JP2009265448A - カラーフィルタ及び、該カラーフィルタを備えた液晶表示装置 - Google Patents

カラーフィルタ及び、該カラーフィルタを備えた液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高度な技術を必要とせず、従来方法と同等の方法によって充分に製造することが可能であり、且つ、各色の光透過性着色部に対する波長分散の補正を適度に行うことのできるカラーフィルタ及び該カラーフィルタを用いた液晶表示装置を提供する。
【解決手段】着色層の上面を略平坦に形成し、一方、該着色層面あるいは基材面あるいはそれ以外の層面に対し、特定の位置に、該着色層上面より高い位置に上端面が存在する突起物を設けることによれば、その後形成される位相差層は、上記突起物の存在により該突起物の周囲において盛り上がって形成されるとともに、突起物の影響のない領域においては位相差層が略等しい厚みに形成されるため、容易に位相差層の厚みに変化をもたせることができ、その結果、該位相差層において示される位相差に変化を生じさせ、特定の光透過性着色部に対する波長分散の補正を適度に行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、位相差層を有し、カラー表示の液晶表示素子に適したカラーフィルタ、及びこのカラーフィルタを用いた液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、薄型軽量、低消費電力という大きな利点を持つため、テレビ、パーソナルコンピューターや携帯電話、電子手帳、店舗に設置される端末装置、自動販売機等の様々な表示装置に積極的に用いられている。これらの液晶表示装置は、駆動液晶層に含まれる液晶(駆動液晶)分子の複屈折性を利用して光のスイッチングを行っている。
液晶表示装置におけるカラー表示は、例えばR(赤)G(緑)B(青)の三色の色パターンを備えるカラーフィルタを液晶セル内に配置し、透過する可視光線を分光することで行うことが一般的である。カラーフィルタはガラスなどの透明基板の上に色パターンを配列させて構成させた着色層を有するものであるが、この着色層付き透明基板を液晶セルの表示側基板と兼用することができる。
上述のごとく、駆動液晶層に含まれる液晶(駆動液晶)分子の複屈折性を利用する液晶表示装置は、駆動液晶の複屈折性に由来する視野角依存性の問題が存在し、この問題を、光の位相差を補償する位相差層を用いて解決するべく、各種の位相差層を形成した部材として例えば位相差層形成フィルムが開発されている。この位相差層形成フィルムは通常、ポリアクリレート、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース等のフィルムの延伸によって作製される。そして、その位相差形成フィルムは、対面する表示側基板と駆動液晶側基板との間に液晶を封入した構造を備えた液晶セルの外側位置に、通常、設置される。即ち上記位相差形成フィルムは、液晶セルの外側位置に配置される位相差層として設置されるものである。
ただし位相差層は上記したように液晶セルの外側位置に設置される場合に限られず、最近では架橋性液晶や高分子液晶を用いて液晶セルの内側に位相差層を設置する方法が提案されており(例えば下記特許文献1)、液晶セルの内側に位相差層を設置する事で、フィルムを減らすことができ薄くすることが出来き、また高い耐熱性を得る事が出来る。また、液晶セルの内側に設置された位相差層については、その機械強度をさらに向上させるため、位相差層表面に保護層を積層させる方法が提案されている(例えば下記特許文献2)。
また、液晶表示装置の小型化により、携帯電話やPDA等に液晶表示装置が幅広く用いられるようになってきている。小型の液晶表示装置においては、省電力化、高輝度化や高コントラスト化が重要な課題となる。このような課題につき、省電力化の要請に応えるための反射型または半透過半反射型の液晶表示装置が開発されている。ただし、半透過半反射型のカラーフィルタでは、外光からの光を用いて液晶表示機能を発揮する部分(反射部)により液晶表示を行うのみならず、バックライトからの光を用いて液晶表示機能を発揮する部分(透過部)によっても液晶表示を行うという特殊性を有している。したがって、上記液晶セル内に設置される位相差層についても、上記特殊性を勘案した開発がなされている。
例えば、特許文献3には、半透過半反射型液晶表示装置において、反射部に、該反射部の形状に応じてパターニングされた反射層を形成するとともに、その反射部の領域にのみ位相差層として、1/4波長板としての機能を有する層を設けたものが提案されている。また、例えば特許文献4には、1/2波長板としての機能を有する層を設けたものが提案されている。かかる液晶表示装置によれば、反射層で反射されたバックライトからの光を偏光板に吸収させないようにすることができ、バックライトからの光のリサイクルが可能になる。
ここで、上記位相差層を備えるカラーフィルタを用い可視光領域全域に渡って1/4波長板とする場合、各波長によって位相差層に要求される位相差が異なるといった問題点がある。例えば、赤色、緑色、青色の三色の光透過性着色部から構成される着色層を備えるカラーフィルタにおいて、上記位相差層を用いる場合には、位相差の波長依存性は位相差層を構成する材料の特性で決定されるため、通常は視感度の最も高い緑色を基準として光学設計を行う場合が多い。この場合、赤色および青色については正確な1/4波長板とならないため、黒表示状態で赤色および青色の光漏れが生じ、青紫色等に観察されてしまうという問題点があった。
これに対し、着色層とこれに積層される位相差層とにおいて、該着色層を構成する赤色、緑色及び青色の光透過性パターン(即ち、光透過性着色部)の厚みをそれぞれ変化させることにより、その上に積層される位相差層の厚みを異ならしめ、各色で最適な位相差が実現できるよう構成された位相差層付きカラーフィルタの発明が開示されている(下記特許文献5)。上記位相差層付きカラーフィルタによれば、確かに、各色で最適な位相差を実現することが可能である。
特開2000−221506号公報 特開2004−126534号公報 特開2004−4494号公報 特開2005−338256 特開2006−78647号公報
ただし、上記特許文献5に開示される位相差層付きカラーフィルタにおいて、実際に最適な位相差を実現するためには、着色層を構成する各色の光透過性着色部、および位相差層のそれぞれの厚みを正確に形成しなくてはならず、これを実現するには、非常に高度な調整技術を要した。
即ち、一般的な着色層においては、各色の光透過性着色部の厚みが略等しい高さで形成されることによってその厚みが略均一に形成されるか、狙いの色度に合わせて適宜調整されるところ、上記位相差層付きカラーフィルタでは、まず各色の光透過性着色部の厚みを変化させるために、例えば厚みを厚くする場合には、使用する感光性樹脂組成物中の着色剤の配合量割合を減らし、また、通常よりも薄くする場合には、着色材の配合量割合を増やすなどの調整が必要である。このとき塗布性能、露光後の現像性、製膜後の透過率、所望の色度が損なわれないようにする必要がある。
また各層の厚みは、形成時の塗布条件や溶剤の揮発等により、あるいは硬化時の収縮等により、設計上もとめられた値に対し、バラツキを生じることがある。各色の光透過性着色部において段差を有する着色層表面に、位相差層形成用塗工液を塗布することにより位相差層を形成する場合、形成された位相差層には、下地となる着色層の断差の影響が出る場合があるため、例えば位相差層を厚く形成すべき箇所において、厚みが薄くなることがある。
ここで、液晶表示装置が、様々な装置の表示装置において用いられていることは上述のとおりであるが、用途によって求められる光学補償や光学機能の精度も異なり、特定の用途によっては、それほど厳密に各色の光透過性着色部に対する波長分散の補正を要しない場合もあり、むしろ、適度な補正が可能なカラーフィルタを容易に製造することによってコストを抑えあるいは生産性を向上させることが望ましい場合もある。即ち、厳密な光学補償の求められる液晶表示装置とは別の用途分野においては、適度な光透過性パターンの波長分散補正を可能とし、且つ容易に製造することのできるカラーフィルタの提供に対する要望があった。
本発明は、上記要望に鑑みなされたものであり、高度な技術を必要とせず、従来方法と同等の方法によって充分に製造することが可能であり、且つ、各色の光透過性着色部に対する波長分散の補正を適度に行うことのできるカラーフィルタ及び該カラーフィルタを用いた液晶表示装置を提供することを目的とする。
本発明者は、カラーフィルタにおいて、着色層の上面を略平坦に形成し、一方、該着色層面あるいは基材面あるいはそれ以外の層面に対し、特定の位置に、該着色層上面より高い位置に上端面が存在する突起物を設けることによれば、その後形成される位相差層は、上記突起物の存在により該突起物の周囲において盛り上がって形成されるとともに、突起物の影響のない領域においては位相差層が略等しい厚みに形成されるため、容易に位相差層の厚みに変化をもたせることができ、その結果、該位相差層において示される位相差に変化を生じさせることが可能であるという知見に基づき、本発明を完成した。
即ち、本発明は、
(1)基材と、上記基材上に直接又は間接に設けられた2色以上の光透過性着色部が配列してなる着色層と、上記着色層上に直接又は間接に設けられた位相差層とを備えるカラーフィルタであって、上記着色層の上面が略平坦に形成されており、上記基材を下方向としたときの上下方向において、上記光透過性着色部の上面よりも高い位置に上端が存在する突起部が、上記着色層上、あるいは上記基材上、あるいは上記着色層と上記基材との間に設けられたその他の層上に設けられており、上記位相差層が、上記突起物の形成された基材面において重合性液晶材料を含有する液晶組成物を塗布して液晶塗膜を形成し、次いで上記重合性液晶材料を所望の方向に配向させた状態で重合させることによって固定化させることによって形成される層であって、上記突起物の存在に起因して、少なくとも1色の光透過性着色部の上方に位置する位相差層の厚みh1が、他の色の光透過性着色部の上方に位置する位相差層の厚みh2よりも2%以上大きいことを特徴とするカラーフィルタ、
(2)上記突起物が、特定の1色の光透過性着色部上面に設けられていることを特徴とする上記(1)に記載のカラーフィルタ、
(3)上記着色層が3色以上の光透過性着色部から構成されており、特定の2色の光透過性着色部間上面を跨いで上記突起物が設けられていることを特徴とする上記(1)に記載のカラーフィルタ、
(4)上記着色層上に直接または間接に、基板間のセルギャップを確保することを予定される柱状体が設けられており、上記柱状体が、上記突起物でもあることを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれか1つに記載のカラーフィルタ、
(5)突起物が上面に設けられることが予定される光透過性着色部以外の光透過性着色部を構成するフォトレジストにより、上記突起物が構成されていることを特徴とする上記(2)または(3)に記載のカラーフィルタ、
(6)上記着色層を構成する2色以上の光透過性着色部が、ブラックマトリクスによって区画されており、且つ、上記基材面に対して垂直方向上面側から観察した際に、上記突起物が、上記ブラックマトリクス上方に存在していることを特徴とする上記(1)乃至(5)のいずれか1つに記載のカラーフィルタ、
(7)上記着色層を構成する2色以上の光透過性着色部のうち、特定の1色の光透過性着色部の全ての領域、あるいは特定の2色の光透過性着色部に跨る全ての領域に、上記突起物が設けられていることを特徴とする上記(1)乃至(6)のいずれか1つに記載のカラーフィルタ、
(8)上記着色層を構成する2色以上の光透過性着色部が、ブラックマトリクスによって区画されており、上記ブラックマトリクスが、特定の1色の光透過性着色部間を区画する任意の領域において光透過性着色部の上面よりも高い位置にその上端が位置するよう形成される長身部を備えており、上記長身部以外の部分では、上記ブラックマトリクスの上端は、光透過性着色部の上面より低い位置に位置するよう形成されており、上記長身部が、上記突起物でもあることを特徴とする上記(1)に記載のカラーフィルタ、
(9)上記着色層が、各光透過性着色部の上面全体を覆って設けられる平坦化部をさらに備えることによって該着色層の上面が略平坦に形成されていることを特徴とする上記(1)乃至(8)のいずれか1つに記載のカラーフィルタ、
(10)上記特定の1色の光透過性着色部が、上記着色層を構成する2以上の光透過性着色部のうち、最も長波長側の光を透過するために設けられた光透過性着色部であることを特徴とする上記(1)、(2)、(4)乃至(9)のいずれか1つに記載のカラーフィルタ、
(11)上記着色層が、赤色光透過性着色部、緑色光透過性着色部、青色光透過性着色部の3色の光透過性着色部から構成されており、上記特定の1色の光透過性着色部が、上記赤色光透過性着色部であることを特徴とする上記(10)に記載のカラーフィルタ、
(12)上記特定の1色の光透過性着色部が、上記着色層を構成する2以上の光透過性着色部のうち、最も短波長側の光を透過するために設けられた光透過性着色部であることを特徴とする上記(1)、(2)、(4)乃至(9)のいずれか1つに記載のカラーフィルタ、
(13)上記着色層が、赤色光透過性着色部、緑色光透過性着色部、青色光透過性着色部の3色の光透過性着色部から構成されており、上記特定の1色の光透過性着色部が、上記青色光透過性着色部であることを特徴とする上記(12)に記載のカラーフィルタ、
(14)上記位相差層が、任意のパターンでパターニング形成されていることを特徴とする上記(1)乃至(13)のいずれか1つに記載のカラーフィルタ、
(15)透過表示機能と反射表示機能を有する半透過半反射型表示装置に用いられ、上記基材面に対し垂直方向上面側から観察した場合に、透過表示機能にて表示される領域に対応して定められる透過部と、反射表示機能にて表示される領域に対応して定められる反射部と、上記透過部及び上記反射部をブラックマトリクスによって区画される区画領域とから構成されるとともに、上記突起物が、上記区画領域に設けられており、且つ上記透過部を避けて上記反射部を覆うように上記位相差層が選択的にパターニングされていることを特徴とする上記(1)乃至(14)のいずれか1つに記載のカラーフィルタ、
(16)透過表示機能と反射表示機能を有する半透過半反射型表示装置に用いられ、上記基材面に対し垂直方向上面側から観察した場合に、透過表示機能にて表示される領域に対応して定められる透過部と、反射表示機能にて表示される領域に対応して定められる反射部と、上記透過部及び上記反射部をブラックマトリクスによって区画される区画領域とから構成されるとともに、上記突起物が、上記反射部の領域に設けられており、且つ上記透過部を避けて上記反射部を覆うように上記位相差層が選択的にパターニングされていることを特徴とする上記(1)乃至(7)、または(9)乃至(14)のいずれか1つに記載のカラーフィルタ、
(17)上記位相差層が、光軸が上記基材面に対して平行であり正の屈折率異方性をもつ正のAプレートであることを特徴とする上記(1)乃至(16)のいずれか1つに記載のカラーフィルタ、
(18)上記位相差層が、光軸が上記基材面に対して垂直である正の屈折率異方性をもつ正のCプレートとして作用することを特徴とする上記(1)乃至(16)のいずれか1つに記載のカラーフィルタ、
(19)上記位相差層が、光軸が上記基材面に対して垂直であり負の屈折率異方性をもつ負のCプレートとして作用することを特徴とする上記(1)乃至(16)のいずれか1つに記載のカラーフィルタ、
(20)上記基材の上記着色層が形成されている面とは反対側の面、あるいは上記基材と上記着色層との間に、上記位相差層とは異なる第2位相差層が設けられていることを特徴とする上記(1)乃至(19)のいずれか1つに記載のカラーフィルタ、
(21)上記(1)乃至(20)のいずれか1つに記載のカラーフィルタを備えることを特徴とる液晶表示装置、
を要旨とするものである。
また本発明において「位相差層」とは、位相差制御機能を有する層を意味する。
本発明において「2以上の光透過性着色部のうち、最も長波長側の光を透過するために設けられた光透過性着色部」とは、2以上の光透過性着色部のそれぞれを比較した際に、主として透過が予定される光の波長領域が最も大きいことを意味するものであり、例えば、赤色光透過性着色部、緑色光透過性着色部、青色光透過性着色部の3色からなる着色層の場合には、最も長波長側の光を透過するために設けられた光透過性着色部とは、赤色光透過性着色部を意味する。また同様に、「2以上の光透過性着色部のうち、最も短波長側の光を透過するために設けられた光透過性着色部」とは、2以上の光透過性着色部のそれぞれを比較した際に、主として透過が予定される光の波長領域が最も小さいことを意味するものであり、例えば、赤色光透過性着色部、緑色光透過性着色部、青色光透過性着色部の3色からなる着色層の場合には、最も長波長側の光を透過するために設けられた光透過性着色部とは、青色光透過性着色部を意味する。
本発明のカラーフィルタは、着色層面あるいは基材面あるいはそれ以外の層面に対し、特定の位置に、該着色層上面より高い位置に上端面が存在する突起物を設けることによって、その後に形成される位相差層の厚みを、上記突起物の存在により該突起物の周囲において盛り上がった状態に形成することができる。そして、容易に位相差層の厚みに変化をもたせることができ、その結果、該位相差層において示される位相差に変化を生じさせることができる。
したがって、2以上の光透過性着色部のうち、設計された透過波長の最も大きい光透過性着色部上あるいは近傍に上記突起物を設けることによって、該光透過性着色部上に位置する位相差層の厚みを他の光透過性着色部上における位相差層の厚みよりも容易に厚くすることができ、これによって適度に当該光透過性着色部における位相差の補正を行うことができる。
特に、上記突起物が、柱状体である本発明では、着色層上の特定の位置に柱状体を形成し、その後、位相差層を形成することによって、柱状体の周囲における位相差層が該柱状体に向かってその厚み増すため、柱状体近傍の位相差層の厚みが他よりも有意に厚く形成される。このようにカラーフィルタ内の構成部材と兼用される突起物であれば、当該構成部材の形成位置を適切に選択するだけで、突起物形成のためのさらなる工程を必要とせず、製造上のコストや労力がかからず非常に有効である。
以下に、図面を用いて本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は、本発明に一実施態様を示す、半透過半反射型液晶表示装置用のカラーフィルタ1の基材面に対して垂直方向上面側から観察した上面図である。尚、カラーフィルタ1の構成における上下方向は、基材面を下方向としたときの上下方向を意味する。
カラーフィルタ1は、基材上に、各光透過性着色部を区画するとともに、透過部3と反射部4とを設けるようパターニングされたブラックマトリクス(以下、単に「BM」という場合がある)5と、これによって区画される赤色光透過性着色部2R、緑色光透過性着色部2G、青色光透過性着色部2Bとから構成される着色層2とを有している。そして、着色層2が形成された後、赤色透過性着色部2R上面、且つ、BM5上方であって、透過部3と反射部4との間において突起物6が複数形成されている。そして、突起物6を形成した後に、反射部4を覆うようパターニングされた位相差層7が形成されて完成される。
上記突起物6が、液晶セルの基板間のセルギャップを確保するための柱状体8でもある場合の本発明について、その断面略図を図2A、及び2Bに示す。図2Aは、図1に示すカラーフィルタ1のX−X断面図であって、基材9上にBM5の層が存在し、その上面に赤色光透過性着色部2R、緑色光透過性着色部2G、青色光透過性着色部2Bとから構成される着色層2が存在しており、赤色光透過性着色部2R上に柱状体8(突起物6)が形成されている。そして、柱状体8が設けられた後に形成された位相差層7は、柱状体6の近傍において盛り上がりを示している。このように柱状体8の近傍において位相差層7が盛り上がる原因は定かではないが、位相差層形成用塗工液を着色層7上に塗布した際に、塗工液の表面張力によって、柱状体8の側面に向かって、膜が盛り上がり、その状態で重合し固定化されるため、上記盛り上がりが維持されたまま位相差層7が形成されるのではないかと推察される。
このように、規則的に赤色光透過性着色部2R上面において柱状体8が設けられた場合には、赤色光透過性着色部2R上に位置する位相差層7が、他の光透過性着色部上における位相差層7の厚みよりも有意に厚く形成される。例えば、図2Bのカラーフィルタ1のY−Y断面図に示されるように、基材9上には、BM5によって区画された各光透過性着色部2R、2G、2Bが存在し、反射部4である開口部が並んでおり、特に赤色光透過性着色部2R上面に位置する位相差層7部分が有意に他の部分よりも厚く形成されている。
上述では、突起物6でもある柱状体8について、赤色透明着色部2R間に設けられる態様を用いて本発明を説明したが、本発明において、突起物6でもある柱状体8の設けられる位置、間隔などは上記説明に限定されるものではない。特定の1色の透明着色部上方に位置する位相差層の厚みを有意に厚くするために、突起物6でもある柱状体8の形成位置は、適宜決定することができる。したがって、図1では、各光透過性着色部がストライプ状にパターニング形成された着色層2において、赤色光透過性着色部2Rのストライプの帯の長手方向において、該赤色光透過性着色部2R上且つBM5上方であって反射部4を挟む各位置に突起物6が設けられているが、この突起物6の形成位置は、反射部4をはさむ全ての位置に設けられる必要はなく、形成位置に任意の間隔を設けることもできる。
あるいは、本発明における着色層が3色以上の光透過性着色部より構成される場合には、上記突起物は、特定の光透過性着色部間上面を跨いで設けられていていてもよい。例えば、赤色、青色、緑色の3色の光透過性着色部より構成される着色層である場合には、
透過波長の近い2色として、赤色と緑色、あるいは緑色と青色の光透過性着色部を跨いで突起物が設けられていてよい。
また図1に示すカラーフィルタ1の別の態様を図3を用いて説明する。図3は、図1における突起物6として、緑色光透過性着色部2Gを形成するために用いられたフォトレジストによって緑色突起物10Gが、赤色光透過性着色部2R上に設けられた本発明のカラーフィルタ1のX−X断面図である。緑色突起物10Gは、着色層2をフォトリソグラフィ法により形成する際に、同時に形成される。即ち、基材9上にBM5を設けた後、緑色光透過性着色部2Gを形成する前に、赤色光透過性着色部2Rを形成し、その後、緑色光透過性着色部2Gを所定の位置に形成するとともに、緑色突起物10Gを赤色光透過性着色部2R上に形成するよう設計されたフォトマスクを準備し、基材面に緑色フォトレジストを塗布し、上記フォトマスクを用い、露光工程及び現像工程を実施して、緑色光透過性着色部2Gと、緑色突起物10Gとを同時に形成することができる。
図3Aに示すように、赤色光透過性着色部2R上に緑色突起物10G(突起物6)が形成されたことにより、その後に形成される位相差層7は、緑色突起物10Gを覆って形成されるため、緑色突起物10Gの上部及び周辺において盛り上がって形成される。図3Bは、緑色突起物10Gが設けられたカラーフィルタ1のY−Y断面図である。図3Bに示されるとおり、位相差層7は、赤色光透過性着色部2R上であって反射部4において厚みが厚く形成されている。
上述では、突起物6として緑色突起物10Gを設けた態様を用いて本発明を説明したが、かかる態様は、本発明の突起物を何ら限定するものではない。例えば、突起物6は、緑色突起物10Gの上面にさらに、青色光透過性着色部2Bを形成するための青色フォトレジストを利用して、さらに青色突起物を積層させ、突起物を伸長させてもよい(図示せず)。かかる場合には、着色層2の形成は、まず赤色光透過性着色部2Rを形成し、次いで、緑色光透過性着色部2Gと緑色突起物10Gをフォトリソグラフィ法で形成し、次いで、青色光透過性着色部2Bと緑色突起物10Gに積層される青色突起物を同様にフォトリソグラフィ法で形成することにより、赤色光透過性着色部2R上に、異なる色のフォトレジストで形成された積層構造の突起物を形成することができる。
また赤色光透過性着色部2Rの上に、フォトレジストで形成された突起物を形成するための異なる手段として、赤色光透過性着色部2Rを形成する際に、同時に、赤色のフォトレジストで形成される赤色突起物を該赤色光透過性着色部2R上の任意の位置に形成することもできる(図示せず)。赤色光透過性着色部2Rの上に、赤色突起物を形成する具体的な方法は特に限定されないが、例えば、多階調マスクを用いて、赤色光透過性着色部2Rの領域の任意の部分に一段高さの高い部分を形成することによって、赤色突起物を設けることができる。上記多階調マスクとしては、1つのマスクにおいて半透過膜を利用し、中間露光を行うことによって、未硬化部分、半硬化部分、露光部分の3つの硬化パターンに分けることができるいわゆるハーフトーンマスク、あるいは、1つのマスクにおいて露光機の解像度以下のスリットを作り、そのスリット部分が光の一部を遮り、中間露光を可能とすることによって、未硬化部分、半硬化部分、露光部分の3つの硬化パターンに分けることができるいわゆるグレイトンマスクなどを用いることができる。このように多階調マスクを用いることによれば、赤色光透過性着色部と赤色突起物とを一度の工程で形成することができ好ましい。
本発明における突起物として、以上に示すとおり突起物が設けられることが予定される光透過性着色部以外の光透過性着色部を構成するフォトレジストにより突起物を形成することによれば、該突起物の形成は光透過性着色部の形成と同工程において形成することができるため、突起物の形成工程を別途設ける必要がなく、好ましい。
また別の例としては、突起物6を、熱硬化性または光硬化性樹脂材量であって、硬化後に等方性を示す樹脂材料を用いて形成することもできる(図示せず)。例えば、上記樹脂材料としては、カラーフィルタ内に一般的に形成される等方性の保護層形成材料などを適宜選択して使用することができる。
また、図1では、半透過半反射用のカラーフィルタにおいて、特定の1色の光透過性着色部として赤色透明着色部2R上であって、且つ、BM5上方に突起物を6を設けた例を用いて説明した。このように、突起物6がBM5上方に形成される態様によれば、突起物6が光を遮蔽する領域に設けられていることから、表示に関与する光の透過に影響を及ぼさないため好ましい。
ただし、カラーフィルタの設計上、あるいはBMの線幅が細く突起物を形成する領域が確保できないなどの問題から、突起物6をBM5上方に設けられない場合には、透過部3あるいは反射部4内に設けることも可能である。また透過型液晶表示装置用カラーフィルタ、あるいは反射型液晶表示装置用カラーフィルタにおいても同様に、特定の1色の光透過性着色部上であってBM上方に突起物が設けられることが望ましいが、一方、設計上の問題により、突起物を遮蔽部ではなく表示部(開口部)内に設けることも可能である。このように、反射部や透過部を含む表示部内に突起物を設ける場合には、突起物を設ける位置にだけ、BMを表示内部にも別途設ける設置パターン1、表示部内であってTFT基板側でキャパシタがあり光が透過しない領域を選択して該領域に突起物を設ける設置パターン2、あるいは上記設置パターン1及び2の組合せを採用することによれば、コントラストを悪くすることなく、表示部内に突起物を設けることが可能である。
図4は、本発明のカラーフィルタの別の態様を示すカラーフィルタ21の上面図である。カラーフィルタ21は、赤色光透過性着色部2R上面であって透過部3と透過部4との間において、突起物6が設けられる代わりに、当該箇所だけ、BM25が壁状に盛り上がったBM突起物25’が設けられていること以外は、カラーフィルタ1と同様の構成で形成されている。尚、カラーフィルタ21では説明を簡略化するために、柱状体の形成については図示省略したが、カラーフィルタ21において、適宜、柱状体を設けることができる。また本発明のカラーフィルタは柱状体を必須の構成要件とするものではなく、柱状体を突起物と兼用する態様以外は、柱状体の形成を省略し、基板間のセルギャップの確保には公知の他の手段、例えば、ガラスビーズを基板間に散らして、セルギャップを確保する、などの方法を適宜選択して実施してもよい。
図4に示すブラックマトリクス突起物25’は、基材面上にブラックマトリックス25を形成する際に、ブラックマトリクス形成用フォトレジストを基材面に塗布し、多階調マスクを用いる手段により、容易に形成することができる。したがって、突起物を得るために別途、製造工程を追加する必要がなく好ましい。
ブラックマトリクス突起物25’を備えるカラーフィルタのZ−Z断面図を図5に示す。基材面9上にBM25が設けられる際に、上記方法により設けられたBM25’の上端面は、着色層2の上面よりも高い位置あり、その結果、本発明における突起物として作用する。即ち、BM25’を備えるBM25を形成した後、各光透過性着色部を形成し、次いで形成される位相差層7は、BM25’の存在により、当該部分だけ盛り上がって形成される。したがって、位相差層7は、カラーフィルタ21のW−W断面図である図5Bに示されるように、赤色光透過性着色部2R上であって反射部4において、厚く形成される。
また図4では壁状のBM25’を用いて説明したが、BM25の一部を盛り上げて、突起物とする本発明の態様は、上記記載に限定されず、盛り上がったBM25’の形状は、四角柱、円柱、テーパー形状などの任意の形状であってよい。
カラーフィルタ1及びカラーフィルタ21に示すとおり、赤色光透過性着色部2R上だけ位相差層7が厚く設けられたことにより、赤色光透過性着色部2Rを通過する光は、他の光透過性着色部よりも位相差層内の通過距離が大きくなり、結果として位相差が大きくなる。
次に、図6を用いて、本発明のカラーフィルタ1を用いた半透過半反射型液晶表示装置31を説明し、あわせて、反透過半反射型液晶表示装置31における位相差層7と、各光透過性着色部に求められる望ましい位相差との関係についてより詳細に説明する。なお、図6は各層の相対的な位置関係を示すための分解斜視図であって、各層が図示のように離れているものではない。
半透過半反射型液晶表示装置31は、表示側基板41と、これに対向する対向基板42とこれら両基板間に設けられる駆動用液晶層37とから構成される駆動方式をVAモードとする液晶表示装置の一例である。ただし、本発明のカラーフィルタを用いた液晶表示装置は、VAモードの液晶表示装置に限定されるものではなく、IPSモードなどの他の駆動方式が採用さえる液晶表示装置に適宜使用される。
上記表示側基板41は、本発明のカラーフィルタ1が用いられ、カラーフィルタ1の基材9の着色層2とは反対側の面に第二位相差層として位相差フィルムが貼り付けられ、さらにその外側に、図面の手前から奥に向かう方向に対して反時計回りに135°の方向に光の吸収軸がある偏光板38aを備えてなる。尚、図示はしないが、VAモードの液晶表示装置の場合には、着色層2と駆動用液晶層37との間にさらに透明電極膜が設けられることが一般的である。
一方、対向基板42は、薄膜トランジスタ(TFT)が設けられるとともに(TFTについては図示せず)、基材34の対向側面において、表示側基板の反射部4の位置に併せて設けられた反射板33を有し、反射板33の非設置領域が光が透過される透過部3に対応している。さらに一般的には、反射板33の駆動用液晶層37側面には、ITO等の透明導電膜からなる透明電極(図示せず)が積層され、そしてその透明電極を覆うように配向膜(図示せず)が形成される。また基材34の反射板33と反対側の面には、光の吸収軸が図面の手前から奥に向かう方向に対して反時計回りに45°の方向である偏光板38bを備えてなる。また対基板42の外側には、基板25には、透過部3を透過する光を与えるためのバックライト(図示せず)が備えられる。
尚、図6に示されるカラーフィルタ1は、上述する図1に示す突起物6として柱状体8が設けられた態様のカラーフィルタ1と同様である。ただし、着色層2は、該着色層2の上面を平坦化するための平坦化部11がさらに設けられている。即ち、基材9上に格子状に設けられたBM5を備え、該BM5上にストライプ状にパターニング形成された赤色光透過性着色部2R、緑色光透過性着色部2G、及び青色光透過性着色部2Bの3色の光透過性着色部と、平坦化部11とからなる着色層2を有し、平坦化部11を介して突起物6でもある柱状体8が、赤色光透過性着色部2R上且つBM5上方であって、反射部4を挟んだ位置に複数設けられている。そして突起物6でもある柱状体8が設けられた後に反射部4を覆う位置に位相差層7がパターニング形成されてなる。尚、カラーフィルタ1に関する説明において用いられる上下方向は、上述と同様に、基材9面を下面としたときの上下方向を意味する。
ここで、カラーフィルタ1における位相差層7は、基材9上に柱状体8(突起物6)が設けられた後、該柱状体8を備える基材面に、位相差層形成用液晶組成物を直接塗布し、該液晶組成物中に含有される重合性液晶化合物を配向させ、次いで重合させて固定化させることによって、位相差の制御機能を有する層であればよい。一般的に、半透過半反射型液晶表示装置における反射部上にパターニングされる位相差層は、光軸が位相差層7と並行するとともに常光線屈折率よりも大きな異常光線屈折率を位相差層7の面内方向に有する、いわゆる正のAプレートとして形成される。
また本発明において位相差層は、上述する正のAプレートである以外にも、光軸が位相差層の法線方向を向くとともに常光線屈折率よりも大きな異常光線屈折率を位相差層の法線方向に有する、いわゆる正のCプレートとして形成することができ、あるいは別の態様として、光軸が位相差層の法線方向を向くとともに常光線屈折率よりも小さな異常光線屈折率を位相差層の法線方向に有する、いわゆる負のCプレートとして形成することもできる。さらに、本発明における位相差層を正のAプレート、正のCプレート、及び負のCプレートを任意の組合せで積層させることも可能である。位相差層は、所望の光学補償や光学機能、表示装置の種類などによって、正のAプレート、正のCプレート、及び負のCプレートあるいはこれらの2層の組合せの中から適宜選択して決定される。
尚、図6では、半透過半反射型液晶表示装置31を用いて本発明を説明し、位相差層がパターニングされた例を示したが、本発明における位相差層は、パターニングされるものに限定されるものではなく、上記正のAプレート、正のCプレート、及び負のCプレートがべた塗りの単層で設けられていてもよい。例えば、透過型液晶表示装置あるいは反射型液晶表示装置に用いられる本発明のカラーフィルタにおいては、光学補償用の位相差層をべた塗りの単層/積層で形成することができる。
また図6に示すとおり、カラーフィルタ1内に形成される位相差層7とあわせて、基材9の着色層2とは反対側の面に貼り付けられる位相差フィルムを用いて、第二位相差層32を設けることもできる。例えば、位相差層7がべた塗りの正のAプレートである場合は、第二位相差層32に正のCプレートや負のCプレートが好適に選択される。また本発明のカラーフィルタが、透過型、あるいは反射型のIPS(In Plane Switching)モードの液晶表示装置に用いられる場合には、位相差層として正のCプレートが選択され、第二位相差層として正のAプレートが好ましく選択される。
本発明における位相差層が正のAプレートである場合について説明する。例として、図6のような配置の半透過半反射型の液晶表示装置において、正のAプレートである位相差層7を1/2波長板とし、駆動液晶がIPSモードであるカラーフィルタを用いて説明する。駆動液晶層37のΔnが位相差層の1/2であるとし、また、反射部4のセルギャップは透過部2の1/2とした。このとき、駆動液晶層37の反射部は1/4波長板として働く設計である。
以下、位相差層7が積層される反射部4の黒輝度についてのシミュレーションを行う。シミュレーションの条件として、着色層2において、青色光透過性着色部2Bは400nm−500nm、緑色光透過性着色部2Gは510nm−590nm、赤色光透過性着色部2Rは600nm−700nmの光が透過するとして、10nm刻みの値を用いてシミュレーションを実施した。位相差の波長分散は、位相差層、駆動液晶ともに同じと仮定した。光軸については、位相差層の遅相軸を偏光板に対して22.5°で入れ、駆動液晶は90°(電圧OFF)として、黒輝度の値Yを求めた。観察は正面方向からである。
下記表1に、シミュレーションの結果として、膜厚を補正していない場合、1色のみ補正した場合(緑に対して、赤の膜厚を増やした場合)、2色補正した場合(緑に対して、赤の膜厚を増やし青の膜厚を減らした場合)の黒輝度をそれぞれ示す。またあわせて、各光透過性着色部に積層される位相差層の膜厚み、及び赤色光透過性着色部として650nmの波長、緑色光透過性着色部として550nmの波長、青色光透過性着色部450nmの波長の各位相差、589nmの波長における位相差についても求め、表1に示す。
Figure 2009265448
表1に示したように、補正無しに比べ、1色補正、2色補正では黒輝度が下がっている。白輝度はそれぞれの系で変わらないとすると、膜厚を着色ごとに変えることで、補正無しに比べ、1色補正ではコントラストが1.3倍、2色補正では2.5倍となる効果が得られることが理解される。
以上に説明する本発明における突起物は、形成される位相差層7のプレートの種類、あるいはさらには組み合わされる第二位相差層、あるいはいずれの光透過性着色部における波長分散を主として補正したいかなどによって、形成する位置を適宜設計することができる。例えば、RGB3色からなる着色層を備えるカラーフィルタでは、最も長波長側の光を透過する赤色光透過性着色部2R(即ち赤色画素)に積層される位相差層7の略中央部分の高さが、緑色光透過性着色部2G(即ち緑色画素)及び/または青色光透過性着色部2B(即ち青色画素)に積層される位相差層の略中央部分の高さよりも2%以上高くなるように、突起物の形成する位置を決定することにより、有意に赤色光透過性着色部2Rにおける波長分散を補正することができる。より具体的には、赤色光透過性着色部2R(即ち赤色着色画素)の上面あるいは近傍に突起物を設けた後、位相差層7をフォトリソグラフィ法によって形成することにより、該赤色光透過性着色部2R(即ち赤色着色画素)上に積層される位相差層の略中央領域の高さを有意に厚く形成することができる。
また本発明において「光透過性着色部の上方に位置する位相差層の厚み」とは、一画素において、光透過性着色部と位相差層とが積層された領域における略中央部分において測定された該位相差層の厚みのことを意味する。そして「突起物の存在に起因して、少なくとも1色の光透過性着色部の上方に位置する位相差層の厚みh1が、他の色の光透過性着色部の上方に位置する位相差層の厚みh2よりも2%以上大きい」とは、突起物の存在により位相差層の一部が盛り上がり、設計上の厚みよりも有意に厚みが増した位相差層の厚みh1と、突起物の存在に影響されることなく略平坦に形成され、設計上の厚みを実質的に示す位相差層の厚みh2とを対比した場合に、h1がh2よりも2%以上大きいという趣旨である。
尚、以上は、いずれも半透過半反射用液晶表示装置用のカラーフィルタを例にして本発明を説明したが、本発明のカラーフィルタは、半透過半反射表示装置用のカラーフィルタに限定されるものではない。本発明のカラーフィルタは、透過用、あるいは反射用の液晶表示装置においても、好適に用いられる。
以下に、本発明のカラーフィルタ1の構成について詳しく説明する。
[基材]
基材9は、それぞれ光透過性を有する基板形成材からなり、一つの基板形成材により単層で構成されても、複数種類の基板形成材にて多層に構成されてもよい。また基材9には、部分的に遮光領域等が設けられてもよい。基材9の光線透過率は、適宜選定可能である。尚、基材34についても基材9と同様である。
上記基材9の具体例としては、ガラス、シリコン、もしくは石英等の無機基材で構成することが好ましいが、次に列挙するような有機基材から構成することもできる。有機基材としては、ポリメチルメタクリレート等のアクリル、ポリアミド、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース、もしくはシンジオタクティック・ポリスチレン等、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂、もしくはポリエーテルニトリル等、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリシクロヘキセン、もしくはポリノルボルネン系樹脂等、または、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、もしくは熱可塑性ポリイミド等からなるものを挙げることができるが、一般的なプラスチックからなるものも使用可能である。特に光学素子1を液晶表示用パネルの一方側の基板として用いる場合には、基板形成材は無アルカリガラスであることが好ましい。本発明における基材9の厚みには、特に限定は無いが、用途に応じ、例えば、50μm〜数mm程度のものが使用されることが一般的である。
[ブラックマトリクス]
BM5は、黒色着色剤を含有する樹脂組成物を用いて、対象面である基材9の表面に直接又は間接に所定形状に印刷する転写方式により形成することができる。あるいは、黒色着色剤を含有する塗料タイプの感光性樹脂組成物を用いて、塗布、パターン状露光および現像を行うことにより形成することができる。上記いずれかの方法により形成されるBM5の形成パターンは、一般的には矩形格子状が採用されるが、例えばストライプ状、三角格子状などそのパターンは設計変更により適宜決定することができる。また着色層を形成するにあたり、ブラックマトリクスが省略される場合がある。尚、突起物6の役割を有しないBM5の厚みは、0.5μm〜2μm程度であることが一般的である。
[着色層]
次に、BM5の形成された基材面に着色層2が形成される。着色層2は、赤色光透過性着色部2R、緑色光透過性着色部2G、青色光透過性着色部2Bの3色の光透過性着色部より構成されている。2R、2G、及び2Bは、BM5の開口部毎にモザイク型、トライアングル型など種々の配置パターンにより形成されるか、あるいは該開口部を覆って色毎に配列する帯状に形成されることが一般的である。2R、2G、及び2Bは、それぞれ適用される着色剤が溶解もしくは分散された、好ましくは微細顔料が分散された樹脂組成物を用いてパターン形成される。より詳しくは、所定の色に着色したインキ組成物を調製して、各色パターン毎に印刷することによって形成されるか、あるいは所定の色の着色剤を含有した塗料タイプの感光性樹脂組成物を用いて、フォトリソグラフィ法によって形成される。着色層2の厚みは、1μm〜5μm程度の範囲内において略均一の厚みに形成されることが一般的である。
尚、本発明において、「着色層の上面が略平坦に形成されており」とは、着色層を構成する各光透過性着色部の厚みが設計上、略等しい高さで形成されることによって、着色層の厚みが実質的に均一に形成されている態様であってよい。あるいは、着色層を構成する各光透過性着色部の上面を覆って設けられる平坦部をさらに備える着色層を形成することによって、該着色層の上面が平坦に形成されている態様であってもよい。後者の態様においては、各光透過性着色部の高さは必ずしも等しい高さでなくてもよく、例えば、設計上は同じ高さに設計された各光透過性着色部が製造上の収縮などによって高さに差異が生じる場合、あるいは、各光透過性着色部に求められる狙いの色度を出すために予め設計された高さの相違が存在する場合などにおいても、高さの相違する各光透過性着色部の上面を覆って形成される平坦部の存在により、着色層上面が平坦に形成される。
このように、着色層上面が平坦に略平坦に形成されることにより、該着色層上面に設けられる位相差層は、突起物の存在しない領域においては略均一の厚みに形成され、また突起物の周囲においては盛り上がって形成されるため、突起物の周囲とそれ以外の領域において、有意に位相差層の膜厚に高低差が生じるものである。
カラーフィルタ1では、赤色、緑色、青色の三色の光透過性着色部により構成される着色層2を示したが、これに変えて各色の補色の波長帯の光を透過させる着色画素を用いて透明着色領域を形成してもよく、用いられる色数も、単色、2色あるいは、4色以上であってよい。少なくとも2色以上の異なる着色領域が光透過性基板上に直接または間接に設けられることによって、本発明のカラーフィルタを各種の液晶表示装置の表示側基板として好適に使用することが可能である。
[柱状体]
着色層2を形成した後、位相差層7の形成に先んじて突起物6でもある柱状体8が形成される。本発明における柱状体8は、図6に示すように、カラーフィルタ1を一方の基板(表示側基板)とし、対向する基板と組んで液晶表示装置を製造する際に、対向する両基板間に所定の間隔のスペースを確保するために、カラーフィルタ1に設けられる部材である。柱状体8により確保された両基板間におけるスペースには駆動用液晶材料が封入されて駆動用液晶層37が形成される。本発明における柱状体8は、任意の高さで形成されてよいが、一般的には、駆動用液晶層37の厚み(所謂、セルギャップ)が、2μm以上15μm以内となるよう形成される。
柱状体8は、種々の素材で構成することが可能であるが、感光性樹脂組成物の硬化物、広く言えば電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物で構成されることが好ましい。他の種々の素材を用いることを除外するものではないが、好ましい硬度を示す柱状体を容易に形成することができるという点からは、上記硬化物を用いることが好ましい。また本明細書では、上記電離放射線硬化性樹脂として、専ら紫外線により硬化する感光性樹脂組成物を扱うが、本発明において用いられる電離放射線硬化性樹脂は、紫外線以外の電子線等により硬化する樹脂を用いることもできる。また感光性樹脂組成物としては、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する感光性樹脂を含むものを使用するとよい。
上記電離放射線硬化性樹脂を、必要に応じ、溶剤、希釈剤、もしくはモノマー等、さらには、適宜な添加剤と共に混合して、柱状体形成用の塗料組成物もしくはインキ組成物を調製して用い、一様に塗布し、乾燥させた後、所定のパターン露光を行ない、その後に現像するプロセス(フォトリソグラフィ法)を行うことによって柱状体8を形成できる。例えば、先に公開されている特開2005−3750に開示される方法にならって柱状体8を形成することができる。
また柱状体8のその他の形成方法としては、スクリーン印刷法、あるいは転写法などの公知の方法を挙げることができる。上記スクリーン印刷法は、インキ組成物を用い、柱状体8の形成が予定される位置に重ね刷りすることによって柱状体8を形成することができる。また上記転写法は、印刷ロール上に柱状体8を構成する樹脂を用いて該柱状体8のパターンを形成し、該印刷ロールを着色層2表面で回転させて該着色層2上に柱状体8のパターンを転写することにより実施することができる。例えば、転写方法として従来公知の方法としては、特開2006−178427が挙げられる。
[位相差層]
位相差層7は、熱重合あるいは電離放射線重合可能な重合性液晶化合物よりなるものである。より詳しくは、柱状体8が既に形成された着色層2の表面に重合性液晶化合物を含有する位相差層形成用樹脂組成物を塗布して塗膜を形成し、該塗膜中に存在する重合性液晶分子を所望の方向に配向させた後、その配向状態を保持したまま重合させることにより固定化された位相差層7が形成される。位相差層7は、ディスプレイに透過される光の位相差を制御するための位相差制御機能を発揮する。尚、本明細書において電離放射線重合可能な化合物とは、電離放射線を照射することにより重合反応を起こす化合物を意味する。また本明細書において電離放射線とは、紫外線などを含む電磁波、及び電子線などを含み分子を重合し得るエネルギー量子を有する粒子線のいずれをも含む。
上記液晶性組成物を、柱状体8が形成された着色層2表面に塗布する方法としては、例えばスピンコーティング方法、ダイコーティング方法、スリットコーティング方法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、凸版印刷法、スクリーン印刷法、転写印刷法、静電印刷法、無版印刷法といった各種印刷方法や、グラビアコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、バーコート法、ディップコート法、キスコート法、スプレーコート法、コンマコート法、インクジェット法などの従来公知の方法を適宜選択して採用することができる。特に、液晶性組成物を均一に塗布するが容易であるという観点からは、スピンコーティング方法が好ましい。尚、上記液晶性組成物は、基材面に塗布するときの塗布性をよくする観点から、各種の溶剤に溶解された状態である液晶組成物溶液を用いることが望ましい。また配向膜を形成後、塗膜を作製する場合において、該配向膜が撥水性又は撥油性の高いものである場合には、配向膜上に液晶組成物を塗布する前に、液晶分子を配向可能な範囲内でUV洗浄やプラズマ処理を施して、液晶組成液を塗布しようとする配向膜表面の濡れ性を予め高めておいてもよい。
次に上記塗膜に熱を照射するなどして加熱し、塗膜に含まれる溶剤を除去するとともに、該塗膜中に存在する重合性液晶化合物を液晶相が発現する温度にまで昇温させて所望の方向に配向させる。上記加熱の温度及び時間は、液晶組成物に含まれる液晶化合物の特性に応じて変動しうるが、通常、70℃〜120℃で数分〜30分間程度の範囲で行われる。なお、本例に用いる支持体のように、ラビング処理された配向膜上に塗膜が形成される場合には、通常、塗膜は、ラビング方向に沿って液晶化合物をなす液晶分子が配向された状態となっている。
そして、一定方向に配向した状態となった液晶化合物を含む塗膜に向けて、一定方向に液晶化合物を配列させた状態を維持しつつ、電離放射線(例えば紫外線)あるいは熱を照射して重合させることにより液晶化合物を固定化させる。上記露光処理においては、電離放射線として一般的には紫外線が好ましく用いられる。紫外線としては、波長200〜500nm程度の照射光で、高圧水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ等が用いられる。また、紫外線の照射光量は、重合性液晶化合物の種類や組成、光重合開始剤の種類や量等によって異なるが、通常、10〜3000mJ/cm 程度の範囲である。
位相差層7をパターン形成する場合には、フォトリソグラフィ法により、次のように位相差層を部分的に作製することができる。即ち、柱状体8を備える着色層2上に一面に液晶塗膜を作製し、所定のパターンにてパターン形成されたフォトマスクを介して電子放射線を照射し、液晶化合物の重合反応が十分に進んだ部分と、液晶化合物の重合反応が不十分な部分とを作出する。その後、液晶分子の重合反応が不十分で未硬化な状態にある液晶組成物を溶解可能な溶液に浸漬することにより、液晶塗膜において液晶分子の重合反応が進まなかった部分を基材面から除去する(現像処理)。こうして、基材上に液晶相の液晶分子を含む層構造を所定のパターンで形成する(パターニングする)ことが具体的に実現可能である。
上記方法によりカラーフィルタ1において予め所定の領域を定めて、その領域を狙って位相差層7を所定のパターンにてパターン形成することが可能となる。あるいは、位相差層7の異なるパターン形成方法としては、上述と同様に、所定のパターンにてパターン形成されたフォトマスクを介して電子放射線を照射し、液晶化合物の重合反応が十分に進んだ部分と、液晶化合物の重合反応が不十分な部分とを作出し、液晶化合物の重合反応が不十分な部分をさらに加熱することによって液晶化合物の配向を乱すことによって等方性相とし、液晶化合物が所望の配向状態で架橋した異方性相と液晶化合物の向きがばらばらな等方性相とからなる位相差層を形成することもできる(かかる場合には、異方性層においてのみ位相差が発揮され実質的なパターン位相差層が形成される)。
上記位相差層7を構成する重合性液晶化合物の配向方向を所望の方向に設計して形成することのできる位相差層の種類は、上述したとおり、いわゆる正のAプレート、正のCプレート、負のCプレートから選択可能である。またさらに位相差層7は、該位相差層7に対して斜めであるか、あるいはその角度が層に垂直な方向で変化しているハイブリッド配向プレートであってもよい。
尚、上記重合性液晶化合物を所望の方向に配向させるために、位相差層7を形成する前に、該重合性液晶化合物用の配向膜を、柱状体8を備える着色層2表面に設けてもよい(図示せず)。配向膜は必ずしも必須ではないが、配向膜を設けることにより上記塗膜中に存在する上記重合性液晶化合物の配向方向の制御が容易となるため好ましい。配向膜は柱状体8を備える着色層2面上に、ポリイミド等の配向性樹脂を塗布、乾燥させた後、ラビング処理や光配向処理することにより形成することができる。ただし上記ラビング処理や光配向処理は必ずしも行わなくても良い場合がある。また同様に該着色層5上に酸化ケイ素を斜め蒸着することで配向膜を形成することもできる。上記配向膜を形成するための材料としては、市販の配向膜材料を用いることができる。具体的には日産化学(株)製の配向膜材料(サンエバー)、日立化成デュポンマイクロシステムズ(株)製の配向膜材料(QL,LXシリーズ)、JSR(株)製の配向膜材料(ALシリーズ)、チッソ(株)製の配向剤(リクソンアライナー)などを用いることができる。
[重合性液晶化合物]
上記位相差層7を形成する際に用いられる液晶組成物に含有される重合性液晶化合物としては、棒状の分子構造を有する棒状重合性液晶化合物、あるいは円盤状の分子構造を有する、所謂ディスコティック重合性液晶化合物を用いることができる。特には、棒状重合性液晶化合物を好ましく用いることができ、例えば特表平10−508882号に開示されているようなものを使用することができる。より具体的な棒状重合性液晶化合物の例として示す重合性のネマチック液晶分子としては、例えば、1分子中に(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、オキセタン基、イソシアネート基等の重合性基を少なくとも1個有するモノマー、オリゴマー、ポリマー等が挙げられる。また、このような棒状重合性液晶化合物として、より具体的には、下記化1に示す一般式(1)で表される化合物または下記化2に示す一般式(2)で表される化合物のうちの1種もしくは2種以上の混合物、化3または化4に示す化合物のうちの1種或いは2種以上の混合物、またはこれらを組み合わせた混合物を用いることができる。
Figure 2009265448
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Figure 2009265448
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化1に示す一般式(1)において、RおよびR2は、それぞれに、水素またはメチル基を示すが、架橋性液晶分子が液晶相を示す温度の範囲をより広くするには少なくともR及びR2のどちらか一方が水素であることが好ましく、両方が水素であることがより好ましい。また一般式(1)におけるX及び化2に示す一般式(2)のYは、水素、塩素、臭素、ヨウ素、炭素数1〜4のアルキル基、メトキシ基、シアノ基またはニトロ基のいずれであってもよいが、塩素またはメチル基であることが好ましい。また、一般式(1)の分子鎖両端の(メタ)アクリロイロキシ基と芳香環との間のアルキレン基の鎖長を示すaおよびb並びに、一般式(2)におけるdおよびeは、それぞれ個別に2〜12の範囲で任意の整数をとり得るが、4〜10の範囲であることが好ましく、6〜9の範囲であることがさらに好ましい。a=b=0である一般式(1)の化合物(I)またはd=e=0である一般式(2)の化合物(II)は安定性に乏しく、加水分解を受けやすい上に、化合物(I)または(II)自体の結晶性が高い。また、aおよびb、あるいはdおよびeがそれぞれ13以上である一般式(1)の化合物(I)または一般式(2)の化合物(II)は、等方相転移温度(TI)が低い。この理由から、これらの化合物は、どちらについても液晶性を安定的に示す温度範囲(液晶相を維持する温度範囲)が狭いものとなり、本発明の液晶組成物中に含有される液晶性化合物として用いるには好ましくない。
尚、上記重合性液晶化合物と共に、液晶組成物中に含まれる添加剤としては、従来公知の添加剤を適宜使用することができる。より具体的な添加剤の例としては、光重合開始剤、熱重合開始剤、界面活性剤、カイラル剤、増感剤、シランカップリング剤などが挙げられる。
上記光重合開始剤は、液晶組成物中に、重合性液晶化合物の配向を損なわない範囲で配合される。特に紫外線照射によりフリーラジカルを発生するラジカル重合開始剤が好ましい。光重合開始剤の配合量としては、液晶組成物中の重合性液晶分子の添加量に対して0.01%〜15%程度(質量基準)であり、より好ましくは、0.5%〜10%程度である。
具体的な光重合開始剤としては、ベンジル(ビベンゾイルともいう)、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4´―メチルジフェニルサルファイド、ベンジルメチルケタール、ジメチルアミノメチルベンゾエート、2−n−ブトキシエチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、3,3´−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、メチロベンゾイルフォーメート、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等を挙げることができる。
上述する位相差層7の膜厚みは、公知の触針式段差測定装置を使用することにより測定することができる。具体的な触針式段差測定装置としては、例えば小坂研究所社製SURFCORDER ET400Lを挙げることができる。尚、位相差層の厚みの測定は、色ごとに、各着色画素に積層される位相差層7の略中央の厚みを測定し、画素を変えて5箇所測定し、その平均値を算出することで、位相差層7の膜厚を求めることができる。
また位相差層7の位相差(リタデーション)は、公知のリタデーション測定装置や顕微分光測定装置を使用して測定することができる。具体的には、オリンパス社製の顕微分光測定装置OSP−SP200と偏光板2枚を用いて、偏光板2枚の間にサンプルをはさみ、サンプルの位相差層の光軸をどちらかの偏光板の光軸に合うように設置し、偏光板がパラレルの状態と偏光板がクロスの状態の透過光量を測定することで、回転検光子法よって算出できる。
以下に、本発明の実施例及びこれに対する比較例を示す。尚、本発明の実施例及び比較例として、図7に示す構成の半透過半反射用カラーフィルタを用いた。図7は、半透過半反射用カラーフィルタの上面から各構成を観察するための説明図である。
本実施例及び比較例において実施した半透過半反射用カラーフィルタは、図7に示すように、ストライプ状パターンのBM101と、該BM101に対し略直角方向に伸びる青色光透過性着色部103、緑色光透過性着色部104、及び赤色光透過性着色部105がこの順でストライプ状に形成される着色層とを備える。またBM間は透過性領域であり、反射部107と透過部108とが交互に設けられ、反射部107には位相差層が設けられる。そして、本実施例及び比較例では、突起物でもある柱状体106を、反射部107に対し図面に向かって左側に位置するBM101と赤色光透過性着色部105とが交差する領域に1本ずつ設けるものとする。以下に、実施例1乃至3及び比較例1の詳細について述べる。
(ガラス基材の前処理)
基材として低膨張率無アルカリガラス板(コーニング社製1737ガラス 100mm×100mm、厚み0.7mm)を準備して洗浄処理を施した。
(ブラックマトリクス、着色層、平坦化層、柱状体用塗工液の調製)
ブラックマトリクス及び赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色光透過性パターンには顔料分散型フォトレジストが用いられた。
顔料分散型フォトレジストは、着色材料として顔料を用い、分散液組成物(顔料、分散剤及び溶剤を含有する)にビーズを加え、分散機で3時間分散させ、その後ビーズを取り除いた分散液とクリアレジスト組成物(ポリマー、モノマー、添加剤、開始剤及び溶剤を含有する)とを混合したものである。その組成を下記に示す。尚、分散機としては、ペイントシェーカー(浅田鉄工社製)を用いた。
各フォトレジストの組成を以下に示す。
(BM用フォトレジスト)
・黒顔料・・・・・14.0重量部
(大日精化工業(株)製TMブラック♯9550)
・分散剤・・・・・1.2重量部
(ビックケミー(株)製Disperbyk111)
・ポリマー・・・・・2.8重量部
(昭和高分子(株)製VR60)
・モノマー・・・・・3.5重量部
(サートマー(株)製SR399)
・添加剤・・・・・0.7重量部
(綜研化学(株)製L−20)
・開始剤・・・・・1.6重量部
(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1)
・開始剤・・・・・0.3重量部
(4,4´−ジエチルアミノベンゾフェノン)
・開始剤・・・・・0.1重量部
(2,4−ジエチルチオキサントン)
・溶剤・・・・・75.8重量部
(エチレングリコールモノブチルエーテル)
(赤色(R)着色画素用フォトレジスト)
・赤顔料・・・・・5.0重量部
(C.I.PR254(チバスペシャリティケミカルズ社製、クロモフタールDPP Red BP))
・黄顔料・・・・・1.0重量部
(C.I.PY139(BASF社製、パリオトールイエローD1819))
・分散剤・・・・・3.0重量部
(ゼネカ(株)製、ソルスパース24000)
・モノマー・・・・・4.0重量部
(サートマー(株)製、SR399)
・ポリマー1・・・・・5.0重量部
・開始剤・・・・・1.4重量部
(チバガイギー社製、イルガキュア907)
・開始剤・・・・・0.6重量部
(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール)
・溶剤・・・・・80.0重量部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
(緑色(G)着色画素用フォトレジスト)
・緑顔料・・・・・3.8重量部
(C.I.PG7(大日精化製、セイカファストグリーン5316P))
・黄顔料・・・・・2.2重量部
(C.I.PY139(BASF社製、パリオトールイエローD1819))
・分散剤・・・・・3.0重量部
(ゼネカ(株)製、ソルスパース24000)
・モノマー・・・・・4.0重量部
(サートマー(株)製、SR399)
・ポリマー1・・・・・5.0重量部
・開始剤・・・・・1.4重量部
(チバガイギー社製、イルガキュア907)
・開始剤・・・・・0.6重量部
(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール)
・溶剤・・・・・80.0重量部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
(青色(B)着色画素用フォトレジスト)
・青顔料・・・・・4.6重量部
(C.I.PB15:6(BASF社製、ヘリオゲンブルーL6700F))
・紫顔料・・・・・1.4重量部
(C.I.PV23(クラリアント社製、フォスタパームRL−NF))
・顔料誘導体・・・・・0.6重量部
(ゼネカ(株)製、ソルスパース12000)
・分散剤・・・・・2.4重量部
(ゼネカ(株)製、ソルスパース24000)
・モノマー・・・・・4.0重量部
(サートマー(株)製、SR399)
・ポリマー1・・・・・5.0重量部
・開始剤・・・・・1.4重量部
(チバガイギー社製、イルガキュア907)
・開始剤・・・・・0.6重量部
(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール)
・溶剤・・・・・80.0重量部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
(平坦化層用、及び柱状体用フォトレジスト)
・モノマー・・・・・14.0重量部
(サートマー(株)製、SR399)
・ポリマー1・・・・・13.0重量部
・開始剤・・・・・2.0重量部
(チバガイギー社製、イルガキュア907)
・開始剤・・・・・1.0重量部
(チバガイギー社製、イルガキュア365)
・溶剤・・・・・70.0重量部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
尚、本明細書において記載のポリマー1は、ベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレート=15.6:37.0:30.5:16.9(モル比)の共重合体100モル%に対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを16.9モル%付加したものであり、重量平均分子量は42500である。
(位相差層形成用の液晶組成液の調製)
位相差用の液晶組成液を下記の組成で調製した。
・重合性液晶(メルク社製 RMM34) 23.75重量部
・光重合開始剤(イルガキュア907) 1.25重量部
・溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル) 75.0 重量部
(ブラックマトリクス及び着色層の形成)
洗浄したガラス基材上に、上記BM用フォトレジストをスピンコート法で1.2μmの厚さに塗布し、減圧乾燥により溶剤を減じ、80℃、3分間の条件でプリベークし、線幅15μmのストライプ状のBM101が設けられるよう形成されたマスクを用いて露光(100mJ/cm)し、続いて0.05%KOH水溶液を用いたスプレー現像を60秒行った後、230℃、30分間ポストベークし、BM基板を作製した。
次に、上記赤色(R)の顔料分散型フォトレジストを上記BM基板上にスピンコート法で塗布し、減圧乾燥により溶剤を減じ、80℃、3分間の条件でプリベークし、面内方向の所定位置に矩形状の光透過部を所定方向に間欠的に格子状に並べて形成される着色パターン用フォトマスクを用いて、アライメント露光(100mJ/cm)した。引き続き0.1%KOH水溶液を用いたスプレー現像を60秒行った後、230℃、30分間ポストベークし、BMパターンに対して所定の位置に膜厚2.1μmの赤色(R)着色画素パターンを形成した。
同様に、上記緑色(G)の顔料分散型フォトレジストを用いて、BMパターンに対して所定の位置に膜厚2.2μmの緑色(G)着色画素パターンを形成した。
さらに、上記青色(G)の顔料分散型フォトレジストを用いて、BMパターンに対して所定の位置に膜厚1.9μmの青色(B)着色画素パターンを形成した。
次に、3色の着色層を形成した基板上に、平坦化層用フォトレジストをスピンコート法で塗布し、80℃、3分間の条件でプリベークし、フォトマスクを用いず、露光(100mJ/cm)した。引き続き0.1%KOH水溶液を用いたスプレー現像を50秒行った後、230℃、30分間ポストベークすることで、平坦化層(厚み2.0μm)を形成し、着色層付き基材を得た。
(実施例1)
(柱状体の形成)
上記着色層付き基材上に、柱状体を以下のとおり形成した。上述のとおり、本実施例において柱状体は、本発明における突起物としても作用するものとして、その形成位置を反射部107に対し図面に向かって左側に位置するBM101と赤色光透過性着色部105とが交差する領域に1本ずつ設けた。
まず上述する柱状体用フォトレジストを上記平坦化層上にスピンコート法で塗布し、減圧乾燥により溶剤を減じ、80℃、3分間の条件でプリベークし、柱状体用フォトマスクを用いて、アライメント露光(100mJ/cm)した。引き続き0.1%KOH水溶液を用いたスプレー現像を60秒行った後、230℃、30分間ポストベークし、直径10μm、高さは2.94μmの柱状体106を形成した。
(位相差層の形成)
上述のとおり柱状体形成後に、配向膜形成用の組成物(JSR株式会社製、AL1254)を、スピンコーターを用いて塗布して塗布膜を形成するとともに、塗布膜の膜厚を0.1μm以下となし、230℃のオーブン内で30分焼成した。次いで、ラビング装置を用いて、配向膜に配向処理を施した。
その後、配向処理を施された配向膜上に、先に調製した位相差層形成用の液晶組成液をスピンコート法で塗布して液晶塗布膜を得て、80℃、3分間の条件でプリベークし、フォトマスクを用いて、この液晶塗布膜をアライメント露光(500mJ/cm)した。引き続き、メチルエチルケトン(MEK)を用いてバット現像を5秒行った後、230℃、30分間ポストベークすることで、半透過半反射用のカラーフィルタ内において正のAプレートとして働くよう、反射部107を覆うようパターニングした。尚、反射部107の線幅は25μm、透過部108の線幅は35μmとなるよう、BM101を形成する際にBM間の間隔をパターニングした。したがって、上記位相差層は、反射部107を完全に覆うよう、両端を数μmずつBMに重ねて積層し、線幅35μmで形成した。
(実施例2)
柱状体の高さを3.55μmに変更した以外は、実施例1と同様に、カラーフィルタを作成し、これを実施例2とした。
(実施例3)
柱状体の高さを3.68μmに変更するとともに、反射部107の線幅を35μmとし、これにしたがって反射部107を覆う位相差層の線幅を45μmとし、且つ透過部108の線幅を55μmとなるようパターニングした以外は、実施例1と同様にカラーフィルタを作成し、実施例3とした。
(比較例1)
上記着色層付き基材上に、まず実施例1と同様の方法で、配向膜及び位相差層を形成し、該位相差層を形成した後に柱状体を形成したこと以外は実施例1と同様にカラーフィルタを作成し、比較例1とした。
実施例1乃至3、及び比較例1について、緑色光透過性着色部104、赤色光透過性着色部105、青色光透過性着色部103における位相差層の厚みを、図7に示す計測点111乃至113において測定した。尚、位相差層の厚みの測定は、各光透過性着色部の略中央領域である。表1に、測定点の「柱からの距離」の目安を示す。またさらに任意の4箇所の画素において、上述と同様に位相差層の厚みを測定した。そして5点における位相差層の厚みの測定値より平均値を算出した。また各光透過性領域における位相差も、上述と同様に5箇所で測定して平均値を求め、位相差層の膜厚みの平均値とともに、下記表2に示した。尚、位相差の測定は、オリンパス社製の顕微分光測定装置OSP−SP200を用い、測定スポット径の設定を10μmにして行った。
Figure 2009265448
実施例1乃至3では、589nmでの位相差及び膜厚が赤>緑=青もしくは赤>緑>青となるような位相差層が形成できたことが確認できた。即ち、位相差層形成用の液晶組成液を塗布した際に、柱状体106の影響を受けて該柱状体106近傍の位相差層形成用塗膜が盛り上がって形成され、柱状体106に隣接する赤色光透過性領域105上における該塗膜の厚みもこれにつられて厚くなっており、その後、位相差層が反射部107を覆うようパターニングされた後においても、他の光透過性着色部上の位相差層の厚みよりも該赤色光透過性着色部105上の位相差層の厚みが有意に増大した状態で存在することが確認された。
一方、比較例1は、柱の高さは実施例1と同様であるが、位相差層が柱よりも先に形成されたため、柱の影響により位相差層の厚みが増加することながく、いずれの着色画素においても位相差層の厚みはほぼ均一に形成された。そのため、特定の着色画素における波長分散の補正効果は期待できないことが確認された。
図1は、本発明のカラーフィルタの一実施態様を示す半透過半反射型液晶表示装置用のカラーフィルタの上面図である。 図2Aは、図1に示すカラーフィルタにおける突起物が柱状体である場合のX−X断面図であり、図2Bは、当該図1に示すカラーフィルタのY−Y断面図である。 図3Aは、図1に示すカラーフィルタにける突起物が、赤色のフォトレジストで形成された突起物である場合のX−X断面図であり、図3Bは、当該図1に示すカラーフィルタのY−Y断面図である。 図4は、本発明のカラーフィルタの一実施態様を示す半透過半反射型液晶表示装置用のカラーフィルタの上面図である。 図5Aは、図4に示すカラーフィルタのZ−Z断面図であり、図5Bは、図4に示すカラーフィルタのW−W断面図である。 図6は、本発明のカラーフィルタを備えた半透過半反射型の液晶表示装置の分解斜視図である。 本発明の実施例および比較例において実施した半透過半反射用カラーフィルタの構成を説明するための説明図である。
符号の説明
1、21 カラーフィルタ
2 着色層
2R、105 赤色光透過性着色部
2G、104 緑色光透過性着色部
2B、103 青色光透過性着色部
3、108 透過部
4、107 反射部
5、25、101 ブラックマトリクス
6 突起物
7、7’ 位相差層
8、106 柱状体
9 基材
10B 緑色突起物
11 保護層
25’ ブラックマトリクス突起物
31 液晶表示装置
32 第二位相差層
33 反射板
34 基材
37 駆動液晶層
38a、38b 偏光板
41 表示側基板
42 対向基板
111 計測点(緑)
112 計測点(赤)
113 計測点(青)

Claims (21)

  1. 基材と、上記基材上に直接又は間接に設けられた2色以上の光透過性着色部が配列してなる着色層と、上記着色層上に直接又は間接に設けられた位相差層とを備えるカラーフィルタであって、
    上記着色層の上面が略平坦に形成されており、
    上記基材を下方向としたときの上下方向において、上記光透過性着色部の上面よりも高い位置に上端が存在する突起部が、上記着色層上、あるいは上記基材上、あるいは上記着色層と上記基材との間に設けられたその他の層上に設けられており、
    上記位相差層が、上記突起物の形成された基材面において重合性液晶材料を含有する液晶組成物を塗布して液晶塗膜を形成し、次いで上記重合性液晶材料を所望の方向に配向させた状態で重合させることによって固定化させることによって形成される層であって、
    上記突起物の存在に起因して、少なくとも1色の光透過性着色部の上方に位置する位相差層の厚みh1が、他の色の光透過性着色部の上方に位置する位相差層の厚みh2よりも2%以上大きいことを特徴とするカラーフィルタ。
  2. 上記突起物が、特定の1色の光透過性着色部上面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ。
  3. 上記着色層が3色以上の光透過性着色部から構成されており、特定の2色の光透過性着色部間上面を跨いで上記突起物が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ。
  4. 上記着色層上に直接または間接に、基板間のセルギャップを確保することを予定される柱状体が設けられており、
    上記柱状体が、上記突起物でもあることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
  5. 突起物が上面に設けられることが予定される光透過性着色部以外の光透過性着色部を構成するフォトレジストにより、上記突起物が構成されていることを特徴とする請求項2または3に記載のカラーフィルタ。
  6. 上記着色層を構成する2色以上の光透過性着色部が、ブラックマトリクスによって区画されており、且つ、上記基材面に対して垂直方向上面側から観察した際に、上記突起物が、上記ブラックマトリクス上方に存在していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
  7. 上記着色層を構成する2色以上の光透過性着色部のうち、特定の1色の光透過性着色部の全ての領域、あるいは特定の2色の光透過性着色部に跨る全ての領域に、上記突起物が設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
  8. 上記着色層を構成する2色以上の光透過性着色部が、ブラックマトリクスによって区画されており、
    上記ブラックマトリクスが、特定の1色の光透過性着色部間を区画する任意の領域において光透過性着色部の上面よりも高い位置にその上端が位置するよう形成される長身部を備えており、
    上記長身部以外の部分では、上記ブラックマトリクスの上端は、光透過性着色部の上面より低い位置に位置するよう形成されており、
    上記長身部が、上記突起物でもあることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ。
  9. 上記着色層が、各光透過性着色部の上面全体を覆って設けられる平坦化部をさらに備えることによって該着色層の上面が略平坦に形成されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
  10. 上記特定の1色の光透過性着色部が、上記着色層を構成する2以上の光透過性着色部のうち、最も長波長側の光を透過するために設けられた光透過性着色部であることを特徴とする請求項1、2、4乃至9のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
  11. 上記着色層が、赤色光透過性着色部、緑色光透過性着色部、青色光透過性着色部の3色の光透過性着色部から構成されており、上記特定の1色の光透過性着色部が、上記赤色光透過性着色部であることを特徴とする請求項10に記載のカラーフィルタ。
  12. 上記特定の1色の光透過性着色部が、上記着色層を構成する2以上の光透過性着色部のうち、最も短波長側の光を透過するために設けられた光透過性着色部であることを特徴とする請求項1、2、4乃至9のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
  13. 上記着色層が、赤色光透過性着色部、緑色光透過性着色部、青色光透過性着色部の3色の光透過性着色部から構成されており、上記特定の1色の光透過性着色部が、上記青色光透過性着色部であることを特徴とする請求項12に記載のカラーフィルタ。
  14. 上記位相差層が、任意のパターンでパターニング形成されていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
  15. 透過表示機能と反射表示機能を有する半透過半反射型表示装置に用いられ、
    上記基材面に対し垂直方向上面側から観察した場合に、
    透過表示機能にて表示される領域に対応して定められる透過部と、
    反射表示機能にて表示される領域に対応して定められる反射部と、
    上記透過部及び上記反射部をブラックマトリクスによって区画される区画領域とから構成されるとともに、上記突起物が、上記区画領域に設けられており、且つ
    上記透過部を避けて上記反射部を覆うように上記位相差層が選択的にパターニングされていることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
  16. 透過表示機能と反射表示機能を有する半透過半反射型表示装置に用いられ、
    上記基材面に対し垂直方向上面側から観察した場合に、
    透過表示機能にて表示される領域に対応して定められる透過部と、
    反射表示機能にて表示される領域に対応して定められる反射部と、
    上記透過部及び上記反射部をブラックマトリクスによって区画される区画領域とから構成されるとともに、上記突起物が、上記反射部の領域に設けられており、且つ
    上記透過部を避けて上記反射部を覆うように上記位相差層が選択的にパターニングされていることを特徴とする請求項1乃至7、または9乃至14のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
  17. 上記位相差層が、光軸が上記基材面に対して平行であり正の屈折率異方性をもつ正のAプレートであることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
  18. 上記位相差層が、光軸が上記基材面に対して垂直である正の屈折率異方性をもつ正のCプレートとして作用することを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
  19. 上記位相差層が、光軸が上記基材面に対して垂直であり負の屈折率異方性をもつ負のCプレートとして作用することを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
  20. 上記基材の上記着色層が形成されている面とは反対側の面、あるいは上記基材と上記着色層との間に、上記位相差層とは異なる第2位相差層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至19のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
  21. 請求項1乃至20のいずれか1項に記載のカラーフィルタを備えることを特徴とする液晶表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2011096530A1 (ja) * 2010-02-08 2011-08-11 シャープ株式会社 カラーフィルタの製造方法および液晶パネル

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WO2011096530A1 (ja) * 2010-02-08 2011-08-11 シャープ株式会社 カラーフィルタの製造方法および液晶パネル

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