JP2009065793A - 電動車両 - Google Patents

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  • Regulating Braking Force (AREA)
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Abstract

【課題】左右の後輪を電動モータにより回転駆動する方式の電動車両において、安全にコーナリング特性を向上させる。
【解決手段】ブレーキトルク指令値演算部53において、PIDコントロール部51からフィードバックされた各スリップ率の差分と、ブレーキペダル開度検出部22により検出されたブレーキペダルの開度を示す信号とに基づいて、第1電動モータ7への第1ブレーキトルク指令値BT1及び第2電動モータ11への第2ブレーキトルク指令値BT2を演算し、モータ制御部47では、ブレーキトルク指令値演算部53によって演算された第1ブレーキトルク指令値BT1及び第2ブレーキトルク指令値BT2に基づいて第1電動モータ7及び第2電動モータ11のブレーキトルクを制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、左右の後輪をそれぞれ独立した電動モータにより回転駆動する方式の電動レーシングカート等の電動車両に関する。
従来の一般的なレーシングカートは、左右の後輪を駆動輪とし、これら駆動輪をエンジン又は電動モータにより一体的に回転駆動する構成となっていた。また、スピードの制御は後輪に設けられた油圧ブレーキにより行われていた。
このようなレーシングカートでは、いわゆるABS(アンチロック・ブレーキシステム)は搭載されておらず、制動時における車両の挙動は、ドライバーの力量のみで制御されていた。
なお、レーシングカートに関連する先行技術として、特許文献1及び特許文献2に示すものが知られている。
特開2005−231391号公報 特開2004−180800号公報
ABSが搭載されていない従来のレーシングカートでは、ブレーキにより制動をかけた時にタイヤをロックさせやすく、コーナーの手前でタイヤをロックさせてしまうと、コーナリングフォースが発生しなくなり、正常なコーナリングができなくなることがあった。また、旋回中にタイヤのコーナリングフォースが発生しなくなると、スピンが発生しやすくなり、雨天時には制御不能となるおそれがあった。このように、従来のレーシングカートでは、制動時にタイヤをロックさせることなく、安全にコーナリング特性を向上させることは極めて困難なものとなっていた。
本発明の目的は、制動時におけるタイヤのロックを防止し、様々な路面状態においてタイヤのコーナリングフォースを確保することにより、安全にコーナリング特性を向上させることができる電動車両を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に係わる発明は、左右の後輪を駆動輪として第1電動モータ及び第2電動モータにより独立して回転駆動する電動車両において、検出された車体速及び検出された各前記後輪の車輪速に基づいて各前記後輪の実スリップ率を演算する実スリップ率演算手段と、検出された横加速度及び検出された前後加速度に基づいて各前記後輪の車輪荷重を演算する車輪荷重演算手段と、演算された車輪荷重と、検出された前記第1電動モータ及び第2電動モータの各モータトルクとに基づいて路面の摩擦係数μを演算するとともに、当該摩擦係数μに基づいて各前記後輪の目標スリップ率を演算する目標スリップ率演算手段と、演算された実スリップ率と目標スリップ率及びブレーキペダルの開度に基づいて、前記第1電動モータへの第1ブレーキトルク指令値及び前記第2電動モータへの第2ブレーキトルク指令値を演算するブレーキトルク指令値演算手段と、演算された前記第1ブレーキトルク指令値及び前記第2ブレーキトルク指令値に基づいて前記第1電動モータ及び前記第2電動モータを制御するモータ制御手段とを備えることを特徴とするものである。
また、請求項2に係わる発明は、路面の摩擦係数とスリップ率特性との関係を示すスリップ率データを複数記憶するスリップ率データ記憶手段を備え、前記目標スリップ率演算手段は、前記スリップ率データ記憶手段に記憶されたスリップ率データのうち、演算された摩擦係数μと対応するスリップ率データを選択し、当該スリップ率データに基づいて目標スリップ率を求めることを特徴とするものである。
本発明によれば、第1電動モータに与えるブレーキトルクと第2電動モータに与えるブレーキトルクによるモータブレーキとにより、路面状態に応じたABS制御を行うことができる。すなわち、路面の摩擦係数μが大きいときには、各モータに与えるブレーキトルクを大きくし、また路面の摩擦係数μが小さいときには、各モータに与えるブレーキトルクを小さくすることができる。これによれば、電動車両の制動時におけるタイヤのロックを防止し、様々な路面状態においてタイヤのコーナリングフォースを確保することができるので、安全にコーナリング特性を向上させることができる。
以下、本発明に係わる電動車両を電動レーシングカートに適用した場合の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係わる電動レーシングカートの制動システムの構成を示すブロック図、図2は、本実施形態に係わる電動レーシングカートの全体構成図である。
図2に示すように、本実施形態に係わる電動レーシングカート(以下、適宜にカートという)1は、電動カートの一種であって、車体フレーム3をベースとして備えている。車体フレーム3の後部には、左右の後輪5a,5bが回転可能に設けられている。同様に、車体フレーム3の前部には、左右の前輪5c,5dが回転可能に設けられている。また、車体フレーム3の左側後部には、第1電動モータ7が設けられている。そして、この第1電動モータ7の出力軸は、左側の後輪5aの回転軸にギア機構9又はチェーン機構(図示省略)を介して連動連結されている。同様に、車体フレーム3の右側後部には、第2電動モータ11が設けられている。そして、この第2電動モータ11の出力軸は、右側の後輪5bの回転軸にギア機構13又はチェーン機構(図示省略)を介して連動連結されている。すなわち、電動レーシングカート1は、左右の後輪5a,5bを駆動輪として、第1電動モータ7及び第2電動モータ11によって独立して回転駆動するように構成されている。
車体フレーム3の前部には、左右の前輪5c,5dを転蛇するステアリングホイール15が設けられている。なお、図示は省略するが、車体フレーム3の中央部には、ドライバーが着座するシートが配設されており、車体フレーム3の前部には、アクセルペダル及びブレーキペダルがそれぞれ設けられている。
ステアリングホイール15のホイール軸の近傍には、操舵角δを検出する操舵角検出センサ17が設けられており、車体フレーム3の適宜位置には、車体速Vを検出する車体速検出センサ19が設けられている。また、各後輪5a,5bの近傍には、車輪速Sa,Sbを検出する車輪速検出センサ21a,21bがそれぞれ設けられている。また、車体フレーム3の前部には、ドライバーによるブレーキペダルの開度を検出するブレーキペダル開度検出部22が設けられている。また、車体フレーム3の適宜位置には、横方向(左右方向)の加速度を検出する横加速度検出センサ23、及び前後方向の加速度を検出する前後加速度検出センサ25がそれぞれ設けられている。さらに、第1電動モータ7の適宜位置には、第1電動モータ7の第1モータトルクT1を検出する第1モータトルク検出センサ24が設けられている。同様に、第2電動モータ11の適宜位置には、第2電動モータ11の第2モータトルクT2を検出する第2モータトルク検出センサ26が設けられている。
図1及び図2に示すように、車体フレーム3には、第1電動モータ7及び第2電動モータ11の制御等を行うコントローラ27が設けられている。このコントローラ27には、操舵角検出センサ17、車体速検出センサ19、車輪速検出センサ21a,21b、ブレーキペダル開度検出部22、横加速度検出センサ23、第1モータトルク検出センサ24、前後加速度検出センサ25、及び第2モータトルク検出センサ26が電気的に接続されている。
また、コントローラ27は、第1電動モータ7及び第2電動モータ11の制御を行うためのモータ制御プログラム等を記憶するROM(図示省略)と、このROMに記憶されたモータ制御プログラム等を解釈して実行するCPU(図示省略)と、このCPUの作業領域を提供するRAM(図示省略)とを備えている。
そして、コントローラ27におけるROMは、タイヤ横力データ記憶部29としての機能、タイヤ前後力データ記憶部31、及びスリップ率データ記憶部55としての機能を備えている。また、コントローラ27におけるCPUは、スリップ角演算部33としての機能、実スリップ率演算部35としての機能、車輪荷重演算部37としての機能、タイヤ横力演算部39としての機能、タイヤ前後力演算部41としての機能、ヨーモーメント演算部43としての機能、モータトルク指令値演算部45としての機能、モータ制御部47としての機能、目標スリップ率演算部49としての機能、PIDコントロール部51としての機能、及びブレーキトルク指令値演算部53としての機能を備えている。各機能の詳細は、次のようになる。
タイヤ横力データ記憶部29は、図5(a)に示すような、タイヤ横力Fyとスリップ角θと車輪荷重Fzとの関係を示すタイヤ横力マップを、タイヤ横力データとして記憶するものである。また、実際のタイヤ横力マップは、車輪荷重Fz毎に多数用意されている。なお、タイヤ横力データ記憶部29は、タイヤ横力マップの代わりに、タイヤ横力Fyとスリップ角θと車輪荷重Fzとの関係を示すマジックフォーミュラの関係式をタイヤ横力データとして記憶するようにしても構わない。
タイヤ前後力データ記憶部31は、図5(b)に示すような、タイヤ前後力Fxと実スリップ率αと車輪荷重Fzとの関係を示すタイヤ前後力マップを、タイヤ前後力データとして記憶するものである。また、実際のタイヤ前後力マップは、車輪荷重Fz毎に多数用意されている。なお、タイヤ前後力データ記憶部31は、タイヤ前後力マップの代わりに、タイヤ前後力Fxと実スリップ率αと車輪荷重Fzとの関係を示すマジックフォーミュラの関係式を記憶するようにしても構わない。
スリップ角演算部33は、車体速検出センサ19によって検出された車体速V及び操舵角検出センサ17によって検出された操舵角δを、
θ=f(δ,V) …式(1)
に適用して、スリップ角θを演算するものである。
実スリップ率演算部35は、車体速検出センサ19によって検出された車体速V及び車輪速検出センサ21a,21bによって検出された各後輪5a,5bの車輪速Sa,Sbを、
α=(V−S)/S …式(2)
に適用して、実スリップ率αa,αbを演算するものである。
車輪荷重演算部37は、横加速度検出センサ23によって検出された横加速度Gx及び前後加速度検出センサ25によって検出された前後加速度Gyを、
Fz=f(Gy,Gx) …式(3)
に適用して、各後輪5a,5bの車輪荷重Fza,Fzbを演算するものである。
タイヤ横力演算部39は、スリップ角演算部33によって演算された後輪5a,5bのスリップ角θ及び車輪荷重演算部37によって演算された各後輪5a,5bの車輪荷重Fza,Fzbを、タイヤ横力データ記憶部29に記憶されたタイヤ横力マップに適用して、各後輪5a,5bのタイヤ横力Fya,Fybを演算するものである。ここで、各後輪5a,5bのタイヤ横力・タイヤ前後力、及び車両重心位置の周りに発生するヨーモーメントの関係を図4に示す。
タイヤ前後力演算部41は、実スリップ率演算部35によって演算された各後輪5a,5bの実スリップ率αa,αb及び車輪荷重演算部37によって演算された各後輪5a,5bの車輪荷重Fza,Fzbを、タイヤ前後力データ記憶部31に記憶されたタイヤ前後力マップに適用して、各後輪5a,5bのタイヤ前後力Fxa,Fxb(図4参照)を演算するものである。
ヨーモーメント演算部43は、タイヤ横力演算部39によって演算された各後輪5a,5bのタイヤ横力Fya,Fyb及びタイヤ前後力演算部41によって演算された各後輪5a,5bのタイヤ前後力Fxa,Fxbを、
YM=−Lr(Fya+Fyb)−1/2Wt(Fxa−Fxb) … 式(4)
に適用して、車両重心位置GCの周りのヨーモーメントYM(図4参照)を演算するものである。ここで、前記式(4)において、Wtは、電動レーシングカート1のトレッド、Lrは、後輪5a,5bの車軸と車両重心位置GCとの前後方向の距離である(図4参照)。
モータトルク指令値演算部45は、ヨーモーメント演算部43によって演算されたヨーモーメントYMと、車両の運動方程式からニュートラルステアになるように設定された目標ヨーモーメントGYMの差をなくすように第1電動モータ7の第1モータトルク指令値TP1及び第2電動モータ11の第2モータトルク指令値TP2を演算するものである。なお、より具体的には、モータトルク指令値演算部45は、車両重心位置GCの周りのヨーモーメントYMと第1電動モータ7の第1モータトルクと第2電動モータ11の第2モータトルクとの関係式に、ヨーモーメント演算部43によって演算されたヨーモーメントYMを適用して、第1電動モータ7の第1モータトルク指令値TP1及び第2電動モータ11の第2モータトルク指令値TP2を演算するものである。
目標スリップ率演算部49は、車輪荷重演算部37で演算された車輪荷重Fza,Fzbと、第1モータトルク検出センサ24で検出された第1モータトルクT1と、第2モータトルク検出センサ26で検出された第2モータトルクT2とに基づいて路面の摩擦係数μを演算するとともに、この摩擦係数μと、スリップ率データ記憶部55に記憶されたスリップ率データ(図7参照)とに基づいて、目標スリップ率Sa,Sbを演算するものである。ここでは、第1モータトルクT1、第2モータトルクT2、及び車輪半径rを、
F=T・r …(5)
に適用して、路面と各後輪5a,5b(タイヤ)との摩擦力Fを演算する。そして、この摩擦力Fと、車輪荷重演算部37で演算された車輪荷重Fza,Fzbとを、
μ=F/Fz …式(6)
に適用して、路面の摩擦係数μを演算する。さらに、演算された摩擦係数μと、スリップ率データ記憶部55に記憶されたスリップ率データとに基づいて、目標スリップ率を演算する。スリップ率データとしては、例えば、図7に示すようなものが挙げられる。本例では、演算された摩擦係数μに応じて3種類のスリップ率特性(高、中、低)を設定している。そして、演算された摩擦係数μに適合するスリップ率特性のグラフカーブを選択するとともに、そのグラフカーブにおいてピーク値となるスリップ率S(S1,S2,S3)を目標スリップ率Sa,Sbとして求めている。
なお、検出された第1モータトルクT1、第2モータトルクT2については、タイヤと車輪の影響分を取り除く必要がある。このため、外乱オブザーバーと呼ばれる式に演算式により、実際に使用されるトルク成分だけを推定する。すなわち、モータトルクは、外乱オブザーバーを使った推定手法により求められる。
PIDコントロール部51は、実スリップ率演算部35により演算された各後輪5a,5bの実スリップ率αa,αbと、目標スリップ率演算部49により演算された各後輪5a,5bの目標スリップ率Sa,Sbとの差分をフィードバックしている。
ブレーキトルク指令値演算部53は、PIDコントロール部51からフィードバックされた各スリップ率の差分と、ブレーキペダル開度検出部22により検出されたブレーキペダルの開度を示す信号とに基づいて、第1電動モータ7への第1ブレーキトルク指令値BT1及び第2電動モータ11への第2ブレーキトルク指令値BT2を演算するものである。
モータ制御部47は、モータトルク指令値演算部45によって演算された第1モータトルク指令値TP1及び第2モータトルク指令値TP2に基づいて第1電動モータ7及び第2電動モータ11を制御するものである。なお、より具体的には、モータ制御部47は、第1電動モータ7に供給される電流値及び第2電動モータ11に供給される電流値(おもに+値)を制御するものである。また、モータ制御部47は、ブレーキトルク指令値演算部53によって演算された第1ブレーキトルク指令値BT1及び第2ブレーキトルク指令値BT2に基づいて、第1電動モータ7及び第2電動モータ11を制御する。より具体的には、モータ制御部47は、第1電動モータ7に供給される電流値及び第2電動モータ11に供給される電流値(おもに−値)を制御することにより、ABSと同様の減速制御を行うものである。
続いて、コントローラ27による一連のモータ制御処理について図3のフローチャートを参照しながら説明する。なお、コントローラ27による一連のモータ制御処理は、所定の周期(例えば4msec)毎に実行される。
まず、コントローラ27におけるCPUは、各種の検出センサの入力信号検知処理を実行する(ステップS1)。具体的には、コントローラ27におけるCPUは、操舵角検出センサ17、車体速検出センサ19、車輪速検出センサ21a,21b、横加速度検出センサ23、及び前後加速度検出センサ25からの入力信号を検知する。
ステップS1の終了後に、コントローラ27におけるCPUは、スリップ率・スリップ角・車輪荷重の演算処理を実行する(ステップS2)。具体的には、コントローラ27におけるCPU(スリップ角演算部33)は、検出された操舵角δ及び検出された車体速Vを前記式(1)に適用して、スリップ角θを演算する共に、コントローラ27におけるCPU(実スリップ率演算部35)は、検出された車体速V及び検出された各後輪5a,5bの車輪速Sa,Sbを前記式(2)に適用して、実スリップ率αa,αbを演算する。また、コントローラ27におけるCPU(車輪荷重演算部37)は、検出された横加速度Gx及び検出された前後加速度Gyを前記式(3)に適用して、各後輪5a,5bの車輪荷重Fza,Fzbを演算する。
ステップS2の終了後に、コントローラ27におけるCPUは、タイヤ横力・タイヤ前後力の演算処理を実行する(ステップS3)。具体的には、コントローラ27におけるCPU(タイヤ横力演算部39)は、演算された後輪5a,5bのスリップ角θ及び演算された各後輪5a,5bの車輪荷重Fza,Fzbをタイヤ横力マップに適用して、各後輪5a,5bのタイヤ横力Fya,Fybを演算する。また、コントローラ27におけるCPU(タイヤ前後力演算部41)は、演算された各後輪5a,5bの実スリップ率αa,αb及び演算された各後輪5a,5bの車輪荷重Fza,Fzbをタイヤ前後力マップに適用して、各後輪5a,5bのタイヤ前後力Fxa,Fxbを演算する。
ステップS3の終了後に、コントローラ27におけるCPUは、ヨーモーメントの演算処理を実行する(ステップS4)。具体的には、コントローラ27におけるCPU(ヨーモーメント演算部43)は、演算された各後輪5a,5bのタイヤ横力Fya,Fyb及び演算された各後輪5a,5bのタイヤ前後力Fxa,Fxbを前記式(4)に適用して、車両重心位置GCの周りのヨーモーメントYMを演算する。
ステップS4の終了後に、コントローラ27におけるCPUは、モータトルク指令値の演算処理を実行する(ステップS5)。具体的には、コントローラ27におけるCPU(モータトルク指令値演算部45)は、演算されたヨーモーメントYMとニュートラルステアになるように設定された目標ヨーモーメントGYMの差をなくすように、第1電動モータ7の第1モータトルク指令値TP1及び第2電動モータ11の第2モータトルク指令値TP2を演算する。
ステップS5の終了後に、コントローラ27におけるCPUは、モータトルク制御処理を実行する(ステップS6)。具体的には、コントローラ27におけるCPU(モータ制御部47)は、演算された第1モータトルク指令値TP1及び第2モータトルク指令値TP2に基づいて第1電動モータ7及び第2電動モータ11を制御する。
上述した実施形態における一連のモータ制御処理によれば、電動モータ全体のモータトルク(第1電動モータ7のモータトルクと第2電動モータ11のモータトルクの和)を小さくしなくても、第1電動モータ7の第1モータトルク及び第2電動モータ11の第2モータトルクを電動レーシングカート1のコーナリング状況の変化に応じて可変することができる。具体的には、左コーナリング時に、第2電動モータ11のモータトルクを第1電動モータ7のモータトルクよりも十分に大きすると共に、右コーナリング時に、第1電動モータ7のモータトルクを第2電動モータ11のモータトルクよりも十分に大きくすることができる。
したがって、電動レーシングカート1の旋回速度を十分に確保しつつ、安定したコーナリングを容易に行うことができ、電動レーシングカート1のコーナリング性能を十分に高めることができる。特に、目標ヨーモーメントGYMがニュートラルステアになるように設定されているため、電動レーシングカート1のステアリング特性をニュートラルステア又はニュートラルステアに近い状態に保つことができ、電動レーシングカート1のコーナリング性能を飛躍的に向上させることができる。
次に、コントローラ27によるモータ制動処理について図6を参照しながら説明する。なお、コントローラ27による一連のモータ制動処理は、所定の周期毎に実行される。
まず、コントローラ27におけるCPUは、各種の検出センサ及び検出部の入力信号検知処理を実行する(ステップS11)。本制動処理においては、とくに車体速検出センサ19、車輪速検出センサ21a,21b、ブレーキペダル開度検出部22、横加速度検出センサ23、第1モータトルク検出センサ24、前後加速度検出センサ25、及び第2モータトルク検出センサ26からの入力信号を検知する。
ステップS11の終了後に、コントローラ27におけるCPUは、実スリップ率の演算処理を実行する(ステップS12)。具体的には、コントローラ27におけるCPU(実スリップ率演算部35)は、検出された車体速V、及び各後輪5a,5bの車輪速Sa,Sbを前記式(2)に適用して、実スリップ率αa,αbを演算する。
ステップS12の終了後に、コントローラ27におけるCPUは、目標スリップ率の演算処理を実行する(ステップS13)。具体的には、コントローラ27におけるCPU(目標スリップ率演算部49)は、演算された車輪荷重Fza,Fzbと、検出された第1モータトルクT1、第2モータトルクT2と、車輪半径rとに基づいて路面の摩擦係数μを演算するとともに、演算された摩擦係数μと、スリップ率データ記憶部55に記憶されたスリップ率データとに基づいて目標スリップ率Sa,Sbを演算する。そして、コントローラ27におけるCPU(PIDコントロール部51)は、演算された各後輪5a,5bの実スリップ率αa,αbと、演算された各後輪5a,5bの目標スリップ率Sa,Sbとの差分をフィードバックする。
ステップS13の終了後に、コントローラ27におけるCPUは、ブレーキトルク指令値の演算処理を実行する(ステップS14)。具体的には、コントローラ27におけるCPU(ブレーキトルク指令値演算部53)は、各スリップ率の差分と、検出されたブレーキペダルの開度を示す信号とに基づいて、第1電動モータ7への第1ブレーキトルク指令値BT1及び第2電動モータ11への第2ブレーキトルク指令値BT2を演算する。
ステップS14の終了後に、コントローラ27におけるCPUは、ブレーキトルク制御処理を実行する(ステップS15)。具体的には、コントローラ27におけるCPU(モータ制御部47)は、演算された第1ブレーキトルク指令値BT1及び第2ブレーキトルク指令値BT2に基づいて、第1電動モータ7及び第2電動モータ11のブレーキトルクを制御する。
上述した実施形態における一連のモータ制動処理によれば、各検出センサからの入力信号により実スリップ率と路面の摩擦係数μを演算するとともに、路面の摩擦係数μに基づいて目標スリップ率を求め、各スリップ率の差分とブレーキペダル開度に基づいて各モータに与えるブレーキトルクを演算するようにしたので、第1電動モータ7に与えるブレーキトルクと第2電動モータ11に与えるブレーキトルクによるモータブレーキにより、路面状態に応じたABS制御を行うことができる。具体的には、路面の摩擦係数μが大きいときには、各モータに与えるブレーキトルクを大きくし、また路面の摩擦係数μが小さいときには、各モータに与えるブレーキトルクを小さくすることができる。
したがって、本実施形態によるモータ制動処理によれば、電動レーシングカート1の制動時におけるタイヤのロックを防止し、様々な路面状態においてタイヤのコーナリングフォースを確保することができるので、安全にコーナリング特性を向上させることができる。
なお、本発明は、前述の実施形態の説明に限られるものではなく、その他、種々の態様で実施可能である。また、本発明に包含される権利範囲は、これらの実施形態に限定されないものである。
実施形態に係わる電動レーシングカートの制御ブロック図。 実施形態に係わる電動レーシングカートの模式的な平面図。 コントローラによる一連のモータ制御処理を示すフローチャート。 各後輪のタイヤ横力・タイヤ前後力、及び車両重心位置の周りに発生するヨーモーメントの説明図。 (a)はタイヤ横力マップの説明図。(b)はタイヤ前後力を示す説明図。 コントローラによる一連のモータ制動処理を示すフローチャート。 スリップ率データの一例を示す説明図。
符号の説明
1…電動レーシングカート
3…車体フレーム
5a,5b…後輪
5c,5d…前輪
7…第1電動モータ
11…第2電動モータ
15…ステアリングホイール
17…操舵角検出センサ
19…車体速検出センサ
21a,21b…車輪速検出センサ
22…ブレーキペダル開度検出部
23…横加速度検出センサ
24…第1モータトルク検出センサ
25…前後加速度検出センサ
26…第2モータトルク検出センサ
27…コントローラ
29…タイヤ横力データ記憶部
31…タイヤ前後力データ記憶部
33…スリップ角演算部
35…実スリップ率演算部
37…車輪荷重演算部
39…タイヤ横力演算部
41…タイヤ前後力演算部
43…ヨーモーメント演算部
45…モータトルク指令値演算部
47…モータ制御部
49…目標スリップ率演算部
51…PIDコントロール部
53…ブレーキトルク指令値演算部
55…スリップ率データ記憶部

Claims (2)

  1. 左右の後輪を駆動輪として第1電動モータ及び第2電動モータにより独立して回転駆動する電動車両において、
    検出された車体速及び検出された各前記後輪の車輪速に基づいて各前記後輪の実スリップ率を演算する実スリップ率演算手段と、
    検出された横加速度及び検出された前後加速度に基づいて各前記後輪の車輪荷重を演算する車輪荷重演算手段と、
    演算された車輪荷重と、検出された前記第1電動モータ及び第2電動モータの各モータトルクとに基づいて路面の摩擦係数μを演算するとともに、当該摩擦係数μに基づいて各前記後輪の目標スリップ率を演算する目標スリップ率演算手段と、
    演算された実スリップ率と目標スリップ率及びブレーキペダルの開度に基づいて、前記第1電動モータへの第1ブレーキトルク指令値及び前記第2電動モータへの第2ブレーキトルク指令値を演算するブレーキトルク指令値演算手段と、
    演算された前記第1ブレーキトルク指令値及び前記第2ブレーキトルク指令値に基づいて前記第1電動モータ及び前記第2電動モータを制御するモータ制御手段と、
    を備えることを特徴とする電動車両。
  2. 路面の摩擦係数とスリップ率特性との関係を示すスリップ率データを複数記憶するスリップ率データ記憶手段を備え、
    前記目標スリップ率演算手段は、前記スリップ率データ記憶手段に記憶されたスリップ率データのうち、演算された摩擦係数μに対応するスリップ率データを選択し、当該スリップ率データに基づいて目標スリップ率を求めることを特徴とする請求項1に記載の電動車両。
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