JP2008260496A - 車両用制動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】制動操作量に対する車両減速度の増大特性を概ね一定に維持しつつ、2系統の液圧配管の制動液圧配分を調整して車両の方向安定性を確保すること。
【解決手段】この装置は、制動操作量が微小値(「0」を含む)に達した時点から、マスタシリンダ圧に、液圧ポンプと電磁弁とにより調整される補助圧力を加えて制動圧力(ホイールシリンダ圧)を発生させる。制動操作量に基づいて補助圧力基準値が決定される。車両の荷重状態、走行状態、車輪状態等に基づいて、2系統の液圧配管で個別に補助圧力が補助圧力基準値に対して修正される。前後配管の場合、前輪系統側が増加修正され、後輪系統側が減少修正される。ダイアゴナル配管の場合、旋回外側前輪を含む系統側が増加修正され、旋回内側前輪を含む系統側が減少修正される。これにより、後輪側のコーナリングフォースが確保される等により車両の方向安定性が確保され得る。
【選択図】図19

Description

本発明は、車両用制動制御装置に関する。
特許文献1には、第1、第2のホイールシリンダを備える第1の液圧配管と、第3、第4のホイールシリンダを備える第2の液圧配管とが備えられ、車両走行状態に応じて2つの液圧配管の制動液圧配分が調整される車両用ブレーキ装置が記載されている。
特開平9−290731号公報
より具体的には、この装置では、2つの液圧配管の一方に、マスタシリンダ圧に加算される補助液圧を発生させる液圧ポンプが備えられている。車両直進状態での制動操作時では、2つの液圧配管にマスタシリンダ圧そのものがそれぞれ供給される。一方、ステアリング操作角度が大きい状態(車両旋回状態)での制動操作時では、上記液圧ポンプが作動させられて上記一方の液圧配管にマスタシリンダ圧よりも大きい制動液圧が供給される。
これにより、車両旋回状態での制動操作時において、車両直進状態での制動操作時よりも大きい制動力を得ることができると記載されている。しかしながら、このことは、車両旋回状態と車両直進状態とで、制動操作量に対する車両の減速度の増大特性(制動操作量と車両減速度との関係)が異なることを意味する。
ここで、一般には、2つ液圧配管の制動液圧配分が変更されても、制動操作量に対する車両減速度の増大特性が一定に維持されることが好ましいと考えられる。加えて、車両の荷重状態、走行状態等に起因して車両が偏向し易い状態が発生している場合には、車両の方向安定性が確保され得る方向に2つ液圧配管の制動液圧配分が調整されることが好ましい。
本発明は係る知見に基づいてなされたものであって、その目的は、2系統の液圧配管を備える車両用制動制御装置において、制動操作量に対する車両減速度の増大特性を概ね一定に維持しつつ2つの液圧配管の制動液圧配分を調整して車両の方向安定性を確保することができるものを提供することにある。
本発明に係る第1の車両用制動制御装置は、車両の前後左右の4つの車輪の各ホイールシリンダに供給される制動液圧に応じた制動トルクを対応する車輪にそれぞれ付与する4つの車輪制動装置と、前記車両の運転者による制動操作量に応じた液圧量をそれぞれ発生する2つの液圧発生室を有する第1の液圧発生装置(マスタシリンダ)と、前記2つの液圧発生室のうちの一方を前記4つの車輪制動装置のうちの左右前輪に対応する2つと液圧的に接続する前輪の液圧配管と、前記2つの液圧発生室のうちの他方を前記4つの車輪制動装置のうちの左右後輪に対応する2つと液圧的に接続する後輪の液圧配管とを備える。即ち、この第1の車両用制動制御装置は、所謂「前後配管」を備えている。
この第1の車両用制動制御装置は、前記前輪、後輪の液圧配管のそれぞれにおいて前記第1の液圧発生装置により発生された前記液圧量に加算される補助液圧を発生する動力駆動の第2の液圧発生装置(液圧ポンプ)と、前記制動操作量を検出する検出手段と、前記検出された制動操作量に基づいて、前記前輪の液圧配管における前輪の補助液圧基準量及び前記後輪の液圧配管における後輪の補助液圧基準量を決定する基準量決定手段と、前記車両の荷重状態を表す状態量、前記車両の走行状態を表す状態量、及び前記車輪の滑り易さを表す状態量のうちの少なくとも1つを取得する取得手段と、前記決定された前輪、後輪の補助液圧基準量と前記取得された状態量とに基づいて、前記前輪の液圧配管における前輪の補助液圧目標量を前記前輪の補助液圧基準量以上に決定し、前記後輪の液圧配管における後輪の補助液圧目標量を前記後輪の補助液圧基準量以下に決定する目標量決定手段と、前記前輪、後輪の液圧配管のそれぞれにおける前記補助液圧を、前記決定された前輪、後輪の補助液圧目標量にそれぞれ一致するように調整する調圧手段とを更に備えている。
これによれば、制動操作時において、前記取得手段により取得された状態量に基づいて、前輪の液圧配管の制動液圧(マスタシリンダ圧+前輪の補助液圧)が前輪の基準液圧(マスタシリンダ圧+前輪の補助液圧基準量)以上の値に調整され、後輪の液圧配管の制動液圧(マスタシリンダ圧+後輪の補助液圧)が後輪の基準液圧(マスタシリンダ圧+後輪の補助液圧基準量)以下の値に調整される。
従って、例えば、車両の荷重状態、走行状態等に起因する車両の偏向のし易さが大きくなるほど、前輪の制動液圧配分比率が大きくされ後輪の制動液圧配分比率が小さくされ得る。これにより、車両全体に作用する制動力が概ね一定に維持される一方で、後輪の制動力(前後力)が小さくなって、後輪のコーナリングフォース(横力)の限界値が大きくなる。この結果、車両の偏向を抑制するための十分な後輪のコーナリングフォースが確保され得る。
以上より、本発明に係る第1の車両用制動制御装置によれば、前後配管の場合において、制動操作量に対する車両減速度の増大特性を概ね一定に維持しつつ2つの液圧配管の制動液圧配分を調整して車両の方向安定性を確保することができる。
本発明に係る第2の車両用制動制御装置は、上記第1の車両用制動制御装置のものと同じ4つの車輪制動装置、及び第1の液圧発生装置、並びに、前記2つの液圧発生室のうちの一方を前記4つの車輪制動装置のうちの左前輪及び右後輪に対応する2つと液圧的に接続する第1の液圧配管と、前記2つの液圧発生室のうちの他方を前記4つの車輪制動装置のうちの右前輪及び左後輪に対応する2つと液圧的に接続する第2の液圧配管とを備える。即ち、この第2の車両用制動制御装置は、所謂「ダイアゴナル配管(X配管ともいう)」を備えている。
本発明に係る第2の車両用制動制御装置は、前記第1、第2の液圧配管のそれぞれにおいて前記第1の液圧発生装置により発生された前記液圧量に加算される補助液圧を発生する動力駆動の第2の液圧発生装置と、前記制動操作量を検出する検出手段と、前記検出された制動操作量に基づいて、前記第1の液圧配管における第1の補助液圧基準量及び前記第2の液圧配管における第2の補助液圧基準量を決定する基準量決定手段と、前記車両の旋回状態を表す状態量、及び前記車輪の滑り易さを表す状態量のうちの少なくとも1つを取得する取得手段と、前記車両の旋回状態において前記決定された第1、第2の補助液圧基準量と前記取得された状態量とに基づいて、前記第1、第2の液圧配管のうち旋回外側前輪及び旋回内側後輪に対応する一方の液圧配管における第1の補助液圧目標量を前記第1、第2の補助液圧基準量のうち前記一方の液圧配管に対応する一方の補助液圧基準量以上に決定し、前記第1、第2の液圧配管のうちの他方の液圧配管における第2の補助液圧目標量を前記第1、第2の補助液圧基準量のうちの他方の補助液圧基準量以下に決定する目標量決定手段と、前記一方、他方の液圧配管のそれぞれにおける前記補助液圧を、前記決定された第1、第2の補助液圧目標量にそれぞれ一致するように調整する調圧手段とを備えている。
これによれば、車両旋回状態での制動操作時において、前記取得手段により取得された状態量に基づいて、旋回外側前輪を含む「一方」の液圧配管の制動液圧(マスタシリンダ圧+「一方」の補助液圧)が「一方」の基準液圧(マスタシリンダ圧+「一方」の補助液圧基準量)以上の値に調整され、旋回内側前輪を含む「他方」の液圧配管の制動液圧(マスタシリンダ圧+「他方」の補助液圧)が「他方」の基準液圧(マスタシリンダ圧+「他方」の補助液圧基準量)以下の値に調整される。
従って、例えば、車両の走行状態等に起因する車両の偏向のし易さが大きくなるほど、旋回外側前輪及び旋回内側後輪の制動液圧配分比率が大きくされ旋回内側前輪及び旋回外側後輪の制動液圧配分比率が小さくされ得る。これにより、車両全体に作用する制動力が概ね一定に維持される。
また、旋回状態での制動中では、車体の荷重移動により旋回内側後輪の接地荷重が最も減少し、旋回内側後輪のスリップが発生し易くなる。従って、アンチスキッド制御(ABS制御)等により旋回内側後輪の制動液圧(従って、制動力)の上昇が制限される。この結果、旋回外側前輪にのみ大きな制動力が作用することになるから、車両には旋回外向きのヨーイングモーメントが発生し、車両の偏向が抑制され得る。
以上より、本発明に係る第2の車両用制動制御装置によれば、ダイアゴナル配管の場合において、制動操作量に対する車両減速度の増大特性を概ね一定に維持しつつ2つの液圧配管の制動液圧配分を調整して車両の方向安定性を確保することができる。
ここにおいて、前記荷重状態を表す状態量としては、例えば、前記車両の静的な積載状態を表す値等が使用され得る。前記走行状態を表す状態量としては、例えば、前記車両の車体速度、前記車両の旋回状態を表す値等が使用され得る。前記車輪の滑り易さを表す状態量としては、例えば、前記車輪のスリップ速度等が使用され得る。
上記第1、第2の車両用制動制御装置において、前記目標量決定手段は、前記前輪、後輪の補助液圧目標量、又は前記第1、第2の補助液圧目標量を、前記制動操作量がゼロ又はゼロ近傍の微小値よりも大きい範囲に亘ってゼロよりも大きい値になるように決定するよう構成されることが好適である。
これによれば、運転者の制動操作の全領域で、マスタシリンダ圧に補助液圧(>0)が加算された状態が維持される。従って、制動操作の途中で補助液圧が付与開始されることに起因する運転者の制動操作に対する違和感の発生を抑制することができる。
また、第1の車両用制動制御装置において(即ち、前後配管の場合)、前記基準量決定手段は、前記前輪の補助液圧基準量を、前記制動操作量の増加に応じて増加するとともに前記制動操作量の増加に応じて増加勾配が大きくなるように決定し、前記後輪の補助液圧基準量を、前記制動操作量の増加に応じて増加するとともに前記制動操作量の増加に応じて増加勾配が小さくなるように決定するように構成されることが好適である。
これによれば、前輪、後輪の液圧配管の基準制動液圧配分の特性を、理想液圧配分(前輪及び後輪のロックが同時に発生する配分)に近い配分の特性に設定することができる。
以下、本発明による車両用制動制御装置の各実施形態について図面を参照しつつ説明する。第1実施形態は「前後配管」を備えていて、第2実施形態は「ダイアゴナル配管」を備えている。
(第1実施形態)
《装置の全体構成》
先ず、図1、及び図2を参照しながら、第1実施形態に係る車両用制動制御装置の全体構成について説明する。第1圧力発生手段(前記「第1の液圧発生装置」に対応)は、マスタシリンダMCである。マスタシリンダMCは、2つの液圧発生室(図示せず)を有していて、運転者のブレーキペダルBPの操作(制動操作)に応じて制動圧力(液圧)を発生する。即ち、運転者の発生する力(パワー)を動力源として制動圧力を発生する。更に、ブレーキペダル操作力を低減するために、マスタシリンダMCにはバキュームブースタVB(負圧ブースタ、ブレーキブースタともいう)を備えることができる。
第2圧力発生手段(前記「第2の液圧発生装置」に対応)は、電気モータMによって駆動される流体ポンプ(液圧ポンプともいい、以下、単にポンプという)HP#であって、運転者のパワーとは別個の動力源(例えば、電力源)によって制動圧力を発生する。ポンプHP#は、マスタシリンダMCが吐出する流体の一部を吸引し、ホイールシリンダWC**に対して吐出する。
ここで、「#」は、2系統の制動配管(液圧配管)における各配管系統を表す添字であり、制動配管が前後配管のときには、添字「f」は前輪系統、添字「r」は後輪系統を意味し、ダイアゴナル配管のときには、添字「1」は第1系統、添字「2」は第2系統を意味する。以下において、同じである。また、「**」は、各車輪を意味する添字であり、「fl」は左前輪、「fr」は右前輪、「rl」は左後輪、「rr」は右後輪を表す。以下において、同じである。
このように、ポンプHP#は、配管部LM#から流体を吸引して配管部LW**に吐出する。このため、流体の移動が生じ、マスタシリンダMCの発生する制動圧力に対して補助的な制動圧力が発生する。
検出手段BSは、運転者の制動操作部材(例えば、ブレーキペダルBP)による制動操作量Bsを検出する。具体的は、マスタシリンダMC、或いは、マスタシリンダMCの2つの液圧発生室にそれぞれ接続された2つの制動配管(前輪、後輪の液圧配管)における制動圧力(マスタシリンダ圧力Pm#)を検出する。従って、制動操作量Bsとして、マスタシリンダ圧力Pm#を用いることができる。また、ブレーキペダルBPの変位量(ストローク)、操作力を検出し、これらの検出値(ブレーキペダルストローク、或いは、ブレーキペダル操作力)を制動操作量Bsとすることもできる。
圧力調整手段(前記「調圧手段」に相当)は、例えば、リニア調圧弁(リニアソレノイド弁、リニア制御弁ともいう)LV#であり、第2圧力発生手段(ポンプ/電気モータ)が発生する圧力を、後述する補助圧力目標値SP#tに基づいて調圧する。そして、第1圧力発生手段(マスタシリンダMC)の発生する制動圧力に対して、第2圧力発生手段(ポンプ/電気モータ)の発生する制動圧力を加えてホイールシリンダWC**に与える。電気モータMの回転数を制御し、必要な圧力を発生させ、最終的な圧力の調整はリニアソレノイド弁LV#で行う。
《制動制御の構成》
次に、図3を参照しながら、第1実施形態に係る車両用制動制御装置による制動制御の構成について説明する。
〈補助圧力基準値SP#oの演算〉
第1圧力発生手段(マスタシリンダMC)によって発生する制動圧力を補助(助勢)する圧力(制動圧力に加算される圧力)の基準値が、運転者の制動部材(ブレーキペダルBP)の操作量(以下、制動操作量Bsという)に基づいて演算される。制動操作量Bsは、制動操作量の検出手段BS(ブレーキペダルストロークセンサ、ブレーキペダル踏力センサ、マスタシリンダ圧力センサのうちの少なくともいずれか1つを用いる)の検出結果に基づいて演算される。
マスタシリンダMCによって発生する制動圧力は、配管部LM#の圧力と同一である。運転者の制動操作の目的は車両(車体)を減速させることである。この装置は、制動圧力によってブレーキパッドをブレーキロータに押し付け、そのときに発生する摩擦力によって車輪に制動力を発生させる。このため、制動制御の対象は圧力(ホイールシリンダ内の流体の圧力)である。そのため、制動操作量Bsとして、同一物理量であるマスタシリンダ圧力Pm#を用いることが望ましい。
補助圧力の基準値(前記「補助液圧基準量」に対応。以下、単に基準値SP#oとも呼ぶ)は、車両の基準となる諸元をベースにして、運転者の制動操作量Bsに基づいて演算される。車両の基準諸元は、車両重量Ms、重心位置、ホイールベースL等の値であり、乗員や積載の状態によって変化する値であるが、所定の状態(所定の乗員数や積載量)を想定した値である。
補助圧力基準値SP#oは、いわゆる理想制動力配分(制動時の荷重移動を考慮して前後輪の制動力が夫々の荷重に比例した制動力となる配分)、或いは、それに近似した制動力配分の特性から演算される。図4A、図4Bはそれぞれ、制動操作量Bsに対する前輪、後輪補助圧力基準値SPfo,SProのテーブルである。この場合、補助圧力基準値SP#oは、制動操作量Bsの「0」からの増加に応じて「0」から比例的(線形的)に増大する。前輪、後輪補助圧力基準値SPfo,SProは、同じ値であっても異なっていてもよい。
また、図5Aに示すように、前輪の補助圧力基準値SPfoは、制動操作量Bsの「0」からの増大に応じて「下に凸」の特性をもって「0」から増大するように設定され得る(実線を参照)。又は、「下に凸」の特性を近似した破線で示すように、制動操作量Bsの「0」からの増大に応じて傾きが増加する複数の直線によって「0」から増大するようにも設定され得る。
図5Bに示すように、後輪の補助圧力基準値SProは、制動操作量Bsの「0」からの増大に応じて「上に凸」の特性をもって「0」から増大するように設定され得る(実線を参照)。又は、「上に凸」の特性を近似した破線で示すように、制動操作量Bsの「0」からの増大に応じて傾きが減少する複数の直線によって「0」から増大するようにも設定され得る。これらにより、前後輪間の制動力配分を理想制動力配分により近づけることができる。
補助圧力の設定においては、任意の制動操作量を補助圧力付与の起点(開始点)とすることができる。ここで、「0」を含む微小の制動操作量(「0」、或いは「0」近傍の微小値)を補助圧力付与の起点とすることが望ましい。補助圧力の付与によって、ブレーキペダルBPの操作特性が変化するが、「0」を含む微小の制動操作量を補助圧力付与の起点とすることで、運転者への違和感を抑制することができる。
また、マスタシリンダMCがバキュームブースタVBを備え、バキュームブースタVBがジャンプイン特性(バキュームブースタの助勢力がゼロからステップ的に増大する特性。ジャンピング特性ともいう。)を有する場合、ジャンプインに相当する制動操作量を補助圧力付与の起点とすることもできる。バキュームブースタのジャンプインと補助圧力付与の起点を合わせることで、運転者への違和感を更に抑制することができる。
補助圧力は、各車輪の接地荷重を推定し、これに基づいて設定することができる。この場合、制動操作量Bsに基づいて車体減速度の目標値を決定し、これを実現するための総制動力が演算される。そして、この総制動力を各車輪の接地荷重に基づいて配分する。接地荷重の推定は、前後加速度センサGXによる検出結果、或いは、車体速度Vxを微分して得られる車体減速度Gx、及び、車両の基準諸元に基づいてなされ得る。この場合であっても、補助圧力基準値SP#oは、制動操作量Bsに基づいて演算される。以上、このように補助圧力基準値SP#oを決定する手段が、前記「基準量決定手段」に対応する。
〈補助圧力目標値SP#tの演算〉
補助圧力の目標値(以下、単に目標値SP#tとも呼ぶ)は、基準値SP#oを、車両状態量、走行状態量、及び車輪状態量に基づいて決定される後述する修正値(修正係数)に基づいて修正されて得られる補助圧力の最終的な目標値である。第2圧力発生手段、及び、圧力調整手段は、補助圧力目標値SP#tに基づいて制御される。なお、この第1実施形態では、この修正値(修正係数)に基づく修正は、旋回時も直進時も行われる。
SPft=Kf・Fnc(Bs)が成立する。ここで、Kfは前輪の修正係数であり、後述するKvhf、Kdcf、Kpyfを用いて、Kf=Kvhf・Kdcf・Kpyf(Kvhf、Kdcf、Kpyfのうちの少なくともいずれか1つを省略可能)に従って演算される。また、Fnc(Bs)は制動操作量Bsを引数として前輪補助圧力基準値SPfoを表す関数、或いは、テーブルであって、例えば、図4、或いは、図5に示した特性を備える。
SPrt=Kr・Gnc(Bs)が成立する。ここで、Krは後輪の修正係数であり、後述するKvhr、Kdcr、Kpyrを用いて、Kr=Kvhr・Kdcr・Kpyr(Kvhr、Kdcr、Kpyrのうちの少なくともいずれか1つを省略可能)に従って演算される。また、Gnc(Bs)は制動操作量Bsを引数として後輪補助圧力基準値SProを表す関数、或いは、テーブルであって、例えば、図4、或いは、図5に示した特性を備える。
〈修正値(修正係数)の演算〉
1.車両状態に基づく修正値(修正係数)Kvh#の演算
車両状態量とは、車両の荷重状態(静的な積載状態)を表す値、或いは、荷重状態に依存して変化する値であり、例えば、車両重量に対する前輪軸の荷重の比率(前輪配分比率Jh)、車両重量に対する後輪軸の荷重の比率(後輪配分比率(1−Jh))、車両の横方向における荷重の偏差(以下、偏荷重Hkと呼ぶ)、又は、積載状態によって変化する車両の重心高Hgである。修正値(修正係数)Kvh#は、前輪配分比率Jh、偏荷重Hk、及び、重心高Hgのうちの少なくともいずれか1つに基づいて演算される。
ここで、荷重配分比率(前輪配分比率)Jhを求めるために必要となる車両重量は、例えば、少なくとも1つの車輪に設けられた荷重センサ、空気ばねの空気圧力センサ、車高センサの検出結果に基づいて求められる。或いは、加速操作(車両に与えられる駆動力)と車両加速度との関係、制動操作(車両に与えられる制動力)と車両減速度との関係に基づいて求められる。
また、偏荷重Hkは、例えば、荷重センサ、空気ばねの空気圧力センサ、車高センサの検出結果から右側荷重と左側荷重とを求めることで得られる。或いは、シートベルト装着センサ、エアバック用の乗員センサ、乗員体格センサの検出結果から求める。重心高Hgは、例えば、車両重量から求められる。或いは、旋回状態とローリング運動との関係、減速状態とピッチング運動の関係から求められる。
例えば、Kvh#=Kjh#・Khk#・Khg#と表すことができる。ここで、Kjh#は前輪配分比率Jhに基づく修正係数、Khk#は偏荷重Hkに基づく修正係数、Khg#は重心高Hgに基づく修正係数である。そして、Kvh#を求めるに際し、Kjh#、Khk#、Khg#のうちの少なくともいずれか1つを省略することができる。
先ず、修正係数Kjh#について説明する。修正係数Kjh#は、荷重配分比率(前輪の配分比率)Jhに基づいて、図6に示すように設定される。即ち、前輪配分比率Jhが所定値Jhaより小さいときには前輪及び後輪の修正係数Kjhf、Kjhrが「1」とされる。一方、所定値Jha以上では、前輪配分比率Jhの増加に応じて前輪修正係数Kjhfが「1」から増大していき、後輪修正係数Kjhrが「1」から減少していく。
この場合、前輪、後輪修正係数Kjhf,Kjhrの「1」からの増大量及び減少量は、制動操作量Bsに対する車両の減速度の増大特性(制動操作量と車両減速度との関係)が概ね一定に維持され得るように決定される。即ち、ブレーキ効力係数、制動有効半径、ホイールシリンダ受圧面積等が考慮され、修正係数の増大量に対する制動力の増大量と、修正係数の減少量に対する制動力の減少量とが概ね一致するように、修正係数Kjh#は設定される。
なお、修正係数が「1」のときには補助圧力基準値そのものが補助圧力目標値として演算され、修正係数が「0」のときには補助加圧が行われないこと(補助圧力=0)を意味する(以下の修正係数について同じ)。
このように、前輪配分比率Jhの大きさに基づいて修正係数Kjhf、Kjhrを設定することによって、前後輪間の制動力配分が理想配分に近づき、後輪の制動力を有効に利用することが可能となる。
次に、修正係数Khk#について説明する。車両の左右方向で接地荷重に差があると、制動時に車両が偏向し易くなる場合がある。そのため、偏荷重Hkに基づいて修正係数Khk#が、図7に示すように設定される。即ち、偏荷重Hkが所定値Hkaより小さいときには前輪及び後輪の修正係数Khkf、Khkrが「1」とされる。一方、所定値Hka以上では、偏荷重Hkの増加に応じて前輪修正係数Khkfが「1」から増大していき、後輪修正係数Khkrが「1」から減少していく。
この場合、前輪、後輪修正係数Khkf,Khkrの「1」からの増大量及び減少量は、制動操作量Bsに対する車両の減速度の増大特性(制動操作量と車両減速度との関係)が概ね一定に維持され得るように決定される。即ち、ブレーキ効力係数、制動有効半径、ホイールシリンダ受圧面積等が考慮され、修正係数の増大量に対する制動力の増大量と、修正係数の減少量に対する制動力の減少量とが概ね一致するように、修正係数Khk#は設定される。
このように、偏荷重Hkが増加するほど、修正係数Khk#によって前後輪間の制動力配分において前輪比率が高まり後輪比率が低下する。そのため、後輪コーナリングフォースが確保される。この結果、制動時における車両安定性(方向安定性)が確保される。
次に、修正係数Khg#について説明する。車両の重心高Hgが高くなると、車両の旋回時や制動時の荷重移動が大きくなる。特に旋回制動時に、旋回内側後輪の接地荷重が減少し、後輪コーナリングフォースの確保が困難となる場合がある。そのため、重心高Hgに基づいて修正係数Khg#が、図8に示すように設定される。即ち、重心高Hgが所定値Hgaより小さいときには前輪及び後輪の修正係数Khgf、Khgrが「1」とされる。一方、所定値Hga以上では、重心高Hgの増加に応じて前輪修正係数Khgfが「1」から増大していき、後輪修正係数Khgrが「1」から減少していく。
この場合、前輪、後輪修正係数Khgf,Khgrの「1」からの増大量及び減少量は、制動操作量Bsに対する車両の減速度の増大特性(制動操作量と車両減速度との関係)が概ね一定に維持され得るように決定される。即ち、ブレーキ効力係数、制動有効半径、ホイールシリンダ受圧面積等が考慮され、修正係数の増大量に対する制動力の増大量と、修正係数の減少量に対する制動力の減少量とが概ね一致するように、修正係数Khg#は設定される。
このように、重心高Hgが増加するほど、修正係数Khg#によって前後輪間の制動力配分において前輪比率が高まり後輪比率が低下する。そのため、後輪コーナリングフォースが確保され、制動時の車両安定性(方向安定性)が向上する。
2.走行状態量に基づく修正値(修正係数)Kdc#の演算
走行状態量とは、車両の走行状態を表す値であり、例えば、車体の速度(車速)Vx、又は、車両の旋回運動を表す状態量(旋回状態量)Tcである。修正値(修正係数)Kdc#は、車体速度Vx、及び、旋回状態量Tcのうちの少なくともいずれか1つに基づいて演算される。
ここで、車体速度Vxは、車輪速度センサWS**の検出結果に基づいて求められる。また、旋回状態量Tcは、横加速度センサ、ヨーレイトセンサ、ステアリングホイール操作角度センサ、操向車輪(左右前輪)の舵角センサ等の検出結果の少なくともいずれか1つに基づいて求められる。
例えば、Kdc#=Kvx#・Ktc#と表すことができる。ここで、Kvx#は車体速度Vxに基づく修正係数、Ktc#は旋回状態量Tcに基づく修正係数である。そして、Kdc#を求めるに際し、Kvx#、及び、Ktc#のうちのいずれか1つを省略することができる。
先ず、修正係数Kvx#について説明する。車体速度が高い場合には、車両の方向安定性が重要となる。したがって、車体速度Vxに基づいて修正係数Kvx#が、図9に示すように設定される。即ち、車体速度Vxが所定値Vxaより小さいときに前輪及び後輪の修正係数Kvxf、Kvxrが「1」とされる。一方、所定値Vxa以上では、車体速度Vxの増加に応じて前輪修正係数Kvxfが「1」から増大していき、後輪修正係数Kvxrが「1」から減少していく。
この場合、前輪、後輪修正係数Kvxf,Kvxrの「1」からの増大量及び減少量は、制動操作量Bsに対する車両の減速度の増大特性(制動操作量と車両減速度との関係)が概ね一定に維持され得るように決定される。即ち、ブレーキ効力係数、制動有効半径、ホイールシリンダ受圧面積等が考慮され、修正係数の増大量に対する制動力の増大量と、修正係数の減少量に対する制動力の減少量とが概ね一致するように、修正係数Kvx#は設定される。
なお、所定値Vxa以上における車体速度Vxの増加に対する後輪修正係数Kvxrの減少勾配を大きくすることで、車体速度Vxが所定値Vxb(>Vxa)以上のときに、後輪修正係数Kvxrが「0」とされてもよい(図9中のKvxr’を参照)。
このように、車体速度Vxが高くなるほど、修正係数Kvx#によって前後輪間の制動力配分において前輪比率が高まり後輪比率が低下する。そのため、外乱等によって車体に僅かなスリップ角が生じたとしても、後輪コーナリングフォースが確保されるため、車両安定性(方向安定性)が確保される。
車体速度Vxは制動によって時々刻々と変化する状態量であるが、車体速度Vxに代えて制動開始時点の車体速度Vxoに基づいて前輪及び後輪の修正係数Kvxf、Kvxrを設定することができ、これによっても同様の効果が得られる。
次に、修正係数Ktc#について説明する。車両の旋回時には左右方向に荷重移動が生じ、旋回内輪側の接地荷重が減少する。また、制動時には前後方向の荷重移動が生じるため、旋回内側の後輪の接地荷重が特に減少し、後輪コーナリングフォースの確保が困難となる場合がある。そこで、車両の旋回状態量Tcに基づいて修正係数Ktc#が、図10に示すように設定される。即ち、旋回状態量Tcが所定値Tcaより小さいときに前輪及び後輪の修正係数Ktcf、Ktcrが「1」とされる。一方、所定値Tca以上では、旋回状態量Tcの増加に応じて前輪修正係数Ktcfが「1」から増大していき、後輪修正係数Ktcrが「1」から減少していく。
この場合、前輪、後輪修正係数Ktcf,Ktcrの「1」からの増大量及び減少量は、制動操作量Bsに対する車両の減速度の増大特性(制動操作量と車両減速度との関係)が概ね一定に維持され得るように決定される。即ち、ブレーキ効力係数、制動有効半径、ホイールシリンダ受圧面積等が考慮され、修正係数の増大量に対する制動力の増大量と、修正係数の減少量に対する制動力の減少量とが概ね一致するように、修正係数Ktc#は設定される。
なお、所定値Tca以上における旋回状態量Tcの増加に対する後輪修正係数Ktcrの減少勾配を大きくすることで、旋回状態量Tcが所定値Tcb(>Tca)以上のときに、後輪修正係数Ktcrが「0」とされてもよい(図10中のKtcr’を参照)。
このように、旋回状態量Tcが大きくなるほど、修正係数Ktc#によって前後輪間の制動力配分において前輪比率が高まり後輪比率が低下する。そのため、後輪コーナリングフォースが確保されるため車両安定性が確保される。
旋回状態量Tcは制動によって時々刻々と変化する状態量であるが、旋回状態量Tcに代えて制動開始時点の旋回状態量Tcoに基づいて前輪及び後輪の修正係数Ktcf、Ktcrを設定することができ、これによっても同様の効果が得られる。
前輪及び後輪の修正係数Ktcf、Ktcrは、旋回状態量Tc、或いは、Tcoに応じて各車輪の接地荷重を推定し、これに基づいて設定することができる。この場合、制動操作量Bsに基づいて車体減速度の目標値が決定され、これを実現するための総制動力が演算される。そして、総制動力が各車輪の接地荷重に基づいて配分される。接地荷重の推定は、横加速度センサGYによる検出結果、或いは、ステアリングホイール角δswを基に推定される横加速度Gy、及び、車両の基準諸元に基づいて行われる。この場合であっても、前輪及び後輪の修正係数Ktcf、Ktcrは旋回状態量Tc、或いは、Tcoに基づいて演算される。
3.車輪状態量に基づく修正値(修正係数)Kpy#の演算
車輪状態量Py**とは、各車輪の滑り易さを表す値であり、各車輪の滑り易さを表す車輪状態量Py**のうちの少なくとも1つに基づいて修正係数Kpy#が設定される。また、車両の安定性は後輪コーナリングフォースに拠る所が大きいため、後輪の車輪状態量Pyr(後輪の滑り易くなっている車輪の状態量、あるいは、後2輪の車輪状態量の平均値)に基づいて修正係数Kpy#を設定することができる。なお、後輪状態量Pyrは、各車輪の車輪状態量Py**から演算される。
ここで、車輪状態量Py**は、例えば、車体速度と車輪速度との差から求められる車輪スリップ速度Sl**であり、車輪スリップ速度を車体速度で除した車輪スリップ率Sr**を用いることもできる。また、公知の路面μ勾配(例えば、特開2001―133390号公報、US6522968号公報)、車輪グリップ度(例えば、特開2003―312465号公報、US6895317号公報)を用いて演算することもできる。
車輪状態量Py**(或いは、後輪状態量Pyr)が高い場合(つまり、車輪が滑り易くなっているとき)には、車両の方向安定性が重要となる。したがって、各車輪のうちの少なくとも1つの車輪の車輪状態量Py**(或いは、後輪状態量Pyr)に基づいて修正係数Kpy#が、図11に示すように設定される。即ち、車輪状態量Py**(或いは、後輪状態量Pyr)が所定値Pya(Pyra)より小さいときに前輪及び後輪の修正係数Kpyf、Kpyrが「1」される。一方、所定値Pya(Pyra)以上では、車輪状態量Py**(或いは、後輪状態量Pyr)の増加に応じて前輪修正係数Kpyfが「1」から増大していき、後輪修正係数Kpyrが「1」から減少していく。
この場合、前輪、後輪修正係数Kpyf,Kpyrの「1」からの増大量及び減少量は、制動操作量Bsに対する車両の減速度の増大特性(制動操作量と車両減速度との関係)が概ね一定に維持され得る決定される。即ち、ブレーキ効力係数、制動有効半径、ホイールシリンダ受圧面積等が考慮され、修正係数の増大量に対する制動力の増大量と、修正係数の減少量に対する制動力の減少量とが概ね一致するように、修正係数Kpy#は設定される。
なお、所定値Pya(Pyra)以上における車輪状態量Py**の増加に対する後輪修正係数Kpyrの減少勾配を大きくすることで、車輪状態量Py**が所定値Pyb(>Pya)以上のときに、後輪修正係数Kpyrが「0」とされてもよい(図11中のKpyr’を参照)。
このように、車輪が滑り易くなったときほど、修正係数Kpy#によって前後輪間の制動力配分において前輪比率が高まり後輪比率が低下する。そのため、外乱等によって車体に僅かなスリップ角が生じたとしても、後輪コーナリングフォースが確保されるため車両安定性(方向安定性)が確保される。以上、このように補助圧力目標値SP#tを決定する手段が、前記「目標量決定手段」に対応する。
《駆動手段》
再び、図3を参照すると、駆動手段は、第1圧力発生手段(マスタシリンダMC)が発生する圧力に補助圧力を加えて各車輪のホイールシリンダ圧力Pw**を制御するように、第2圧力発生手段(電気モータ/ポンプ)、前輪及び後輪系統の圧力調整手段(リニアソレノイド弁LV#)を駆動し制御する。すなわち、補助圧力目標値演算において演算される補助圧力目標値SPft、SPrtに基づいて電気モータMの回転、前輪及び後輪系統のリニアソレノイド弁LV#の開閉を制御する。
補助圧力目標値SPft、SPrtに基づいて、これを供給できるポンプ回転数に電気モータMが制御される。検出手段BSの検出結果(例えば、マスタシリンダ圧力Pm#)と補助圧力目標値SPft、SPrtに基づいて前輪及び後輪の各系統の圧力目標値が演算される。そして、これらに基づいてリニアソレノイド弁LV#を駆動する電流値が決定され、リニアソレノイド弁LV#が制御される。
前輪及び後輪の各系統に圧力センサP**が備えられるときには、圧力センサP**によって検出された実際の圧力が該圧力目標値と一致するようにフィードバック制御が行われる。圧力センサP**は省略することも可能であり、このときには、車輪の動き(車輪速度の変化の経緯)、ソレノイド弁の作動状態等をもとに圧力の推定を行うことができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る車両用制動制御装置の全体構成について説明する。この全体構成を示す図12、及び図13に示すように、第2実施形態は、「ダイアゴナル配管」を備えている点においてのみ、「前後配管」を備えた上記第1実施形態と異なる。即ち、第2実施形態では、マスタシリンダMCの2つの液圧発生室には、左前輪と右後輪に係わる第1系統の制動配管(第1の液圧配管)と、右前輪と左後輪に係わる第2系統の制動配管(第2の液圧配管)とが接続されている。
《制動制御の構成》
次に、図14を参照しながら、第2実施形態に係る車両用制動制御装置による制動制御の構成について説明する。
〈補助圧力基準値SP#oの演算〉
上述したように「前後配管」を有する上記第1実施形態の場合は、制動操作量Bsに対して前輪及び後輪で異なる補助圧力基準値が設定されるが、「ダイアゴナル配管」を有する第2実施形態の場合には、図15に示すように、第1及び第2系統で同一の特性を用いて補助圧力基準値SP1o、SP2oが演算される。この場合、補助圧力基準値SP#oは、制動操作量Bsの「0」からの増加に応じて「0」から比例的(線形的)に増大する。
なお、補助圧力基準値SP#oは、制動操作量Bsの「0」からの増大に応じて「下に凸」の特性をもって「0」から増大するように設定されてもよい。又は、「下に凸」の特性を近似して、制動操作量Bsの「0」からの増大に応じて傾きが増加する複数の直線によって「0」から増大するようにも設定されてもよい。
補助圧力の設定においては、任意の制動操作量を補助圧力付与の起点(開始点)とすることができる。ここで、「0」を含む微小の制動操作量(「0」、或いは「0」近傍の微小値)を補助圧力付与の起点とすることが望ましい。補助圧力の付与によって、ブレーキペダルBPの操作特性が変化するが、「0」を含む微小の制動操作量を補助圧力付与の起点とすることで、運転者への違和感を抑制することができる。
また、マスタシリンダMCがバキュームブースタVBを備え、バキュームブースタVBがジャンプイン特性(バキュームブースタの助勢力がゼロからステップ的に増大する特性。ジャンピング特性ともいう。)を有する場合、ジャンプインに相当する制動操作量を補助圧力付与の起点とすることもできる。バキュームブースタのジャンプインと補助圧力付与の起点を合わせることで、運転者への違和感を更に抑制することができる。
〈補助圧力目標値SP#tの演算〉
ダイアゴナル配管の場合において、制動配管間の圧力差を発生させることが必要となるのは、車両が旋回走行しているときである。したがって、旋回状態量検出手段TCの検出結果に基づいて旋回状態量Tcが演算され、これに基づいて修正値(修正係数)Ktc#が演算される。
また、旋回走行によって発生する荷重移動に伴い、車輪の滑り易さ(車輪状態量)も変化するので、車輪速度検出手段WS**の検出結果に基づいて車輪状態量Py**が演算され、これに基づいて修正値(修正係数)Kpy#が演算されてもよい。この第2実施形態では、この修正値(修正係数)に基づく修正は、旋回時においてのみ行われる。
〈修正値(修正係数)の演算〉
1.走行状態量に基づく修正値(修正係数)Kdc#の演算
ダイアゴナル配管の場合の走行状態量とは、車両の旋回運動を表す状態量(旋回状態量)Tcである。修正値(修正係数)Kdc#は旋回状態量Tcに基づいて演算される。
車両の旋回時には左右方向に荷重移動が生じ、旋回内輪側の接地荷重が減少する。また、制動時には前後方向の荷重移動が生じるため、旋回内側の後輪の接地荷重が特に減少し、後輪コーナリングフォースの確保が困難となる場合がある。後輪コーナリングフォースが確保できないと、車両は旋回内側方向へ巻き込むこととなる。
そこで、車両の旋回状態量Tcに基づいて修正係数Ktc#(=Kdc#)が、図16に示すように設定される。即ち、旋回状態量Tcが所定値Tccより小さいときに修正係数Ktcs、Ktcuが「1」とされる。ここで、Ktcsは旋回外側前輪を含む制動配管系統の修正係数であり、Ktcuは旋回内側前輪を含む制動配管系統の修正係数である。旋回状態量が所定値Tcc以上では、旋回状態量Tcの増加に応じて修正係数Ktcsが「1」から増大していき、修正係数Ktcuが「1」から減少していく。
修正係数Ktcuの減少量は修正係数Ktcsの増加量をよりも小さくすることができる。旋回内側前輪を含む制動配管系統の前輪では、旋回による荷重移動で接地荷重が減少するが制動による荷重移動で接地荷重が増加する。また、同じ系統の後輪では、旋回による荷重移動で接地荷重が増加するが制動による荷重移動で接地荷重が減少する。そのため、接地荷重に対する制動力の割合である制動負荷を各車輪で概ね均等に保ち、コーナリングフォースを均等に確保するために、旋回内側前輪を含む制動配管系統では補助圧力の減少量を大きくする必要はない。
一方、旋回外側前輪を含む制動配管系統の後輪(旋回内側後輪)では、接地荷重が最も減少するため、増減圧手段(図12を参照)によりいわゆるABS制御、或いは、電子制動配分(EBD制御)が行われ、車輪スリップ速度に基づいて制動圧力の上昇が制限される。即ち、旋回内側後輪に作用する制動力が小さくなる。
そこで、旋回外側前輪を含む制動配管系統では補助圧力の増加量を大きくし、旋回外側前輪の制動力を増加させる。これにより、制動操作量と車体の減速度との関係を略一定とすることができる。また、前輪における制動力差によって、旋回外向きに作用するヨーイングモーメントが発生し得るため、前述の車両の巻き込みを抑制することが可能となる。
2.車輪状態量に基づく修正値(修正係数)Kpy#の演算
旋回に伴う荷重移動の結果として、各車輪の滑り易さを表す車輪状態量Py**が変化する。そこで、前述の旋回状態量Tcに代えて、各車輪の車輪状態量Py**を用いて修正係数を設定することができる。
また、車両の安定性は後輪コーナリングフォースに拠る所が大きいため、後輪の車輪状態量Pyr(後輪の滑り易くなっている車輪の状態量、あるいは、後2輪の車輪状態量の平均値)に基づいて修正係数Kpy#を設定することができる。なお、後輪状態量Pyrは、各車輪の車輪状態量Py**から演算する。
この車輪状態量に基づく修正値(修正係数)Kpy#は、図17に示すように設定される。即ち、車輪状態量Py**(或いは、後輪状態量Pyr)が所定値Pyc(或いは、Pyrc)より小さいときに修正係数Kpys、Kpyuが「1」とされる。ここで、Kpysは旋回外側前輪を含む制動配管系統の修正係数であり、Kpyuは旋回内側前輪を含む制動配管系統の修正係数である。車輪状態量Py**(或いは、後輪状態量Pyr)が所定値Pyc(或いは、Pyrc)以上のときには、車輪状態量Py**(或いは、後輪状態量Pyr)の増加に応じて修正係数Kpysが「1」から増大していき、修正係数Kpyuが「1」から減少していく。このような修正値(修正係数)Kpy#の設定により、旋回状態量に基づく修正と同様の効果を得ることができる。
《効果》
以下、本発明の第1、第2実施形態に係る車両用制動制御装置の効果について述べる。制動操作量Bsに対する各車輪のホイールシリンダ圧力Pw**の関係は、図18に示すようになる。即ち、運転者の制動操作に応じてマスタシリンダMC(第1圧力発生手段)は、特性Pw1**で表される制動圧力を発生する。この制動圧力Pw1**に対して、ポンプ/電気モータ(第2圧力発生手段)が発生しリニアソレノイド弁LV#(圧力調整手段)によって調整された補助圧力Pw2**が加えられ、ホイールシリンダの圧力特性は、特性Pw**(=Pw1**+Pw2**)で表されるようになる。
補助加圧は、車両状態量、走行状態量、及び、車輪状態量のうちの少なくとも1つに基づいて修正され、領域A(図18中の圧力特性Pw1**と限界圧力特性とで囲まれた領域)の範囲内で制御することが可能となる。
図18中では、補助圧力の基準値に対する修正が点C(制動操作量Bsが値Bscのとき)において行われている。一方側の制動配管系統の補助圧力を増加すると共に、他方側の制動配管系統の補助圧力を減少する。この修正によって、上述のように、車両の方向安定性を確保できるとともに制動操作と車体減速度の関係を概ね一定とすることができる。
補助圧力の修正は、同時点において実行されることが好ましいが、必ずしも修正時点を一致させる必要はない。一方側の修正のみをまずは行い、基準値からの増加分と減少分との差が所定の圧力(又は、制動圧力から換算される制動力差の所定値)を超えたときに他方側の修正を開始こともできる。
通常ブレーキ時(本発明においては、車両諸元が基準諸元であり、車速が所定値以下であり、概ね直進走行時であり、車輪の滑りが僅かであってグリップに余裕があるとき)にも、補助圧力が発生させられる。したがって、通常ブレーキ時ではないとき(車両諸元が基準諸元から外れているとき、或いは、車速が所定値より高くなったとき、或いは、旋回走行時、或いは、車輪の滑りが大きくなってグリップに余裕がなくなったとき)に、通常ブレーキ時において発生される制動圧力よりも高い制動圧力を用いる装置に対して、ホイールシリンダとの接続をABS制御弁(図1、図12における増減圧手段に相当)によって遮断することなく制動圧力を制御可能な領域Aを拡大することができる。
運転者の操作に応じたブレーキペダルの操作特性(ブレーキペダルストロークと操作力との関係)は、ブレーキキャリパ、ブレーキパッド、制動配管等の剛性に依存する。本実施形態では、2系統の制動配管間の制動力調整が、補助圧力の調整の範囲内で行われ、マスタシリンダからホイールシリンダへの接続が、可能な限りABS制御弁によって遮断されることがない。そのため、ブレーキペダルの操作特性を変化させることなく、制動力制御を行うことが可能となる。
補助圧力の設定においては、任意の制動操作量を補助圧力付与の起点とすることができる。しかし、「0」を含む微小の制動操作量(「0」、或いは「0」近傍の微小値)を補助圧力付与の起点とすることが望ましい。補助圧力を付与する際のブレーキ効きの繋がりを向上させるためである。
更に、上記ジャンプイン特性を有するバキュームブースタが備えられている場合、ジャンプインに相当する制動操作量を補助圧力付与の起点とすることもできる。バキュームブースタによる助勢力の付与と補助圧力の付与との繋がりを向上するためである。
図19は、上記第1、第2実施形態が適用された場合における作動例として、旋回状態量Tcに基づいて2つの制動配管系統の補助圧力が調整される場合の一例を示したタイムチャートである。以下、第1実施形態が適用された場合についてのみ説明するが、第2実施形態が適用された場合についても同様である。
旋回状態量Tc=Tc1で車両が旋回している状態において時刻t0にて制動操作が開始される。なお、値Tc1は、値Tcb(図10を参照)よりも大きいものとする。時刻t1にて制動操作量Bsが値Bs1(微小値)に達すると、補助圧力の調整が開始される。
これにより、前輪系統の補助圧力が増加修正されるとともに、後輪系統の補助圧力が減少修正される。ここで、補助圧力の修正開始(時刻t1)からの短期間に亘って修正量が徐々に増大しているのは、修正量の時間変化速度に制限が設けられていることに基づく。
補助圧力の調整は、旋回状態量Tcに基づいて行われる。このため、車速の減少に起因して旋回状態量Tcが減少するに従って補助圧力の修正量も減少していく(時刻t2〜t3)。ここで、旋回状態量Tcは、時刻t2にて値Tcbとなり、時刻t3にて値Tc2(=Tca)となっている(図10を参照)。そして、旋回状態量Tcが値Tc2以下になると、補助圧力の調整が終了する。
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記の実施例では、マスタシリンダ(第1圧力発生手段)が発生する制動圧力が、概ね制動操作量Bsに比例する特性としている。しかし、図20に示すように、制動圧力の特性Pw1**を、制動操作量Bsの増加に従って傾き(増加勾配)が増加する特性とすれば、補助圧力による調整の範囲を拡大することができる。
なお、図20では、点D(制動操作量Bsが値Bsdのとき)において傾き(制動操作量Bsに対する制動液圧Pw1**の増加勾配)が増加する2つの直線で構成される特性が採用されているが、制動操作量Bsの増加に従って傾きが増加する3つ以上の直線で構成される特性、或いは、曲線で構成される特性が採用されてもよい。
制動操作量Bsの増加に従って傾きが増加する制動圧力の特性は、例えば、特開2000−203409で開示されているように、マスタシリンダの機械的な構造に基づいて実現できる。また、特開2002−347590で開示されているように、ブレーキペダルを支持するリンク機構、或いは、特開平10−250565で開示されているように、負圧式倍力装置(バキュームブースタ)の構造に基づいて実現できる。
マスタシリンダ(第1圧力発生手段)が発生する制動圧力の特性Pw1**に対して、ポンプ/電気モータ(第2圧力発生手段)が発生しリニアソレノイド弁(圧力調整手段)によって調整された補助圧力Pw2**が加えられて、ホイールシリンダの圧力の特性は、特性Pw**(=Pw1**+Pw2**)で表されるようになる。制動圧力の特性Pw1**は制動操作量Bsの増加に従って傾きが増加するため、領域Bで示すように補助圧力Pw2**の制御範囲は拡大される。特に、補助圧力を基準値よりも低下するように修正する場合に有効である。
電源等の問題によって補助圧力が十分には得られない場合であっても、運転者がブレーキペダルを踏み込むと、傾きが大きい領域となって車体減速に必要な制動圧力を確保することができる。
以上の説明では、補助圧力の修正値を修正係数とし、これを基準値に乗じることで補助圧力の調整が行われているが、修正係数に代えて圧力の次元において修正値(修正圧力)を演算し、これを基準値に対して増減することで補助圧力の調整が行われてもよい。
本発明の第1実施形態に係る車両用制動制御装置の全体構成を示した図である。 図1に示した全体構成におけるブレーキ液圧回路の詳細を示した図である。 図1に示した装置が制動制御を行う際の機能ブロック図である。 図1に示した装置が参照する、制動操作量と前輪補助圧力基準値との関係を規定するテーブルを示したグラフである。 図1に示した装置が参照する、制動操作量と後輪補助圧力基準値との関係を規定するテーブルを示したグラフである。 図1に示した装置が参照する、制動操作量と前輪補助圧力基準値との関係を規定するテーブルの他の例を示したグラフである。 図1に示した装置が参照する、制動操作量と後輪補助圧力基準値との関係を規定するテーブルの他の例を示したグラフである。 図1に示した装置が参照する、荷重配分比率と修正係数との関係を規定するテーブルを示したグラフである。 図1に示した装置が参照する、偏荷重と修正係数との関係を規定するテーブルを示したグラフである。 図1に示した装置が参照する、重心高と修正係数との関係を規定するテーブルを示したグラフである。 図1に示した装置が参照する、車体速度と修正係数との関係を規定するテーブルを示したグラフである。 図1に示した装置が参照する、旋回状態量と修正係数との関係を規定するテーブルを示したグラフである。 図1に示した装置が参照する、車輪状態量と修正係数との関係を規定するテーブルを示したグラフである。 本発明の第2実施形態に係る車両用制動制御装置の全体構成を示した図である。 図12に示した全体構成におけるブレーキ液圧回路の詳細を示した図である。 図12に示した装置が制動制御を行う際の機能ブロック図である。 図12に示した装置が参照する、制動操作量と補助圧力基準値との関係を規定するテーブルを示したグラフである。 図12に示した装置が参照する、旋回状態量と修正係数との関係を規定するテーブルを示したグラフである。 図12に示した装置が参照する、車輪状態量と修正係数との関係を規定するテーブルを示したグラフである。 本発明の効果を説明するための図である。 旋回状態量に基づいて2つの制動配管系統の補助圧力が調整される場合の一例を示したタイムチャートである。 本発明の変形例に係る車両用制動制御装置による効果を説明するための図である。
符号の説明
MC…マスタシリンダ、VB…バキューム式ブースタ、HP#…ポンプ、M…モータ、PM#…マスタシリンダ圧力センサ、LV#…リニアソレノイド弁、WC**…ホイールシリンダ

Claims (7)

  1. 車両の前後左右の4つの車輪の各ホイールシリンダに供給される制動液圧に応じた制動トルクを対応する車輪にそれぞれ付与する4つの車輪制動装置と、
    前記車両の運転者による制動操作量に応じた液圧量をそれぞれ発生する2つの液圧発生室を有する第1の液圧発生装置と、
    前記2つの液圧発生室のうちの一方を前記4つの車輪制動装置のうちの左右前輪に対応する2つと液圧的に接続する前輪の液圧配管と、
    前記2つの液圧発生室のうちの他方を前記4つの車輪制動装置のうちの左右後輪に対応する2つと液圧的に接続する後輪の液圧配管と、
    前記前輪、後輪の液圧配管のそれぞれにおいて前記第1の液圧発生装置により発生された前記液圧量に加算される補助液圧を発生する動力駆動の第2の液圧発生装置と、
    前記制動操作量を検出する検出手段と、
    前記検出された制動操作量に基づいて、前記前輪の液圧配管における前輪の補助液圧基準量及び前記後輪の液圧配管における後輪の補助液圧基準量を決定する基準量決定手段と、
    前記車両の荷重状態を表す状態量、前記車両の走行状態を表す状態量、及び前記車輪の滑り易さを表す状態量のうちの少なくとも1つを取得する取得手段と、
    前記決定された前輪、後輪の補助液圧基準量と前記取得された状態量とに基づいて、前記前輪の液圧配管における前輪の補助液圧目標量を前記前輪の補助液圧基準量以上に決定し、前記後輪の液圧配管における後輪の補助液圧目標量を前記後輪の補助液圧基準量以下に決定する目標量決定手段と、
    前記前輪、後輪の液圧配管のそれぞれにおける前記補助液圧を、前記決定された前輪、後輪の補助液圧目標量にそれぞれ一致するように調整する調圧手段と、
    を備えた車両用制動制御装置。
  2. 車両の前後左右の4つの車輪の各ホイールシリンダに供給される制動液圧に応じた制動トルクを対応する車輪にそれぞれ付与する4つの車輪制動装置と、
    前記車両の運転者による制動操作量に応じた液圧量をそれぞれ発生する2つの液圧発生室を有する第1の液圧発生装置と、
    前記2つの液圧発生室のうちの一方を前記4つの車輪制動装置のうちの左前輪及び右後輪に対応する2つと液圧的に接続する第1の液圧配管と、
    前記2つの液圧発生室のうちの他方を前記4つの車輪制動装置のうちの右前輪及び左後輪に対応する2つと液圧的に接続する第2の液圧配管と、
    前記第1、第2の液圧配管のそれぞれにおいて前記第1の液圧発生装置により発生された前記液圧量に加算される補助液圧を発生する動力駆動の第2の液圧発生装置と、
    前記制動操作量を検出する検出手段と、
    前記検出された制動操作量に基づいて、前記第1の液圧配管における第1の補助液圧基準量及び前記第2の液圧配管における第2の補助液圧基準量を決定する基準量決定手段と、
    前記車両の旋回状態を表す状態量、及び前記車輪の滑り易さを表す状態量のうちの少なくとも1つを取得する取得手段と、
    前記車両の旋回状態において前記決定された第1、第2の補助液圧基準量と前記取得された状態量とに基づいて、前記第1、第2の液圧配管のうち旋回外側前輪及び旋回内側後輪に対応する一方の液圧配管における第1の補助液圧目標量を前記第1、第2の補助液圧基準量のうち前記一方の液圧配管に対応する一方の補助液圧基準量以上に決定し、前記第1、第2の液圧配管のうちの他方の液圧配管における第2の補助液圧目標量を前記第1、第2の補助液圧基準量のうちの他方の補助液圧基準量以下に決定する目標量決定手段と、
    前記一方、他方の液圧配管のそれぞれにおける前記補助液圧を、前記決定された第1、第2の補助液圧目標量にそれぞれ一致するように調整する調圧手段と、
    を備えた車両用制動制御装置。
  3. 請求項1に記載の車両用制動制御装置において、
    前記取得手段は、
    前記荷重状態を表す状態量として、前記車両の静的な積載状態を表す値を取得するように構成された車両用制動制御装置。
  4. 請求項1に記載の車両用制動制御装置において、
    前記取得手段は、
    前記走行状態を表す状態量として、前記車両の車体速度、及び前記車両の旋回状態を表す値の少なくとも1つを取得するように構成された車両用制動制御装置。
  5. 請求項1又は請求項2に記載の車両用制動制御装置において、
    前記取得手段は、
    前記車輪の滑り易さを表す状態量として、前記車輪のスリップ速度を取得するように構成された車両用制動制御装置。
  6. 請求項1又は請求項2に記載の車両用制動制御装置において、
    前記目標量決定手段は、
    前記前輪、後輪の補助液圧目標量、又は前記第1、第2の補助液圧目標量を、前記制動操作量がゼロ又はゼロ近傍の微小値よりも大きい範囲に亘ってゼロよりも大きい値になるように決定するよう構成された車両用制動制御装置。
  7. 請求項1に記載の車両用制動制御装置において、
    前記基準量決定手段は、
    前記前輪の補助液圧基準量を、前記制動操作量の増加に応じて増加するとともに前記制動操作量の増加に応じて増加勾配が大きくなるように決定し、
    前記後輪の補助液圧基準量を、前記制動操作量の増加に応じて増加するとともに前記制動操作量の増加に応じて増加勾配が小さくなるように決定するように構成された車両用制動制御装置。
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