JP2000034192A - シリコン単結晶引上げ装置 - Google Patents

シリコン単結晶引上げ装置

Info

Publication number
JP2000034192A
JP2000034192A JP10203594A JP20359498A JP2000034192A JP 2000034192 A JP2000034192 A JP 2000034192A JP 10203594 A JP10203594 A JP 10203594A JP 20359498 A JP20359498 A JP 20359498A JP 2000034192 A JP2000034192 A JP 2000034192A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
single crystal
silicon single
heat
silicon
crystal rod
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10203594A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3719332B2 (ja
Inventor
Jun Furukawa
純 古川
Naoki Ono
直樹 小野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Silicon Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Silicon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Silicon Corp filed Critical Mitsubishi Materials Silicon Corp
Priority to JP20359498A priority Critical patent/JP3719332B2/ja
Publication of JP2000034192A publication Critical patent/JP2000034192A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3719332B2 publication Critical patent/JP3719332B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】単結晶棒内の熱的ストレスを低減し、点欠陥濃
度分布を均一に制御し、固液界面付近での引上げ方向の
結晶温度勾配を径方向に均一で高くできる。 【解決手段】シリコン融液12から引上げられるシリコ
ン単結晶棒24の外周面を包囲する熱遮蔽部材26の下
端がシリコン融液表面から間隔をあけて上方に位置し、
この熱遮蔽部材によりヒータ18からの輻射熱が遮られ
る。熱遮蔽部材の下縁に設けられた第1放熱抑制部材3
1が上方に向うに従って直径が小さくなるように形成さ
れる。また熱遮蔽部材の下縁から連結部材33が垂下さ
れ、この連結部材の下端に上方に向うに従って直径が小
さくなる第2放熱抑制部材32が取付けられる。更に熱
遮蔽部材とシリコン単結晶棒との間には第1放熱抑制部
材から所定の間隔をあけて上方に冷却筒体34が挿入さ
れ、この冷却筒体の内部に冷却流体が通る冷却通路34
aが形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコン単結晶棒
を引上げて育成する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のシリコン単結晶引上げ装
置として、図5に示すようにチャンバ3内にシリコン融
液2が貯留された石英るつぼ4が収容され、シリコン単
結晶棒1の外周面と石英るつぼ4の内周面との間にシリ
コン単結晶棒1を包囲するように熱遮蔽部材7が挿入さ
れた引上げ装置(特公昭57−40119号)が開示さ
れている。この装置では、熱遮蔽部材7が下方に向うに
従って直径が小さくなるコーン部7aと、外周縁がコー
ン部7aの下縁に接続され水平に延びて内周縁がシリコ
ン単結晶棒1の外周面近傍に達するリング部7bと、内
周縁がコーン部7aの上縁に接続され水平に延びて外周
縁が保温筒8の上面に達するフランジ部7cとを有す
る。熱遮蔽部材7はフランジ部7cを保温筒8の上面に
載置することにより固定される。図5の符号9はヒータ
である。
【0003】このように構成された引上げ装置では、シ
リコン単結晶棒1をシリコン融液2から引上げると、シ
リコン融液2の液面が次第に低下して石英るつぼ4の内
周壁が露出し、この露出した石英るつぼ4の内周壁から
の輻射熱がシリコン単結晶棒1の外周面に向うが、この
輻射熱は熱遮蔽部材7により遮られてシリコン単結晶棒
1の外周面に達しない。この結果、引上げ中のシリコン
単結晶棒1の凝固が遅延することはなく、シリコン単結
晶棒1は速やかに冷却されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の特
公昭57−40119号公報に示された引上げ装置で
は、シリコン融液から引上げられるシリコン単結晶棒の
固液界面付近において、高温のシリコン融液からの輻射
熱が熱遮蔽部材により遮られるため、シリコン単結晶棒
の外周面からの放熱量が比較的多い。この結果、シリコ
ン単結晶棒内の温度分布がその中心から外周面に向うに
従って次第に低くなるけれども、その外周面近傍で急激
に低くなるため、シリコン単結晶棒内に熱的ストレスが
発生し、また固液界面付近での点欠陥(空孔、格子間シ
リコン)の挙動(外方拡散、坂道拡散、対消滅)のた
め、点欠陥が径方向の面内で不均一に分布する恐れがあ
った。ここで、外方拡散とは単結晶棒の内部から外側に
向う拡散のことであり、坂道拡散とは高温側即ち下方に
向う拡散のことである。また対消滅とは点欠陥同士の過
飽和度に応じて生じる消滅反応である。
【0005】本発明の目的は、シリコン単結晶棒内の熱
的ストレスの発生を低減し、点欠陥濃度分布を均一にで
き、かつ固液界面付近での引上げ方向の結晶温度勾配を
径方向に均一で高くできるシリコン単結晶引上げ装置を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1に示すように、チャンバ11内に設けられシリコン
融液12が貯留された石英るつぼ13と、石英るつぼ1
3の外周面を包囲しシリコン融液12を加熱するヒータ
18と、シリコン融液12から引上げられるシリコン単
結晶棒24の外周面を包囲しかつ下端がシリコン融液1
2表面から間隔をあけて上方に位置しヒータ18からの
輻射熱を遮る熱遮蔽部材26とを備えたシリコン単結晶
引上げ装置の改良である。その特徴ある構成は、熱遮蔽
部材26の下縁に設けられかつ上方に向うに従って直径
が小さくなるように形成されたコーン状の第1放熱抑制
部材31と、熱遮蔽部材26の下縁から垂下された連結
部材33と、この連結部材33の下端に取付けられかつ
上方に向うに従って直径が小さくなるように形成された
コーン状の第2放熱抑制部材32と、熱遮蔽部材26と
シリコン単結晶棒24との間に第1放熱抑制部材31か
ら所定の間隔をあけて上方に挿入された冷却筒体34
と、冷却筒体34の内部に形成され冷却流体が通る冷却
通路34aとを備えたところにある。
【0007】この請求項1に記載されたシリコン単結晶
引上げ装置では、シリコン融液12から引上げられるシ
リコン単結晶棒24の固液界面付近において、高温のシ
リコン融液12からの輻射熱により第2放熱抑制部材3
2の温度が上昇するか、又はシリコン融液12からの輻
射熱若しくはシリコン単結晶棒24からの放熱を第2放
熱抑制部材32が反射することにより、シリコン単結晶
棒24からの急激な放熱は抑制される。この結果、シリ
コン単結晶棒24の外周部の急激な温度低下を阻止でき
る。またシリコン単結晶棒24の第1及び第2放熱抑制
部材31,32間の開放された部分では、ヒータ18か
らの輻射熱がシリコン単結晶棒24の外周面に照射され
る。更に第1放熱抑制部材31により包囲された部分で
は、高温のシリコン融液12からの輻射熱により第1放
熱抑制部材31の温度が上昇するか、又はシリコン融液
12からの輻射熱若しくはシリコン単結晶棒24からの
放熱が第1放熱抑制部材31の下面で反射して照射され
る。この結果、シリコン単結晶棒24の外周部が保温さ
れ、固液界面付近での引上げ方向の結晶温度勾配の径方
向分布の均一性を向上でき、シリコン単結晶棒24内の
点欠陥の坂道拡散と対消滅の反応時間を均一にでき、点
欠陥の濃度を最適に制御できる。
【0008】また第1放熱抑制部材31の上端より上方
部分において、ヒータ18とシリコン融液12からの輻
射熱が上記第1放熱抑制部材31及び熱遮蔽部材26に
より遮られてシリコン単結晶棒24に照射されず、しか
も第1放熱抑制部材31より上方の冷却筒体34の冷却
通路34a内を冷却流体が通る。この結果、シリコン単
結晶棒24は急冷されるので、この部分のシリコン単結
晶棒24内の引上げ方向の温度勾配値を高くでき、かつ
その下部の固液界面付近の引上げ方向の温度勾配を径方
向への均一性を保った状態で高くできる。更に第1放熱
抑制部材31と冷却筒体34の設置場所を変えて、即ち
図3のの間隔を変えて、急冷される温度域を制御する
ことによりグローイン欠陥の密度・サイズを最適に制御
できる。
【0009】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
基づいて説明する。図1〜図3に示すように、シリコン
単結晶引上げ装置10のチャンバ11内には、シリコン
融液12を貯留する石英るつぼ13が設けられ、この石
英るつぼ13の外面は黒鉛サセプタ14により被覆され
る。石英るつぼ13の下面は上記黒鉛サセプタ14を介
して支軸16の上端に固定され、この支軸16の下部は
るつぼ駆動手段17に接続される(図1)。るつぼ駆動
手段17は図示しないが石英るつぼ13を回転させる第
1回転用モータと、石英るつぼ13を昇降させる昇降用
モータとを有し、これらのモータにより石英るつぼ13
が所定の方向に回転し得るとともに、上下方向に移動可
能となっている。石英るつぼ13の外周面は石英るつぼ
13から所定の間隔をあけてヒータ18により包囲さ
れ、このヒータ18は保温筒19により包囲される。ヒ
ータ18は石英るつぼ13に投入された高純度のシリコ
ン多結晶体を加熱・溶融してシリコン融液にする。
【0010】またチャンバ11の上端には円筒状のケー
シング21が接続される。このケーシング21には引上
げ手段22が設けられる。引上げ手段22はケーシング
21の上端部に水平状態で旋回可能に設けられた引上げ
ヘッド(図示せず)と、このヘッドを回転させる第2回
転用モータ(図示せず)と、ヘッドから石英るつぼ13
の回転中心に向って垂下されたワイヤケーブル22a
と、上記ヘッド内に設けられワイヤケーブル22aを巻
取り又は繰出す引上げ用モータ(図示せず)とを有す
る。ワイヤケーブル22aの下端にはシリコン融液12
に浸してシリコン単結晶棒24を引上げるための種結晶
23が取付けられる。
【0011】またシリコン単結晶棒24の外周面と石英
るつぼ13の内周面との間にはシリコン単結晶棒24の
外周面を包囲する熱遮蔽部材26が設けられる(図1〜
図3)。この熱遮蔽部材26は円筒状に形成されヒータ
18からの輻射熱を遮る筒部26aと、この筒部26a
の上縁に連設され外方に略水平方向に張り出すフランジ
部26bとを有する。上記フランジ部26bを保温筒1
9上に載置することにより、筒部26aの下縁がシリコ
ン融液12表面から所定の距離だけ上方に位置するよう
に熱遮蔽部材26がチャンバ11内に固定される。
【0012】本実施の形態の特徴ある構成は、筒部26
aの下縁に上方に向かうに従って直径が小さくなるコー
ン状の第1放熱抑制部材31が設けられ、筒部26aの
下縁から連結部材33が垂下され、更に上方に向うに従
って直径が小さくなるように形成されたコーン状の第2
放熱抑制部材32が連結部材33の下端に取付けられと
ころにある(図1〜図3)。第2放熱抑制部材32は第
1放熱抑制部材31から所定の間隔をあけて下方に設け
られる。また熱遮蔽部材26とシリコン単結晶棒24と
の間には第1放熱抑制部材31から所定の間隔をあけて
上方に冷却筒体34が挿入され、冷却筒体34の内部
(冷却筒体34の壁内)には冷却流体が通る冷却通路3
4aが形成される。
【0013】冷却筒体34の上部はケーシング21に挿
着され、冷却筒体34の下部(チャンバ11内に突出す
る部分)には鉛直方向に延びるスリット34bが形成さ
れる(図1及び図2)。また冷却通路34aはスリット
34bの内周縁から露出しないように冷却筒体34の内
部(壁内)に蛇行して形成され(図2)、冷却通路34
aには冷却水が通るように構成される。なお、上記スリ
ット34bはチャンバ11外から引上げ中のシリコン単
結晶棒24を視認するために形成される。
【0014】上記第1及び第2放熱抑制部材31,32
の傾斜角θ、即ち第1及び第2放熱抑制部材31,32
の下縁を含む水平面に対する第1及び第2放熱抑制部材
31,32の傾斜角θは80度以下、好ましくは20〜
60度の範囲内にそれぞれ設定される(図3)。上記熱
遮蔽部材26、第1及び第2放熱抑制部材31,32は
Mo(モリブデン),W(タングステン),C(カーボ
ン)により、或いは表面にSiCがコーティングされた
黒鉛等により形成されることが好ましい。
【0015】一方、チャンバ11にはこのチャンバ11
のシリコン単結晶棒24側に不活性ガスを供給しかつ上
記不活性ガスをチャンバ11のるつぼ内周面側から排出
するガス給排手段36が接続される(図1)。ガス給排
手段36は一端がケーシング21の周壁に接続され他端
が上記不活性ガスを貯留するタンク(図示せず)に接続
された供給パイプ36aと、一端がチャンバ11の下壁
に接続され他端が真空ポンプ(図示せず)に接続された
排出パイプ36bとを有する。供給パイプ36a及び排
出パイプ36bにはこれらのパイプ36a,36bを流
れる不活性ガスの流量を調整する第1及び第2流量調整
弁36c,36dがそれぞれ設けられる。
【0016】引上げ用モータの出力軸(図示せず)には
ロータリエンコーダ(図示せず)が設けられ、るつぼ駆
動手段17には石英るつぼ13内のシリコン融液12の
重量を検出する重量センサ(図示せず)と、支軸16の
昇降位置を検出するリニヤエンコーダ(図示せず)とが
設けられる。ロータリエンコーダ、重量センサ及びリニ
ヤエンコーダの各検出出力はコントローラ(図示せず)
の制御入力に接続され、コントローラの制御出力は引上
げ手段22の引上げ用モータ及びるつぼ駆動手段17の
昇降用モータにそれぞれ接続される。またコントローラ
にはメモリ(図示せず)が設けられ、このメモリにはロ
ータリエンコーダの検出出力に対するワイヤケーブル2
2aの巻取り長さ、即ちシリコン単結晶棒24の引上げ
長さが第1マップとして記憶され、重量センサの検出出
力に対する石英るつぼ13内のシリコン融液12の液面
レベルが第2マップとして記憶される。コントローラは
重量センサの検出出力に基づいて石英るつぼ13内のシ
リコン融液12の液面を常に一定のレベルに保つよう
に、るつぼ駆動手段17の昇降用モータを制御するよう
に構成される。
【0017】このように構成されたシリコン単結晶引上
げ装置の動作を説明する。シリコン融液12から引上げ
られるシリコン単結晶棒24の固液界面付近では、高温
のシリコン融液12からの輻射熱により第2放熱抑制部
材32の温度が上昇するか、又はシリコン融液12から
の輻射熱(図3の破線矢印で示す。)若しくはシリコン
単結晶棒24からの放熱を第2放熱抑制部材32が反射
することにより、シリコン単結晶棒24からの急激な放
熱は抑制される(図3のの部分)。この結果、シリコ
ン単結晶棒24の外周部の急激な温度低下を阻止できる
ので、シリコン単結晶棒24内の引上げ方向の結晶温度
勾配がその中心から外周面にわたって略均一になる。従
って、シリコン単結晶棒24内の熱的ストレスの発生を
抑制できるので、スリップ発生や有転位化が改善され、
点欠陥の径方向の面内での分布も均一になる。
【0018】シリコン単結晶棒24の第1及び第2放熱
抑制部材31,32間の開放された部分では、ヒータ1
8からの輻射熱(図3の実線矢印で示す。)がシリコン
単結晶棒24の外周面に照射されてシリコン単結晶棒2
4の外周部が保温され(図3のの部分)、更に第1放
熱抑制部材31により包囲された部分では、図3の破線
矢印で示すように、高温のシリコン融液12からの輻射
熱により第1放熱抑制部材31の温度が上昇するか、又
はシリコン融液12からの輻射熱(図3の一点鎖線矢印
で示す。)若しくはシリコン単結晶棒24からの放熱が
第1放熱抑制部材31の下面で反射して照射される(図
3のの部分)。この結果、固液界面付近での引上げ方
向の結晶温度勾配の径方向分布の均一性が向上し、シリ
コン単結晶棒24内の点欠陥の坂道拡散、対消滅の反応
時間を均一にでき、点欠陥の濃度を最適に制御できる。
【0019】更に第1放熱抑制部材31より上方部分で
は、ヒータ18及びシリコン融液12からの輻射熱が上
記第1放熱抑制部材31及び熱遮蔽部材26の筒部26
aにより遮られてシリコン単結晶棒24に照射されず、
しかも第1放熱抑制部材31より上方の冷却筒体34内
の冷却通路34aを冷却水が通るので、シリコン単結晶
棒24は急冷される(図3のの部分)。この結果、こ
の部分及びその下の部分でのシリコン単結晶棒24内の
引上げ方向の温度勾配値を高くすることができる。
【0020】一方、第1放熱抑制部材31と冷却筒体3
4の設置場所を変えて(図3のの間隔を変えて)、急
冷される温度域を制御することにより、グローイン欠陥
の密度・サイズを最適に制御できる。即ち、COP、F
PD、赤外散乱欠陥等のグローイン欠陥は急冷位置を1
100℃付近にとると、密度が高くサイズが小さくなる
が、急冷位置を1050℃以下にとれば、1100℃付
近が徐冷される領域となるので、密度が低くサイズが大
きくなる。
【0021】ここで、COPとはSC−1洗浄後にレー
ザパーティクルカウンタでパーティクルとしてカウント
された底の深いエッチピットであり、FPDとはシリコ
ン融液12から引上げられたシリコン単結晶棒24から
切り出したシリコンウェーハを30分間化学エッチング
(Seccoエッチング液)したときに現れる特異なフロー
パターンを呈する痕跡の源であり、赤外散乱欠陥とはシ
リコン単結晶棒24内に赤外線を照射したときにシリコ
ンとは異なる屈折率を有し散乱光を発生する源である。
【0022】なお、この実施の形態では、冷却筒体の冷
却通路を蛇行して形成したが、冷却通路を螺旋状に形成
してもよい。また、この実施の形態では、冷却通路に冷
却水を通したが、水銀等の液体やAr等の気体を通して
もよい。更に、この実施の形態では、連結部材として熱
遮蔽部材の下縁から垂下されたステーを挙げたが、連結
部材として熱遮蔽部材の下縁から垂下されたワイヤケー
ブルを用いてもよい。
【0023】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく
説明する。 <実施例1>図1〜図3に示すようなシリコン単結晶引
上げ装置10の熱遮蔽部材26、第1放熱抑制部材3
1、第2放熱抑制部材32及び冷却筒体34の各寸法は
以下の通りであった。熱遮蔽部材26の筒部26aの直
径は340mmであった。第1放熱抑制部材31の上端
及び下端の直径は190mm及び340mmであり、そ
の高さは75mmであった、即ち第1放熱抑制部材31
の傾斜角度は水平面に対して45度であった。第2放熱
抑制部材32の上端及び下端の直径は190mm及び3
40mmであり、その高さは75mmであった、即ち第
2放熱抑制部材32の傾斜角度は水平面に対して45度
であった。シリコン融液12の液面から第1及び第2放
熱抑制部材の下端までの高さはそれぞれ100mm及び
20mmであった。更に冷却筒体34の内径は200m
mであり、シリコン融液12の液面から冷却筒体34の
下端までの高さは180mmであった。なお、熱遮蔽部
材26、第1及び第2放熱抑制部材31,32はMoに
より形成し、冷却筒体34はステンレスにより形成しか
つ冷却通路34aには水を流した。
【0024】<比較例1>実施例1の第1放熱抑制部
材、第2放熱抑制部材及び冷却筒体を用いず、かつ図5
に示すような形状の熱遮蔽部材7を用いた引上げ装置を
比較例1とした。熱遮蔽部材7のコーン部7aの上端及
び下端の直径は350mm及び230mmであり、その
高さは300mmであった。またリング部7bの内径は
210mmであり、シリコン融液2の液面からリング部
7bまでの高さは20mmであった。 <比較例2>図6に示すような形状の熱遮蔽部材5を用
いたことを除いて比較例1と同一の引上げ装置を比較例
2とした。熱遮蔽部材5の筒部5aの直径は340mm
であり、跳上げ部5bの上端及び下端の直径はそれぞれ
190mm及び340mmであった。また跳上げ部5b
の高さは75mmであり、シリコン融液2の液面から跳
上げ部5bの下端までの高さは20mmであった。な
お、図6の符号5cはフランジ部であり、図6において
図5と同一符号は同一部品を示す。
【0025】<比較試験及び評価>実施例1、比較例1
及び比較例2の各引上げ装置にて直径150mmのシリ
コン単結晶棒を600mm引上げたときのシリコン単結
晶棒中の温度分布を総合熱伝導解析プログラムにてシミ
ュレーション計算し、比較を行った。即ち、シリコン単
結晶棒をシリコン融液から0.6mm/分の速度で引上
げたときに、シリコン融液表面から高さ20mmにおけ
るシリコン単結晶棒の中心から径方向の各点の引上げ方
向の温度勾配を順次求めた。その結果を図4に示す。図
4から明らかなように、比較例1ではシリコン単結晶棒
内のうち外周面近傍にて急激に引上げ方向の温度勾配が
上昇したのに対し、比較例2ではシリコン単結晶棒の半
径方向のどの位置でも引上げ方向の温度勾配が略一定で
あったのに対し、実施例1では半径方向のどの位置でも
引上げ方向の温度勾配が略一定でかつ温度勾配値が比較
例2より高いことが判った。
【0026】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、熱
遮蔽部材の下縁に上方に向うに従って直径が小さくなる
第1放熱抑制部材を設け、熱遮蔽部材の下縁から垂下さ
れた連結部材の下端に上方に向うに従って直径が小さく
なる第2放熱抑制部材を取付け、熱遮蔽部材とシリコン
単結晶棒との間に第1放熱抑制部材から所定の間隔をあ
けて上方に冷却筒体を挿入し、更に冷却筒体の内部に冷
却流体が通る冷却通路を形成したので、シリコン融液か
ら引上げられるシリコン単結晶棒の固液界面付近では、
高温のシリコン融液からの輻射熱により第2放熱抑制部
材の温度が上昇するか、又はシリコン融液からの輻射熱
若しくはシリコン単結晶棒からの放熱を第2放熱抑制部
材が反射することにより、シリコン単結晶棒からの急激
な放熱は抑制される。この結果、シリコン単結晶棒の外
周部の急激な温度低下を阻止でき、シリコン単結晶棒内
の引上げ方向の結晶温度勾配が中心から外周面にわたっ
て略均一になるので、シリコン単結晶棒内の熱的ストレ
スの発生を抑制し、点欠陥濃度分布を均一にすることが
できる。
【0027】またシリコン単結晶棒の第1及び第2放熱
抑制部材間の開放された部分では、ヒータからの輻射熱
がシリコン単結晶棒の外周面に照射されてシリコン単結
晶棒の外周部が保温され、第1放熱抑制部材により包囲
された部分では、高温のシリコン融液からの輻射熱によ
り第1放熱抑制部材の温度が上昇するか、又はシリコン
融液からの輻射熱若しくはシリコン単結晶棒からの放熱
が第1放熱抑制部材の下面で反射してシリコン単結晶棒
に照射される。この結果、第1放熱抑制部材より上方の
急冷部分との熱バランスが良好になり、固液界面付近で
の引上げ方向の結晶温度勾配の径方向分布の均一性を向
上でき、点欠陥の坂道拡散、対消滅の反応時間を均一に
でき、点欠陥の濃度を最適に制御できる。
【0028】更に第1放熱抑制部材の上端より上のシリ
コン単結晶棒部分では、ヒータからの輻射熱が熱遮蔽部
材の筒部外面により遮られて照射されず、かつ冷却筒体
内を通る冷却水により急冷されるので、この部分及びそ
の下の部分でのシリコン単結晶棒内の温度勾配値を高く
することができる。
【0029】従って、従来シリコン単結晶棒の結晶温度
勾配を高くしようとした場合、シリコン単結晶棒の結晶
内の熱が側面から放熱し、径方向の点欠陥濃度分布の均
一性が低下するのに対し、本発明の引上げ装置にて固液
界面付近でシリコン単結晶棒を保温する(固液界面付近
にホットゾーンを設ける)ことにより、固液界面付近で
の結晶外周面からの放熱が抑えられて熱の流れが鉛直方
向になり、かつ点欠陥の反応及び分布が略決まった温度
域から急冷できる。即ち本発明の引上げ装置により、固
液界面付近の引上げ方向の結晶温度勾配を径方向に均一
にかつ高くするという目的を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施形態及び実施例1のシリコン単結晶
引上げ装置を示す断面構成図。
【図2】その引上げ装置の冷却筒体を含む要部斜視図。
【図3】その引上げ装置により引上げ中のシリコン単結
晶棒の等温面を示す断面構成図。
【図4】実施例1、比較例1及び比較例2のシリコン単
結晶棒の中心から径方向への距離の変化に対するシリコ
ン単結晶棒内の引上げ方向の結晶温度分布の変化を示す
図。
【図5】従来例及び比較例1のシリコン単結晶引上げ装
置を示す図1に対応する断面構成図。
【図6】比較例2のシリコン単結晶引上げ装置を示す図
1に対応する断面構成図。
【符号の説明】
10 引上げ装置 11 チャンバ 12 シリコン融液 13 石英るつぼ 18 ヒータ 24 シリコン単結晶棒 26 熱遮蔽部材 31 第1放熱抑制部材 32 第2放熱抑制部材 34 冷却筒体 34a 冷却通路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チャンバ(11)内に設けられシリコン融液
    (12)が貯留された石英るつぼ(13)と、前記石英るつぼ(1
    3)の外周面を包囲し前記シリコン融液(12)を加熱するヒ
    ータ(18)と、前記シリコン融液(12)から引上げられるシ
    リコン単結晶棒(24)の外周面を包囲しかつ下端が前記シ
    リコン融液(12)表面から間隔をあけて上方に位置し前記
    ヒータ(18)からの輻射熱を遮る熱遮蔽部材(26)とを備え
    たシリコン単結晶引上げ装置において、 前記熱遮蔽部材(26)の下縁に設けられかつ上方に向うに
    従って直径が小さくなるように形成されたコーン状の第
    1放熱抑制部材(31)と、 前記熱遮蔽部材(26)の下縁から垂下された連結部材(33)
    と、 前記連結部材(33)の下端に取付けられかつ上方に向うに
    従って直径が小さくなるように形成されたコーン状の第
    2放熱抑制部材(32)と、 前記熱遮蔽部材(26)と前記シリコン単結晶棒(24)との間
    に前記第1放熱抑制部材(31)から所定の間隔をあけて上
    方に挿入された冷却筒体(34)と、 前記冷却筒体(34)の内部に形成され冷却流体が通る冷却
    通路(34a)とを備えたことを特徴とするシリコン単結晶
    引上げ装置。
JP20359498A 1998-07-17 1998-07-17 シリコン単結晶引上げ装置 Expired - Lifetime JP3719332B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20359498A JP3719332B2 (ja) 1998-07-17 1998-07-17 シリコン単結晶引上げ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20359498A JP3719332B2 (ja) 1998-07-17 1998-07-17 シリコン単結晶引上げ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000034192A true JP2000034192A (ja) 2000-02-02
JP3719332B2 JP3719332B2 (ja) 2005-11-24

Family

ID=16476663

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20359498A Expired - Lifetime JP3719332B2 (ja) 1998-07-17 1998-07-17 シリコン単結晶引上げ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3719332B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009029703A (ja) * 2001-01-26 2009-02-12 Memc Electron Materials Inc 酸化誘起積層欠陥を実質的に有さない空孔優勢コアを有する低欠陥密度シリコン
CN103290467A (zh) * 2012-02-24 2013-09-11 宁夏日晶新能源装备股份有限公司 单晶炉水冷套结构
CN103668440A (zh) * 2013-12-16 2014-03-26 上海申和热磁电子有限公司 单晶硅直拉法热屏调整工艺

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102212875A (zh) * 2011-06-03 2011-10-12 无锡中能晶科光电科技股份有限公司 一种硅单晶炉的热场系统

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009029703A (ja) * 2001-01-26 2009-02-12 Memc Electron Materials Inc 酸化誘起積層欠陥を実質的に有さない空孔優勢コアを有する低欠陥密度シリコン
JP4644729B2 (ja) * 2001-01-26 2011-03-02 エムイーエムシー・エレクトロニック・マテリアルズ・インコーポレイテッド 酸化誘起積層欠陥を実質的に有さない空孔優勢コアを有する低欠陥密度シリコン
CN103290467A (zh) * 2012-02-24 2013-09-11 宁夏日晶新能源装备股份有限公司 单晶炉水冷套结构
CN103668440A (zh) * 2013-12-16 2014-03-26 上海申和热磁电子有限公司 单晶硅直拉法热屏调整工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JP3719332B2 (ja) 2005-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI231318B (en) Apparatus for growing a single crystalline ingot
EP0608875B1 (en) System for pulling-up monocrystal and method of exhausting silicon oxide
US20020134302A1 (en) Heat shield assembly for crystal puller
KR101105950B1 (ko) 단결정 잉곳 제조장치
TWI835330B (zh) 一種用於拉晶爐的熱場控制裝置及拉晶爐
CN110904504A (zh) 一种拉晶炉及单晶硅棒的制备方法
US20080035050A1 (en) An Apparatus for Producing a Single Crystal
JP3709494B2 (ja) シリコン単結晶引上げ装置の熱遮蔽部材
KR100679135B1 (ko) 실리콘 단결정 인양 장치의 열 차폐 부재
JP3719332B2 (ja) シリコン単結晶引上げ装置
KR101623641B1 (ko) 잉곳성장장치
US11186921B2 (en) Method for controlling convection pattern of silicon melt and method for producing monocrystalline silicon
JP2820002B2 (ja) 単結晶引上装置
JP6107308B2 (ja) シリコン単結晶製造方法
JP5974974B2 (ja) シリコン単結晶の製造方法
JP4862836B2 (ja) 単結晶製造装置及び単結晶製造方法
JP6729484B2 (ja) シリコン単結晶の製造方法
JP2004231474A (ja) シリコン単結晶の製造方法及びこの方法により製造されたシリコン単結晶
JP3642188B2 (ja) シリコン単結晶の引上げ装置
JP3587231B2 (ja) シリコン単結晶の引上げ装置
JP2000086384A (ja) シリコン単結晶の引上げ方法
JP2021080131A (ja) 単結晶成長装置、該単結晶成長装置の使用方法および単結晶成長方法
JP3719329B2 (ja) シリコン単結晶用引上げ装置
KR20140092507A (ko) 잉곳 성장 장치 및 잉곳 성장 방법
JP2002047094A (ja) シリコン単結晶の引上げ方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050413

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050419

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050530

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050817

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050830

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080916

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090916

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090916

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100916

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110916

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110916

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120916

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120916

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130916

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term