JP2008266684A - 温間成形用アルミニウム合金板および温間成形方法 - Google Patents

温間成形用アルミニウム合金板および温間成形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】温間成形性を向上させた6000系Al合金板とその温間成形方法とを提供する。
【解決手段】Cuを含む特定組成の6000系Al合金板のSiとMgとの組成バランスを制御して、図1における、条件A:Mg含有量が0.57〜3.8%の場合には(0.578×Mg含有量)≦Si含有量≦[(0.578×Mg含有量)+0.3]、条件B:Mg含有量が0.57〜4.5%でSi含有量が0.33〜2.2%の場合には[(0.578×Mg含有量)−0.4]≦Si含有量≦[(0.578×Mg含有量)]のいずれかを満足させ、更に、Cu固溶量と平均結晶粒径とを特定範囲として、ベークハード性と温間成形性とを向上させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、温間でプレス成形などの成形加工を行なう温間成形用のAl−Mg−Si系合金板および、このAl−Mg−Si系合金板の温間成形方法に関するものである。本発明で言うアルミニウム合金板とは、板状に、圧延、押出、鍛造、鋳造などによって製造されたアルミニウム合金を言う。以下、アルミニウムをAl、Al−Mg−Si系合金板を6000系Al合金板とも言う。
周知の通り、従来から、自動車、船舶、航空機あるいは車両などの輸送機、機械、電気製品、建築、構造物、光学機器、器物の部材や部品用として、各種アルミニウム合金板が、合金毎の各特性に応じて汎用されている。
これらのアルミニウム合金板は、多くの場合、プレス成形などで成形されて、上記各用途の部材や部品とされる。このため、従来から、比較的成形性の良いAl−Mg系合金(5000系Al合金)板が用いられてきた。
これに対して、6000系Al合金板は、Mg量などの合金量が多い5000系などのAl合金に比して、合金元素量が比較的少ない。このため、これら6000系Al合金板のスクラップを、Al合金溶解材 (溶解原料) として再利用する際に、元の6000系Al合金鋳塊が得やすく、リサイクル性にも優れている。また、6000系Al合金板は、基本的には、Si、Mgを必須として含み、優れた時効硬化能を有しているため、プレス成形や曲げ加工時には低耐力化により成形性を確保するとともに、成形後のパネルの塗装焼付処理などの、比較的低温の人工時効 (硬化) 処理時の加熱により時効硬化して耐力が向上し、必要な強度を確保できるBH性 (ベークハード性、人工時効硬化能、塗装焼付硬化性) を有する。
しかし、6000系Al合金板は、5000系Al合金板に比べてプレス成形性が良くない。このため、これまで、素材板側の特性を改善するために、MgやSi以外の第三、四元素を添加し、或いは合金元素の添加に併せて、結晶粒径、晶析出物の分散状態、粒界析出物、などのミクロ組織を制御する冶金的な改善が種々方法が種々試みられてきた。
一方、プレス成形の加工側からもAl合金板の成形性を向上させる方法が提案されている。その一つの例は温間成形である。この温間成形は、例えば、パンチ部分を室温に、ダイス部分を温間にして、板を成形する方法である。この温間成形は、熱間成形やブロー成形などに比して比較的低温であり、高温で板の特性が変わる恐れがなく、Al合金板の成形性は大きく改善される。
この温間成形によるアルミニウム合金板の成形が、従来から種々提案されている。例えば、温間成形性に優れた5000系アルミニウム合金板が提案されている (特許文献1、2参照) 。
また、Fe:0.5〜2.0wt%、Mn:0.01〜0.6wt%、鋳造組織微細化剤0.10wt%以下を各々含有し、残部Alと不可避的不純物からなる特定組成のアルミニウム合金板におけるFe、Mnの固溶量を特定値以下に規定し、温間加工温度範囲200 〜300 ℃における引張伸びが65%以上と高い、温間成形性に優れたアルミニウム合金板が提案されている (特許文献3参照) 。
更に、樹脂を挟む2枚のAl板を、Alを含有するはんだ材料により、予め固定し、温間成形時での加熱による樹脂剥離を極力抑え、板ズレを防止した制振Al板の温間成形も提案されている (特許文献4、5参照) 。
これに対して、6000系Al合金板の温間成形性向上手段については、これまで、あまり提案されていないが、室温での成形向上に関しては、多くの提案がなされている。例えば、特許文献6〜8によれば、Si及びMg-Si系化合物の最大径を10μm以下とし、2 〜10μmのSi及びMg-Si系化合物の数が1000個/mm2以下とすることで成形性、塗装焼付硬化性および曲げ加工性を改善させている。
特許文献9によれば、0.5μm以上のサイズの全分散粒子の平均個数密度が3000〜20000個/mm2であり、これら測定された分散粒子サイズXμmを縦軸、個数密度Y個/mm2を横軸とした座標において、Xが10μm以下のサイズの分散粒子がY=Aexp(-BX)で表される分散粒子サイズ分布式において、A/Bが1000〜40000の範囲であり、Bが0.5〜2 の範囲とすることで、強度、BH性、成形性を改善させている。
特許文献10によれば、圧延方向断面で見られる最大径が10μm以上である晶出物の個数が300個/mm2以下で、かつ、最大径と最小径の比(最大径/最小径)が3.5以上である晶出物の個数が100個/mm2以下とすることでプレス成形性、耐食性、塗装焼付後の強度を向上させている。
また、成形側からの成形性改善策として、局部加熱ブランク法、温間成形法、高温ブロー成形法に代表される成形条件の最適化による成形性の改善も試みられている。例えば、特許文献11によれば、プレス成形に先立って大きな加工変形を受ける部位を予め加熱することで軟質化し、成形性を向上させている。
特開平4−72030号公報 特開平7−310137号公報 特開2002−348625号公報 特開平11−221876号公報 特開2000−317534号公報 特開2003−105471号公報 特開2003−105472号公報 特開2002−356730号公報 特開2005−370484号公報 特開平11−71623号公報 特開2004−124151号公報
前記特許文献1〜5などの、6000系Al合金板以外のAl合金の温間成形性向上手段を採用しても、6000系Al合金板の温間成形性が向上するとは限らない。合金系が違えば、温間成形性が向上するメカニズムが違い、当然、温間成形性向上効果の有無も異なってくるからである。
一方、前記特許文献6〜10などの、6000系Al合金板の室温成形性向上手段を採用しても、6000系Al合金板の温間成形性が向上するとは限らない。成形温度が違えば、成形性が向上するメカニズムが違い、当然、温間成形性向上効果の有無も異なってくるからである。
このため、6000系Al合金板を温間成形しても、その成形性を十分向上させているとは限らなかった。言い換えると、6000系Al合金板の温間成形性の向上は、これまで十分とは言い難かった。
また、6000系Al合金板を温間成形した場合には、Mg−Si系あるいはSi系などの化合物の析出が促進されてしまい、後の人工時効硬化処理工程や塗装焼付硬化工程でのベークハード性(人工時効硬化能、塗装焼付硬化性) を低下させるという新たな問題も生じる。このため、6000系Al合金板を温間成形した場合には、6000系Al合金板の必要な強度を確保できないという問題もあった。
したがって、これまで、6000系Al合金板のベークハード性を低下させずに温間成形性を向上させる手段は必ずしも明確ではなかった。このため、近年ますます厳しさを増している温間成形性向上の課題を満たすまでには至っておらず、6000系Al合金板の更なる温間成形性の向上が求められている。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであって、その目的はベークハード性を低下させずに、温間成形性を向上させた6000系Al合金板および、その温間成形方法を提供することである。
この目的を達成するために、本発明温間成形用アルミニウム合金板の要旨は、質量%で、Mg:0.57〜4.5%、Si:0.33〜2.5%、Cu:0.05〜1.5%を含み、残部がAlおよび不純物からなるAl−Mg−Si系アルミニウム合金板において、MgとSiとが、条件A:Mg含有量が0.57〜3.8%の場合には(0.578×Mg含有量)≦Si含有量≦[(0.578×Mg含有量)+0.3]、条件B:Mg含有量が0.57〜4.5%でSi含有量が0.33〜2.2%の場合には[(0.578×Mg含有量)−0.4]≦Si含有量≦[(0.578×Mg含有量)]のいずれかを満足するとともに、残渣抽出法により測定したCu固溶量を0.01〜0.7%とし、更に、平均結晶粒径を10〜50μmとしたことである。
ここで、前記アルミニウム合金板の組織において、電子線プローブマイクロアナライザにより分析される、重心直径の平均値が0.5μm以上であるMg−Si(−Cu)系化合物とSi(−Cu)系化合物との平均総面積率aが1〜7%である一方で、このSi(−Cu)系化合物の平均面積率bの、前記平均総面積率aとの比b/aが1.0以下であることが好ましい。更に、前記重心直径の平均値が0.5μm以上であるMg−Si(−Cu)系化合物の平均数密度が2000カウント/mm2 以上であって、前記重心直径の平均値が0.5μm以上であるSi(−Cu)系化合物の平均数密度が2000カウント/mm2 以下であるであることが好ましい。
また、前記アルミニウム合金板において、質量%で、Fe:1.5%以下、Mn:1.0%以下、Cr:0.5%以下、Zr:0.5%以下、V:0.3%以下、Ti:0.2%以下、Zn:1.5%以下の含有まで許容する。
この目的を達成するために、本発明アルミニウム合金板の温間成形方法の要旨は、上記要旨あるいは後述する好ましい態様のアルミニウム合金板を温間成形するに際して、このアルミニウム合金板のフランジ部分を150〜400℃の比較的高温とする一方、このアルミニウム合金板のパンチされる部分を100℃以下の比較的低温としてプレス成形することである。
本発明では、SiとMgとの組成バランス制御によって、Mg−Si(−Cu)系化合物の析出を促進し、かつ、Si(−Cu)系化合物の析出を抑制する方向に制御する。ここで、本発明で言うMg−Si(−Cu)系化合物とは、Mg−Si系化合物およびMg−Si−Cu系化合物の総称であり、Si(−Cu)系化合物とは、Si系化合物およびSi−Cu系化合物の総称である。
Mg−Si(−Cu)系化合物の形成は、温間成形時に化合物周囲の歪の蓄積を促進し、動的回復が容易になることで、板の温間での局部伸びが増大し、温間成形性が向上する。一方、これに対して、Si(−Cu)系化合物は硬質であり、温間成形時に破壊の起点として作用しやすいために、このSi(−Cu)系化合物が多すぎると温間成形性が低下する。
これらMg−Si(−Cu)系化合物とSi(−Cu)系化合物との互いの共存と、互いの共存状態が温間成形性に与える大きな影響とは、Al−Mg−Si系アルミニウム合金板(の組織)に特有の問題である。
また、これら組織制御に加えて、本発明では、平均結晶粒径を小さくして、板の温間での局部伸びを増大させ、温間成形性を向上させる。
更に、これらの成形性向上のための組織制御に加えて、本発明では、Al−Mg−Si系アルミニウム合金板にCuを含有させるとともに、固溶Cu量を一定以上確保することにより、塗装焼付け時に生成する析出物を微細かつ高密度に分散させ、ベークハード性(BH性)を向上させる。これらの複合効果あるいは相乗効果によって、ベークハード性を低下させずに、6000系Al合金板の温間成形性を向上させることができる。
更に、本発明では、このようなアルミニウム合金板の温間成形条件を規定して、温間成形性の更なる向上や温間成形性の保証を図る。このため、本発明温間成形方法では、上記要旨あるいは後述する好ましい態様のアルミニウム合金板を温間成形するに際して、このアルミニウム合金板のフランジ部分を150〜400℃の比較的高温とする一方、このアルミニウム合金板のパンチされる部分を100℃以下の比較的低温としてプレス成形することである。
温間成形では、パンチ(底部)部分を比較的低温に、ダイス部分を比較的高温にして成形する。これをアルミニウム合金板の材料面から言うと、板のフランジ部分(ダイス周縁部と板押さえ部とで挟まれる板部分)が比較的高温となる一方、板のパンチされる部分は比較的低温となる。
温間成形において、板のパンチされる部分を比較的低温とする理由は、板のパンチされる部分は、パンチによる荷重負担部(特にパンチ底部との当接部)であり、破断強度が高い方が良いためである。
これに対して、板のフランジ部分(ダイス部分)を比較的高温とする理由は、板のフランジ部分では、板が変形してダイス内に材料流入するため、この板の変形のためには、変形抵抗を下げ、材料の流れ込み抵抗の最大値を下げる必要性があるからである。
したがって、アルミニウム合金板のパンチされる部分は、先ず板のフランジ部分として加熱されて変形抵抗を下げられ、材料の流れ込み抵抗の最大値を下げられた後で、板のパンチされる部分は、パンチ底部との当接部として、冷却されて破断強度が上げられる。
このことから、材料的には、アルミニウム合金板のパンチされる部分は、板のフランジ部分として加熱された際の流動応力が低く、パンチ底部との当接部として冷却された際の破断強度が高い方が良い。即ち、冷却された際の破断強度と、加熱された際の流動応力との差が大きい特性の方が成形性が良いこととなる。
本発明では、この特性を、Al−Mg−Si系アルミニウム合金板の組織において、Mg−Si(−Cu)系化合物の析出を促進し、かつ、Si(−Cu)系化合物の析出を抑制する方向で達成する。これによって、この板の特性として、200〜300℃における局部伸びが高く、かつ、この局部伸びの全伸びに対する比率が高いことを可能とし、温間成形性を向上させる。
以下に、本発明の実施の形態につき、各要件ごとに具体的に説明する。
(Al合金組成)
本発明アルミニウム合金板は、温間成形性を向上させるために、前提として、ある程度の伸びや延性を有することが必要である。実際の温間成形では、摩擦抵抗などにより材料の流入が困難となったり、張出要素が必要な変形部位が発生するからである。このため、温間成形性が良いためには「ある程度以上の」伸びや延性、そして強度が前提として必要となる。
これを満足し、かつ、後述する温間成形性向上のための、SiとMgとの組成バランスや組織形態とするために、本発明アルミニウム合金板組成は、前提として、質量%で、Mg:0.57〜4.5%、Si:0.33〜2.5%、Cu:0.05〜1.5%を含み、残部がAlおよび不純物からなるAl−Mg−Si系アルミニウム合金組成とする。なお、各元素の含有量の%表示は全て質量%である。
(残部組成)
含有するSiとMgとの組成バランスによる温間成形性の向上を保証するために、本発明Al−Mg−Si系合金板では、残部組成は、基本的にアルミニウムおよび不可避的不純物からなるものとする。ただ、この不可避的不純物として、温間成形性や自動車材パネル用などとして要求される諸特性を阻害しない範囲で、Fe、Ti、Mn、Cr、Cr、V、Zn、あるいはその他の元素を含むことを許容する。より具体的には、Fe:1.5%以下、Ti:0.2%以下、Mn:1.0%以下、Cr:0.5%以下、Zr:0.5%以下、V:0.3%以下、Zn:1.5%以下までの含有を許容する。
例えば、リサイクルの観点から、溶解材として、高純度Al地金だけではなく、6000系合金やその他のAl合金スクラップ材、低純度Al地金などを溶解原料として使用して、本発明Al合金組成を溶製する場合には、これらの元素は必然的に含まれることとなる。このため、本発明では、上記した通り、目的とする本発明効果を阻害しない量だけ、これら不純物元素が含有されることを許容する。
(Mg:0.57〜4.5%)
このMg含有量は、後述するSiとMgとの組成バランスを制御して、Al−Mg−Si系アルミニウム合金板の組織において、Mg−Si(−Cu)系化合物の析出を促進し、かつ、Si(−Cu)系化合物の析出を抑制する方向に制御するための前提となる含有範囲である。
また、Mgは、自動車パネル材用などとして、固溶強化と、塗装焼き付け処理などの前記人工時効処理時に、Siとともに強度向上に寄与する時効析出物を形成して、時効硬化能を発揮し、前記自動車パネルとして必要な耐力を得る。Mgの0.57%未満の含有では、上記SiとMgとの組成バランス制御ができなくなる。また、Mgの絶対量が不足するため、人工時効処理時に前記化合物相を形成できず、時効硬化能を発揮できない。このため自動車パネルとして必要な前記耐力が得られない。一方、Mgが4.5%を越えて含有されると、やはり上記SiとMgとの組成バランス制御ができなくなる。また、却ってヘム曲げ加工性やプレス成形性を低下させる。
(Si:0.33〜2.5%)
このSi含有量は、後述するSiとMgとの組成バランスを制御して、Al−Mg−Si系アルミニウム合金板の組織において、Mg−Si(−Cu)系化合物の析出を促進し、かつ、Si(−Cu)系化合物の析出を抑制する方向に制御するための前提となる含有範囲である。
またSiは、Mgとともに、自動車パネル材用などとして、固溶強化と、塗装焼き付け処理などの前記低温短時間の人工時効処理時に、強度向上に寄与する時効析出物を形成して、時効硬化能を発揮する。これによって、例えば、自動車のパネルとして必要な強度(耐力)を得ることができ、プレス成形性、ヘム (曲げ) 加工性などの諸特性を兼備できる。Si含有量が0.33%未満では、上記SiとMgとの組成バランス制御ができなくなる。また、上記時効硬化能、プレス成形性などが低下する。一方、Siが2.5%を越えて含有されると、やはり上記SiとMgとの組成バランス制御ができなくなる。また、却ってヘム加工性やプレス成形性が低下する。更に、溶接性を著しく阻害する。
(SiとMgとの組成バランス)
板の温間成形性を向上させるためには、200〜300℃における局部伸びが高く、かつ、この局部伸びの全伸びに対する比率を高くする。このために、本発明Al−Mg−Si系合金板組成では、含有するSiとMgとの組成バランスが重要となる。
このSiとMgとの組成バランス制御によって、本発明では、Al−Mg−Si系アルミニウム合金板の組織において、Mg−Si(−Cu)系化合物の析出を促進し、かつ、Si(−Cu)系化合物の析出を抑制する方向に制御する。このため、本発明ではAl−Mg−Si系合金板が含有するSiとMgとが、下記条件Aと条件Bとのいずれかを満足するものとする。
条件A:Mg含有量が0.57〜3.8%の場合には(0.578×Mg含有量)≦Si含有量≦[(0.578×Mg含有量)+0.3]。
条件B:Mg含有量が0.57〜4.5%で、Si含有量が0.33〜2.2%の場合には[(0.578×Mg含有量)−0.4]≦Si含有量≦[(0.578×Mg含有量)]。
図1に、この条件Aと条件Bとなる領域A、Bを各々示す。図1において、横軸がMg含有量、縦軸がSi含有量である。図1において、点線で示す中央の斜線がSi含有量が(0.578×Mg含有量)のMgと当量となる線である。この斜線(点線)より上側の、斜線(点線)に平行な斜めの実線が、Si含有量が[(0.578×Mg含有量)+0.3]となる線である。また、この斜線(点線)より下側の、斜線(点線)に平行な斜めの実線が、Si含有量が[(0.578×Mg含有量)−0.4]となる線である。
これら二つの斜めの実線に囲まれた範囲が、上記条件Aと条件Bとを満足する範囲となり、点線で示す中央の斜線より上側が上記条件Aを満足する範囲、点線で示す中央の斜線より下側が上記条件Bを満足する範囲である。
上記条件Aにおいて、Si含有量が[(0.578×Mg含有量)+0.3]を超えると(図1の点線で示す中央の斜線より上側の斜めの実線を超えると)、Mg−Si(−Cu)系化合物の占める面積率における、SiのみでなるSi(−Cu)系化合物の占める面積率の比が大きくなりすぎる。その結果、破壊の起点が多くなりすぎるために、温間成形性が低下する。なお、より好ましくは、Si含有量≦[(0.578×Mg含有量)+0.2]、さらに好ましくはSi含有量≦[(0.578×Mg含有量)+0.1である。
上記条件Bにおいて、Si含有量が[(0.578×Mg含有量)−0.4]未満であると(図1の点線で示す中央の斜線より下側の斜めの実線を下回ると)、Mg−Si(−Cu)系化合物の占める面積率と、SiのみでなるSi(−Cu)系化合物の占める面積率とを合計した総面積率が大きくなりすぎる。そのため、粗大な化合物が形成され、温間成形性が低下する。
また、上記条件Aにおいて、Mg含有量が3.8%を超えた場合(図1のMg含有量が3.8%を超えた場合)、および、上記条件Bにおいて、Si含有量が2.2%を超えた場合(図1のSi含有量が2.2%を超えた場合)は、いずれも、Mg−Si(−Cu)系化合物の占める面積率と、SiのみでなるSi(−Cu)系化合物の占める面積率とを合計した総面積率が大きくなりすぎる。そのため、粗大な化合物が形成され、温間成形性が低下する。
なお、上記条件AにおけるMg含有量の上限値は、好ましくは2.85%以下、より好ましくは、2.21%以下である。また、上記条件BにおけるSi含有量の上限値は、好ましくは1.65%以下、より好ましくは1.28%以下である。
(Cu:0.05〜1.5%)
このCu含有量は、後述するCu固溶量を確保するための前提となる含有範囲である。また、Cuは、前記低温短時間の人工時効処理の条件で、Al合金材組織の結晶粒内への強度向上に寄与する時効析出物の形成を促進させ、高耐力を得やすい効果がある。また、固溶したCuは成形性を向上させる効果もある。Cu含有量が少なすぎると、後述するCu固溶量を確保できない。ただ、Cu含有量が多すぎると耐食性が低下する。したがって、Cuは0.05〜1.5%の範囲で含有させる。
(固溶Cu量)
これらの温間成形性向上のための組織制御に加えて、本発明では、Al−Mg−Si系アルミニウム合金板にCuを含有させるとともに、残渣抽出法により測定したCu固溶量(固溶Cu量)を、0.01〜0.7%として、一定以上確保する。これによって、塗装焼付け時に生成する析出物を微細かつ高密度に分散させ、ベークハード性(BH性)を向上させる。
Cu固溶量が0.01%未満であるとBH性が確保できない。また、Cu固溶量が0.7%を超えると、強度が大きくなりすぎ、温間での局部伸びが低下するため、却って高温成形性が低下する。なお、Cu固溶量の下限値は、好ましくは0.03%以上、より好ましくは0.05%以上であり、Cu固溶量の上限値は好ましくは0.5%以下、より好ましくは0.3%以下である。
Cu固溶量の測定は、熱フェノールによる残渣抽出法による。即ち、熱フェノールによって、Al−Mg−Si系アルミニウム合金板を溶解した上で、0.1μmの目開き(メッシュ)サイズであるフィルターによって、この溶解液を濾過する。そして、フィルター上の残渣として、粒子サイズが0.1μmを超えるアルミニウム合金中の酸化物、晶出物および析出物などと、濾過されたろ液とに分離する。そして、この分離されたろ液中の(沈殿および残渣などの中の)Cu量をCu固溶量としてICP発光分光分析法により分析する(フィルター上の残渣中のCu量は、固溶していないCu系析出物のものと見なす)。
(平均結晶粒径)
本発明では、前記した組織制御に加えて、本発明では、平均結晶粒径を小さくして、板の温間での局部伸びを増大させ、温間成形性を向上させる。200〜300℃における局部伸びを高くし、板の温間成形性を向上させるためには、平均結晶粒径を10〜50μmとする。平均結晶粒径は小さい方が良いが、10μm以下の合金は現行の量産工程で作製することは困難である。また、平均結晶粒径が50μmを超えると、温間での局部伸びが低下するため、温間成形性が低下する。なお、平均結晶粒径の上限値は好ましくは45μm以下、より好ましくは40μm以下である。
(組織)
本発明では、前記した通り、温間成形性向上のために、Al−Mg−Si系アルミニウム合金板の組織における、SiとMgとの組成バランスを制御する。そして、Mg−Si(−Cu)系化合物(Mg−Si系化合物およびMg−Si−Cu系化合物)の析出を促進する一方で、Si(−Cu)系化合物(Si系化合物およびSi−Cu系化合物)の析出を抑制する。このような組織状態を定量的に規定できれば、再現性の点でより好ましい。この点、本発明では、温間成形性と比較的相関するものとして、これら化合物の平均総面積率や平均総面積率比で規定する。
即ち、Al−Mg−Si系アルミニウム合金板の組織において、電子線プローブマイクロアナライザにより分析される、重心直径の平均値が0.5μm以上であるMg−Si(−Cu)系化合物とSi(−Cu)系化合物との平均総面積率Aと、Si(−Cu)系化合物の平均面積率Bの平均総面積率Aとの比B/Aとで規定できる。また、Mg−Si(−Cu)系化合物やSi(−Cu)系化合物の平均数密度でも規定できる。
本発明では、これら化合物の総面積率や数密度での定量化によって、本発明の技術思想である、SiとMgとの組成バランス制御による、Mg−Si(−Cu)系化合物の析出促進と、Si(−Cu)系化合物の析出抑制とを、再現性良く、複合的に裏付ける。
(化合物面積率)
前記重心直径の平均値が0.5μm以上であるMg−Si(−Cu)系化合物とSi(−Cu)系化合物との平均総面積率aは1〜7%、好ましくは2〜6%とすることが好ましい。そして、その一方で、このSi(−Cu)系化合物の平均面積率bの、前記平均総面積率aとの比b/aは1.0以下とすることが好ましい。
前記一定以上の大きさを有する、これら全化合物の総数を示す、前記Mg−Si(−Cu)系化合物とSi(−Cu)系化合物との平均総面積率aの増加にともない、温間成形性は向上する。この平均総面積率aが少ないと、前記一定以上の大きさを有する、これら全化合物が少なすぎ、動的回復が起こりにくくなり、温間での局部伸びが低下し、温間成形性が低下する。一方で、このaが多すぎると、前記一定以上の大きさを有する、これら全化合物が多すぎ、逆に温間成形性が低下する。また、これら化合物が粗大な化合物を形成し、やはり温間成形性を低下させる。
Si(−Cu)系化合物の平均面積率bの減少にともない、温間成形性が向上する。すなわち、前記全化合物に対するSi(−Cu)系化合物の割合が小さいほど、温間成形性が向上する。この点で、前記平均総面積率aに対する、このSi(−Cu)系化合物の平均面積率bの、前記平均総面積率aとの比b/aは1.0以下、好ましくは0.5以下、より好ましくは0.2以下、とすることが好ましい。
(化合物数密度)
前記した本発明の、温間成形性向上のための、SiとMgとの組成バランス制御を介した、Mg−Si(−Cu)系化合物析出促進と、Si(−Cu)系化合物析出抑制とは、好ましくは、Mg−Si(−Cu)系化合物とSi(−Cu)系化合物との各平均数密度としても表すことができる。
即ち、好ましくは、前記重心直径の平均値が0.5μm以上であるMg−Si(−Cu)系化合物の平均数密度が2000個(カウント数)/mm2 以上とする。ここで、好ましい上限は20000個(カウント数)/mm2 以下であり、より好ましくは2000個(カウント数)/mm2 以上、15000個(カウント数)/mm2 以下とする。その一方で、前記重心直径の平均値が0.5μm以上であるSi(−Cu)系化合物の平均数密度は、好ましくは、2000個(カウント数)/mm2 以下とする。ここで、好ましい下限は、200個(カウント数)/mm2 以上であり、より好ましくは、200個(カウント数)/mm2 以上、1500(カウント数)/mm2 以下である。
前記Mg−Si(−Cu)系化合物の平均数密度が少なすぎると、動的回復が起こりにくくなり、温間での局部伸びが低下し、温間成形性が低下する。これは前記Si(−Cu)系化合物の平均数密度が少なすぎても同様である。一方で、前記Si(−Cu)系化合物の平均数密度が多すぎると、破壊の起点が多くなりすぎ、温間成形性が低下する。これはMg−Si(−Cu)系化合物の平均数密度が多すぎても同様である。
(化合物平均面積率や平均数密度の測定)
これら重心直径の平均値が0.5μm以上である化合物の平均面積率や平均個数密度は、電子線プローブマイクロアナライザ(EPMA)により分析、測定できる。但し、測定に再現性を持たせるために、測定条件は、厚みtのアルミニウム合金板の表面から1/4t深さ部分の圧延方向に0.2mm2 の面積を、任意の測定箇所10箇所について、EPMAにより走査して行ない、これらを平均化して行なうこととする。
(製造方法)
次ぎに、本発明Al合金板の製造方法について以下に説明する。本発明で言うアルミニウム合金板とは、板状に、圧延、押出、鍛造、鋳造などによって製造されたアルミニウム合金、これを溶体化および焼入れ処理などの調質処理したアルミニウム合金であって良い。この内、代表的な圧延板の製造方法を以下に説明する。
圧延板の製造方法では、上記した成分組成のAl合金鋳塊を、均質化熱処理後、熱間圧延し、更に、焼鈍を選択的に行った後に、冷間圧延し、その後、溶体化および焼入れ処理する、工程的には常法と同じである。但し、ヘム曲げ性およびベークハード性を兼備させるためには、特に、均質化熱処理条件と、溶体化および焼入れ処理後の予備時効処理条件などを特に制御するなど、好ましい製造工程条件がある。
製造する板の合金組成や各工程の設定条件によって得られる物性や組織状態は変わるので、一連の製造工程として総合的に条件を選択して決定すべきであって、個々の工程毎に条件を厳密に設定することは適切ではない。しかし、特に、均質化熱処理と溶体化処理とを下記条件とすれば、本発明で意図する、優れた温間成形性を有するAl合金板が確実に得られる。
(溶解、鋳造)
先ず、溶解、鋳造工程では、上記6000系成分規格範囲内に溶解調整されたAl合金溶湯を、連続鋳造圧延法、半連続鋳造法(DC鋳造法)等の通常の溶解鋳造法を適宜選択して鋳造する。
(均質化熱処理)
次いで、前記鋳造されたAl合金鋳塊に均質化熱処理を施す。この際、均質化熱処理を2段階に分けて行うことが好ましい。1回目の均質化熱処理における加熱温度を200〜450℃として、1回目の均質加熱では結晶粒の微細化に寄与する微細な析出物を形成させる。1回目の均質加熱温度が200℃より低いと、微細な析出物が十分に得られず、結晶粒が粗大化し、温間成形性が低下する。また、均質加熱温度が450℃を超えると、析出物が粗大化し、温間成形性が低下する。1回目の均質加熱時間は0.5〜40hrとする。均質加熱時間が短いと、微細な析出物が十分に得られず、結晶粒が粗大化し、温間成形性が低下する。また、均質加熱時間が長いと、析出物が粗大化するとともに、結晶粒が粗大化し、温間成形性が低下する。
この1回目の均質加熱処理終了後、2回目の均質加熱処理を施す。均質化熱処理の温度自体は、450℃以上、融点未満の温度が適宜選択される。この均質化熱処理は、組織の均質化、すなわち、鋳塊組織中の結晶粒内の偏析をなくすことを目的とする。焼鈍温度が低過ぎると鋳塊の粒内偏析を十分になくすことができず、これが破壊の起点として作用するため、温間成形性が低下する。
この2回目の均質加熱処理の際、1回目の均質加熱処理終了後、そのまま(鋳塊を冷却することなく)鋳塊を引き続き昇温して2回目の均質加熱処理を施しても、もしくは、一旦室温近くまで鋳塊を冷却し、再度昇温して、2回目の均質加熱処理を開始してもどちらでも良い。
この2回目の均質加熱温度までの昇温速度は、1回目の均質加熱処理終了後そのまま加熱する場合でも、一旦室温近くまで鋳塊を冷却した場合でも、1℃/hr以上とする。昇温速度が1℃/hrより遅いと、析出物が粗大化し、温間成形性が低下する。2回目の均質加熱時間は2〜30hr以上とする。均質加熱時間が短いと、鋳塊の粒内偏析を十分になくすことができず、これが破壊の起点として作用するため、温間成形性が低下する。また、均質加熱時間が長時間となっても、均質化の効果が飽和するため、それ以上の長時間の焼程を施しても効果は無い。
(熱間圧延)
本発明では、熱間圧延条件に関しては特に制約はないが、好ましくは熱間圧延開始温度が低い方が熱延中の析出促進及び析出物粗大化を抑制し、また粗大な再結晶粒の形成を抑制し、強度や成形性を劣化させない。好ましくは400℃以下で、下限は好ましくは250℃以上である。
(熱延板の焼鈍)
この熱延板の冷間圧延前の焼鈍 (荒鈍) は、必要に応じて行なう。製造の効率化や製造コストの低減のために省略し、熱延板を予め焼鈍を施こすことなく、冷間圧延を行っても良い。
(冷間圧延)
熱間圧延の後に冷間圧延を行なって、所望の板厚の冷延板 (コイルも含む) を製作する。
(溶体化および焼入れ処理)
溶体化処理は、Si(−Cu)系化合物を再固溶させ、続く冷却(焼入れ)工程や、後の人工時効硬化処理におけるMg−Si(−Cu)系化合物の析出を促進させるものである。このために、溶体化温度は470℃以上、融点未満とし、溶体化後の冷却(焼入れ)速度は50℃/分以上、2500℃/s以下の速度とする。この冷却速度を確保するために、焼入れ処理は、ファンによる強制空冷、ミスト、スプレー、浸漬等の水冷手段や条件を各々選択して用いた急冷とすることが好ましい。
この溶体化温度が低すぎると、溶体化処理でのSi(−Cu)系化合物の再固溶が不完全となり、Si(−Cu)系化合物が多くなり過ぎ、温間成形性向上のための、Mg−Si(−Cu)系化合物析出促進と、Si(−Cu)系化合物析出抑制とができなくなる。このため、温間成形性が低下し、前記面積比B/Aや前記化合物数密度の条件をも満足できなくなる可能性が高い。
一方で、溶体化温度が融点を超えた場合、結晶粒が粗大化して、温間成形性が低下する。また、冷却速度が遅すぎると、冷却過程で結晶粒が粗大化するとともに、Si(−Cu)系化合物が析出するため、Si(−Cu)系化合物が多くなり過ぎ、温間成形性向上のための、Mg−Si(−Cu)系化合物析出促進と、Si(−Cu)系化合物析出抑制とができなくなる。このため、温間成形性が低下し、前記面積比B/Aや前記化合物数密度の条件をも満足できなくなる可能性が高い。ただ、量産工程における設備上の冷却速度の上限は2500℃/s程度であるので、これを上限とする。
本発明では、成形パネルの塗装焼き付け工程などの人工時効硬化処理での時効硬化性を高めるため、溶体化焼入れ処理後のクラスターの生成を抑制し、GPゾーンの析出を促進するために、予備時効処理をしても良い。この予備時効処理は、50〜140℃の温度範囲に1〜24時間の必要時間保持することが好ましい。
この予備時効処理として、溶体化処理後の焼入れ終了温度を50〜140℃と高くした後に、直ちに再加熱乃至そのまま保持して行う。あるいは、溶体化処理後常温までの焼入れ処理の後に、直ちに50〜140℃に再加熱して行う。また、連続溶体化焼入れ処理の場合には、前記予備時効の温度範囲で焼入れ処理を終了し、そのままの高温でコイルに巻き取るなどして行う。なお、コイルに巻き取る前に再加熱しても、巻き取り後に保温しても良い。また、常温までの焼入れ処理の後に、前記温度範囲に再加熱して高温で巻き取るなどしてもよい。
この他、用途や必要特性に応じて、更に高温の時効処理や安定化処理を行い、より高強度化などを図ることなども勿論可能である。
(温間成形方法)
次に、本発明6000系Al合金板が適用されて好ましい温間成形方法を以下に説明する。本発明6000系Al合金板は、深絞り、張出などの種々の温間でのプレス成形に適用できる。言い換えると、温間成形方法自体は、深絞り、張出などの通常のプレス成形が適用できる。また、これらの温間成形方法で使用するプレス装置も、通常の温間成形用プレス機が適用できる。
図2のプレス成形機の断面図を用いて、深絞りを意図したプレス成形を説明する。図2において、1は成形される6000系アルミニウム合金板、5はパンチ(パンチ)、6はダイス(金型)、7は板押さえである。そして、2は板押さえ7とダイス(金型)6によって挟持された板1の周囲のフランジ部分、3は板1のダイス6内に流入した筒状成形品の筒壁部分、4はパンチ5の底部に当接して成形(荷重負荷)される筒状成形品の筒底部分である。
ここで、好ましい温間成形方法としては、板1のフランジ部分2をダイス6内に流入しやすくするために、この板1のフランジ部分2を150〜400℃の比較的高温とする。このために、この板1のフランジ部分2を加熱する。この加熱方法は、プレス機に導入する前に予めヒーターや炉などを用いて、板全体か、板1のフランジ部分2のみを加熱するか、または、図示するダイス6および/または板押さえ7をヒーター8などで加熱して、プレス機に導入後に板1の周囲のフランジ部分2を部分的に加熱する。
本発明では、前記した通り、温間成形される6000系Al合金板の含有するSiとMgとの組成バランスによって、Al合金板のパンチされる部分は、板のフランジ部分として加熱された際の流動応力が低く、パンチ底部との当接部として冷却された際の破断強度が高くしている。即ち、冷却された際の破断強度と、加熱された際の流動応力との差が大きい特性となり、温間成形性を向上させている。
ただ、この加熱温度は150℃以上とすることが好ましい。この加熱温度が150℃未満では、加熱温度が低過ぎ、通常の室温成形と変わりなくなり、本発明6000系Al合金板であっても、温間成形自体の利点が損なわれる。
一方、この加熱温度が400℃を越えた場合、温度が高過ぎ、本発明6000系Al合金板であっても、材料のダイス6への流入量が多くなり過ぎる可能性があり、成形品にしわが発生しやすくなる。
これに対して、板1のパンチされる部分として、パンチ5のコーナー部に当接する板3のコーナー部や、パンチ5の底部に当接する板4の部分を、破断強度を高めるために、100℃以下の比較的低温とする。
このために、前記加熱された板を冷却する必要があり、パンチ5の底部を循環水により冷却するなどして、100℃以下の比較的低温とする。なお、100℃以下の下限の温度については、パンチ5による板4の冷却能力にも依るが、室温程度となる。
ただ、この温度が100℃を越えた場合、本発明6000系Al合金板であっても、パンチ5のコーナー部に当接する板3のコーナー部や、パンチ5の底部に当接する板4の部分の破断強度が低くなり、成形途中で割れが生じる可能性が高くなる。
このような温間成形条件と、本発明6000系Al合金板の含有するSiとMgとの組成バランスによって、更に温間成形性が向上する。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらは何れも本発明の技術的範囲に含まれる。
次に、本発明の実施例を説明する。表1に示す1〜9(発明例)、10〜15(比較例)の各組成およびSiとMgとの組成バランスを有する6000系Al合金板を表2に各々示す条件で製造し、これらの組織や温間成形性を測定、評価した。これらの結果を表3に各々示す。
各試験材Al合金板の、より具体的な共通する製造条件は以下の通りである。表1に示す各組成の500mm厚さ、2000mm幅、7m長さの鋳塊を、DC鋳造法により溶製後、表2に示す各条件で2段階の均質化熱処理を施した。この均質化熱処理後に、開始温度390℃、終了温度280℃として、板厚2.5mmまで熱間圧延した。この熱延板を、荒鈍を省略した上で、直接冷間圧延を行い、板厚1.0mmの冷延板コイルを得た。この板コイルを、連続炉で表2に示す各条件で、溶体化温度での保持時間が数秒の溶体化処理および室温まで冷却する水焼入れ処理を行った。その後、直ちに、70℃の温度に再加熱して、この温度範囲に2時間保持するなどの一連の調質処理を行なった。
(温間局部伸び)
上記各調質処理後の板から圧延方向に対する角度が90°方向を長手方向とする引張試験片を採取し、JIS5号引張試験により応力−歪み曲線を得た後、温間での局部伸び(%)を求めた。引張試験時の雰囲気温度は250℃とし、予め雰囲気温度に到達後に引張試験片を装着し、装着後に約10分間保持した後、引張試験を実施した。さらに、各サンプルについて3回の試験を行い、その平均値を採用した。
(BH性)
BH性(ベークハード性)は、上記各調質処理後の板と、これを170℃×20分熱処理(人工時効硬化処理)後の板から、圧延方向に対する角度が90°方向を長手方向とする引張試験片を採取し、JIS5号引張試験により応力−歪み曲線を得た後、0.2%耐力(AB耐力:MPa)を求めた。さらに、次の式により上記調質処理後の板の耐力との差を算出し、差の大きさによりBH性を評価した。BH性=上記人工時効硬化処理後の耐力(AB耐力)−上記調質処理後の耐力(AS耐力)。引張試験時の雰囲気温度は室温とし、引張試験を実施した。さらに、各サンプルについて3回の試験を行い、その平均値を採用した。
(化合物面積率)
Mg−Si(−Cu)系化合物とSi(−Cu)系化合物との化合物面積率の測定は、上記各調質処理後の板に対して、圧延面から0.25mm深さまで機械研磨により削り落とし、その研磨面をEPMA(日本電子製JXA−8000シリーズ、測定条件は加速電圧20kV)により行った。測定エリアは約0.1〜0.2mm2 程度、測定時の倍率は×600であった。計測対象は、重心直径が0.5μm以上の粒子を測定した。なお、計測対象を重心直径が0.5μm以上の大きさのものとしたのは、装置の分解能により、それ以下の粒子の検出は困難なためである。
これら測定により検出された全化合物粒子のうち、Mg−Si(−Cu)系化合物とSi(−Cu)系化合物とを以下の要領で抽出した。先ず、EPMA装置により、個々の粒子に含有する構成元素分析Fe、Mn、Mg、Si、Cuの5元素の分析を行う(at%)。ここで得られる定量的な値は 各化合物粒子のサイズやEPMAのビーム径によって、分析精度に問題が生じるため、本特許では、主要含有元素の比率により、Mg−Si(−Cu)系化合物とSi(−Cu)系化合物との判別を行った。具体的な解析方法を以下に示す。
上記EPMA装置により、Fe、Mn、Mg、Si、Cuの各量と、Fe(at%)+Mn(at%)+Mg(at%)+Si(at%)+Cu(at%)の合計量(TOTAL量)を求める。次に、1つ1つの化合物粒子につき、Fe量/合計量、Mn量/合計量、Mg量/合計量、Si量/合計量、Cu量/合計量により、含有5元素の合計量に対するFe、Mn、Mg、Si、Cuの各含有比率を求める。この内、Fe量/合計量が0.05以下で且つMn量/合計量が0.3以下のもの、また、Fe量/合計量が0.05を超えるものでも、Mg量/合計量が0.3以上のもの、のいずれかに該当するものを、Mg−Si(−Cu)系化合物かSi(−Cu)系化合物であるとの判別を行った。
更に、これらMg−Si(−Cu)系化合物かSi(−Cu)系化合物であるとの判別を行った1つ1つの化合物粒子につき、Mg/(Mg+Si)が0.05以下のものをSi(−Cu)系化合物であると判別した。したがって、Mg/(Mg+Si)が0.05を超えるものをMg−Si(−Cu)系化合物であると判別した。
このように、分析、判別されたMg−Si(−Cu)系化合物とSi(−Cu)系化合物との画像上のピクセル数の和をもって、各化合物粒子の面積を求め、その総和を測定面積で除することで、Mg−Si(−Cu)系化合物とSi(−Cu)系化合物との平均総面積率aとした。
また、上記分析、判別されたSi(−Cu)系化合物の画像上のピクセル数の和をもって、各Si(−Cu)系化合物粒子の面積を求め、その総和を測定面積で除することで、Si(−Cu)系化合物の平均面積率bとした。そして、このSi(−Cu)系化合物の平均面積率bの、前記平均総面積率aとの面積比はb/aとした。面積率a、bの平均化は、これら面積率a、bの測定を同一試料の任意の異なる測定箇所5カ所で行い、その結果を平均して行った。
(化合物数密度)
これらの化合物粒子の面積率分析(測定)の過程で得られた、Mg−Si(−Cu)系化合物とSi(−Cu)系化合物との各々の総個数(総カウント数)を、各測定面積で除することで、Mg−Si(−Cu)系化合物とSi(−Cu)系化合物との各々の数密度(個/mm2 )を得た。
(Cu固溶量)
Cu固溶量の測定は、前記した熱フェノールによる残査抽出法による。即ち、熱フェノールによって、上記各調質処理後の板のアルミニウム合金マトリックスのみを溶解し、0.1μmの目開き(メッシュ)サイズであるフィルターによって、この溶解液を濾過する。そして、フィルター上の残渣として、粒子サイズが0.1μmを超えるアルミニウム合金中の酸化物、晶出物および析出物などの残査と濾過された溶液とに分離する。そして、この分離されたろ液中の(ろ液中の沈殿および残渣などの)Cu量をICP発光分光分析法により求めた。
(平均結晶粒径)
上記各調質処理後の板の平均結晶粒径の測定は、表面から板厚1/4t深さ部の圧延面の集合組織の測定により行う。具体的には、上記各調質処理後の板の、圧延方向で、垂直方向(板厚方向)に、0.25mmを機械研磨により削り落とし、バフ研磨に次いで電解研磨し、表面を調整した試料を用意した。その後、日本電子社製SEM(JEOL JSM 5410 )を用いてEBSP(Electron Back Scattering (Scattered) Pattern)による結晶方位測定並びに結晶粒径測定を行った。測定領域は1500μm×1500μmの領域であり、測定ステップ間隔は2μmとした。EBSP測定・解析システムは、EBSP:TSL社製(OIM)を用いた。ここで±15°以内の方位のずれは同一の結晶粒に属するものとした。
(温間成形性)
また、上記調質処理後の板から供試板 (ブランク) を切り出し、図2に示すプレス機を用いて、温間成形試験により、成形高さ(破断に至るまでのパンチ深さの最大値/mm)の測定、評価を行なった。
この際、図2に示すプレス機による温間成形の温度条件としては、板1のフランジ部分2が260℃になるよう、ヒーター8を用いて加熱した。また、パンチ5の底部を循環水により冷却して、パンチ5のコーナー部に当接する板3のコーナー部や、パンチ5の底部に当接する板4の部分を100℃以下の比較的低温とした。これらの温度は接触式温度計により測定し、所定測定時間内での複数回測定における平均温度とした。
この温間成形の温度条件は、本発明アルミニウム合金板の温間成形方法の条件である、アルミニウム合金板のフランジ部分を150〜400℃の比較的高温とする一方、このアルミニウム合金板のパンチされる部分を100℃以下の比較的低温としてプレス成形することを満足する。
供試板のサイズは、120×120mm、パンチ:50mmφ−肩R4.5mm、ダイス:54.5〜56.0mmφ−肩R8〜10mm、日本工作油製の潤滑材CF853を用いて、しわ押さえ荷重1.2kg/cm2 、パンチ速度80mm/minの条件で深絞り試験を行った。そして、深絞り成形できない成形限界ブランク径を決定し、次の式により限界絞り比を算出した。限界絞り比=成形限界ブランク径/パンチ径。限界絞り比が大きいほど、深絞り成形性に優れていることを意味し、例えば自動車用パネルへの成形に要求される深絞り成形性を満足するためには、成形高さは約25mm以上であればよい。
表1〜3の通り、発明例は、表1の発明範囲内の各組成の合金を用い、表2の通り好ましい製造条件で製造されている。このため、表3の通り、MgとSiとが、条件A:Mg含有量が0.57〜3.8%の場合には(0.578×Mg含有量)≦Si含有量≦[(0.578×Mg含有量)+0.3]、条件B:Mg含有量が0.57〜4.5%でSi含有量が0.33〜2.2%の場合には[(0.578×Mg含有量)−0.4]≦Si含有量≦[(0.578×Mg含有量)]のいずれかを満足する。また、残渣抽出法により測定したCu固溶量や平均結晶粒径が発明範囲内である。
上記SiとMgとの組成バランス制御によって、発明例は、Al−Mg−Si系アルミニウム合金板の組織において、Mg−Si(−Cu)系化合物の析出を促進し、かつ、Si(−Cu)系化合物の析出を抑制する方向に制御している。したがって、表3の通り、前記重心直径の平均値が0.5μm以上であるMg−Si(−Cu)系化合物とSi(−Cu)系化合物との平均総面積率aが1〜7%である好ましい条件を満たす。また、このSi(−Cu)系化合物の平均面積率bの、前記平均総面積率aとの比b/aが1.0以下である好ましい条件も満たす。更には、前記Mg−Si(−Cu)系化合物の平均数密度が2000カウント/mm2 以上であって、前記Si(−Cu)系化合物の平均数密度が2000カウント/mm2 以下である好ましい条件も満たす。
これらの結果、発明例は、表3の通り、板の特性として、250℃における局部伸びが高く、温間成形での成形高さは25mm以上であり、BH性(ベークハード性)にも優れ、温間成形性とBH性とを兼備できている。
これに対して、表2の通り、比較例26〜32は、表1の発明範囲内の組成の合金を用いているものの、表2の通り製造条件が好ましい範囲から外れる。このため、比較例26〜32は、Al−Mg−Si系アルミニウム合金板の組織において、Mg−Si(−Cu)系化合物の析出を促進し、かつ、Si(−Cu)系化合物の析出を抑制する方向に制御していない。したがって、表3の通り、前記Mg−Si(−Cu)系化合物やSi(−Cu)系化合物の、面積率や数密度などのいずれかの条件を満たさない。これらの結果、比較例26〜32は、表3の通り、板の特性として、250℃における局部伸びや、温間成形での成形高さ、BH性のいずれかが発明例に比して著しく劣る。
比較例19〜22は、表1の通り、MgとSiとが前記条件Aか条件Bのいずれかが発明範囲から外れる発明範囲外の組成の合金を用いている。このため、比較例19〜22は、表2の通り製造条件が好ましい範囲内であるものの、表3の通り、前記Mg−Si(−Cu)系化合物やSi(−Cu)系化合物の、面積率や数密度などの条件を満たさない。したがって、比較例19〜22は、表3の通り、特性的に、温間成形性かBH性かいずれか、または両方が発明例に比して著しく劣り、これらが兼備できていない。
また、Cuが少なすぎるか多すぎる、あるいはCrが多すぎる点で、発明範囲外の組成である比較例23〜25は、表2の通り製造条件が好ましい範囲内で、表3の通り、前記Mg−Si(−Cu)系化合物やSi(−Cu)系化合物の、面積率や数密度などの条件を満たすものの、表3の通り、特性的に、温間成形性かBH性かのいずれかが発明例に比して劣り、これらが兼備できていない。
以上の実施例から、本発明各要件あるいは好ましい条件の、温間成形性とBH性とを兼備するための臨界的な意義が裏付けられる。
Figure 2008266684
Figure 2008266684
Figure 2008266684
本発明によれば、ベークハード性を低下させずに、温間成形性を向上させた6000系Al合金板および、その温間成形方法を提供できる。この結果、自動車パネルなどのプレス成形用途に、6000系アルミニウム合金板の適用を拡大できる。
本発明が規定するMg2 Si組成バランスの範囲を示す説明図である。 アルミニウム合金板の温間成形を示す断面図である。
符号の説明
1:板、2:板フランジ部、3:板壁部、4:板底部(ポンチとの接触部)、
5:ポンチ、6:ダイス(金型)、7:板押さえ

Claims (5)

  1. 質量%で、Mg:0.57〜4.5%、Si:0.33〜2.5%、Cu:0.05〜1.5%を含み、残部がAlおよび不純物からなるAl−Mg−Si系アルミニウム合金板において、MgとSiとが、条件A:Mg含有量が0.57〜3.8%の場合には(0.578×Mg含有量)≦Si含有量≦[(0.578×Mg含有量)+0.3]、条件B:Mg含有量が0.57〜4.5%でSi含有量が0.33〜2.2%の場合には[(0.578×Mg含有量)−0.4]≦Si含有量≦[(0.578×Mg含有量)]のいずれかを満足するとともに、残渣抽出法により測定したCu固溶量を0.01〜0.7%とし、更に、平均結晶粒径を10〜50μmとしたことを特徴とする、ベークハード性に優れた温間成形用アルミニウム合金板。
  2. 前記アルミニウム合金板の組織において、電子線プローブマイクロアナライザにより分析される、重心直径の平均値が0.5μm以上であるMg−Si(−Cu)系化合物とSi(−Cu)系化合物との平均総面積率aが1〜7%である一方で、このSi(−Cu)系化合物の平均面積率bの、前記平均総面積率aとの比b/aが1.0以下である請求項1に記載の温間成形用アルミニウム合金板。
  3. 前記重心直径の平均値が0.5μm以上であるMg−Si(−Cu)系化合物の平均数密度が2000カウント/mm2 以上であって、前記重心直径の平均値が0.5μm以上であるSi(−Cu)系化合物の平均数密度が2000カウント/mm2 以下である請求項2に記載の温間成形用アルミニウム合金板。
  4. 前記アルミニウム合金板において、前記不純物として、質量%で、Fe:1.5%以下、Ti:0.2%以下、Mn:1.0%以下、Cr:0.5%以下、Zr:0.5%以下、V:0.3%以下、Zn:1.5%以下の含有まで許容する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の温間成形用アルミニウム合金板。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のアルミニウム合金板を温間成形するに際して、このアルミニウム合金板のフランジ部分を150〜400℃の比較的高温とする一方、このアルミニウム合金板のパンチされる部分を100℃以下の比較的低温としてプレス成形することを特徴とする温間成形方法。
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