JP2008254982A - 単結晶育成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】チョクラルスキー法による単結晶育成装置において、冷却体を使用して引上げ速度の高速化を図りつつ、その冷却体からの漏水を高い精度で検知できる単結晶育成装置を提供する。
【解決手段】単結晶を包囲し、内部に冷却水を流通する冷却体10において、第1流量計17により冷却体10への冷却水の流入流量L1を検出し、第2流量計18により冷却体10からの冷却水の流出流量L2を検出し、圧力計12により炉体内の圧力Pを検出する。流入流量L1及び流出流量L2より流量差ΔLを算出し、圧力Pより圧力変動ΔPを算出する。流量差ΔLと圧力変動ΔPがほぼ同時に閾値ΔLB、ΔPBを超えた場合、漏水と判断する。
【選択図】図3

Description

本発明は、半導体デバイス製造における最も基本的な基盤材料であるシリコン単結晶の製造に用いられる単結晶育成装置に関し、特に、チョクラルスキー法によってシリコン単結晶を育成する単結晶育成装置に関する。
シリコン単結晶(以下、単に「単結晶」と記すことがある)を製造するには種々の手法があるが、その中でもチョクラルスキー法(以下、「CZ法」と記す)が一般的である。CZ法による単結晶の製造では、減圧雰囲気にされた炉体内において、石英ルツボ内に貯溜されたシリコン融液に種結晶を浸漬し、この状態からルツボ及び種結晶を回転させながら、種結晶を上方へ徐々に引き上げる。これにより、種結晶の下方にシリコンの単結晶を成長させ、概ね円柱状の単結晶を得る。
このようなCZ法による単結晶の引上げでは、結晶断面における欠陥分布等が結晶成長速度すなわち引上げ速度に依存することが知られている。引上げ速度を速くするほど、リング状のOSF発生領域が外周部へ移動し、最終的には結晶有効部分の外側へ排除される。逆に、引上げ速度を遅くすることにより、リング状のOSF発生領域が結晶中心部へ移動し、最終的にはその中心部で消滅する。
OSF発生領域の外側も内側も共に欠陥発生領域であるが、その外側と内側とでは欠陥の種類が異なる。また、引上げ速度を高速化すると、当然のことながら生産性が向上し、その上、欠陥が微細化することが知られている。これらのため、結晶成長にあたっての一つの方向性として、引上げの高速化が追求されている。
高速引上げを実現するための技術として、熱遮蔽体の配設が知られている。熱遮蔽体は、単結晶の周囲を包囲するように設けられた逆円錐台形状で筒状の断熱部材であり、主にルツボ内の融液やルツボの外側に配置されたヒータからの輻射熱を遮る。これにより、融液から引き上げられている単結晶の加熱が抑制されるため、結果として単結晶の冷却が促進し、引上げ速度の高速化が図られる。
更に最近では、熱遮蔽体の内側に、強制的に水冷される筒状の冷却体を配設する技術も注目されている(例えば、特許文献1参照)。内部に冷却水を流通する筒状の冷却体を、熱遮蔽体の内側に、単結晶の周囲を包囲するように設けることにより、単結晶の特に高温部分の冷却が更に促進し、引上げ速度の一層の高速化が図られる。
ところで、このようなCZ法による単結晶の育成では、単結晶の予定しない落下等が起こると、ルツボを始めとする各種のホットゾーン構成部品(熱遮蔽体や冷却体等)が破損することは否めない。もっとも、引上げ速度の高速化を図る部品のうち、熱遮蔽体の破損はさほど大きな問題を生じない。
しかし、冷却体が破損した場合は、甚大な事故を引き起こすおそれがある。冷却体の破損により、冷却体の内部を流通する冷却水が炉体内に漏出し、この漏出した冷却水が非常に温度の高い状態にある融液等と接触すると、気化が一気に起こって炉体内の圧力が急激に上昇する。つまり、水蒸気爆発を引き起こしかねない。また、冷却体が破損しない場合であっても、経年劣化等により自然発生的に冷却水が漏出することがあり、この場合も同様の水蒸気爆発の懸念がある。
このような安全操業上の問題に対し、従来の単結晶育成装置では、冷却体に流入する冷却水の流量と、冷却体から流出する冷却体の流量と、をそれぞれ流量計で測定し、両者の流量差のみをもってして冷却水の異常漏水を判定するようにしている(例えば、特許文献2参照)。これは、冷却体で漏水が生じていない場合は、冷却体への冷却水の流入量と冷却体からの冷却水の流出量が一致する一方、冷却体で漏水が生じると、冷却体への流入量に比して冷却体からの流出量が減少することに着眼したものである。このような単結晶育成装置により、操業中に冷却体からの漏水を検知でき、その結果、甚大な事故が起こる前に適正な処置をとることができる。
特開平11−92272号公報 特開2002−104895号公報
ところが、上記した従来の単結晶育成装置では、冷却水の異常漏水の判定にあたり、実際には冷却体が健全で漏水が無いにもかかわらず、冷却体に対する冷却水の流出入に流量差が生じた結果、漏水が有ると誤判断されることがある。これは、冷却体への冷却水の送水圧が送水ポンプの能力や運転状況等によって不安定になったり、流量計からの出力が飛来ノイズの影響を受けたりすることに起因する。このような誤判断が発生すると、漏水の有無を確認するために操業を中断することになり、安定操業に支障を来たす。
そこで本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、冷却体を使用して引上げ速度の高速化を図りつつ、その冷却体からの漏水を高い精度で検知できる安定操業性に優れた単結晶育成装置を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するため、本発明による単結晶育成装置は、CZ法によって炉体内で原料融液から単結晶を育成する単結晶育成装置において、以下の構成を含む。炉体内で原料融液から育成されている単結晶を包囲し、内部を流通する冷却水により冷却されて前記単結晶を冷却する冷却体。この冷却体に流入する前記冷却水の流量を検出する流入側流量計。前記冷却体から流出する前記冷却水の流量を検出する流出側流量計。前記炉体内の圧力を検出する圧力計。前記流入側流量計及び前記流出側流量計の検出値より両者の流量差を算出するとともに、前記圧力計の検出値より単位時間当たりの圧力変動を算出し、前記流量差及び前記圧力変動に基づいて前記冷却水の漏水の有無を判定する制御部。
このような構成にすれば、流量差及び圧力変動に基づいて冷却体からの冷却水の漏水を判断するわけであるが、流量差、圧力変動がそれぞれ漏水に起因した別個の現象であるため、両者に基づく漏水の判断は精度が高い。
ここで、実用性を踏まえると、前記制御部は、所定期間内で、前記流量差及び前記圧力変動が予め設定された閾値を超えたとき、漏水有りと判定することが好ましい。
また、甚大な事故を未然に防止する観点から、前記冷却体への前記冷却水の流入口に接続され、経路中に前記流入側流量計が設けられた給水管と、前記冷却体からの前記冷却水の流出口に接続され、経路中に前記流出側流量計が設けられた排水管と、前記排水管から分岐して外部に開放された分岐管と、前記給水管の経路を開閉する給水管用弁と、前記排水管の経路を前記分岐管への分岐点よりも下流側で開閉する排水管用弁と、前記分岐管の経路を開閉する分岐管用弁と、を含み、前記制御部は、漏水有りと判定した場合、前記給水管用弁及び前記排水管用弁を開状態から閉状態に切り替えるとともに、前記分岐管用弁を閉状態から開状態に切り替えることが好ましい。
本発明の単結晶育成装置によれば、冷却体からの漏水を高い精度で検知でき、安定した操業を行える。
以下に、本発明の単結晶育成装置の一実施形態について図面を参照しながら詳述する。
図1は本発明の一実施形態である単結晶育成装置の構成を示す縦断面図、図2はその単結晶育成装置の横断面図である。図1、図2に示すように、単結晶育成装置は一般には引上げ炉とも呼ばれるものであって、外郭を構成する炉体として、円筒状のメインチャンバ1及びプルチャンバ2を備えている。プルチャンバ2は、メインチャンバ1より小径で長くメインチャンバ1の上に同軸上に配置されている。
メインチャンバ1の内部には、その中心部にルツボ3が配置されている。ルツボ3は二重構造になっており、多結晶シリコンが充填される内側の石英ルツボと、その外側に嵌合される黒鉛製の支持ルツボとから構成されている。このルツボ3は、ペディスタルと呼ばれる支持軸(不図示)上に支持されていて、その支持軸の回転駆動、昇降駆動に従って、周方向に回転したり、軸方向に昇降したりする。
ルツボ3の外側には、ルツボ3を取り囲むように抵抗加熱式のヒータ4が同心円状に配置され、その更に外側には、保温筒5がメインチャンバ1の内面に沿って配置されている。ヒータ4は、ルツボ3内に充填された多結晶シリコンを溶融させ、これにより、ルツボ3内にシリコンの融液6が貯溜される。
一方、ルツボ3の上方には、引上げ軸としてのワイヤ7が、プルチャンバ2内の中心部を通って吊り下げられている。ワイヤ7は、プルチャンバ2の上部に設けられた引上げ機構により回転駆動されるとともに、軸方向に昇降駆動される。ワイヤ7の下端部には、種結晶を保持するシードチャックが取り付けられている。シードチャックに保持された種結晶をルツボ3内の融液6に浸漬し、その種結晶を回転させながら徐々に上昇させるべくワイヤ7を駆動することにより、種結晶の下方にシリコンの単結晶8が成長していく。
また、ルツボ3の上方には、単結晶8の周囲を包囲するように、概ね円筒状の熱遮蔽体9がルツボ3内の融液6に接近して同心円状に設けられている。この熱遮蔽体9は、黒鉛からなり、ルツボ3内の融液6やヒータ4からの輻射熱を遮る役割を担う。その熱遮蔽効果を有効に発揮するために、熱遮蔽体9は、下方から上方に向かって徐々に拡径し、その下部をルツボ3内に挿入してルツボ3内の融液6の上方に位置させた格好の逆円錐台形状(テーパ形状)が好ましい。
熱遮蔽体9の内側には、概ね円筒状の冷却体10が同心円状に設けられている。冷却体10は、熱伝導性の良好な銅系金属からなり、その内部に冷却水を流通する通水路が形成されている。冷却体10には、その通水路の入口に給水管14が接続され、通水路の出口に排水管15が接続されている。給水管14及び排水管15も銅系金属からなる。冷却体10には給水管14を通じて冷却水が流入し、その流入した冷却水は通水路を経て冷却体10から流出し、排水管15を通じて排出される。こうして、冷却体10は、内部を流通する冷却水により強制的に冷却される。
この冷却体10は、熱遮蔽体9の下部内に配置され、単結晶8の特に凝固直後の高温部分を包囲することにより、その高温部分の冷却を促進する役割を担う。なお、冷却体10も熱遮蔽体9と同様に下方から上方に向かって徐々に拡径したテーパ形状とされている。給水管14及び排水管15は、冷却体10に荷重がかからない状態で溶接されている。
冷却体10は、炉体内の引上げ軸回りに放射状に配置された複数の支持アーム13によって炉体内に支持されている。支持アーム13は、メインチャンバ1の上部内面から炉体内中心に向かって水平に延出し、途中から下方へ湾曲した略逆L字形状の棒材からなり、冷却体10は、その上縁部が、各支持アーム13の各先端部にボルト等によって着脱可能に連結されている。各支持アーム13は、ここではステンレス鋼からなり、冷却体10とは別系統の通水により強制的に冷却されている。
また、メインチャンバ1には、真空ポンプ(不図示)につながる真空排気管11が接続されている。真空ポンプの駆動により、炉体の内部の空気が真空排気管11を通じて排気され、炉体内が減圧雰囲気にされる。真空排気管11の経路中には、バタフライ弁(不図示)が設けられていて、このバタフライ弁の開閉度合いによって炉体内の圧力が調整される。バタフライ弁は、後述の図3に示す制御部22からの指令により駆動される。
プルチャンバ2の上部には、Arガス等の不活性ガスを炉体内に導入するパージガス導入管(不図示)が接続されている。炉体内には、パージガス導入管を通じて不活性ガスが供給され、炉体内が減圧下の不活性ガス雰囲気にされる。炉体内への不活性ガスの導入量は、パージガス導入管の経路中に設けられたマスフローによって調整される。マスフローは、後述の図3に示す制御部22からの指令により駆動される。
メインチャンバ1には、炉体の内部の圧力を検出する圧力計12が設けられている。ただし、炉内圧力の検出はこれに限定されず、実質的に炉内圧力を検出できるものであればよく、例えば炉外に排出されるガス圧力を検出するようにしてもよい。
図3は単結晶育成装置における漏水監視システムの系統図である。図3に示すように、給水管14には、経路中に第1流量計17及び自動式の第1開閉弁19が設けられている。第1流量計17は、給水管14を通じて冷却体10に流入する冷却水の流量を検出する。第1流量計17としては超音波式のものを適用できる。第1開閉弁19は、開状態で給水管14の経路を開き、閉状態で給水管14の経路を遮断する。ここでの第1流量計17は配管長で冷却体10から3m以内のところに設けられており、第1開閉弁19はその第1流量計17の上流側に設けられている。給水管14の上流域には、冷却水を送り出す送水ポンプ(不図示)が配設されている。
同様に、排水管15には、経路中に第2流量計18及び自動式の第2開閉弁20が設けられている。第2流量計18は、排水管15を通じて冷却体10から流出する冷却水の流量を検出する。第2流量計18としては超音波式のものを適用できる。第2開閉弁20は、開状態で排水管15の経路を開き、閉状態で排水管15の経路を遮断する。ここでの第2流量計18は配管長で冷却体10から3m以内のところに設けられており、第2開閉弁20はその第2流量計18の下流側に設けられている。
また、排水管15には、第2流量計18と第2開閉弁20との間から分岐した分岐管16が取り付けられている。分岐管16には、経路中に専用の自動式の第3開閉弁21を装備している。第3開閉弁21は、開状態で分岐管16の経路を開き、閉状態で分岐管16の経路を遮断する。分岐管16の下流端は、炉体の外部で開放されている。
第1流量計17及び第2流量計18は制御部22に接続されていて、制御部22は、第1流量計17、第2流量計18それぞれで検出された流量L1、L2に関する信号を受け取る。また、制御部22には圧力計12が接続されていて、制御部22は、圧力計12で検出された炉体内の圧力Pに関する信号を受け取る。そして、第1開閉弁19、第2開閉弁20及び第3開閉弁21は、制御部22からの指令により操作される。
次に、このような単結晶育成装置による結晶成長の操業例について説明する。
ルツボ3内に多結晶シリコン原料を100kg装填し、その後、炉体内を200PaのAr雰囲気とする。ルツボ3の外側に設けられたヒータ4により、ルツボ3内の多結晶シリコン原料を溶融し、100方位の種結晶を用いて、その下方に直径200mmの単結晶8を成長させる。
このとき、ルツボ3内の融液6の液面レベルが一定に維持されるように、結晶成長に従ってルツボ3を徐々に上昇させる。また、単結晶8の回転方向と同方向又は反対方向にルツボ3を回転させる。
通常操業では、第1開閉弁19及び第2開閉弁20が共に開状態とされ、一方第3開閉弁21が閉状態とされる。そうすると、経路が開かれた給水管14及び排水管15を通して冷却体10に冷却水が流通し、冷却体10が強制的に冷却される。これにより、単結晶8の特に凝固直後の高温部分が強制的に冷却される。その結果、単結晶8の引上げ速度として2mm/分以上を達成できた。ちなみに、冷却体10を使用しない場合の達成引上げ速度は1mm/分程度であった。なお、分岐管16は経路が遮断されていることから冷却水が流通しない。
ここで、その操業中に行われている漏水監視システムの動作について以下に説明する。
図4は単結晶育成装置における漏水監視システムの動作を示すフローチャートである。図4に示すように、先ずステップ#5にて、制御部22は、第1流量計17から冷却体10への冷却水の流入流量L1に関する信号を、第2流量計18から冷却体10からの冷却水の流出流量L2に関する信号を、及び圧力計12から炉体内の圧力Pに関する信号を逐次受け取る。
続くステップ#10にて、制御部22は、受け取った信号のうちで、流入流量L1及び流出流量L2に関する信号より、流入流量L1と流出流量L2の流量差ΔL(=L1−L2)を逐次算出する。これと合わせて、炉内圧力Pに関する信号より、単位時間当たりの圧力変動ΔPを逐次算出する。
次にステップ#15にて、制御部22は、算出された流量差ΔLと予め設定されている閾値ΔLBとを逐次比較する。その流量差に対しての閾値ΔLBに関する情報は、制御部22に搭載のメモリに格納されている。閾値ΔLBは、第1流量計17及び第2流量計18の検出精度を考慮して設定すればよく、現状の流量計の検出精度および冷却水量からは30cc/秒以上に設定することが望ましい。
これと合わせて、算出された圧力変動ΔPと予め設定されている閾値ΔPBとを逐次比較する。その圧力変動に対しての閾値ΔPBに関する情報も、制御部22に搭載のメモリに格納されている。閾値ΔPBは、冷却体からの漏水がない通常操業時の炉内圧力変動の最大値に対して2倍以上の圧力変動があった場合に異常と判断するように閾値ΔPBを設定することが望ましい。
ステップ#20にて、流量差ΔLが閾値ΔLBを超えたか否かを逐次判定する。冷却体10で漏水が生じると、その漏水量が流量差ΔLとして現れるため、ここでは、流量差ΔLが閾値ΔLBを超えたか否かで漏水の有無を一時的に判断できる。流量差ΔLが閾値ΔLBを超えていない場合は、一時的に漏水無しと判断してステップ#25に進み、一方超えている場合は、一時的に漏水有りと判断してステップ#30に進む。
ステップ#25では、圧力変動ΔPが閾値ΔPBを超えたか否かを逐次判定する。冷却体10で漏水が生じると、その漏水が炉体内で気化して炉体内の圧力が上昇し、これが圧力変動ΔPとして現れるため、ここでは、圧力変動ΔPが閾値ΔPBを超えたか否かで漏水の有無を一時的に判断できる。圧力変動ΔPが閾値ΔPBを超えていない場合は、漏水無しと判断してステップ#5に戻り監視を継続し、一方超えている場合は、一時的に漏水有りと判断してステップ#35に進む。
ステップ#20で漏水有りと一時判断した場合、ステップ#30にて、流量差ΔLが閾値ΔLBを超えた時点を起点にした所定期間内において、圧力変動ΔPが閾値ΔPBを超えたか否かを逐次判定する。つまり、流量差ΔLが閾値ΔLBを超えたとほぼ同時に、圧力変動ΔPも閾値ΔPBを超えたか否かを判定する。所定期間としては、流量計出力への飛来ノイズの影響を小さくする観点から1秒以上が望ましく、冷冷却体からの漏水による被害を小さくする観点から5秒以内に設定することが望ましい。
流量差ΔLと圧力変動ΔPがほぼ同時に閾値ΔLB、ΔPBを超えた場合、時間的に同じタイミングで漏水に起因した異なる2つの現象が現れたことになるため、この場合は、高い精度で漏水有りと判断できる。ステップ#30で漏水有りと判断された場合は、ステップ#40に進んで適正な安全処置をとる。
一方、流量差ΔLと圧力変動ΔPがほぼ同時に閾値ΔLB、ΔPBを超えない場合、時間的に間隔のあいたタイミングで漏水に起因した異なる2つの現象が現れたことになるため、この場合は、漏水は実際には起こっておらず、流量差ΔLと圧力変動ΔPが誤検出されたものと想定でき、高い精度で漏水無しと判断できる。ステップ#30で漏水無しと判断された場合は、ステップ#5に戻り監視を継続する。
また、ステップ#25で漏水有りと一時判断した場合、ステップ#35にて、圧力変動ΔPが閾値ΔPBを超えた時点を起点にした所定期間内、好ましくは1秒間内で、流量差ΔLが閾値ΔLBを超えたか否かを逐次判定する。つまり、圧力変動ΔPが閾値ΔPBを超えたとほぼ同時に、流量差ΔLが閾値ΔLBを超えたか否かを判定する。
圧力変動ΔPと流量差ΔLがほぼ同時に閾値ΔPB、ΔLBを超えた場合、ステップ#30のときと同じく、高い精度で漏水有りと判断できる。ステップ#35で漏水有りと判断された場合は、ステップ#40に進んで適正な安全処置をとる。
一方、圧力変動ΔPと流量差ΔLがほぼ同時に閾値ΔPB、ΔLBを超えない場合、ステップ#30のときと同じく、高い精度で漏水無しと判断できる。ステップ#35で漏水無しと判断された場合は、ステップ#5に戻り監視を継続する。
ステップ#40では、次のような安全処置がなされる。
第1に、制御部22が第1開閉弁19、第2開閉弁20及び第3開閉弁21に指令を送り、第1開閉弁19及び第2開閉弁20を開状態から閉状態に切り替えるとともに、第3開閉弁21を閉状態から開状態に切り替える(図3参照)。そうすると、給水管14及び排水管15の経路が遮断されることから、冷却体10への給水が強制的に停止される。これと合わせて、冷却体10内に停留している冷却水は、経路が開かれた分岐管16を通して外部へ排出される。ここで、冷却体10の内部で流れの止まった冷却水は、炉体内の高い温度の影響で加熱されて、急激に昇温して気化し、これにより体積膨張が起こって高圧になるため、外部に開放されている分岐管16を通じて外部に噴出することになる。従って、漏水による水蒸気爆発が未然に防止され、安全性が高まる。
第2に、冷却体10からの漏水有りの旨を警告音の発声やパトライトの点灯等によって報知する。これにより、冷却体10に漏水が起こったことを認識できる。
第3に、ヒータ4への通電を停止する。これと合わせて、融液6を貯留するルツボ3の回転及び昇降を停止するとともに、単結晶8を吊り下げているワイヤ7の回転及び昇降を停止する。
なお、このような単結晶育成装置において、第1流量計17、第2流量計18、及び圧力計12からの検出値に基づいた処理の一例を次の表1に示す。
Figure 2008254982
ここでは、ケース1〜3を一例として示している。いずれのケースでも、流量差ΔLに対しての閾値ΔLBを50cc/秒とし、圧力変動ΔPに対しての閾値ΔPBを0.00013MPaとした。
ケース1では、流量差ΔLが60cc/秒であり、閾値ΔLBを超えている。圧力変動ΔPが0.00005MPaであり、閾値ΔPB以内である。この場合、流量差ΔLと圧力変動ΔPの発生時期を問わず、漏水無しと判断される。
ケース2では、流量差ΔLが60cc/秒であり、閾値ΔLBを超えている。圧力変動ΔPが0.00020MPaであり、これも閾値ΔPBを超えている。但し、流量差ΔLと圧力変動ΔPの発生時期が同時でなく、所定期間以上あいている。この場合、漏水無しと判断される。
ケース3では、ケース2と同じく、流量差ΔLが60cc/秒で閾値ΔLBを超え、圧力変動ΔPが0.00020MPaで閾値ΔPBを超えている。但し、流量差ΔLと圧力変動ΔPの発生時期が同時である。この場合、漏水有りと判断される。
このように、本実施形態の単結晶育成装置においては、流量差ΔL及び圧力変動ΔPに基づいて冷却体からの冷却水の漏水を判断するわけであるが、流量差ΔL、圧力変動ΔPがそれぞれ漏水に起因した別個の現象であるため、両者に基づく漏水の判断は精度が高い。従って、冷却体からの漏水を高い精度で検知でき、安定した操業を行える。
本発明の単結晶育成装置では、冷却体からの漏水を高精度に検知でき、安定操業性に優れる。よって、本発明は、冷却体を使用して引上げ速度の高速化を図った単結晶育成装置に極めて有用である。
本発明の一実施形態である単結晶育成装置の構成を示す縦断面図である。 図1の単結晶育成装置の横断面図である。 漏水監視システムの系統図である。 漏水監視システムの動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 メインチャンバ
2 プルチャンバ
3 ルツボ
4 ヒータ
5 保温筒
6 融液
7 ワイヤ
8 単結晶
9 熱遮蔽体
10 冷却体
11 真空排気管
12 圧力計
13 支持アーム
14 給水管
15 排水管
16 分岐管
17 第1流量計
18 第2流量計
19 第1開閉弁
20 第2開閉弁
21 第3開閉弁
22 制御部

Claims (3)

  1. チョクラルスキー法によって炉体内で原料融液から単結晶を育成する単結晶育成装置において、
    前記炉体内で原料融液から育成されている単結晶を包囲し、内部を流通する冷却水により冷却されて前記単結晶を冷却する冷却体と、
    この冷却体に流入する前記冷却水の流量を検出する流入側流量計と、
    前記冷却体から流出する前記冷却水の流量を検出する流出側流量計と、
    前記炉体内の圧力を検出する圧力計と、
    前記流入側流量計及び前記流出側流量計の検出値より両者の流量差を算出するとともに、前記圧力計の検出値より単位時間当たりの圧力変動を算出し、前記流量差及び前記圧力変動に基づいて前記冷却水の漏水の有無を判定する制御部と、を含むことを特徴とする単結晶育成装置。
  2. 前記制御部は、所定期間内で、前記流量差及び前記圧力変動が予め設定された閾値を超えたとき、漏水有りと判定することを特徴とする請求項1に記載の単結晶育成装置。
  3. 前記冷却体への前記冷却水の流入口に接続され、経路中に前記流入側流量計が設けられた給水管と、
    前記冷却体からの前記冷却水の流出口に接続され、経路中に前記流出側流量計が設けられた排水管と、
    前記排水管から分岐して外部に開放された分岐管と、
    前記給水管の経路を開閉する給水管用弁と、
    前記排水管の経路を前記分岐管への分岐点よりも下流側で開閉する排水管用弁と、
    前記分岐管の経路を開閉する分岐管用弁と、を含み、
    前記制御部は、漏水有りと判定した場合、前記給水管用弁及び前記排水管用弁を開状態から閉状態に切り替えるとともに、前記分岐管用弁を閉状態から開状態に切り替えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の単結晶育成装置。
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