JP2004133179A - 偏光素子およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材上に液晶材料を塗布することにより液晶相を形成し、前記液晶相を液晶が発現する温度以上に保持してパターニングすることにより、液晶相の所定部分のみを硬化させて反射部を形成し、次に、前記液晶材料を等方相転移温度以上に保持することにより、未硬化である前記液晶相部分を等方相に転移させ、前記等方相部分の液晶材料を硬化させることにより透明部を形成する工程を含んでなることを特徴として製造する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
液晶表示装置に使用される偏光素子に関し、特に、面積分割型の液晶表示装置に使用される偏光素子に関する。
【0002】
【従来技術】
半透過型液晶表示装置は、消費電力が少ない事や、外光がない場合はバックライトを利用した透過表示が可能であるため、あらゆる環境において使用できるといった特徴を有し、携帯機器等のディスプレイとして広く使用されようとしている。
【0003】
このような半透過型液晶表示装置として、半透過反射板、例えばハーフミラーを備えたものが開発されている。このようなハーフミラーは、真空蒸着法等で製造した光半透過性の金属薄膜を反射面全面に配置する方法(以下において「金属薄膜法」という。)と、金属電極として配置した反射部分と透過電極として配置した透明部分とを交互に設け、両者の面積率に応じて反射と透過とをコントロールする方法(以下において「面積分割法」という。)とがある。
【0004】
面積分割法においては、特開2002−122859号公報に開示されているように、全反射金属をエッチングによりパターニングし、金属が残っている部分を反射部として使用し、金属を除去した開口部分を光透過用の透明部として使用する半透過反射膜が採用されている(特許文献1参照)。
【0005】
さらに、近年、偏光反射層を備える反射型または半透過型の液晶表示装置が開発されてきている。かかる偏光反射層は、特定方向の円偏光のみを選択的に反射し、反射光と異なる偏光方向を有する光を透過するものである。このような偏光素子を半透過反射層として用いることにより、バックライトの光利用効率を高めることができるため、液晶表示装置への使用が期待されている。かかる偏光素子として、特開2000−171789号公報や、特開2001−4842号公報にはコレステリック液晶を用いたものが開示されている(特許文献2および特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−122859号公報
【特許文献2】
特開2000−171789号公報
【特許文献3】
特開2001−4842号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、液晶表示装置が表示素子を2枚の支持基板間に配置する、いわゆるインセル構造の場合、すなわち、例えば、観察者側から順に、上面側偏光板/上面側ガラス基板/液晶/背面側ガラス基板/背面側偏光板/光源/反射板の構造を有する液晶表示装置において、上面側ガラス基板と背面側ガラス基板との間に表示素子が配置される構造の場合には、当該液晶表示装置は半透過反射板上に電極や液晶層を形成していくことのより製造されるため、上記のような面積分割型のパターニングされた半透過反射板では、開口部分と非開口部分との凹凸でセルギャップが異なり、当該半透過反射膜上にITO電極層や配向層などの薄膜を成膜する際に凹凸の段差があるため良好な膜が得られず、断膜の原因になっていた。
【0008】
特に、特開2000−171789号公報等に開示されるような、コレステリック液晶からなる偏光素子を、面積分割型の表示装置に使用する場合にあっては、コレステリック層の厚みが従来の金属反射薄膜よりも厚いため、偏光素子をエッチング等によりパターニングすると、凹凸部の段差も大きくなり、配向膜等の成膜時に断膜し易くなると予想される。
【0009】
一方、凹凸部の段差が大きい場合には、エッチングされた凹部に、例えばアクリル樹脂やエポキシ樹脂等の透明樹脂を設けることにより凹凸部をなくし、当該偏光素子を平坦化することも考えられる。
【0010】
しかしながら、偏光素子のエッチングされた部分に透明樹脂を埋め込むと、反射部分と透明樹脂部分の屈折率が異なるため、界面での反射率が異なり、表示品位に悪影響を及ぼすことになる。特に、コレステリック液晶を反射層として用いる場合には、液晶セル内で界面反射率の異なる領域があると、かかる領域間で偏光状態に違いが生じ、表示品位が低下するという問題が生ずる。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の問題を解決することに向けられたものであり、より詳細には、面積分割型表示装置の半透過反射板として使用される偏光素子であって、凹凸のない実質的に均一な平面有し、かつ、光透過部分と光反射部分との屈折率が実質的に同一な偏光素子を提供することにある。
【0012】
上記の目的を達成するために、本発明の偏光素子は、パターニングにより反射部と透過部とが形成され、前記反射部が、所定の円偏光成分の光のみを反射する偏光素子であって、前記反射部と前記透明部とが、同一材料で形成されていることにより、両者屈折率が実質的に同一であり、さらに前記反射部と前記透明部とから形成される前記偏光素子の表面が平坦で実質的に凹凸がないことを特徴とする。このように、同一材料で反射部と透明部を形成することにより、両者の屈折率が同じになるため、光が当該反射部または反射部を通過した場合でも、偏光状態が変化することがない。また、反射部と透明部との厚みが同じにすることにより、パターニングしても偏光素子の凹凸部分がなく、その後の成膜工程での断膜等を避けることができる。
【0013】
本発明の態様として、前記材料が、液晶材料であり、前記反射部が、液晶を発現させた規則的液晶配列を有する液晶相からなる光学機能層であり、前記透過部が、液晶を発現させない等方相からなる透明層であることが好ましい。このように、液晶材料の液晶分子の配列秩序を制御することにより、同一材料で、反射部と透明部とを形成できる。
また、前記液晶材料が、コレステリック液晶材料を含んでなることが好ましい。液晶材料として、コレステリック液晶を含んでなる材料を用いることにより、所定の偏光方向を有する円偏光のみを反射することができる反射部を形成することができる。また、かかる液晶材料を所定の等方相転移温度以上で硬化させることにより、または、液晶相が発現した状態で一旦硬化させたものを高温焼成で形成することにより、単なる透明樹脂としての機能も発現させることができる。
【0014】
さらに好ましくは、前記コレステリック液晶が、放射線硬化型液晶である。
【0015】
このように、放射線硬化型のコレステリック材料を用いると、反射部と透過部とのパターニングを、フォトマスク等により簡易に形成することができる。
【0016】
本発明の別の態様である偏光素子の製造方法は、基材上に液晶材料を塗布することにより液晶相を形成し、前記液晶相を液晶が発現する温度以上に保持してパターニングすることにより、液晶相の所定部分のみを硬化させて反射部を形成し、次に、前記液晶材料を等方相転移温度以上に保持することにより、未硬化である前記液晶相部分を等方相に転移させ、前記等方相部分の液晶材料を硬化させることにより透明部を形成する工程を含んでなることを特徴とするものである。このように、液晶発現温度で一旦、反射部を形成した後、等方相転移温度以上の温度で液晶材料を硬化させて透明部を形成することにより、同一材料で、反射部と透明部とを形成することができる。
【0017】
また、本発明の別の態様として、基材上に液晶材料を塗布することにより液晶相を形成し、前記液晶相を等方相転移温度以上で保持することにより、等方相に移転させ等方相の前記液晶材料をパターニングすることにより、所定部分のみを硬化させて透明部を形成し、次に、前記液晶材料を液晶が発現する温度に保持することにより、未硬化である前記等方相部分を液晶相に転移させ、前記液晶相部分の液晶材料を硬化させることにより反射部を形成する工程を含んでなることを特徴とするものである。このように、上記の方法とは逆に、透明部を形成した後、反射部を形成することもできる。
【0018】
上記の製造方法においては、前記液晶層の硬化を、フォトマスクを介して、電離放射線露光により行うことが好ましい。このように、フォトマスクを介した光硬化により、簡単に、反射部と透明部とを形成することができる。
【0019】
さらに別の態様として、基材上に液晶材料を塗布することにより液晶相を形成し、前記液晶相を液晶が発現する温度以上に保持して、前記液晶相の全面を一旦硬化させて反射部を形成し、次に、パターニングにより、前記反射部の所定部分を、加熱処理して前記反射部の所定部分のみを等方相に変換することにより透明部を形成することを特徴とするものである。上記に説明したように、一旦反射部を形成した後に、当該反射部の所定部分を高温焼成することによっても、反射部と透明部とを任意の面積比率で形成することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の偏光素子およびその製造方法について、図を参照しながらさらに詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態である偏光素子の概略断面図を示したものである。また、図2は、図1に示した偏光素子の一主面を示したものである。本発明の偏光素子は、透明な基材上にコレステリックな分子配列を有する液晶相が硬化した層(以下、コレステリック層という。)と、その液晶相が等方相に転移した状態で硬化した層(以下、等方層という)とが格子状にパターニングされた状態で、形成されている。これらのコレステリック層と等方層とは、同一の材料から形成されたものであるため、実質的に両者の屈折率は等しい。コレステリック層を通過する光は、右円偏光(または左円偏光)のみ透過し、左円偏光(または右円偏光)は反射する。
【0022】
このような偏光素子をインセル型の半透過液晶表示装置に組み込んだ場合の一例を図3に示す。当該液晶表示装置は、観察者側から順に、前面側円偏光板、前面側ガラス基板、カラーフィルター層、前面側電極、液晶層、背面側電極、偏光素子、背面側ガラス基板、背面側円偏光板、バックライト光源、拡散反射板で構成されている。
【0023】
上面側円偏光板は、直線偏光板と、固定リターダ層であるλ/4位相差板が組み合わされて構成され、自然光を右回りの円偏光に変換する。
【0024】
透明電極はITO層で構成され、当該ITO層背面には液晶層が設けられている。さらにITOの液晶層側には配向膜が設けられている(図示せず)。
【0025】
本発明の偏光素子は、コレステリック層が形成されている部分と、形成されていない部分(透明部)とが前記背面側ガラス基板上に交互に配置されている。当該偏光素子上にはITO電極層が配置されている。さらにITO電極層の上面には配向膜が設けられている(図示せず)。なお、当該偏光素子内部にはTFTやTFDなど、液晶を駆動するための素子等が設けられている(図示せず)。このような構成においては、TFTやTFDは、コレステリック液晶材料からなる偏光素子により絶縁が行われているので、あらためてその周囲に絶縁層を設けなくてもよい。また、背面側ガラス基板には偏光素子に接するように導電層が設けられ、これからTFTやTFDへの電気の供給、ITO層等への導通などが行われる(図示せず)。
背面側ガラス基板のさらに背面には、背面側円偏光板が配置されており、当該背面側円偏光板は、直線偏光板と、固定リターダ層であるλ/4位相差板が組み合わされた構成であり、自然光を左回りの円偏光に変換する。なお、図3に示した液晶表示体は一例であり、構成部材の組み合わせや、構成順序はこれに限られるものではない。
【0026】
本発明の偏光素子では、コレステリック液晶相からなる反射部と、等方相からなる透明部とが、同一材料で形成されている。また、当該反射部と透明部とは、後述するように、コレステリック液晶材料の硬化温度を変えることにより、液晶分子の配列構造が異なる状態で固化させて形成したものであるため、両者の屈折率は実質的に同一である。このように、反射部と透明部との屈折率を同一にした偏光素子を用いることにより、光が当該反射部または反射部を通過した場合でも、偏光状態が変化することがない。すなわち、透過部を有する反射板として機能する本発明の偏光素子を、面積分割型の液晶表示装置で使用する場合、バックライトから出射された光は位相差版や直線偏光板を通過し偏光されて、当該偏光素子の透明部を通過する。この偏光素子に入射する光は、当該偏光素子の一主面に対して垂直方向(入射角が0°)だけでなく、ある程度の入射角をもって入射するものもある。図4に示すように、入射光が当該偏光素子にある入射角をもって入射した場合、透明部と反射部との屈折率が異なると、その界面で入射光が反射されて光の位相が反転し偏光状態が変化することになる。この位相が反転した偏光がコントラスト等の表示特性を著しく悪化させる。本発明の偏光素子では、反射部と透明部との屈折率とを同じにすることにより、上記の問題を解決したものである。
【0027】
また、液晶セルに上記偏光素子を組み込む場合、セル製造工程において、例えば200℃以上の高温加熱される場合がある。反射部と透明部が実質的に同材料であれば、熱膨張の性質が同一となるため、熱履歴に関して、膜剥がれや素子の歪み等の不具合を解決することができる。
【0028】
ここで、実質的に同一とは、以下の内容を意味する。すなわち、液晶構造を発現させた液晶材料を高温焼成することにより、透明層に転移させた場合、その加熱により、ごく僅かではあるが、液晶材料中に含まれるカイラル剤が失活したり、また液晶分子の分解(変性)が起こる。したがって、厳密には当該液晶材料の分子組成が、加熱の前後で変化する。当該液晶材料で形成される反射部や透明部の屈折率は、液晶材料の分子構造や分子組成に起因して変化するため、加熱の前後では、かかる屈折率も厳密には変化する。本願明細書で使用する「実質的に同一」なる用語は、かかる微小な屈折率の変化をも含めて、両者の屈折率が同一であることを意味するものである。
【0029】
また、本発明の偏光素子は、光が反射する部分(反射部)と光が透過する部分(透明部)とが、所定のパターンとなるように形成されており、当該反射部と透明部とからなる偏光素子表面が平坦で実質的に凹凸がない。ここで、実質的に凹凸がないとは、以下の内容を意味する。すなわち、上記で説明したように、液晶材料を液晶相から等方相(透明部)に転移させる際に加熱するので、その際に、ごく微量ではあるが、液晶材料を構成する分子の熱分解や気化が起こる。そのため、加熱した部分と加熱しない部分とでは、僅かに体積が異なり、加熱した部分の膜厚が僅かに薄くなる。本願明細書で使用する「実質的に凹凸がない」なる語は、かかる僅かな凹凸も含めて、透明部と反射部とからなる偏光素子表面が平坦で凹凸がないことを意味するものである。
【0030】
従来の金属反射薄膜よりも、コレステリック液晶材料からなる偏光素子では、膜厚が厚いため、従来のようにパターニングして光透過部を形成すると、エッチングされて液晶層が除去された部分と、除去されない部分の段差が大きくなるため、ITO電極層や配向膜を当該偏光素子上に直接設けることができない。そのため、凸部である反射部と、凹部である光透過部とで別々にITO電極層等を形成する必要がある。本発明の偏光素子では、反射部と透明部(光透過部)との厚みが同じになるように形成されているため、直接、ITO電極層等をその上に設けることができ、また、凹凸の段差がないため、形成したITO電極等が断膜することもない。
【0031】
上記のような構成を有する液晶表示装置において、本発明の偏光素子の光学的作用は、外光からの光を、当該偏光素子の反射部で、所定の円偏光に変換して液晶層側に反射し、一方、透明部でバックライトからの光を透過させて液晶層に入射させることにより、透過型の表示と反射型の表示を行えるようにするものである。すなわち、本発明の偏光素子では反射部と透明部とを交互に配置することにより、半透過型液晶表示装置を構成することができる。また、反射部と透明部との面積比を変化させることにより、もしくは、当該偏光素子の膜厚を変化させることにより、任意の透過率(反射率)を備えた半透過型液晶表示装置を提供することができる。
【0032】
次に、このような本発明の偏光素子を構成する各要素について説明する。
【0033】
<液晶材料>
本発明の偏光素子は、液晶材料が所定の液晶規則性を有して硬化された反射部と液晶規則性を有さない等方層とから形成されている。このような液晶材料としては、ネマチック液晶やコレステリック液晶を用いることができ、特に、コレステリック液晶が好適に用いられる。かかる材料としては、これらのみで液晶相を形成した場合に、ネマチック規則性、スメクチック規則性、またはコレステリック規則性を有する液晶相を形成し得る重合性液晶材料であれば特に限定されるものではないが、分子の両末端に重合性官能基があることが、耐熱性のよい光学素子を得る上で好ましい。
【0034】
このような重合性液晶材料の一例としては、例えば下記の一般式(1)で表わされる化合物(I)や下記に示す化合物を挙げることができる。化合物(I)としては、一般式(1)に包含される化合物の2種を混合して使用することも可能である。
【0035】
重合性液晶材料としては、一般式(1)に包含される化合物や下記の化合物の2種以上を混合して使用することもできる。
【0036】
【化1】
【化2】
化合物(I)を表わす一般式(1)において、R1及びR2はそれぞれ水素又はメチル基を示すが、液晶相を示す温度範囲の広さからR1及びR2は共に水素であることが好ましい。Xは水素、塩素、臭素、ヨウ素、炭素数1〜4のアルキル基、メトキシ基、シアノ基、ニトロ基のいずれであっても差し支えないが、塩素又はメチル基であることが好ましい。また、化合物(I)の分子鎖両端の(メタ)アクリロイロキシ基と、芳香環とのスペーサーであるアルキレン基の鎖長を示すa及びbは、それぞれ個別に2〜12の範囲で任意の整数を取り得るが、4〜10の範囲であることが好ましく、6〜9の範囲であることがさらに好ましい。a=b=0である一般式(1)の化合物は、安定性に乏しく、加水分解を受けやすい上に、化合物自体の結晶性が高い。また、a及びbがそれぞれ13以上である一般式(1)の化合物は、アイソトロピック転移温度(TI)が低い。この理由から、これらの化合物はどちらも液晶性を示す温度範囲が狭く好ましくない。
【0037】
上述した例では、重合性液晶モノマーの例を挙げたが、本発明においては、重合性液晶オリゴマーや重合性液晶高分子等を用いることも可能である。このような重合性液晶オリゴマーや重合性液晶高分子としては、従来提案されているものを適宜選択して用いることが可能である。
【0038】
本発明においては、また、ネマチック液晶にカイラル剤を加えた、コレステリック規則性を有するカイラルネマチック液晶を、好適に使用することもできる。カイラル剤としては、光学活性な部位を有する低分子化合物であり、分子量1500以下の化合物を意味する。カイラル剤は主として化合物(I)が発現する正の一軸ネマチック規則性に螺旋ピッチを誘起させる目的で用いられる。この目的が達成される限り、化合物(I)や上記の化合物と、溶液状態あるいは溶融状態において相溶し、上記ネマチック規則性をとりうる重合性液晶材料の液晶性を損なうことなく、これに所望の螺旋ピッチを誘起できるものであれば、下記に示すカイラル剤としての低分子化合物の種類は特に限定されないが、分子の両末端に重合性官能基があることが耐熱性のよい光学素子を得る上で好ましい。液晶に螺旋ピッチを誘起させるために使用するカイラル剤は、少なくとも分子中に何らかのキラリティーを有していることが必須である。従って、本発明で使用可能なカイラル剤としては、例えば1つあるいは2つ以上の不斉炭素を有する化合物、キラルなアミン、キラルなスルフォキシド等のようにヘテロ原子上に不斉点がある化合物、あるいはクムレン、ビナフトール等の軸不斉を持つ化合物が例示できる。さらに具体的には、市販のカイラルネマチック液晶、例えば、Merck社製S−811等が挙げられる。
【0039】
しかし、選択したカイラル剤の性質によっては、化合物(I)が形成するネマチック規則性の破壊、配向性の低下、あるいは該化合物が非重合性の場合には、液晶性組成物の硬化性の低下、硬化フィルムの信頼性の低下を招くおそれがある。さらに、光学活性な部位を有するカイラル剤の多量使用は、組成物のコストアップを招く。従って、短ピッチのコレステリック規則性を有する円偏光制御光学素子を製造する場合には、本発明の液晶性組成物に含有させる光学活性な部位を有するカイラル剤には、螺旋ピッチを誘発する効果の大きなカイラル剤を選択することが好ましく、具体的には一般式(2)、(3)または(4)で表されるような分子内に軸不斉を有する低分子化合物(II)の使用が好ましい。
【0040】
【化3】
【化4】
【化5】
カイラル剤(II)を表わす一般式(2)、(3)又は(4)において、R4は水素又はメチル基を示す。Yは上記に示す式(i)〜(xxiv)の任意の一つであるが、なかでも、式(i),(ii),(iii),(v)及び(vii)の何れか一つであることが好ましい。また、アルキレン基の鎖長を示すc及びdは、それぞれ個別に2〜12の範囲で任意の整数をとり得るが、4〜10の範囲であることが好ましく、6〜9の範囲であることがさらに好ましい。c又はdの値が0又は1である一般式(2)又は(3)の化合物は、安定性に欠け、加水分解を受けやすく、結晶性も高い。一方、c又はdの値が13以上である化合物は融点(Tm)が低い。これらの化合物は液晶性を示す化合物(I)と、もしくは化合物(I)との相溶性が低下し、濃度によっては相分離等が起きるおそれがある。
【0041】
本発明の重合性液晶材料に配合されるカイラル剤の量は、螺旋ピッチ誘起能力や最終的に得られる円偏光制御光学素子のコレステリック性を考慮して最適値が決められる。具体的には、用いる重合性液晶材料により大きく異なるものではあるが、重合性液晶材料の合計量100重量部当り、0.01〜60重量部、好ましくは0.1〜40重量部、さらに好ましくは0.5〜30重量部、最も好ましくは1〜20重量部の範囲で選ばれる。この配合量が上記範囲よりも少ない場合は、重合性液晶材料に充分なコレステリック性を付与できない場合があり、上記範囲を越える場合は、分子の配向が阻害され、活性放射線によって硬化させる際に悪影響を及ぼす危惧がある。
【0042】
本発明においては、このようなカイラル剤としては、特に重合性を有することが必須ではない。しかしながら、得られる光学機能層の熱安定性等を考慮すると、上述した重合性液晶材料と重合し、コレステリック規則性を固定化することが可能な重合性のカイラル剤を用いることが好ましい。特に、分子の両末端に重合性官能基があることが、耐熱性のよい光学素子を得る上で好ましい。
【0043】
<基材>
上記のように、本発明の偏光素子は、配向能を有する基材上に液晶材料を塗布して、硬化させることにより、透明部と反射部とを形成することが好ましい。このような配向能を有する基材としては、基材そのものが配向能を有するものである場合と、透明基板上に配向膜が形成されて配向能を有する基材として機能するものとを挙げることができる。
【0044】
基材そのものが配向能を有するものとして、基材が延伸フィルムである場合を挙げることができる。このように延伸フィルムを用いることにより、その延伸方向に沿って液晶材料を配向させることが可能である。したがって、基材の調製は、単に延伸フィルムを準備することにより行うことができるため、工程上極めて簡便であるという利点を有する。このような延伸フィルムとしては、市販の延伸フィルムを用いることも可能であり、また必要に応じて種々の材料の延伸フィルムを形成することも可能である。
【0045】
具体的には、ポリカーボネート系高分子、ポリアリレートやポリエチレンテレフタレートの如きポリエステル系高分子、ポリイミド系高分子、ポリスルホン系高分子、ポリエーテルスルホン系高分子、ポリスチレン系高分子、ポリエチレンやポリプロピレンの如きポリオレフィン系高分子、ポリビニルアルコール系高分子、酢酸セルロース系高分子、ポリ塩化ビニル系高分子、ポリメチルメタクリレート系高分子等の熱可塑性ポリマーなどからなるフィルムや、液晶ポリマーからなるフィルムなどを挙げることができる。
【0046】
本発明においては、中でもポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが、延伸倍率のレンジ幅が広い点、さらには入手のしやすさ等の観点から好ましく用いられる。
【0047】
本発明に用いられる延伸フィルムの延伸率としては、配向能が発揮し得る程度の延伸率であれば特に限定されるものはない。したがって、2軸延伸フィルムであっても2軸間で延伸率が異なるものであれば用いることが可能である。
【0048】
この延伸率は、用いる材料により大きく異なるものであり、特に限定されるものではないが、一般的には150%〜300%程度のものを用いることが可能であり、好ましくは200%〜250%のものが用いられる。
【0049】
また、透明基板上に配向膜が形成されて配向能を有する基材では、配向膜を選択することにより、比較的広範囲の配向方向を選択することが可能であるという利点を有する。透明基板上に塗布する配向膜形成用塗工液の種類を選択することにより、種々の配向方向を実現することが可能であり、かつより効果的な配向を行うことができる。このような配向膜としては、通常、液晶表示装置等において用いられる配向膜を好適に用いることが可能であり、一般的には、基材フィルムに配向膜を積層させるか、または基材フィルムもしくはこれに積層された配向膜をラビングすることにより、基材フィルムに配向能を付与することができる。配向膜としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール等が通常使用される。また、ラビング処理は、レーヨン、綿、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート等の材料から選択されるラビング布を金属ロールに巻きつけ、これをフィルムに接した状態で回転させるか、ロールを固定したまま基材フィルムを搬送することにより、フィルム面をラビングで摩擦する方法が通常用いられる。また、光配向膜を用いることも可能である。
【0050】
なお、透明基材としては、透明材料により形成されたものであれば特に限定されるものではなく、例えば石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジット材、あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材を用いることができる。
【0051】
<偏光素子の製造方法>
図5は、本発明の偏光素子の製造工程を示した概略図である。まず、図5(1)に示すように、基材上に放射線硬化型液晶材料を塗布する。塗布法としては、公知の技術を用いることができる。具体的には、ロールコート法、グラビアコート法、スライドコート法、浸漬法等により、基板上の液晶材料を塗布することができる。なお、基材と液晶材料との密着性を上げるため、特開平8−278491号公報に記載されているように、基材上に接着層を設けてから、当該接着剤層上に液晶材料を塗布してもよい。
【0052】
次に、放射線硬化型液晶材料を液晶構造が発現する所定の温度に保持し(以下、このような硬化前の液晶構造の状態を液晶相という)、その状態で、フォトマスクを使用して、液晶材料に電離放射線を露光して硬化させることにより、任意の位置に液晶発現層(反射部)を形成する(図5(2)および図5(3)を参照)。当該液晶層以外の部分、すなわち、フォトマスクにより、電離放射線が露光されなかった部分については、液晶材料が固化していない状態(液晶相)である。
【0053】
液晶相を硬化させる方法としては、三次元架橋方法を用いる場合は、例えば、液晶分子に光重合開始剤を添加して紫外線照射によって硬化させる。また、直接電子線を照射して硬化させる方法を用いることもできる。このようにして液晶分子を三次元架橋して硬化させ位相差板を得ることができる。なお、配向した液晶を形成するに際して、重合性モノマー分子もしくは重合性オリゴマー分子、または液晶ポリマーを溶剤に溶解してコーティング液とし、基材上に塗布するようにしてもよい。その場合には三次元架橋を行うか、または冷却前に乾燥を行う必要がある。
【0054】
光重合開始剤としては、ベンジル(ビベンゾイルとも言う)、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、ベンジルメチルケタール、ジメチルアミノメチルベンゾエート、2−n−ブトキシエチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、メチロベンゾイルフォーメート、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等が挙げることができる。なお、光重合開始剤の他に増感剤を、本発名の目的が損なわれない範囲で添加することもできる。
【0055】
このような光重合開始剤の添加量としては、一般的には0.01〜20質量%、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは、0.5〜5質量%の範囲で重合性液晶材に添加することができる。
【0056】
また、上記の液晶材料は、位相差板として機能するためには屈折率異方性を有するように形成される必要がある。この屈折率異方性は、用いる液晶材料や基材表面の配向能により異なるものではあるが、一般的には、配向方向に平行な面において、配向方向に直角なX軸と配向方向に平行なY軸を仮定した場合に、X軸方向の屈折率nXとY軸方向の屈折率nYとの差Δn、すなわち、
Δn=|nX−nY|
が、0.01以上、好ましくは0.05以上であることが好ましい。この程度の屈折率異方性を有する位相差板でなければ、実用上位相差板の厚み等において問題が生じる可能性があるからである。
【0057】
次に、図5(4)に示すように、フォトマスク露光により部分的に硬化した放射線硬化型液晶材料を、当該液晶材料にのうち、硬化していない部分(液晶相)が、等方相に転移する温度(以下、等方相転移温度という)以上に加熱する。等方相転移温度以上では、硬化していない液晶材料部分は、等方相に転移し液晶配向がなくなるが、一方、前工程の電離放射線照射により硬化した液晶層部分は、当該等方相転移温度以上に加熱しても、液晶秩序配列が乱れることはない。
【0058】
さらに、図5(5)に示すように、等方相状態になった液晶材料部分(等方相部分)を、上記と同様にして電離放射線露光により硬化させる(以下、等方相が露光により硬化した部分を等方層という)。このようにして、基材上に塗布した液晶材料の全部分を硬化させることにより、反射部、すなわち、液晶構造の発現した部分と、等方層である透明部とを任意の面積比で有する、本発明の偏光素子を得ることができる。
【0059】
また、本発明の偏光素子の製造方法では、まず等方相転移温度以上の温度で、パターニングして透明部を形成し、その後、液晶が発現する温度に冷却して未硬化の等方相部分を液晶相に転移させ、その液晶相部分を硬化させることによって反射部を形成することもできる。
【0060】
さらに、液晶材料としてコレステリック液晶を用いる場合には、上記に説明したように、液晶層(液晶相が硬化した状態のもの)を加熱焼成することにより、透明層に変換することができる。本発明の別の態様として、液晶相を硬化させて反射部を一旦形成した後に、当該反射部の所定部分を加熱し、かかる部分を透明層に変換することにより、任意の面積比率の反射部と透明部とを有する偏光素子を作成することもできる。なお、反射部の所定部分を加熱してパターニングする方法としては、所定のパターン形状を有する金型等を高温に加熱し、当該金型を、反射部に接触させる方法や、所定部分をレーザ照射により加熱する方法が用いられる。
【0061】
このようにして得られた偏光素子は、反射部と透明部との分子の配列構造が異なるのみで、分子組成自体は実質的に同一であるため、両者の屈折率は実質的に同じである。したがって、反射部と透明部との界面反射を抑制できるため、表示特性を向上させることができる。
【0062】
また、本発明の製造方法においては、液晶材料を基材上に均一に塗布して、液晶材料を硬化させて反射部と透明部とを形成するため、反射部と透明部との膜厚が同じである。したがって、エッチング等の従来の方法によりパターニングされた偏光素子のように凹凸が生じることもなく、段差によるITO電極等の断膜も起こらない。
【0063】
【実施例】
実施例1
一辺が100mmの矩形状ガラス基板上にポリイミド膜を0.07μm厚で成膜し、ラビング処理を施した支持体を準備した。次に紫外線硬化型ネマチック液晶からなる主剤にカイラル剤を添加したモノマー混合液晶と光重合開始剤とを酢酸−3−メトキシブチルに溶解してコレステリック液晶溶液を調製した。
【0064】
このコレステリック液晶溶液を支持体上に塗布し溶剤を除去後、70℃で1分間保持し、コレステリック液晶相を発現させた。この状態で、コレステリック液晶相の全面に紫外線を照射して硬化させ、コレステリック層を形成した。
【0065】
次に、一辺30μmで高さ2mmの角柱が30μm間隔でマトリックス状に配置された一辺100μmの金属製金型を350℃に加熱し、この角柱にコレステリック層が接触するように、コレステリック層上に金型を配置し1分間保持することにより金型と接触しているコレステリック液晶層を液晶相から等方相へと転移させた。このようにして、30μm間隔で反射層(液晶相部分)と透明層とが交互にマトリックス状に面積分割された偏光素子1を得た。
【0066】
実施例2
実施例1と同様の工程により、支持体上にコレステリック液晶溶液を塗布し、コレステリック液晶相を発現させた。塗布面上に、1辺30μmの千鳥格子状の開口部を有するフォトマスクを介して紫外線を照射し、露光された部分の液晶相を硬化させて反射部を形成した。次に、部分的に反射部が形成されたコレステリック液晶相を120℃で1分間保持し、未硬化部分である液晶相を等方相に転移させた。その後、基板全面に紫外線を照射することにより、等方相部分を硬化させて透明層を形成し、30μm間隔で反射層(液晶相部分)と透明層(等方相部分)とが交互にマトリックス状に面積分割された偏光素子2を得た。
【0067】
比較例1
実施例1と同様の工程により、支持体上にコレステリック液晶溶液を塗布し、コレステリック液晶相を発現させた。この状態で、コレステリック液晶相の全面に紫外線を照射して硬化させ、コレステリック層を形成した。
【0068】
次に、得られた支持体/コレステリック層膜を、30μm×30μmの大きさの穴を30μm間隔で切削加工により形成することにより、反射層(液晶相部分)と光透過部(穴を空けた部分)とが交互にマトリックス状に面積分割された偏光素子3を得た。
【0069】
<偏光素子の評価>
得られた偏光素子の表面に0.1μmのポリイミド膜を形成し、ラビング処理を施した。偏光素子1および2については、断膜もなく、ラビング処理を均一にすることができた。一方、偏光素子3では、反射部と光透過部との境界部分で断膜が生じ、また、段差のためラビング処理が均一にできないため配向斑が発生した。
【0070】
また、これらの偏光素子を液晶駆動部分と円偏光板とでセル組を行い、VAモードの液晶表示装置とした。バックライトの替わりにゴニオフォトメータ(アペックス製)の光源を用い、入射光角度を変えて透過光強度を測定することにより、明表示時の光透過率と暗表示時の光透過率とを算出し、その比をコントラスト比とした。なお、入射光角度は、0°、5°、10°で行った。
【0071】
偏光素子3を組み込んだ液晶表示装置の入射角度0°の時のコントラスト比を100%とした場合に、偏光素子3では、入射光角度が0°ではコントラスト比が100%、角度5°で85%、角度10°で65%であったのに対し、偏光素子1および2を用いたものでは、入射光角度が0°ではコントラスト比が100%であり、角度5°で90%、角度10°で75%であり、偏光素子1および2の光学特性が向上していることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である偏光素子の概略断面図を示したものである。
【図2】本発明の一実施形態である偏光素子の一主面図を示したものである。
【図3】本発明の偏光素子をインセル型の半透過液晶表示装置に組み込んだ場合の一例を示したものである。
【図4】従来の面積分割型半透過板の一例を示したものである。
【図5】本発明の偏光素子の製造方法の一例を示した工程概略図である。
Claims (9)
- パターニングにより反射部と透過部とが形成され、前記反射部が、所定の円偏光成分の光のみを反射する偏光素子であって、前記反射部と前記透明部とが、同一材料で形成されていることにより、両者屈折率が実質的に同一であり、さらに前記反射部と前記透明部とから形成される前記偏光素子の表面が平坦で実質的に凹凸がないことを特徴とする、偏光素子。
- 前記材料が、液晶材料であり、前記反射部が、液晶を発現させた規則的液晶配列を有する液晶相からなる光学機能層であり、前記透過部が、液晶を発現させない等方相からなる透明層である、請求項1に記載の偏光素子。
- 前記液晶材料が、コレステリック液晶材料を含んでなる、請求項1または2に記載の偏光素子。
- 前記コレステリック液晶が、放射線硬化型液晶である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光素子。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏光素子を製造する方法であって、
基材上に液晶材料を塗布することにより液晶相を形成し、
前記液晶相を液晶が発現する温度以上に保持してパターニングすることにより、液晶相の所定部分のみを硬化させて反射部を形成し、
次に、前記液晶材料を等方相転移温度以上に保持することにより、未硬化である前記液晶相部分を等方相に転移させ、
前記等方相部分の液晶材料を硬化させることにより透明部を形成する、工程を含んでなることを特徴とする、偏光素子の製造方法。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏光素子を製造する方法であって、
基材上に液晶材料を塗布することにより液晶相を形成し、
前記液晶相を等方相転移温度以上で保持することにより、等方相に移転させ、等方相の前記液晶材料をパターニングすることにより、所定部分のみを硬化させて透明部を形成し、
次に、前記液晶材料を液晶が発現する温度に保持することにより、未硬化である前記等方相部分を液晶相に転移させ、
前記液晶相部分の液晶材料を硬化させることにより反射部を形成する、工程を含んでなることを特徴とする、偏光素子の製造方法。 - 前記液晶層の硬化を、フォトマスクを介して、電離放射線露光により行う、請求項5または6に記載の方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏光素子を製造する方法であって、
基材上に液晶材料を塗布することにより液晶相を形成し、
前記液晶相を液晶が発現する温度以上に保持して、前記液晶相の全面を一旦硬化させて反射部を形成し、
次に、パターニングにより、前記反射部の所定部分を、前記反射部の所定部分のみを加熱処理して透明部を形成する、工程を含んでなることを特徴とする、偏光素子の製造方法。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏光素子を用いた液晶表示装置。
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