JP2003342657A - アルミニウム系熱間圧延板及びそれを用いた缶胴用板材 - Google Patents

アルミニウム系熱間圧延板及びそれを用いた缶胴用板材

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JP2003342657A JP2003069937A JP2003069937A JP2003342657A JP 2003342657 A JP2003342657 A JP 2003342657A JP 2003069937 A JP2003069937 A JP 2003069937A JP 2003069937 A JP2003069937 A JP 2003069937A JP 2003342657 A JP2003342657 A JP 2003342657A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱間圧延後を冷間圧延して缶胴用板材を製造
するに際して、熱間圧延焼鈍後の中間焼鈍工程を省略し
ても、缶銅用板材の耳率を高いレベルで安定して低くす
る(ただし、0%以上)。 【解決手段】 Mn:0.8〜1.5%、Mg:0.5
〜1.5%、Fe:0.1〜0.7%、Si:0.05
〜0.5%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物か
らなる熱間圧延板であって、Mn固溶量が0.12〜
0.38%に制御されており、平均結晶粒径が20〜5
0μmに制御されているアルミニウム系熱間圧延板を使
用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム系飲
料缶などの缶胴材を製造するのに有用なAl−Mg−M
n系板材、及びこの板材を製造するのに有用なAl−M
g−Mn系熱間圧延板、並びにこの熱間圧延板の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム系飲料缶としては、缶胴体
と缶蓋(缶エンド)とをシーミング加工することによっ
て得られる2ピースアルミニウム缶が多用されている。
前記缶胴体は、アルミニウム系冷間圧延板をDI加工
(深絞り加工及びしごき加工)し、所定のサイズにトリ
ミングを施した後、脱脂・洗浄処理を行い、さらに塗装
および印刷を行って焼付け(ベーキング)を行い、缶胴
縁部をネッキング加工及びフランジ加工することによっ
て製造されている。
【0003】前記缶胴体用の冷間圧延板としては、従来
からAl−Mg−Mn系合金であるJIS3004合金
の硬質板が広く用いられている。このJIS3004合
金は、しごき加工性に優れており、強度を高めるために
高圧延率で冷間圧延を施した場合でも比較的良好な成形
性を示すことから、DI缶胴材として好適であるとされ
ている。
【0004】ところでDI缶胴については、主として製
造コストの低減、及び軽量化の目的から、さらなる薄肉
化が求められている。薄肉化を達成するためには、座屈
強度の低下をきたさないように、材料の高強度化を図る
ことが重要である。さらには、薄肉化を達成するために
は、DI成形時における耳率が低いことが強く求められ
ている。DI成形時の耳率を低くすれば、DI成形時の
歩留まりを高めることができ、さらには缶胴の耳切れに
起因する缶胴破断を防止することができる。またDI缶
胴用板材については、その他、フランジ成形性(口拡げ
性)、しごき性(缶切れ性)なども要求される。これら
要求特性のうち、特に耳率はその制御が難しく、上記諸
特性のバランスを改善するためには、耳率を適切に制御
することが極めて重要な課題となっている。
【0005】一方、DI缶胴用途に多用されている前記
JIS3004合金硬質板は、通常、原料をDC鋳造法
などによって鋳造し、得られた鋳塊に対して均熱処理
(均質化処理)を施した後で熱間圧延し、この熱間圧延
板を冷間圧延することによって製造されている。そして
前記冷間圧延の前、又は冷間圧延の途中において中間焼
鈍をするのが一般的であるが、製造コストの低減を目的
とする場合、この中間焼鈍を省略するのが有効である。
しかし中間焼鈍を省略すると、耳率が安定化しにくくな
り、品質面で歩留まりが悪化し、製造コストが却って上
昇してしまうという問題がある。従って、中間焼鈍を省
略しても、耳率を安定的に低くできる技術が強く求めら
れている。
【0006】前記DI缶胴用のAl合金板及びその製造
方法として、種々のAl合金板や製造方法が提案されて
いるが、いずれの技術に従っても、中間焼鈍を省略して
しまうと、板の幅方向で耳率にばらつきが生じてしま
い、歩留まりが低下してしまう。
【0007】例えば、特許文献1には、耳率を低減する
ためには、熱間圧延およびその後の焼鈍において多量の
立方体方位結晶粒を形成させることが肝要であるとして
いる。立方体方位結晶粒を形成させると、その後の冷間
圧延において板面の法線方向の周りに方位回転をおこ
し、回転立方体方位結晶粒となり、この回転立方体方位
結晶粒が耳率を低減させるとしている。そしてこの回転
立方体方位の結晶粒が多くなるほど、X線回折測定にお
ける(200)面の回折強度の半値幅が大きくなるた
め、この特許文献1では冷間圧延板の半値幅を0.15
度以上に規定している。しかし、この特許文献1では、
冷間圧延前の立方体方位結晶粒を形成させるために、熱
間圧延板を冷間圧延前に焼鈍(中間焼鈍)することを必
須の要件としている。従って、中間焼鈍を省略してしま
ったのでは、耳率を充分に小さくすることは困難であ
る。なお本特許文献1では、熱間圧延工程(熱間粗圧延
工程及び熱間仕上圧延工程)において、熱間粗圧延の開
始温度を450〜480℃程度と低くしているため、熱
間粗圧延終了時の温度は低く(例えば、440℃未満程
度に)なっているものと思料される。
【0008】特許文献2にも、DI缶胴用のAl合金硬
質板(冷間圧延板)が開示されているが、この特許文献
2でも深絞り耳率を改善するために中間焼鈍を行ってい
る。従ってこの特許文献2の技術に拠ったとしても、中
間焼鈍を省略してしまったのでは、耳率を充分に小さく
することは困難である。なお本特許文献2では、連続鋳
造板を1次冷間圧延し、中間焼鈍を施した後、2次冷間
圧延することによってAl合金硬質板を製造している。
【0009】特許文献3には、Alマトリックス中に径
が0.1〜1μmのMg2Si化合物が1mm2あたり1
0000個以下分散していることを特徴とする缶胴用ア
ルミニウム合金板が開示されている。この公報では、前
記0.1〜1μmのMg2Si化合物を10000個以
下に減少させることによって、完全再結晶組織を得てお
り、そのことによってしごき成形時の耳を低くしてい
る。しかし、この特許文献3でも、完全再結晶組織とす
るために熱間圧延板を中間焼鈍している。従って中間焼
鈍を省略しながら、耳を低くすることは困難である。
【0010】特許文献4には、(100)[001]方
位、すなわちキューブ方位の方位密度が板厚全域にわた
りランダム方位の3倍以上であり、板表面の圧延集合組
織の方位密度を板厚方向中央部の1/2以下に制御した
アルミニウム缶胴材用熱間圧延板が開示されている。こ
の特許文献4において、キューブ方位の方位密度をラン
ダム方位の3倍以上に規定しているのは、3倍未満だと
その後の中間焼鈍によってキューブ方位の再結晶粒が充
分に形成されず、最終板(冷間圧延板)において充分な
低耳率を達成できないためであるとしている。また板表
面の圧延集合組織の方位密度を中央部の1/2以下に制
御しているのは、その後の中間焼鈍によって、板表面で
はキューブ方位の再結晶粒の成長が抑制される一方、中
央部ではキューブ方位の再結晶粒の成長が促進されるた
めであるとしている。従ってこの特許文献4の方法で
も、低耳率達成のためには中間焼鈍は必須の条件となっ
ており、中間焼鈍を省略することはできない。なお本特
許文献4では、熱間粗圧延を350〜580℃の範囲内
で開始し、続いて熱間仕上圧延を行うにあたって、その
仕上圧延の各パスにおける圧延温度を、最終パスを除い
て280〜350℃の範囲内としている。従って本特許
文献4では、熱間粗圧延工程の終了温度は約350℃程
度の低い温度になっている。
【0011】特許文献5には、耳率が2%以下であるこ
とを特徴とするDI缶胴用アルミニウム合金板(冷間圧
延板)が開示されている。この特許文献5では、前記冷
間圧延板を製造するに際して、Mnなどの添加元素のミ
クロ的偏析を拡散・消滅させ固溶原子の分布を均一化し
耳率を低下させるために、鋳塊を均熱処理しており、特
に耳率を2%以下にするために2段の均熱処理を施して
いる。2段の均熱処理をすると、熱間粗圧延中にAlマ
トリックス中に析出するMnが微細化しないため、熱間
仕上圧延工程において耳率低減に有利な立方体方位の再
結晶粒の形成を促すことができるとしている。またこの
特許文献5では、熱間仕上圧延時のスタンド数やトータ
ル圧下率を制御することにより、立方体方位の再結晶粒
の発達を促している。さらにこの特許文献5では、熱間
圧延中及びその後の冷却中に析出した微細なMg2Si
析出物を固溶させ、その後に得られる冷間圧延板の強度
を下げて破胴率を下げるために、溶体化処理(中間焼
鈍)を行っている。しかしこの特許文献5の方法に従っ
ても、板の幅方向で耳率を高度に安定化させることはで
きず、歩留まりは低下してしまう。またロット間、及び
板の長手方向における耳率のバラツキを本質的に解決す
ることはできない。なおこの公報では、熱間粗圧延の
後、続いて熱間仕上圧延をするとしており、この熱間仕
上圧延の開始温度を300〜400℃としていることか
ら明らかなように、熱間粗圧延の終了温度は300〜4
00℃程度の比較的低い温度となっている。
【0012】特許文献6には、耳は、圧延材の結晶学的
異方性に起因して生じるものであり、その高低は、熱延
終了後に進行する再結晶により形成される立方体方位の
結晶粒の集合組織成分(主に0°−90°耳)と、冷間
圧延により形成される圧延集合組織成分(45°耳)と
のバランスによって決まることが教示されている。そし
てこの特許文献6では、冷間圧延の圧下率を60〜90
%とすることを前提として、熱間圧延条件を制御して前
記バランスをとっている。すなわち熱間粗圧延の終了温
度を300〜450°に規定し、熱間粗圧延の最終パス
圧下率Rを[70−0.2S(S:圧延速度m/分)]
%以下に規定し、熱間粗圧延終了後熱間仕上げ圧延開始
までの時間をt秒[t=2.8×104exp(−0.
012T),T:熱間粗圧延終了温度℃)]以内に規定
し、熱間仕上圧延の各スタンドでの圧下率を30%以上
に規定することによって、立方体方位の結晶粒の再結晶
率を制御することによって、圧延集合組織とのバランス
をとって耳を小さくしている。そして、このように熱間
圧延条件を厳密に制御するこの公報の方法では、中間焼
鈍は行ってもよく、省略してもよいとしている。この特
許文献6の方法に従って中間焼鈍を省略すれば、他の方
法で中間焼鈍を省略する場合に比べて耳率を低下させる
ことはできるかもしれない。しかしこの公報の方法に従
っても、中間焼鈍を省略してしまうと、板の幅方向で耳
率を高度に安定化させることはできず、歩留まりはやは
り低下してしまう。またロット間、及び板の長手方向に
おける耳率のバラツキを本質的に解決することはできな
い。なおこの特許文献6の方法でも、中間焼鈍を省略す
る場合には、熱間粗圧延の終了温度は320〜420℃
程度になっている。
【0013】特許文献7には、導電率が38〜46%I
ACSである缶胴用アルミニウム合金板(冷間圧延板)
が開示されている。この公報では、冷間圧延板の導電率
を前記範囲に規定することによって、SiやCuなどの
合金元素の固溶量を間接的に規定し、この固溶合金元素
の析出による立方体方位再結晶粒の成長阻害を防止し
て、耳率のバラツキをおさえている。そしてこの特許文
献7でも、中間焼鈍は省略してもよいとしている。しか
しこの特許文献7の方法に従っても、板の幅方向で耳率
を高度に安定化させることはできず、歩留まりはやはり
低下してしまう。またロット間、及び板の長手方向にお
ける耳率のバラツキを本質的に解決することはできな
い。また特許文献7は、均熱処理時の昇温速度について
何ら配慮がなされていない。
【0014】
【特許文献1】特開平9−249932号公報
【特許文献2】特開平5−5149号公報
【特許文献3】特開2000−1730号公報
【特許文献4】特開2000−256774号公報
【特許文献5】特開平10−121177号公報
【特許文献6】特開平10−310837号公報
【特許文献7】特開平11−140576号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な事
情に着目してなされたものであって、その目的は、中間
焼鈍工程を省略しても耳率を高いレベルで安定して低く
する(ただし、0%以上)ことができる熱間圧延板、及
びそれを焼鈍することなくそのまま冷間圧延することに
よって得られる缶胴用板材(冷間圧延板)、並びに前記
熱間圧延板の製造方法を提供することにある。
【0016】本発明の他の目的は、中間焼鈍工程を省略
しても、成形性に優れる熱間圧延板、及びそれを焼鈍す
ることなくそのまま冷間圧延することによって得られる
缶胴用板材(冷間圧延板)、並びに前記熱間圧延板の製
造方法を提供することにある。
【0017】本発明のその他の目的は、中間焼鈍工程を
省略しても、DI加工後の表面性状に優れる熱間圧延
板、及びそれを焼鈍することなくそのまま冷間圧延する
ことによって得られる缶胴用板材(冷間圧延板)、並び
に前記熱間圧延板の製造方法を提供することにある。
【0018】本発明の別の目的は、耳率が高いレベルで
安定して低くすることができ、しかも強度にも優れる熱
間圧延板、及びそれを焼鈍することなくそのまま冷間圧
延することによって得られる缶胴用板材(冷間圧延
板)、並びに前記熱間圧延板の製造方法を提供すること
にある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するために鋭意検討を重ねた結果、アルミニウム系
熱間圧延板においてMn固溶量及び結晶粒径を所定の範
囲に制御した場合に限り、この熱間圧延板の耳率を安定
して−3〜−6%にできること、そしてMn固溶量及び
結晶粒径が所定の範囲内にある場合に限り、熱間圧延板
の耳率を−3〜−6%にしておけば、その後焼鈍するこ
となく得られる冷間圧延板の耳率を安定して0〜2%に
できることを見出し、本発明を完成した。
【0020】すなわち本発明に係るアルミニウム系熱間
圧延板は、Mn:0.8〜1.5%(質量%、以下同
じ)、Mg:0.5〜1.5%、Fe:0.1〜0.7
%、Si:0.05〜0.5%を含有しており(なお残
部はAl及び不可避的不純物である)、Mn固溶量が
0.12〜0.38%に制御されており、平均結晶粒径
が20〜50μmに制御されている点に要旨を有するも
のである。なお前記平均結晶粒径とは、板のおもて面に
対して直交し、かつ圧延方向に対して平行する断面を観
察したときの、板厚方向中央部(板厚方向の長さを1と
したとき、1/4〜3/4の範囲となる部分)の結晶の
平均結晶粒径を意味する。
【0021】前記熱間圧延板は、さらにCu:0.05
〜0.5%、Cr:0.001〜0.3%、Zn:0.
05〜0.5%などを含有していてもよく、0.005
〜0.2%のTiを単独で又は0.0001〜0.05
%のBと組み合わせて含有していてもよい。前記熱間圧
延板の断面の結晶は、板厚方向中央部における結晶粒の
圧延方向の長さとこの圧延方向に対して直交する方向の
長さとの比(圧延方向長さ/直交方向長さ)の平均が1
〜5であるのが望ましい。また前記熱間圧延板は、Cu
固溶量が0.01〜0.3%であるのが望ましい。
【0022】前記熱間圧延板は、焼鈍することなくその
まま冷間圧延することによって缶胴用板材を得ることが
できる。
【0023】前記熱間圧延板は、所定の組成を有するア
ルミニウム合金の鋳塊を、均熱処理の昇温速度及び冷却
速度を鋳塊組織のデンドライト・アーム間隔に応じて下
記のように制御した後、熱間粗圧延及び熱間仕上圧延す
ることによって製造できる。なお下記に示す昇温速度及
び冷却速度の制御は、均熱処理温度:550〜650
℃、熱間粗圧延終了温度:440〜500℃、熱間仕上
圧延終了温度:300〜360℃の条件設定の下で行う
こととする。
【0024】(1)鋳塊組織のデンドライト・アーム間
隔が200μm未満のとき 300℃〜最高温度までの昇温速度:10℃/時間〜3
0℃/時間 最高温度〜300℃までの冷却速度:20℃/時間〜5
5℃/時間 (2)鋳塊組織のデンドライト・アーム間隔が200μ
m以上のとき 300℃〜最高温度までの昇温速度:15℃/時間〜4
0℃/時間 最高温度〜300℃までの冷却速度:30℃/時間〜7
0℃/時間
【0025】
【発明の実施の形態】先ず本発明のアルミニウム系熱間
圧延板の成分の限定理由について説明する。
【0026】Mn:Mnは強度の向上に寄与し、さらに
は成形性の向上にも寄与する有効な元素である。特に本
発明の熱間圧延板の用途としている缶胴材(冷間圧延
板)では、DI成形時にしごき加工が行われるため、M
nは極めて重要となる。より詳細には、MnはAl−F
e−Mn−Si系金属間化合物(α相)などの種々のM
n系金属間化合物を形成する。そして前記α相が適正に
分布しているほど、しごき加工性を向上できる。すなわ
ちアルミニウム板のしごき加工においては、通常エマル
ジョンタイプの潤滑剤が用いられているが、前記α相の
量が少ないと、エマルジョンタイプの潤滑剤を使用して
も潤滑性が不足し、ゴーリングと称される擦り疵や焼付
きなどの外観不良が発生する虞がある。従ってα相を生
成し、しごき加工時の表面疵を防止するためにもMnは
不可欠な元素である。Mnの量は、0.8%(質量%の
意。以下同じ)以上、好ましくは0.85%以上、さら
に好ましくは0.9%以上である。一方、Mnが過剰に
なるとMnAl6の初晶巨大金属化合物が晶出し、成形
性が低下する。Mn量の上限は、1.5%程度、好まし
くは1.3%程度、さらに好ましくは1.1%程度であ
る。
【0027】Mg:Mgは単独で固溶強化によって強度
を向上できる点で有効である。さらには後述するCuと
共に添加することによって、本発明の熱間圧延板を冷間
圧延して製品コイルとし、最終焼鈍(仕上焼鈍ともい
う。例えば、温度:100〜150℃程度、時間:1〜
2時間程度の焼鈍)し、その後に製缶してからベーキン
グ(焼付印刷)する際に軟化を抑制できる。すなわちM
g及びCuを添加すると本発明の熱間圧延板においてC
u固溶量を確保することができ、ベーキング(焼付印
刷)を行う際にAl−Cu−Mgが析出するため、ベー
キング時の軟化を抑制できる。Mgの量は、0.5%以
上、好ましくは0.7%以上、さらに好ましくは0.8
%以上である。一方、Mgが過剰になると加工硬化が生
じやすくなるため、成形性が低下する。Mg量の上限
は、1.5%程度、好ましくは1.4%程度、さらに好
ましくは1.35%程度である。
【0028】なおMgは、Mnの析出量及び固溶量にも
影響を与える。すなわちMgが多いほどAl−Fe−M
n−Si系金属間化合物(α相)の析出量が抑制される
ため、Mn固溶量が多くなりやすい。
【0029】Fe:Feは結晶粒を微細化させる作用が
あり、さらには上述のAl−Fe−Mn−Si系金属間
化合物(α相)を生成するため、成形性の向上に寄与す
る。またFeは、Mnの晶出や析出を促進し、アルミニ
ウム基地中のMn固溶量やMn系金属間化合物(前記α
相など)の分散状態を制御する点でも有用である。一
方、Mnの存在下でFeが過剰になると、巨大な初晶金
属間化合物が発生しやすくなり、成形性を損なう虞があ
る。従ってFeの量はMnの量に応じて設定でき、Fe
とMnとの質量比(Fe/Mn)は、例えば、0.1〜
0.7程度、好ましくは0.2〜0.6程度、さらに好
ましくは0.3〜0.5程度である。なおMnの量が上
記程度の場合、Feの量は、通常、0.1%以上(好ま
しくは0.2%以上、さらに好ましくは0.3%以
上)、0.7%以下(好ましくは0.6%以下、さらに
好ましくは0.5%以下)程度である。
【0030】Si:Siは、Al−Fe−Mn−Si系
金属間化合物(α相)を生成し、Mn系金属間化合物の
分散状態を制御するために有用な元素である。α相が適
正に分布している程、成形性を向上できる。Siの量
は、0.05%以上、好ましくは0.1%以上、さらに
好ましくは0.2%以上である。一方、Siが過剰にな
ると、時効硬化によって材料が硬くなり過ぎ、成形性が
低下する。Si量の上限は、0.5%程度、好ましくは
0.45%程度、さらに好ましくは0.4%程度であ
る。
【0031】前記以外の成分(残部)は、Al及び不可
避的不純物であるが、必要に応じて他の元素を含有して
いてもよい。例えば、強度向上元素を含有していてもよ
く、結晶粒微細化元素を含有していてもよい。なおこれ
ら強度向上元素及び結晶粒微細化元素は、いずれか一方
のみを添加してもよく、両方を添加してもよい。
【0032】強度向上元素としては、Cu,Cr,Zn
などが挙げられる。以下、各元素について詳細に説明す
る。
【0033】Cu:Cuを添加しておくと、上述した様
に、本発明の熱間圧延板においてCu固溶量を確保でき
る。Cu固溶量を確保しておけば、この熱間圧延板を冷
間圧延することによって製品コイルを製造し、その後の
製缶時にベーキング(焼付印刷)を行うときに、Al−
Cu−Mgが析出し、軟化を抑制できる。Cuの量は、
例えば、0.05%以上、好ましくは0.1%以上、さ
らに好ましくは0.2%以上である。一方Cuが過剰に
なると、時効硬化は容易に得られるものの、硬くなりす
ぎるために成形性が低下し、さらには耐食性も劣化す
る。Cu量の上限は、例えば、0.5%程度、好ましく
は0.4%程度、さらに好ましくは0.35%程度であ
る。
【0034】Cr:Crも強度向上に効果的な元素であ
る。Crの量は、例えば、0.001%以上、好ましく
は0.002%以上である。一方Crが過剰になると、
巨大晶出物が生成して成形性が低下する。Cr量の上限
は、例えば、0.3%程度、好ましくは0.25%程度
である。
【0035】Zn:Znを添加すると、Al−Mg−Z
n系粒子が時効析出することによって強度を向上でき
る。Znの量は、例えば、0.05%以上、好ましくは
0.06%以上である。一方Znが過剰になると耐食性
が低下する。Zn量の上限は、例えば、0.5%程度、
好ましくは0.45%程度である。
【0036】なお前記強度向上元素(Cu,Cr,Zn
など)は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0037】一方、結晶粒微細化元素としては、Tiが
挙げられる。Tiの量は、例えば、0.005%以上、
好ましくは0.01%以上、さらに好ましくは0.01
5%以上である。なおTiが過剰になると、巨大なAl
−Ti系金属間化合物が晶出して成形性を阻害する。T
i量の上限は、例えば、0.2%程度、好ましくは0.
1%程度、さらに好ましくは0.05%程度である。
【0038】前記Tiは単独で添加してもよいが、微量
のBと共に添加してもよい。Bと併用すると、結晶粒の
微細化効果がさらに向上する。Bの量は、例えば、0.
0001%以上、好ましくは0.0005%以上、さら
に好ましくは0.0008%以上である。一方Bが過剰
になると、Ti−B系の粗大粒子が生成して成形性を低
下させる。B量の上限は、例えば、0.05%程度、好
ましくは0.01%程度、さらに好ましくは0.005
%程度である。
【0039】本発明の熱間圧延板は、前記成分を含有し
ているのみならず、Mnの固溶量が0.12〜0.38
%の範囲に制御されており、平均結晶粒径が20〜50
μmの範囲に制御されている。このような熱間圧延板を
用いれば、中間焼鈍することなく冷間圧延板を製造して
も、この冷間圧延板をDI成形したときの平均耳率(詳
細は後述)を確実に小さくすることができる。より詳細
に説明すると、Mnの固溶量が大きくなれば熱間圧延板
の平均耳率(詳細は後述)が小さくなる傾向があり、ま
た平均結晶粒径が小さくなっても、再結晶時にCube
方位(立方体方位)が発達し易くなって熱間圧延板の平
均耳率が小さくなる傾向があるため、これらMn固溶量
及び平均結晶粒径を所定の範囲に制御することによっ
て、熱間圧延板の平均耳率を−3〜−6%の範囲に制御
できる。そして熱間圧延板の平均耳率が大きい程、この
熱間圧延板を中間焼鈍することなく冷間圧延することに
よって得られる冷間圧延板(缶胴材)の平均耳率が大き
くなる傾向があるため、熱間圧延板の平均耳率を上記所
定の範囲に制御しておけば、中間焼鈍することなく得ら
れる冷間圧延板の平均耳率を0〜2%の範囲に制御でき
(すなわち耳を小さくでき)、成形歩留まりを高めるこ
とができる。すなわち従来の熱間圧延後に中間焼鈍を行
う方法では、内部組織のばらつきを前記中間焼鈍によっ
て一旦キャンセルすることにより、耳率の安定化を図っ
ていたのに対して、1)本発明によれば中間焼鈍を行わ
なくても、Mnの固溶量及び平均結晶粒径を制御するこ
とによって、平均耳率を安定化することができる。
【0040】さらに本発明によれば、以下の効果をも奏
する。
【0041】2)中間焼鈍工程を省略しても平均耳率を
確実に0〜2%に制御できるため、後述するように缶胴
の耳切れに起因する缶胴破壊を防止でき、成形性を高め
ることもできる。
【0042】3)熱間圧延板の段階から平均結晶粒径を
20〜50μmと細かくし、しかも冷間圧延板の平均耳
率を下げて成形性を確保しているため、成形後の表面性
状も優れたものとなる。
【0043】4)熱間圧延後の中間焼鈍工程を省略して
いるため、圧延時の歪みがキャンセルされることがな
く、冷間圧延板やそのDI成形体の強度を高めることが
できる。
【0044】なお前記Mn固溶量及び平均結晶粒径のい
ずれか一方を所定の範囲に制御すれば、熱間圧延板の平
均耳率を−3〜−6%の範囲に入り、冷間圧延板の平均
耳率も0〜2%の範囲に入る場合もある。しかし、Mn
固溶量及び平均結晶粒径のいずれか一方のみを所定の範
囲に制御した場合には、熱間圧延板の平均耳率と冷間圧
延板の平均耳率との上記相関関係が崩れやすくなってお
り、熱間圧延板の平均耳率及び冷間圧延板の平均耳率の
うちいずれか一方(又は両方)が所定の範囲を逸脱する
場合も発生する。例えば、熱間圧延板の平均結晶粒径が
所定の範囲内であってもMn固溶量が多すぎる場合、熱
間圧延板の平均耳率が規格内であっても、後工程の冷間
圧延時の加工硬化が過剰になる(従って、集合組織の発
達度合いも異なってくる)ためか、冷間圧延板の平均耳
率が所定の範囲から外れてしまう。すなわちMn固溶量
及び平均結晶粒径のいずれか一方のみを制御するので
は、冷間圧延板の平均耳率を0〜2%の範囲に制御でき
る場合はあってもその確実性が低くなる。従って本発明
では、Mn固溶量及び平均結晶粒径の両方を制御するこ
とによって、冷間圧延板の平均耳率を確実に0〜2%の
範囲に制御できるようにして、成形歩留まりを高めてい
る。
【0045】前記平均結晶粒径の好ましい範囲は、23
μm以上(特に25μm以上)、48μm以下(特に4
5μm以下)である。また前記Mn固溶量の好ましい範
囲は、0.13%以上(特に0.14%以上)、0.3
7%以下(特に0.36%以下)である。
【0046】さらに本発明では、平均結晶粒径とMn固
溶量との関係をより高度に規定するのが望ましい。例え
ば、平均結晶粒径が前記所定の範囲を満たしていても、
平均結晶粒径が大きいほど平均耳率も大きめの値をとり
易くなるため、Mn固溶量を大きくして、平均耳率を小
さい方にシフトさせるのが望ましい。また同様に考え
て、平均結晶粒径が小さめの場合には、Mn固溶量も小
さくするのが望ましい。例えば、平均結晶粒径が20〜
30μm程度と小さい場合には、Mn固溶量を0.2%
以下にするのが望ましい。
【0047】なお前記平均結晶粒径とは、熱間圧延板の
おもて面に対して直交し、かつ圧延方向に対して平行す
る断面を観察したとき、板厚方向中央部(板厚方向の長
さを1としたとき、1/4〜3/4の範囲となる部分)
における結晶の平均結晶粒径を意味する。
【0048】また前記平均耳率の算出方法は、図5に基
づいて説明する。図5は、熱間圧延板又は冷間圧延板を
DI成形することによって得られるカップの展開図であ
る。この展開図で示したように、圧延方向を0°とし
て、0°、90°、180°、及び270°方向に生じ
る耳の高さ(T1,T2,T3,T4;マイナス耳と称
する)を測定し、45°、135°、225°、及び3
15°方向に生じる耳の高さ(Y1,Y2,Y3,Y
4;プラス耳と称する)を測定する。なお各高さY1〜
Y4,T1〜T4は、カップの底部からの高さである。
そして各測定値から、下記式に基づいて平均耳率を算出
する。
【0049】平均耳率(%)=[{(Y1+Y2+Y3
+Y4)−(T1+T2+T3+T4)}/{1/2
× (Y1+Y2+Y3+Y4+T1+T2+T3+T
4)}]×100 なお本発明の対象としている熱間圧延板(JIS 30
04用の熱間圧延板)及びこの熱間圧延板から得られる
冷間圧延板では、平均耳率を0近くにした場合、4つの
プラス耳(Y1〜Y4)並びに90°方向及び270°
方向の2つのマイナス耳(T2,T4)の発達は抑制さ
れるものの、0°方向及び180°方向の2つのマイナ
ス耳(T1,T3)の発達は抑制されにくい。そして単
に平均耳率の絶対値を小さくした場合には、例えば、平
均耳率を−2〜2%(絶対値では2%以下)にした場合
には、平均耳率を−2以上0%未満としても、マイナス
耳(T1,T3)の抑制が不十分なために、絞り成形の
シワ押さえ圧がこの2つのマイナス耳(T1,T3)に
集中し、耳立ち、耳切れなどが発生して生産に不具合が
生じるのに対して、平均耳率を0〜2%(プラス側)に
した場合には、残りの2つのマイナス耳(T1,T3)
も十分に抑制できるために、耳切れに起因する缶胴破壊
を防止できる。
【0050】本発明の熱間圧延板では、前記平均結晶粒
径を観察する板材断面において、結晶粒の圧延方向の長
さと、この圧延方向と直交する方向の長さの比(圧延方
向/直交方向)の平均が1〜5程度であるのが好まし
い。この結晶粒の圧延方向長さと直交方向長さとの比
(以下、単に「長さ比」と称する場合がある)が大きす
ぎると、成形後に粒界で割れが生じやすくなり、成形性
が低下する。前記長さ比は、好ましくは4.5以下、さ
らに好ましくは4.0以下、特に3.5以下である。一
方、長さ比が1未満になると、直交方向の長さが圧延方
向長さよりも大きくなるため、粗大な結晶粒が形成され
やすくなり、成形後の肌荒れが生じ、表面性状が低下す
る。前記長さ比は、好ましくは1.5以上、特に2.0
以上である。
【0051】また本発明の熱間圧延板では、Cuの固溶
量が0.01〜0.3%であるのが望ましい。Cuの固
溶量を適切な範囲に設定することにより、平均耳率のば
らつきを抑制することができ、製造条件をゆるやかに設
定することができる。Cuの固溶量は、好ましくは0.
02%以上(特に0.04%以上)、0.25%以下
(特に0.2%以下)である。
【0052】なお本発明は、歩留まりの向上を目的とし
ているため、熱間圧延板の極一部において前記諸特性
(平均結晶粒径、Mn固溶量、長さ比、Cu固溶量な
ど)を満足しているだけでは不十分であり、熱間圧延板
の圧延方向(長手方向)及び/又は幅方向(特に幅方
向)に亘って前記諸特性を満足しているのが望ましく、
複数のロットに亘って熱間圧延板が前記諸特性を満足し
ているのが望ましい。
【0053】上述のような所定の成分を含有し、Mn固
溶量及び平均結晶粒径が所定の範囲に制御されている熱
間圧延板は、所定の成分を含有するアルミニウム合金の
鋳塊を用い、この鋳塊のデンドライト・アーム間隔(D
AS)に応じて製造条件(均熱条件、熱間粗圧延条件、
熱間仕上圧延条件など)を制御することによって製造で
きる。すなわち前記DASとは、凝固組織のサイズを示
しており、書籍「金属の凝固」(岡本平、鈴木章 共
訳、丸善株式会社出版)に詳細に説明されている。この
DASは、冷却速度に依存すると言われており、アルミ
ニウム合金の場合には、晶析物分布や鋳塊の固溶量も同
時に変化する。従って、鋳塊のDASが異なると、均熱
条件や熱間圧延条件(熱間粗圧延条件、熱間仕上圧延条
件)を等しくしても、熱間圧延板中のMn固溶量や平均
結晶粒径が異なってくる。より詳細には、鋳塊のDAS
が小さい程、熱間圧延時の再結晶粒が小さくなり、Mn
固溶量も少なくなる傾向がある。従って、熱間圧延条件
(熱間粗圧延条件、熱間仕上圧延条件)と、その前段階
の均熱条件とを鋳塊のDASに応じて総合的に制御する
ことによって、熱間圧延板の平均結晶粒径及びMn固溶
量を制御することができる。
【0054】例えば、本発明では、均熱温度(均質化処
理温度)を550〜650℃程度、熱間粗圧延の終了温
度を440〜550℃程度、熱間仕上圧延の終了温度を
300〜360℃程度とすることが多いため、この条件
に併せて均熱工程での昇温速度及び冷却速度(特に、合
金元素が析出し易い550〜450℃の温度範囲の冷却
速度)を制御することが多い。均熱工程の昇温速度を遅
くし、冷却速度も遅くした場合、平均結晶粒径及びMn
固溶量を増大させることができるため、鋳塊のDASが
小さい場合には、均熱工程の昇温速度及び冷却速度を遅
くする。逆に、鋳塊のDASが大きい場合には、均熱工
程の昇温速度及び冷却速度を速くする。
【0055】より具体的には、鋳塊組織のDASに応じ
て下記のように制御することによって、平均結晶粒径及
びMn固溶量を確実に所定の範囲に制御することができ
る。
【0056】(1)鋳塊組織のデンドライト・アーム間
隔が200μm未満のとき 300℃〜最高温度までの昇温速度:10℃/時間以上
(好ましくは15℃/時間以上)、30℃/時間以下
(好ましくは27℃/時間以下) 最高温度〜300℃までの冷却速度:20℃/時間以上
(好ましくは25℃/時間以上)、55℃/時間以下
(好ましくは52℃/時間以下) (2)鋳塊組織のデンドライト・アーム間隔が200μ
m以上のとき 300℃〜最高温度までの昇温速度:15℃/時間以上
(好ましくは18℃/時間以上)、40℃/時間(30
℃/時間以上) 最高温度〜300℃までの冷却速度:30℃/時間以上
(好ましくは35℃/時間以上)、70℃/時間以下
(好ましくは60℃/時間以下) なお本発明において、前記のように昇温速度及び冷却速
度の設定するに際して、その前提となる均熱温度、熱間
粗圧延の終了温度、及び熱間仕上圧延終了温度を上記の
範囲に設定しているのは以下の理由による。
【0057】均熱温度(550〜650℃):均熱温度
が低すぎると、均質化に時間がかかり過ぎて生産性が低
下し、均熱温度が高すぎると、鋳塊表面に膨れが生じる
ため、前記範囲に均熱温度を設定した。好ましい均熱温
度は、580℃以上(特に590℃以上)、615℃以
下(特に610℃以下)である。なお均熱時間(均質化
時間)は、鋳塊を均質化できれば短い程望ましく、例え
ば12時間以下、好ましくは6時間以下とするのが望ま
しいが、均熱温度を550℃以上とする場合には均熱時
間は6時間以上必要であり、均熱温度を580℃以上と
する場合には均熱時間は5時間以上必要であり、均熱温
度を590℃以上とする場合には均熱時間は4時間以上
必要である。
【0058】熱間粗圧延の終了温度(440〜550
℃):熱間粗圧延の終了温度が低くなり過ぎると、次工
程の熱間仕上圧延で圧延温度が低くなってエッジ割れが
生じやすくなるため、終了温度を440℃以上とした。
また終了温度が低くなり過ぎると、仕上圧延後に再結晶
するために必要となる自己熱が不足しやすくなるため、
均熱処理時の昇温速度及び冷却速度を上記範囲に設定し
ても、結晶粒径が小さくなり過ぎる。好ましい終了温度
は、例えば、455℃以上(特に460℃以上)、50
0℃以下(特に490℃以下)である。
【0059】なお熱間粗圧延の終了温度を440〜55
0℃程度にしておくためには、熱間粗圧延の開始温度
を、例えば、490〜600℃程度、好ましくは495
〜580℃程度、さらに好ましくは500〜550℃程
度にしておくのが望ましい。前記開始温度を600℃以
下にしておけば、熱間圧延板の表面酸化を防止すること
もできる。さらには、再結晶粒の粗大化を防止できるた
め、成形性をさらに高めることもできる。
【0060】熱間仕上圧延の終了温度(300〜360
℃):熱間仕上圧延工程は、合金板を所定の寸法に仕上
げる工程であり、圧延終了後の組織は自己発熱によって
再結晶組織になるため、その終了温度は再結晶組織に影
響を与える。従って仕上の終了温度は、例えば、300
℃以上、好ましくは310℃以上、さらに好ましくは3
20℃以上とする。
【0061】なお上述の均熱処理は、複数の段階に分け
て行う場合がある。その場合、上記均熱処理の昇温速
度、均熱処理の温度(均質化温度)、及び冷却速度の制
御は、いずれの段階で行ってもよく、全ての段階で行っ
てもよいが、少なくとも第1回目の段階で行うのが望ま
しい。
【0062】第1回目の均熱処理の温度を上記範囲に設
定する場合、第2回目以降の均熱処理の温度は、第1回
目の均熱処理温度よりも低くする場合が多い。第2回目
以降の均熱処理の温度は、第1回目の均熱処理温度に比
べて、例えば、10〜100℃程度、好ましくは50〜
100℃程度低くすることが多い。
【0063】上述のように鋳塊のDASに応じて、均熱
処理条件及び熱間圧延条件を設定することにより、熱間
圧延板のMn固溶量及び平均粒径を制御できる。なおM
n固溶量は、Mn添加量の影響も受けるため、上述のよ
うにして制御しても平均粒径しか所定の範囲に制御する
ことができない場合には、Mn添加量を適正化すること
によってMn固溶量及び平均粒径の両方を制御できる。
【0064】ところで前記DASは、ロット間で異なる
場合もあれば、板状の鋳塊を使用する場合には、鋳塊の
長手方向で異なる場合もある。DASがロット間で異な
る場合には、各ロットに応じて、上記のようにして製造
条件を設定すればよく、DASが長手方向で異なる場合
には、送られてくる鋳塊のDASに応じて製造条件を変
動させればよい。
【0065】さらにDASは、板状鋳塊の幅方向で異な
る場合もある。すなわち端部では、凝固・冷却速度が速
いため、DASが小さくなりやすく、中央部では相対的
にDASが大きくなりやすい傾向があり、鋳塊が大きく
なるほど前記傾向はさらに強くなる。DASが小さい場
合には、上述したように、均熱処理時の昇温速度を遅く
し、冷却速度も遅くする必要があるため、DASの小さ
い端部には、昇温速度及び冷却速度を遅くするための種
々の手段を適用するのが望ましい。例えば、端部に断熱
材やエッジヒーターを配備することによって、又は熱風
の当て方を制御することによって、端部の昇温速度及び
冷却速度を遅くできる。なお、熱間圧延工程において
も、端部と中央部とで処理条件を揃えるため、端部に断
熱材やエッジヒーターを配備してもよく、熱風の当て方
を制御してもよい。
【0066】なお、均熱処理条件及び熱間圧延条件のう
ち、他の条件(例えば、均熱処理が終了した鋳塊の取り
扱い、熱間粗圧延と熱間仕上圧延との間隔、熱間仕上圧
延機の種類、熱間仕上圧延の総圧延率、熱間圧延板の板
厚など)は、以下のようにするのが望ましい。
【0067】均熱処理が終了した鋳塊の取り扱い:均熱
処理が終了した鋳塊は、一旦冷却し、再加熱してから熱
間粗圧延してもよく、過度に冷却することなく熱間粗圧
延してもよいが、好ましくは鋳塊を過度に冷却すること
なく熱間粗圧延する。冷却しない場合、均熱処理後の鋳
塊の自己発熱を利用することができ、生産時間や熱エネ
ルギーを節約できるだけでなく、合金元素の析出物の数
密度を小さくでき、DI成形後のフランジ長さのばらつ
きを抑制できる。なお、鋳塊を一旦冷却する場合には、
30℃/時間以上の速度で急速加熱するのが望ましい。
急速加熱すると、合金元素の析出物の数密度が高くなり
過ぎるのを防止でき、DI成形後のフランジ長さのばら
つきを抑制できる。
【0068】熱間粗圧延と熱間仕上圧延との間隔:熱間
粗圧延が終了したアルミニウム合金板は、速やかに熱間
仕上圧延するのが望ましい。速やかに熱間仕上圧延する
ことによって、熱間粗圧延で蓄積された歪みが回復して
しまうのを防止でき、その後に得られる冷間圧延板の強
度を高めることができる。熱間粗圧延が終了したアルミ
ニウム合金板は、例えば、5分以内、好ましくは3分以
内に熱間仕上圧延する。
【0069】熱間仕上圧延機の種類:熱間仕上圧延機と
しては、スタンド数が3以上のタンデム式熱間圧延機を
使用するのが望ましい。スタンド数を3以上とすること
によって、1スタンドあたりの圧延率を小さくでき、熱
延板の表面性状を保ちつつ歪みを蓄積することができる
ため、冷間圧延板及びそのDI成形体の強度をさらに高
めることができる。
【0070】熱間仕上圧延の総圧延率:総圧延率は80
%以上にするのが望ましい。
【0071】熱間圧延板の板厚:熱間圧延終了後の合金
板の板厚は、1.8〜3mm程度とするのが望ましい。
板厚が1.8mm以上とすることによって、熱間圧延板
の表面性状(焼付き、肌荒れなど)や板厚プロフィール
の悪化を防止できる。一方、板厚が3mm以下とするこ
とによって、冷間圧延板(通常、板厚:0.28〜0.
35mm程度)を製造する際の圧延率が高くなりすぎる
のを防止でき、DI成形後のフランジ長さのばらつきを
抑制できる。
【0072】上述のようにして得られた熱間圧延板は、
Mn固溶量及び平均結晶粒径が所定の範囲に制御されて
いるため、平均耳率が所定の範囲に制御されている。そ
のため、中間焼鈍することなく冷間圧延しても、冷間圧
延板の平均耳率を0〜2%と小さくすることができる。
【0073】なお冷間圧延工程では、圧延率を80〜9
0%にするのが望ましい。圧延率が80%以上とするこ
とによって、得られる冷間圧延板の耐圧強度をより高め
ることができる。一方、圧延率を90%以下とすること
によって、DI成形時のプラス耳が大きくなり過ぎるの
を防止できる。また強度が強くなり過ぎないため、DI
成形時のカッピング割れや缶底割れを抑制できる。
【0074】冷間圧延後の板厚は、通常、0.28〜
0.35mm程度である。
【0075】冷間圧延後は、必要に応じて、再結晶温度
よりも低い温度で仕上焼鈍(最終焼鈍)を行ってもよ
い。仕上焼鈍を行うと加工組織が回復し、DI成形性や
缶底成形性が向上する。
【0076】仕上焼鈍の温度は、例えば、100〜15
0℃程度、特に115〜150℃程度にするのが望まし
い。温度を100℃以上とすることによって、加工組織
を充分に回復させることができる。一方、温度が150
℃以下とすることによって、固溶元素の過剰な析出を防
止でき、DI成形性やフランジ成形性をさらに高めるこ
とができる。
【0077】仕上焼鈍の時間は、4時間以下(特に1〜
3時間程度)とするのが望ましい。長すぎる焼鈍を避け
ることによって、固溶元素の過剰な析出を防止でき、D
I成形性をさらに高めることができる。
【0078】このようにして得られた冷間圧延板は、所
定の熱間圧延板を利用しているため、DI成形しても平
均耳率を0〜2%の範囲に制御することができる。その
ため、前記冷間圧延板を用いればDI成形時の歩留まり
を高めることができる。さらには平均耳率を0〜2%の
範囲に制御できれば、DI成形時の缶銅破断をも抑制で
きるため、この点でもDI成形時の歩留まりを高めるこ
とができる。
【0079】従って本発明の熱間圧延板及び冷間圧延板
は、アルミニウム系飲料缶などの缶胴材を製造するのに
極めて有用である。
【0080】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限
を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範
囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であ
り、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含され
る。
【0081】実験例1〜19 表1に示す化学成分のAl合金板を溶解し、DC鋳造法
にて板厚600mm、幅2100mmの鋳塊を製造し
た。この鋳塊を表2〜3に示す条件に従って、均熱処理
(第1均熱処理及び第2均熱処理)、熱間粗圧延、熱間
仕上圧延することによりアルミニウム系熱間圧延板を製
造した。
【0082】得られた熱間圧延板を、中間焼鈍すること
なく表2〜3に示す条件に従って冷間圧延し、缶胴用板
材(冷間圧延板)を製造した。
【0083】前記熱間圧延板及び冷間圧延板の特性を下
記のようにして評価した。
【0084】[平均結晶粒径、長さ比]熱間圧延板のお
もて面に対して直交し、かつ圧延方向に対して平行する
断面が得られるように、前記熱間圧延板を切断した。す
なわち板の幅方向に所定の間隔をあけながら、熱間圧延
板を切断していった。切断面を深さ約0.05〜0.1
mmまで機械研磨した後、電解エッチングし、光学顕微
鏡(偏光板使用)を用いて観察した。観察位置は、板厚
方向(深さ方向)の長さを1としたとき、1/4〜3/
4の範囲とし、観察倍率100倍、視野数10とした。
【0085】平均結晶粒径は、画像解析ソフト(MED
IA CYBERNETCS社製のImage−Pro
Plus)を使用し、重心直径の平均値を求めること
により算出した。
【0086】長さ比も、画像解析ソフト(MEDIA
CYBERNETCS社製のImage−Pro Pl
us)を使用し、結晶の圧延方向長さと直交方向長さと
の比を求めることにより、算出した。
【0087】[Mn固溶量]熱フェノールによる残渣抽
出法(フィルターのメッシュサイズ=0.2μm)を採
用した。得られた溶液中の元素量をICP発光分析によ
って算出した。
【0088】[平均耳率]熱間圧延板の場合:幅方向の
中央部から試験板(長さ200mm、幅100mm)を
採取した。また熱間圧延板の幅方向の最端部を幅15m
mに亘って切り落とし、残った熱間圧延板の端部から試
験板(長さ200mm、幅100mm)を採取した。こ
れら試験板は、潤滑油[D.A.Stuart社製、ナ
ルコ147]を塗布したブランク板を用いてエリクセン
試験機によってカップ状に成形した(ブランクの直径=
66.7mm、ポンチの直径=40mm、ダイス側肩部
のR=6.5mm、ポンチの肩R=3.0mm、しわ押
さえ圧=400kgf)。得られたカップの開口周縁部
の8方向(圧延方向を0°として、0°方向、45°方
向、90°方向、135°方向、180°方向、225
°方向、270°方向、及び315°方向)に生じる山
谷の形状を測定し、平均耳率を算出した。
【0089】冷間圧延板の場合:ダイス側肩部のRを
2.0mmとする以外は、前記熱間圧延板の場合と同様
にして、40%深絞り試験を行った。
【0090】[DI成形性(成形割れ)]冷間圧延板を
用い、製缶速度300缶/分の速さでDI缶胴(内径6
6mmφ、側壁板厚103μm、側壁先端部板厚165
μm、最終第3しごき率40%)を製造した。成形缶5
万缶あたりの破銅われの発生個数を求め、DI成形性を
評価した。
【0091】[表面品質]前記DI成形性評価によって
製造された缶の表面を目視で観察するとともに、この缶
を王水[濃塩酸:濃硝酸=3:1(体積比)]に浸漬
し、浸漬後の表面を目視で観察し、下記基準に従って評
価した。
【0092】 ◎:ストリーク及び肌荒れがなく、表面性状は非常に良
好である ○:表面性状が良好であり、実用レベルを満足する △:一部で肌荒れが発生していた ×:ストリーク及び肌荒れが強く発現していた 結果を表2〜3、及び図1〜4に示す。
【0093】
【表1】
【0094】
【表2】
【0095】
【表3】
【0096】図1より明らかなように、Mn固溶量を所
定範囲に制御することによって、熱間圧延板の平均耳率
を所定範囲に制御することができる。また図2より明ら
かなように、平均結晶粒径を制御することによって熱間
圧延板の平均耳率を所定範囲に制御することができる。
さらに図3より明らかなように、熱間圧延板の平均耳率
を所定範囲に制御すれば、冷間圧延板の平均耳率を所定
範囲に制御できる。
【0097】しかし、Mn固溶量及び平均結晶粒径のい
ずれか一方だけを制御するのでは、「熱間圧延板の平均
耳率を−3〜−6%に制御することによって冷間圧延板
の平均耳率を0〜−2%に制御する」ことはできない。
すなわち、表2及び表3に示した実験例11の端部、実
験例13の端部、実験例16の中央部、実験例19の端
部ではMn固溶量及び平均結晶粒径の一方が不適切であ
るため、熱間圧延板の平均耳率を−3〜−6%としても
冷間圧延板の平均耳率は0〜2%とならず、また実験例
9の中央部及び端部、実験例17の端部、実験例19の
中央部では熱間圧延板の平均耳率が−3〜−6%の範囲
を外れていても冷間圧延板の平均耳率が0〜2%となっ
ており、これらの例では熱間圧延板の平均耳率と冷間圧
延板の平均耳率との相関関係が崩れている。
【0098】これに対して実験例1〜8では、Mn固溶
量及び平均結晶粒径の両方が所定の範囲に入っているた
め、熱間圧延板の平均耳率を確実に所定の範囲に制御で
き、その結果、冷間圧延板の平均耳率を確実に所定の範
囲に制御できている。特に実験例1〜4ではCu固溶量
が所定の範囲に制御されているため、中央部(高DAS
領域)と端部(低DAS領域)との間で平均耳率をほぼ
揃えることができている。なお実験例1〜8では、冷間
圧延板の平均耳率が確実に所定の範囲に制御できている
ため、成形割れも小さくなっている。また実験例1〜8
では、熱間圧延板の段階から平均結晶粒径を20〜50
μmと細かくし、しかも冷間圧延板の成形性を確保して
いるため、成形後の表面性状も優れたものとなってい
る。
【0099】なお実験例11の中央部、実験例13の中
央部、並びに実験例15の中央部及び端部では、Mn固
溶量及び平均結晶粒径のうち少なくとも一方が所定の範
囲を逸脱しているにも拘わらず、熱間圧延板の平均耳率
が所定の範囲に入っており、冷間圧延板の平均耳率も所
定の範囲に入っている。しかし、これらの範囲までMn
固溶量及び平均結晶粒径の範囲を拡げると、冷間圧延板
又は熱間圧延板の平均耳率を所定の範囲に制御すること
ができない場合もある。本発明の目的は、平均耳率を単
に小さくするのではなく、そのバラツキを抑える点にも
あるため、確実性を重視して、上記範囲にMn固溶量及
び平均結晶粒径を設定した。
【0100】また図4より明らかなように、特定のAl
合金板A〜Eを用いた場合、結晶粒の長さ比を制御する
ことによって、成形性を高めることができる。
【0101】
【発明の効果】本発明によれば、Mn固溶量及び平均結
晶粒径のいずれもが所定の範囲に制御されているため、
熱間圧延板の平均耳率を所定の範囲に制御することがで
きる。そして熱間圧延板のMn固溶量及び平均結晶粒径
のいずれもが所定の範囲に制御されていると、この熱間
圧延板を中間焼鈍することなくそのまま冷間圧延して
も、冷間圧延板の平均耳率をマイナスにならない範囲で
確実に低くすることができる。
【0102】また本発明によれば、中間焼鈍工程を省略
しても平均耳率を確実に所定の範囲に制御できるため、
缶胴の耳切れに起因する缶胴破壊を防止でき、成形性を
高めることもできる。
【0103】本発明によれば、熱間圧延板の段階から平
均結晶粒径を20〜50μmと細かくし、しかも冷間圧
延板の平均耳率を下げて成形性を確保しているため、成
形後の表面性状を良好にできる。
【0104】本発明によれば、熱間圧延後の中間焼鈍工
程を省略しているため、圧延時の歪みがキャンセルされ
ることがなく、冷間圧延板やそのDI成形体の強度を高
めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は熱間圧延板におけるMn固溶量と平均耳
率との関係を示すグラフである。
【図2】図2は熱間圧延板における平均結晶粒径と平均
耳率との関係を示すグラフである。
【図3】図3は熱間圧延板の平均耳率と冷間圧延板の平
均耳率との関係を示すグラフである。
【図4】図4は熱間圧延板における長さ比と、この熱間
圧延板を冷間圧延し、DI成形したときの割れ発生回数
との関係を示すグラフである。
【図5】図5は、平均耳率の算出方法を説明するための
図であり、成形後のカップの展開図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22F 1/00 630 C22F 1/00 630A 630K 682 682 683 683 684 684B 685 685Z 691 691A 691B 692 692A 694 694B (72)発明者 大山 正直 栃木県真岡市鬼怒ケ丘15番地 株式会社神 戸製鋼所真岡製造所内 (72)発明者 黒田 健司 栃木県真岡市鬼怒ケ丘15番地 株式会社神 戸製鋼所真岡製造所内 (72)発明者 有村 仁 栃木県真岡市鬼怒ケ丘15番地 株式会社神 戸製鋼所真岡製造所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Mn:0.8〜1.5%(質量%、以下
    同じ)、Mg:0.5〜1.5%、Fe:0.1〜0.
    7%、Si:0.05〜0.5%を含有し、残部がAl
    及び不可避的不純物からなる熱間圧延板であり、 Mn固溶量が0.12〜0.38%に制御されており、 板のおもて面に対して直交し、かつ圧延方向に対して平
    行する断面を観察したとき、板厚方向中央部(板厚方向
    の長さを1としたとき、1/4〜3/4の範囲となる部
    分)における平均結晶粒径が20〜50μmであること
    を特徴とするアルミニウム系熱間圧延板。
  2. 【請求項2】 さらにCu:0.05〜0.5%、C
    r:0.001〜0.3%、及びZn:0.05〜0.
    5%から選択された少なくとも一種を含有する請求項1
    記載のアルミニウム系熱間圧延板。
  3. 【請求項3】 さらに0.005〜0.2%のTiを単
    独で又は0.0001〜0.05%のBと組み合わせて
    含有する請求項1又は2に記載のアルミニウム系熱間圧
    延板。
  4. 【請求項4】 板のおもて面に対して直交し、かつ圧延
    方向に対して平行する断面を観察したとき、板厚方向中
    央部における結晶粒の圧延方向の長さとこの圧延方向に
    対して直交する方向の長さとの比(圧延方向長さ/直交
    方向長さ)の平均が1〜5である請求項1〜3のいずれ
    かに記載のアルミニウム系熱間圧延板。
  5. 【請求項5】 Cu固溶量が0.01〜0.3%である
    請求項1〜4のいずれかに記載のアルミニウム系熱間圧
    延板。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の熱間圧
    延板を、焼鈍することなくそのまま冷間圧延することに
    よって得られる缶胴用板材。
  7. 【請求項7】 Mn:0.8〜1.5%(質量%、以下
    同じ)、Mg:0.5〜1.5%、Fe:0.1〜0.
    7%、Si:0.05〜0.5%を含有し、残部がAl
    及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金の鋳塊を
    温度550〜650℃で均熱処理し、終了温度が440
    〜500℃となる熱間粗圧延をした後、終了温度が30
    0〜360℃となる熱間仕上圧延することとし、前記均
    熱処理の昇温速度及び冷却速度を鋳塊組織のデンドライ
    ト・アーム間隔に応じて下記のように制御することを特
    徴とする請求項1に記載のアルミニウム系熱間圧延板を
    製造する方法。 (1)鋳塊組織のデンドライト・アーム間隔が200μ
    m未満のとき 300℃〜最高温度までの昇温速度:10℃/時間〜3
    0℃/時間 最高温度〜300℃までの冷却速度:20℃/時間〜5
    5℃/時間 (2)鋳塊組織のデンドライト・アーム間隔が200μ
    m以上のとき 300℃〜最高温度までの昇温速度:15℃/時間〜4
    0℃/時間 最高温度〜300℃までの冷却速度:30℃/時間〜7
    0℃/時間
  8. 【請求項8】 前記鋳塊が、さらにCu:0.05〜
    0.5%、Cr:0.001〜0.3%、及びZn:
    0.05〜0.5%から選択された少なくとも一種を含
    有する請求項7記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記鋳塊が、さらに0.005〜0.2
    %のTiを単独で又は0.0001〜0.05%のBと
    組み合わせて含有する請求項7又は8に記載の製造方
    法。
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