JP2001118587A - 固体高分子型燃料電池及びその運転方法 - Google Patents

固体高分子型燃料電池及びその運転方法

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JP2001118587A
JP2001118587A JP29356099A JP29356099A JP2001118587A JP 2001118587 A JP2001118587 A JP 2001118587A JP 29356099 A JP29356099 A JP 29356099A JP 29356099 A JP29356099 A JP 29356099A JP 2001118587 A JP2001118587 A JP 2001118587A
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polymer electrolyte
gas
electrode
separator
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JP29356099A
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English (en)
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Atsushi Oma
敦史 大間
Taiji Kogami
泰司 小上
Atsuo Muneuchi
篤夫 宗内
Michio Hori
美知郎 堀
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セパレータ内の圧力損失を均一化して、反応
ガスの配流の均一化を可能とした固体高分子型燃料電池
を提供する。 【解決手段】 酸化剤ガス供給配管38及び燃料ガス供
給配管39のそれぞれに、飽和水蒸気を供給するための
加湿器37a、37bを配設し、また、酸化剤ガス供給
配管38及び燃料ガス供給配管39に、窒素ガス等の不
活性ガスを供給する不活性ガス供給配管40を接続し
て、酸化剤ガス及び燃料ガスに代えて、窒素ガス等の不
活性ガスを供給することができるように構成する。さら
に、固体高分子型燃料電池の運転を制御する制御装置4
1を設け、加湿器37a、37bにより供給する飽和水
蒸気量及びその温度を制御し、また、酸化剤ガス及び燃
料ガスと、窒素ガス等の不活性ガスとの供給切替えを制
御するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イオン伝導性を有
する固体高分子を電解質とする固体高分子型燃料電池に
係り、特に、セパレータ内の圧力損失を均一化して、反
応ガスの配流の均一化を図るべく改良を施した固体高分
子型燃料電池に関するものである。また、この固体高分
子型燃料電池を用いた発電システムにおいて、システム
のシャットダウンを防止し、安定した発電を可能とすべ
く、運転方法に改良を施した固体高分子型燃料電池の運
転方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高効率のエネルギー変換装置とし
て、燃料電池が注目を集めている。この燃料電池は、用
いられる電解質の種類により、アルカリ型、固体高分子
型、リン酸型等の低温作動燃料電池と、溶融炭酸塩型、
固体酸化物型等の高温作動燃料電池とに大別される。な
かでも、電解質としてプロトン伝導性を有する固体高分
子電解質膜を用いた固体高分子型燃料電池は、コンパク
トな構造で高出力密度が得られ、かつ簡易なシステムで
運転が可能なことから、定置用分散電源だけでなく宇宙
用や車両用などの電源として注目されている。
【0003】この高分子電解質膜(以下、高分子膜とい
う)としては、パーフルオロカーボンスルホン酸膜(例
えば、ナフィオン:商品名、デュポン社製) などが用い
られている。そして、このような高分子膜を、白金など
の触媒を有する一対の多孔質電極(燃料極と酸化剤極)
によって挟持して、膜電極複合体が構成されている。す
なわち、図4に示したように、高分子膜1の両面に燃料
極2a及び酸化剤極2bが配設されて、膜電極複合体3
が構成されている。なお、上記高分子膜および多孔質電
極は共にシート状に形成されており、内部抵抗を低減す
るために、その厚みは概略1mm以下にされている。
【0004】また、図5は、膜電極複合体3の平面図を
示したものである。すなわち、高分子膜1及び電極2
a、2bのシートの形状は、通常長方形又は正方形であ
り、電極の面積は、発電に必要な電流値および単位面積
当たりの電流値すなわち電流密度によって決まり、概略
100cm2 以上、すなわち1辺が10cm以上の大き
さに設定されているものが多い。また、反応ガスが高分
子膜1を垂直方向に通過することができるように、マニ
ホールドと呼ばれる幾つかの貫通孔4が、高分子膜1に
設けられている。なお、高分子膜1は燃料極と酸化剤極
に供給されるガスの混合を防ぐ役割もあるため、その面
積は電極の面積より大きく設定されている。
【0005】上記のような膜電極複合体3から電流を取
り出すためには、反応ガスである燃料ガス及び酸化剤ガ
スを各電極2a、2bに供給する必要がある。また、同
時に集電体としての機能を持った部品が各電極に隣接し
た状態で存在しなければならない。この反応ガスを各電
極に混合しないように供給し、かつ集電体としての機能
を持った部品を通常セパレータ5と呼ぶ。また、通常、
この燃料極側と酸化剤極側のセパレータ5は一体化され
ている。
【0006】図6は、固体高分子型燃料電池スタックを
構成する単位電池の構成を示す図である。すなわち、単
位電池7は、上記膜電極複合体3と燃料極2a及び酸化
剤極2bの外側に配設されたセパレータ5及び反応ガス
シール用のパッキング6から構成されている。また、セ
パレータ5には、反応ガスを各単位電池に供給するため
の供給マニホールド8aと呼ばれる貫通孔、又は各単位
電池から反応ガスを排出するための排出マニホールド8
bと呼ばれる貫通孔、及びそれらを結ぶ多数の燃料ガス
流路溝9a及び酸化剤ガス流路溝9bが形成され、これ
らの流路溝が、燃料極2a及び酸化剤極2bに電池反応
に必要な燃料ガス及び酸化剤ガスを供給するガス流路と
なっている。
【0007】なお、1つの膜電極複合体3が生じる起電
力は1V以下と小さいため、複数の単位電池7を積層
し、電気的直列に接続して、図7に示すような固体高分
子型燃料電池スタック10を構成し、起電力を高くして
いる。また、1つ又はそれ以上の単位電池毎に、電池を
冷却するための冷却板を設ける場合もある。
【0008】このように複数の単位電池7を積層してな
るスタック10には、図8に示したように、その上下両
端部に電流取出し板11、締付け板12、締付け治具
(締付けスタッド13、スプリング14)、及び燃料ガ
ス配管15、酸化剤ガス配管16(各入出口1本、計4
本)がそれぞれ配置され、電流取出し板11には電流取
出しケーブルが配線され、外部負荷に接続されている。
また、スタック全体をより均等に締付けるために、締付
け板12は剛性を有する部材から構成されている。
【0009】また、スタック10には、積層された全て
の単位電池7において、積層方向の反応ガス配流や温度
・湿度等の様々な条件を限りなく均等にすることが要求
される。また、発電開始前は、通常、燃料ガス用、酸化
剤ガス用の各セパレータ5に、例えば窒素ガス等の不活
性ガスを流すといった操作を行い、燃料極2a、酸化剤
極2bの電位を低くし、電位差も小さくした状態を保持
するように構成されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような構成を有する従来の固体高分子型燃料電池に
は、以下に述べるような問題点があった。すなわち、図
8に示すような固体高分子型燃料電池スタックを定置用
分散電源や自動車等の移動用システムに組み込む場合、
反応ガスを各単位電池のセパレータ流路に均一に分流さ
せるには、セパレータ内の管摩擦損失や分岐合流損失と
いった圧力損失を均一にする必要がある。
【0011】そのためには、セパレータの流路溝精度も
必要不可欠ではあるが、固体高分子型燃料電池において
は、生成した水や水蒸気、又は高分子膜を加湿するため
の水や水蒸気の分布によって各セパレータ毎に圧力損失
が変化する。その結果、反応ガスの配流不均一を生じ、
電圧低下を招く単位電池が出現するといった問題点があ
った。
【0012】特に、固体高分子型燃料電池スタックの積
層方向両端部の単位電池は、片側からのみしか入熱がな
く、他の単位電池と比べて構造上温度が低くなりやすい
ため、他の単位電池に比べて水蒸気が凝縮しやすく、セ
パレータ内に水が溜まりやすく、反応ガスが流れにくく
なるという問題が生じやすかった。
【0013】また、セパレータの材料としては膨張黒鉛
が用いられているが、この膨張黒鉛は、嵩密度がおよそ
1.0〜1.7g/cm3 であり、異方性が大きく可撓
性に富んでおり、低密度にもかかわらず気孔率が小さ
い。また、例えばフェノール等を含浸するなどの特殊な
工程を交えない限り、微量ながら吸水性もある。しか
し、その吸水性のため、スタック内のすべての単位電池
における膨張黒鉛製セパレータにおいて吸水速度が異な
り、反応ガス配流が各単位電池のセパレータ毎に異なっ
ていた。特に、スタック積層方向の両端部の単位電池等
は低温になりやすく、吸水速度が大きいので、流路の圧
力損失が大きくなり、反応ガスが流れにくくなってい
た。
【0014】このように、従来の固体高分子型燃料電池
においては、一部の単位電池に極度の電圧低下が発生す
る場合が多々あり、その単位電池のためにスタック全体
の運転が滞ってしまう危険性があった。
【0015】本発明は、上述したような従来技術の問題
点を解消するために提案されたものであり、その第1の
目的は、セパレータ内の圧力損失を均一化して、反応ガ
スの配流の均一化を可能とした固体高分子型燃料電池を
提供することにある。また、第2の目的は、セパレータ
内の圧力損失を均一化して、反応ガスの配流の均一化を
可能として、システムのシャットダウンを防止し、安定
した発電を可能とした固体高分子型燃料電池の運転方法
を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明は、固体高分子電解質膜を
燃料極と酸化剤極とによって狭持してなる膜電極複合体
と、前記膜電極複合体を挟持し、燃料極と酸化剤極のそ
れぞれに反応ガスを供給するセパレータで構成される単
位電池を、電気的直列に積層してなる固体高分子型燃料
電池スタックを備えた固体高分子型燃料電池において、
燃料極と酸化剤極に反応ガスを供給する反応ガス供給系
と、反応ガス供給系に配設された加湿手段と、反応ガス
供給系に、切替可能に接続された不活性ガス供給手段
と、加湿手段及び不活性ガス供給手段の動作を制御する
制御手段とを備え、この制御手段によって、発電開始前
に、前記セパレータに水又は水蒸気を含むガスを循環さ
せるように構成したことを特徴とするものである。
【0017】上記のような構成を有する請求項1に記載
の固体高分子型燃料電池によれば、発電開始前に、固体
高分子型燃料電池スタック内の全ての単位電池に配設さ
れたセパレータを加湿することができ、セパレータ流路
の圧力損失を発電開始前からほぼ等しくすることができ
る。その結果、発電開始直後から反応ガス配流の均一性
が経時的に維持できるので、安定した発電が可能とな
る。
【0018】請求項2に記載の発明は、固体高分子電解
質膜を燃料極と酸化剤極とによって狭持してなる膜電極
複合体と、前記膜電極複合体を挟持し、燃料極と酸化剤
極のそれぞれに反応ガスを供給するセパレータで構成さ
れる単位電池を、電気的直列に積層してなる固体高分子
型燃料電池スタックを備えた固体高分子型燃料電池にお
いて、固体高分子型燃料電池スタックの積層方向両端部
の単位電池に使用するセパレータに、予め撥水処理を施
したことを特徴とするものである。
【0019】上記のような構成を有する請求項2に記載
の固体高分子型燃料電池によれば、片側からのみしか入
熱がないため、他の単位電池と比べて温度が低くなりや
すく、水蒸気が凝縮しやすい固体高分子型燃料電池スタ
ックの積層方向両端部の単位電池のセパレータに、予め
撥水処理を施すことにより、セパレータ内に水が溜まる
ことを防止でき、反応ガスが流れにくくなるということ
も防止することができる。その結果、発電開始直後から
反応ガス配流の均一性が経時的に維持できるので、安定
した発電が可能となる。
【0020】請求項3に記載の発明は、固体高分子電解
質膜を燃料極と酸化剤極とによって狭持してなる膜電極
複合体と、前記膜電極複合体を挟持し、燃料極と酸化剤
極のそれぞれに反応ガスを供給するセパレータで構成さ
れる単位電池を、電気的直列に積層してなる固体高分子
型燃料電池スタックを備えた固体高分子型燃料電池にお
いて、前記セパレータを、積層前に、所定時間、水に浸
漬することを特徴とするものである。
【0021】上記のような構成を有する請求項3に記載
の固体高分子型燃料電池によれば、発電開始前から各単
位電池のセパレータの表面又は全体を湿潤状態に保つこ
とができるため、発電を開始しても、全ての単位電池に
おけるセパレータ流路の圧力損失をほぼ等しくすること
ができる。その結果、発電開始直後から反応ガス配流の
均一性が経時的に維持できるので、安定した発電が可能
となる。
【0022】請求項4に記載の発明は、固体高分子電解
質膜を燃料極と酸化剤極とによって狭持してなる膜電極
複合体と、前記膜電極複合体を挟持し、燃料極と酸化剤
極のそれぞれに反応ガスを供給するセパレータで構成さ
れる単位電池を、電気的直列に積層してなる固体高分子
型燃料電池スタックを備えた固体高分子型燃料電池の運
転方法であって、その発電開始前に、前記セパレータの
流路に水又は水蒸気を含むガスを循環させることを特徴
とするものである。
【0023】上記のような構成を有する請求項4に記載
の固体高分子型燃料電池の運転方法によれば、発電開始
前に、固体高分子型燃料電池スタック内の全ての単位電
池に配設されたセパレータを加湿することができ、セパ
レータ流路の圧力損失を発電開始前からほぼ等しくする
ことができる。その結果、発電開始直後から反応ガス配
流の均一性が経時的に維持できるので、安定した発電が
可能となる。
【0024】請求項5に記載の発明は、固体高分子電解
質膜を燃料極と酸化剤極とによって狭持してなる膜電極
複合体と、前記膜電極複合体を挟持し、燃料極と酸化剤
極のそれぞれに反応ガスを供給するセパレータで構成さ
れる単位電池を、電気的直列に積層してなる固体高分子
型燃料電池スタックを備えた固体高分子型燃料電池の運
転方法であって、その発電開始後に、前記セパレータを
湿潤状態とするため、所定時間、定格電流密度以下の負
荷条件で運転することを特徴とするものである。
【0025】また、請求項6に記載の発明は、固体高分
子電解質膜を燃料極と酸化剤極とによって狭持してなる
膜電極複合体と、前記膜電極複合体を挟持し、燃料極と
酸化剤極のそれぞれに反応ガスを供給するセパレータで
構成される単位電池を、電気的直列に積層してなる固体
高分子型燃料電池スタックを備えた固体高分子型燃料電
池の運転方法であって、その発電開始後に、前記セパレ
ータを湿潤状態とするため、所定時間、定格反応ガス量
以上の流量条件で運転することを特徴とするものであ
る。
【0026】上記のような構成を有する請求項5又は請
求項6に記載の固体高分子型燃料電池の運転方法によれ
ば、発電開始後に、所定時間、ソフトな条件で運転する
ことによって、スタック内の全ての単位電池に配設され
たセパレータを湿潤状態にすることができるので、これ
らのセパレータ流路の圧力損失をほぼ等しくすることが
できる。その結果、発電開始直後から反応ガス配流の均
一性が経時的に維持できるので、安定した発電が可能と
なる。
【0027】請求項7に記載の発明は、請求項4乃至請
求項6のいずれか一に記載の固体高分子型燃料電池の運
転方法において、固体高分子型燃料電池スタックの積層
方向両端部の単位電池の周囲を断熱しながら運転するこ
とを特徴とするものである。また、請求項8に記載の発
明は、請求項4乃至請求項6のいずれか一に記載の固体
高分子型燃料電池の運転方法において、固体高分子型燃
料電池スタックの積層方向両端部の単位電池を所定の発
熱手段により加熱して、スタック平均温度より高い温度
に維持しながら運転することを特徴とするものである。
【0028】上記のような構成を有する請求項7又は請
求項8に記載の固体高分子型燃料電池の運転方法によれ
ば、片側からのみしか入熱がないため、他の単位電池と
比べて温度が低くなりやすく、水蒸気が凝縮しやすい固
体高分子型燃料電池スタックの積層方向両端部の単位電
池のセパレータ内に水が溜まることを防止でき、反応ガ
スが流れにくくなるということも防止することができ
る。その結果、発電開始直後から反応ガス配流の均一性
が経時的に維持できるので、安定した発電が可能とな
る。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の固体高分子型燃料
電池及びその運転方法に関する実施の形態(以下、実施
形態という)について、図面を参照して説明する。
【0030】[1.第1実施形態] [1−1.構成] (A.固体高分子型燃料電池の構成)図1は、本発明に
係る固体高分子型燃料電池の構成を示す図である。すな
わち、図1に示したように、本実施形態の固体高分子型
燃料電池においては、酸化剤ガス供給配管38及び燃料
ガス供給配管39のそれぞれに、飽和水蒸気を供給する
ための加湿器37a、37bが配設されている。また、
酸化剤ガス供給配管38及び燃料ガス供給配管39に
は、窒素ガス等の不活性ガスを供給する不活性ガス供給
配管40が接続され、酸化剤ガス及び燃料ガスに代え
て、窒素ガス等の不活性ガスを供給することができるよ
うに構成されている。
【0031】さらに、本実施形態の固体高分子型燃料電
池には、その運転を制御する制御装置41が設けられ、
前記加湿器37a、37bにより供給する飽和水蒸気量
及びその温度を制御し、また、酸化剤ガス及び燃料ガス
と、窒素ガス等の不活性ガスとの供給切替えを制御する
ように構成されている。なお、図1においては、冷却水
供給配管については図示していないが、上記と同様に、
窒素ガス等の不活性ガス及び飽和水蒸気を供給すること
ができるように構成されている。
【0032】(B.固体高分子型燃料電池スタックの構
成)図2は、固体高分子型燃料電池スタックの構成を示
す断面図である。すなわち、200個の単位電池17を
電気的直列に積層した固体高分子型燃料電池スタック1
8には、積層方向の両端部に、電流取出し板を兼ねるス
テンレス製の締付け板19が配設され、燃料ガス、酸化
剤ガス、冷却水の3つの流体用の配管20、21、22
が、各流体2本ずつ(入出口)計6本、この締付け板1
9に設けられている。
【0033】なお、これらの配管の本数は任意であり、
各流体2本ずつである必要はない。また、本実施形態に
おける固体高分子型燃料電池スタック18においては、
締付けスタッド23がスタック18の中に隠れる構造と
なっており、外部に設置した締付け用のスプリング24
と繋がっている。また、上述したように、締付け板19
自体が電流取り出し板の機能も含んでいる。
【0034】また、燃料ガス入口配管20aは、例えば
改質器やCO選択酸化器等の燃料処理系に接続され、出
口配管20bは、未反応燃料ガスを燃料処理系にリサイ
クルすることができるように、所定の機器に接続されて
いる。一方、酸化剤ガス入口配管21aは、例えばブロ
アー等の空気供給源に接続され、出口配管21bは、熱
交換器を介して熱及び水を回収し、そのまま外部に廃棄
されるように、所定の機器に接続されている。また、冷
却水入口配管22aは、例えばポンプ等の動力源に接続
され、出口配管22bは、熱交換器を介して熱を回収
し、そのまま上記ポンプに戻るように、所定の機器に接
続されている。
【0035】(C.単位電池の構成)図3は、単位電池
17の構成を示す断面図である。すなわち、固体高分子
膜25の両面に白金触媒を担持したガス拡散電極(燃料
極26a及び酸化剤極26b)が配置され、膜電極複合
体27が構成されている。なお、その有効電極面積は2
89cm2 (17×17cm)である。
【0036】また、膜電極複合体27の片側(燃料極
側)には、シール用パッキング35を介して、燃料ガス
を供給する燃料ガス用セパレータ28が配置されてい
る。この燃料ガス用セパレータ28には、その一面に燃
料ガス流路溝30が形成され、この溝内に燃料ガスを流
すことによって、燃料極26aに燃料ガスを供給するこ
とができるようになっている。
【0037】一方、膜電極複合体27の反対側(酸化剤
極側)には、シール用パッキング35を介して、酸化剤
ガスを供給する酸化剤ガス/冷却水用セパレータ29が
配置されている。この酸化剤ガス/冷却水用セパレータ
29は両面セパレータとなっており、その一面に酸化剤
ガス流路溝31が形成され、他面には冷却水流路溝32
が形成されている。そして、酸化剤ガス流路溝31内に
酸化剤ガスを流すことによって、酸化剤極26bに酸化
剤ガスを供給することができるようになっている。
【0038】なお、これらのセパレータは、膨張黒鉛に
よって構成されている。また、燃料ガス用、酸化剤ガス
用、冷却水用の各セパレータに形成された流路溝30、
31、32は、それぞれの供給マニホールド(貫通
孔)、排出マニホールド(貫通孔)と連結されている。
また、冷却水用セパレータは隣接する単位電池同士の間
に位置し、図3においては、燃料ガス用セパレータ28
側に流路を向けて隣接しているが、酸化剤ガス用セパレ
ータに隣接しても構わない。この場合は、燃料ガス用セ
パレータと冷却水用セパレータが一体化して構成され
る。
【0039】[1−2.運転方法]続いて、本実施形態
の固体高分子型燃料電池の運転方法について、従来の運
転方法と比較しつつ説明する。
【0040】(スタックA)従来の固体高分子型燃料電
池の発電開始前の通常の運転方法は、燃料ガス用セパレ
ータ28、酸化剤ガス用セパレータ29に、それぞれ燃
料ガス及び酸化剤ガスといった反応ガスは流さずに、例
えば窒素ガス等の不活性ガスを流して、燃料極26a、
酸化剤極26bの電位を低くし、電位差も小さくした状
態を保持する。また、スタック18の温度は冷却水を循
環させて制御する。そして、設定温度近くまで十分にス
タック温度が上昇し、かつ不活性ガスで反応ガス系が十
分に満たされた状態になったら、燃料ガス及び酸化剤ガ
スを供給し、外部負荷36をかけて電流を取出す。な
お、今回は上記不活性ガスとして窒素ガスを用いた。
【0041】このように、冷却水を循環する前に、燃料
ガス系、酸化剤ガス系及び冷却水系に、それぞれ窒素ガ
スを200Nl/minずつ3分間流し、その後、窒素
ガスを止めて冷却水を循環して温度を定常にした後、再
び燃料ガス系、酸化剤ガス系には窒素ガスを約3分間供
給した。このような発電開始前の通常の運転方法を行っ
たスタックを“スタックA”とした。
【0042】(スタックB)図1に示したような本実施
形態における固体高分子型燃料電池の発電開始前の運転
方法は、燃料ガス用セパレータ28及び酸化剤ガス用セ
パレータ29に、不活性ガスである窒素ガスに80℃飽
和水蒸気を加湿器37により供給した混合ガスを流し
て、燃料極26a、酸化剤極26bの電位を低くし、電
位差も小さくした。さらに、冷却水を循環する前に、燃
料ガス系、酸化剤ガス系及び冷却水系に、それぞれ80
℃飽和水蒸気を含んだ窒素−水蒸気混合ガスを200N
l/minずつ3分間流し、その後、混合ガスは止めず
に冷却水を循環して温度を定常にしたまま約100時間
保持した。このような発電開始前の運転方法を行ったス
タックを“スタックB”とした。
【0043】(スタックC)また、本実施形態における
固体高分子型燃料電池の発電開始前の別の運転方法とし
て、燃料ガス用セパレータ28及び酸化剤ガス用セパレ
ータ29に80℃の水を流して、燃料極26a、酸化剤
極26bの電位を低くし、電位差も小さくした。そし
て、燃料ガス系、酸化剤ガス系及び冷却水系に、それぞ
れ80℃の水を10l/minずつ約100時間循環し
続け、その後、燃料ガス系、酸化剤ガス系には窒素ガス
をそれぞれ200Nl/minずつ約3分間供給した。
このような発電開始前の運転方法を行ったスタックを
“スタックC”とした。
【0044】[1−3.試験結果]上記スタックA、
B、Cは、全て周囲を断熱せずに常温空気雰囲気に設置
し、これら3つのスタックを、常圧下で定格電流密度
0.3A/cm2 (86.7A)として発電を行った。
なお、燃料ガス利用率、酸化剤ガス利用率、冷却水流量
は、それぞれ70%、40%、10l/minである。
この条件でそれぞれ発電試験を行い、発電開始後20時
間〜100時間程度までのスタックA、B、Cにおける
各単位電池の電圧分布を比較したところ、以下のような
結果が得られた。
【0045】すなわち、スタックAの電圧分布では、ス
タック積層方向両端部に位置するNo.1とNo.20
0の単位電池の電圧が、他の単位電池電圧に比べて平均
でおよそ120〜200mV低かった。また、No.1
とNo.200の単位電池は共に電圧が不安定で、時に
は転極に至るくらい電圧が下がる瞬間もあり、システム
のシャットダウンを招くこともあった。また、電圧低下
に起因する幾度かのシャットダウンの影響で、他の単位
電池電圧と比べて約100mV〜150mV低いまま回
復しなかったが、運転時間が約100時間に達した頃に
は、No.1、No.200の単位電池電圧は共に安定
した。
【0046】一方、スタックB及びスタックCの電圧分
布では、No.1とNo.200の単位電池の電圧は、
他の単位電池電圧と比べて低くなることはなく、ほぼ同
じ電圧であり、電圧低下によるシステムのシャットダウ
ンを一度も招くことなく、発電時間が100時間を越え
ても電圧は常に安定していた。
【0047】このように、スタックB、Cに関しては、
発電開始前に全ての単位電池におけるセパレータを湿潤
状態にしてから発電を開始したので、各セパレータ流路
での圧力損失が発電初期からほぼ等しく、反応ガス配流
が均一であったために、良好な結果が得られたものと考
えられる。このように、本実施形態の固体高分子型燃料
電池においては、上述した運転方法を用いることによ
り、単位電池電圧の低下によるシステムのシャットダウ
ンを招くことなく、安定した発電が可能となることが判
明した。
【0048】[2.第2実施形態] [2−1.構成]本実施形態の固体高分子型燃料電池
は、図2に示す第1実施形態と同様の構成を有する固体
高分子型燃料電池スタックの周囲に、厚さ4cmの断熱
材(ガラスウール)を均等に巻回したものである。
【0049】[2−2.運転方法] (スタックD、スタックE)上記のように構成した2台
の固体高分子型燃料電池スタック(“スタックD”、
“スタックE”とする)を、第1実施形態で示したスタ
ックAと同様に、従来の発電開始前の通常の運転方法を
行い、発電を開始した。2台のスタックD、E共に定格
電流密度は0.3A/cm2 (86.7A)であるが、
スタックDは、発電開始後150時間まで電流密度を
0.15A/cm2 (43.4A)として運転した。こ
の電流密度における燃料ガス利用率、酸化剤ガス利用
率、冷却水流量は、それぞれ70%、40%、6l/m
inである。一方、スタックEは、発電開始直後から定
格電流密度0.3A/cm2 (86.7A)で運転を行
った。この電流密度における燃料ガス利用率、酸化剤ガ
ス利用率、冷却水流量は、それぞれ70%、40%、1
0l/minである。
【0050】[2−3.試験結果]この条件でそれぞれ
発電試験を行い、スタックD、Eの発電開始後150時
間後までの各単位電池の電圧分布を比較したところ、以
下のような結果が得られた。すなわち、スタックDに関
しては、発電時間150時間までに、単位電池電圧の低
下によるシステムのシャットダウンは招かず、どの単位
電池の電圧も極めて安定していた。また、150時間後
に定格電流密度0.3A/cm2 (86.7A)の運転
に切り替えたところ、著しい電圧低下を招いた単位電池
の出現はなく、引き続き安定した発電を行うことができ
た。
【0051】一方、スタックEに関しては、発電開始後
約100時間までは、No.1、No.200の単位電
池電圧が比較的不安定であり、他の単位電池電圧と比べ
て平均でおよそ120〜140mV程度電圧が低く、瞬
間的には転極近くまで電圧低下が生じて、幾度かシステ
ムのシャットダウンを招いてしまった。その後、100
時間を越えたあたりからは、No.1、No.200の
単位電池電圧も他の単位電池と比べて100mV程度低
いながらも安定した。
【0052】このように、スタックDに関しては、発電
開始後に定格電流密度以下というソフトな条件下での運
転を行ってセパレータを湿潤状態にしたために、反応ガ
ス流量も定格時に比べて少なく、各単位電池におけるセ
パレータ流路への反応ガス配流も比較的均一であったた
めに、良好な結果が得られたものと考えられる。このよ
うに、本実施形態の固体高分子型燃料電池においては、
上述した運転方法を用いることにより、単位電池電圧の
低下によるシステムのシャットダウンを招くことなく、
安定した発電が可能となることが判明した。
【0053】[3.第3実施形態] [3−1.構成]本実施形態の固体高分子型燃料電池
は、図2に示す第1実施形態と同様の構成を有する固体
高分子型燃料電池スタックのステンレス製の締付け板1
9の側面に、最大出力200W程度の面状ヒーターを貼
り付けたものである。
【0054】[3−2.運転方法] (スタックF)上記のように構成した固体高分子型燃料
電池スタック(“スタックF”とする)を、第1実施形
態で示したスタックAと同様に、従来の発電開始前の通
常の運転方法を行い、発電を開始した。スタックFの定
格電流密度は0.3A/cm2 (86.7A)であり、
燃料ガス利用率、酸化剤ガス利用率、冷却水流量は、そ
れぞれ70%、40%、10l/minであるが、発電
開始後150時間までは、定格反応ガス量以上の反応ガ
スを供給することにより、燃料ガス利用率、酸化剤ガス
利用率をそれぞれ50%、20%と低くして運転した。
また、スタック平均温度は冷却水温度でモニターし、冷
却水入口/出口温度はそれぞれ75℃/80℃であった
ので、上記面状ヒーターで締付け板19の温度を83℃
に設定して運転した。
【0055】[3−3.試験結果]この条件で発電試験
を行い、スタックFにおける発電開始後150時間後ま
での各単位電池の電圧分布を観察したところ、以下のよ
うな結果が得られた。すなわち、スタックFは、発電時
間150時間までで単位電池電圧の低下によるシステム
のシャットダウンは招かず、どの単位電池の電圧も極め
て安定していた。また、150時間後に定格利用率であ
る燃料ガス利用率70%、酸化剤ガス利用率40%の運
転に切り替えたところ、著しい電圧低下を招いた単位電
池の出現はなく、引き続き安定した発電を行うことがで
きた。
【0056】このように、スタックFに関しては、発電
開始後に定格利用率以下というソフトな条件下での運転
を行ってセパレータを湿潤状態にしたため、反応ガスが
どの単位電池にも十分に供給され、単位電池の電圧低下
を招かなかったために、良好な結果が得られたものと考
えられる。このように、本実施形態の固体高分子型燃料
電池においては、上述した運転方法を用いることによ
り、単位電池電圧の低下によるシステムのシャットダウ
ンを招くことなく、安定した発電が可能となることが判
明した。
【0057】[4.第4実施形態] [4−1.構成]本実施形態の固体高分子型燃料電池
は、図2に示す第1実施形態と同様の構成を有する固体
高分子型燃料電池スタックにおいて、No.1及びN
o.200の単位電池に組み込む膨張黒鉛製セパレータ
の流路表面で、電気的接触面ではなく導電性が不要な凹
部を、市販のテフロンコーティングスプレーを用いて撥
水処理したものである。
【0058】[4−2.運転方法] (スタックG)上記のように構成した固体高分子型燃料
電池スタック(“スタックG”とする)を、第1実施形
態で示したスタックAと同様に、従来の発電開始前の通
常の運転方法を行い、発電を開始した。スタックGの定
格電流密度は0.3A/cm2 (86.7A)であり、
燃料ガス利用率、酸化剤ガス利用率、冷却水流量は、そ
れぞれ70%、40%、10l/minで運転を行っ
た。また、上記各実施形態のように、発電開始直後にソ
フトな条件下での運転は行わず、最初から定格条件で発
電試験を行った。
【0059】[4−3.試験結果]この条件で発電試験
を行い、スタックGにおける発電開始後100時間後ま
での各単位電池の電圧分布を観察したところ、No.1
とNo.200の単位電池の電圧は、他の単位電池電圧
と比べて数mV低かったものの、非常に安定していた。
また、電圧低下によるシステムのシャットダウンを一度
も招くことなく、発電時間が100時間を越えても電圧
は常に安定していた。なお、No.1とNo.200の
単位電池の電圧が数mV低かった原因としては、テフロ
ンコーティングがセパレータの電気的接触部である流路
間の凸部に若干残ってしまい、セパレータの電気抵抗が
他よりも大きくなったためと考えられる。
【0060】このように、スタックGにおいては、スタ
ック積層方向の両端部の単位電池(No.1、No.2
00)に撥水処理を施した結果、放熱のために温度が下
がり、セパレータの吸水が促進されやすいスタック積層
方向の両端部の単位電池(No.1、No.200)の
吸水速度が小さくなり、反応ガス配流が全ての単位電池
におけるセパレータでほぼ均一になったために、良好な
結果が得られたものと考えられる。このように、本実施
形態の固体高分子型燃料電池においては、上述した運転
方法を用いることにより、単位電池電圧の低下によるシ
ステムのシャットダウンを招くことなく、安定した発電
が可能となることが判明した。
【0061】[5.第5実施形態] [5−1.構成]本実施形態の固体高分子型燃料電池
は、図2に示す第1実施形態と同様の構成を有する固体
高分子型燃料電池スタックにおいて、それに組み込む全
ての膨張黒鉛製セパレータを、積層前に、常温のイオン
交換水に約100時間浸漬させたものである。なお、浸
漬中、セパレータの表面には気泡が浮き出てくるが、こ
れは、膨張黒鉛が吸水し、内部に残っていた気泡が中か
ら出てきたためである。
【0062】[5−2.運転方法] (スタックH)上記のように構成した固体高分子型燃料
電池スタック(“スタックH”とする)を、第1実施形
態で示したスタックAと同様に、従来の発電開始前の通
常の運転方法を行い、発電を開始した。スタックHの定
格電流密度は0.3A/cm2 (86.7A)であり、
燃料ガス利用率、酸化剤ガス利用率、冷却水流量は、そ
れぞれ70%、40%、10l/minで運転を行っ
た。また、上記の実施形態のように、発電開始直後にソ
フトな条件下での運転は行わず、最初から定格条件で発
電試験を行った。
【0063】[5−3.試験結果]この条件で発電試験
を行い、スタックHにおける発電開始後100時間後ま
での各単位電池の電圧分布を観察したところ、全ての単
位電池の電圧は非常に安定しており、電圧低下によるシ
ステムのシャットダウンを一度も招くことなく、発電時
間が100時間を越えても電圧は常に安定していた。
【0064】このように、スタックHにおいては、スタ
ック積層前からセパレータに十分に吸水させてあるの
で、積層後に最初から定格条件で発電しても、全ての単
位電池におけるセパレータ流路の圧力損失がほぼ等し
く、反応ガス配流が経時的にほぼ均一となるために、良
好な結果が得られたものと考えられる。このように、本
実施形態の固体高分子型燃料電池においては、上述した
運転方法を用いることにより、単位電池電圧の低下によ
るシステムのシャットダウンを招くことなく、安定した
発電が可能となることが判明した。
【0065】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、セ
パレータ内の圧力損失を均一化して、反応ガスの配流の
均一化を可能とした固体高分子型燃料電池を提供するこ
とができる。また、セパレータ内の圧力損失を均一化し
て、反応ガスの配流の均一化を可能として、システムの
シャットダウンを防止し、安定した発電を可能とした固
体高分子型燃料電池の運転方法を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る固体高分子型燃料電池の構成を示
す図
【図2】本発明に係る固体高分子型燃料電池スタックの
構成を示す断面図
【図3】本発明に係る固体高分子型燃料電池スタックの
単位電池の構成を示す断面図
【図4】固体高分子型燃料電池の膜電極複合体の構成を
示す断面図
【図5】膜電極複合体の構成を示す平面図
【図6】従来の固体高分子型燃料電池の単位電池の構成
を示す断面図
【図7】従来の固体高分子型燃料電池スタックの構成を
示す断面図
【図8】固体高分子型燃料電池スタックの外観を示す図
【符号の説明】
1…高分子電解質膜 2a…燃料極 2b…酸化剤極 3…膜電極複合体4…マニホールド 5…セパレータ 6…パッキング 7…単位電池 8a…供給マニホールド 8b…排出マニホールド 9a…燃料ガス流路溝 9b…酸化剤ガス流路溝 10…固体高分子型燃料電池スタック 17…単位電池 18…固体高分子型燃料電池スタック 20…燃料ガス配管 21…酸化剤ガス配管 22…冷却水配管 25…固体高分子膜 26a…燃料極 26b…酸化剤極 27…膜電極複合体 28…燃料ガス用セパレータ 29…酸化剤ガス/冷却水用セパレータ 30…燃料ガス流路溝 31…酸化剤ガス流路溝 32…冷却水流路溝 35…パッキング 36…外部負荷 37…加湿器 41…制御装置
フロントページの続き (72)発明者 宗内 篤夫 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 堀 美知郎 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 Fターム(参考) 5H026 AA06 BB03 CC03 CC08 5H027 AA06 BA01 CC06 MM01 MM16

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体高分子電解質膜を燃料極と酸化剤極
    とによって狭持してなる膜電極複合体と、前記膜電極複
    合体を挟持し、燃料極と酸化剤極のそれぞれに反応ガス
    を供給するセパレータで構成される単位電池を、電気的
    直列に積層してなる固体高分子型燃料電池スタックを備
    えた固体高分子型燃料電池において、 前記燃料極と酸化剤極に反応ガスを供給する反応ガス供
    給系と、 前記反応ガス供給系に配設された加湿手段と、 前記反応ガス供給系に、切替可能に接続された不活性ガ
    ス供給手段と、 前記加湿手段及び不活性ガス供給手段の動作を制御する
    制御手段とを備え、 前記制御手段によって、発電開始前に、前記セパレータ
    に水又は水蒸気を含むガスを循環させるように構成した
    ことを特徴とする固体高分子型燃料電池。
  2. 【請求項2】 固体高分子電解質膜を燃料極と酸化剤極
    とによって狭持してなる膜電極複合体と、前記膜電極複
    合体を挟持し、燃料極と酸化剤極のそれぞれに反応ガス
    を供給するセパレータで構成される単位電池を、電気的
    直列に積層してなる固体高分子型燃料電池スタックを備
    えた固体高分子型燃料電池において、 前記固体高分子型燃料電池スタックの積層方向両端部の
    単位電池に使用するセパレータに、予め撥水処理を施し
    たことを特徴とする固体高分子型燃料電池。
  3. 【請求項3】 固体高分子電解質膜を燃料極と酸化剤極
    とによって狭持してなる膜電極複合体と、前記膜電極複
    合体を挟持し、燃料極と酸化剤極のそれぞれに反応ガス
    を供給するセパレータで構成される単位電池を、電気的
    直列に積層してなる固体高分子型燃料電池スタックを備
    えた固体高分子型燃料電池において、 前記セパレータを、積層前に、所定時間、水に浸漬する
    ことを特徴とする固体高分子型燃料電池。
  4. 【請求項4】 固体高分子電解質膜を燃料極と酸化剤極
    とによって狭持してなる膜電極複合体と、前記膜電極複
    合体を挟持し、燃料極と酸化剤極のそれぞれに反応ガス
    を供給するセパレータで構成される単位電池を、電気的
    直列に積層してなる固体高分子型燃料電池スタックを備
    えた固体高分子型燃料電池の運転方法であって、 その発電開始前に、前記セパレータの流路に、水又は水
    蒸気を含むガスを循環させることを特徴とする固体高分
    子型燃料電池の運転方法。
  5. 【請求項5】 固体高分子電解質膜を燃料極と酸化剤極
    とによって狭持してなる膜電極複合体と、前記膜電極複
    合体を挟持し、燃料極と酸化剤極のそれぞれに反応ガス
    を供給するセパレータで構成される単位電池を、電気的
    直列に積層してなる固体高分子型燃料電池スタックを備
    えた固体高分子型燃料電池の運転方法であって、 その発電開始後に、前記セパレータを湿潤状態とするた
    め、所定時間、定格電流密度以下の負荷条件で運転する
    ことを特徴とする固体高分子型燃料電池の運転方法。
  6. 【請求項6】 固体高分子電解質膜を燃料極と酸化剤極
    とによって狭持してなる膜電極複合体と、前記膜電極複
    合体を挟持し、燃料極と酸化剤極のそれぞれに反応ガス
    を供給するセパレータで構成される単位電池を、電気的
    直列に積層してなる固体高分子型燃料電池スタックを備
    えた固体高分子型燃料電池の運転方法であって、 その発電開始後に、前記セパレータを湿潤状態とするた
    め、所定時間、定格反応ガス量以上の流量条件で運転す
    ることを特徴とする固体高分子型燃料電池の運転方法。
  7. 【請求項7】 前記固体高分子型燃料電池スタックの積
    層方向両端部の単位電池の周囲を断熱しながら運転する
    ことを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか一に
    記載の固体高分子型燃料電池の運転方法。
  8. 【請求項8】 前記固体高分子型燃料電池スタックの積
    層方向両端部の単位電池を所定の発熱手段により加熱し
    て、スタック平均温度より高い温度に維持しながら運転
    することを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか
    一に記載の固体高分子型燃料電池の運転方法。
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