JP2008251999A - 放射線検出器 - Google Patents

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Abstract

【課題】光導電層の劣化を抑制するとともに、光導電層下に設けられた電荷収集電極に対する絶縁性を確保する。
【解決手段】延長電極部431が、ガラス基板408上の光導電層404の無い領域で、高電圧線432と電気的に接続されているため、光導電層404へ付与される圧力が軽減され、光導電層404の劣化を抑制できる。また、正孔注入阻止層402が、延長電極部431とガラス基板408との間から光導電層404の側面と延長電極部431との間を通って、光導電層404上へ形成されているので、光導電層404とガラス基板408との間にギャップがあっても、延長電極部431から電荷収集電極407aへ沿面放電を抑制でき、光導電層404下に設けられた電荷収集電極407aに対する絶縁性を確保できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、医療用のX線撮影装置などに用いられる放射線検出器に関する。
放射線検出器としては、X線等の放射線がまず光に変換された後にその変換光がさらに光電変換で電気信号に変換される間接変換型の放射線検出器と、入射した放射線が電荷変換層により直に電気信号に変換される直接変換型の放射線検出器と、が知られている。
直接変換型の放射線検出器としては、特許文献1及び特許文献2に開示される放射線検出器が公知である。特許文献1及び特許文献2の放射線検出器では、電荷変換層としてのアモルファスセレン上で高電圧線が上部電極部に接続されているため、製造時の接続の際やその後の使用時の状況により、高電圧線がアモルファスセレンを圧迫する。この圧力により、アモルファスセレンが結晶化を引き起こして劣化し、放射線の検出精度が低下する。
また、電荷変換層上ではなくガラス基板上の電荷変換層のない領域において、高電圧線と上部電極部との接続をとる構成では、ガラス基板と上部電極部とを接合するため、ガラス基板と上部電極部との間の高い密着性が必要となり、上部電極部に用いる材料が限定されてしまう。
これに対して、特許文献3に示すように、電荷変換層上に形成された上部電極部を電荷変換層の側面に沿わせてガラス基板上まで引き下ろし、ITO膜のような導電性材料を用いてガラス基板上に形成した接続パッドにて、パネル外部から引き込んだ高圧線と上部電極部とを接続する構成が知られている。
特開2005−86059号公報 特開2005−286183号公報 特開2000−241556号公報
しかしながら、特許文献3に示す構成では、ガラス基板上に予めITO膜などを形成する必要があり、この場合には、導電性の接続パッドの一部が、電荷変換層下に潜る構造となる。これにより、電荷変換層下に設けられた下部電極部としての画素電極への沿面放電を起こす可能性が生じる。
本発明は、上記事実を考慮し、電荷変換層の劣化を抑制するとともに、電荷変換層下に設けられた下部電極部に対する絶縁性を確保できる放射線検出器を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る放射線検出器は、バイアス電圧が印加された状態で放射線が入射されることにより電荷を生成する電荷変換層と、前記電荷変換層下に設けられ、前記電荷変換層が生成した電荷を収集する下部電極部を有する基板と、前記電荷変換層上に積層され前記電荷変換層へ前記バイアス電圧を印加するための上部電極部と、前記上部電極部から前記電荷変換層の側面を下って前記基板上の前記電荷変換層の無い領域へ延長された延長電極部と、を有する電極層と、前記電荷変換層と前記上部電極部との間から前記延長電極部と前記基板との間へわたって形成され、前記延長電極部と前記基板との接合力を高める中間層と、前記基板上の前記電荷変換層の無い領域で前記延長電極部と電気的に接続され、前記延長電極部から前記上部電極部を介して前記電荷変換層へバイアス電圧を印加する導線と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、延長電極部は、上部電極部から電荷変換層の側面を下って基板上の電荷変換層の無い領域へ延長されており、延長電極部に電気的に接続された導線により、延長電極部から上部電極部を介して電荷変換層へバイアス電圧が印加される。電荷変換層は、バイアス電圧が印加された状態で放射線が入射されることにより、電荷を生成する。電荷変換層が生成した電荷は、下部電極部により収集される。
ここで、請求項1の構成では、延長電極部は、基板上の電荷変換層の無い領域で、導線と電気的に接続されており、電荷変換層上で導線との接続がなされる構成に比して、電荷変換層へ付与される圧力が軽減され、電荷変換層の劣化を抑制できる。
また、延長電極部と基板との接合力を高める中間層は、電荷変換層と上部電極部との間から延長電極部と基板との間へわたって形成されており、延長電極部と基板との接合力を高める部材が延長電極部と基板との間から電荷変換層下へ潜る構成に比して、延長電極部から下部電極への沿面放電を抑制し、電荷変換層下に設けられた下部電極部に対する絶縁性を確保できる。
本発明の請求項2に係る放射線検出器は、請求項1の構成において、前記電極層は、金(Au)で形成され、前記基板は、ガラスで形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、電極層と基板との材質上、基板に対する延長電極部の密着性が悪いが、中間層が延長電極部と基板との接合力を高めることにより、延長電極部と基板との間の剥離を抑制できる。
本発明の請求項3に係る放射線検出器は、請求項2の構成において、前記中間層は、硫化アンチモン(Sb)で形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項4に係る放射線検出器は、請求項1〜3のいずれか1項の構成において、前記導線から前記延長電極へ印加される電圧1kvに対して、前記延長電極部のうち前記基板上に形成された部位と前記下部電極部との最短距離が0.5mm以上であることを特徴とする。
この構成によれば、延長電極部から下部電極への沿面放電をより抑制し、電荷変換層下に設けられた下部電極部に対する絶縁性をより確保できる。
本発明は、上記構成としたので、電荷変換層の劣化を抑制するとともに、電荷変換層下に設けられた下部電極部に対する絶縁性を確保できる。
以下に、本発明に係る放射線検出器の実施形態の一例を図面に基づき説明する。
本実施形態に係る放射線検出器は、X線撮影装置等に使用されるものであり、放射線の照射を受けることにより導電性を呈する光導電層を含む静電記録部を備えてなり、画像情報を担持する放射線の照射を受けて画像情報を記録し、記録した画像情報を表す画像信号を出力するものである。
放射線検出器としては、光の照射により電荷を発生する半導体材料を利用して読み取る、いわゆる光読取方式の放射線検出器と、放射線の照射により発生した電荷を蓄積し、その蓄積した電荷を薄膜トランジスタ(TFT:thin film transistor)などの電気的スイッチを1画素ずつオン・オフすることにより読み取る方式(以下、TFT方式という)の放射線検出器等がある。
(TFT方式の放射線検出器の構成)
まず、TFT方式の放射線検出器について説明する。図1は、TFT方式の放射線検出器の全体構成を示す概略図である。図2は、放射線検出器の要部構成を示すものであり、ガラス基板上に積層された各部を示す図である。
本実施形態に係る放射線検出器400は、図1及び図2に示すように、バイアス電圧が印加された状態で放射線としてのX線が入射されることにより電荷を生成する電荷変換層として、電磁波導電性を示す光導電層404を備えている。光導電層404としては、暗抵抗が高く、X線照射に対して良好な電磁波導電性を示し、真空蒸着法により低温で大面積成膜が可能な非晶質(アモルファス)材料が好まれ、アモルファスSe(a-Se)膜が用いられている。また、アモルファスSeにAs、Sb、Geをドープした材料が熱安定性に優れ、好適な材料である。
光導電層404上には、光導電層404へバイアス電圧を印加するための上部電極部として、単一のバイアス電極401が積層されている。このバイアス電極401と後述する延長電極部431とから電極層430が構成されている。バイアス電極401には、例えば、金(Au)が用いられる。
光導電層404下には、下部電極部としての複数の電荷収集電極407aが形成されている。各電荷収集電極407aは、図2に示すように、それぞれ電荷蓄積容量407c及びスイッチ素子407bに接続されている。
また、光導電層404とバイアス電極401との間には、中間層が設けられている。中間層とは、上部電極と電荷変換層の間に存在する層であり,電荷注入阻止層(電荷蓄積とダイオード形成を包含)を兼ねても良い。電荷注入阻止層としては、抵抗層や絶縁層のほか、電子に対しては導電体でありながら正孔の注入を阻止する正孔注入阻止層や、正孔に対しては導電体でありながら電子の注入を阻止する電子注入阻止層がある。正孔注入阻止層としては、CeO、ZnS、SbSを用いることができる。このうちZnSは低温で形成できて望ましい。電子注入阻止層としては、SbS、CdS、TeをドープされたSe,CdTe、有機物系の化合物等がある。なお、SbSは設けられる位置により、正孔注入阻止層にも電子注入阻止層にもなる。本実施例では、バイアス電極が正極であるため、中間層として、正孔注入阻止層402が設けられている。また、光導電層404と電荷収集電極407aとの間には、本発明の中間層ではないが、電子注入阻止層406が設けられている。
また、正孔注入阻止層402と光導電層404との間と、電子注入阻止層406と光導電層404との間とには、それぞれ結晶化防止層403、405が設けられている。結晶化防止層403、405としてはGeSe、GeSe、SbSe、a-AsSeや、Se−As、Se−Ge、Se−Sb系化合物等を用いることが可能である。
なお、電荷収集電極407aとスイッチ素子407bと電荷蓄積容量407cとから電荷検出層407が形成され、ガラス基板408と電荷検出層407とからアクティブマトリックス基板450が構成されている。
図3は、放射線検出器400の1画素単位の構造を示す断面図であり、図4は、その平面図である。図3及び図4に示す1画素のサイズは、0.1mm×0.1mm〜0.3mm×0.3mm程度であり、放射線検出器全体としてはこの画素がマトリクス状に500×500〜3000×3000画素程度配列されている。
図3に示すように、アクティブマトリックス基板450は、ガラス基板408、ゲート電極411、電荷蓄積容量電極(以下、Cs電極と称する)418、ゲート絶縁膜413、ドレイン電極412、チャネル層415、コンタクト電極416、ソース電極410、絶縁保護膜417、層間絶縁膜420、および電荷収集電極407aを有している。
また、ゲート電極411やゲート絶縁膜413、ソース電極410、ドレイン電極412、チャネル層415、コンタクト電極416等により薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)からなるスイッチ素子407bが構成されており、Cs電極418やゲート絶縁膜413、ドレイン電極412等により電荷蓄積容量407cが構成されている。
ガラス基板408は支持基板であり、ガラス基板408としては、例えば、無アルカリガラス基板(例えば、コーニング社製#1737等)を用いることができる。ゲート電極411及びソース電極410は、図4に示すように、格子状に配列された電極配線であり、その交点には薄膜トランジスタ(以下TFTと称する)からなるスイッチ素子407bが形成されている。
スイッチ素子407bのソース・ドレインは、各々ソース電極410とドレイン電極412とに接続されている。ソース電極410は、信号線としての直線部分と、スイッチ素子407bを構成するための延長部分とを備えており、ドレイン電極412は、スイッチ素子407bと電荷蓄積容量407cとをつなぐように設けられている。
ゲート絶縁膜413はSiNXやSiOX等からなっている。ゲート絶縁膜413は、ゲート電極411及びCs電極418を覆うように設けられており、ゲート電極411上に位置する部位がスイッチ素子407bにおけるゲート絶縁膜として作用し、Cs電極418上に位置する部位は電荷蓄積容量407cにおける誘電体層として作用する。つまり、電荷蓄積容量407cは、ゲート電極411と同一層に形成されたCs電極418とドレイン電極412との重畳領域によって形成されている。なお、ゲート絶縁膜413としては、SiNXやSiOXに限らず、ゲート電極411及びCs電極418を陽極酸化した陽極酸化膜を併用することもできる。
また、チャネル層(i層)415はスイッチ素子407bのチャネル部であり、ソース電極410とドレイン電極412とを結ぶ電流の通路である。コンタクト電極(n+層)416はソース電極410とドレイン電極412とのコンタクトを図る。
絶縁保護膜417は、ソース電極410及びドレイン電極412上、つまり、ガラス基板408上に、ほぼ全面(ほぼ全領域)にわたって形成されている。これにより、ドレイン電極412とソース電極410とを保護すると共に、電気的な絶縁分離を図っている。また、絶縁保護膜417は、その所定位置、つまり、ドレイン電極412においてCs電極418と対向している部分上に位置する部位に、コンタクトホール421を有している。
電荷収集電極407aは、非晶質透明導電酸化膜からなっている。電荷収集電極407aは、コンタクトホール421を埋めるようにして形成されており、ソース電極410上及びドレイン電極412上に積層されている。電荷収集電極407aと光導電層404とは電気的に導通しており、光導電層404で発生した電荷を電荷収集電極407aで収集できるようになっている。
層間絶縁膜420は、感光性を有するアクリル樹脂からなり、スイッチ素子407bの電気的な絶縁分離を図っている。層間絶縁膜420には、コンタクトホール421が貫通しており、電荷収集電極407aはドレイン電極412に接続されている。コンタクトホール421は、図3に示すように逆テーパ形状で形成されている。
バイアス電極401とCs電極418との間には、図示しない高圧電源が接続されている。なお、高圧電源に接続された高電圧線432をバイアス電極401と電気的に接続する構成については、後述する。
この高圧電源により、バイアス電極401とCs電極418との間に電圧が印加される。これにより、電荷蓄積容量407cを介してバイアス電極401と電荷収集電極407aとの間に電界を発生させることができる。このとき、光導電層404と電荷蓄積容量407cとは、電気的に直列に接続された構造になっているので、バイアス電極401にバイアス電圧を印加しておくと、光導電層404内で電荷(電子−正孔対)が発生する。光導電層404で発生した電子は+電極側に、正孔は−電極側に移動し、その結果、電荷蓄積容量407cに電荷が蓄積される。
放射線検出器全体としては、電荷収集電極407aは1次元または2次元に複数配列されると共に、電荷収集電極407aに個別に接続された電荷蓄積容量407cと、電荷蓄積容量407cに個別に接続されたスイッチ素子407bとを複数備えている。これにより、1次元または2次元の電磁波情報を一旦電荷蓄積容量407cに蓄積し、スイッチ素子407bを順次走査していくことで、1次元または2次元の電荷情報を簡単に読み出すことができる。
(TFT方式の放射線検出器の動作原理)
次に、上記のTFT方式の放射線検出器400の動作原理について説明する。バイアス電極401とCs電極418との間に電圧が印加された状態、すなわちバイアス電極401とCs電極418とを介して光導電層404に電圧が印加された状態において、光導電層404にX線が照射されると、光導電層404内に電荷(電子−正孔対)が発生する。そして、光導電層404と電荷蓄積容量407cとは電気的に直列に接続された構造となっているので、光導電層404内に発生した電子は+電極側に、正孔は−電極側に移動し、その結果、電荷蓄積容量407cに電荷が蓄積される。
電荷蓄積容量407cに蓄積された電荷は、ゲート電極411への入力信号によってスイッチ素子407bをオン状態にすることによりソース電極410を介して外部に取り出すことが可能となる。そして、ゲート電極411とソース電極410とからなる電極配線、スイッチ素子407b及び電荷蓄積容量407cは、すべてマトリクス状に設けられているため、ゲート電極411に入力する信号を順次走査し、ソース電極410からの信号をソース電極410毎に検知することにより、二次元的にX線の画像情報を得ることが可能となる。
続いて、電荷収集電極407aについて詳細に説明する。本実施形態で用いる電荷収集電極407aは、非晶質透明導電酸化膜によって構成されている。非晶質透明導電酸化膜材料としては、インジウムと錫との酸化物(ITO:Indium-Tin-Oxide)や、インジウムと亜鉛との酸化物(IZO:Indium-Zinc-Oxide)、インジウムとゲルマニウムとの酸化物(IGO:Indium-Germanium-Oxide)等を基本組成とするものを使用することができる。
また、電荷収集電極としては、各種の金属膜や導電酸化膜が使用されているが、下記の理由により、ITO(Indium-Tin-Oxide)等の透明導電酸化膜が用いられることが多い。放射線検出器において入射X線量が多い場合、不要な電荷が半導体膜中(あるいは半導体膜と隣接する層との界面付近)に捕獲されることがある。このような残留電荷は、長時間メモリーされたり、時間をかけつつ移動したりするので、以降の画像検出時にX線検出特性が劣化したり、残像(虚像)が現れたりして問題になる。そこで、特開平9−9153号公報(対応米国特許第5563421号)には、光導電層に残留電荷が発生した場合に、光導電層の外側から光を照射することで、残留電荷を励起させて取り除く方法が開示されている。この場合、光導電層の下側(電荷収集電極側)から効率よく光を照射するためには、電荷収集電極が照射光に対して透明である必要がある。また、電荷収集電極の面積充填率(フィルファクター)を大きくする目的、またはスイッチ素子をシールドする目的で、スイッチ素子を覆うように電荷収集電極を形成することが望まれるが、電荷収集電極が不透明であると、電荷収集電極の形成後にスイッチ素子を観察することができない。
例えば、電荷収集電極を形成後、スイッチ素子の特性検査を行う場合、スイッチ素子が不透明な電荷収集電極で覆われていると、スイッチ素子の特性不良が見つかった際、その原因を解明するために光学顕微鏡等で観察することができない。従って、電荷収集電極の形成後もスイッチ素子を容易に観察することができるように、電荷収集電極は透明であることが望ましい。
(バイアス電極と高電圧線とを電気的に接続する構成)
ここで、上記のTFT方式の放射線検出器400において、バイアス電極401と高電圧線432とを電気的に接続する構成について説明する。図5は、延長電極部431と高電圧線432とが接続される接続部分を示す概略平面図である。
図1に示すように、バイアス電極401から光導電層404の側面を下ってガラス基板408上の光導電層404の無い領域へ延長された延長電極部431が形成されている。この延長電極部431とバイアス電極401とは、電極層430を構成し、同一工程で一体成形される。
延長電極部431は、図5に示すように、バイアス電極401の側部から突出し、図1に示すように、光導電層404の下方へ傾斜する下り勾配の側面に沿って、放射線検出器400の最低部にあたるガラス基板408まで引き下ろされている。
延長電極部431の延長方向(図5のX方向)と直交する方向(図5のY方向)の幅が、バイアス電極401よりも狭く形成されている。これにより、電極層430を形成するための材料を低減できる。なお、延長電極部431の幅は、バイアス電極401と同じ幅であっても良く、また、バイアス電極401よりも広く形成されていても良い。
また、正孔注入阻止層402は、光導電層404とバイアス電極401との間から延長電極部431とガラス基板408との間へわたって形成されており、ガラス基板408上の光導電層404の無い領域へ延長されている。
また、正孔注入阻止層402は、ガラス基板408上に直接形成されており、延長電極部431をガラス基板408に接合する下地として用いられている。正孔注入阻止層402としては、延長電極部431とガラス基板408との間の密着性よりも、正孔注入阻止層402とガラス基板408との間の密着性及び正孔注入阻止層402と延長電極部431との間の密着性が高い材料が選択される。
このように、ガラス基板408に対する延長電極部431の密着性よりも、ガラス基板408及び延長電極部431に対する密着性が高い正孔注入阻止層402を下地として用いることにより、延長電極部431とガラス基板408との間の接合力が高められる。
延長電極部431は、延長電極部431からバイアス電極401を介して光導電層404へバイアス電圧を印加する導線としての高電圧線432と、ガラス基板408上の光導電層404の無い領域で電気的に接続されている。
高電圧線432は、外部から引き込まれており、導電性ペースト433により、延長電極部431の先端部と電気的に接続されている。
また、高電圧線432から延長電極部431へ印加される電圧1kvに対して、延長電極部431のうちガラス基板408上に形成された部位と電荷収集電極407aとの最短距離L(図1参照)が、0.5mm以上とされている。例えば、高電圧線432から延長電極部431へ印加される電圧10kvとした場合、最短距離Lは、5mmとされる。
ここで、バイアス電極401と延長電極部431とからなる電極層430及び正孔注入阻止層402の製造工程の一例について説明する。
まず、アクティブマトリックス基板450に、2μmの膜厚の硫化アンチモン(Sb)からな電子注入阻止層406を形成する。次に、Se原料を蒸着により成膜して、膜厚1000μmの非晶質Seからなる光導電層404を形成する。次に、光導電層404上に、0.3μmの膜厚の硫化アンチモン(Sb)からなる正孔注入阻止層402を形成する。次に、Auを蒸着により成膜して、膜厚0.1μmのバイアス電極401及び延長電極部431からなる電極層430を形成する。
(光導電層を被覆する構成)
次に、光導電層404を被覆する構成について説明する。図1に示すように、バイアス電極401上には、バイアス電極401を覆うカバー部材としてのカバーガラス440が設けられている。
ガラス基板408には、カバーガラス440が接合される保護部材442が設けられている。保護部材442は、全体として上部及び下部が開放された箱状に形成されており、保護部材442の側壁が、ガラス基板408の外周部上に立設されており、光導電層404の周囲を囲んでいる。保護部材442は、上部がガラス基板408中央部の上方側へ張り出してフランジ部442aをなしており、断面L字状に形成されている。フランジ部442a下面(内壁)に、カバーガラス440の上面が接合されており、この保護部材442とカバーガラス440との接合部分は、光導電層404の外側に配置されている。すなわち、光導電層404の上方ではなく、ガラス基板408上の光導電層404の無い領域で、保護部材442とカバーガラス440とが接合されている。
なお、保護部材442としては、例えば、ポリカーボネート、塩化ビニール・アクリル・PETが用いられる。
カバーガラス440と保護部材442とガラス基板408とに囲まれた空間には、充填部材としての硬化性樹脂444が充填されている。硬化性樹脂444としては、例えば、エポキシ、シリコン等の常温硬化性樹脂が用いられる。
(TFT方式の放射線検出器の作用効果)
次に、上記のTFT方式の放射線検出器400の作用効果について説明する。
本実施形態の構成では、延長電極部431は、ガラス基板408上の光導電層404の無い領域で、高電圧線432と電気的に接続されており、延長電極部431からバイアス電極401を介して光導電層404へバイアス電圧が印加される。
ところで、光導電層404上で高電圧線432とバイアス電極401との接続がなされる構成では、製造時の接続の際やその後の使用時の状況により、非晶質材料である光導電層404が圧迫され、光導電層404が結晶化を引き起こして劣化する。
また、光導電層404上で高電圧線432とバイアス電極401との接続がなされる構成では、光導電層404とカバーガラス440との間に、高電圧線432の外径以上の空間を形成する必要があり、その空間に硬化性樹脂444を充填する場合では、その硬化性樹脂444の厚みが高電圧線432の外径以上となり、光導電層404の電荷変換効率を低下させる。また、光導電層404の電荷変換効率の低下を抑制するため、光導電層404とカバーガラス440との間を高電圧線432の外径より狭くしようとすると、図6に示すように、カバーガラス440が接合される保護部材442の内面に、高電圧線432を収容するための凹部446を形成する必要がある。このように、凹部446を形成すると、周囲環境(主として温度)の変化と各部材が持つ熱膨張係数の差によって生じる応力・ひずみ分布が場所により極大化する要因となり、特に光導電層404上に生じるにストレスによって光導電層404にダメージを与え、非晶質材料である光導電層404の結晶化や各層間の剥離等の問題発生させることとなる。
これに対して、本実施形態では、延長電極部431が、ガラス基板408上の光導電層404の無い領域で、高電圧線432と電気的に接続されているため、光導電層404へ付与される圧力が軽減され、光導電層404の劣化を抑制できる。また、保護部材442の内面に凹部446などを形成することなく、光導電層404とカバーガラス440との間隔を狭くできるので、光導電層404の電荷変換効率を低下させず、また、周囲環境(主として温度)が変化しても、各部材が持つ熱膨張係数の差によって生じる光導電層404へのストレスが軽減される。これにより、非晶質材料である光導電層404の結晶化や各層間の剥離を抑制できる。
また、本実施形態の構成では、正孔注入阻止層402が、光導電層404とバイアス電極401との間から延長電極部431とガラス基板408との間へわたって形成されており、延長電極部431とガラス基板408との接合力を高める。
ところで、延長電極部431とガラス基板408との接合力を高める部材を予めガラス基板408上に形成する構成では、この部材が、延長電極部431とガラス基板408との間から光導電層404下へ潜る構成となる。このため、光導電層404とガラス基板408との間にギャップがあると、延長電極部431から電荷収集電極407aへガラス基板408に沿って沿面放電を生じる可能性がある。
本実施形態では、正孔注入阻止層402が、延長電極部431とガラス基板408との間から光導電層404の側面と延長電極部431との間を通って、光導電層404上へ形成されているので、光導電層404とガラス基板408との間にギャップがあっても、延長電極部431から電荷収集電極407aへ沿面放電を抑制でき、光導電層404下に設けられた電荷収集電極407aに対する絶縁性を確保できる。
また、電極層430にAuなどを用いる場合には、ガラス基板408との密着性が悪いが、正孔注入阻止層402が、延長電極部431とガラス基板408との接合力を高めることにより、延長電極部431とガラス基板408との間の剥離を抑制できる。また、正孔注入阻止層402を用いることにより、延長電極部431とガラス基板408との接合力を高めるためだけの部材を新たにガラス基板408に形成することなく、既存の層構成のみで剥離を抑制できるので、部品点数及び製造工程が増加しない。
また、本実施形態では、カバーガラス440と保護部材442との接合部分が、光導電層404の外側に配置されているため、カバーガラス440と保護部材442との接合部分で発生するストレスが硬化性樹脂444を介して光導電層404に伝わるのを抑制する。これにより、光導電層404が受ける圧力を低減し、光導電層404の劣化を抑制できる。
また、本実施形態では、延長電極部431のうちガラス基板408上に形成された部位と電荷収集電極407aとの最短距離が、高電圧線432から延長電極部431へ印加される電圧1kvあたり、0.5mm以上であるので、延長電極部431から電荷収集電極407aへの沿面放電をより確実に抑制し、光導電層404下に設けられた電荷収集電極407aに対する絶縁性をより確実に確保できる。
(光読取方式の放射線検出器の構成)
光読取方式の放射線検出器についても、本発明の適用は可能であり、上記のバイアス電極と高電圧線とを電気的に接続する構成及び光導電層を被覆する構成に準じて適用される。ここで、光読取方式の放射線検出器について説明する。図7は、光読取方式の放射線検出器300の概略構成を示す斜視図であり、図8は、放射線検出器300のXZ断面図、図9は、放射線検出器300のXY断面図である。
放射線検出器300は、被写体を透過したX線などの放射線画像を担持する記録光に対して透過性を有する第1の電極層301、第1の電極層301を透過した記録光の照射を受けることにより電荷対を発生し導電性を呈する記録用光導電層304、読取光の照射を受けることにより電荷対を発生して導電性を呈する読取用光導電層306、第1の透明線状電極309aと第2の透明線状電極309bと遮光膜309cと絶縁層309dとからなる第2の電極層309、および読取光に対して透過性を有するガラス基板310をこの順に配してなるものである。
また、本実施例では、第1の電極層が負極であるため、高電圧印加時の透明線状電極309aと309bからの正孔注入を抑制する正孔注入阻止層308と、第1の電極層301からの電子注入を抑制する電子注入阻止層302とを有している。
さらに、電子注入阻止層302と記録用光導電層304との間に記録用光導電層の結晶化を抑制する結晶化防止層303と、正孔注入阻止層308と読取用光導電層306との間に読取用光導電層306の結晶化を抑制する結晶化防止層307とを有している。
そして、記録用光導電層304と読取用光導電層306との界面に、記録用光導電層304内で発生した放射線画像を担持する潜像極性電荷を蓄積する2次元状に分布した蓄電部305が形成される。
この放射線検出器300の大きさ(面積)は、例えば20cm×20cm以上、特に胸部X線撮影用の場合には有効サイズ43cm×43cm程度とする。
正孔注入阻止層308としては、代表的なものはCeO、ZnS等がある。これらは、単層のみならず多層に積層するのが正孔阻止能力の強化するためには(暗電流を低減するためには)さらに好ましい。また、正孔注入阻止層308の厚さとしては、20nm以上100nm以下であることが望ましい。
電子注入阻止層302は、SbSや有機物系の化合物等がある。電子注入阻止層302も単層のみならず多層に積層してもよい。
結晶化防止層303,307としては、結晶化温度の高いSe−As、Se−Ge、Se−Sb系化合物など2元系あるいはSe−Ge−Sb、Se−Ge−As、Se−Sb−Asなどの3元系を用いるのが最適である。
記録用光導電層304の物質としては、a-Se(アモルファスセレン)を主成分とする光導電性物質が適当である。
読取用光導電層306の物質としては、例えば第1の電極層301に帯電される負電荷の移動度と、その逆極性となる正電荷の移動度の差が大きいClを10〜200ppmドープしたa−Seや、Se−Ge,Se−Sb,Se−AsなどのSeを主成分とする光導電性物質が好適である。
記録用光導電層304の厚さは、記録用の電磁波を十分に吸収できるようにするには、50μm以上1000μm以下であるのが好ましい。また、読取用光導電層306の厚さは記録用光導電層304の厚さの1/2以下であることが望ましく、また薄ければ薄いほど読取時の応答性が向上するので、例えば1/10以下、さらには1/100以下などにするのが好ましい。
なお、上記各層の材料は、第1の電極層301に負電荷を、第2の電極層309の透明線状電極309a,309bに正電荷を帯電させて、記録用光導電層304と読取用光導電層306との界面に形成される蓄電部305に潜像極性電荷としての負電荷を蓄積せしめるとともに、読取用光導電層306を、潜像極性電荷としての負電荷の移動度よりも、その逆極性となる輸送極性電荷としての正電荷の移動度の方が大きい、いわゆる正孔輸送層として機能させるものとして好適なものの一例であるが、これらは、それぞれが逆極性の電荷であっても良く、このように極性を逆転させる際には、正孔の輸送層として機能する読取用光導電層を電子輸送層として機能する読取用光導電層に変更するなどの若干の変更を行なうだけでよい。また、読取用光導電層306をa−Seを主成分とする層とし、蓄電部305としてAsSe、GeSe、GeSe、SbSe層を設けるようにしてもよい。
第1の電極層301および第1の透明線状電極309aとしては、それぞれ記録光あるいは読取光に対して透過性を有するものであればよく、例えば可視光に対して透過性を持たせる場合には、光透過性金属薄膜として周知のSnO、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide )あるいはエッチングのし易いアモルファス状光透過性酸化金属であるIDIXO(Indium X-metal Oxide ;出光興産(株))などの酸化金属を50〜200nm厚程度、好ましくは100nm以上にして用いることができる。また、記録光としてX線を使用し、第1の電極層301側から該X線を照射して放射線画像を記録する場合には、第1の電極層301としては可視光に対する透過性が不要であるから、該第1の電極層301は、例えば100nm厚のAlやAuなどの純金属を用いて形成するようにしてもよい。
第2の電極層309の第1の透明線状電極309aは、画素ピッチでストライプ状に配列されたものであり、画素ピッチとしては、医療用X線撮影において高い鮮鋭度を維持しつつ高S/Nを可能ならしめるために、50〜250μm程度にする。またこの画素ピッチの範囲内で、第1の透明線状電極309aの幅を10〜200μm程度とする。ここで、第2の電極層309の電極をストイプ電極とする目的は、ストラクチャノイズの補正を簡便にしたり、容量を低減することにより画像のS/Nを向上させたり、並列読取り(主に主走査方向)を行なって読出時間の短縮を図るなどである。
また、第2の電極層309内には、記録用光導電層304と読取用光導電層306との界面に形成される蓄電部305に蓄積された潜像極性電荷の量に応じたレベルの電気信号を出力させるための導電部材である第2の透明線状電極309bが設けられている。この第2の透明線状電極309bは、ストライプ状に配列されたものであって、第2の透明線状電極309bと第1の透明線状電極309aとが交互に平行に配置されるように配列されている。
各第2の透明線状電極309bとしては、上述の光透過性金属薄膜を用いることが好ましい。この場合は、1回のリソグラフィー工程で、第1の透明線状電極309aと第2の透明線状電極309bのパターニングを同時に形成できる。この場合は、ガラス基板310上の各第2の透明線状電極309bに対応する部分に、読取光の第2の透明線状電極309bへの照射強度が読取光の第1の透明線状電極309aへの照射強度よりも小さくなるように光透過性の劣る部材からなる遮光膜309cを設け、読取光に対する透過率Pcを10%以下にする、すなわち遮光性を持たせることができ、第2の透明線状電極309bに対応する読取用光導電層306内では、信号取出しのための電荷対を発生させないようにすることができる。
そして、上記第1の透明線状電極309aおよび第2の透明線状電極309bは、その上に100nm以下の薄膜の正孔注入阻止層308が形成される。また、各第1の透明線状電極309aと各第2の透明線状電極309bとは電気的に絶縁されるように所定の距離が保たれている。
なお、放射線検出器300においては、第2の透明線状電極309bの幅Wcを第1の透明線状電極309aの幅Wbよりも広くすると共に、第1の透明線状電極309aの読取光に対する透過率Prb、第2の透明線状電極309bの読取光に対する透過率Prcが、条件式(Wb×Prb)/(Wc×Prc)≧5を満足するように設定することが望ましい。この場合、第2の透明線状電極309bの幅Wcを第1の透明線状電極309aの幅Wbよりも広くしたことに合わせて、静電潜像の記録時には、第1の透明線状電極309aと第2の透明線状電極309bとを接続し、第2の透明線状電極309bを電界分布の形成に積極的に利用するようにする。
このように第1の透明線状電極309aと第2の透明線状電極309bとを接続して記録を行うと、潜像極性電荷は、第1の透明線状電極309aに対応する位置だけでなく、第2の透明え線状電極309bに対応する位置にも蓄積され、読取時に第1の透明線状電極309aを通して読取用光導電層306に読取光が照射されると、第1の透明線状電極309aを挟む2本の第2の透明線状電極309bの上空部分の潜像極性電荷が2本の第2の透明線状電極309bを介して順次読み出される。したがって、この場合、第1の透明線状電極309aに対応する位置が画素中心となり、この第1の透明線状電極309aを挟む両側の第2の透明線状電極309bの各半分までが、第1の透明線状電極309a、第2の透明線状電極309bの並び方向の1画素となる。
また、第1の透明線状電極309aおよび第2の透明線状電極309bよりも良導電性の導電部材をバスラインとして、各第1の透明線状電極309a毎および第2の透明線状電極309b毎に、その長さ方向に延設することが望ましい。
遮光膜309cの部材としては、必ずしも絶縁性を有しているものでなくてもよく、遮光膜309cの比抵抗が2×10−6・cm以上(さらに好ましくは1×1015・cm以下)のものを使用することができる。例えば金属材料であればAl、Mo、Crなどを用いることができ、無機材料であればMoS、WSi、TiNなどを用いることができる。なお、遮光膜309cの比抵抗が1・cm以上のものを使用するとより好ましい。
また、遮光膜309cの部材として金属材料など導電性の部材を使用したときには、遮光膜309cと第2の透明線状電極309bとの直接接触を避けるため両者の間に絶縁物を配する。本実施形態の放射線検出器300は、この絶縁物として、読取光側電極層306とガラス基板310との間にSiO2などからなる絶縁層309dを設けている。この絶縁層309dの厚さは、0.01〜10μm程度がよい。
遮光膜309cを形成するときには、読取光の第1の透明線状電極309aへの照射強度をUb、第2の透明線状電極309bへの照射強度をUcとしたとき、Ub/Uc≧5を満足するような厚さにすることが望ましい。なお右辺は、好ましくは8、さらには12とすると一層好ましい。
また、第1の透明線状電極309aと第2の透明線状電極309bとの間隙をWbcとしたとき、遮光膜309cの幅WdがWc≦Wd≦(Wc+2×Wbc)を満足するようにするようにすることが望ましい。この条件式は、遮光膜309cが少なくとも第2の透明線状電極309bを完全にカバーし、且つ読取光の透過部分として少なくとも第1の透明線状電極309aの幅Wb分だけ確保し、第1の透明線状電極309aに対応する部分には遮光膜309cが掛からないようにすることを示している。ただし、第2の透明線状電極309bの幅Wc分だけでは遮光が不十分であり、また読取光の透過部分が第1の透明線状電極309aの幅Wb分だけでは第1の透明線状電極309aに到達する読取光が不十分になる虞があるので、(Wc+Wbc/2)≦Wd≦(Wc+Wbc)を満足するようにする方が好ましい。
光読取方式の放射線検出器300では、第1の電極層301が、本発明の上部電極部に相当し、記録用光導電層304が電荷変換層に相当する。また、第1の透明線状電極309aと第2の透明線状電極309bが、下部電極部に相当し、ガラス基板310が基板に相当する。また、正孔注入阻止層308が中間層に相当する。
光読取方式の放射線検出器300では、図1に示す構成と同様に、第1の電極層301から記録用光導電層304の側面を下ってガラス基板310上の記録用光導電層304の無い領域へ延長された延長電極部を形成する。また、正孔注入阻止層308は、記録用光導電層304と第1の電極層301との間から延長電極部とガラス基板310との間へわたって形成し、延長電極部をガラス基板310に接合する下地として用いる。
さらに、延長電極部から第1の電極層301を介して記録用光導電層304へバイアス電圧を印加する導線としての高電圧線と、ガラス基板310上の記録用光導電層304の無い領域で電気的に接続する。
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、種々の変形、変更、改良が可能である。
図1は、TFT方式の放射線検出器の全体構成を示す概略図である。 図2は、TFT方式の放射線検出器の要部を示す概略構成図である。 図3は、TFT方式の放射線検出器の1画素単位の構造を示す断面図である。 図4は、TFT方式の放射線検出器の1画素単位の構造を示す平面図である。 図5は、TFT方式の放射線検出器において、延長電極部と高電圧線とが接続される接続部分を示す概略平面図である。 図6は、比較例に係るTFT方式の放射線検出器の構成を示す概略図である。 図7は、光読取方式の放射線検出器の概略構成を示す斜視図である。 図8は、図7の放射線画像検出器のXZ断面図である。 図9は、図7の放射線画像検出器のXY断面図である。
符号の説明
300 放射線検出器
400 放射線検出器
401 バイアス電極(上部電極部)
402 正孔注入阻止層(中間層)
404 光導電層(電荷変換層)
407a 電荷収集電極(下部電極部)
408 ガラス基板(基板)
430 電極層
431 延長電極部
432 高電圧線(導線)

Claims (4)

  1. バイアス電圧が印加された状態で放射線が入射されることにより電荷を生成する電荷変換層と、
    前記電荷変換層下に設けられ、前記電荷変換層が生成した電荷を収集する下部電極部を有する基板と、
    前記電荷変換層上に積層され前記電荷変換層へ前記バイアス電圧を印加するための上部電極部と、前記上部電極部から前記電荷変換層の側面を下って前記基板上の前記電荷変換層の無い領域へ延長された延長電極部と、を有する電極層と、
    前記電荷変換層と前記上部電極部との間から前記延長電極部と前記基板との間へわたって形成され、前記延長電極部と前記基板との接合力を高める中間層と、
    前記基板上の前記電荷変換層の無い領域で前記延長電極部と電気的に接続され、前記延長電極部から前記上部電極部を介して前記電荷変換層へバイアス電圧を印加する導線と、
    を備えたことを特徴とする放射線検出器。
  2. 前記電極層は、金(Au)で形成され、前記基板は、ガラスで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の放射線検出器。
  3. 前記中間層は、硫化アンチモン(Sb)で形成されていることを特徴とする請求項2に記載の放射線検出器。
  4. 前記導線から前記延長電極へ印加される電圧1kvに対して、前記延長電極部のうち前記基板上に形成された部位と前記下部電極部との最短距離が0.5mm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射線検出器。
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