JP4888189B2 - サスペンション装置 - Google Patents
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Description
しかし上記従来技術では、結合部材の撓み変形量を規制するものがないので、別途、前後方向の変位を規制する手段が必要となる。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、車輪を支持する前後剛性を下げつつ、車輪の大変位を規制することを課題としている。
図1は、本実施形態の後輪用サスペンション装置を示す上面図であり、図2は車両前方からみたリンクの配置を説明する概要図である。
(構成)
車輪1を回転自在に支持するアクスル2の下部領域と車体側部材であるサスペンションメンバ3との間を連結する2本のロアリンク4、5と、アクスル2の上部領域とサスペンションメンバ3とを連結するアッパリンク8とを備える。
上記各ブッシュ9〜14は、入れ子状に配置された外筒と内筒との間にゴム体からなる弾性体が介装されて構成される。本実施形態では、外筒がリンク4、5、8の端部に固定されると共に、内筒がボルトを介してサスペンションメンバ3若しくはアクスル2に取り付けられている。
また、後側ロアリンク5は、リンク軸線L2に沿って延びるリンク本体部6と、そのリンク本体部6と一体になっていると共に当該リンク本体部6から上記前側ロアリンク4に向けて車両前後方向前方に張り出した張出部7とから構成されている。なお、上記張出部7は、板状の部材であって、上面視で略台形状の形状をしている。
ここで、アクスル2が車輪支持部材を、サスペンションメンバ3が車体側部材を、コネクトブッシュ20、21が連結部を、それぞれ構成する。
(1)2本のロアリンク4、5同士を連結することで、車輪1への車両前後方向の入力を2本のロアリンク4、5で受けることが可能となる。このため、当該車両前後方向入力を受けるために、別のリンクを設けなくても良い。
(2)また、このように2本のロアリンク4、5同士を連結しても、その連結部をコネクトブッシュ20、21によって所定の揺動範囲内でのみ揺動可能に構成することで、車輪1への車両前後方向の入力に対して、連結部は少なくとも車幅方向へ所定揺動範囲だけ揺動可能な状態で連結される。
また、前後方向の入力に対しコネクトブッシュ20、21が撓むことで吸収し、コネクトブッシュ20、21のゴムの特性により減衰も得られるため、前後方向入力に対する振動の収まりが良い。また、ロアリンク4、5は強度を満足するように設計しても、コネクトブッシュ20、21の剛性によって前後方向の剛性が決まるため、設計自由度を大きくすることが可能となる。
制動などによって、車輪1に対し車両前後方向後方向への入力があると、2本のロアリンク4、5の車輪側取付け点P2、P4はともに車両前後方向後方にほぼ同量だけ揺動変位するが、その2本におけるロアリンク4、5の車輪側取付け点P2、P4の車両横方向変位の差によってトーイン方向のトー変化がついて、制動時の安定性が向上する。
制動操作などによって車輪1の接地面に対し車両前後方向の制動力が入力されると、その入力によってワインドアップ方向のモーメントが発生する。このモーメントによってアクスル2に連結する後側ロアリンク5には上方に向かう力が作用すると共に、前側ロアリンク4には下方に向かう力が作用することで、両ロアリンク4、5の連結部であるコネクトブッシュ20、21にも上下方向の力が入力される。このとき、上述のようにコネクトブッシュ20、21の上下方向の剛性を高く設定しているので、両ロアリンク4、5を連結部で弾性部材を介して連結しても、ワインドアップ方向の剛性を高くすることが可能となる。
また上述のように、コネクトブッシュ20、21の車幅方向の横剛性を低く設定することで、アクスル2の前後並進方向の剛性が低く設定している結果、両者の作用効果から、乗心地の改善と制動時の安定性の向上の両立や振動の低減ができる。
上記実施形態では、アッパリンク8を1本の棒状リンクから構成する場合を例示しているが、2本以上あっても良いし、Aアームなど他の形状であっても良い。
また、上記実施形態では、後側ロアリンク5のリンク軸線L2を車幅方向に配置し、前側ロアリンク4のリンク軸線L1を車両前後方向後方に傾けることで、2つのロアリンク4、5のリンク軸線L1、L2の交点P5を、アクスル2よりも車幅方向外方となるように設定しているが、これに限定されない。例えば前側ロアリンク4のリンク軸線L1を略車幅方向に配置すると共に、後側ロアリンク5のリンク軸線L2を、車体側取付け点P3よりも車輪側取付け点P4が車両前後方向前側にくるように、前側に傾斜させることで、2つのロアリンク4、5のリンク軸線L1、L2の交点P5を、アクスル2よりも車幅方向外方となるように設定しても良い。
また、2つのロアリンク4、5の連結部は、ロアリンク4、5のリンク軸線L1、L2上に配置する必要はなく、例えば、2本のロアリンク4、5の中間位置に対して配置しても良い。
また、上記実施形態では、車両前後方向に並ぶ2本のリンクとしてロアリンク4,5を例示しているが、2本のリンクは、アッパリンクその他のリンクであっても良い。
また、サスペンション装置として後輪用サスペンション装置を例示しているが、本願発明を適用するサスペンション装置は、前輪用サスペンション装置であっても良い。
次に、第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記第1実施形態と同様な部材などについては同一の符号を付して説明する。
(構成)
第2実施形態の基本構成は、上記第1実施形態と同様であるが、ロアリンク4、5にサスペンションスプリングの下部取付け部30が設定されている点が異なる。
そして、図5に示すように、上面視で、そのサスペンションスプリングの下部取付け部30を、後側ロアリンク5のリンク軸線L2上と重なるように、好ましくは、サスペンションスプリングの下部取付け部30の中心が後側ロアリンク5のリンク軸線L2上となるように設定した。
その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(1)サスペンションスプリングの下部をロアリンク5に支持させるように配置することで、サスペンションスプリングの下部取付け位置をできるだけ下方に配置できる結果、社内の荷室スペースの拡大などの点で有利な構成となる。
(2)サスペンションスプリングの下部取付け部30を、上面視において、両端の支持剛性が高いリンク軸線L2上にほぼ位置させているので、サスペンションスプリングの反力によってリンク取付け点の変位が無いか小さく抑えられるので、サスペンションスプリングの反力を、効率よく伝達することができる。
ここで、第1実施形態で説明したように、ロアリンク4、5の両端部に設ける取付けブッシュ9〜12の剛性を高めることができる点からも有利な構成となる。
(3)また、サスペンションスプリングからの上下方向の反力が後側ロアリンク5に入力されても、その反力は、主としてロアリンク4、5の両端部に設けた取付けブッシュ9〜12で受けるので、サスペンションスプリングの反力によって、コネクトブッシュ20、21の撓みは無いか小さく抑えることが出来る。
上記実施形態では、後側ロアリンク5にサスペンションスプリングを支持させる場合を例示しているが、前側ロアリンク4にサスペンションスプリングを支持させる場合であっても、同様な効果を得る。
また、ロアリンク4、5に支持させて、ロアリンク4、5に上下反力を入力するサスペンション部品としてサスペンションスプリングを例示しているが、サスペンションスプリングに代えて、若しくはサスペンションスプリングと共にサスペンションダンパの下部もロアリンク4、5に取り付けても良い。この場合であっても、上面視においてロアリンク4、5のリンク軸線L1、L2上に取り付けるように配置することで上記作用効果を得ることができる。
2 アクスル(車輪支持部材)
3 サスペンションメンバ(車体側部材)
4 前側ロアリンク
5 後側ロアリンク
6 リンク本体部
7 張出部
8 アッパリンク
20、21 コネクトブッシュ
30 下部取付け部
L1、L2 リンク軸線
P1、p3 車体側取付け点
P2,P4 車輪側取付け点
P5 交点
Claims (7)
- 車輪を回転自在に支持する車輪支持部材と車体側部材とを連結する2本のリンクが車両前後方向に並んで配置されるサスペンション装置において、
上記2本のリンク同士を、車幅方向に離れた2以上の箇所で個別かつ弾性的にブッシュを介して連結し、該2本のリンクは、少なくとも車幅方向へ所定の範囲でだけ相対変位可能であることを特徴とするサスペンション装置。 - 上記2本のリンクは、車両上下方向に、所定の範囲でだけ相対変位可能であることを特徴とする請求項1に記載したサスペンション装置。
- 車輪を回転自在に支持する車輪支持部材と車体側部材とを連結する2本のリンクが車両前後方向に並んで配置されるサスペンション装置において、
上記2本のリンク同士を、車幅方向に離れた2以上の箇所で個別かつ弾性的にブッシュを介して連結し、上記2本のリンクは、その2本のリンクの連結部において、上記車輪支持部材に対する車両前後方向への入力によって、少なくとも車幅方向へ所定の範囲でだけ相対変位可能であることを特徴とするサスペンション装置。 - 上記2本のリンク同士を連結する連結部は、車幅方向の剛性よりも上下方向の剛性の方が高いことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載したサスペンション装置。
- 上面視において、上記2本のリンクにおける、それぞれの車輪支持部材への取付け点と車体側部材への取付け点を結ぶリンク軸線同士の交点は、上記リンクの車輪支持部材への取付け点よりも車幅方向外方に位置することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載したサスペンション装置。
- 上面視において、上記2本のリンクにおける、それぞれの車輪支持部材への取付け点と車体側部材への取付け点を結ぶリンク軸線同士の交点は、車輪の中心よりも車両前後方向後方に位置することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載したサスペンション装置。
- 上記2本のリンクの一方に対し、サスペンションスプリング及びダンパの少なくとも一方の下部が取り付けられ、その下部は、上面視において、取り付けられるリンクにおける車輪支持部材への取付け点と車体側部材への取付け点とを結ぶリンク軸線と重なる位置に配置されることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載したサスペンション装置。
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