JP5067001B2 - 車両用制動制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用制動制御装置に関する。
特許文献1には、第1、第2のホイールシリンダを備える第1の液圧配管と、第3、第4のホイールシリンダを備える第2の液圧配管とが備えられ、車両走行状態に応じて2つの液圧配管の制動液圧配分が調整されて車輪の制動液圧配分が調整される車両用ブレーキ装置が記載されている。
特開平9−290731号公報
より具体的には、この装置では、2つの液圧配管の一方に、マスタシリンダ圧に加算される補助液圧を発生させる液圧ポンプが備えられている。車両直進状態での制動操作時では、2つの液圧配管にマスタシリンダ圧そのものがそれぞれ供給される。一方、ステアリング操作角度が大きい状態(車両旋回状態)での制動操作時では、上記液圧ポンプが作動させられて上記一方の液圧配管にマスタシリンダ圧よりも大きい制動液圧が供給される。これにより、車両旋回状態での制動操作時において、車両直進状態での制動操作時よりも大きい制動力を得ることができると記載されている。
しかしながら、このことは、車両旋回状態と車両直進状態とで、制動操作量に対する車両の減速度の増大特性(制動操作量と車両減速度との関係)が異なることを意味する。一般には、車輪の制動液圧配分が変更されても、制動操作量に対する車両減速度の増大特性が一定に維持されることが好ましいと考えられる。
加えて、車両旋回状態での制動操作時では、旋回外側への荷重移動により旋回内側車輪の接地荷重が減少する。この結果、旋回内側車輪のコーナリングフォースが確保され難いため、車両の方向安定性が確保され難い状態が発生し易い。この場合において車両の方向安定性を確保するためには、旋回内側車輪の制動液圧の増加(従って、制動力(前後力)の増加)を制限して旋回内側車輪のコーナリングフォース(横力)の限界値の低下を抑制することが好ましいと考えられる。
本発明は係る知見に基づいてなされたものであって、その目的は、2系統の液圧配管を備える車両用制動制御装置において、制動操作量に対する車両減速度の増大特性を概ね一定に維持しつつ、特定の車輪の制動液圧の増加を制限して車両の方向安定性を確保することができるものを提供することにある。
本発明に係る車両用制動制御装置は、車両の前後左右の4つの車輪の各ホイールシリンダに供給される制動液圧に応じた制動トルクを対応する車輪にそれぞれ付与する4つの車輪制動装置と、前記車両の運転者による制動操作量に応じた液圧量をそれぞれ発生する2つの液圧発生室を有する第1の液圧発生装置(マスタシリンダ)と、前記2つの液圧発生室のうちの一方を、前記4つの車輪制動装置のうちの左右前輪に対応する2つ又は左前輪と右後輪に対応する2つと液圧的に接続する第1の液圧配管と、前記2つの液圧発生室のうちの他方を、前記4つの車輪制動装置のうちの左右後輪に対応する2つ又は右前輪と左後輪に対応する2つと液圧的に接続する第2の液圧配管とを備える。即ち、この車両用制動制御装置は、所謂「前後配管」を備えていても、所謂「ダイアゴナル配管(X配管ともいう)」を備えていてもよい。
本発明に係る車両用制動制御装置は、前記第1、第2の液圧配管のそれぞれにおいて前記第1の液圧発生装置により発生された前記液圧量に加算される補助液圧を発生する動力駆動の第2の液圧発生装置(液圧ポンプ)と、前記制動操作量を検出する制動操作量検出手段と、前記車両の旋回運動を表す旋回状態量を取得する状態量取得手段と、前記車両の旋回状態において、前記取得された旋回状態量に基づいて旋回内側前後輪の少なくとも1つを選択車輪として選択するとともに、前記選択車輪に対応する前記車輪制動装置に供給される前記制動液圧を対応する前記液圧配管内の液圧未満で推移させる増圧制限制御の開始判定に使用される前記制動操作量の判定基準値を前記取得された旋回状態量に基づいて決定し、前記検出された制動操作量が前記判定基準値を超えたことに応答して前記増圧制限制御を開始・実行する増圧制限制御手段と、前記検出された制動操作量に基づいて、前記第1の液圧配管における第1の補助液圧基準量及び前記第2の液圧配管における第2の補助液圧基準量を決定する基準量決定手段と、前記決定された第1、第2の補助液圧基準量と前記取得された旋回状態量とに基づいて、前記第1の液圧配管における第1の補助液圧目標量を前記第1の補助液圧基準量以上に決定し、前記第2の液圧配管における第2の補助液圧目標量を前記第2の補助液圧基準量以上に決定する目標量決定手段と、前記第1、第2の液圧配管のそれぞれにおける前記補助液圧を、前記決定された第1、第2の補助液圧目標量にそれぞれ一致するように調整する調圧手段とを更に備えている。
これによれば、車両旋回状態での制動操作時において、制動操作量が判定基準値を超えると、「増圧制限制御」が実行されて「選択車輪」(=旋回内側前後輪の何れか1つ、又は両方)の制動液圧の増加(従って、制動力(前後力)の増加)が制限される。従って、選択車輪のコーナリングフォース(横力)の限界値の低下が抑制されて、選択車輪(=旋回内側車輪)の十分なコーナリングフォースが確保され得る。この結果、車両の方向安定性が確保され易くなる。
加えて、車両旋回状態での制動操作時において、前記取得手段により取得された旋回状態量に基づいて、第1の液圧配管の制動液圧(マスタシリンダ圧+第1の液圧配管における補助液圧)が第1の基準液圧(マスタシリンダ圧+第1の補助液圧基準量)以上の値に調整され、第2の液圧配管の制動液圧(マスタシリンダ圧+第2の液圧配管における補助液圧)が第2の基準液圧(マスタシリンダ圧+第2の補助液圧基準量)以上の値に調整される。即ち、第1、第2の液圧配管の制動液圧の何れか1つ、或いは両方が、対応する基準液圧に対して増加修正される。以下、このように、液圧配管の制動液圧が基準液圧から増加修正される制御を「補助液圧増大制御」とも称呼する。
このように、第1、第2の液圧配管の制動液圧の何れか1つ、或いは両方に対して「補助液圧増大制御」が実行されることにより、選択車輪以外の車輪の制動力が増大し得る。この選択車輪以外の車輪の制動力の増大により、選択車輪に対する「増圧制限制御」の実行に起因する選択車輪の制動力の減少分が補償され得る。この結果、制動操作量に対する車両減速度の増大特性を概ね一定に維持することができる。
加えて、前記「増圧制限制御」と前記「補助液圧増大制御」の実行により、制動力の左右差(左右前輪及び左右後輪の左右差だけでなく、車体の対角線上に位置する左側車輪と右側車輪の左右差をも含む)が発生し、旋回外向きヨーモーメントが発生する。これによっても、車両の方向安定性が向上する。
以上より、本発明に係る車両用制動制御装置によれば、前後配管の場合、或いはダイアゴナル配管の場合において、車両旋回状態にて、制動操作量に対する車両減速度の増大特性を概ね一定に維持しつつ、旋回内側車輪の制動液圧の増加を制限して車両の方向安定性を確保することができる。
上記本発明に係る車両用制動制御装置においては、「増圧制限制御」の開始判定に使用される判定基準値として、前記制動操作量の判定基準値が使用されているが、車体減速度の判定基準値、又は選択車輪に対応する制動液圧の判定基準値が使用されてもよい。この場合、車体減速度が判定基準値を超えると、又は選択車輪に対応する制動液圧が判定基準値を超えると、「増圧制限制御」が開始・実行される。これは、車体減速度、又は制動液圧が制動操作量に応じた値であることに基づく。
更には、「増圧制限制御」の開始判定に使用される判定基準値として、前記旋回状態量の判定基準値が使用されてもよい。この場合、旋回状態量が判定基準値を超えると、「増圧制限制御」が開始・実行される。
以上、車両旋回状態において「増圧制限制御」と「補助液圧増大制御」とが実行される場合について説明したが、車両旋回状態であるか否かに依存することなく「増圧制限制御」と「補助液圧増大制御」とを実行することもできる。この場合、(車輪状態量に基づいて)左右後輪の少なくとも1つが選択車輪として選択されるとともに、「増圧制限制御」の開始判定に使用される判定基準値として、前記車輪の滑り易さを表す車輪状態量の判定基準値が使用される。即ち、車輪状態量が判定基準値を超えると、「増圧制限制御」が開始・実行される。
上記本発明に係る車両用制動制御装置においては、前記判定基準値が前記車両の車体速度に基づいて決定されてもよい。この場合、車体速度が大きいほど前記判定基準値をより小さい値に決定するように構成されてもよい。これによれば、車体速度が大きいほど、即ち、車両の方向安定性が要求される程度が大きいほど、より早期に「増圧制限制御」を開始することができる。
また、上記本発明に係る車両用制動制御装置においては、前記運転者による制動操作の開始時において前記旋回状態量として取得された制動開始時旋回状態量が所定値以下のとき、前記増圧制限制御手段は前記増圧制限制御を行わないように構成され、且つ、前記目標量決定手段は前記第1、第2の補助液圧目標量を前記第1、第2の補助液圧基準量と等しい値にそれぞれ維持するように構成されることが好適である。即ち、制動操作開始時点にて旋回状態量が小さい場合(略直進状態の場合)、「増圧制限制御」及び「補助液圧増大制御」の実行が禁止される。
車両のオーバーステア傾向(旋回内側への巻き込み)は、旋回状態量が大きい状態で制動操作が開始される場合に顕著となる。この場合、「増圧制限制御」及び「補助液圧増大制御」は非常に有効となる。一方、略直進状態にて制動操作が開始された後において旋回が開始される場合、車両のオーバーステア傾向(旋回内側への巻き込み)は発生し難い。この場合、前記「増圧制限制御」及び「補助液圧増大制御」を行う必要性は低い。
上記構成は、係る知見に基づく。これによれば、略直進状態にて制動操作が開始された後において旋回が開始される場合、「増圧制限制御」及び「補助液圧増大制御」が禁止される。これにより、「増圧制限制御」及び「補助液圧増大制御」が不必要に実行されることが抑制され得る。
以下、本発明による車両用制動制御装置の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
《装置の全体構成》
先ず、図1、及び図2を参照しながら、実施形態に係る車両用制動制御装置の全体構成について説明する。図1、及び図2では、制動配管が「前後配管」の場合が主として示され、併せて、「ダイアゴナル配管(X配管ともいう)」の場合がカッコ内に示されている。その他の図においても同じである。
第1圧力発生手段(前記「第1の液圧発生装置」に対応)は、マスタシリンダMCである。マスタシリンダMCは、2つの液圧発生室(図示せず)を有していて、運転者のブレーキペダルBPの操作(制動操作)に応じて制動圧力(液圧)を発生する。即ち、運転者の発生する力(パワー)を動力源として制動圧力を発生する。更に、ブレーキペダル操作力を低減するために、マスタシリンダMCにはバキュームブースタVB(負圧ブースタ、ブレーキブースタともいう)を備えることができる。
第2圧力発生手段(前記「第2の液圧発生装置」に対応)は、電気モータMによって駆動される流体ポンプHP#(液圧ポンプともいい、以下、単にポンプという)であって、運転者のパワーとは別個の動力源(例えば、電力源)によって制動圧力を発生する。ポンプHP#は、マスタシリンダMCの吐出する流体の一部を吸引し、ホイールシリンダWC**に対して吐出する。
ここで、「#」は、2系統の制動配管(液圧配管)において、夫々の系統を意味する添字である。制動配管が、前後配管の場合には、「f」は前輪系統、「r」は後輪系統を表し、ダイアゴナル配管の場合には、「1」は第1系統、「2」は第2系統を表す。添字「#」については、以下において同じである。また、「**」は、各車輪を意味する添字であり、「fl」は左前輪、「fr」は右前輪、「rl」は左後輪、「rr」は右後輪を表す。添字「**」については、以下において同じである。
このように、ポンプHP#は、配管部LM#から流体を吸引して配管部LW**に吐出する。このため、流体の移動が生じ、マスタシリンダMCの発生する制動圧力に対して補助的な制動圧力が発生する。
検出手段BSは、運転者の制動操作部材(例えば、ブレーキペダルBP)による制動操作量Bsを検出する。具体的は、マスタシリンダMC、或いは、マスタシリンダMCの2つの液圧発生室にそれぞれ接続された2つの制動配管(第1、第2の液圧配管)における制動圧力(マスタシリンダ圧力Pm#)を検出する。従って、制動操作量Bsとして、マスタシリンダ圧力Pm#を用いることができる。また、ブレーキペダルBPの変位量(ストローク)、操作力を検出し、これらの検出値(ブレーキペダルストローク、或いは、ブレーキペダル操作力)を制動操作量Bsとすることもできる。
圧力調整手段(前記「調圧手段」に相当)は、例えば、リニア調圧弁LV#(リニアソレノイド弁、リニア制御弁ともいう)であり、第2圧力発生手段(ポンプ/電気モータ)が発生する圧力を、後述する補助圧力目標値SP#tに基づいて調圧する。そして、第1圧力発生手段(マスタシリンダMC)の発生する制動圧力に対して、第2圧力発生手段(ポンプ/電気モータ)の発生する制動圧力を加えてホイールシリンダWC**に与える。電気モータMの回転数を制御し、必要な圧力を発生させ、最終的な圧力の調整はリニアソレノイド弁LV#で行う。
制動圧力の増加の制限手段である増圧制限手段は、ホイールシリンダ内の制動圧力Pw**がポンプ吐出側配管内の制動圧力Ph#未満で推移するようにホイールシリンダ内の制動圧力Pw**を調整(制限)する。例えば、ABS制御に用いられるインレット弁IV**(増圧用ソレノイド弁ともいう)、及びアウトレット弁OV**(減圧用ソレノイド弁ともいう)を用いることができる。
《制動制御の構成》
次に、図3を参照しながら、実施形態に係る車両用制動制御装置による制動制御の構成について説明する。
<補助圧力基準値SP#oの演算>
第1の圧力発生手段(マスタシリンダMC)によって発生する制動圧力を補助(助勢)する圧力(制動圧力に加算される圧力)の基準値が、運転者の制動部材(ブレーキペダルBP)の操作量(以下、制動操作量Bsという)に基づいて演算される。制動操作量Bsは、制動操作量の検出手段BS(ブレーキペダルストロークセンサ、ブレーキペダル操作力センサ、マスタシリンダ圧力センサPM#のうちの少なくともいずれか1つを用いる)の検出結果に基づいて演算される。マスタシリンダMCによって発生する制動圧力は、配管部LM#の圧力と同一である。
運転者の制動操作の目的は車両(車体)を減速させることである。制動装置は、制動圧力によってブレーキパッドをブレーキロータに押し付け、そのときの摩擦力によって車輪に制動力を発生させる。このため、制動制御の対象は圧力(ホイールシリンダ内の流体の圧力)である。そのため、制動操作量Bsとして、同一物理量であるマスタシリンダ圧力Pm#を用いることが望ましい。
補助圧力の基準値(前記「補助液圧基準量」に対応。以下、単に基準値SP#oもいう)の決定方法は、制動配管のタイプで多少異なるため、先ずは前後配管の場合について説明する。
車両の基準となる諸元をベースにして、運転者の制動操作量Bsに基づいて、前後輪間の制動力の配分(前後制動力配分)が演算される。車両の基準諸元は、車両重量Ms、重心位置、ホイールベースL等の値であり、乗員や積載の状態によって変化する値であるが、所定の状態(所定の乗員数や積載量)を想定した値である。
補助圧力基準値SP#o(SPfo、SPro)は、いわゆる理想制動力配分(制動時の荷重移動を考慮して前後輪の制動力が夫々の荷重に比例した制動力となる配分)、或いは、それに近似した制動力配分特性から演算される。
図4は、制動操作量Bsに対する前輪、及び後輪の補助圧力基準値SPfo,SProのテーブルである。この場合、補助圧力基準値SP#oは、制動操作量Bsの「0」からの増加に応じて「0」から比例的(線形的)に増大する。前輪、及び後輪の補助圧力基準値SPfo,SProは、同じ値であっても異なっていてもよい。
また、図5に示すように、前輪の補助圧力基準値SPfoは、制動操作量Bsの「0」からの増大に応じて「下に凸」の特性をもって「0」から増大するように設定され得る(実線を参照)。又は、「下に凸」の特性を近似した破線で示すように、制動操作量Bsの「0」からの増大に応じて傾きが増加する複数の直線によって「0」から増大するようにも設定され得る。
一方、後輪の補助圧力基準値SProは、制動操作量Bsの「0」からの増大に応じて「上に凸」の特性をもって「0」から増大するように設定され得る(実線を参照)。又は、「上に凸」の特性を近似した破線で示すように、制動操作量Bsの「0」からの増大に応じて傾きが減少する複数の直線によって「0」から増大するようにも設定され得る。これらにより、前後輪間の制動力配分を理想制動力配分により近づけることができる。
補助圧力は、各車輪の接地荷重を推定し、これに基づいて設定することができる。この場合、制動操作量Bsに基づいて車体減速度の目標値を決定し、これを実現するための総制動力が演算される。そして、総制動力を各車輪の接地荷重に基づいて配分する。接地荷重の推定は、前後加速度センサGXによる検出結果、或いは、車体速度Vxを微分して得られる車体減速度Gx、及び、車両の基準諸元に基づいてなされ得る。この場合であっても、補助圧力基準値SP#oは、制動操作量Bsに基づいて演算される。
一方、制動配管がダイアゴナル配管の場合には、前後配管の場合とは異なり、図6に示すように、第1及び第2系統で同一の特性をもって補助圧力基準値SP1o、SP2oが演算される。この場合、実線で示すように、補助圧力基準値SP#oは、制動操作量Bsの「0」からの増加に応じて「0」から比例的(線形的)に増大するように設定されてもよいし、破線で示すように、制動操作量Bsの「0」からの増大に応じて「下に凸」の特性をもって「0」から増大するように設定されてもよい。
補助圧力の設定においては、任意の制動操作量を補助圧力付与の起点(開始点)とすることができる。ここで、「0」を含む微小の制動操作量(「0」、或いは「0」近傍の微小値)を補助圧力付与の起点とすることが望ましい。補助圧力の付与によって、ブレーキペダルBPの操作特性が変化するが、「0」を含む微小の制動操作量を補助圧力付与の起点とすることで、運転者への違和感を抑制することができる。
更に、倍力装置(助勢装置)としてバキュームブースタを備える場合には、補助圧力付与の起点(タイミング)を負圧ブースタのジャンプイン(倍力装置の助勢力がゼロからステップ的に増大する特性、ジャンピングともいう)が発生する点(タイミング)と一致させることが望ましい。負圧による倍力作用(助勢作用)と、補助圧力による倍力作用(助勢作用)の、作動原理が異なる2種類の倍力作用を組み合せる場合、倍力作用(助勢作用)が発生開始する制動操作量(起点)を同一とすることで、制動操作に対する違和感を抑制することができる。以上、このように補助圧力基準値SP#oを決定する手段が前記「基準量決定手段」に対応する。
〈圧力修正演算〉
次に、圧力修正演算について説明する。車両の旋回時には左右方向の荷重移動が生じ、旋回内側車輪の接地荷重が減少する。また、制動時には前後方向の荷重移動が生じ、後輪の接地荷重が減少する。このため、旋回状態での制動時では、旋回内側後輪の接地荷重が特に減少し、後輪コーナリングフォースの確保が困難となる場合がある。
そこで、接地荷重が低下する旋回内側車輪を選択して、制動圧力の増圧が制限される。即ち、選択された車輪(選択車輪)のホイールシリンダ圧力が、選択車輪を含む制動配管内の制動圧力よりも低い値に制限される(前記「増圧制限制御」に対応)。一方、増圧が制限されると車体に作用する総制動力が減少する。そこで、選択車輪以外の車輪の制動力を増加するため、選択車輪以外の車輪を含む制動配管に対する補助圧力が基準値SP#oよりも増加修正させられる(前記「補助液圧増大制御」に対応)。
旋回状態量Tcを用いて、図7の特性に基づいて増圧制限制御を開始する制動操作量Sbsが決定される。ここで、旋回状態量Tcは、旋回状態量検出手段TC(例えば、横加速度センサGY)の検出結果に基づいて演算される。より具体的には、旋回状態量Tcは、車両の旋回運動を表す状態量(前記「旋回状態量」に対応)であり、ステアリングホイール操作角度、操向車輪(前輪)の舵角、横加速度、及び、ヨーレイトのうちの少なくとも1つに基づいて演算される値である。
旋回状態量Tcが所定値Tcp以下のときには、旋回内側車輪の増圧制限制御が行われない。そして、旋回状態量Tcが所定値Tcpより大きくなった場合、旋回状態量Tcに応じて選択車輪(旋回内側車輪)の増圧制限制御を開始する制動操作量(制限開始制動操作量)Sbsが設定される。具体的には、旋回状態量Tcが大きいほど、制限開始制動操作量Sbsがより小さい値に設定される。
制限開始制動操作量Sbsは、選択車輪が前輪である場合と選択車輪が後輪である場合とで異なる値に設定することができる。選択車輪が後輪である場合、コーナリングフォースの確保がより望まれるため、選択車輪が前輪である場合に比して、制限開始制動操作量Sbsをより低い値とすることができる。
車体速度が高い場合には、より車両の方向安定性が望まれるため、車体速度Vxに応じて制限開始制動操作量Sbsを設定することができる。具体的には、車体速度が高いほど、制限開始制動操作量Sbsがより小さい値に設定され得る。車体速度は、車輪速度センサWS**の検出値を用いて演算することができる。
車体減速度は制動操作量Bsに応じて変化する値であるため、制動操作量Bsに代えて車体減速度Gxを用いて、増圧制限制御を開始する車体減速度(制限開始減速度)Sgxを演算することができる。なお、車体減速度Gxは前後加速度センサGX、或いは、車輪速度センサWS**の検出値を用いて演算することができる。
旋回状態量Tcを用いて、図8の特性に基づいて制動圧力Pw**の増圧勾配(増加勾配)の上限値Zs**を決定することができる。これにより、旋回状態量Tcが大きいほど増圧勾配(増加勾配)の上限値Zs**がより小さい値に設定される。
車体速度が高い場合には、より車両の方向安定性が望まれるため、車体速度Vxに応じて増圧勾配上限値Zs**を設定することができる。具体的には、車体速度が高いほど、増圧勾配上限値Zs**がより小さい値に設定される。また、選択車輪が後輪である場合、コーナリングフォースの確保がより望まれるため、選択車輪が前輪である場合に比して、増圧勾配上限値Zs**をより小さい値とすることができる。
増圧勾配上限値Zs**は、増圧制限手段(例えば、インレット弁IV**)の開閉時間を制御することで行われる(所謂パルス増圧制御)。増圧制限手段がON/OFFのソレノイド弁である場合、ソレノイド弁の開閉に伴う圧力変動が発生する。そこで、増圧制限制御時には、増圧勾配上限値Zs**を「0(制動圧力の保持)」に設定することで、ソレノイド弁(インレット弁)を閉位置に保持して、ブレーキペダルへのキックバックが生じないようにすることが好ましい。
図9に示すように、旋回状態量Tcに基づいて選択車輪(旋回内側車輪)の制動圧力Pw**の制限圧力Ps**を設定することができる。この場合、選択車輪の制動圧力Pw**が制限圧力Ps**に到達したときに、増圧制限制御(即ち、増圧勾配の制限、或いは、圧力の保持)が開始される。
制動圧力Pw**としては、各車輪に備えられた圧力センサP**の検出結果(実際のホイールシリンダ制動圧力Pw**a)を用いることができる。また、ポンプ吐出側の制動配管に備えられた圧力センサPH#の検出結果(実際の制動配管圧力Ph#)を用いて、制動圧力Pw**を求めることができる。圧力センサP**、PH#は省略することも可能であり、この場合、車輪速度の挙動(推移)、ソレノイド弁の作動状態等に基づいて制動圧力Pw**の推定が行われる。
図7に示した制限開始制動操作量Sbs(或いは、制限開始減速度Sgx)、及び、図9に示した増圧制限圧力Ps**は、増圧制限制御の開始に対応する閾値である。即ち、制動操作量Bs、車体減速度Gx、或いは制動圧力Pw**が、図中に示す特性線(実線、或いは、破線)よりも上方の領域に対応する値である場合、増圧制限制御が実行される。一方、図8の増圧勾配上限値Zs**は、増圧制限制御の開始後の増圧量(増圧勾配)を制限するための値である。
次に、図10を用いて、選択車輪以外の車輪を含む制動配管における補助圧力の基準値SP#oからの増加修正(即ち、補助液圧増大制御)について説明する。
選択車輪を含む制動配管系統の補助圧力を基準値SP#oに対して増大させることができる。旋回状態量Tcが所定値Tcw以下の場合、修正係数K#=1に設定される。即ち、補助液圧増大制御が行われない。一方、旋回状態量Tcが所定値Tcwより大きくなった場合、補助圧力を基準値SP#oから増大するため、旋回状態量Tcに基づいて、修正係数K#を「1」より大きい値に設定する。具体的には、旋回状態量Tcが大きいほど、修正係数K#がより大きい値(>1)に設定される。或いは、増圧制限制御が開始される旋回状態量において、修正係数K#が「1」からステップ的に所定値(>1)に変更されるように設定することができる。
前後配管の場合において、選択車輪が旋回内側前輪である場合、前輪系統の補助圧力が増大される。また、ダイアゴナル配管の場合において、選択車輪が旋回内側後輪である場合、旋回外側前輪を含む配管系統の補助圧力が増大される。即ち、選択車輪を含む制動配管系統の補助圧力を基準値SP#oに対して増大させることができる。これにより、制動操作と車両減速との関係を一定に保つと共に、左右車輪間における制動力差によって車両を安定化するヨーモーメントが発生する。一方、選択車輪を含まない制動配管系統の補助圧力を基準値SP#oに対して増大させることもできる。
選択車輪を含む制動配管系統の補助圧力増大量を、選択車輪を含まない制動配管系統の補助圧力増大量よりも高く設定することができる。加えて、車体速度Vxに基づいて修正係数K#を設定することができる。具体的には、車体速度Vxが高いほど、車両の方向安定性の確保が望まれるため、修正係数K#がより大きい値(>1)に設定される。
制動圧力の増圧制限(増圧制限制御)と補助圧力の増大(補助液圧増大制御)について、どちらかが先に開始されてもよいが、概ね同時に開始されることが好ましい。
旋回状態量Tcは制動操作状態によって時々刻々と変化する状態量である。この旋回状態量Tcに代えて制動操作開始時点での旋回状態量Tcoを用いることができる。また、車体速度Vxも制動操作状態によって時々刻々と変化する状態量であるが、車体速度Vxに代えて制動開始時点の車体速度Vxoを用いることができる。
旋回や車両減速による接地荷重の変化は、車輪の滑り易さとして表れる。そこで、旋回状態量Tcに代えて、旋回内側車輪の滑り易さを表す値(前記「車輪状態量」に対応)に基づいて増圧制限制御を実行することもできる。車輪の滑り易さを表す値(以下、車輪状態量Py**ともいう)としては、例えば、車体速度と車輪速度との差から求められる車輪スリップ速度Sl**、或いは、車輪スリップ速度を車体速度で除した車輪スリップ率Sr**を用いることができる。また、車輪間における車輪スリップ速度、或いは車輪スリップ率の相違の程度(例えば、差、比等)を車輪状態量として用いることができる。
また、車輪状態量Py**は、公知の路面μ勾配(例えば、特開2001―133390,US6522968を参照)、車輪グリップ度(例えば、特開2003―312465,US6895317を参照)を用いて演算することもできる。選択車輪(旋回内側車輪)の車輪状態量Py**が所定値より大きくなった場合(旋回内側車輪が滑り易くなった場合)、選択車輪に対して増圧制限制御(増圧制限の開始、並びに、増圧勾配の制限、圧力の保持)が車輪状態量Py**に基づいて行われる。併せて、選択車輪以外の車輪を含む制動配管系統に対する補助圧力が、車輪状態量Py**に基づいて基準値SP#oよりも増加させられる。
増圧制限制御では、旋回状態量Tcそのもの、又は、車輪状態量Py**そのものが増圧制限開始の条件に使用され得る。即ち、制動時において旋回状態量Tcが閾値Tck以上となったときに増圧制限制御が開始・実行される。或いは、制動時において車輪状態量Py**が閾値Pyk以上となったときに増圧制限制御が開始・実行される。旋回状態量の閾値Tck、及び車輪状態量の閾値Pykは、一定とすることもできるが、車体速度Vx(或いは、制動開始時点での車体速度Vxo)に基づいて設定することもできる。この場合、車体速度Vxが大きいほどこれらの閾値がより小さい値に設定される。
以上、増圧制限制御においては、旋回状態量Tc(或いは、制動開始時点での旋回状態量Tco)、及び、車輪状態量Py**の何れか1つに基づいて、制限開始制動操作量Sbs、制限開始車両減速度Sgx、及び増圧制限圧力Ps**の何れか1つが、制御開始条件として設定される。或いは、旋回状態量、及び車輪状態量の何れか1つの制限開始閾値が、制御開始条件として設定される。また、旋回状態量Tc(或いは、制動開始時点での旋回状態量Tco)、及び、車輪状態量Py**の何れか1つに基づいて、増圧勾配上限値Zs**が設定される。制限開始制動操作量Sbs、制限開始車両減速度Sgx、増圧制限圧力Ps**、旋回状態量の閾値Tck、車輪状態量の閾値Pyk、及び増圧勾配上限値Zs**は、車体速度Vxに基づいて設定することができる。
〈補助圧力目標値SP#tの演算〉
上述したように、増圧制限制御により低下した圧力を補償するため、補助液圧増大制御により配管系統の補助圧力が増加される。補助圧力の目標値(前記「補助液圧目標量」に対応。以下、単に目標値SP#tともいう)は、基準値SP#o、及び、修正係数K#(修正値)に基づいて演算される。目標値SP#tは、制動操作と車両減速との関係が一定に維持されるように、基準値SP#oに対して増加修正された値に設定される。
SP#t=K#・Fnc(Bs)の関係が成立する。ここで、K#は、各制動配管系統に対する上述した修正係数であり、前述のように、旋回状態量Tc(或いは、車輪状態量Py**)に基づいて演算される(図10を参照)。また、Fnc(Bs)は、制動操作量Bsを引数として補助圧力基準値SP#oを表す関数、或いは、テーブルであって、例えば、図4〜図6に示すような特性をもって設定される。以上、このように補助圧力目標値SP#tを決定する手段が前記「目標量決定手段」に対応する。
《駆動手段》
駆動手段DRaは、第1圧力発生手段(マスタシリンダM)が発生する圧力に加えられる補助圧力を調整してホイールシリンダ圧Pw**を調整するため、第2圧力発生手段(電気モータ/ポンプ)、及び圧力調整手段(リニア調圧弁)を駆動制御する。即ち、上述のように演算される補助圧力目標値SP#tに基づいて、電気モータMの回転、及びリニア調圧弁LV#(リニアソレノイド弁)の開閉が制御される。
駆動手段DRaは、補助圧力目標値SP#tに基づいて、これを供給できる回転数以上の回転数になるように電気モータMを制御する。検出手段BSの検出結果(例えば、マスタシリンダ圧力Pm#)と補助圧力目標値SP#tとに基づいて、各配管系統の圧力目標値Ph#t(或いは、車輪の圧力目標値Pw**t)が演算され、これらに基づいてリニア調圧弁LV#を駆動する電流値が決定され、リニア調圧弁LV#が制御される。
各配管系統に圧力センサPH#(或いは、各車輪の圧力センサP**)が備えられるときには、圧力センサによって検出された実際の圧力(Ph#a、或いは、Pw**a)が上記圧力目標値と一致するようにフィードバック制御が行われる。圧力センサPH#、P**は省略することも可能である。この場合、車輪速度の挙動(推移)、弁(リニア調圧弁、及び、インレット弁、アウトレット弁)の作動状態等をもとに圧力の推定を行うことができる。
インレット弁、及び、アウトレット弁の駆動手段DRbは、図7〜図9、並びに、図11に示した特性に基づいて、インレット弁を駆動、制御して、制動圧力の増加を制限する。図7、或いは、図9に示した特性によって実行開始が決定される増圧制限制御が許可されると、図11の特性に基づいてインレット弁を駆動するデューティ比Dt**が決定される。
デューティ比Dt**は、図8に示した特性をもって決定される増圧勾配上限値Zs**に基づいて決定される。ここで、デューティ比Dt**=1は、常時通電されている状態を表す。この場合、インレット弁は閉位置状態に維持され、ホイールシリンダ圧Pw**はその時点での圧力に保持される。デューティ比Dt**=0は、非通電状態を表す。この場合、インレット弁は開位置状態に維持される。デューティ比Dt**を制御することで、ホイールシリンダ圧Pw**の増圧勾配が増圧勾配上限値Zs**以下に制限される。即ち、増圧勾配上限値Zs**に基づいてデューティ比Dt**が決定され、圧力保持、或いは、所謂パルス増圧によって増圧制限制御が達成される。
《接地荷重に基づく制動制御》
各車輪に作用する接地荷重を求め、これらに基づいて増圧制限制御、及び、補助液圧増大制御を行うことができる。以下、図12を参照しながら、接地荷重に基づく制動制御について説明する。
接地荷重は、車体に作用する慣性力に基づいて演算することができる。慣性力が車体に作用した結果が前後加速度Gx、及び、横加速度Gyとして表れるため、前後加速度Gx、及び横加速度Gyを用いて、以下に示すように、各車輪の接地荷重をそれぞれ推定することができる。
旋回外側前輪の接地荷重 FZsf=FZfo+Xfnc(Gx)+Yfnc(Gy)
旋回内側前輪の接地荷重 FZuf=FZfo+Xfnc(Gx)−Yfnc(Gy)
旋回外側後輪の接地荷重 FZsr=FZro−Xfnc(Gx)+Yfnc(Gy)
旋回内側後輪の接地荷重 FZur=FZro−Xfnc(Gx)−Yfnc(Gy)
ここで、FZfo及びFZroは前輪及び後輪の静的な接地荷重、Xfnc(Gx)はGxを引数とする前後方向の荷重移動を表す関数、Yfnc(Gy)はGyを引数とする左右方向の荷重移動を表す関数である。Xfnc(Gx)、Yfnc(Gy)は車両諸元から求めることができるし、実験的に求めることもできる。
車両を減速するために必要な総制動力BFvが、制動操作量Bsに基づいて、BFv=Zfnc(Bs)の関係に従って演算される。ここで、Zfnc(Bs)はBsを引数とする関数である。総制動力BFvは、制動操作量Bsに対し概ね比例する特性をもって設定することができる。
各輪制動圧力の要求値Preq**が、総制動力BFv、及び接地荷重FZ**に基づいて、Preq**=Kb**・BFv・(FZ**/Ms)の関係に従って演算される。ここで、Kb**は制動力から制動圧力への変換係数であり、車輪半径、ブレーキ有効径、パッド摩擦係数、ホイールシリンダ受圧面積等から得られる値である。Msは車両重量である。これにより、各輪の制動圧力要求値Preq**が接地荷重に応じて配分されるため、各輪の制動負荷(接地荷重に対する制動力の割合)が均一となる。
各輪の要求値Preq**に基づいて、旋回内側車輪の要求値Prequと、旋回外側車輪の要求値Preqsとが選択される。
旋回内側車輪の要求値Prequと実際の圧力Pw**aとの偏差ΔPwuに基づいて、増圧制限制御の開始条件、及び、制御開始後の増圧勾配が決定され、デューティ比Dt**が決定される。そして、デューティ比Dt**に基づいて旋回内側車輪のインレット弁IV**が制御される。増圧制限制御の開始条件、制御開始後の増圧勾配、及び、デューティ比Dt**の決定のための特性(テーブル)は、図7〜図9、及び、図11において、「旋回状態量Tc」を「圧力偏差ΔPwu」に置き換えることによって得ることができる。
同様に、旋回外側車輪の要求値Preqsと実際の圧力Pw**aとの偏差ΔPwsに基づいて、補助液圧増大制御を行うための修正係数Kz#が演算される。修正係数Kz#の演算のための特性(テーブル)は、図10において、「旋回状態量Tc」を「圧力偏差ΔPws」に置き換えることによって得ることができる。また、旋回外側車輪の要求値Preqsを達成できる補助圧力の目標値(=Preqs−Pm#)を演算し、これを目標値SP#tとすることもできる。
以下に、上述した増圧制限制御、及び補助液圧増大制御の実行により得られる作用・効果について、制動配管の種類、増圧制限制御の対象となる車輪(=選択車輪)、補助液圧増大制御の対象となる制動配管、の組み合わせ毎に説明する。なお、以下の何れの組み合わせに対しても、「制動操作と車両減速との関係を概略一定に維持できる共に、制動力の左右差(左右前輪及び左右後輪の左右差だけでなく、車体の対角線上に位置する左側車輪と右側車輪の左右差をも含む)の発生により、方向安定性を向上する旋回外向きヨーモーメントが発生する」という作用・効果が奏される。従って、以下では、追加の作用・効果についてのみ言及する。
《前後配管の場合》
先ず、前後配管の場合について説明する。
〈選択車輪が旋回内側前輪のみの場合〉
1.補助液圧増大制御の対象が前輪系統のみの場合(選択車輪を含む系統の場合)
この場合、後輪系統の補助圧力が増加修正されないため、後輪のコーナリングフォースが確保され得、車両の方向安定性が向上する。
2.補助液圧増大制御の対象が後輪系統のみの場合(選択車輪を含まない系統の場合)
この場合、後輪系統の補助圧力を僅かに増加修正することで、各車輪の制動負荷を概略均一にできる。
3.補助液圧増大制御の対象が前輪、後輪の両系統の場合(選択車輪を含む系統の場合)
この場合、選択車輪以外の車輪(3輪)の補助圧力をそれぞれ少しだけ増加修正することで、各車輪の制動負荷を概略均一にできる。そのため、各輪のコーナリングフォースを均一に確保できる。
〈選択車輪が旋回内側後輪のみの場合〉
1.補助液圧増大制御の対象が前輪系統のみの場合(選択車輪を含まない系統の場合)
この場合、後輪系統の補助圧力が増加修正されないため、後輪のコーナリングフォースが確保され得る。また、前輪系統の補助圧力を僅かに増加修正することで、各車輪の制動負荷を概略均一にできる。
2.補助液圧増大制御の対象が前輪、後輪の両系統の場合(選択車輪を含む系統の場合)
この場合、選択車輪以外の車輪(3輪)の補助圧力をそれぞれ少しだけ増加修正することで、各車輪の制動負荷を概略均一にできる。そのため、各輪のコーナリングフォースを均一に確保できる。
〈選択車輪が旋回内側前後輪の場合〉
1.補助液圧増大制御の対象が前輪系統のみの場合(選択車輪を含む系統の場合)
この場合、後輪系統の補助圧力が増加修正されないため、後輪のコーナリングフォースを確保でき、車両の方向安定性が向上する。
2.補助液圧増大制御の対象が前輪、後輪の両系統の場合(選択車輪を含む系統の場合)
この場合、選択車輪以外の車輪(2輪)の補助圧力をそれぞれ少しだけ増加修正することで、各車輪の制動負荷を概略均一にできる。そのため、各輪のコーナリングフォースを均一に確保できる。
《ダイアゴナル配管の場合》
次に、ダイアゴナル配管の場合について説明する。
〈選択車輪が旋回内側前輪のみの場合〉
1.補助液圧増大制御の対象が選択車輪を含まない系統の場合
この場合、最も接地荷重が増加する旋回外側前輪の補助圧力を増加修正できる。
2.補助液圧増大制御の対象が第1、第2の両系統の場合(選択車輪を含む系統の場合)
この場合、選択車輪以外の車輪(3輪)の補助圧力をそれぞれ少しだけ増加修正することで、各車輪の制動負荷を概略均一にできる。そのため、各輪のコーナリングフォースを均一に確保できる。
〈選択車輪が旋回内側後輪のみの場合〉
1.補助液圧増大制御の対象が選択車輪を含む系統の場合
この場合、最も接地荷重が減少する旋回内側後輪の制動圧力の増加が制限され、後輪のコーナリングフォースが確保できる。更に、最も接地荷重が増加する旋回外側前輪の補助圧力を増加修正できる。
2.補助液圧増大制御の対象が選択車輪を含まない系統の場合
この場合、最も接地荷重が減少する旋回内側後輪の制動圧力の増加が制限され、後輪のコーナリングフォースが確保できる。
3.補助液圧増大制御の対象が第1、第2の両系統の場合(選択車輪を含む系統の場合)
この場合、最も接地荷重が減少する旋回内側後輪の制動圧力の増加が制限され、後輪のコーナリングフォースが確保できる。選択車輪以外の車輪(3輪)の補助圧力をそれぞれ少しだけ増加修正することで、各車輪の制動負荷を概略均一にできる。そのため、各輪のコーナリングフォースを均一に確保できる。
〈選択車輪が旋回内側前後輪の場合〉
1.補助液圧増大制御の対象が旋回外側前輪を含む系統の場合
この場合、最も接地荷重が減少する旋回内側後輪の制動圧力の増加が制限され、後輪のコーナリングフォースが確保できる。更に、最も接地荷重が増加する旋回外側前輪の補助圧力を増加修正できる。
2.補助液圧増大制御の対象が第1、第2の両系統の場合(選択車輪を含む系統の場合)
この場合、接地荷重が増加する旋回外側車輪(2輪)の補助圧力を増加修正できる。また、接地荷重が減少する旋回内側車輪(2輪)の制動圧力の増加が制限される。そして、各車輪の制動負荷を概略均一にでき、各輪のコーナリングフォースを均一に確保できる。
以上、説明したように、旋回内側の後輪を選択して増圧を制限すると、後輪のコーナリングフォースを確保でき、車両の方向安定性を維持することができる。
また、増圧制限制御に伴う制動力の減少分が、選択されない車輪の制動力で補償される。両配管系統の補助圧力を増加修正することで、この補償分が分担され得るため、各車輪の制動負荷(接地荷重に対する制動力の発生)を概ね均一とすることができる。
また、前後配管の場合、選択車輪を旋回内側後輪とし、前輪系統の補助圧力を増加修正することで、後輪のコーナリングフォースが確保され得、且つ、前輪のコーナリングフォースの減少によって車両の旋回内側への巻き込みが抑制され得る。
また、前後配管の場合、選択車輪を旋回内側前後輪とし、前輪系統の補助圧力を増加修正することで、後輪のコーナリングフォースが確保され得、且つ、左右前輪の制動力差によって車両の方向安定性が向上され得る。
また、ダイアゴナル配管の場合、選択車輪を旋回内側後輪とし、旋回内側後輪を含む制動配管の補助圧力を増加修正することで、旋回内側後輪のコーナリングフォースが確保され得、且つ、接地荷重が最も増大する旋回外側前輪の制動力の増加により車両の方向安定性を向上することができる。
また、ダイアゴナル配管の場合、選択車輪を旋回内側後輪とし、両制動配管の補助圧力を増加修正することで、旋回内側後輪のコーナリングフォースが確保され得、且つ、各車輪の制動負荷を概ね均一とすることができる。
《選択車輪が後輪の場合》
上述のように、旋回によって接地荷重の変動が生じるが、制動(減速)によっても後輪から前輪への荷重移動が発生する。このため、後輪のコーナリングフォースの減少が生じ、直進状態での制動であっても車両のフラツキが生じることがある。この現象は、車体速度が高い場合に発生しやすい。そこで、後輪のうちの少なくとも1つを選択車輪とし、選択車輪の増圧を制限することができる。
制動配管が前後配管である場合、増圧制限はインレット弁IVrl、IVrrによって行われる。そして、前輪系統の補助圧力目標値SPftが基準値SPfoに対して増加修正される。増圧制限制御、及び補助液圧増大制御の条件(制御パラメータ)は、図7〜図10に示した特性をもって、車輪状態量Py**に基づいて行われる。また、車輪状態量の閾値を設定し、車輪状態量がこの閾値に達したときに増圧制限制御を開始・実行することができる。インレット弁の制御は、図11に示したテーブルを用いて決定されるデューティ比Dt**に基づいて行われる。
制動配管がダイアゴナル配管である場合、増圧制限はインレット弁IVrl、IVrrによって行われる。そして、第1及び第2の両系統の補助圧力目標値SP1t、SP2tが基準値SP1o、SP2oに対して増加修正される。増圧制限制御、及び補助液圧増大制御の条件(制御パラメータ)は、図7〜図10に示した特性をもって、車輪状態量Py**に基づいて行われる。また、車輪状態量の閾値を設定し、車輪状態量がこの閾値に達したときに増圧制限制御を開始・実行することができる。インレット弁の制御は、図11に示したテーブルを用いて決定されるデューティ比Dt**に基づいて行われる。
更に、制動時の車両のフラツキは車体速度が高いほど発生し易いため、図13に示すように、増圧制限の開始条件(増圧制限が開始される制動操作量Sbs、増圧制限が開始される車両減速度Sgx、増圧制限が開始される圧力Ps**、或いは、制動開始車輪状態量Pyj(車輪状態量の閾値))を、車体速度Vx(或いは、制動開始時の車体速度Vxo)に基づいて決定することができる。車体速度が高いほど、後輪制動圧力の増加制限が、より低い制動圧力、或いは、より小さい制動操作量において開始・実行されるため、後輪のコーナリングフォースが安定して確保でき、車両のフラツキが安定して抑制できる。
《作用・効果》
次に、図14、図15を参照しながら、用いて本発明の作用及び効果について説明する。図14に示したように、旋回内側車輪(特に、旋回内側後輪)が選択され、制動操作量Bsが旋回状態量Tc等に基づいて決定される「増圧制限を開始する値Sbs」に到達したとき(点Q)、増圧制限手段(インレット弁)によって選択車輪の増圧が制限される。
このとき、選択車輪の制動圧力Pw**は、保持され(特性線(1)を参照)、或いは、増圧勾配が制限されて増加する(特性線(2)を参照)。更に、保持と増圧勾配制限とを組み合わせて、特性線(3)に示すように保持と増圧とが交互に行われてもよい。インレット弁をデューティ制御し、その開閉によって増圧勾配を制限する場合、ブレーキペダルへのキックバックが発生する。これに対し、特性線(1)、(3)のように保持期間が含まれることで、係るキックバックを抑制することができる。
選択車輪に対して増圧制限制御が行われるとき、補助圧力が基準値(直進制動時であって増圧制限手段によって増圧制限が行われない場合の補助圧力)から増加修正される。即ち、図15に示すように、制動操作量Bsが制限開始制動操作量Sbsに到達したときに、補助液圧増大制御が開始・実行される。この結果、非選択車輪では制動圧力Pw**が増加する。
選択車輪に対する増圧制限制御により総制動力が低下する。この総制動力の低下は、補助液圧増大制御によって補償され得る。これにより、制動操作量に対する車両減速度の増大特性を概ね一定に維持できる。
また、増圧制限制御の対象として旋回内側車輪が選択されるから、増圧制限制御と補助液圧増大制御によって左右車輪間で制動力差が発生する。この結果、旋回外向きのヨーモーメントが発生し、車両の方向安定性が向上する。
図16、及び図17は、上記実施形態が適用された場合における増圧制限制御の増圧制限パターンの例を示したタイムチャートである。図16では、時刻t0にて制動操作が開始され、時刻t1にて制動操作量Bsが上記制限開始制動操作量Sbs(=Bs1)に達することで増圧制限制御及び補助液圧増大制御が開始され、増圧制限制御及び補助液圧増大制御の実行中においてブレーキペダルの戻し操作が行われた場合の例が示されている。
選択車輪を含む配管系統の圧力Ph#は、この配管系統が補助液圧増大制御の対象でない場合には、a−b−c1−d1−e−fの特性をもって補助圧力基準値に維持されながら推移し、この配管系統が補助液圧増大制御の対象である場合には、a−b−c2−d2−e−fの特性をもって、時刻t1〜t2の間、補助圧力基準値よりも大きい値で推移する。時刻t2は、車両の減速により減少していく旋回状態量Tcが、値Tcw(図10を参照)に達した時点に対応する。
選択車輪以外の車輪を含む配管系統の圧力Ph#は、この配管系統が補助液圧増大制御の対象であることから、r−s−u2−v2−w−xの特性をもって、時刻t1〜t2の間、補助圧力基準値よりも大きい値で推移する。
増圧制限制御において、選択車輪の制動圧力Pw**は、この圧力の増圧勾配が制限される場合(図14の特性線(2)に対応)には、a−b−c3−d3−e−fの特性をもって推移し、この圧力が保持される場合(図14の特性線(1)に対応)には、a−b−d4−e−fの特性をもって推移する。即ち、この場合、ブレーキペダルの戻し操作に合わせて、選択車輪の制動圧力Pw**が減少させられる(d3−e、又は、d4−e)。
これに対し、ブレーキペダルの戻し操作中において選択車輪の制動圧力Pw**が保持されてもよい。この場合、選択車輪の制動圧力Pw**は、d3−g1(g2)−e、又は、d4−h1(h2)−eの特性をもって推移する。これにより、弁の開閉作動が極力制限されるから、弁の開閉作動に伴う騒音等が抑制され得る。
このように、ブレーキペダルの戻し操作中において選択車輪の制動圧力Pw**が保持される場合、選択車輪のインレット弁IV**を閉位置に保持することができる。例えば、図14において制動操作量Bs=Bscにてブレーキペダルの戻し操作が開始されたとき、インレット弁IV**が閉位置に保持されるので、選択車輪の制動圧力Pw**は点Rに対応する圧力に維持される。
そして、図14の点Sに対応する状態(図16では、点g1(g2)、或いは、点h1(h2)に対応する状態)となると、選択車輪を含む配管系統の圧力Ph#が選択車輪の制動圧力Pw**と一致する。これ以降、チェック弁CV**(図2を参照)が開弁するから、選択車輪の制動圧力Pw**は、なおも低下していく圧力Ph#と同じ値をとりながら低下していく。インレット弁IV**は、低下していく圧力Ph#が選択車輪の制動圧力Pw**と一致した後に(即ち、チェック弁CV**の開弁によりPh#=Pw**の状態にて)、閉位置から開位置に変更される。
ここで、ブレーキペダルの戻し操作中において、Ph#>Pw**の状態にてインレット弁IV**を閉位置から開位置へと変更すると、ブレーキペダルへのキックバックが生じる。これに対し、上記のように、チェック弁CV**の開弁後に(即ち、Ph#=Pw**の状態にて)インレット弁IV**が閉位置から開位置に変更されることで、係るキックバックの発生を防止することができる。
図17では、時刻t0にて制動操作が開始され、時刻t1にて制動操作量Bsが上記制限開始制動操作量Sbs(=Bs1)に達することで増圧制限制御及び補助液圧増大制御が開始され、増圧制限制御及び補助液圧増大制御の実行中においてブレーキペダルの戻し操作が開始される前に旋回状態量Tcが車両の減速により十分に低下した場合の例が示されている。
図16と同様、選択車輪を含む配管系統の圧力Ph#は、この配管系統が補助液圧増大制御の対象でない場合には、破線で示す特性をもって補助圧力基準値に維持されながら推移し、この配管系統が補助液圧増大制御の対象である場合には、一点鎖線で示す特性をもって、時刻t1〜t3の間、補助圧力基準値よりも大きい値で推移する。時刻t3は、車両の減速により減少していく旋回状態量Tcが、値Tcw(図10を参照)に達した時点に対応する。
選択車輪以外の車輪を含む配管系統の圧力Ph#は、この配管系統が補助液圧増大制御の対象であることから、H−I−Jの特性をもって、時刻t1〜t3の間、補助圧力基準値よりも大きい値で推移する。
この場合、増圧制限制御において増圧勾配が制限される場合には、選択車輪の制動圧力Pw**は、S−A−B−C−D−R−Uの特性をもって推移させてもよい。即ち、旋回状態量Tcの減少により補助圧力の増加修正量が減少開始する時刻t2から、選択車輪の制動圧力Pw**が、補助圧力基準値(点D)に向けて戻されていく(増大していく)。
同様に、増圧制限制御において圧力が保持される場合には、選択車輪の制動圧力Pw**は、S−A−E−D−R−Uの特性をもって推移させてもよい。即ち、旋回状態量Tcの減少により補助圧力の増加修正量が減少開始する時刻t2から、選択車輪の制動圧力Pw**が、補助圧力基準値(点D)に向けて戻されていく(増大していく)。
これに対し、時刻t2以降、選択車輪の制動圧力Pw**が保持されてもよい。この場合、選択車輪の制動圧力Pw**は、C−F−U、又は、E−G−Uの特性をもって推移する。これにより、弁の開閉作動が極力制限されるから、弁の開閉作動に伴う騒音等が抑制され得る。この場合も、上記と同様、閉位置にあるインレット弁IV**は、低下していく圧力Ph#が選択車輪の制動圧力Pw**と一致した後に(即ち、チェック弁CV**の開弁によりPh#=Pw**の状態にて、時刻t4以降、又は、時刻t5以降)、閉位置から開位置に変更される。
ブレーキ・バイ・ワイヤと称される運転者の制動操作と制動トルク調整とが機械的に分離されている制動制御装置とは異なり、マスタシリンダとホイールシリンダとが流体を介して接続された制動制御装置(以下、「液圧連通型の制動制御装置」とも称呼する。)では、ブレーキペダルの操作特性(ブレーキペダルストロークと操作力との関係)が、ブレーキキャリパ、ブレーキパッド、制動配管等の剛性に依存する。従って、液圧連通型の制動制御装置では、できる限りマスタシリンダとホイールシリンダとの連通を維持したまま、制動トルクの調整が行われることが望ましい。
ここで、液圧連通型の制動制御装置である本実施形態では、増圧制限制御の開始・実行は、インレット弁の開閉(マスタシリンダとホイールシリンダとの連通・遮断を伴う)により行われるが、補助液圧増大制御は、マスタシリンダとホイールシリンダとの連通を維持したまま実行される。このため、ブレーキペダル操作特性の変化が最小限に抑制され得る。
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記の実施例では、制動圧力の増圧制限(増圧制限制御)と補助圧力の増大(補助液圧増大制御)とが同時に開始されている。ここで、選択車輪を含む制動配管の補助圧力が増加修正される場合において、増圧制限制御(インレット弁の閉位置への変更)が遅れると、選択車輪の制動圧力が一時的に増加するという事態が発生し得る。そこで、増圧制限制御を先に開始し、その後に補助液圧増大制御を開始することができる。
また、制動時のオーバーステア傾向(旋回円の内側への巻き込み)は、旋回状態量が大きい場合(例えば、横加速度Gyが0.6G以上のとき)に制動を開始したときに顕著となる。逆に、制動を開始した後に旋回を行う場合には、オーバーステア傾向は発生し難い。そこで、車両が旋回した後に制動が開始された場合(旋回制動時)にのみ、前記増圧制限制御、及び、補助液圧増大制御を行うこともできる。
旋回制動時であるか否かの判定は、制動を開始した時点での旋回状態量に基づいて実行され得る。即ち、この判定は、制動操作量が微小な所定値に達した時点での旋回状態量に基づいて実行され得る。そして、制動開始時の旋回状態量が所定値より大きいときには、増圧制限制御、及び補助液圧増大制御が実行され、制動開始時の旋回状態量が所定値以下のときには、増圧制限制御、及び補助液圧増大制御が行われない。
例えば、直進走行状態から制動を行い、その後にスラロームしたような場合には、インレット弁によってホイールシリンダへの連通が遮断されるため、時々刻々とブレーキペダル操作特性が変化する。しかし、制動開始時の旋回状態量が所定値以下のときには、増圧制限制御、及び、補助液圧増大制御の実行を禁止することで、前記操作特性の変動を防止することができる。
加えて、上記実施形態においては、補助圧力の修正値が修正係数とされ、これを基準値に乗じることで補助圧力の調整を行われているが、修正係数に代えて圧力の次元において修正値(修正圧力)を演算し、これを基準値に対して増減することで補助圧力の調整を行うこともできる。
本発明の実施形態に係る車両用制動制御装置の全体構成を示した図である。 図1に示した全体構成におけるブレーキ液圧回路の詳細を示した図である。 図1に示した装置が制動制御を行う際の機能ブロック図である。 前後配管の場合において図1に示した装置が参照する、制動操作量と補助圧力基準値との関係を規定するテーブルを示したグラフである。 前後配管の場合において図1に示した装置が参照する、制動操作量と補助圧力基準値との関係を規定する他のテーブルを示したグラフである。 ダイアゴナル配管の場合において図1に示した装置が参照する、制動操作量と補助圧力基準値との関係を規定するテーブルを示したグラフである。 図1に示した装置が参照する、旋回状態量と制限開始制動操作量との関係を規定するテーブルを示したグラフである。 図1に示した装置が参照する、旋回状態量と増圧勾配上限値との関係を規定するテーブルを示したグラフである。 図1に示した装置が参照する、旋回状態量と増圧制限圧力との関係を規定するテーブルを示したグラフである。 図1に示した装置が参照する、旋回状態量と修正係数との関係を規定するテーブルを示したグラフである。 図1に示した装置が参照する、増圧勾配上限値とインレット弁駆動電流のデューティ比との関係を規定するテーブルを示したグラフである。 各車輪の接地荷重に基づいて制動制御を行う際の機能ブロック図である。 車両速度と制限開始制動操作量(増圧制限圧力)との関係を規定するテーブルを示したグラフである。 図1に示した装置により制動制御が実行された場合における、選択車輪の制動圧力の変化の一例を示したグラフである。 図1に示した装置により制動制御が実行された場合における、非選択車輪の制動圧力の変化の一例を示したグラフである。 図1に示した装置により制動制御が実行された場合における、各物理量の変化パターンの一例を示したタイムチャートである。 図1に示した装置により制動制御が実行された場合における、各物理量の変化パターンの他の例を示したタイムチャートである。
符号の説明
MC…マスタシリンダ、VB…バキュームブースタ、HP#…ポンプ、M…モータ、PM#…マスタシリンダ圧力センサ、LV#…リニアソレノイド弁、WC**…ホイールシリンダ、IV**…インレット弁、CV**…チェック弁

Claims (7)

  1. 車両の前後左右の4つの車輪の各ホイールシリンダに供給される制動液圧に応じた制動トルクを対応する車輪にそれぞれ付与する4つの車輪制動装置と、
    前記車両の運転者による制動操作量に応じた液圧量をそれぞれ発生する2つの液圧発生室を有する第1の液圧発生装置と、
    前記2つの液圧発生室のうちの一方を、前記4つの車輪制動装置のうちの左右前輪に対応する2つ又は左前輪と右後輪に対応する2つと液圧的に接続する第1の液圧配管と、
    前記2つの液圧発生室のうちの他方を、前記4つの車輪制動装置のうちの左右後輪に対応する2つ又は右前輪と左後輪に対応する2つと液圧的に接続する第2の液圧配管と、
    前記第1、第2の液圧配管のそれぞれにおいて前記第1の液圧発生装置により発生された前記液圧量に加算される補助液圧を発生する動力駆動の第2の液圧発生装置と、
    前記制動操作量を検出する制動操作量検出手段と、
    前記車両の旋回運動を表す旋回状態量を取得する状態量取得手段と、
    前記検出された制動操作量に基づいて、前記第1の液圧配管における第1の補助液圧基準量及び前記第2の液圧配管における第2の補助液圧基準量を決定する基準量決定手段と、
    前記車両の旋回状態において、前記取得された旋回状態量に基づいて旋回内側前後輪の少なくとも1つを選択車輪として選択するとともに、前記選択車輪に対応する前記車輪制動装置に供給される前記制動液圧を対応する前記液圧配管内の液圧未満で推移させる増圧制限制御の開始判定に使用される前記制動操作量の判定基準値を前記取得された旋回状態量に基づいて決定し、前記検出された制動操作量が前記判定基準値を超えたことに応答して前記増圧制限制御を開始・実行する増圧制限制御手段と、
    前記増圧制限制御が実行されていない場合には、前記第1の液圧配管における第1の補助液圧目標量を前記第1の補助液圧基準量と等しい値に決定するとともに、前記第2の液圧配管における第2の補助液圧目標量を前記第2の補助液圧基準量と等しい値に決定し、前記増圧制限制御が実行されている場合には、前記決定された第1、第2の補助液圧基準量と前記取得された旋回状態量とに基づいて、前記第1の補助液圧目標量を前記第1の補助液圧基準量以上に決定するとともに、前記第2の補助液圧目標量を前記第2の補助液圧基準量以上に決定する目標量決定手段と、
    前記第1、第2の液圧配管のそれぞれにおける前記補助液圧を、前記決定された第1、第2の補助液圧目標量にそれぞれ一致するように調整する調圧手段と、
    を備えた車両用制動制御装置。
  2. 車両の前後左右の4つの車輪の各ホイールシリンダに供給される制動液圧に応じた制動トルクを対応する車輪にそれぞれ付与する4つの車輪制動装置と、
    前記車両の運転者による制動操作量に応じた液圧量をそれぞれ発生する2つの液圧発生室を有する第1の液圧発生装置と、
    前記2つの液圧発生室のうちの一方を、前記4つの車輪制動装置のうちの左右前輪に対応する2つ又は左前輪と右後輪に対応する2つと液圧的に接続する第1の液圧配管と、
    前記2つの液圧発生室のうちの他方を、前記4つの車輪制動装置のうちの左右後輪に対応する2つ又は右前輪と左後輪に対応する2つと液圧的に接続する第2の液圧配管と、
    前記第1、第2の液圧配管のそれぞれにおいて前記第1の液圧発生装置により発生された前記液圧量に加算される補助液圧を発生する動力駆動の第2の液圧発生装置と、
    前記制動操作量を検出する制動操作量検出手段と、
    前記車両の車体減速度を検出する車体減速度検出手段と、
    前記車両の旋回運動を表す旋回状態量を取得する状態量取得手段と、
    前記検出された制動操作量に基づいて、前記第1の液圧配管における第1の補助液圧基準量及び前記第2の液圧配管における第2の補助液圧基準量を決定する基準量決定手段と、
    前記車両の旋回状態において、前記取得された旋回状態量に基づいて旋回内側前後輪の少なくとも1つを選択車輪として選択するとともに、前記選択車輪に対応する前記車輪制動装置に供給される前記制動液圧を対応する前記液圧配管内の液圧未満で推移させる増圧制限制御の開始判定に使用される前記車体減速度の判定基準値を前記取得された旋回状態量に基づいて決定し、前記検出された車体減速度が前記判定基準値を超えたことに応答して前記増圧制限制御を開始・実行する増圧制限制御手段と、
    前記増圧制限制御が実行されていない場合には、前記第1の液圧配管における第1の補助液圧目標量を前記第1の補助液圧基準量と等しい値に決定するとともに、前記第2の液圧配管における第2の補助液圧目標量を前記第2の補助液圧基準量と等しい値に決定し、前記増圧制限制御が実行されている場合には、前記決定された第1、第2の補助液圧基準量と前記取得された旋回状態量とに基づいて、前記第1の補助液圧目標量を前記第1の補助液圧基準量以上に決定するとともに、前記第2の補助液圧目標量を前記第2の補助液圧基準量以上に決定する目標量決定手段と、
    前記第1、第2の液圧配管のそれぞれにおける前記補助液圧を、前記決定された第1、第2の補助液圧目標量にそれぞれ一致するように調整する調圧手段と、
    を備えた車両用制動制御装置。
  3. 車両の前後左右の4つの車輪の各ホイールシリンダに供給される制動液圧に応じた制動トルクを対応する車輪にそれぞれ付与する4つの車輪制動装置と、
    前記車両の運転者による制動操作量に応じた液圧量をそれぞれ発生する2つの液圧発生室を有する第1の液圧発生装置と、
    前記2つの液圧発生室のうちの一方を、前記4つの車輪制動装置のうちの左右前輪に対応する2つ又は左前輪と右後輪に対応する2つと液圧的に接続する第1の液圧配管と、
    前記2つの液圧発生室のうちの他方を、前記4つの車輪制動装置のうちの左右後輪に対応する2つ又は右前輪と左後輪に対応する2つと液圧的に接続する第2の液圧配管と、
    前記第1、第2の液圧配管のそれぞれにおいて前記第1の液圧発生装置により発生された前記液圧量に加算される補助液圧を発生する動力駆動の第2の液圧発生装置と、
    前記制動操作量を検出する制動操作量検出手段と、
    前記各車輪のホイールシリンダに供給される制動液圧をそれぞれ検出又は推定する制動液圧取得手段と、
    前記車両の旋回運動を表す旋回状態量を取得する状態量取得手段と、
    前記検出された制動操作量に基づいて、前記第1の液圧配管における第1の補助液圧基準量及び前記第2の液圧配管における第2の補助液圧基準量を決定する基準量決定手段と、
    前記車両の旋回状態において、前記取得された旋回状態量に基づいて旋回内側前後輪の少なくとも1つを選択車輪として選択するとともに、前記選択車輪に対応する前記車輪制動装置に供給される前記制動液圧を対応する前記液圧配管内の液圧未満で推移させる増圧制限制御の開始判定に使用される前記選択車輪に対応する制動液圧の判定基準値を前記取得された旋回状態量に基づいて決定し、前記選択車輪に対応する前記取得された制動液圧が前記判定基準値を超えたことに応答して前記増圧制限制御を開始・実行する増圧制限制御手段と、
    前記増圧制限制御が実行されていない場合には、前記第1の液圧配管における第1の補助液圧目標量を前記第1の補助液圧基準量と等しい値に決定するとともに、前記第2の液圧配管における第2の補助液圧目標量を前記第2の補助液圧基準量と等しい値に決定し、前記増圧制限制御が実行されている場合には、前記決定された第1、第2の補助液圧基準量と前記取得された旋回状態量とに基づいて、前記第1の補助液圧目標量を前記第1の補助液圧基準量以上に決定するとともに、前記第2の補助液圧目標量を前記第2の補助液圧基準量以上に決定する目標量決定手段と、
    前記第1、第2の液圧配管のそれぞれにおける前記補助液圧を、前記決定された第1、第2の補助液圧目標量にそれぞれ一致するように調整する調圧手段と、
    を備えた車両用制動制御装置。
  4. 車両の前後左右の4つの車輪の各ホイールシリンダに供給される制動液圧に応じた制動トルクを対応する車輪にそれぞれ付与する4つの車輪制動装置と、
    前記車両の運転者による制動操作量に応じた液圧量をそれぞれ発生する2つの液圧発生室を有する第1の液圧発生装置と、
    前記2つの液圧発生室のうちの一方を、前記4つの車輪制動装置のうちの左右前輪に対応する2つ又は左前輪と右後輪に対応する2つと液圧的に接続する第1の液圧配管と、
    前記2つの液圧発生室のうちの他方を、前記4つの車輪制動装置のうちの左右後輪に対応する2つ又は右前輪と左後輪に対応する2つと液圧的に接続する第2の液圧配管と、
    前記第1、第2の液圧配管のそれぞれにおいて前記第1の液圧発生装置により発生された前記液圧量に加算される補助液圧を発生する動力駆動の第2の液圧発生装置と、
    前記制動操作量を検出する制動操作量検出手段と、
    前記車両の旋回運動を表す旋回状態量を取得する状態量取得手段と、
    前記検出された制動操作量に基づいて、前記第1の液圧配管における第1の補助液圧基準量及び前記第2の液圧配管における第2の補助液圧基準量を決定する基準量決定手段と、
    前記車両の旋回状態において、前記取得された旋回状態量に基づいて旋回内側前後輪の少なくとも1つを選択車輪として選択するとともに、前記選択車輪に対応する前記車輪制動装置に供給される前記制動液圧を対応する前記液圧配管内の液圧未満で推移させる増圧制限制御の開始判定に使用される前記旋回状態量の判定基準値を決定し、前記取得された旋回状態量が前記判定基準値を超えたことに応答して前記増圧制限制御を開始・実行する増圧制限制御手段と、
    前記増圧制限制御が実行されていない場合には、前記第1の液圧配管における第1の補助液圧目標量を前記第1の補助液圧基準量と等しい値に決定するとともに、前記第2の液圧配管における第2の補助液圧目標量を前記第2の補助液圧基準量と等しい値に決定し、前記増圧制限制御が実行されている場合には、前記決定された第1、第2の補助液圧基準量と前記取得された旋回状態量とに基づいて、前記第1の補助液圧目標量を前記第1の補助液圧基準量以上に決定するとともに、前記第2の補助液圧目標量を前記第2の補助液圧基準量以上に決定する目標量決定手段と、
    前記第1、第2の液圧配管のそれぞれにおける前記補助液圧を、前記決定された第1、第2の補助液圧目標量にそれぞれ一致するように調整する調圧手段と、
    を備えた車両用制動制御装置。
  5. 車両の前後左右の4つの車輪の各ホイールシリンダに供給される制動液圧に応じた制動トルクを対応する車輪にそれぞれ付与する4つの車輪制動装置と、
    前記車両の運転者による制動操作量に応じた液圧量をそれぞれ発生する2つの液圧発生室を有する第1の液圧発生装置と、
    前記2つの液圧発生室のうちの一方を、前記4つの車輪制動装置のうちの左右前輪に対応する2つ又は左前輪と右後輪に対応する2つと液圧的に接続する第1の液圧配管と、
    前記2つの液圧発生室のうちの他方を、前記4つの車輪制動装置のうちの左右後輪に対応する2つ又は右前輪と左後輪に対応する2つと液圧的に接続する第2の液圧配管と、
    前記第1、第2の液圧配管のそれぞれにおいて前記第1の液圧発生装置により発生された前記液圧量に加算される補助液圧を発生する動力駆動の第2の液圧発生装置と、
    前記制動操作量を検出する制動操作量検出手段と、
    前記車輪の滑り易さを表す車輪状態量を取得する状態量取得手段と、
    前記検出された制動操作量に基づいて、前記第1の液圧配管における第1の補助液圧基準量及び前記第2の液圧配管における第2の補助液圧基準量を決定する基準量決定手段と、
    左右後輪の少なくとも1つを選択車輪として選択するとともに、前記選択車輪に対応する前記車輪制動装置に供給される前記制動液圧を対応する前記液圧配管内の液圧未満で推移させる増圧制限制御の開始判定に使用される前記車輪状態量の判定基準値を決定し、前記取得された車輪状態量が前記判定基準値を超えたことに応答して前記増圧制限制御を開始・実行する増圧制限制御手段と、
    前記増圧制限制御が実行されていない場合には、前記第1の液圧配管における第1の補助液圧目標量を前記第1の補助液圧基準量と等しい値に決定するとともに、前記第2の液圧配管における第2の補助液圧目標量を前記第2の補助液圧基準量と等しい値に決定し、前記増圧制限制御が実行されている場合には、前記決定された第1、第2の補助液圧基準量と前記取得された車輪状態量とに基づいて、前記第1の補助液圧目標量を前記第1の補助液圧基準量以上に決定するとともに、前記第2の補助液圧目標量を前記第2の補助液圧基準量以上に決定する目標量決定手段と、
    前記第1、第2の液圧配管のそれぞれにおける前記補助液圧を、前記決定された第1、第2の補助液圧目標量にそれぞれ一致するように調整する調圧手段と、
    を備えた車両用制動制御装置。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の車両用制動制御装置において、
    前記増圧制限制御手段は、
    前記判定基準値を前記車両の車体速度に基づいて決定するように構成された車両用制動制御装置。
  7. 請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の車両用制動制御装置において、
    前記運転者による制動操作の開始時において前記旋回状態量として取得された制動開始時旋回状態量が所定値以下のとき、
    前記増圧制限制御手段は前記増圧制限制御を行わないように構成され、且つ、前記目標量決定手段は前記第1、第2の補助液圧目標量を前記第1、第2の補助液圧基準量と等しい値にそれぞれ維持するように構成された車両用制動制御装置。
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