガスケット22およびカソード側ガスケット23により、燃料、酸化剤、および反応生成物が外部へ漏洩することが防止される。
さらに、図1の単位セル1は、セパレータ14および15の両側に、それぞれ、集電板24および25、シート状のヒータ26および27、絶縁板28および29、ならびに端板30および31を有する。単位セル1は、締結手段(図示せず)により一体化されている。
アノード触媒層16は、アノード触媒を担持した第1導電性炭素粒子(触媒担体)と、第1高分子電解質とを主成分とする。アノード触媒としては、例えば、白金(Pt)−ルテニウム(Ru)微粒子を用いることができる。アノード触媒の平均粒径は、1〜3nmであることが好ましい。第1導電性炭素粒子としては、例えば、カーボンブラック等の当該分野で公知の材料を用いることができる。第1導電性炭素粒子の一次粒子の平均粒径は、10〜50nmであることが好ましい。
カソード触媒層18は、カソード触媒を担持した第2導電性炭素粒子(触媒担体)と、第2高分子電解質とを主成分とする。カソード触媒としては、例えば、白金(Pt)微粒子を用いることができる。カソード触媒の平均粒径は、1〜3nmであることが好ましい。第2導電性炭素粒子としては、例えば、カーボンブラック等の当該分野で公知の材料を用いることができる。第2導電性炭素粒子の一次粒子の平均粒径は、10〜50nmであることが好ましい。
第1高分子電解質および第2高分子電解質は、いずれもプロトン伝導性、耐熱性、化学的安定性、耐メタノール膨潤性等に優れていることが好ましい。
第1高分子電解質のイオン交換容量IEC1と第2高分子電解質のイオン交換容量IEC2との差|(IEC1)−(IEC2)|は、0.2meq/g以下であることが好ましい。イオン交換容量IECとは、乾燥状態にある高分子電解質1gに含まれるイオン交換基の量をミリ当量で表した数値である。
|(IEC1)−(IEC2)|を0.2meq/g以下とすることで、触媒層のプロトン伝導性を容易に制御できる。また、液体燃料による各触媒層の高分子電解質の膨潤を、高分子電解質量の重量割合によって容易に制御することができる。
IEC1およびIEC2は、それぞれ0.9〜1.1meq/gであることが好ましい。これにより、高分子電解質のプロトン伝導性とメタノール水溶液による膨潤性とを高いレベルで両立することができる。
第1高分子電解質および第2高分子電解質の少なくとも一方は、パーフルオロカーボンスルホン酸ポリマーであることが好ましい。このような高分子電解質は、優れた化学的安定性および電気化学的安定性を有するからである。より好ましくは、第1高分子電解質および第2高分子電解質の両方が、パーフルオロカーボンスルホン酸ポリマーであればよい。
アノード触媒層16の投影単位面積1cm2あたりのアノード触媒(Pt−Ru微粒子)の量は、1〜4mgであることであることが好ましく、2.5〜4mgであることがさらに好ましい。第1導電性炭素粒子は二次凝集体を形成するため、アノード触媒層16の多孔質化が促進される。さらに、本発明においては、第1高分子電解質の重量割合を第2高分子電解質の重量割合より大きくしているため、第1導電性炭素粒子の微粒子化が促進される。よって、アノード触媒の量を、アノード触媒層16の投影単位面積1cm2あたり、1〜4mgと比較的小さくしても、電極反応場である三相界面を十分に確保することができる。このため、アノード過電圧の増加を抑制することができる。
ここで、触媒層の投影単位面積とは、触媒層の主面を法線方向から見た場合の輪郭形状を用いて計算される面積のことである。例えば、法線方向から見た場合の触媒層の輪郭形状が矩形の場合には、投影単位面積は、(縦の長さ)×(横の長さ)により計算することができる。
アノード触媒層16は、電解質膜10と接する面からアノード拡散層17と接する面までを貫通する複数の貫通孔40を有することが好ましい。貫通孔40には、細孔径の最も小さい部分(狭窄部)40aが存在する。図2は、貫通孔40を有するアノード触媒層16に存在する狭窄部40aを模式的に示す縦断面図である。
このようなアノード触媒層は、例えば、固形分(第1導電性炭素粒子、これに担持されたアノード触媒、第1高分子電解質等)および所定の分散媒を含むアノード触媒インクを用いて作製できる。アノード触媒インクを電解質膜10の一方の主面に塗布し、乾燥させると、固形分が凝集し、凝集領域40bが形成される。この凝集領域40bにおいては、アノード触媒の粒子を担持した第1導電性炭素粒子同士が、第1高分子電解質により結着している。
凝集領域40bの間には、空隙が存在し、この空隙が、アノード触媒層16の電解質膜10側の面からアノード拡散層17側の面まで連続的に連通することにより、貫通孔40が形成される。なお、凝集領域40bのサイズが大きいほど、凝集領域40b間の空隙のサイズは大きくなる。
狭窄部40aの直径は、メタノールのような液体燃料の拡散性および反応生成物である二酸化炭素の排出性に大きく影響する。この狭窄部の直径の分布は、ハーフドライ/バブルポイント法(ASTM E1294−89およびF316−86)を用いた、多孔質材料用の自動細孔径分布測定システム(以下、パームポロメータと称す)により測定された制限細孔直径分布により求められる。ここで、制限細孔径とは、貫通孔の最小断面(狭窄部の断面)と同じ面積の円の直径のことをいう。
アノード触媒層16は、制限細孔直径分布において、制限細孔直径が0.5μm以下である累積割合が、10〜20%であることが好ましい。
上記のような構造を有するアノード触媒層は、二酸化炭素の排出性が低下しにくく、また、アノード触媒層に存在する微細な空隙領域に、液体燃料を均一に拡散させることができる。そのため、例えばアノード触媒の量を低減させた場合でも、電極反応場である三相界面を十分に確保することができる。その結果、アノード過電圧を低く維持することができる。
制限細孔直径が0.5μm以下である累積割合が10%未満の場合には、アノード触媒層の微細な空隙領域全体に液体燃料を均一に供給することが困難となるために、アノード触媒の量を低減させた場合に、発電特性がやや低下することがある。累積割合が20%を超えると、二酸化炭素の排出性が低下することがある。
そして、アノード触媒層は、制限細孔直径分布において、最大細孔直径が2〜3μmの範囲にあり、平均流量細孔直径が0.8〜1.2μmの範囲にある複数の貫通孔を有することが好ましい。
アノードにおける反応生成物である二酸化炭素は、最大細孔直径かそれに近い直径を有する貫通孔を選択的に透過する粘性流の挙動を示し、メタノールのような液体燃料は、それ以外の貫通孔を拡散流の挙動により透過すると考えられる。最大細孔直径は、二酸化炭素の排出性に関与する。また、平均流量細孔直径は、液体燃料の拡散性に関与するとともに、液体燃料がアノード触媒層に供給されることによる三相界面の形成にも関与する。
アノード触媒層の最大細孔直径が2μm未満であると、二酸化炭素の排出性が低下することがある。一方、最大細孔直径が3μmを超えると、二酸化炭素の排出性は向上するが、燃料がクロスオーバーしやすくなり、燃料利用率が低下することがある。さらには、カソードの電極電位が低下し、発電性能が低下することがある。
アノード触媒層の平均流量細孔直径が0.8μm未満であると、アノード触媒層に燃料を均一に供給させることが困難になることがある。一方、平均流量細孔直径が1.2μmを超えると、例えば高濃度の燃料を含む水溶液を使用する場合に、燃料のクロスオーバー量が増大し、発電領域の面内均一性が低下することがある。
アノード触媒層16の透気度は、0.05〜0.08L/(min・cm2・kPa)であることが好ましい。このような透気度を有するアノード触媒層は、二酸化炭素を選択的に排出することのできる経路を多く含む。よって、アノード触媒層16における液体燃料拡散性がさらに向上する。
アノード触媒層の貫通孔の制限細孔直径分布における最大細孔直径、平均流量細孔直径、0.5μm以下の制限細孔直径の累積割合および透気度はパームポロメータを用いて測定することができる。
測定用試料としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む多孔質膜にアノード触媒層を形成し、所定のサイズに打ち抜いたものを用いる。PTFE多孔質膜には、アノード触媒層自体の物性評価に影響を及ぼさない観点から、アノード触媒層に比べて透気度が1桁以上高く、さらに、アノード触媒インクがPTFE多孔質膜の内部に侵入しないことが、アノード触媒層自体の物性評価を行うために必要となる。
(最大細孔直径)
上記の測定用試料を、減圧環境下で、表面張力γが小さいSilwick試薬に60分間浸漬して、測定用試料の貫通孔にSilwick試薬を充填させる。
次に、Silwick試薬を充填した測定用試料を、パームポロメータに取り付ける。測定用試料に空気を供給し、空気圧力を連続的に増加させる。このとき、図4に示される、空気透過流量がゼロから増加し始める瞬間の圧力(バブルポイント圧力)P0を計測する。得られたP0値から、以下の式(1):
0=(C×γ)/P0 (1)
を用いて、アノード触媒層の貫通孔の最大細孔直径D0を算出できる。なお、式(1)において、γはSilwick試薬の表面張力(20.1mN/m)であり、Cは固有の比例定数(2.86)である。
(平均流量細孔直径)
最大細孔直径の測定と同様に、測定用試料の貫通孔にSilwick試薬を充填させる。
次に、最大細孔直径の測定と同様に測定用試料に空気を供給する。図3の(a)に示されるように、空気圧力がP0に達するまでは、Silwick試薬51は、貫通孔50から押し出されることはない(領域I)。空気圧力がP0以上となると、図3の(b)に示されるように、Silwick試薬51が貫通孔50から押し出されて、空気透過流量Lwが増加する。このとき、細孔直径の大きい貫通孔から順に、Silwick試薬が押し出される(領域II)。空気圧力をさらに増加させると、図3の(c)に示されるように、全ての貫通孔50から、Silwick試薬51が押し出される(領域III)。このようにして、図4に示される濡れ流量曲線Aを求める。本測定においては、空気透過流量が200L/minに到達するまで、空気圧力を増加させる。
次に、同じ測定用試料をそのまま用いて、空気圧力を連続的に増加させたときの空気透過流量Ldを測定する。この場合にも、空気透過流量が200L/minに到達するまで、空気圧力を増加させる。このようにして、図4に示される乾き流量曲線Bを求める。
そして、図4で示した濡れ流量曲線Aについて、以下の式(2):
D=(C×γ)/P (2)
を用いて、空気圧力Pを細孔直径Dに換算する。細孔直径Dに対して、Lw/Ldをプロットすることにより、図5に示すようなグラフを得る。Lw/Ldは所定の細孔直径Dにおける、乾き流量に対する濡れ流量の割合の積算値を示している。そして、図5に示すグラフにおいて、Lw/Ldが50%のときの細孔径が制限細孔直径分布における平均流量細孔直径D50である。なお、Lw/Ldが0%のときの細孔径が制限細孔直径分布における最大細孔直径D0である。このようにして求めた平均流量細孔直径D50は、アノード触媒層の貫通孔を透過する空気透過流量が、全空気透過流量の50%に到達する時点での貫通細孔径を意味する。なお、図5の積算値を示すグラフを細孔直径ごとの寄与度を示すグラフに換算することにより、例えば、図6のようなグラフが得られる。
(0.5μm以下の制限細孔直径の累積割合)
細孔直径Dと乾き流量に対する濡れ流量の割合の積算値であるLw/Ldとの関係を示した図5のグラフより、細孔直径Dが0.5μmとなる積算値Lw/Ldを求める。求めた積算値を全積算値100%から差し引くことにより、0.5μm以下の制限細孔直径の累積割合が求められる。
(透気度)
アノード触媒層16の透気度は、図4に示す乾き流量曲線Bの傾き(空気圧力に対する空気透過流量Ldの傾き)から求めることができる。
貫通孔を液体が透過する場合でも、気体が透過する場合でも、その透過量は、貫通孔の最も狭い部分の影響を受ける。よって、上記測定方法で得られる最大細孔直径、平均流量細孔直径、0.5μm以下の制限細孔直径の累積割合および透気度は、貫通孔の狭窄部の直径を反映している。
アノード触媒層16のプロトン伝導抵抗は、0.05〜0.25Ω・cm2であることが好ましい。これにより、アノード触媒の量を低減させた場合においても、アノード触媒層16の三相界面を十分に確保することができる。その結果、アノードの過電圧をさらに低く維持することができる。
アノード触媒層16の厚さは、20〜100μmであることが好ましく、40〜80μmであることがさらに好ましい。アノード触媒層16の厚さが20μmよりも薄いと、空隙率を十分に確保できないことがある。一方、厚さが100μmを超えると、アノード触媒層のプロトン伝導性および電子伝導性を維持できないことがある。
アノード触媒層16の厚さは、例えば、アノード触媒層16の縦断面を電子顕微鏡で観察することにより求められる。具体的には、電子顕微鏡により、アノード触媒層16の厚さを、例えば所定の10箇所で測定する。得られた値の平均値を、アノード触媒層16の厚さとすることができる。
アノード触媒層16の空隙率は、70〜85%であることが好ましい。アノード触媒層16の空隙率を70〜85%とすることにより、アノード触媒層16の内部に、燃料の拡散性と二酸化炭素の排出性に有効な流通経路を有する領域と、電子伝導性およびプロトン伝導性を担う領域とをともに確保することが可能となる。その結果、アノードの過電圧をさらに低く維持することができる。
アノード触媒層16の空隙率は、例えば、アノード触媒層16の所定の10箇所の断面を走査型電子顕微鏡により撮像し、その画像データを画像処理(二値化処理)することで求められる。
カソード触媒層は、上記のアノード触媒層と同様に、複数の貫通孔を有することが好ましい。貫通孔には、細孔径の最も小さい部分(狭窄部)が存在する。
このようなカソード触媒層は、例えば、固形分(第2導電性炭素粒子、これに担持されたカソード触媒、第2高分子電解質等)および所定の分散媒を含むカソード触媒インクを用いて作製できる。カソード触媒インクを電解質膜10の他方の主面に塗布し、乾燥させると、固形分が凝集し、凝集領域が形成される。この凝集領域においては、カソード触媒の粒子を担持した第2導電性炭素粒子同士が、第2高分子電解質により結着している。凝集領域の間には、アノード触媒層と同様の空隙が存在する。この空隙が、カソード触媒層の電解質膜側の面からカソード拡散層側の面まで連続的に連通することにより、貫通孔が形成される。
カソード触媒層の狭窄部の直径は、酸化剤の拡散性および排水性に大きく影響する。カソード触媒層の狭窄部の直径の分布は、測定用試料としてカソード触媒層を用い、アノード触媒層と同様の方法で測定すればよい。
カソード触媒層は、制限細孔直径分布において、制限細孔直径が0.5μm以下である累積割合が、2〜10%であることが好ましい。このような構造を有するカソード触媒層は、酸化剤の拡散性および排水性が低下しにくい。
カソード触媒層は、上記制限細孔直径分布において、最大細孔直径が2〜3μmの範囲にあり、平均流量細孔直径が0.8〜1.2μmの範囲にある複数の貫通孔を有することが好ましい。
カソードに蓄積された液体状の水は、最大細孔直径かそれに近い直径を有する貫通孔を選択的に透過する粘性流の挙動を示し、酸化剤は、それ以外の貫通孔を拡散流の挙動により透過すると考えられる。最大細孔直径は、排水性に関与する。また、平均流量細孔直径は、酸化剤の拡散性に関与するとともに、酸化剤がカソード触媒層に供給されることによる三相界面の形成にも関与する。
カソード触媒層の最大細孔直径が2μm未満であると、排水性が低下することがある。一方、最大細孔直径が3μmを超えると、触媒層内部の貫通細孔の容積が過度に大きくなり、電解質膜と接触する界面部分で液体状の水が蓄積しやすくなる。その結果、酸化剤の拡散性が低下することがある。
カソード触媒層の平均流量細孔直径が0.8μm未満であると、酸化剤の拡散性が低下することがある。一方、平均流量細孔直径が1.2μmを超えると、酸化剤の供給が不均一となり、発電領域の面内均一性が低下することがある。
カソード触媒層18の透気度は、0.02〜0.05L/(min・cm2・kPa)であることが好ましい。このような透気度を有するカソード触媒層は、酸化剤の拡散性に優れる。また、第2高分子電解質が膨潤した場合でも、燃料電池の発電性能が低下しにくい。
カソード触媒層の貫通孔の制限細孔直径分布における最大細孔直径、平均流量細孔直径、0.5μm以下の制限細孔直径の累積割合および透気度は、アノード触媒層と同様にパームポロメータを用いて測定することができる。測定用試料としては、PTFE多孔質膜にカソード触媒層を形成し、所定のサイズに打ち抜いたものを用いればよい。
カソード触媒層のプロトン伝導抵抗は、0.5〜1Ω・cm2であることが好ましい。これにより、第2高分子電解質の膨潤による空隙の減少を抑制しつつ、カソード側での電極反応を円滑に進行させることができる。
カソード触媒層18の厚さは、30〜80μmであることが好ましく、40〜60μmであることがさらに好ましい。カソード触媒層18の厚さが30μmよりも薄いと、空隙率を十分に確保できないことがある。一方、厚さが80μmを超えると、カソード触媒層のプロトン伝導性および電子伝導性を維持できないことがある。カソード触媒層18の厚さは、例えば、アノード触媒層16と同様の方法で求められる。
カソード触媒層18の空隙率は、65〜85%であることが好ましい。カソード触媒層18の空隙率を65〜85%とすることにより、カソード触媒層18の内部に、酸化剤の拡散性と排水性に有効な流通経路を有する領域と、電子伝導性およびプロトン伝導性を担う領域とをともに確保することが可能となる。その結果、カソードの過電圧をさらに低く維持することができる。カソード触媒層18の空隙率は、例えば、アノード触媒層16と同様の方法で求められる。
次に、図7を参照しながら、アノード触媒層16およびカソード触媒層18を形成する方法を説明する。図7は、アノード触媒層16およびカソード触媒層18を形成するためのスプレー式塗布装置の構成の一例を示す概略図である。
スプレー式塗布装置60は、触媒インク62を収容したタンク61およびスプレーガン63を備える。
タンク61内において、触媒インク62は、攪拌機64により撹拌されて、常時流動状態にある。触媒インク62は、開閉バルブ65が設けられた供給管66を介して、スプレーガン63に供給され、噴出ガスとともに、スプレーガン63から吐出される。噴出ガスは、ガス圧力調整器67およびガス流量調整器68を介して、スプレーガン63に供給される。噴出ガスとしては、例えば、窒素ガスを用いることができる。
図7のスプレー式塗布装置60において、スプレーガン63は、アクチュエータ69により、矢印Xに平行なX軸およびX軸に垂直でありかつ紙面に垂直な方向に平行なY軸の2方向に任意の位置から任意の速度で移動することが可能である。
スプレーガン63の下方には、電解質膜10が配置されており、触媒インク62を吐出させながらスプレーガン63を移動させることにより、電解質膜10に、触媒層を形成することができる。電解質膜10における触媒インク62の塗布領域70は、マスク71を用いて調節することができる。触媒層を形成する際には、電解質膜10の表面温度を、ヒータ72を使用して調整することが好ましい。
触媒層の貫通孔の制限細孔直径分布および透気度は、スプレーガン63の移動速度、触媒インク62の噴出量および電解質膜10の表面温度を調整することにより制御できる。触媒インク62の噴出量は、インク噴出用ガスの圧力および流量により調整することができる。ここで、各触媒層の貫通孔の細孔直径および透気度を大きくするためには、スプレーガン63の移動速度を速くし、対応する触媒インクの噴出量を少なくし、電解質膜10の表面温度を高くすればよい。
また、各触媒層の透気度は、触媒インク作製時の超音波分散処理条件(処理強度、処理時間等)を調節することにより制御することも可能である。
アノード触媒層16およびカソード触媒層18は、スクリーン印刷法、ダイ塗工法等を用いても形成することができる。この場合には、各触媒層の貫通孔の制限細孔直径分布および透気度は、触媒インクの組成および/または固形分濃度の調整、乾燥条件の適正化等を行うことにより制御可能である。
本発明において、アノード触媒層16およびカソード触媒層18以外の構成要素については、特に限定されない。図1を参照しながら、アノード触媒層16およびカソード触媒層18以外の構成要素について説明する。
電解質膜10は、プロトン伝導性、耐熱性、化学的安定性、耐メタノール膨潤性等に優れていることが好ましい。電解質膜10を構成する材料(高分子電解質)は、電解質膜10が上記特性を有するような材料であれば、特に限定されない。例えば、PTFE等が挙げられる。
アノード拡散層17およびカソード拡散層19としては、導電性多孔質基材および導電性多孔質基材の表面に配置された多孔質複合層を有する。多孔質複合層は、導電性炭素粒子および撥水性結着材料を含む。導電性多孔質基材の表面に配置される多孔質複合層の量は、1〜3mg/cm2であることが好ましい。なお、多孔質複合層の量は、多孔質複合層の投影単位面積1cm2あたりの値である。
アノード拡散層17に用いられる導電性多孔質基材としては、燃料の拡散性、発電により発生した二酸化炭素の排出性、電子伝導性を併せ持つ導電性多孔質材料を用いることが好ましい。このような材料としては、例えば、カーボンペーパー、カーボンクロス、カーボン不織布等が挙げられる。
さらに、導電性多孔質材料には、撥水性結着材料を付着させてもよい。つまり、導電性多孔質材料は、撥水処理に供してもよい。撥水性結着材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリフッ化ビニル樹脂(PVF)、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)等のフッ素樹脂が挙げられる。
カソード拡散層19に用いられる導電性多孔質基材としては、酸化剤の拡散性、発電により発生した水およびアノード側から移動してきた水の排出性、ならびに電子伝導性を併せ持つ導電性多孔質材料を用いることが好ましい。このような材料としては、例えば、カーボンペーパー、カーボンクロス、カーボン不織布等が挙げられる。
さらに、導電性多孔質材料には、撥水性結着材料を付着させてもよい。つまり、導電性多孔質材料は、撥水性処理に供してもよい。撥水性結着材料としては、アノード拡散層17に用いた材料と同じ材料を用いることができる。
アノード拡散層17およびカソード拡散層19の多孔質複合層に含まれる撥水性結着材料としては、上記のようなフッ素樹脂を用いることができる。
多孔質複合層に含まれる導電性炭素粒子は、導電性カーボンブラックを主体として含むことが好ましい。導電性カーボンブラックは、ストラクチャーが高度に発達しており、しかも比表面積が200〜300m2/g程度であることが好ましい。
各多孔質複合層の投影単位面積とは、多孔質複合層の主面を法線方向から見た場合の輪郭形状を用いて計算される面積のことである。例えば、法線方向から見た場合の多孔質複合層の輪郭形状が矩形の場合には、投影単位面積は、(縦の長さ)×(横の長さ)により計算することができる。
セパレータ14および15は、機密性、電子伝導性および電気化学的安定性を有すればよく、その材質は、特に限定されない。また、流路20および21の形状についても特に限定されない。
集電板24および25、シート状のヒータ26および27、絶縁板28および29、並びに端板30および31の構成材料には、当該分野で公知の材料を用いることができる。
本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、これらの実施例は、本発明を何ら限定するものではない。
(実施例1)
図1および図2に示されるような直接酸化型燃料電池を作製した。
<アノード触媒層の作製>
アノード触媒として、平均粒径が2nmであるPt−Ru微粒子(Pt:Ruの重量比=3:2)を担持した、第1導電性炭素粒子を用いた。第1導電性炭素粒子としては、一次粒子の平均粒径が30nmであるカーボンブラック(三菱化学(株)製のケッチェンブラックEC)を使用した。Pt−Ru微粒子と第1導電性炭素粒子との合計重量に占めるPt−Ru微粒子の重量割合は70重量%とした。
アノード触媒を、分散媒であるイソプロパノール水溶液(イソプロパノールの濃度:50重量%)に60分間超音波分散させた。得られた分散液に、イオン交換容量IEC1が0.95〜1.03の範囲にある第1高分子電解質(パーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー)を5重量%含有した溶液(Sigma−Aldrich社製のNafion5%水溶液)を所定量添加し、ディスパーで攪拌して、アノード触媒インクを調製した。アノード触媒インクにおいて、全固形分に占める第1高分子電解質の重量割合は28重量%とした。この値は、燃料電池において、アノード触媒層に含まれる第1高分子電解質の重量割合M1に相当する。
次に、図7に示すスプレー式塗布装置のタンク71に、アノード触媒インクを充填した。電解質膜10一方の主面に、アノード触媒インクを厚さ方向に30回塗り重ねて、アノード触媒層16を形成した。電解質膜10には、10cm×10cmのサイズに切断した電解質膜(Dupont社製のNafion112)を用いた。アノード触媒層16の大きさは6cm×6cmとした。ここで、アノード触媒インクを塗布する際のスプレーガン73の移動速度は60mm/秒に設定し、噴出ガス(窒素ガス)の噴出圧力を0.15MPaに設定した。また、電解質膜10の表面温度を65℃に調整した。アノード触媒層16に含まれるアノード触媒(Pt−Ru微粒子)の量は、3.45mg/cm2であった。
<カソード触媒層の作製>
カソード触媒として、平均粒径が2nmであるPt微粒子を担持した、第2導電性炭素粒子を用いた。第2導電性炭素粒子としては、一次粒子の平均粒径が30nmであるカーボンブラック(三菱化学(株)製のケッチェンブラックEC)を使用した。Pt微粒子と第2導電性炭素粒子との合計に占めるPt微粒子の重量割合は46重量%とした。
カソード触媒を、分散媒であるイソプロパノール水溶液(イソプロパノールの濃度:50重量%)に60分間超音波分散させた。得られた分散液に、イオン交換容量IEC2が0.95〜1.03の範囲にある第2高分子電解質(パーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー)を5重量%含有した溶液(Sigma−Aldrich社製のNafion5%水溶液)を所定量添加し、ディスパーで攪拌して、カソード触媒インクを調製した。カソード触媒インクにおいて、全固形分に占める第2高分子電解質の重量割合は19重量%とした。この値は、燃料電池において、カソード触媒層に含まれる第2高分子電解質の重量割合M2に相当する。
図7に示すスプレー式塗布装置のタンク71に、カソード触媒インクを充填した。電解質膜10の他方の主面に、カソード触媒インクを厚さ方向に40回塗り重ねて、アノード触媒層16に対向するように、カソード触媒層18を形成した。カソード触媒層18のサイズは6cm×6cmとした。ここで、カソード触媒インクを塗布する際のスプレーガン73の移動速度は60mm/秒に設定し、噴出ガス(窒素ガス)の噴出圧力を0.15MPaに設定した。また、電解質膜10の表面温度を65℃に調整した。カソード触媒層18に含まれるカソード触媒(Pt微粒子)の量は、1.25mg/cm2であった。
このようにして、膜−触媒層接合体(CCM)を得た。
<アノード拡散層の作製>
アノード拡散層17は、導電性多孔質基材に撥水性結着材料を付着させた後、この導電性多孔質基材の表面に多孔質複合層を形成することにより作製した。導電性多孔質基材としては、カーボンペーパー(東レ(株)製のTGP−H090)を用いた。
まず、導電性多孔質基材を撥水処理に供した。具体的には、導電性多孔質基材を固形分濃度7重量%であるポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)分散液(ダイキン工業(株)製のD−1Eをイオン交換水で希釈した水溶液)に1分間浸漬した。浸漬後の導電性多孔質基材は、大気中、常温で3時間乾燥させた。次いで、乾燥後の導電性多孔質基材を、不活性ガス(N2)雰囲気、360℃で1時間焼成して界面活性剤を除去した。このようにして、導電性多孔質基材に撥水処理を施した。PTFE量は、撥水処理後の導電性多孔質基材の12.5重量%であった。
次に、この撥水処理後の導電性多孔質基材表面に、以下のようにして多孔質複合層を形成した。
まず、界面活性剤(Sigma−Aldrich社製のTriton X−100)を含む水溶液に導電性炭素材料であるカーボンブラック(Cabot社製のVulcanXC−72R)を添加して、混練分散装置(プライミクス社製のハイビスミックス)を用いて高分散させた。得られた分散液に、撥水性樹脂材料であるPTFE分散液(ダイキン工業社製のD−1E)を添加して、ディスパーで3時間撹拌して、多孔質複合層用ペーストを調製した。次いで、多孔質複合層用ペーストをドクターブレードにより導電性多孔質基材の一方の面に均一に塗布し、大気中、常温の条件で8時間乾燥させた。この導電性多孔質基材を、不活性ガス(N2)雰囲気、360℃で1時間焼成して界面活性剤を除去して、多孔質複合層を形成した。多孔質複合層に含まれるPTFE量は40重量%であり、多孔質複合層の投影単位面積あたりの量は、2.4mg/cm2であった。
<カソード拡散層の作製>
カソード拡散層19は、導電性多孔質基材に撥水性結着材料を付着させた後、この導電性多孔質基材の表面に多孔質複合層を形成することにより作製した。導電性多孔質基材としては、カーボンペーパー(東レ社製のTGP−H090)を用いた。
まず、導電性多孔質基材を撥水処理に供した。具体的には、導電性多孔質基材を固形分濃度15重量%であるポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)分散液(Aldrich社製の60%PTFEディスパージョンをイオン交換水で希釈した水溶液)に1分間浸漬し、この後、浸漬後の導電性多孔質基材を、大気中、常温で3時間乾燥させた。次いで、乾燥後の導電性多孔質基材を、不活性ガス(N2)雰囲気、360℃で1時間焼成して界面活性剤を除去した。このようにして、導電性多孔質基材に撥水処理を施した。PTFE量は、撥水処理後の導電性多孔質基材の23.5重量%であった。
次に、この撥水処理後の導電性多孔質基材表面に、アノード拡散層17と同様にして多孔質複合層を形成した。このとき、多孔質複合層用ペーストを導電性多孔質基材の一方の表面に塗布する際のドクターブレードの設定ギャップを変更することにより、多孔質複合層の塗布量を調整した。多孔質複合層に含まれるPTFEの量は40重量%であり、多孔質複合層の投影単位面積あたりの量は、1.8mg/cm2であった。
<MEAの作製>
アノード拡散層17およびカソード拡散層19を、それぞれ6cm×6cmのサイズに切断した後、膜−触媒層接合体(CCM)の両側に、それぞれの拡散層の多孔質複合層が触媒層と接するように積層した。次いで、得られた積層体を、ホットプレス法(130℃、4MPa、3分間)に供して、触媒層と拡散層とを接合した。このようにして、膜電極接合体(MEA)を作製した。
(燃料電池の作製)
MEA13のアノード11およびカソード12の周囲に、アノード側ガスケット22およびカソード側ガスケット23を、電解質膜10を挟み込むようにして配置した。アノード側ガスケット22およびカソード側ガスケット23としては、ポリエーテルイミド層を中間層として、その両側にシリコーンゴム層を設けた3層構造体を用いた。
ガスケットを配置したMEA13を、それぞれ外寸が12cm×12cmのアノード側セパレータ14およびカソード側セパレータ15、集電板24および25、シート状のヒータ26および27、絶縁板28および29、並びに端板30および31で両側から挟み込み、締結ロッドで固定した。締結圧は、セパレータの面積あたりで12kgf/cm2とした。
アノード側セパレータ14およびカソード側セパレータ15には、厚さが4mmの樹脂含浸黒鉛材(東海カーボン(株)製のG347B)を用いた。各セパレータには、予め、幅1.5mm、深さ1mmのサーペンタイン型流路を形成した。集電板24および25としては、金メッキ処理を施したステンレス鋼板を使用した。シート状のヒータ26および27には、サミコンヒータ(坂口電熱(株)製)を用いた。
以上のような方法で、直接酸化型燃料電池(電池A)を作製した。
(実施例2)
アノード触媒インクの全固形分に占める第1高分子電解質の重量割合を26重量%とし、カソード触媒インクの全固形分に占める第2高分子電解質の重量割合を22重量%としたこと以外、実施例1と同様にして、直接酸化型燃料電池(電池B)を作製した。
(実施例3)
アノード触媒インクの全固形分に占める第1高分子電解質の重量割合を33重量%とし、カソード触媒インクの全固形分に占める第2高分子電解質の重量割合を17重量%としたこと以外、実施例1と同様にして、直接酸化型燃料電池(電池C)を作製した。
(実施例4)
アノード触媒インクの全固形分に占める第1高分子電解質の重量割合を25重量%としたこと以外、実施例1と同様にして、直接酸化型燃料電池(電池D)を作製した。
(実施例5)
アノード触媒インクの全固形分に占める第1高分子電解質の重量割合を22重量%としたこと以外、実施例1と同様にして、直接酸化型燃料電池(電池E)を作製した。
(実施例6)
アノード触媒インクの全固形分に占める第1高分子電解質の重量割合を36重量%とし、カソード触媒インクの全固形分に占める第2高分子電解質の重量割合を16重量%としたこと以外、実施例1と同様にして、直接酸化型燃料電池(電池F)を作製した。
(実施例7)
アノード触媒インクの塗布回数を4回として、アノード触媒層に含まれるアノード触媒(Pt−Ru微粒子)の量を0.4mg/cm2としたこと以外、実施例1と同様にして、直接酸化型燃料電池(電池G)を作製した。
(実施例8)
アノード触媒を超音波分散させる分散媒におけるイソプロパノールの濃度を30重量%とし、超音波分散の時間を30分間としたこと以外、実施例1と同様にして、直接酸化型燃料電池(電池H)を作製した。
(比較例1)
アノード触媒インクの全固形分に占める第1高分子電解質の重量割合を19重量%とし、カソード触媒インクの全固形分に占める第2高分子電解質の重量割合を28重量%としたこと以外、実施例1と同様にして、直接酸化型燃料電池(比較電池1)を作製した。
(比較例2)
アノード触媒インクの全固形分に占める第1高分子電解質の重量割合を19重量%としたこと以外、実施例1と同様にして、直接酸化型燃料電池(比較電池2)を作製した。
(比較例3)
カソード触媒インクの全固形分に占める第2高分子電解質の重量割合を28重量%としたこと以外、実施例1と同様にして、直接酸化型燃料電池(比較電池3)を作製した。
電池A〜Hおよび比較電池1〜3の構成を表1に示す。
Figure 0005523633
[評価]
電池A〜Hおよび比較電池1〜3のアノード触媒層およびカソード触媒層について、貫通孔の制限細孔直径分布における最大細孔直径、平均流量細孔直径、0.5μm以下の制限細孔直径の累積割合および透気度をPMI社製の多孔質材料用の自動細孔径分布測定システム(パームポロメータ)により、以下の方法で測定した。
測定用試料としては、PTFE多孔質膜(日東電工(株)製のテミッシュS−NTF1133)の一方の面に、実施例1〜8および比較例1〜3と同じ条件でアノード触媒層もしくはカソード触媒層を形成し、直径25mmの円形状に打ち抜いたものを用いた。このPTFE多孔質膜は、アノード触媒層およびカソード触媒層に比べて透気度が1桁以上高く、しかも、触媒インクがPTFE多孔質膜の内部に侵入しない。このため、PTFE多孔質膜に触媒層を形成させた状態で、触媒層自体の物性評価を行うことができる。
(最大細孔直径)
測定用試料を、減圧環境下で、表面張力γが20.1mN/mであるSilwick試薬に60分間浸漬することにより、測定用試料の貫通孔にSilwick試薬を充填させた。
次に、Silwick試薬を充填した測定用試料を、パームポロメータに取り付けた。空気圧力を連続的に増加させ、空気透過流量がゼロから増加し始める瞬間の圧力(バブルポイント圧力)P0を計測した。得られたP0値から、式(1):
0=(C×γ)/P0 (1)
を用いて、貫通孔の最大細孔直径D0を算出した。
(平均流量細孔直径)
最大細孔直径の測定と同様にして、測定用試料の貫通孔にSilwick試薬を充填した。その後、測定用試料を、パームポロメータに取り付け、空気透過流量が200L/minに到達するまで、空気圧力を連続的に増加させた。このようにして、濡れ流量曲線を求めた。
次に、同じ測定用試料をそのまま用いて、空気圧力を連続的に増加させたときの空気透過流量を測定した。この場合にも、空気透過流量が200L/minに到達するまで、空気圧力を連続的に増加させた。このようにして、乾き流量曲線を求めた。
次いで、濡れ流量曲線における空気透過流量Lwが、乾き流量曲線における空気透過流量Ldの50%となるP50を求めた。得られたP50値から、式(2):
50=(C×γ)/P50 (2)
を用いて、貫通孔の平均流量細孔直径D50を算出した。
(0.5μm以下の制限細孔直径の累積割合)
細孔直径Dと乾き流量に対する濡れ流量の割合の積算値であるLw/Ldとの関係を示したグラフより、細孔直径Dが0.5μmとなる積算値Lw/Ldを求めた。前記積算値を全積算値100%から差し引くことにより、0.5μm以下の制限細孔直径の累積割合を算出した。
(透気度)
透気度は、上記の乾き流量曲線の傾き(空気圧力に対する空気透過流量Ldの傾き)から求めた。
各実施例および比較例における、アノード触媒層の貫通孔の制限細孔直径分布における最大細孔直径、平均流量細孔直径、0.5μm以下の制限細孔直径の累積割合および透気度を表2に示す。また、各カソード触媒層におけるこれらの値を表3に示す。
Figure 0005523633
Figure 0005523633
次に、電池A〜Hおよび比較電池1〜3について、アノード触媒層およびカソード触媒層のプロトン伝導抵抗、耐久性および耐久性評価後のカソードでのRu析出量を評価した。評価方法を以下に示す。
(1)アノード触媒層のプロトン伝導抵抗
アノード触媒層のプロトン伝導抵抗の測定方法として、Journal of Electroanalytical Chemistry 567(2004)305-315 を参照した。
アノード側に加湿された窒素ガスを流量0.16L/minで流し、カソード側に加湿された水素ガスを流量0.16L/minで流した状態で、サイクリックボルタンメトリー(CV)を用い、0.07〜0.45V間を5mV/secで電位走査して、電流−電位曲線を得た。電位0.25Vのときの電流値を、アノード触媒層の面積(36cm2)および上記の電位走査速度で除することにより、アノード触媒(Pt−Ru微粒子)と第1高分子電解質との界面の電気二重層容量Cpdlを求めた。次に、上記の加湿ガスをそのまま流した状態で、交流インピーダンス法を用いて、直流電位0.25Vに交流電位1mVを重畳させながら印加し、交流の周波数を10kHzから0.1Hzまで徐々に変化させて、各電池の複素インピーダンス|Z|を求めた。周波数が2Hzから60Hzの範囲において、角速度ωの−1/2乗に対して|Z|をプロットした際の直線の傾きKを求め、式(3):
p =K2×C pdl (3)
を用いて、アノード触媒層のプロトン伝導抵抗R p を求めた。結果を表4に示す。
(2)カソード触媒層のプロトン伝導抵抗
カソード触媒層のプロトン伝導抵抗の測定方法として、上記(1)と同様にJournal of Electroanalytical Chemistry 567(2004)305-315 を参照した。
カソード側に加湿された窒素ガスを流量0.16L/minで流し、アノード側に加湿された水素ガスを流量0.16L/minで流した状態で、サイクリックボルタンメトリー(CV)を用い、0.07〜0.85V間を5mV/secで電位走査して、電流−電位曲線を得た。電位0.4Vのときの電流値を、カソード触媒層の面積(36cm2)および上記の電位走査速度で除することにより、カソード触媒(Pt微粒子)と第2高分子電解質との界面の電気二重層容量Cpdlを求めた。次に、上記の加湿ガスをそのまま流した状態で、交流インピーダンス法を用いて、直流電位0.4Vに交流電位1mVを重畳させながら印加し、交流の周波数を10kHzから0.1Hzまで徐々に変化させて、各電池の複素インピーダンス|Z|を求めた。周波数が2Hzから60Hzの範囲において、角速度ωの−1/2乗に対して|Z|をプロットした際の直線の傾きKを求め、式(4):
p =K2×C pdl (4)
を用いて、カソード触媒層のプロトン伝導抵抗R p を求めた。結果を表4に示す。
Figure 0005523633
(3)4Mメタノール耐久性(電力密度維持率の測定)
燃料である4Mメタノール水溶液を流量0.37cc/minでアノードに供給し、酸化剤である空気を流量0.26L/minでカソードに供給し、200mA/cm2の定電流密度で、各電池を連続発電させた。発電時の電池温度は60℃とした。
発電開始から4時間経過した時点での電圧値から電力密度値を算出した。得られた値を初期電力密度とした。その後、発電開始から5000時間経過した時点での電圧値から電力密度値を算出した。
初期電力密度に対する5000時間経過したときの電力密度の比率を、電力密度維持率(%)とした。結果を表5に示す。
(4)1Mメタノール耐久性(電力密度維持率の測定)
燃料である1Mメタノール水溶液を流量1.48cc/minでアノードに供給し、酸化剤である空気を流量0.26L/minでカソードに供給し、200mA/cm2の定電流密度で、電池Aおよび比較電池1を連続発電させた。発電時の電池温度は70℃とした。
発電開始から4時間経過した時点での電圧値から電力密度値を算出した。得られた値を初期電力密度とした。その後、発電開始から5000時間経過した時点での電圧値から電力密度値を算出した。
初期電力密度に対する5000時間経過したときの電力密度の比率を、電力密度維持率(%)とした。結果を表6に示す。
(5)耐久性評価後のカソードにおけるRu析出量
上記(3)および(4)の耐久性評価後のMEAからアノード拡散層およびアノード触媒層を除去した後、酸素気流中で700℃に加熱して、MEAを燃焼させた。燃焼残分に過酸化ナトリウムを加えて溶融処理を行い、イオン交換水を加えて加熱溶融させた。これに塩酸と硝酸を添加して定容し測定試料とした。ICP発光分光分析法を用いて、カソードにおけるRu量を測定した。得られた値をカソード側の電極面積で除することにより、カソードにおけるRu析出量を求めた。結果を表5および表6に示す。
Figure 0005523633
Figure 0005523633
表5より、電池A〜Hは、いずれも高い電力密度維持率を示し、耐久性評価後のカソードにおけるRu析出量が少ないことがわかった。電池A〜Hは、いずれもアノード触媒層に含まれる第1高分子電解質の重量割合M1が相対的に大きい。そのため、第1導電性炭素粒子の微粒子化が促進されてアノード触媒の電極反応面積が増大したと考えられる。その結果、局部的なアノード電位の上昇が緩和されてRu溶解量が低減し、Ru析出量が少なくなったと考えられる。さらに、電池A〜Hは、いずれもカソード触媒層に含まれる第2高分子電解質の重量割合M2が相対的に小さい。そのため、MCOによる第2高分子電解質の膨潤が抑制されて、カソード触媒層の空隙率が十分に確保されたと考えられる。その結果、カソード触媒層での酸化剤の拡散性が良好となり、優れた電力密度維持率が得られたものと考えられる。
特に、電池A〜Cでは、初期電力密度および電力密度維持率が顕著に向上している。これは、電池A〜Cが優れたバランスでM1およびM2が制御されたことから、カソードにおけるRu析出量が大幅に低減され、さらにプロトン伝導性の低下が大きく抑制されたためと考えられる。
一方、比較電池1〜3の電力密度維持率は、電池A〜Hと比較して顕著に低い値を示した。
比較電池1は、M1がM2よりも小さいため、第1導電性炭素粒子が十分に微粒子化されず、アノード触媒の電極反応面積が減少したと考えられる。その結果、局部的なアノード電位の上昇が生じ、カソードにおけるRu析出量が増大し、Ptの酸素還元性能が低下したと考えられる。また、MCOによって第2高分子電解質が過剰に膨潤してカソード触媒層の空隙率が減少し、酸化剤の拡散性が低下したため、電力密度維持率が著しく低下したと考えられる。
比較電池2の場合には、アノード触媒層およびカソード触媒層の組成のバランスが崩れており、アノード触媒層に含まれる第1高分子電解質の重量割合が低く、カソード触媒層に含まれる第2高分子電解質の重量割合と同一であるために、アノード触媒層中の第1導電性炭素粒子が微粒子化されずに、アノード触媒の電極反応面積が減少し、局部的なアノード電位の上昇が生じ、カソード中のRu析出量の増大によるPtの酸素還元性能の低下が進行する。このため、カソード触媒層での酸化剤の拡散性が悪化し、電力密度維持率が低下したものと考えられる。
比較電池3の場合には、アノード触媒層およびカソード触媒層の組成のバランスが崩れており、カソード触媒層に含まれる第2高分子電解質の重量割合が高く、アノード触媒層に含まれる第1高分子電解質の重量割合と同一であるために、MCOによる第2高分子電解質の過剰な膨潤により、カソード触媒層の空隙体積が減少する。このため、カソード触媒層での酸化剤の拡散性が悪化し、電力密度維持率が低下したものと考えられる。
表5および表6に示すように、燃料として4Mメタノール水溶液を用いた場合の電池Aと比較電池1との電力密度維持率の差が、1Mメタノール水溶液を用いた場合の電池Aと比較電池1との電力密度維持率の差よりも大きくなっていた。このことから、本発明は、高濃度のメタノール水溶液を用いた場合により顕著な効果を得られると考えられる。
本発明を現時点での好ましい実施態様に関して説明したが、そのような開示を限定的に解釈してはならない。種々の変形および改変は、上記開示を読むことによって本発明に属する技術分野における当業者には間違いなく明らかになるであろう。したがって、添付の請求の範囲は、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、すべての変形および改変を包含する、と解釈されるべきものである。
本発明に係る直接酸化型燃料電池用膜電極接合体およびこれを用いた直接酸化型燃料電池は、優れた発電特性および耐久性を有するため、例えば、携帯電話、ノートパソコン、ディジタルスチルカメラ等の携帯用小型電子機器用の電源、エンジン発電機の代替として、工事現場、災害、医療機器用の可搬型電源の電源として有用である。さらに、本発明に係る直接酸化型燃料電池用膜電極接合体およびこれを用いた直接酸化型燃料電池は、電動スクータ、自動車用電源等にも好適に用いることができる。
1 単位セル
10 電解質膜
11 アノード
12 カソード
13 膜電極接合体(MEA)
14 アノード側セパレータ
15 カソード側セパレータ
16 アノード触媒層
17 アノード拡散層
18 カソード触媒層
19 カソード拡散層
20 燃料流路
21 酸化剤流路
22 アノード側ガスケット
23 カソード側ガスケット
24、25 集電板
26、27 シート状のヒータ
28、29 絶縁板
30、31 端板
40、50 貫通孔
40a 狭窄部
40b 凝集領域
51 Silwick試薬
60 スプレー式塗布装置
61 タンク
62 触媒インク
63 スプレーガン
64 攪拌機
65 開閉バルブ
66 供給管
67 ガス圧力調整器
68 ガス流量調整器
69 アクチュエータ
70 塗布領域
71 マスク
72 ヒータ

Claims (16)

  1. アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置された電解質膜とを含む直接酸化型燃料電池用膜電極接合体であって、
    前記アノードは、前記電解質膜の一方の主面に配置されたアノード触媒層と、前記アノード触媒層に積層されたアノード拡散層と、を含み、
    前記アノード触媒層は、第1導電性炭素粒子に担持されたアノード触媒と、第1高分子電解質と、を含み、
    前記カソードは、前記電解質膜の他方の主面に配置されたカソード触媒層と、前記カソード触媒層に積層されたカソード拡散層と、を含み、
    前記カソード触媒層は、第2導電性炭素粒子に担持されたカソード触媒と、第2高分子電解質と、を含み、
    前記アノード触媒層に含まれる前記第1高分子電解質の重量割合M1が、前記カソード触媒層に含まれる前記第2高分子電解質の重量割合M2より大きい、直接酸化型燃料電池用膜電極接合体。
  2. 前記M1が、26〜35重量%である、請求項1記載の直接酸化型燃料電池用膜電極接合体。
  3. 前記M1と前記M2との差(M1−M2)が、4〜16重量%である、請求項1または2記載の直接酸化型燃料電池用膜電極接合体。
  4. 前記第1高分子電解質のイオン交換容量IEC1と前記第2高分子電解質のイオン交換容量IEC2との差|(IEC1)−(IEC2)|が、0.2meq/g以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の直接酸化型燃料電池用膜電極接合体。
  5. 前記IEC1および前記IEC2が、それぞれ0.9〜1.1meq/gである、請求項4記載の直接酸化型燃料電池用膜電極接合体。
  6. 前記第1高分子電解質および前記第2高分子電解質の少なくとも一方が、パーフルオロカーボンスルホン酸ポリマーである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の直接酸化型燃料電池用膜電極接合体。
  7. 前記アノード触媒層の投影単位面積1cm2あたりに前記アノード触媒が、1〜4mg含まれている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の直接酸化型燃料電池用膜電極接合体。
  8. 前記アノード触媒層は、複数の貫通孔を有し、ハーフドライ/バブルポイント法により測定された制限細孔直径分布において、0.5μm以下の前記制限細孔直径の累積割合が、10〜20%である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の直接酸化型燃料電池用膜電極接合体。
  9. 前記制限細孔直径分布において、前記貫通孔の最大細孔直径が2〜3μmの範囲にあり、平均流量細孔直径が0.8〜1.2μmの範囲にある、請求項8記載の直接酸化型燃料電池用膜電極接合体。
  10. 前記アノード触媒層の透気度が、0.05〜0.08L/(min・cm2・kPa)である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の直接酸化型燃料電池用膜電極接合体。
  11. 前記アノード触媒層のプロトン伝導抵抗が、0.05〜0.25Ω・cm2である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の直接酸化型燃料電池用膜電極接合体。
  12. 前記カソード触媒層は、複数の貫通孔を有し、ハーフドライ/バブルポイント法により測定された制限細孔直径分布において、0.5μm以下の前記制限細孔直径の累積割合が、2〜10%である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の直接酸化型燃料電池用膜電極接合体。
  13. 前記制限細孔直径分布において、前記貫通孔の最大細孔直径が2〜3μmの範囲にあり、平均流量細孔直径が0.8〜1.2μmの範囲にある、請求項12記載の直接酸化型燃料電池用膜電極接合体。
  14. 前記カソード触媒層の透気度が、0.02〜0.05L/(min・cm2・kPa)である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の直接酸化型燃料電池用膜電極接合体。
  15. 前記カソード触媒層のプロトン伝導抵抗が、0.5〜1Ω・cm2である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の直接酸化型燃料電池用膜電極接合体。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の直接酸化型燃料電池用膜電極接合体、アノードと接するアノード側セパレータ、およびカソードと接するカソード側セパレータを有する単位セルを少なくとも1つ備える、直接酸化型燃料電池。
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