JP2008256750A - 光学素子とその製造方法、および半透過半反射型液晶表示装置 - Google Patents

光学素子とその製造方法、および半透過半反射型液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】位相差制御層において所望の位相差を付与する液晶相領域を高解像度で実現することのできる光学素子を製造する方法、およびこれにより得られる高いパターニング品質の光学素子を提供する
【解決手段】透過光に位相差を生じさせる液晶相領域が光透過性の基材上にパターニングされてなる光学素子を製造する方法であって、(i)重合性の液晶分子を含む塗工液を前記基材上に塗布して塗膜を形成する塗布工程、(ii)前記液晶分子を液晶相状態にしてこれを配向させる配向工程、(iii)前記液晶相状態の液晶分子に、短波長カットフィルタおよびフォトマスクを介して活性放射線をパターン照射することにより、当該照射された液晶分子同士を重合硬化させて前記液晶相領域をパターン形成する光照射工程、を含む光学素子の製造方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、光が入射すると位相差を生じさせる液晶相領域が任意形状にパターニングされてなる光学素子およびこれを製造する方法、ならびにその光学素子を備えた半透過半反射型の液晶表示装置に関する。
近年、液晶表示装置の小型化により、携帯電話やPDA等に液晶表示装置が幅広く用いられるようになってきている。このような小型の液晶表示装置においては、省電力化に加えて、高輝度化や高コントラスト化が重要な課題となる。このような観点から、省電力化のための反射型または半透過半反射型の液晶表示装置の開発や、それら液晶表示装置の輝度及びコントラストを改善するための光学素子が開発されている。
この種の半透過半反射型液晶表示装置に関しては、例えば下記特許文献1に記載のものが知られている。
図1および図2は、下記特許文献1に記載の半透過半反射型液晶表示装置(以下断りなき場合、液晶表示装置と略記する。)30の断面模式図である。本発明の光学素子1が好適に適用される液晶表示装置の一例としてもこれらを挙げることができる。
液晶表示装置30の基本構成についてまず説明する。
液晶表示装置30は半透過半反射層24を備え、観察者側(図中上方)から入射した可視光が同層の反射部24aで反射されて観察者に視認される反射表示領域17と、背面側(図中下方)に設けられたバックライト20から放射された可視光が同層の開口部24bを通過して観察者に至る透過表示領域16とが形成されていることを特徴とする。
半透過半反射層24は、アルミニウム、銀、またはこれらの合金等の反射率の高い金属膜からなる反射膜に微細な開口をパターニングすることで、反射部24aと開口部24bとを画素ごとに形成してなることが一般的である。
駆動液晶分子28を配向させた駆動液晶層13をはじめとする各種の積層を一対のガラス基板11,18の間に挟持してなる液晶セル23では、TN(Twisted Nematic)液晶等の駆動液晶分子28を電圧印加によって駆動することで、これを通過する可視光に与える位相差量を変動させ、画素ごとに明表示と暗表示とのスイッチングを行う。
具体的には、図1,2に示す液晶表示装置30の場合、反射表示領域17に光学等方性のギャップ制御層25をパターン配置することにより、透過表示領域16における駆動液晶層13の厚さは、反射表示領域17における厚さの2倍に構成され、これを透過する可視光に対し、電圧無印加時には透過表示領域16で1/2波長、反射表示領域17で1/4波長の位相差が与えられるよう設計されている。また電圧印加時には駆動液晶分子28が駆動して、透過光に与えられる位相差がともにゼロとなることにより、かかる透過光が直線偏光板10を観察者に向かって通過して観察者に視認される明表示と、通過できずに吸光されて観察者に至らない暗表示とが切り替えられる。
液晶セル23のうち、ガラス基板同士の内側(インセル側)には、まず背面側のガラス基板18の内面側に、半透過半反射層24や、インジウム錫酸化物(以下、ITOと略す)等の透明導電膜からなる透明電極層14bが積層され、透明電極層14bを覆うように、駆動液晶分子28を所望に配向させるための配向膜(図示せず)が形成されている。配向膜は、透明電極層14b上に塗工したポリイミド層をラビング処理するなどにより得られる。
一方、観察者側のガラス基板11の内面側には、遮光性のブラックマトリクス(BM)29によって有効表示領域や各画素が区画形成されている。
またBM29上には、有効表示領域を埋めるように、R(赤)G(緑)B(青)などの異なる色の着色領域が画素幅で微細に配列されて透過光を色ごとに分光する着色層12や、ITO等の透明導電膜からなる透明電極層14aなどが積層形成されている。また透明電極層14aを覆うように、駆動液晶分子28を所望に配向させるための配向膜(図示せず)が形成されている。
液晶セル23の外側(アウトセル側)には、ガラス基板11の観察者側に直線偏光板10が配置され、またガラス基板18から背面側にもまた直線偏光板19が設けられている。
図1,2に示す液晶表示装置30は、観察者側から反射表示領域17に入射した可視光に1/4波長の位相差を与えるための位相差制御層15を、液晶セル23のインセル側にともに備えている。図1に示す液晶表示装置30では位相差制御層15が観察者側のガラス基板11上であって着色層12と透明電極層14aとの間に、図2に示す液晶表示装置30ではこれが背面側のガラス基板18上であって透明電極層14bと半透過半反射層24との間に設けられている。
位相差制御層15は、透過光に位相差を生じさせる液晶相領域15aと、透過光に位相差を生じさせない光学的等方領域15bとが層内にパターン形成されてなる。液晶相領域15aと反射表示領域17とを対向させ、また光学的等方領域15bと透過表示領域16とを対向させることで、反射表示領域17を通過する可視光に所望の(1/4波長の)位相差が与えられる。すなわち図1に示す液晶表示装置30については、位相差制御層15を備える観察者側のガラス基板11が、反射表示領域17を通過する可視光に対して1/4波長の位相差を与える光学素子1として機能する。また図2に示す液晶表示装置30については、位相差制御層15を備える背面側のガラス基板18が、反射表示領域17を通過する可視光に対して1/4波長の位相差を与える光学素子1として機能する。
また下記特許文献1で、位相差制御層15は、重合性の液晶分子を含む塗工液を、(1)着色層12や半透過半反射層24などを介してガラス基板11または18の上に直接または他層を介して間接に塗布し、(2)これを液晶相状態に加温して液晶分子をホモジニアス(水平)配向など所望の向きに配向させ、(3)反射表示領域17(反射部24a)に対応して開口させたフォトマスクを介して紫外線などの活性放射線を照射することで当該領域に存在する液晶分子同士を配向状態のまま重合硬化させ、(4)硬化した液晶分子と未重合の液晶分子とをともに等方相温度に加熱することで未重合の液晶分子のみを等方相に転移させ、(5)液晶分子全体を焼成することで、光硬化した液晶相状態の液晶分子からなる液晶相領域と、光硬化しなかった等方相状態の液晶分子からなる光学的等方領域とをともに固定化して作製されている。
特開2006−276397号公報
しかしながら上記特許文献1に記載の位相差制御層の製造方法では、フォトマスクを介した活性放射線の照射において、液晶相領域15aと光学的等方領域15bとのパターニングにおいて充分な解像度が得られないという問題点があった。
すなわち、位相差制御層15を通過する可視光に対して、理想的には液晶相領域15aにおいては所定量の(1/4波長の)位相差が与えられ、光学的等方領域15bにおいては一切位相差が与えられないことが好ましいところ、上記従来の製造方法による場合、液晶相領域15aと光学的等方領域15bとの境界には、上記所定量に満たない中間の位相差が与えられてしまう境界領域が幅広に形成される。
かかる境界領域が反射表示領域17に差し掛かって形成された場合、これを通過する可視光が液晶相領域15aで本来得るべき位相差量(例えば1/4波長)が得られないことから、明表示においては直線偏光板10を通過する割合が減少して光量が不足し、暗表示においては直線偏光板10で適切に吸光ができないことから光漏れが発生し、あわせて液晶表示装置30のコントラスト比の低下や色のシフトが発生することとなる。
これは境界領域が透過表示領域16に差し掛かって形成された場合も同様である。透過表示領域16を通過する可視光には本来位相差が与えられないところ、境界領域を通過した可視光には位相差ズレが生じてしまうため、明表示においては光量が不足し、暗表示においては光漏れが生じる。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、すなわち位相差制御層において所望の位相差を付与する液晶相領域を高解像度で実現することのできる光学素子を製造する方法、およびこれにより得られる高いパターニング品質の光学素子を提供することを目的とする。また本発明の他の目的は、かかる光学性能に優れた光学素子を備える半透過半反射型液晶表示装置を提供することにある。
本発明にかかる光学素子の製造方法は、
(1)透過光に位相差を生じさせる液晶相領域が光透過性の基材上にパターニングされてなる光学素子を製造する方法であって、
(i)重合性の液晶分子を含む塗工液を前記基材上に塗布して塗膜を形成する塗布工程、
(ii)前記液晶分子を液晶相状態にしてこれを配向させる配向工程、
(iii)前記液晶相状態の液晶分子に、短波長カットフィルタおよびフォトマスクを介して活性放射線をパターン照射することにより、当該照射された液晶分子同士を重合硬化させて前記液晶相領域をパターン形成する光照射工程、
を含む光学素子の製造方法;
(2)高圧水銀灯または超高圧水銀灯を前記活性放射線の照射装置として用いるとともに、前記短波長カットフィルタにより少なくとも320nm以下の波長の光を実質的にカットすることを特徴とする上記(1)に記載の光学素子の製造方法;
(3)透過光に位相差を生じさせる液晶相領域が光透過性の基材上にパターニングされてなる光学素子を製造する方法であって、
(i)重合性の液晶分子と、光重合開始剤とを含む塗工液を前記基材上に塗布して塗膜を形成する塗布工程、
(ii)前記液晶分子を液晶相状態にしてこれを配向させる配向工程、
(iii)前記液晶相状態の液晶分子に、フォトマスクを介して活性放射線をパターン照射することにより、当該照射された液晶分子同士を重合硬化させて前記液晶相領域をパターン形成する光照射工程、
を含み、かつ、
前記光照射工程でパターン照射する活性放射線に実質的に含まれる光の波長が、前記光重合開始剤の極大吸収波長よりも長いことを特徴とする、光学素子の製造方法;
(4)前記パターン照射される活性放射線に実質的に含まれる最も短い波長の光に対する前記光重合開始剤の吸光度が、前記極大吸収波長の光に対する吸光度の50%以下である上記(3)に記載の光学素子の製造方法;
(5)透過光に位相差を生じさせない等方相領域が、前記液晶相領域とともに前記基材上にパターニングされてなる光学素子を製造するための上記(1)から(4)のいずれかに記載の方法であって、
前記光照射工程(iii)の後に、
(iv-1)前記液晶相領域がパターン形成された塗膜を加熱して、未硬化の液晶分子を等方相状態にする等方相転移工程、および
(v)当該等方相の液晶分子同士を熱重合させることにより前記等方相領域を形成する焼成工程、
を行うことを特徴とする、光学素子の製造方法;
(6)前記光照射工程(iii)の後に、
(iv-2)前記液晶相領域がパターン形成された塗膜より、未硬化の液晶分子を除去する除去工程
を行うことを特徴とする、上記(1)から(4)のいずれかに記載の光学素子の製造方法;
(7)前記塗工液が、更に熱重合開始剤を含んでなる、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の光学素子の製造方法;
を要旨とする。
また本発明にかかる光学素子は、
(8)透過光に所定量の位相差を生じさせる液晶相領域と、透過光に位相差を生じさせない光学的等方領域とが、光透過性の基材上にパターニングされてなる光学素子であって、
前記液晶相領域と光学的等方領域との境界に形成された、前記所定量に満たない位相差を透過光に実質的に生じさせる境界領域の幅が10μm以下であることを特徴とする光学素子;
を要旨とする。
さらに本発明にかかる半透過半反射型液晶表示装置は、
(9)透過表示領域と反射表示領域とを共に備える画素が複数配列された半透過半反射型液晶表示装置であって、
異なる色の可視光をそれぞれ透過する複数色の着色領域が配列された着色層を前記基材上に更に備える上記(8)に記載の光学素子が、前記液晶相領域と前記反射表示領域とが対向するように組み付けられてなる半透過半反射型液晶表示装置;
を要旨とする。
なお本発明で、「液晶相」とは液晶分子が一定の方向を向いた状態を意味し、液晶分子が液体のごとき流動性を備えている状態に限らず、液晶分子が配向状態で互いに重合して固定化された状態を含むものである。
また「等方相」とは液晶分子の向きに規則性が無い状態を意味するものであり、液晶分子のランダムな向きに数学的な厳密さまでを求めるものではない。同様に、等方相領域が透過光に位相差を生じさせないとは、クロスニコルに組み合わせた一対の直線偏光板で挟んだ状態で、当該等方相領域を透過する可視光に対して、有意な光漏れが観察者に視認できない状態を意味するものである。
また「光学的等方領域」とは、上記の等方相領域のほか、アクリル系樹脂などの光学等方性かつ光透過性の樹脂材料や、空気などの気相によって構成され、上記と同様にクロスニコルに組み合わせた一対の直線偏光板で挟んだ状態で、これを透過する可視光に有意な光漏れが観察者に視認できない状態が実現された領域をいう。
また「活性放射線」とは、紫外線や電離放射線など、高いエネルギーをもった電磁波や粒子線を意味する。
また「基材上」に層が形成されているとは、基材の一方面に接して直接に、または他の層を介して間接に、当該層が形成されていることを意味するものであり、基材と当該層との上下位置関係が重力方向に対する上下左右方向のいずれであるかを問うものではない。
またパターン照射される活性放射線から所定の波長の光を「実質的にカットする」とは、カット後の活性放射線に含まれる当該波長の光が液晶分子の光重合に寄与しないことを意味し、具体的にはカットにより当該波長光の照射強度が20%以下に低減されていることを意味する。同様に、パターン照射される活性放射線に「実質的に含まれる」光とは、液晶分子の光重合に寄与する光を意味し、具体的には、パターン照射される活性放射線に含まれるもっとも照射強度の高い光の当該強度を1とした場合に、0.06を超える照射強度をもつ波長の光を意味する。
また「所定量に満たない位相差を透過光に実質的に生じさせる境界領域の幅」とは、クロスニコル状態の直線偏光板で挟んで明表示位置とした光学素子を偏光顕微鏡により観察した際に、目視により透過光が有意に観察され、かつ当該透過光強度が、液晶相領域で観察される透過光強度に対して目視により劣ることが有意に観察される領域の幅をいう。
本発明による光学素子の製造方法によれば、位相差制御層にパターニングされた液晶相領域と光学的等方領域とを高解像度で形成し、両者の境界領域の幅を低減することができる。したがってかかる製法により得られた光学素子を半透過半反射型液晶表示装置に用いることにより、透過表示領域16および反射表示領域17にて所望の明表示と暗表示とを行うことができ、コントラスト比が高く、色シフトの生じない、高い光学性能の液晶表示装置を得ることができる。
本発明の光学素子は、透過光に位相差を生じさせる液晶相領域と、透過光に位相差を生じさせない光学的等方領域とがパターニングされた位相差制御層が、光透過性の基材上に積層されてなる。また本発明の光学素子は、任意で着色層や配向膜、透明電極層など他の積層を備えてもよい。以下に説明する各層を備えることにより、本発明の光学素子は半透過半反射型液晶表示装置のカラーフィルタとして用いることができるものであるが、このほか、透過型や反射型の液晶表示装置、および出/入射光の位相差を制御するデジタルカメラなどの光学機器と組み合わせて用いることもできる。
[光学素子の製造方法について]
上記本発明による光学素子およびその製造方法は、位相差制御層の液晶相領域と光学的等方領域とを高解像度で得るものである。かかる光学的等方領域としては大別して、(a)光学等方性かつ光透過性の材料を固定化して得る場合と、(b)材料を固定化せず空気などの気相によって光学等方性を得る場合の2つのケースが考えられる。また前者(a)の場合はさらに、(a−1)重合性の液晶分子を等方相転移させた状態で互いに重合させた等方相領域を設ける場合と、(a−2)光学等方性のある非液晶性の樹脂材料を重合させて固定化する場合と、を採ることができる。
図3各図は上記第一のケース(a)、具体的にはケース(a−1)にかかる光学素子1の製造方法を示す模式図である。同図(5)に示すように、基材2上に、液晶相領域15aと、光学的等方領域15bとしての等方相領域15cとがパターニングして固定されてなる位相差制御層15を形成することで光学素子1が作製される。
図4各図は上記第二のケース(b)にかかる光学素子1の製造方法を示す模式図である。同図(4)に示すように、基材2上に液晶相領域15aをパターニングして固定することにより、その間に光学的等方領域15bとしての気相領域15dが配置されてなる位相差制御層15を形成することで光学素子1が作製される。
両製造方法のうち、図3,4の(1)〜(3)までは共通の工程であり、また両製造方法に用いる材料もまた共通する。本発明の光学素子の作製に好適に用いられる具体的な材料については後記に詳述する。
(i)塗布工程
図3,4のそれぞれ(1)に示すように、配向能を有する光透過性の基材2の上に直接または間接に、重合性の液晶分子を含む塗工液を塗布して、塗膜4を形成する。塗工液は、上記液晶分子を溶媒に溶解し、各種の添加剤を混合したものである。
塗布法としては、公知の技術を用いることができる。具体的には、ロールコート法、グラビアコート法、スライドコート法、スピンコート法、浸漬法、またはインクジェット法等により、基材2上に塗工液を塗布することができる。
基材2に配向能を与えるため、塗布面には、液晶分子を所望の向きに配向させるための配向膜3を形成してもよい。例えば配向膜3を水平配向膜とする場合は、ポリイミド樹脂材料を基材2に塗工した上でこれに所定方向へのラビング処理を施して得ることができる。また液晶分子を垂直配向(ホメオトロピック配向)させる場合は、配向膜3として公知の垂直配向膜を形成するほか、UV−オゾン洗浄処理などによって基材2表面の濡れ性を向上して液晶分子の垂直配向性を補助することも好適である。
(ii)配向工程
次に、基材2上に形成した塗膜4を減圧乾燥して溶媒を減じた上、液晶分子が液晶構造を発現する所定の温度(液晶相温度)に保持してこれを配向させる。液晶分子の配向は、水平配向のほか、垂直配向、ツイスト配向、ベンド配向、ハイブリッド配向などいずれでもよい。ただし本発明の光学素子1を半透過半反射型液晶表示装置の表示側基板として用い、位相差制御層15によって可視光に1/4波長の位相差を与える場合は、液晶分子を水平配向させるとよい。
(iii)光照射工程
塗膜4に含まれる液晶分子の全体を所望の向きに配向させて液晶相状態とした図3,4(1)の状態から、各図(2)に示すようにフォトマスク5を介して活性放射線をパターン照射する。遮光性のフォトマスク5には、のちに液晶相領域15aとなる位置に対応して開口部5aが設けられており、当該領域に存在する液晶分子のみ、活性放射線の露光によって互いに重合硬化させることができる。
フォトマスク5のマスクパターンは特に限定されるものではない。本実施形態では、紙面奥行き方向に伸びる短冊状の液晶相領域15aと光学的等方領域15bとが横並びに繰り返されるよう、ストライプ状のマスクパターンとしている。
このように、液晶相状態の液晶分子を活性放射線で露光して互いに重合させることにより、各図(3)に示すように、液晶相状態が保たれたまま液晶相領域15aをパターニングして固定化することができる。
露光量については、液晶分子の種類にもよるが50〜500mJ/cm程度とすることが好ましい。
塗工液には、重合性の液晶分子とともに、光重合開始剤を添加するとよい。光重合開始剤は、一つまたは複数の特定の波長の活性放射線を吸収してフリーラジカルを生成し、液晶分子同士をラジカル連鎖反応により三次元架橋重合させることができる。これにより本発明に用いる重合性液晶分子が光重合性を備える場合も、そうでない場合も、活性放射線の露光領域に存在する液晶分子同士を互いに光重合させることができる。
また塗膜4のうち、フォトマスク5に遮光されて活性放射線が照射されなかった未露光領域6は塗膜4のまま残置され、当該領域に存在する液晶分子については、未硬化ゆえ、更なる相転移やエッチング除去が可能である。
なお上記本実施形態では、活性放射線の露光によって液晶分子同士を重合硬化させる、いわゆるネガ型のフォトリソグラフィー法を例として説明したが、本発明はこれに限られず、いわゆるポジ型のフォトリソグラフィー法を用いてもよい。具体的には、エポキシ系等の熱重合性の液晶分子を含む塗工液によって塗膜4を形成し、減圧乾燥および配向させた後にその全体を加熱して液晶分子を一旦重合硬化させて液晶相膜とし、さらにポジ型のフォトレジストをこれに全面塗布した上で、光学的等方領域15bに対応する領域が開口したフォトマスクを介して活性放射線をパターン露光することで、液晶相膜のうち当該領域を感光させて除去可能とし、ドライエッチングなどにより光学的等方領域15bから液晶分子を除去してもよい。
また以下の説明においてもネガ型のフォトリソグラフィー法による場合を例に説明するが、これをポジ型で行う場合についても当業者であれば容易に適用可能であろう。
ここで、本発明にかかる光学素子の製造方法によれば、液晶相領域15aと光学的等方領域15bとを高解像度でパターン形成することができる。
本発明ではこれを、上記パターン露光する活性放射線の波長を限定することにより実現している。
上記特許文献1に例示される従来の光学素子の製造方法にあっては、200〜450nmの紫外線を広く用いることが一般的であったところ、本発明者らの知見によれば、下記の理由により、具体的には313nmを超える波長、好ましくは320nm以上の波長に活性放射線を実質的に限定することで、フォトリソグラフィー法による液晶相領域15aの解像度を大幅に高められることが明らかとなった。
なお活性放射線の上限の波長は特に限定されるものではなく、液晶分子に光重合を生じさせるのに十分なエネルギーのフォトンを有するという観点から、従来と同様に450nm程度までの光であれば好適に用いることができる。なお、当該工程で照射する活性放射線にこれ以上の波長の光が混合していることを排除するものではない。
また液晶相領域の解像度を高める本発明においては、液晶分子の光重合に実質的に貢献しない程度に低い照射強度の光をも、パターン露光する活性放射線から排除しなければならないものではない。したがって以下の説明において、照射光を所定以上の波長光に限定する、または短波長カットフィルタにより照射光より所定以下の短波長光をカットすると表現した際には、当該所定以下の短波長光を完全にカットする場合のほか、実質的にこれをカットする状態を含む。
短波長の活性放射線は、下記(ア)〜(ウ)の理由により、液晶相領域15aと光学的等方領域15bとの間に、液晶相領域15aに満たない位相差を透過光に与える境界領域を形成する。かかる境界領域が3μmを超えると、光学素子1を液晶表示装置に適用した場合に、境界領域を透過した可視光の位相差ズレに伴う色シフトや光漏れが人間の目視により観察されて問題となるところ、位相差相領域の解像度を向上することのできる本発明によれば、境界領域の幅が低減されて上記問題の発生を抑えることができる。
(ア)短波長の活性放射線は散乱が大きく、図5(a)に示すようにフォトマスク5の開口部5aを通過したあとに塗膜4に対して斜めに入射しやすくなるため、液晶分子の光硬化領域が末広がりのテーパー状になる。このため、のちに光学的等方領域15bとなる未露光領域6との間に幅Wの境界領域が形成される。
なお、フォトマスク5と塗膜4とを接触させて露光することでかかるテーパーを減ずることができるが、塗膜4が未硬化の液晶相状態で露光が行われるため、塗膜表面の保護やゴミの付着防止などの観点から、プロキシミティー露光(近接露光)を行うことが好ましく、したがってかかるテーパーの発生が大きな問題となる。
(イ)短波長の活性放射線が有するフォトンは高エネルギーであるため、ラジカルの発生確率が高く、ひいてはその発生量が多くなり、塗膜4の露光領域から沁み出して液晶分子の重合が起こることから、図5(b)に示すように、硬化する液晶相領域15aの端面が乱れて幅Wの境界領域が形成される。
(ウ)光重合開始剤は、一般に300nmまたはそれ以下の波長領域に吸収波長の極大値を有しているところ、かかる極大吸収波長の活性放射線を露光した場合も、上記(イ)と同様に液晶分子の重合が急激に開始され、同図に示すように液晶相領域15aの端面が乱れて幅広の境界領域が形成される。したがって極大吸収波長の近傍をさけ、具体的には極大吸収波長の光に対する吸光度の50%以下の吸光度となる波長の活性放射線のみを含むことが好ましい。
したがって上記(ア)〜(ウ)の条件を満たすべく、光重合開始剤の極大吸収波長よりも長い波長の活性放射線を、光照射工程(iii)で塗膜4に照射することが好ましい。
また、液晶分子の重合硬化には高圧水銀灯や超高圧水銀灯を照射装置として用いた紫外線露光を行うことが一般的であるところ、水銀は254nm、313nm、365nm、405nm、436nmなどの波長の紫外線を主として発光する。このうち、365nm波長の紫外線はi線と呼ばれ、上記照射装置から照射される放射照度が高く、液晶分子の光重合に主として用いられる。これに対し、254nmや313nm、特に313nmの紫外線については、i線よりも光散乱が大きく、またフォトンがi線よりも過大なエネルギーをもっていることから、上記(ア),(イ)の理由によりカットすることが好ましい。また光重合開始剤の極大吸収波長は、剤の種類によって相違するものの、一般にi線(365nm)よりも313nmに近接していることから、上記(ウ)の理由によっても313nm波長の光をカットした紫外線を塗膜4に照射することが好ましい。
したがって高圧水銀灯や超高圧水銀灯を照射装置として用いる場合、光照射工程(iii)で塗膜4に照射する光を、313nmを超える波長、好ましくは320nm以上、さらに好ましくは325nm以上の波長に限定することが好適といえる。
また特に極大吸収波長が280nm以上かつ320nm未満である光重合開始剤を用いる場合については、320nm以上、好ましくは325nm以上の波長の光に限定して照射することが特に好適である。
活性放射線の波長を上記のように例えば320nm以上に限定する方法としては、(あ)短波長を含む活性放射線を短波長カットフィルタに通すことで320nm以下の短波長の光をカットする方法、(い)そもそも320nm以下の波長の活性放射線を放射しない露光機を用いる方法、を例示することができる。
上記(あ)の方法については、透過型や反射型の光カットフィルタを用いることができる。このうち、例えば325nm以下、または350nm以下の光をカットする短波長カットフィルタは市販されている。
また例えば313nm以下や320nm以下の光をカットする短波長カットフィルタを作製する場合は、活性放射線を透過または反射する薄膜を多層に積層して薄膜干渉によって特定の波長をカットする光カットフィルタにおいて、薄膜の厚さを調整することで所望の短波長カットフィルタが得られる。
また上記(い)の方法については、紫外用蛍光灯や、複写用高圧水銀灯を液晶分子の光重合用の露光機に転用することで実現可能である。これらの露光機は市販されている。
(iv)光学的等方領域の形成工程
次に、活性放射線が照射されなかった部分、すなわち液晶分子が硬化していない未露光領域6を光学的等方領域15bとする工程をおこなう。上記第一または第二のケース、すなわち光学的等方領域15bを等方相領域15cなどの固相で形成するか、または気相領域15dで形成するかによって本工程は相違する。
(iv-1)等方相転移工程
光学等方性材料を固定化して光学的等方領域15bを得る上記第一のケース(a)のうち、液晶分子を用いて等方相領域15cをパターン形成する上記ケース(a−1)の場合、図3(4)に示すように、活性放射線照射後の塗膜4全体を加熱することで未露光領域6に含まれる未重合の液晶分子を等方相に転移させる。すなわち未露光領域6を含む塗膜4を等方相転移温度以上に加熱することで、すでに硬化している液晶相領域15aは相転移せず、未露光領域6のみが等方相に転移する。なお、未露光領域6が液晶相から等方相に相転移したことは、DSC等の測定装置や偏光顕微鏡観察によって確認できる。
(iv-2)除去工程
材料を固定化せず空気などの気相領域15dによって光学的等方領域15bを得る上記第二のケース(b)の場合、図4(4)に示すように、溶剤を用いて未露光領域6をエッチング除去する。溶剤としては、重合性液晶を溶解できる溶液、特に有機溶媒を用いることができる。
また光学等方性の非液晶性材料で光学的等方領域15bを固定形成する上記ケース(a−2)の場合は、エッチング除去後の未露光領域6を、アクリル系やウレタン系などの光学等方性かつ光透過性の樹脂材料で充填すればよい。
(v)焼成工程
上記ケース(a−1)の場合、図3(5)に示すように、等方相に転移した未露光領域6をさらに高温に加熱焼成して、当該領域に含まれる液晶分子同士を重合硬化させることにより等方相状態を固定化する。このとき、光重合により固定化された液晶相領域15aについても液晶分子同士の三次元架橋重合反応がさらに進行し、強固な位相差制御層15が得られる。
したがって塗工液には、後記に列挙するような熱重合開始剤を添加しておくことが好ましい。
なお本発明においては、上記(iv-1)の等方相転移工程と、上記(v)の焼成工程とを同時に、すなわち一工程にて行ってもよい。
以上により、液晶相領域15aと等方相領域15cとがパターニングして固定された位相差制御層15が基材2上に形成され、もって光学素子1が作製される。
また上記ケース(b)や(a−2)の場合も同様に、必要に応じて液晶相領域15aの三次元架橋重合をさらに促進するため、焼成工程を施すとよい。
以上により、液晶相領域15aをパターニングして固定した位相差制御層15を基材2上に形成した光学素子1が作製される。
このようにして、活性放射線の波長を所定以上の長波長に限定して光照射工程を行うことにより、基材2上に塗布した重合性液晶分子を高解像度でパターニングして硬化させ、液晶相領域15aを固定化することができる。
[光学素子に用いる材料について]
次に、本発明の製造方法において使用する各材料について説明する。
<基材>
本発明においては、基材上に塗布した重合性液晶分子に液晶相が発現するように、配向能を備えた基材を使用する必要がある。このような配向能を有する基材としては、基材そのものが配向能を有するものである場合と、透明基板上に配向膜が形成されて配向能を有する基材として機能するものとを挙げることができる。
基材そのものが配向能を有するものとして、基材が延伸フィルムである場合を挙げることができる。延伸フィルムを用いることにより、その延伸方向に沿って重合性液晶を配向させることが可能である。したがって、基材の調製は、単に延伸フィルムを準備することにより行うことができるため、工程上極めて簡便であるという利点を有する。このような延伸フィルムとしては、市販の延伸フィルムを用いることも可能であり、また必要に応じて種々の材料の延伸フィルムを形成することも可能である。
具体的には、ポリカーボネート系高分子、ポリアリレートやポリエチレンテレフタレートの如きポリエステル系高分子、ポリイミド系高分子、ポリスルホン系高分子、ポリエーテルスルホン系高分子、ポリスチレン系高分子、ポリエチレンやポリプロピレンの如きポリオレフィン系高分子、ポリビニルアルコール系高分子、酢酸セルロース系高分子、ポリ塩化ビニル系高分子、ポリメチルメタクリレート系高分子等の熱可塑性ポリマーなどからなるフィルムや、液晶ポリマーからなるフィルムなどを挙げることができ、中でもポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが、延伸倍率のレンジ幅が広く、入手性がよいため好適である。
また、透明基板上に配向膜が形成されて配向能を有する基材では、配向処理を選択することにより、比較的広範囲の配向方向を選択することが可能であるという利点を有する。透明基板上に塗布した配向膜の配向処理方法を選択することにより、種々の配向方向を実現することが可能であり、かつより効果的な配向を行うことができる。このような配向膜としては、通常、液晶表示装置等において用いられる配向膜を好適に用いることが可能であり、一般的には、基材フィルムに配向膜を積層させるか、または基材フィルムもしくはこれに積層された配向膜をラビングまたは偏光処理することにより、基材フィルムに配向能を付与することができる。配向膜としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール等が通常使用される。また、ラビング処理は、レーヨン、綿、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート等の材料から選択されるラビング布を金属ロールに巻きつけ、これをフィルムに接した状態で回転させるか、ロールを固定したまま基材フィルムを搬送することにより、フィルム面をラビングで摩擦する方法が通常用いられる。また、光配向膜を用いて偏光照射することによっても、配向能を有する基材を得ることができる。
なお、透明基材としては、透明材料により形成されたものであれば特に限定されるものではなく、例えば石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジット材、あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材を用いることができる。
また、市販の配向膜を使用してもよい。例えば、サンエバー(日産化学株式会社製)、QL及びLXシリーズ(日立化成デュポンマイクロシステムズ株式会社製)、ALシリーズ(JSR株式会社製)、リクソンアライナー(チッソ株式会社製)等の配向膜を基板上に塗布し、上記と同様にして配向処理を施してもよい。
上記のうち、特に本発明の製造方法により得られる位相差制御層15を、図1,2に示すように半透過半反射型液晶表示装置30のうち液晶セル23のインセル側に設けることにより、位相差制御層15を一対のガラス基板11,18で機械的に保護し、また防湿変形を防ぐことができる。また図3,4で図示した光学素子1の基材2をそのまま液晶表示装置30のガラス基板11,18と兼用することにより、位相差制御層15はガラス基板11,18との密着性が高く、また他の基材シートや接着層が不要であることから液晶表示装置30全体を薄型化でき、また接着層における光散乱が生じることもない。
<液晶分子>
本発明において使用される重合性の液晶分子としては、ネマチック規則性、スメクチック規則性、を有する液晶相を形成し得る液晶材料であれば特に限定されるものではないが、ネマチック液晶材料を好適に使用できる。ネマチック液晶材料のなかでも、液晶分子中に2つ以上の重合性基を有するネマチック液晶を好適に使用できる。具体的には、特表平11−513019号公報に開示されているような重合性液晶を使用できる。
重合性液晶分子は、重合性モノマー分子、重合性オリゴマー分子、重合性ポリマー分子等を単体で使用してもよく、またこれら二種以上を混合して使用してもよい。
液晶分子には、その分子構造中に不飽和二重結合を重合性官能基として有するものが好ましく、分子構造の両末端に不飽和二重結合を有するもの(不飽和二重結合を2以上有するもの)がより好ましい。
位相差制御層15を得るために用いられる重合性液晶分子としては、架橋重合性を有するネマチック液晶分子(架橋性ネマチック液晶分子)などをあげることができる。架橋性ネマチック液晶分子としては例えば、1分子中に(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、オキタセン基、イソシアネート基等の重合性基を少なくとも1個有するモノマー、オリゴマー、ポリマー等が挙げられる。また、このような架橋性液晶分子として、より具体的には、下記化1〜12で表される化合物のうちの1種または複数種を混合して用いることができる。
(式中、R及びRはそれぞれ水素又はメチル基を示し、Xは水素、塩素、臭素、ヨウ素、炭素数1〜4のアルキル基、メトキシ基、シアノ基、又はニトロ基を表し、a及びbは、それぞれ個別に2〜12の整数を表す。)
上記化1で表される上記一般式(1)の化合物においては、液晶相を示す温度範囲の広さからR及びRはいずれも水素であることが好ましい。また、Xは塩素又はメチル基であることが好ましい。更に、分子鎖両端の(メタ)アクリロイロキシ基と、芳香環とのスペーサーであるアルキレン基の鎖長を示すa及びbは、それぞれ別個に4〜10の範囲の整数であることが好ましく、6〜9の範囲の整数であることがより好ましい。a及びbのいずれもが0である上記化1で表される化合物は安定性に欠け、加水分解を受け易く、また、化合物自体の結晶性も高い。また、a及びbがそれぞれ13以上であると、等方相転移温度が低い。このような理由から、a及びbが2〜12の範囲にない上記化合物は液晶性を示す温度範囲が狭くなり好ましくない。
位相差制御層15においては、液晶分子の重合度(架橋重合性液晶分子の場合は、架橋重合度)が80以上程度であることが好ましく、90以上程度であることがより好ましい。位相差制御層15を構成する液晶分子の重合度が80より小さいと、均一な配向性を十分に維持できない虞がある。なお、上記重合度、架橋重合度は、液晶分子の重合性官能基のうち液晶分子の重合反応に消費された割合を示す。
<その他の成分>
本発明においては、重合性液晶を含む塗工液が光重合開始剤を含んでなることが好ましい。光重合開始剤としては、ラジカル重合性開始剤を好適に使用できる。ラジカル重合性開始剤は、紫外線等のエネルギーによりフリーラジカルを発生するものであり、例えば、ベンジル(ビベンゾイルとも言う)、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、ベンジルメチルケタール、ジメチルアミノメチルベンゾエート、2−n−ブトキシエチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、メチロベンゾイルフォーメート、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等が挙げることができる。本発明においては、市販の光重合開始剤を使用することもでき、例えば、イルガキュア184、イルガキュア369、イルガキュア651、イルガキュア907(いずれも、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)、ダロキュアー(メルク社製)、アデカ1717(旭電化工業株式会社製)等のケトン系化合物や、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’−テトラフェニル−1,2’ビイミダゾール(黒金化成株式会社製)等のビイミダゾール系化合物を好適に使用できる。
なお、光重合開始剤の他に増感剤を、本発明の目的が損なわれない範囲で添加することもできる。
光重合開始剤は、重合性液晶の液晶規則性を大きく損なわない範囲で添加することが好ましい。光重合開始剤の添加量としては、一般的には液晶分子に対して0.01〜15質量%、好ましくは0.1〜12質量%、より好ましくは、0.5〜10質量%の範囲で塗工液に添加することができる。
本発明においては、重合性液晶を含む塗工液が、更に熱重合開始剤を含んでなることが好ましい。重合性液晶は、加熱によっても重合反応が進行するが、熱重合開始剤を含有することにより、等方相の状態にある重合性液晶を効率的に重合させて硬化することができる。
熱重合開始剤としては、ラジカル重合性開始剤を好適に使用できる。例えば、2,2’−アゾビスイソブチルニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキシルニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、4,4’−アゾビス−4−シアノバレル酸、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物、を挙げることができる。
熱重合開始剤は、重合性液晶の液晶規則性を大きく損なわない範囲で添加することが好ましい。熱重合開始剤の添加量としては、一般的には液晶分子に対し0.01〜15質量%、好ましくは0.1〜12質量%、より好ましくは、0.5〜10質量%の範囲で塗工液に添加することができる。
本発明に使用する重合性液晶を含む塗工液は、界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤を含有することにより、空気界面での液晶配向を制御できる。
界面活性剤としては、重合性液晶材料の液晶発現性を損なうものでなければ、特に限定されることはない。例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック重合体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等の非イオン性界面活性剤、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル等の陰イオン性界面活性剤等が挙げられる。
界面活性剤の添加量としては、一般的には液晶分子に対して0.01〜1質量%、好ましくは0.05〜0.5質量%の範囲で塗工液に添加することができる。
重合性液晶および上記の各成分を溶媒に溶解させて塗工液とすることができる。使用できる溶媒として、重合性液晶および各成分を溶解できるものであれば特に限定されるものではなく、有機溶媒を好適に使用できる。スピンコート法を用いて基材上に塗膜を均一に形成する場合は、溶剤として、酢酸3−メトキシブチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、等を1種類または混合して好適に使用できる。
光により硬化させた液晶相層は、光が入射すると位相差を生じるものでなければならない。位相差は、リタデーション量、すなわち、液晶相層の複屈折率(Δn)と膜厚との積により決定される。従って、液晶相層は屈折率異方性を有するように形成される必要がある。この屈折率異方性は、用いる液晶材料や基材表面の配向能により異なるものではあるが、一般的には、配向方向に平行な面において、配向方向に直角なX軸と配向方向に平行なY軸を仮定した場合に、X軸方向の屈折率nXとY軸方向の屈折率nYとの差Δn、すなわち、
(数1)
Δn=|nX−nY
が、0.03〜0.20程度が好ましく、0.05〜0.15程度がより好ましい。Δnが0.03以下になると、所望のリタデーション量を得るために膜厚を厚くする必要があり、液晶相層の配向性が悪くなる。一方、Δnが0.20を超えると、液晶相層が薄くなりすぎ、膜厚の制御が困難になる。なお、複屈折率の測定は、リタデーション値と光学素子の膜厚を測定することにより算出できる。
リタデーション値は、RETS−1250VA(大塚電子社製)等の市販の光学材料検査装置を用いて測定できる。測定波長は、可視領域(400〜780nm)であることが好ましく、特に、比視感度の最も大きい550nm付近で測定することがより好ましい。
光学素子の膜厚は、触針式段差計等を用いて測定することができ、DEKTAK(Sloan社製)等の市販の測定機器を好適に使用できる。
[半透過型液晶表示装置について]
本発明による製造方法により得られた光学素子1を半透過半反射型の液晶表示装置30に組み込み、位相差制御層15を液晶セル23のインセル側に配置した例を図1,2に模式的に示す。
また図6は、透過表示領域16に対する透過光と、反射表示領域17に対する入射光および反射光を模式的に表す液晶セル23の説明図である。なお同図では、光学的等方領域15bとして気相領域15dが設けられている(第二のケース(b):図4を参照)。
図1,2では、着色層12を構成する赤色パターン12R,緑色パターン12G,青色パターン12Bと、位相差制御層15を構成する液晶相領域15a,光学的等方領域15bと、半透過半反射層24を構成する反射部24a,開口部24bとが、説明の都合上、いずれも紙面左右方向に横並びに配置されるようストライプ状に図示されているが、このうち着色層12については、図6に示すように実際は位相差制御層15や半透過半反射層24のストライプパターンとは直交して配置されている。これにより、図6に示すように液晶セル23の幅方向(図中左右方向)には、短冊状の色パターンを同方向に所望の画素数に相当する本数だけストライプ状に配置し、奥行方向には、短冊状の液晶相領域15a、光学的等方領域15bおよび反射部24a、開口部24bを、同方向に所望の画素数に相当するペア数だけストライプ状に繰り返し形成することで、半透過半反射型液晶表示装置を構成することができる。
またガラス基板11上には遮光性のブラックマトリクス(BM)29によって有効表示領域の外縁と、その中に微細にパターニングされた多数の画素が区画形成されている。BM29は、黒色着色剤を含有する塗料タイプの樹脂組成物の塗布や、CrOx/CrまたはCrOx/CrNy/Cr(x,yは任意の数)などの積層構造からなる多層クロムブラックマトリックスの蒸着やスパッタリング等によって、ガラス基板11のインセル側表面の全面に遮光性材料を塗工した上でフォトリソグラフィー法により所望形状に形成することができる。
図1,2に示す本実施形態の液晶表示装置30においては、BM29は位相差制御層15を構成する液晶相領域15aと光学的等方領域15bとの間の境界領域を被覆するように、すなわち透過表示領域16と反射表示領域17との境目に形成されている。
またBM29は、一般的に10μm程度の線幅で形成される。したがって液晶相領域15aと光学的等方領域15bとの間に形成される境界領域の線幅が10μm以下である場合、当該領域をBM29にて掩覆することができ、境界領域で生じる色シフトや光漏れが観察者に視認されないこととなる。また境界領域の線幅を5μm以下とすることにより、BM29と位相差制御層15との間にパターニング位置精度上の誤差が生じた場合も境界領域をBM29にて好適に掩覆することができる。さらに境界領域の線幅を3μm以下とすることにより、上記のように光学素子1がBM29を備えない場合についても人間の目視により色シフトや光漏れが視認されづらくなるという利点がある。
図1に示す液晶表示装置30では、位相差制御層15が観察者側のガラス基板11上に設けられ、換言すると光学素子1はガラス基板11のインセル側にBM29、着色層12、位相差制御層15、および透明電極層14aが順に塗工形成されたカラーフィルタを構成している。
また図2に示す液晶表示装置30では、位相差制御層15が背面側のガラス基板18上に半透過半反射層24を介して設けられている。
いずれの場合も、光学素子1を構成する液晶相領域15aが反射表示領域17に対応するように、そして光学的等方領域15bが透過表示領域16に対応するように、光学素子1は配置される。
なお図示の各構成は上述のように従来の液晶表示装置30と同様であるため、上記と共通する説明は省略する。
ガラス基板18は、そのインセル側に、TFT等の画素スイッチング素子、データ線、走査線等が形成されて駆動液晶側基板を構成している。
液晶セル23内に封止されたTN液晶などの駆動液晶分子28は、電圧印加時には電界方向に沿って液晶分子が立ち上がり、反射表示領域17、透過表示領域16ともに液晶セル23における位相のずれがゼロとなる。これに対し、非電圧印加時には駆動液晶分子28が寝た状態となり、液晶セル23における位相のずれが反射表示領域17では1/4波長、透過表示領域16では1/2波長となるように、駆動液晶分子28の屈折率異方性Δnおよび駆動液晶層13の層厚が設計されている。
観察者手前側に設けられた直線偏光板(第一偏光板)10の透過軸と、透明電極層14aのインセル側(図中下側)に設けられた配向膜の配向軸とは垂直または平行であり、また非電圧印加時においてはガラス基板11とガラス基板18との間で駆動液晶分子28が90度または270度ねじれた状態となっている。
また背面側に設けられた直線偏光板(第二偏光板)19の透過軸と、第一偏光板10の透過軸とは直交し、すなわち第一および第二偏光板10,19はクロスニコル状態を構成している。
バックライト20は、光源20aと導光板20bと反射板21とから構成され、導光板20bの下面側には、導光板20b中を透過する光を液晶セル23側に向けて出射させるための反射板21が設けられている。
次に、半透過半反射型液晶表示装置30の表示原理について説明する。
(図1の場合)
電圧印加状態では、先ず、観察者側から反射表示領域17に入射した可視光(外光)は、第一偏光板10を透過して直線偏光になると、着色層12で所定の色(所定の波長の可視光)に分光されたのち、光学素子1の液晶相領域15aを透過する際に1/4波長の位相差が与えられて円偏光となって駆動液晶層13に入射する。電圧印加時には駆動液晶層13では位相差が生じないため、円偏光はそのまま駆動液晶層13を通過する。
円偏光は、反射部24aの表面で反射すると偏光方向が反転し、表示側に向かって再度駆動液晶層13を透過する。液晶相領域15aで再び1/4波長の位相差が与えられて直線偏光に変換されると、当該直線偏光は、第一偏光板10と垂直な偏光軸を有しているため、第一偏光板10に吸収されて観察者側へは出射されず、暗表示となる。
一方、バックライト20から透過表示領域16に出射された光は、第二偏光板19を透過して直線偏光となり、その状態で開口部24bを介して液晶セル23を透過する。この直線偏光は、電圧印加時の駆動液晶層13および光学的等方領域15bでいずれも位相差が与えられず、透過軸の直交する第一偏光板10で吸収されるため、暗表示となる。
非電圧印加状態では、液晶セル23を可視光が透過する際に、反射表示領域17では、TN液晶の有する旋光性によって1/4波長、さらに液晶相領域15aによって1/4波長の位相のずれが付与され、他方、透過表示領域16では、TN液晶の有する旋光性によって1/2波長の位相のずれが付与される。従って、外光の場合(反射表示)もバックライト光の場合(透過表示)も、第一偏光板10を透過する直線偏光は、偏光板と平行な偏光軸を有することとなり、第一偏光板10によって出射光が吸収されることはなく、明表示となる。すなわち図示に例示する液晶表示装置30はノーマリ・ホワイト型となる。
また、第二偏光板19を透過することで直線偏光になったバックライト光のうち一部は、反射部24aの裏面で反射するが、 そのまま第二偏光板19を透過してバックライト側に戻り、反射板21によって再度液晶セル23にむけて照射されるため、光の再利用が図られ輝度の高い表示装置が実現できる。
(図2の場合)
電圧印加状態では、先ず、観察者側から反射表示領域17に入射した可視光(外光)は、第一偏光板10を透過して直線偏光になると、着色層12で所定の色(所定の波長の可視光)に分光されたのち、駆動液晶層13を通過する。
そして直線偏光は、光学素子1の液晶相領域15aを透過する際に1/4波長の位相差が付与されて円偏光に変換される。次いで、この円偏光が反射部24aの表面で反射すると偏光方向が反転する。偏光方向が反転した円偏光が、液晶相領域15aを再度透過すると、直線偏光に変換され、その状態で液晶セル23を透過する。この直線偏光は、第一偏光板10と垂直な偏光軸を有しているため、第一偏光板10に吸収されて観察者側へは出射されず、暗表示となる。
一方、バックライト20から透過表示領域16に出射された光は、第二偏光板19を透過して直線偏光となり、その状態で液晶セル23を透過する。この直線偏光は、上記と同様に第一偏光板10に吸収されるため、暗表示となる。
非電圧印加状態では、液晶セル23を光が透過する際に、反射表示領域17では、TN液晶の有する旋光性によって1/4波長、さらに液晶相領域15aによって1/4波長の位相のずれが付与され、透過表示領域16では、TN液晶の有する旋光性によって1/2波長の位相のずれが付与される。従って、外光の場合(反射表示)もバックライト光の場合(透過表示)も、第一偏光板10を透過する直線偏光は、偏光板と平行な偏光軸を有することとなり、第一偏光板10によって出射光が吸収されることはなく、明表示となる。
このように、半透過半反射型の液晶表示装置30に本発明による光学素子1を用いることにより、液晶相領域15aと光学的等方領域15bとのパターニングが高解像度で実現するため、両者の境界領域において中途半端な位相差が透過光に与えられることを防ぐことができる。これにより、透過表示領域16と反射表示領域17の境界において、光量の不足や光漏れによるコントラスト比の低下や色のシフトの発生が抑えられるため、高輝度でコントラストの高い液晶表示装置30が製造できる。
図7および図8は、本発明の光学素子1および液晶表示装置30の変形例を示す断面模式図である。図7に示す光学素子1は、観察者側のガラス基板11上に塗工形成された位相差制御層15の上に、ギャップ制御層25がインセル側に突出して設けられている。ギャップ制御層25は反射表示領域17に対応する位置に設けられ、当該領域の駆動液晶層13の厚さが、透過表示領域16の厚さの半分になるよう設計されている。
具体的には、光透過性の光硬化性または熱硬化性樹脂組成物であるアクリル系やウレタン系の樹脂や、アクリル系やウレタン系のモノマーを混合した材料などを位相差制御層15の上に塗布し、これをフォトリソグラフィー法によって反射表示領域17において重合固定化し、透過表示領域16においてエッチング除去して作製することができる。
またギャップ制御層25の上面に透明電極層14aが形成され、背面側のガラス基板18上に形成された透明電極層14bとともに駆動液晶分子28のスイッチング駆動用の電圧負荷を与える。
図8に示す光学素子1は、液晶相領域15aがギャップ制御層25を兼ねた位相差制御層15備えている。位相差制御層15は上記ケース(b)によって作製され、液晶相領域15aの突出高さが駆動液晶層13の半分の厚さに相当している。これにより、透過表示領域16を通過する可視光に与えられる位相差量は、反射表示領域17を通過する可視光に対する位相差量の二倍となる。
なお、図7に示す位相差制御層15は、未露光領域6(図3を参照)をエッチング除去する必要がないため、同層の作製コストにメリットがある。また図8に示す位相差制御層15は未露光領域6(図4を参照)をエッチング除去する必要はあるものの、ギャップ制御層25を別途積層する必要がないため、その製版コストが排除でき、また光学素子1全体の厚さを低減することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
(1)光学素子の作製
基材として、ガラス基板上に配向膜を設けたものを使用した。具体的には、100×100mmのガラス基板上にJSR株式会社製の配向膜(AL1254)を、スピンコーターを用いて膜厚が0.065μmになるように塗布し、230℃のオーブン内で1時間焼成した。次いで、ラビング装置を用いて、ガラス基板上の配向膜に配向処理を施した。
次いで、得られた基材上に、下記組成の塗工液をスピンコーターにより、焼成後の膜厚が2.2μm程度になるように塗布した。
<塗工液組成>
液晶分子(上記(化11)の化合物) 23.75重量部
光重合開始剤(イルガキュア907) 1.25重量部
溶媒(ジエチレングリコールジメチルエーテル) 75重量部
なお、上記光重合開始剤の極大吸収波長は300nmである。
次に、基板を上記液晶分子の液晶相転移温度以上、等方相転移温度以下である80℃で3分間保持することにより、液晶分子を液晶相状態にした。液晶相への相転移は、塗膜が白濁から透明となることで確認した。つぎに、透過部と遮光部とがそれぞれ線幅70μmのストライプ状に繰り返し形成されたフォトマスクを介して、上記で得られた塗膜に、紫外線照射装置により紫外線を照射し、透過部に存在する重合性液晶分子を三次元架橋させて硬化させた。紫外線照射装置としては、超高圧水銀灯を光源とする自動露光機((株)大日本科研製)を用いた。このとき短波長光カットフィルタを用いて400nm、350nm、300nm以下の光をカットして照射したもの(それぞれ参考例1、実施例1、比較例1)と、光カットフィルタを用いずに紫外線を照射したもの(比較例2)を作製した。
紫外線照射量は、200mJ/cmとした。ただし上記の露光量は365nm(i線)の照度から測定したものである。また365nm波長の紫外線をカットする参考例1の場合は、短波長カットフィルタを通過する前の照射光の照度を意味する。このようにして、基材上にパターニングされた液晶相層を形成した。
つづけてフォトマスクの遮光部に対応する位置に光学的等方領域を作製した。具体的には、上記第一のケース(a−1)にしたがって、等方相転移させた未露光の液晶分子により等方相領域を固定形成したもの(参考例1a、実施例1a、比較例1a、比較例2a)と、上記第二のケース(b)にしたがって未露光の液晶分子をエッチング除去して気相領域を形成したもの(参考例1b、実施例1b、比較例1b、比較例2b)とをそれぞれ作製した。
(第一のケース(a−1))
基材および塗膜を230℃のオーブンに30分間保持し焼成を行うことにより、未硬化の液晶分子を等方相状態で重合させて硬化させた。このようにして、液晶相領域と等方相領域とがストライプ形状に交互にパターニングされた光学素子を得た(図3を参照)。
(第二のケース(b))
基材および塗膜を有機溶剤(メチルエチルケトン)に浸漬することで、未硬化の状態にある液晶分子をエッチング除去し、さらに230℃のオーブンに30分間保持し焼成した。このようにして、液晶相領域のみがストライプ形状にパターニングされた光学素子を得た(図4を参照)。
(2)評価
得られた光学素子に対し、液晶相領域の位相差(リタデーション)を、光学材料検査装置(RETS−1250VA:大塚電子(株)製)を用いて550nmの測定波長にて測定した。
また、クロスニコルにした一対の直線偏光板に、上記参考例1、実施例1、比較例1,2にかかる光学素子をそれぞれ挟持した状態で偏光顕微鏡(オリンパス(株)製:BX50)にて観察した。上記偏光顕微鏡は、色温度転換フィルタと減光フィルタとを備えている。
観察は、(i)まず上記フィルタをすべて開いて光量を最大とした状態で、光学素子をその法線まわりに回転させて、液晶相領域から透過する光がもっとも少なくなる角度位置を消光位、すなわち暗表示位置と定めて顕微鏡写真を撮影した。つぎに、(ii)消光位から法線まわりに45度だけ光学素子を回転した角度位置を明表示位置と定め、上記フィルタを閉じて光量を抑えた上で顕微鏡写真を撮影した。
撮影された顕微鏡写真を画像処理によりグレースケール化し、目視により液晶相領域の解像の良否を判断した。また顕微鏡写真を画像処理により白黒5階調化し、マスクの線幅(70μm)と比較して、液晶相領域と光学的等方領域との間に形成された境界領域の幅を比例計算で求めた。なお、後記図13および18に示すように、白黒5階調画像のうち、第五階調(黒色)と第二階調とが支配的であることから、第五階調の領域を光学的等方領域、第二階調の領域を位相差相領域と定め、互いに隣接する第一,第三,第四階調の領域をあわせて境界領域と定めた。
本発明においては、上記方法により定められた第一,第三,第四階調の領域の合計幅を、所定量に満たない位相差を透過光に実質的に生じさせる境界領域の幅とする。
(3)結果
上記評価結果を下記の表1にまとめる。
(表1)
実施例1aおよび1bについては、液晶相領域から光が透過し、光学的等方領域からは光が透過しない様子が確認できた。また光学材料検査装置で測定されたリタデーションは約300nmであった。
実施例1aの暗表示位置と明表示位置におけるグレースケール画像を図9,10にそれぞれ示す。同様に実施例1bの暗表示位置と明表示位置におけるグレースケール画像を図11,12にそれぞれ示す。また実施例1bの明表示位置における白黒5階調画像を図13に示す。同図より、実施例1bの場合、偏光顕微鏡で観察された境界領域の幅は1μm以下であった。
これに対し、参考例1aおよび1bについては、照射光からi線(365nm波長光)がカットされたことにより液晶分子が十分に光重合せず、その後のエッチング工程による液晶相領域の浸食や焼成工程による液晶分子の相転移が生じたため、十分なリタデーションが得られなかった。
また比較例1a,1bおよび2a,2bについては、いずれも約300nmと十分なリタデーションは得られたものの、境界領域が幅広に形成され、解像性が不良となった。
比較例2aの暗表示位置と明表示位置におけるグレースケール画像を図14,15にそれぞれ示す。同様に比較例2bの暗表示位置と明表示位置におけるグレースケール画像を図16,17にそれぞれ示す。また比較例2bの明表示位置における白黒5階調画像を図18に示す。同図より、比較例2bの場合、偏光顕微鏡による観察により約26μm幅の境界領域が認められた。
以上より、i線よりも短波長の紫外線をカットして照射した本発明の実施例により、十分なリタデーションが得られるとともに、液晶相領域のパターニング解像度が向上した位相差制御層が得られることが確認された。
本発明による光学素子1を備えた半透過半反射型液晶表示装置30の一例を示す断面模式図である。 本発明による光学素子1を備えた半透過半反射型液晶表示装置30の別の一例を示す断面模式図である。 第一のケース(a)にかかる光学素子1の製造方法を示す模式図である。 第二のケース(b)にかかる光学素子1の製造方法を示す模式図である。 液晶相領域15aと光学的等方領域15bとの境界に形成される境界領域の模式図である。 透過表示領域16に対する透過光と、反射表示領域17に対する入射光および反射光を模式的に表す液晶セル23の説明図である。 光学素子1および液晶表示装置30の変形例を示す断面模式図である。 光学素子1および液晶表示装置30の変形例を示す断面模式図である。 実施例1aの暗表示位置におけるグレースケール画像である。 実施例1aの明表示位置におけるグレースケール画像である。 実施例1bの暗表示位置におけるグレースケール画像である。 実施例1bの明表示位置におけるグレースケール画像である。 実施例1bの明表示位置における白黒5階調画像である。 比較例2aの暗表示位置におけるグレースケール画像である。 比較例2aの明表示位置におけるグレースケール画像である。 比較例2bの暗表示位置におけるグレースケール画像である。 比較例2bの明表示位置におけるグレースケール画像である。 比較例2bの明表示位置における白黒5階調画像である。
符号の説明
1 光学素子
2 基材
3 配向膜
4 塗膜
5 フォトマスク
6 未露光領域
11,18 ガラス基板
15 位相差制御層
15a 液晶相領域
15b 光学的等方領域
15c 等方相領域
15d 気相領域
16 透過表示領域
17 反射表示領域
23 液晶セル
24 半透過半反射層
24a 反射部
24b 開口部
30 半透過半反射型液晶表示装置

Claims (9)

  1. 透過光に位相差を生じさせる液晶相領域が光透過性の基材上にパターニングされてなる光学素子を製造する方法であって、
    (i)重合性の液晶分子を含む塗工液を前記基材上に塗布して塗膜を形成する塗布工程、
    (ii)前記液晶分子を液晶相状態にしてこれを配向させる配向工程、
    (iii)前記液晶相状態の液晶分子に、短波長カットフィルタおよびフォトマスクを介して活性放射線をパターン照射することにより、当該照射された液晶分子同士を重合硬化させて前記液晶相領域をパターン形成する光照射工程、
    を含む光学素子の製造方法。
  2. 高圧水銀灯または超高圧水銀灯を前記活性放射線の照射装置として用いるとともに、前記短波長カットフィルタにより少なくとも320nm以下の波長の光を実質的にカットすることを特徴とする請求項1に記載の光学素子の製造方法。
  3. 透過光に位相差を生じさせる液晶相領域が光透過性の基材上にパターニングされてなる光学素子を製造する方法であって、
    (i)重合性の液晶分子と、光重合開始剤とを含む塗工液を前記基材上に塗布して塗膜を形成する塗布工程、
    (ii)前記液晶分子を液晶相状態にしてこれを配向させる配向工程、
    (iii)前記液晶相状態の液晶分子に、フォトマスクを介して活性放射線をパターン照射することにより、当該照射された液晶分子同士を重合硬化させて前記液晶相領域をパターン形成する光照射工程、
    を含み、かつ、
    前記光照射工程でパターン照射する活性放射線に実質的に含まれる光の波長が、前記光重合開始剤の極大吸収波長よりも長いことを特徴とする、光学素子の製造方法。
  4. 前記パターン照射される活性放射線に実質的に含まれる最も短い波長の光に対する前記光重合開始剤の吸光度が、前記極大吸収波長の光に対する吸光度の50%以下である請求項3に記載の光学素子の製造方法。
  5. 透過光に位相差を生じさせない等方相領域が、前記液晶相領域とともに前記基材上にパターニングされてなる光学素子を製造するための請求項1から4のいずれかに記載の方法であって、
    前記光照射工程(iii)の後に、
    (iv-1)前記液晶相領域がパターン形成された塗膜を加熱して、未硬化の液晶分子を等方相状態にする等方相転移工程、および
    (v)当該等方相の液晶分子同士を熱重合させることにより前記等方相領域を形成する焼成工程、
    を行うことを特徴とする、光学素子の製造方法。
  6. 前記光照射工程(iii)の後に、
    (iv-2)前記液晶相領域がパターン形成された塗膜より、未硬化の液晶分子を除去する除去工程
    を行うことを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の光学素子の製造方法。
  7. 前記塗工液が、更に熱重合開始剤を含んでなる、請求項1〜6のいずれかに記載の光学素子の製造方法。
  8. 透過光に所定量の位相差を生じさせる液晶相領域と、透過光に位相差を生じさせない光学的等方領域とが、光透過性の基材上にパターニングされてなる光学素子であって、
    前記液晶相領域と光学的等方領域との境界に形成された、前記所定量に満たない位相差を透過光に実質的に生じさせる境界領域の幅が10μm以下であることを特徴とする光学素子。
  9. 透過表示領域と反射表示領域とを共に備える画素が複数配列された半透過半反射型液晶表示装置であって、
    異なる色の可視光をそれぞれ透過する複数色の着色領域が配列された着色層を前記基材上に更に備える請求項8に記載の光学素子が、前記液晶相領域と前記反射表示領域とが対向するように組み付けられてなる半透過半反射型液晶表示装置。
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