JP2008266771A - 強誘電体膜とその製造方法、強誘電体素子、及び液体吐出装置 - Google Patents

強誘電体膜とその製造方法、強誘電体素子、及び液体吐出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】PZT系の強誘電体膜において、焼結助剤やアクセプタイオンを添加することなく、Bサイトに10モル%以上のドナイオンを添加することを可能とする。
【解決手段】本発明の強誘電体膜は、多数の柱状結晶からなる柱状結晶膜構造を有し、下記式(P)で表されるペロブスカイト型酸化物を主成分とするものである。
1+δ[(ZrTi1−x1−y]O・・・(P)
(式中、AはAサイト元素であり、Pbを主成分とする少なくとも1種の元素である。Zr,Ti,及びMはBサイト元素である。MはV,Nb,Ta,及びSbからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素である。0<x≦0.7、0.1≦y≦0.4。δ=0及びz=3が標準であるが、これらの値はペロブスカイト構造を取り得る範囲内で基準値からずれてもよい。)
【選択図】なし

Description

本発明は、PZT系の強誘電体膜とその製造方法、この強誘電体膜を用いた強誘電体素子及び液体吐出装置に関するものである。
電界印加強度の増減に伴って伸縮する圧電性を有する圧電体と、圧電体に対して電界を印加する電極とを備えた圧電素子が、インクジェット式記録ヘッドに搭載される圧電アクチュエータ等の用途に使用されている。圧電材料としては、ジルコンチタン酸鉛(PZT)等のペロブスカイト型酸化物が広く用いられている。かかる圧電材料は電界無印加時において自発分極性を有する強誘電体である。
被置換イオンの価数よりも高い価数を有する各種ドナイオンを添加したPZTでは、真性PZTよりも強誘電性能等の特性が向上することが1960年代より知られている。AサイトのPb2+を置換するドナイオンとして、Bi3+,及びLa3+等の各種ランタノイドのカチオンが知られている。BサイトのZr4+及び/又はTi4+を置換するドナイオンとして、V5+,Nb5+,Ta5+,Sb5+,Mo6+,及びW6+等が知られている。
強誘電体は古くは、所望組成の構成元素を含む複数種の酸化物粉末を混合し、得られた混合粉末を成型及び焼成する、あるいは所望組成の構成元素を含む複数種の酸化物粉末を有機バインダに分散させたものを基板に塗布し焼成するなどの方法により製造されていた。かかる方法では、強誘電体は600℃以上、通常1000℃以上の焼成工程を経て、製造されていた。かかる方法では、高温の熱平衡状態で製造を行うため、本来価数が合わない添加物を高濃度ドープすることはできなかった。
非特許文献1には、PZTバルクセラミックスに対する各種ドナイオンの添加についての研究が記載されている。図16に、非特許文献1のFig.14を示す。この図は、ドナイオンの添加量と誘電率との関係を示す図である。この図には、1.0モル%程度(図では0.5wt%程度に相当)で最も特性が良くなり、それ以上添加すると特性が低下することが示されている。
同様に、特許文献9には、PZTにNb,Sb,又はWを添加する場合、3モル%までは特性が向上するが、それ以上添加すると特性が低下することが記載されている。特許文献10には、PZTにVを添加すると、焼結温度を下げられることが記載されているが、添加量は0.4wt%が限度であることが記載されている。特許文献11には、PZTにW及び/又はMoを添加すると、液相焼結において焼結温度を下げられることが記載されているが、添加量は合計で9.8モル%が限度であることが記載されている。特許文献12には、PZTにSbを添加すると特性ばらつきが抑制されるが、添加量は3.0wt%が限度であることが記載されている。
以上のように、従来の方法では、Bサイトのドナイオンの添加量は9.8モル%が限度とされていた。また、焼結温度を下げることを目的として、ドープ限界の9.8モル%程度の添加を行う場合には、他の特性が犠牲になっていた。
非特許文献2等に記載されているように、価数を合わせるために、高価数のドナイオンに合わせてNi2+、Co2+等の低価数のアクセプタイオンを共ドープすることにより、特性が向上することが知られている(=リラクサ系)。例えば、PZTにPb(Ni1/3Nb2/3)Oを添加する系が挙げられる。この系では、Nb5+に対してNi2+を共ドープすることによりBサイトの平均価数を+4価として、熱平衡状態としている。この系では、Nbの高濃度ドープが可能である。
しかしながら、非特許文献1に記載されているように、Ni2+、Co2+等の低価数のアクセプタイオンは強誘電特性を下げることが知られており、アクセプタイオンを共ドープするリラクサ系ではドナイオン添加の効果を充分に引き出すことができない。
近年、特許文献1〜8には、アクセプタイオンを共ドープすることなく、Bサイトに10〜50モル%のV,Nb,Ta等のドナイオンを添加した強誘電体膜が開示されている。
特開2005-72474号公報 特開2005-97073号公報 特許第3791614号公報 特開2005-101512号公報 特開2006-182642号公報 特開2006-188427号公報 特開2005-150694号公報 特開2005-333105号公報 特開2003-55045号公報 特開2005-35843号公報 特開2002-255646号公報 特開平7-330425号公報 S.Takahashi, Ferroelectrics(1981) Vol.41 p.143 田中哲郎、岡崎清、一ノ瀬昇、「圧電セラミックス材料」、学献社、1973、p.110-131
特許文献1〜8に記載の強誘電体膜はいずれもゾルゲル法によって成膜されている。ゾルゲル法は熱平衡プロセスであり、特許文献1〜8に記載の方法では、焼結を促進して熱平衡状態を得るために、焼結助剤としてSiを添加することが必須となっている。焼結助剤としては、Siの他にGe及びSnも知られている。かかる焼結助剤を添加すると強誘電特性が低下するため、特許文献1〜8に記載の方法では、ドナイオン添加の効果を充分に引き出すことができない。
特許文献1〜8に記載の方法では、焼結助剤としてSiを添加することで比較的低温焼成が可能となっているが、この場合、膜厚を厚くするとクラックが入るため、1μm以下の薄膜しか成膜することができない。特許文献1〜8では実際、0.2μm程度の薄膜しか成膜されていない。強誘電体メモリ等の用途ではかかる薄膜でもよいが、圧電素子では充分な変位が得られないため、強誘電体膜の膜厚は3μm以上が好ましい。薄膜の積層を繰り返すことで膜厚を厚くすることはできなくはないが、実用的ではない。
また、特許文献7に記載されているように、特許文献1〜8に記載のゾルゲル法では、Pb欠損が起こりやすい。Pb欠損が起こると、強誘電体性能が低下する傾向にあり、好ましくない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、焼結助剤やアクセプタイオンを添加することなく、Bサイトに10モル%以上のドナイオンを添加することが可能なPZT系の強誘電体膜の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明はまた、上記製造方法により、Bサイトに10モル%以上のドナイオンが添加され、強誘電性能に優れたPZT系の強誘電体膜を提供することを目的とするものである。
本発明はまた、Aサイト欠損がなく、Bサイトに10モル%以上のドナイオンが添加されたPZT系の強誘電体膜を提供することを目的とするものである。
本発明はまた、Bサイトに10モル%以上のドナイオンが添加され、3.0μm以上の膜厚を有するPZT系の強誘電体膜を提供することを目的とするものである。
本発明の強誘電体膜は、多数の柱状結晶からなる柱状結晶膜構造を有し、下記式(P)で表されるペロブスカイト型酸化物を主成分とすることを特徴とするものである。
1+δ[(ZrTi1−x1−y]O・・・(P)
(式中、AはAサイト元素であり、Pbを主成分とする少なくとも1種の元素である。
Zr,Ti,及びMはBサイト元素である。MはV,Nb,Ta,及びSbからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素である。
0<x≦0.7、0.1≦y≦0.4。
δ=0及びz=3が標準であるが、これらの値はペロブスカイト構造を取り得る範囲内で基準値からずれてもよい。)
本明細書において、「主成分」は含量80質量%以上の成分と定義する。
本発明では、Siを実質的に含まない強誘電体膜を提供することができる。「Siを実質的に含まない」とは、不可避不純物を除けばSiを含まないことを意味する。
本発明では、式(P)中のδが0<δ≦0.2の範囲内にあるAサイト元素がリッチな組成の強誘電体膜を提供することができる。
本発明の強誘電体膜において、式(P)中のyが0.2≦y≦0.4の範囲内にあることが好ましい。
本発明の強誘電体膜において、式(P)で表されるペロブスカイト型酸化物におけるAサイトの好適な添加元素としては、Biが挙げられる。
本発明では、式(P)で表されるペロブスカイト型酸化物を主成分とし、3.0μm以上の膜厚を有する強誘電体膜を提供することができる。
本発明の強誘電体膜は、非熱平衡プロセスにより成膜することができる。本発明の強誘電体膜の好適な成膜方法としては、スパッタ法が挙げられる。
本発明の強誘電体膜をスパッタ法により成膜する場合、成膜温度Ts(℃)と、成膜時のプラズマ中のプラズマ電位Vs(V)とが、下記式(1)及び(2)を充足する成膜条件、又は(3)及び(4)を充足する成膜条件で成膜を行うことが好ましい。
400≦Ts(℃)≦475・・・・(1)、
20≦Vs(V)≦50・・・・・・(2)、
475≦Ts(℃)≦600・・・(3)、
Vs(V)≦40・・・・・・・・(4)
本明細書において、「成膜温度Ts(℃)」は、成膜を行う基板の中心温度を意味するものとする。
本明細書において、「プラズマ電位Vs」は、ラングミュアプローブを用い、シングルプローブ法により測定するものとする。
プラズマ電位Vs(V)はそのまま電子温度(eV)に変換することができる。電子温度1eV=11600K(Kは絶対温度)に相当する。
本発明の強誘電体素子は、上記の本発明の強誘電体膜と、該強誘電体膜に対して電界を印加する電極とを備えたことを特徴とするものである。
本発明の液体吐出装置は、上記の本発明の強誘電体素子からなる圧電素子と、
液体が貯留される液体貯留室及び該液体貯留室から外部に前記液体が吐出される液体吐出口を有する液体貯留吐出部材とを備えたことを特徴とするものである。
本発明は、PZT系の強誘電体膜において、焼結助剤やアクセプタイオンを添加することなく、Bサイトに10〜40モル%のドナイオンを添加することを実現したものである。本発明の強誘電体膜は、Bサイトに10〜40モル%の高濃度のドナイオンが添加されたものであるので、強誘電性能(圧電性能)に優れた膜である。本発明の強誘電体膜では、焼結助剤やアクセプタイオンを添加することなく、Bサイトにかかる高濃度のドナイオンを添加できるので、焼結助剤やアクセプタイオンによる強誘電性能の低下が抑制され、ドナイオンの添加による強誘電性能の向上が最大限引き出される。
「強誘電体膜」
本発明者は、スパッタ法等の非熱平衡プロセスにより成膜を行うことにより、焼結助剤やアクセプタイオンを添加することなく、Bサイトに10モル%以上のドナイオンを添加できることを見出した。本発明者は具体的には、Bサイトに10〜40モル%のドナイオンを添加できることを見出した。本発明者はまた、この方法により成膜される膜は多数の柱状結晶からなる柱状結晶膜構造を有することを見出した。特許文献1〜8に記載のゾルゲル法では、かかる柱状結晶膜構造は得られない。
すなわち、本発明の強誘電体膜は、多数の柱状結晶からなる柱状結晶膜構造を有し、下記式(P)で表されるペロブスカイト型酸化物を主成分とすることを特徴とするものである。
1+δ[(ZrTi1−x1−y]O・・・(P)
(式中、AはAサイト元素であり、Pbを主成分とする少なくとも1種の元素である。
Zr,Ti,及びMはBサイト元素である。MはV,Nb,Ta,及びSbからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素である。
0<x≦0.7、0.1≦y≦0.4。
δ=0及びz=3が標準であるが、これらの値はペロブスカイト構造を取り得る範囲内で基準値からずれてもよい。)
「背景技術」の項において、非特許文献2等には、ドナイオンを高濃度ドープするために、Ni2+及びCo2+等のアクセプタイオンを共ドープすることが提案されていることを述べたが、本発明ではかかるアクセプタイオンを実質的に含まない強誘電体膜を提供することができる。
特許文献1〜8に記載の方法では、焼結助剤としてSiを添加することが必須であるが、本発明ではSiを実質的に含まない強誘電体膜を提供することができる。焼結助剤としてはGe及びSnも知られているが、本発明ではGe及びSnを実質的に含まない強誘電体膜を提供することもできる。
焼結助剤やアクセプタイオンによって強誘電性能の低下が抑制することが知られているが、本発明ではかかる焼結助剤やアクセプタイオンを必須としないので、焼結助剤やアクセプタイオンによる強誘電性能の低下が抑制され、ドナイオンの添加による強誘電性能の向上が最大限引き出される。なお、本発明では、焼結助剤やアクセプタイオンを必須としないが、特性に支障のない限り、これらを添加することは差し支えない。
本発明の強誘電体膜では、基板面に対して非平行に延びる多数の柱状結晶からなる柱状結晶膜構造を有するので、結晶方位の揃った配向膜が得られる。かかる膜構造では、高い圧電性能が得られ、好ましい。
圧電歪には、
(1)自発分極軸のベクトル成分と電界印加方向とが一致したときに、電界印加強度の増減によって電界印加方向に伸縮する通常の電界誘起圧電歪、
(2)電界印加強度の増減によって分極軸が可逆的に非180°回転することで生じる圧電歪、
(3)電界印加強度の増減によって結晶を相転移させ、相転移による体積変化を利用する圧電歪、
(4)電界印加により相転移する特性を有する材料を用い、自発分極軸方向とは異なる方向に結晶配向性を有する強誘電体相を含む結晶配向構造とすることで、より大きな歪が得られるエンジニアードドメイン効果を利用する圧電歪(エンジニアードドメイン効果を利用する場合には、相転移が起こる条件で駆動してもよいし、相転移が起こらない範囲で駆動してもよい)などが挙げられる。
上記の圧電歪(1)〜(4)を単独で又は組み合わせて利用することで、所望の圧電歪が得られる。また、上記の圧電歪(1)〜(4)はいずれも、それぞれの歪発生の原理に応じた結晶配向構造とすることで、より大きな圧電歪が得られる。したがって、高い圧電性能を得るには、強誘電体膜は結晶配向性を有することが好ましい。例えば、MPB組成のPZT系強誘電体膜であれば、(100)配向の柱状結晶膜が得られる。
柱状結晶の成長方向は基板面に対して非平行であればよく、略垂直方向でも斜め方向でも構わない。
強誘電体膜をなす多数の柱状結晶の平均柱径は特に制限なく、30nm以上1μm以下が好ましい。柱状結晶の平均柱径が過小では、強誘電体として充分な結晶成長が起こらない、所望の強誘電性能(圧電性能)が得られないなどの恐れがある。柱状結晶の平均柱径が過大では、パターニング後の形状精度が低下するなどの恐れがある。
特許文献1〜8に記載のゾルゲル法ではPb欠損が起こりやすく、Pb欠損が起こると強誘電体性能が低下する傾向にあるが、本発明によれば、上記式(P)中のδがδ≧0であるAサイト元素の欠損のない組成の強誘電体膜を提供することができ、δ>0であるAサイト元素がリッチな組成の強誘電体膜を提供することも可能である。本発明者は具体的には、上記式(P)中のδが0<δ≦0.2であるAサイト元素がリッチな組成の強誘電体膜を提供することができることを見出している。なお、本発明では、このようにδ≧0であるAサイト元素の欠損のない組成の強誘電体膜を提供することができるが、特性に支障のない限り、Aサイト欠損があっても構わない
本発明の強誘電体膜において、式(P)中のyが0.2≦y≦0.4の範囲内にあることが好ましい。本発明者は、y<0.2では分極-電界特性(PE特性)が正側に偏った非対称ヒステリシスを示し、0.2≦yではその非対称性が緩和されて、対称ヒステリシスに近くなることを見出している。PEヒステリシスが非対称であることは、負電界側の抗電界Ec1の絶対値と正電界側の抗電界Ec2とが異なること(|Ec1|≠Ec2)により定義される。
通常、強誘電体膜は、下部電極と強誘電体膜と上部電極とが順次積み重ねられた強誘電体素子の形態で使用され、下部電極と上部電極とのうち、一方の電極を印加電圧が0Vに固定されるグランド電極とし、他方の電極を印加電圧が変動されるアドレス電極として、駆動される。駆動しやすいことから、通常は下部電極をグランド電極とし、上部電極をアドレス電極として、駆動が行われる。「強誘電体膜に負電界が印加されている状態」とは、アドレス電極に負電圧を印加した状態を意味する。同様に、「強誘電体膜に正電界が印加されている状態」とは、アドレス電極に正電圧を印加した状態を意味する。
正側に偏ったPE非対称ヒステリシスを有する強誘電体膜では、正電界を印加した場合は分極されにくく、負電界を印加した場合は分極されやすい。この場合、正電界印加では圧電特性が出にくく、負電界印加で圧電特性が出やすい。負電界を印加するには、上部電極の駆動ドライバICを負電圧用にする必要があるが、負電圧用は汎用されておらず、ICの開発コストがかかってしまう。下部電極をパターニングしてアドレス電極とし上部電極をグランド電極とすれば、汎用の正電圧用の駆動ドライバICを用いることができるが、製造プロセスが複雑になり、好ましくない。0.2≦y≦0.4ではPE特性が対称ヒステリシスに近くなるため、駆動の観点から、好ましい。
本発明の強誘電体膜において、式(P)で表されるペロブスカイト型酸化物におけるAサイトの好適な添加元素としては特に制限されず、Bi等が好ましい。本発明者は、AサイトにBiを添加することにより、y<0.2においても、PEヒステリシスの非対称性が緩和されて、対称ヒステリシスに近くなることを見出している。
また、式(P)で表されるペロブスカイト型酸化物において、TiとZrの組成を示すxの値は、0<x≦0.7であればよいが、正方晶相と菱面体相との相転移点であるモルフォトロピック相境界(MPB)組成の近傍となる値であればより高い強誘電性能が得られ、好ましい。すなわち、0.45<x≦0.7であることが好ましく、0.47<x<0.57であることがより好ましい。
本発明では、式(P)で表されるペロブスカイト型酸化物を主成分とし、3.0μm以上の膜厚を有する強誘電体膜を提供することができる。
「強誘電体膜の製造方法」
BサイトにドナイオンMが10〜40モル%添加された上記の本発明の強誘電体膜は、非熱平衡プロセスにより成膜することができる。本発明の強誘電体膜の好適な成膜方法としては、スパッタ法、プラズマCVD法、焼成急冷クエンチ法、アニールクエンチ法、及び溶射急冷法等が挙げられる。本発明の成膜方法としては、スパッタ法が特に好ましい。
ゾルゲル法等の熱平衡プロセスでは、本来価数が合わない添加物を高濃度ドープすることが難しく、焼結助剤あるいはアクセプタイオンを用いるなどの工夫が必要であるが、非熱平衡プロセスではかかる工夫なしに、ドナイオンを高濃度ドープすることができる。
図1A及び図1Bを参照して、スパッタリング装置の構成例と成膜の様子について説明する。ここでは、RF電源を用いるRFスパッタリング装置を例として説明するが、DC電源を用いるDCスパッタリング装置を用いることもできる。図1Aは装置全体の概略断面図、図1Bは成膜中の様子を模式的に示す図である。
図1Aに示すように、スパッタリング装置1は、内部に、成膜基板Bを保持すると共に成膜基板Bを所定温度に加熱することができる静電チャック等の基板ホルダ11と、プラズマを発生させるプラズマ電極(カソード電極)12とが備えられた真空容器10から概略構成されている。
基板ホルダ11とプラズマ電極12とは互いに対向するように離間配置され、プラズマ電極12上にターゲットTが装着されるようになっている。プラズマ電極12はRF電源13に接続されている。
真空容器10には、真空容器10内に成膜に必要なガスGを導入するガス導入管14と、真空容器10内のガスの排気Vを行うガス排出管15とが取り付けられている。ガスGとしては、Ar、又はAr/O混合ガス等が使用される。
図1Bに模式的に示すように、プラズマ電極12の放電により真空容器10内に導入されたガスGがプラズマ化され、Arイオン等のプラスイオンIpが生成する。生成したプラスイオンIpはターゲットTをスパッタする。プラスイオンIpにスパッタされたターゲットTの構成元素Tpは、ターゲットTから放出され中性あるいはイオン化された状態で基板Bに蒸着される。この蒸着を所定時間実施することで、所定厚の膜が成膜される。図中、符号Pがプラズマ空間を示している。
本発明の強誘電体膜をスパッタ法により成膜する場合、成膜温度Ts(℃)と、成膜時のプラズマ中のプラズマ電位Vs(V)とが、下記式(1)及び(2)を充足する成膜条件又は、(3)及び(4)を充足する成膜条件で成膜を行うことが好ましい(本発明者が先に出願している特願2006-263980号(本件出願時において未公開)を参照。)
400≦Ts(℃)≦475・・・・(1)、
20≦Vs(V)≦50・・・・・・(2)、
475≦Ts(℃)≦600・・・(3)、
Vs(V)≦40・・・・・・・・(4)
プラズマ空間Pの電位はプラズマ電位Vs(V)となる。通常、基板Bは絶縁体であり、かつ、電気的にアースから絶縁されている。したがって、基板Bはフローティング状態にあり、その電位はフローティング電位Vf(V)となる。ターゲットTと基板Bとの間にあるターゲットの構成元素Tpは、プラズマ空間Pの電位と基板Bの電位との電位差Vs−Vfの加速電圧分の運動エネルギーを持って、成膜中の基板Bに衝突すると考えられる。従って、プラズマ電位Vsの変化に伴って、基板Bに衝突するターゲットTの構成元素Tpの運動エネルギーも変化する。
プラズマ電位Vsは、ラングミュアプローブを用いて測定することができる。プラズマP中にラングミュアプローブの先端を挿入し、プローブに印加する電圧を変化させると、例えば図2に示すような電流電圧特性が得られる(小沼光晴著、「プラズマと成膜の基礎」p.90、日刊工業新聞社発行)。この図では電流が0となるプローブ電位がフローティング電位Vfである。この状態は、プローブ表面へのイオン電流と電子電流の流入量が等しくなる点である。絶縁状態にある金属の表面や基板表面はこの電位になっている。プローブ電圧をフローティング電位Vfより高くしていくと、イオン電流は次第に減少し、プローブに到達するのは電子電流だけとなる。この境界の電圧がプラズマ電位Vsである。
Vsは、基板とターゲットとの間にアースを設置するなどして、変えることができる(後記実施例3及び4を参照)。
スパッタ法において、成膜される膜の特性を左右するファクターとしては、成膜温度、基板の種類、基板に先に成膜された膜があれば下地の組成、基板の表面エネルギー、成膜圧力、雰囲気ガス中の酸素量、投入電極、基板/ターゲット間距離、プラズマ中の電子温度及び電子密度、プラズマ中の活性種密度及び活性種の寿命等が考えられる。
本発明者は多々ある成膜ファクターの中で、成膜される膜の特性は、成膜温度TsとVsとの2つのファクターに大きく依存することを見出し、これらファクターを好適化することにより、良質な膜を成膜できることを見出した。すなわち、成膜温度Tsを横軸にし、Vsを縦軸にして、膜の特性をプロットすると、ある範囲内において良質な膜を成膜できることを見出した(図15を参照)。
Vsの変化に伴って、基板Bに衝突するターゲットTの構成元素Tpの運動エネルギーが変化することを述べた。下記式に示すように、一般に運動エネルギーEは温度Tの関数で表されるので、基板Bに対して、Vsは温度と同様の効果を持つと考えられる。
E=1/2mv=3/2kT
(式中、mは質量、vは速度、kは定数、Tは絶対温度である。)
Vsには、温度と同様の効果以外にも、表面マイグレーションの促進効果、弱結合部分のエッチング効果などの効果を持つと考えられる。
本発明者はさらに、上記一般式(P)で表されるペロブスカイト型酸化物からなる圧電膜を成膜する場合、上記式(1)を充足する400≦Ts(℃)≦475の条件では、成膜温度TsとVsが上記式(2)を充足する範囲で、また上記式(3)を充足する475≦Ts(℃)≦600の条件では、成膜温度TsとVsが上記式(4)を充足する範囲で成膜条件を決定することで、パイロクロア相の少ないペロブスカイト結晶を安定的に成長させることができ、しかもPb抜けを安定的に抑制することができることを見いだしている。
また本発明者は、より良好な結晶構造及び膜組成を有する圧電膜を安定的に成膜するには、下記式(5)及び(6)を充足する範囲で成膜条件を決定することが好ましく、下記式(7)及び(8)、又は(9)及び(10)を充足する範囲で成膜条件を決定することが特に好ましいことを見いだしている(図15を参照)。
420≦Ts(℃)≦575・・・(5)、
−0.15Ts+111<Vs(V)<−0.2Ts+114・・・(6)、
420≦Ts(℃)≦460・・・(7)、
30≦Vs(V)≦48・・・・・・(8)、
475≦Ts(℃)≦575・・・(9)、
10≦Vs(V)≦38・・・・・・(10)
PZT系強誘電体膜のスパッタ成膜において、高温成膜するとPb抜けが起こりやすくなることが知られている。本発明者は、Pb抜けが、成膜温度以外にVsにも依存することを見出している。PZTの構成元素であるPb,Zr,及びTiの中で、Pbが最もスパッタ率が大きく、スパッタされやすい。例えば、「真空ハンドブック」((株)アルバック編、オーム社発行)の表8.1.7には、Arイオン300evの条件におけるスパッタ率は、Pb=0.75、Zr=0.48,Ti=0.65であることが記載されている。スパッタされやすいということは、スパッタされた原子が基板面に付着した後に、再スパッタされやすいということである。プラズマ電位と基板の電位との差が大きい程、すなわち、Vsが大きい程、再スパッタの率が高くなり、Pb抜けが生じやすくなると考えられる。
図15からわかるように、成膜温度TsとVsがいずれも過小の条件では、ペロブスカイト結晶を良好に成長させることができない傾向にある。また、成膜温度TsとVsのうち少なくとも一方が過大の条件では、Pb抜けが生じやすくなる傾向にある。
また、本実施形態において、基板/ターゲット間距離は特に制限なく、30〜80mmの範囲であることが好ましい。基板/ターゲット間距離は、近い方が成膜速度が速いので、効率の点で好ましいが、近すぎるとプラズマの放電が不安定となり、良質な成膜を行うことが難しい。
本発明者は、上記一般式(P)で表されるペロブスカイト型酸化物からなる圧電膜を成膜する場合、下記式(1)及び(11)、又は(3)及び(12)を充足する範囲で成膜条件を決定することで、圧電定数の高い圧電膜が得られることを見出している。
400≦Ts(℃)≦475・・・(1)、
35≦Vs(V)≦45・・・・・・(11)、
475≦Ts(℃)≦600・・・(3)、
10≦Vs(V)≦35・・・・・・(12)
本発明者は、上記一般式(P)で表されるペロブスカイト型酸化物からなる圧電膜を成膜する場合、成膜温度Ts(℃)=約420の条件では、Vs(V)=約48とすることで、Pb抜けのないペロブスカイト結晶を成長させることができるが、得られる膜の圧電定数d31は100pm/V程度と低いことを見出している。この条件では、Vs、すなわち基板に衝突するターゲットTの構成元素Tpのエネルギーが高すぎるために、膜に欠陥が生じやすく、圧電定数が低下すると考えられる。本発明者は、上記式(1)及び(5)、又は(3)及び(6)を充足する範囲で成膜条件を決定することで、圧電定数d31≧130pm/Vの圧電膜を成膜できることを見出している。
以上説明したように、本発明は、PZT系の強誘電体膜において、焼結助剤やアクセプタイオンを添加することなく、Bサイトに10〜40モル%のドナイオンを添加することを実現したものである。本発明の強誘電体膜は、Bサイトに10〜40モル%の高濃度のドナイオンが添加されたものであるので、強誘電性能(圧電性能)に優れた膜である。本発明の強誘電体膜では、焼結助剤やアクセプタイオンを添加することなく、Bサイトにかかる高濃度のドナイオンを添加できるので、焼結助剤やアクセプタイオンによる強誘電性能の低下が抑制され、ドナイオンの添加による強誘電性能の向上が最大限引き出される。
「強誘電体素子(圧電素子)、インクジェット式記録ヘッド」
図3を参照して、本発明に係る実施形態の圧電素子(強誘電体素子)、及びこれを備えたインクジェット式記録ヘッド(液体吐出装置)の構造について説明する。図3はインクジェット式記録ヘッドの要部断面図である。視認しやすくするため、構成要素の縮尺は実際のものとは適宜異ならせてある。
本実施形態の圧電素子(強誘電体素子)2は、基板20上に、下部電極30と強誘電体膜(圧電体膜)40と上部電極50とが順次積層された素子であり、強誘電体膜40に対して、下部電極30と上部電極50とにより厚み方向に電界が印加されるようになっている。強誘電体膜40は上記式(P)で表されるペロブスカイト型酸化物を主成分とする本発明の強誘電体膜である。
下部電極30は基板20の略全面に形成されており、この上に図示手前側から奥側に延びるライン状の凸部41がストライプ状に配列したパターンの強誘電体膜40が形成され、各凸部41の上に上部電極50が形成されている。
強誘電体膜40のパターンは図示するものに限定されず、適宜設計される。また、強誘電体膜40は連続膜でも構わない。但し、強誘電体膜40は、連続膜ではなく、互いに分離した複数の凸部41からなるパターンで形成することで、個々の凸部41の伸縮がスムーズに起こるので、より大きな変位量が得られ、好ましい。
基板20としては特に制限なく、シリコン、ガラス、ステンレス(SUS)、イットリウム安定化ジルコニア(YSZ)、アルミナ、サファイヤ、シリコンカーバイド等の基板が挙げられる。基板20としては、シリコン基板の表面にSiO酸化膜が形成されたSOI基板等の積層基板を用いてもよい。
下部電極30の主成分としては特に制限なく、Au,Pt,Ir,IrO,RuO,LaNiO,及びSrRuO等の金属又は金属酸化物、及びこれらの組合せが挙げられる。
上部電極50の主成分としては特に制限なく、下部電極30で例示した材料、Al,Ta,Cr,及びCu等の一般的に半導体プロセスで用いられている電極材料、及びこれらの組合せが挙げられる。
下部電極30と上部電極50の厚みは特に制限なく、例えば200nm程度である。強誘電体膜40の膜厚は特に制限なく、通常1μm以上であり、例えば1〜5μmである。強誘電体膜40の膜厚は3μm以上が好ましい。
インクジェット式記録ヘッド(液体吐出装置)3は、概略、上記構成の圧電素子2の基板20の下面に、振動板60を介して、インクが貯留されるインク室(液体貯留室)71及びインク室71から外部にインクが吐出されるインク吐出口(液体吐出口)72を有するインクノズル(液体貯留吐出部材)70が取り付けられたものである。インク室71は、強誘電体膜40の凸部41の数及びパターンに対応して、複数設けられている。
インクジェット式記録ヘッド3では、圧電素子2の凸部41に印加する電界強度を凸部41ごとに増減させてこれを伸縮させ、これによってインク室71からのインクの吐出や吐出量の制御が行われる。
基板20とは独立した部材の振動板60及びインクノズル70を取り付ける代わりに、基板20の一部を振動板60及びインクノズル70に加工してもよい。例えば、基板20がSOI基板等の積層基板からなる場合には、基板20を裏面側からエッチングしてインク室71を形成し、基板自体の加工により振動板60及びインクノズル70とを形成することができる。
本実施形態の圧電素子2及びインクジェット式記録ヘッド3は、以上のように構成されている。
「インクジェット式記録装置」
図4及び図5を参照して、上記実施形態のインクジェット式記録ヘッド3を備えたインクジェット式記録装置の構成例について説明する。図4は装置全体図であり、図5は部分上面図である。
図示するインクジェット式記録装置100は、インクの色ごとに設けられた複数のインクジェット式記録ヘッド(以下、単に「ヘッド」という)3K,3C,3M,3Yを有する印字部102と、各ヘッド3K,3C,3M,3Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部114と、記録紙116を供給する給紙部118と、記録紙116のカールを除去するデカール処理部120と、印字部102のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙116の平面性を保持しながら記録紙116を搬送する吸着ベルト搬送部122と、印字部102による印字結果を読み取る印字検出部124と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部126とから概略構成されている。
印字部102をなすヘッド3K,3C,3M,3Yが、各々上記実施形態のインクジェット式記録ヘッド3である。
デカール処理部120では、巻き癖方向と逆方向に加熱ドラム130により記録紙116に熱が与えられて、デカール処理が実施される。
ロール紙を使用する装置では、図4のように、デカール処理部120の後段に裁断用のカッター128が設けられ、このカッターによってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター128は、記録紙116の搬送路幅以上の長さを有する固定刃128Aと、該固定刃128Aに沿って移動する丸刃128Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃128Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃128Bが配置される。カット紙を使用する装置では、カッター128は不要である。
デカール処理され、カットされた記録紙116は、吸着ベルト搬送部122へと送られる。吸着ベルト搬送部122は、ローラ131、132間に無端状のベルト133が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部102のノズル面及び印字検出部124のセンサ面に対向する部分が水平面(フラット面)となるよう構成されている。
ベルト133は、記録紙116の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(図示略)が形成されている。ローラ131、132間に掛け渡されたベルト133の内側において印字部102のノズル面及び印字検出部124のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバ134が設けられており、この吸着チャンバ134をファン135で吸引して負圧にすることによってベルト133上の記録紙116が吸着保持される。
ベルト133が巻かれているローラ131、132の少なくとも一方にモータ(図示略)の動力が伝達されることにより、ベルト133は図4上の時計回り方向に駆動され、ベルト133上に保持された記録紙116は図4の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト133上にもインクが付着するので、ベルト133の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部136が設けられている。
吸着ベルト搬送部122により形成される用紙搬送路上において印字部102の上流側に、加熱ファン140が設けられている。加熱ファン140は、印字前の記録紙116に加熱空気を吹き付け、記録紙116を加熱する。印字直前に記録紙116を加熱しておくことにより、インクが着弾後に乾きやすくなる。
印字部102は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙送り方向と直交方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている(図5を参照)。各印字ヘッド3K,3C,3M,3Yは、インクジェット式記録装置100が対象とする最大サイズの記録紙116の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録紙116の送り方向に沿って上流側から、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応したヘッド3K,3C,3M,3Yが配置されている。記録紙116を搬送しつつ各ヘッド3K,3C,3M,3Yからそれぞれ色インクを吐出することにより、記録紙116上にカラー画像が記録される。
印字検出部124は、印字部102の打滴結果を撮像するラインセンサ等からなり、ラインセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まり等の吐出不良を検出する。
印字検出部124の後段には、印字された画像面を乾燥させる加熱ファン等からなる後乾燥部142が設けられている。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けた方が好ましいので、熱風を吹き付ける方式が好ましい。
後乾燥部142の後段には、画像表面の光沢度を制御するために、加熱・加圧部144が設けられている。加熱・加圧部144では、画像面を加熱しながら、所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ145で画像面を加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
こうして得られたプリント物は、排紙部126から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット式記録装置100では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部126A、126Bへと送るために排紙経路を切り替える選別手段(図示略)が設けられている。
大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列にプリントする場合には、カッター148を設けて、テスト印字の部分を切り離す構成とすればよい。
インクジェット記記録装置100は、以上のように構成されている。
(設計変更)
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能である。
本発明に係る実施例について説明する。
(実施例1)
成膜基板として、25mm角のSi基板上に30nm厚のTi密着層と300nm厚のIr下部電極とが順次積層された電極付き基板を用意した。
上記基板に対して、RFスパッタリング装置を用い、真空度0.5Pa、Ar/O混合雰囲気(O体積分率2.5%)の条件下で、ターゲット組成を変えて、Nb添加量の異なる複数種のNbドープPZT強誘電体膜の成膜を実施した。基板/ターゲット間距離は60mmとした。基板を浮遊状態にして、ターゲットと基板との間ではない基板から離れたところにアースを配して、成膜を行った。アースの位置により装置のプラズマ状態は変化し、従ってプラズマ電位Vsも変化する。
このときのプラズマ電位Vsを測定したところ、Vs(V)=約23であった。成膜温度Tsは525℃とした。強誘電体膜の膜厚は4μmとした。以降、NbドープPZTは「Nb−PZT」と略記する。
上記強誘電体膜上にPt上部電極をスパッタリング法にて100nm厚で形成し、本発明の強誘電体素子を得た。
ターゲット組成を変える以外は上記と同様にして、Ta添加量の異なる複数種のTaドープPZT強誘電体膜の成膜を実施し、それぞれについて強誘電体素子を得た。以降、TaドープPZTは「Ta−PZT」と略記する。
<EDX測定>
Nb添加量の異なる複数種のNb−PZT強誘電体膜、及びTa添加量の異なる複数種のTa−PZT強誘電体膜について各々、EDXによる組成分析を実施した。
いずれの膜もPb1+δ[(Zr0.52Ti0.481−y]O(MはNb又はTa)で表される組成を有していた。Nb−PZT膜ではy=0.12,0.15,0.18,0.25の膜が得られた。Ta−PZT膜ではy=0.02〜0.20の膜が得られた。いずれもの膜も1+δ=1.02〜1.10であり、Pbリッチな組成であった。いずれもの膜も、酸素のK線強度が弱いため、2<z≦3程度であることは分かったが、酸素量zの特定はできなかった。
<SEM断面観察>
Nb添加量の異なる複数種のNb−PZT強誘電体膜、及びTa添加量の異なる複数種のTa−PZT強誘電体膜について各々、SEM断面観察を実施したところ、いずれも基板面に対して略垂直方向に成長した多数の柱状結晶(平均柱径約150nm)からなる柱状結晶構造膜であった。
<XRD測定>
Nb添加量の異なる複数種のNb−PZT強誘電体膜、及びTa添加量の異なる複数種のTa−PZT強誘電体膜について各々、XRD測定を実施した。
Nb添加量12〜18モル%のNb−PZT膜はいずれも(100)配向のペロブスカイト構造膜であった。Nb添加量25モル%のNb−PZT膜は(100)、(110)、(111)の3つに回折ピークが見られた。Ta−PZT膜はいずれも(100)配向のペロブスカイト構造膜であった。
<PEヒステリシス測定>
Nb添加量の異なる複数種のNb−PZT強誘電体膜、及びTa添加量の異なる複数種のTa−PZT強誘電体膜について各々、分極−電界ヒステリシス測定(PEヒステリシス測定)を行い、最大分極値Pmax(μC/cm)を求めた。分極値がほぼ飽和してくるE=100kV/cmにおける分極値をPmaxとして求めた。
ドナイオンMの添加量(Bサイト中のモル濃度)と最大分極値Pmaxとの関係を図6に示す。図6に示すように、スパッタ法により成膜を行うことにより、焼結助剤やアクセプタイオンを添加することなく、PZTのBサイトに10モル%以上のドナイオンを添加できることが示された。特にNb−PZTでは、10〜25モル%の範囲内で高い強誘電性能を示すことが明らかとなった。
Nb添加量12モル%と25モル%のPEヒステリシス曲線を図7に示す。図7に示すように、Nb添加量12モル%では負電界側の抗電界Ec1の絶対値と正電界側の抗電界Ec2との差が大きく、PEヒステリシスの非対称性が大きいのに対して、Nb添加量25モル%では負電界側の抗電界Ec1の絶対値と正電界側の抗電界Ec2との差が小さくなり、PEヒステリシスは対称に近づくことが明らかとなった。
(実施例2)
ターゲット組成を変える以外は実施例1と同様にして、PZTのAサイトにBiを添加し、BサイトにNbを添加する系について実験を行った。Nb添加量及びBi添加量の異なる2種の強誘電体膜の成膜を実施し、それぞれについて強誘電体素子を得た。
<EDX測定>
実施例1と同様にEDX測定を実施したところ、得られた膜は、Nb添加量が14モル%でありBi添加量が6%である強誘電体膜と、Nb添加量が16モル%でありBi添加量が9%である強誘電体膜であった。
<PEヒステリシス測定>
実施例1と同様にPEヒステリシス測定を実施した。PEヒステリシス曲線を図8に示す。図8には、実施例1のNb添加量12モル%のデータも合わせて図示してある。
図8に示すように、Nb添加量12モル%Bi添加量0モル%では負電界側の抗電界Ec1の絶対値と正電界側の抗電界Ec2との差が大きく、PEヒステリシスの非対称性が大きいのに対して、Nbに合わせてBiを添加することにより、負電界側の抗電界Ec1の絶対値と正電界側の抗電界Ec2との差が小さくなり、PEヒステリシスは対称に近づくことが明らかとなった。
(実施例3)
特定の成膜条件を変える以外は実施例1と同様にして、真性PZT膜及びNb−PZT膜の成膜を実施し、それぞれについて強誘電体素子を得た。真性PZT強誘電体膜の成膜ではPb1.3Zr0.52Ti0.48ターゲットを用い、Nb−PZT膜の成膜ではPb1.3Zr0.43Ti0.44Nb0.13ターゲットを用いて、成膜を行った。
基板/ターゲット間距離は60mmとした。基板を浮遊状態にして、ターゲットと基板との間ではない基板から離れたところにアースを配し、成膜温度Ts=525℃において、アースの位置を変化させてVs(V)=約10〜50の範囲内でプラズマ電位Vsを調整し、成膜を行った。プラズマ電位Vs=23ではNb−PZT膜を成膜し、それ以外のプラズマ電位ではPZT膜を成膜した。得られた膜のX線回折(XRD)測定を実施した。その結果、Ts=525℃の条件では、プラズマ電位Vs(V)=10〜38の範囲内において、結晶配向性を有するペロブスカイト結晶が得られた。得られた主な膜のXRDパターンを図9〜図12に示す。
プラズマ電位Vs=10では、結晶配向性を有するペロブスカイト結晶が得られるが、同一条件で調製しても、配向性が乱れ、かつパイロクロア相が見られるものもあったため、「▲」と判定した。なお、図9では配向性が乱れ、パイロクロア相があるサンプルのXRDを示した。
プラズマ電位Vs(V)=38から配向性が乱れ始めたので、プラズマ電位Vs(V)=38を「▲」と判定し(図11)、パイロクロア相がメインとなっているVs(V)=50は「×」と判定した(図12)。プラズマ電位Vs(V)=23において、良好な結晶配向性を有するペロブスカイト結晶が安定的に得られたので、「●」と判定した(図10)。なお、ピーク強度は膜厚に依存して変化するので、それぞれ膜厚の異なるサンプルを使用した図10〜図12においては様々な値を示している。しかしながら、配向性を示すピーク位置や相対的な強度比については膜厚に依存しないため、結晶性の評価には問題はない。図10においては極めて良好な配向性を有していることから、電極のピークが相対的に小さくなり、ほとんど観察することができない。
(実施例4)
次に、プラズマ電位Vs(V)=約23とし、このプラズマ条件下で、450〜600℃の範囲内で成膜温度Tsを変化させて成膜を行い、実施例1と同様に評価を行った。成膜温度Ts=525℃ではNb−PZT膜を成膜し、それ以外の成膜温度TsではPZT膜を成膜した。得られた膜のX線回折(XRD)測定を実施した。得られた主な膜のXRDパターンを図13に示す。
図13に示すように、Vs(V)=約23の条件では、成膜温度Ts=475〜575℃の範囲内において、結晶配向性を有するペロブスカイト結晶が得られた。成膜温度Ts=475℃は、同一条件で調製した他のサンプルではパイロクロア相が見られたため、「▲」と判定した。成膜温度Ts=575℃から配向性が崩れ始めたので、成膜温度Ts=575℃を「▲」と判定した。
得られた各圧電膜について、XRFによる組成分析を実施した。結果を図14に示す。図14中の「Pb/Bサイト元素」は、Pbのモル量とBサイト元素の合計モル量(Zr+Ti、又はZr+Ti+Nb)との比を示している。
図14に示すように、Vs(V)=約23の条件では、成膜温度Ts=350〜550℃の範囲において、1.0≦Pb/Bサイト元素≦1.3のPb抜けのないPZT膜又はNb−PZT膜を成膜することができた。ただし、成膜温度Tsが400℃未満では成膜温度不足のためペロブスカイト結晶が成長しなかった。また、成膜温度Tsが600℃超では、Pb抜けのためペロブスカイト結晶が成長しなかった。
例えば、Vs(V)=約23、成膜温度Ts=525℃の条件で成膜したNb−PZT膜の組成は、Pb1.12Zr0.43Ti0.44Nb0.13であった。
上記Pb1.12Zr0.43Ti0.44Nb0.13のサンプルについて、圧電膜上にPt上部電極をスパッタリング法にて100nm厚で形成し、圧電膜の圧電定数d31を片持ち梁法により測定した。圧電定数d31は250pm/Vと高く、良好であった。
(実施例3及び4の結果のまとめ)
図15に、実施例3及び4のすべてのサンプル及び、その他の任意の成膜温度Ts及びVsにて成膜したサンプルについて、成膜温度Tsを横軸にし、Vsを縦軸にして、XRD測定結果をプロットした。図15には、ペロブスカイト成長が可能な範囲を直線で囲んで示してある。
図15には、PZT膜又はNb−PZT膜においては、下記式(1)及び(2)、又は(3)及び(4)を充足する範囲で成膜条件を決定することで、パイロクロア相の少ないペロブスカイト結晶を安定的に成長させることができ、しかもPb抜けを安定的に抑制することができ、結晶構造及び膜組成が良好な良質な圧電膜を安定的に成膜できることが示されている。図15中のデータは真性PZT膜及びNb−PZT膜のデータが混在しているが、真性PZT膜もNb−PZT膜も好適な成膜条件は同様である。
400≦Ts(℃)≦475・・・(1)、
20≦Vs(V)≦50・・・・・・(2)、
475≦Ts(℃)≦600・・・(3)、
Vs(V)≦35・・・・・・(4)
本発明の強誘電体膜は、インクジェット式記録ヘッド,磁気記録再生ヘッド,MEMS(Micro Electro-Mechanical Systems)デバイス,マイクロポンプ,超音波探触子等に搭載される圧電アクチュエータ、及び強誘電体メモリ等の強誘電体素子に好ましく利用できる。
スパッタリング装置の概略断面図 成膜中の様子を模式的に示す図 プラズマ電位Vs及びフローティング電位Vfの測定方法を示す説明図 本発明に係る実施形態の圧電素子(強誘電体素子)及びインクジェット式記録ヘッド(液体吐出装置)の構造を示す断面図 図3のインクジェット式記録ヘッドを備えたインクジェット式記録装置の構成例を示す図 図4のインクジェット式記録装置の部分上面図 実施例1のBサイトのドナイオンMの添加量と最大分極値Pmaxとの関係を示す図 実施例1のNb添加量12モル%の強誘電体膜及び実施例1のNb添加量25モル%の強誘電体膜のPEヒステリシス曲線 実施例1のNb添加量12モル%の強誘電体膜、実施例2のNb添加量14モル%Bi添加量6%の強誘電体膜、及び実施例2のNb添加量16モル%Bi添加量9%の強誘電体膜のPEヒステリシス曲線 実施例3で得られた主な強誘電体膜のXRDパターン 実施例3で得られた主な強誘電体膜のXRDパターン 実施例3で得られた主な強誘電体膜のXRDパターン 実施例3で得られた主な強誘電体膜のXRDパターン 実施例4で得られた主な強誘電体膜のXRDパターン 実施例4で得られた強誘電体膜の組成分析結果を示す図 実施例3及び4のすべてのサンプル及び任意の条件で成膜したサンプルについて、成膜温度Tsを横軸にし、Vsを縦軸にして、XRD測定結果をプロットした図 非特許文献1のFig.14
符号の説明
2 圧電素子(強誘電体素子)
3、3K,3C,3M,3Y インクジェット式記録ヘッド(液体吐出装置)
20 基板
30、50 電極
40 強誘電体膜(圧電体膜)
70 インクノズル(液体貯留吐出部材)
71 インク室(液体貯留室)
72 インク吐出口(液体吐出口)
100 インクジェット式記録装置

Claims (16)

  1. 多数の柱状結晶からなる柱状結晶膜構造を有し、下記式(P)で表されるペロブスカイト型酸化物を主成分とすることを特徴とする強誘電体膜。
    1+δ[(ZrTi1−x1−y]O・・・(P)
    (式中、AはAサイト元素であり、Pbを主成分とする少なくとも1種の元素である。
    Zr,Ti,及びMはBサイト元素である。MはV,Nb,Ta,及びSbからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素である。
    0<x≦0.7、0.1≦y≦0.4。
    δ=0及びz=3が標準であるが、これらの値はペロブスカイト構造を取り得る範囲内で基準値からずれてもよい。)
  2. Siを実質的に含まないことを特徴とする請求項1に記載の強誘電体膜。
  3. 式(P)中のδが0<δ≦0.2の範囲内にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の強誘電体膜。
  4. 式(P)中のyが0.2≦y≦0.4の範囲内にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の強誘電体膜。
  5. 式(P)中のAがBiを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の強誘電体膜。
  6. 3.0μm以上の膜厚を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の強誘電体膜。
  7. 非熱平衡プロセスにより成膜されたものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の強誘電体膜。
  8. スパッタ法により成膜されたものであることを特徴とする請求項7に記載の強誘電体膜。
  9. 成膜温度Ts(℃)と、
    成膜時のプラズマ中のプラズマ電位Vs(V)とが、下記式(1)及び(2)を充足する成膜条件で成膜されたものであることを特徴とする請求項8に記載の強誘電体膜。
    400≦Ts(℃)≦475・・・・(1)、
    20≦Vs(V)≦50・・・・・・(2)
  10. 成膜温度Ts(℃)と、
    成膜時のプラズマ中のプラズマ電位Vs(V)とが、下記式(3)及び(4)を充足する成膜条件で成膜されたものであることを特徴とする請求項8に記載の強誘電体膜。
    475≦Ts(℃)≦600・・・(3)、
    Vs(V)≦40・・・・・・・・(4)
  11. 請求項1〜6のいずれかに記載の強誘電体膜の製造方法において、
    非熱平衡プロセスにより成膜を行うことを特徴とする強誘電体膜の製造方法。
  12. スパッタ法により成膜を行うことを特徴とする請求項11に記載の強誘電体膜の製造方法。
  13. 成膜温度Ts(℃)と、
    成膜時のプラズマ中のプラズマ電位Vs(V)とが、下記式(1)及び(2)を充足する成膜条件で成膜されたものであることを特徴とする請求項12に記載の強誘電体膜の製造方法。
    400≦Ts(℃)≦475・・・・(1)、
    20≦Vs(V)≦50・・・・・・(2)
  14. 成膜温度Ts(℃)と、
    成膜時のプラズマ中のプラズマ電位Vs(V)とが、下記式(3)及び(4)を充足する成膜条件で成膜されたものであることを特徴とする請求項12に記載の強誘電体膜の製造方法。
    475≦Ts(℃)≦600・・・(3)、
    Vs(V)≦40・・・・・・・・(4)
  15. 請求項1〜10に記載の強誘電体膜と、該強誘電体膜に対して電界を印加する電極とを備えたことを特徴とする強誘電体素子。
  16. 請求項15に記載の強誘電体素子からなる圧電素子と、
    液体が貯留される液体貯留室及び該液体貯留室から外部に前記液体が吐出される液体吐出口を有する液体貯留吐出部材とを備えたことを特徴とする液体吐出装置。
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