JP2008254570A - サスペンション装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前側ロアリンク4に後側ロアリンク5に向けて張り出す張出部7を設け、その張出部7と後側ロアリンクを、内側ブッシュ21と外側ブッシュ20で連結する。後側ロアリンク5の中心を通る仮想の基準線Hに対する、内側ブッシュ21と外側ブッシュ20との距離を等しく設定すると共に、内側ブッシュ21よりも外側ブッシュ20を車両前後方向後方に配置する。上記内側ブッシュ21の上下方向剛性の方が外側ブッシュ20の上下方向剛性よりも高く設定する。
【選択図】 図1
Description
これにより、前後剛性を下げることと、その際のトー特性の適正化を図っている。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、前後方向入力に対するコンプライアンスステアを適正に調整可能な機構を提供することを課題としている。
図1は、本実施形態の後輪用サスペンション装置を示す上面図であり、図2は車両前方からみたリンクの配置を説明する概要図である。
(構成)
車輪1を回転自在に支持するアクスル2の下部領域と車体側部材であるサスペンションメンバ3との間を連結する2本のロアリンク4、5と、アクスル2の上部領域とサスペンションメンバ3とを連結するアッパリンク8とを備える。
上記各弾性体ブッシュ9〜14は、入れ子状に配置された外筒と内筒との間にゴム体からなる弾性体が介装されて構成される。本実施形態では、外筒がリンク4、5、8の端部に固定されると共に、内筒がボルトを介してサスペンションメンバ3若しくはアクスル2に取り付けられている。
また、後側ロアリンク5は、リンク軸線L2に沿って延びるリンク本体部6と、そのリンク本体部6と一体になっていると共に当該リンク本体部6から上記前側ロアリンク4に向けて車両前後方向前方に張り出した張出部7とから構成されている。なお、上記張出部7は、板状の部材であって、上面視で略台形状の形状をしている。
そして、上面視において、上記外側ブッシュ20から上記基準線Hまでの最短距離と、内側ブッシュ21から上記基準線Hまでの最短距離とを等しく設定する。即ち、上面視において、外側ブッシュ20の中心点P5と内側ブッシュ21の中心点P6との中心P7が、上記基準線Hと交わるように設定する。
また、内側ブッシュ21の上下方向剛性が、外側ブッシュ20の上下方向剛性よりも高く設定する。
また、取付けブッシュ9〜12の剛性は、上記2つのコネクトブッシュ20、21の剛性よりも高く設定する。
ここで、アクスル2は車輪支持部材を、サスペンションメンバ3は車体側部材を、リンク本体部6は第1リンクを、前側ロアリンク4は第2リンクを、それぞれ構成する。また、コネクトブッシュ20、21の弾性体は、弾性連結部を構成する。
(1)2本のロアリンク4、5同士を連結することで、車輪1への車両前後方向の入力を2本のロアリンク4、5で受けることが可能となる。このため、当該車両前後方向入力を受けるために、別のリンクを設けなくても良い。
また、このように2本のロアリンク4、5同士を連結しても、その連結部をコネクトブッシュ20、21によって所定の揺動範囲内でのみ揺動可能に構成することで、車輪1への車両前後方向の入力に対して、コネクトブッシュ20、21は少なくとも車幅方向へ所定揺動範囲だけ揺動可能な状態で連結される。
また、前後方向の入力に対しコネクトブッシュ20、21が撓むことで吸収し、コネクトブッシュ20、21のゴムの特性により減衰も得られるため、前後方向入力に対する振動の収まりが良い。また、ロアリンク4、5は強度を満足するように設計しても、コネクトブッシュ20、21の剛性によって前後方向の剛性が決まるため、設計自由度を大きくすることが可能となる。
制動などによって、車輪1の接地面に対し車両前後方向後方向への入力があると、2本のロアリンク4、5の車輪側取付け点P2、P4はともに車両前後方向後方にほぼ同量だけ揺動変位するが、その2本におけるロアリンク4、5の車輪側取付け点P2、P4の車両横方向変位の差によってトーイン方向のトー変化がついて、制動時の安定性が向上する。
上述のように、制動などによって車輪1の接地面に対し車両前後方向後方向への入力があると、前側ロアリンク4の車輪側取付け点P2は、図5のように、車両前後方向後方に揺動変位する。このとき、内側ブッシュ21よりも外側ブッシュ20の方が相対的に車両前後方向後方に配置されていることで、つまり内側ブッシュ21の中心P6と外側ブッシュ20の中心P5を結ぶ直線は、外側ブッシュ20側が車両前後方向後方に傾いている(図1では、上面視において前側ロアリンク4のリンク軸線L1と一致している。)。このため、車輪側取付け点P2の車両前後方向後方への揺動変位によって、上面視で、張出部7における当該外側ブッシュ20側を車両幅補方向内側に引き込む作用が出る。
(1)上記実施形態では、上面視で、2つのコネクトブッシュ20、21の中心P7が基準線H上に位置するように設定しているが、これに限定されない。例えば、上記外側ブッシュ20から上記基準線Hまでの最短距離よりも、内側ブッシュ21から上記基準線Hまでの最短距離の方が大きくなるように設定しても良い。この場合には、2つのコネクトブッシュ20、21による上下方向入力に対する弾性中心G2がより車幅方向内側に、つまり、上記弾性主軸Rが、より車両前後方向前側が車幅方向内側となるように傾いて、上記効果が大きくなる。
また、上面視で、2つのコネクトブッシュ20、21の中心P7が基準線H上に位置するように設定し、且つ内側ブッシュ21の上下方向剛性と外側ブッシュ20の上下方向剛性とが同じに設定しても良い。外側ブッシュ20が、内側ブッシュ21よりも車両前後方向後方に配置されているので、上記作用効果は発揮出来る。
また、上記実施形態では、後側ロアリンク5のリンク軸線L2を車幅方向に配置し、前側ロアリンク4のリンク軸線L1を車両前後方向後方に傾けることで、2つのロアリンク4、5のリンク軸線L1、L2の交点P5を、アクスル2よりも車幅方向外方となるように設定しているが、これに限定されない。例えば前側ロアリンク4のリンク軸線L1を略車幅方向に配置すると共に、後側ロアリンク5のリンク軸線L2を、車体側取付け点P3よりも車輪側取付け点P4が車両前後方向前側にくるように、前側に傾斜させることで、2つのロアリンク4、5のリンク軸線L1、L2の交点P5を、アクスル2よりも車幅方向外方となるように設定しても良い。この場合には、内側ブッシュ21の中心を上記リンク軸線L1よりも車両前後方向前方に配置し、後側ブッシュの中心を上記リンク軸線L1よりも車両前後方向前方に配置する。
また、第2ロアリンクである前側ロアリンク4と張出部7を連結する2つのコネクトブッシュ20、21は、必ずしも上面視でリンク軸線L1と重なる位置に配置される必要はない。
また、2本のロアリンク4、5の連結するコネクトブッシュは、2箇所に限定されず3箇所以上あっても良い。
また、取付け点P1とP3の車両前後方向のスパンと取付け点P2とP4のスパンが等しくても、つまり2本のロアリンク4、5が平行に配置されていても良い。
次に、本発明の第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記第1実施形態と同様な部品については同一の符号を付して説明する。
(構成)
本実施形態の基本構成は、上記第1実施形態と同様であるが、図7に示すように、前側ロアリンク4側が第1ロアリンクを構成し、後側ロアリンク5が第2ロアリンクを構成する場合の例である。
すなわち、後側ロアリンク5は、車幅方向若しくは略車幅方向に延びるリンク軸線L2に沿って直線状に延びる棒状の部材であって、その両端取付け部にそれぞれ、上記構成の弾性体ブッシュ10、12が設けられている。
また、内側ブッシュ21の上下方向剛性が、外側ブッシュ20の上下方向剛性よりも高く設定する。
その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
ここで、リンク本体部4aが第1ロアリンクを、後側ロアリンク5が第2ロアリンクを構成する。
(1)制動などによって、車輪1の接地面に対し車両前後方向後方向への入力があると、2本のロアリンク4、5の車輪側取付け点P2、P4はともに車両前後方向後方にほぼ同量だけ揺動変位するが、その2本におけるロアリンク4、5の車輪側取付け点P2、P4の車両横方向変位の差によってトーイン方向のトー変化がついて、制動時の安定性が向上する。
(2)その他の作用効果は、第1実施形態と同様である。
2 アクスル(車輪支持部材)
3 サスペンションメンバ(車体側部材)
4 前側ロアリンク
4a リンク本体部
4b 張出部
5 後側ロアリンク
6 リンク本体部
7 張出部
8 アッパリンク
9〜12 取付けブッシュ
20 外側ブッシュ(コネクトブッシュ)
20c 弾性体
20d スグリ
21 上記内側ブッシュ(コネクトブッシュ)
21 弾性ブッシュ
21c 弾性体
21e 中間板
H 基準線
L 回転軸線
R 弾性主軸
W/C ホイールセンタ
Claims (4)
- 車輪を回転自在に支持する車輪支持部材と車体側部材とを連結する2本のリンクである第1リンクと第2リンクとが車両前後方向に並んで配置されるサスペンション装置であって、
上記第1リンクから第2リンクに向けて張り出す張出部と、その張出部と第2リンクとを揺動可能に連結する弾性連結部とを備え、
上面視において、第1リンクにおける車輪支持部材及び車体側部材への両取付け点間の中心を通過し且つ上記車輪の回転軸線と直交する直線からなる基準線を想定し、上記弾性連結部による上下方向の入力に対する弾性中心が、当該基準線よりも車幅方向内側に位置するように、上記弾性連結部の剛性の指向性を調整することを特徴とするサスペンション装置。 - 上記弾性連結部は、上記張出部と第2リンクとを揺動可能に連結すると共に互いに車幅方向に離れて配置された2つの弾性体を備え、
上記2つの弾性体について、車幅方向内側の弾性体を内側弾性体、車幅方向外側の弾性体を外側弾性体と呼称したときに、
外側弾性体を、内側弾性体よりも車両前後方向後方に配置し、
上面視において、第1リンクにおける車輪支持部材及び車体側部材への両取付け点間の中心を通過し且つ上記車輪の回転軸線と直交する直線からなる基準線を想定し、上記内側弾性体及び外側弾性体の2つの弾性体による上下方向の入力に対する弾性中心が、当該基準線よりも車幅方向内側に位置するように、上記内側弾性体及び外側弾性体の位置及び剛性の少なくとも一方を調整することを特徴とする請求項1に記載したサスペンション装置。 - 車輪を回転自在に支持する車輪支持部材と車体側部材とを連結する2本のリンクである第1リンクと第2リンクとが車両前後方向に並んで配置されるサスペンション装置であって、
上記第1リンクから第2リンクに向けて張り出す張出部と、その張出部と第2リンクとを揺動可能に連結すると共に互いに車幅方向に離れて配置された2つの弾性体とを備え、
上記張出部と第2リンクとを連結する2つの弾性体について、車幅方向内側の弾性体を内側弾性体、車幅方向外側の弾性体を外側弾性体とを呼称したときに、
外側弾性体を、内側弾性体よりも車両前後方向後方に配置し、
上面視において、第1リンクにおける車輪支持部材及び車体側部材への両取付け点間の中心を通過し且つ上記車輪の回転軸線と直交する直線からなる基準線に対し、内側弾性体から基準線までの最短距離を、外側弾性体から基準線までの最短距離よりも長く、
且つ、内側弾性体の上下方向剛性を、外側弾性体の上下方向剛性と等しいか当該外側弾性体の上下方向剛性よりも高く設定することを特徴とするサスペンション装置。 - 車輪を回転自在に支持する車輪支持部材と車体側部材とを連結する2本のリンクである第1リンクと第2リンクとが車両前後方向に並んで配置されるサスペンション装置であって、
上記第1リンクから第2リンクに向けて張り出す張出部と、その張出部と第2リンクとを揺動可能に連結する弾性体を備え、
上記第1リンクは、車輪に車両前後方向の力が入力されたときに、車両前後方向に延在する軸であって、車両上面視において車両前方側が車両後方側に対して車体側部材により近くなるように傾く回転軸のまわりに回転することを特徴とするサスペンション装置。
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