JP2008250188A - カラーフィルタ用インクジェットインク、カラーフィルタ及びその製造方法並びに表示装置 - Google Patents

カラーフィルタ用インクジェットインク、カラーフィルタ及びその製造方法並びに表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】画素形状のバラツキを抑え、隔壁の膨潤を抑えることが可能なカラーフィルタ用インクジェットインク、このインクを用いたカラーフィルタ及びその製造方法並びにこのカラーフィルタを用いた表示装置の提供。
【解決手段】基板上に形成された隔壁により囲まれた凹部にインクジェット方式により付与され、カラーフィルタの画素の形成に使用されるカラーフィルタ用インクジェットインクであって、少なくとも着色顔料と有機溶剤とを含有し、前記有機溶剤の一種として沸点が250℃以上のアルキレングリコールモノアルキルエーテルを含むことを特徴とするカラーフィルタ用インクジェットインク、このインクを用いたカラーフィルタ及びその製造方法並びにこのカラーフィルタを用いた表示装置。
【選択図】なし

Description

本発明は、カラーフィルタ用インクジェットインク、カラーフィルタ及びその製造方法並びにカラーフィルタを備えた表示装置に関する。
近年、パーソナルコンピューター、特に大画面液晶テレビの発達に伴い、液晶ディスプレイ、とりわけカラー液晶ディスプレイの需要が増加する傾向にある。しかしながら、カラー液晶ディスプレイが高価であることから、コストダウンの要求が高まっている。特にコスト的に比重の高いカラーフィルタに対するコストダウンの要求が高い。
このようなカラーフィルタは、通常赤(R)、緑(G)、および青(B)の3原色の着色パターンを備える。このカラーフィルタを備える液晶ディスプレイにおいては、R、G、およびBのそれぞれの画素に対応する電極をON、OFFさせることで液晶がシャッタとして作動し、R、G、およびBのそれぞれの画素を光が通過してカラー表示が行われる。
従来のカラーフィルタの製造方法としては、例えば染色法が挙げられる。この染色法は、まずガラス基板上に染色用の材料である水溶性の高分子材料を形成し、これをフォトリソグラフィー工程により所望の形状にパターニングした後、得られたパターンを染色浴に浸漬して着色されたパターンを得る。これを3回繰り返すことによりR、G、およびBのカラーフィルタ層を形成する。
また、他の方法としては顔料分散法がある。この方法は、まず基板上に顔料を分散した感光性樹脂層を形成し、これをパターニングすることにより単色のパターンを得る。さらにこの工程を3回繰り返すことにより、R、G、およびBのカラーフィルタ層を形成する。
さらに他の方法としては、電着法や、熱硬化樹脂に顔料を分散させてR、G、およびBの3回印刷を行った後、樹脂を熱硬化させる方法等を挙げることができる。
しかしながら、いずれの方法も、R、G、およびBの3色を着色するために、同一の工程を3回繰り返す必要があり、コスト高になるという問題や、同様の工程を繰り返すため歩留まりが低下するという問題がある。
これらの問題を解決したカラーフィルタの製造方法として、インクジェット方式で着色インクを吹き付けして着色層(画素)を形成する方法が提案されている(特許文献1)。ここでは、ガラス基板に対し濡れ性の良いインクを用いる場合には、インクに対して濡れ性の悪い物質で予め境界となる凸部を印刷しておく方法や、ガラスに対して濡れ性の悪いインクを使う場合には、インクとの濡れ性の良い材料で予めパターンを形成しておき、インクが定着するのを助ける方法が開示されている。しかしながら、ガラス基板や境界となる凸部を親インク性や撥インク性に制御することは、画素間の混色やインクの濡れ性の制御には効果的であるが、画素自体の形状が凸型や凹型になり、画素の平坦性を得られないという問題があった。このような場合には、画素内での色濃度にバラツキが生じ、画像の表示品質が著しく劣るという問題が発生する。
特許文献2では、画素に平坦化層を設け、画素の平坦性を得る方法が開示されている。上記文献では、基板側から露光し、画素の厚みに応じて平坦化層の硬化の度合いを調節し、平坦性を付与する方法が記載されているが、画素内の色濃度のバラツキに関しては、何ら解消されていない。また、特許文献3では、フィルム状の保護層を転写によって形成する方法が開示されているが、同様に画素内の色濃度のバラツキは解消されていない。
また、特許文献4では、画素の平坦性を付与するインクとして、着色顔料と体質顔料を有するインクが開示されている。上記文献では、樹脂と顔料の重量比や着色顔料と体質顔料の重量比及びインク中の固形分についても言及されている。しかしながら、本発明者らが上記文献の追試を行ったところ、十分な平坦性が得られないことが判明した。特許文献5では、濃淡のインクを用いて画素内の濃度調節を行いながら平坦性を付与する方法が開示されている。しかしながら、工程が煩雑になる上に十分な平坦性が得られない。
また、画素部の乾燥状態を制御することで、平坦性を得る方法が開示されている(特許文献6,7,8)。特許文献6には、インクが乾燥する前に露光することで、画素の平坦性が得られることが記載されている。特許文献7では、インクの粘度が高いほど高温で乾燥する方法が記載されている。さらに、特許文献8では、乾燥条件を画素の形状に合わせて調節する方法が記載されている。しかしながら、上記特許文献6,7の方法では十分な平坦性が得られず、また特許文献8の方法は、実際の製造を考えた場合には非現実的である。
また、特許文献9,10には、画素の端が最高部の80%以上の厚みを有するカラーフィルタが開示されているが、平坦性を得る手段が何ら開示されていない。
さらに、特許文献11では、インクが隔壁に囲まれた凹部からあふれ、他の画素と混色するのを防ぐために、インクの打滴及び乾燥を多数回繰り返す方法が開示されている。上記方法では、画素の混色を防ぐことができると同時に、画素部の平坦性が向上することが期待できるが、工程が煩雑になり、実際の製造に適さない。
特開昭59−75205号公報 特開平8−304619号公報 特開平10−197719号公報 特開平9−132740号公報 特開2004−177867号公報 特開平11−142641号公報 特開2002−372613号公報 特開2003−266003号公報 特開2002−148429号公報 特開2002−156520号公報 特開2004−325736号公報
本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、画素形状のバラツキを抑え、隔壁の膨潤を抑えることが可能なカラーフィルタ用インクジェットインク、このインクを用いたカラーフィルタ及びその製造方法並びにこのカラーフィルタを用いた表示装置を提供することを目的とする。
即ち、本発明は、
<1> 基板上に形成された隔壁により囲まれた凹部にインクジェット方式により付与され、カラーフィルタの画素の形成に使用されるカラーフィルタ用インクジェットインクであって、少なくとも着色顔料と有機溶剤とを含有し、前記有機溶剤の一種として沸点が250℃以上のアルキレングリコールモノアルキルエーテルを含むことを特徴とするカラーフィルタ用インクジェットインクである。
<2> 常圧における沸点が230℃以上の溶剤が、前記有機溶剤の80質量%以上を占めることを特徴とする<1>に記載のカラーフィルタ用インクジェットインクである。
<3> 前記アルキレングリコールモノアルキルエーテルの25℃における水に対する溶解度が10g以下であることを特徴とする<1>又は<2>に記載のカラーフィルタ用インクジェットインクである。
<4> 前記アルキレングリコールモノアルキルエーテルがトリプロピレングリコールモノアルキルエーテルであることを特徴とする<1>乃至<3>のいずれか1つに記載のカラーフィルタ用インクジェットインクである。
<5> 重合性基を少なくとも2つ有するモノマーをさらに含有することを特徴とする<1>乃至<4>のいずれか1つに記載のカラーフィルタ用インクジェットインクである。
<6> 前記重合性基が、エポキシ基、アクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基からなる群より選択されるいずれかであることを特徴とする<5>に記載のカラーフィルタ用インクジェットインクである。
<7> 重合性基を3つ以上有する化合物が前記モノマーの50質量%以上を占めることを特徴とする<5>又は<6>に記載のカラーフィルタ用インクジェットインクである。
<8> バインダー樹脂をさらに含有することを特徴とする<1>乃至<7>のいずれか1つに記載のカラーフィルタ用インクジェットインクである。
<9> 界面活性剤をさらに含有することを特徴とする<1>乃至<8>のいずれか1つに記載のカラーフィルタ用インクジェットインクである。
<10> 25℃における粘度が5mPa・s以上30mPa・s以下であることを特徴とする<1>乃至<9>のいずれか1つに記載のカラーフィルタ用インクジェットインクである。
<11> 基板上に形成された隔壁により囲まれた凹部に、インクジェット方式により<1>乃至<10>のいずれか1つに記載のカラーフィルタ用インクジェットインクの液滴を付与して画素を形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
<12> 前記液滴に含まれる有機溶剤を除去してインク残部とした後に、前記インク残部に活性エネルギー線を照射する工程及び/又は前記インク残部を加熱する工程により前記インク残部を重合して画素を形成することを特徴とする<11>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<13> <11>又は<12>に記載のカラーフィルタの製造方法により製造されたことを特徴とするカラーフィルタである。
<14> <13>に記載のカラーフィルタを備えることを特徴とする表示装置である。
本発明によれば、画素形状のバラツキを抑え、隔壁の膨潤を抑えることが可能なカラーフィルタ用インクジェットインク、このインクを用いたカラーフィルタ及びその製造方法並びにこのカラーフィルタを用いた表示装置が提供される。
以下、本発明のカラーフィルタ用インクジェットインク、カラーフィルタ及びその製造方法並びに表示装置について詳細に説明する。
<カラーフィルタ用インクジェットインク>
本発明のカラーフィルタ用インクジェットインク(以下、「本発明のインク」と称することがある。)は、基板上に形成された隔壁(以下、ブラックマトリクス又はBMと称することがある。)により囲まれた凹部にインクジェット方式により付与され、カラーフィルタの画素の形成に使用されるインクであって、少なくとも着色顔料と有機溶剤とを含有し、前記有機溶剤の一種として沸点が250℃以上のアルキレングリコールモノアルキルエーテルを含むことを特徴とするものである。
本発明のインクは、必要に応じて、顔料分散剤、モノマー、バインダー樹脂、重合開始剤、界面活性剤、或いは、その他の添加剤を含有しても良い。
本発明のインクによれば、基板上に形成された隔壁により囲まれた凹部にインクを付与した後の該インクの乾燥を抑制することができ、乾燥ムラに起因する画素の平坦性の悪化を防ぐことができる。その結果として、画素形状のバラツキを抑えることが可能となる。さらに、溶剤の一種として沸点が250℃以上のアルキレングリコールモノアルキルエーテルを用いることにより、隔壁の膨潤を抑えることができる。
本発明のカラーフィルタ用インクジェットインクの25℃における粘度は、インクジェットヘッドからの吐出性を確保する観点から5mPa・s以上30mPa・s以下であることが好ましく、7mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。
次に、本発明のインクに含まれる各成分について詳しく述べる。
(着色剤)
本発明のインクに使用される着色剤は、有機顔料、無機顔料、染料など、公知のものを使用できるが、十分な透過濃度や耐光性、基板への密着性、その他の諸耐性が要求されるため、種々の有機顔料が好適である。該着色剤の具体例としては、特開2005−17716号公報[0038]〜[0054]に記載の顔料及び染料や、特開2004−361447号公報[0068]〜[0072]に記載の顔料や、特開2005−17521号公報[0080]〜[0088]に記載の着色剤を好適に用いることができる。これらの中で、画素の保存安定性の点から、顔料が特に好ましい。
本発明における着色剤の含有量は特に限定されるものではないが、所望の色相、濃度を得るという観点から、インク残部に占める着色剤の割合は20質量%以上が好ましく、20〜70質量%がさらに好ましく、25〜60質量%がより好ましく、30〜50質量%が特に好ましい。
本発明において、併用するのが好ましい上記記載の顔料の組み合わせは、C.I.ピグメント・レッド254では、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド224、C.I.ピグメント・イエロー139、又は、C.I.ピグメント・バイオレット23との組み合わせが挙げられる。C.I.ピグメント・グリーン36では、C.I.ピグメント・イエロー150、C.I.ピグメント・イエロー139、C.I.ピグメント・イエロー185、C.I.ピグメント・イエロー138、又は、C.I.ピグメント・イエロー180との組み合わせが挙げられる。C.I.ピグメント・ブルー15:6では、C.I.ピグメント・バイオレット23、又は、C.I.ピグメント・ブルー60との組み合わせが挙げられる。
このように併用する場合の顔料中のC.I.ピグメント・レッド254、C.I.ピグメント・グリーン36、C.I.ピグメント・ブルー15:6の含有量は、C.I.ピグメント・レッド254は、60質量%以上が好ましく、特に70質量%以上が好ましい。C.I.ピグメント・グリーン36は50質量%以上が好ましく、特に60質量%以上が好ましい。C.I.ピグメント・ブルー15:6は、80質量%以上が好ましく、特に90質量%以上が好ましい。
本発明で用いる顔料は、数平均粒径0.001〜0.1μmのものが好ましく、更に0.01〜0.08μmのものが好ましい。顔料の数平均粒径が0.001μm以上であると、粒子の表面エネルギーが小さくなり凝集しにくくなり、顔料分散が容易になると共に、分散状態を安定に保つのが容易になるため好ましい。また、顔料の数平均粒径が0.1μm以下であれば、顔料による偏光の解消が生じないため、コントラストが向上し、好ましい。尚、ここで言う「粒径」とは粒子の電子顕微鏡写真画像を同面積の円とした時の直径を言い、また「数平均粒径」とは多数の粒子について上記の粒径を求め、この100個平均値を言う。
上記顔料は分散液として使用することが望ましい。この分散液は、前記顔料と後述する顔料分散剤及び有機溶剤とを予め混合して得られる組成物を、公知の分散機を用いて分散させることによって調製することができる。この際に、顔料の分散安定性を付与するために、少量の樹脂を添加してもよい。また、前記顔料と顔料分散剤とを予め混合して得られる組成物を、後述するモノマーに添加して分散させることによって調製することも可能である。前記顔料を分散させる際に使用する分散機としては、特に制限はなく、例えば、朝倉邦造著、「顔料の事典」、第一版、朝倉書店、2000年、438頁に記載されているニーダー、ロールミル、アトライダー、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミル等の公知の分散機が挙げられる。更に該文献310頁記載の機械的摩砕により、摩擦力を利用し微粉砕してもよい。
(顔料分散剤)
本発明のインクには、顔料の分散安定性を得るために、顔料分散剤を添加することが好ましい。
その使用量はインクジェットインク全質量に対して0.1〜10質量%の範囲で分散剤を含有させるのが好ましく、0.1〜9質量%がより好ましく、0.1〜8質量%での範囲が特に好ましい。
該顔料分散剤として、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルとの塩、高分子量不飽和エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルりん酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート、顔料誘導体などを用いることができる。
顔料分散剤の具体例としては、特開2005−15672号公報の段落番号[0021]〜[0023]に記載の例が、本発明も好適なものとして使用できる。
本発明に用いられるその他の顔料分散剤としては、「単量体単位として少なくともジイソシアネート類及び/又はトリイソシアネート類が重合した主鎖構造を有し、且つ、ポリエーテル鎖を含まない重合体からなる顔料分散剤」が挙げられる。
ジイソシアネート類及び/又はトリイソシアネート類の単量体に基づく構成単位を主鎖構造に有するものとしては、上記ジイソシアネート類及び/又はトリイソシアネート類の分子間でイソシアネート基同士が結合して重合した分子構造が挙げられる。また、主鎖骨格の連鎖構造内には、置換基を有していても良い芳香環及び/又は複素環等の環構造が含まれていても良い。
ジイソシアネート類及び/又はトリイソシアネート類が重合した主鎖構造としては、例えば、式(A−1)〜(A−5)で表されるポリイソシアネートが挙げられ、これらのポリイソシアネートは更に重合連鎖していても良く、更に置換基を有しても良い。2−メタクリロイルエチルイソシアネートは、例えば、昭和電工(株)製「カレンズMOI」等の商品名で市販されている。
なお、式(A−1)は、例えばバイエル社製「デスモジュールIL」等の商品名で、式(A−2)は、例えばバイエル社製「デスモジュールHL」等の商品名で、式(A−3)はエッセアピイチイ社製「ポルレンKC」等の商品名で、式(A−4)は例えばエッセアピイチイ社製「ポルレンHR」等の商品名で、式(A−5)は例えばエッセアピイチイ社製「トルエンジイソシアネート−イソフォロンジイソシアネート−イソシアヌレート」として、市販されている。
Figure 2008250188
Figure 2008250188
「単量体単位として少なくともジイソシアネート類及び/又はトリイソシアネート類が重合した主鎖構造を有し、且つ、ポリエーテル鎖を含まない重合体からなる顔料分散剤」に用いられるジイソシアネート類としては、耐熱性の点で芳香族イソシアネート類が好ましく、例えば、ベンゼン−1,3−ジイソシアネート、ベンゼン−1,4−ジイソシアネート等のベンゼンジイソシアネート類;トルエン−2,4−ジイソシアネート、トルエン−2,5−ジイソシアネート、トルエン−2,6−ジイソシアネート、トルエン−3,5−ジイソシアネート等のトルエンジイソシアネート類;1,2−キシレン−3,5−ジイソシアネート、1,2−キシレン−3,6−ジイソシアネート、1,2−キシレン−4,6−ジイソシアネート、1,3−キシレン−2,4−ジイソシアネート、1,3−キシレン−2,5−ジイソシアネート、1,3−キシレン−2,6−ジイソシアネート、1,3−キシレン−4,6−ジイソシアネート、1,4−キシレン−2,5−ジイソシアネート、1,4−キシレン−2,6−ジイソシアネート等のキシレンジイソシアネート類等の芳香族ジイソシアネート類を挙げることができ、また前記トリイソシアネート類としては、例えば、ベンゼン−1,2,4−トリイソシアネート、ベンゼン−1,2,5−トリイソシアネート、ベンゼン−1,3,5−トリイソシアネート等のベンゼントリイソシアネート類;トルエン−2,3,5−トリイソシアネート、トルエン−2,3,6−トリイソシアネート、トルエン−2,4,5−トリイソシアネート、トルエン−2,4,6−トリイソシアネート、トルエン−3,4,6−トリイソシアネート、トルエン−3,5,6−トリイソシアネート等のトルエントリイソシアネート類;1,2−キシレン−3,4,6−トリイソシアネート、1,2−キシレン−3,5,6−トリイソシアネート、1,3−キシレン−2,4,5−トリイソシアネート、1,3−キシレン−2,4,6−トリイソシアネート、1,3−キシレン−3,4,5−トリイソシアネート、1,4−キシレン−2,3,5−トリイソシアネート、1,4−キシレン−2,3,6−トリイソシアネート等のキシレントリイソシアネート類等の芳香族トリイソシアネート類を挙げることができる。中でも高い耐熱性の点から、トルエンジイソシアネート類が好ましい。これらのジイソシアネート類およびトリイソシアネート類は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。特に式(A−1)や式(A−4)で表されるようなトルエンジイソシアネート類が単独で重合した主鎖構造であることが高い耐熱性の点から好ましい。
「単量体単位として少なくともジイソシアネート類及び/又はトリイソシアネート類が重合した主鎖構造を有し、且つ、ポリエーテル鎖を含まない重合体からなる顔料分散剤」は、耐熱性の点からポリエーテル鎖を含まない重合体である。ここでポリエーテル鎖とは、−(O−R)n−(Rは、炭素数1〜10のアルキレン基、nは2以上の整数)で表される構造をいう。具体的には、−(O−CHCH)n−、−(O−CHCHCH)n−、−(O−CHCHCHCH)n−、−(O−CHCHCHCHCH)n−、−(O−CHCHCHCHCHCH)n−が挙げられる。
本発明のインクの安定性の点から、「単量体単位として少なくともジイソシアネート類及び/又はトリイソシアネート類が重合した主鎖構造を有し、且つ、ポリエーテル鎖を含まない重合体からなる顔料分散剤」は酸性官能基を持たないことが好ましい。顔料分散剤が酸性官能基を含む場合には、顔料分散剤の酸性官能基が硬化剤として作用するので、安定性を調整しにくくなる場合がある。酸性官能基としては、例えばカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等が挙げられるが、代表的にはカルボキシル基である。
また、「単量体単位として少なくともジイソシアネート類及び/又はトリイソシアネート類が重合した主鎖構造を有し、且つ、ポリエーテル鎖を含まない重合体からなる顔料分散剤」がポリエステル鎖を含む場合には、このポリエステル鎖により顔料の分散性が向上するので好ましい。ここでポリエステル鎖とは、−(O−RCO)n−(Rは、炭素数1〜20のアルキレン基、nは2以上の整数)で表される構造をいう。具体的には、ポリカプロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリプロピオラクトン等のポリラクトン類、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の重縮合系ポリエステル類が挙げられる。中でも耐熱性の点から、ポリラクトン類、更にポリカプロラクトンを含むことが好ましい。ポリエステル鎖は、片末端又は両末端に水酸基を有するポリエステル類を用いて、上記イソシアネート類のイソシアネート基と反応させることにより導入することが好ましい。
また、顔料分散性の点から、「単量体単位として少なくともジイソシアネート類及び/又はトリイソシアネート類が重合した主鎖構造を有し、且つ、ポリエーテル鎖を含まない重合体からなる顔料分散剤」のアミン価は5〜80mgKOH/gであることが好ましい。なお、アミン価は固形分1gあたりのアミン価を示し、0.1Nの塩酸水溶液を用い、電位差滴定法によって求めたのち、水酸化カリウムの当量に換算した値をいう。
また、「単量体単位として少なくともジイソシアネート類及び/又はトリイソシアネート類が重合した主鎖構造を有し、且つ、ポリエーテル鎖を含まない重合体からなる顔料分散剤」の酸化は、インクの保存安定性の点から低い方が好ましく、実質的に酸性官能基がないと見なせる値、具体的には酸価が10mgKOH/g以下が好ましく、特に3mgKOH/g以下であることが好ましい。なお、酸価は固形分1gあたりの酸価を示し、JIS K 0070に準じ、電位差滴定法によって求めた値をいう。
更に、「単量体単位として少なくともジイソシアネート類及び/又はトリイソシアネート類が重合した主鎖構造を有し、且つ、ポリエーテル鎖を含まない重合体からなる顔料分散剤」の分子量は、ポリスチレン換算の重量平均分子量で500〜30,000の範囲が好ましい。該分散剤の分子量が500未満であると分散安定性が低下し、30,000を超えるとインクジェット吐出性が低下する傾向にある。なお、重量平均分子量(Mw)はクエン酸を20ミリモル/リットル含むテトラヒドロフランを展開液としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(例えば、HLC−8029、東ソー株式会社製)により求めた値をいう。
「単量体単位として少なくともジイソシアネート類及び/又はトリイソシアネート類が重合した主鎖構造を有し、且つ、ポリエーテル鎖を含まない重合体からなる顔料分散剤」の市販品としては、Disperbyk−161、162(以上、ビックケミー・ジャパン(株)製)を挙げることができる。
「単量体単位として少なくともジイソシアネート類及び/又はトリイソシアネート類が重合した主鎖構造を有し、且つ、ポリエーテル鎖を含まない重合体からなる顔料分散剤」は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
単量体単位として少なくともジイソシアネート類及び/又はトリイソシアネート類が重合した主鎖構造を有し、且つ、ポリエーテル鎖を含まない重合体を顔料分散剤として用いる場合には、顔料分散液中に顔料100重量部当たり、上記顔料分散剤を通常は10〜200重量部、好ましくは20〜80重量部の割合で用いる。このような比較的少ない割合で含有させた場合でも、分散性を充分に向上させることができるので、顔料分散剤が少ない顔料分散液及びインクジェットインクが得られ、塗膜の耐熱性に対する顔料分散剤の影響を小さくすることができる。
(有機溶剤)
本発明のインクにおいては、有機溶剤の一種として沸点が250℃以上のアルキレングリコールモノアルキルエーテルが用いられる。沸点が250℃以上のアルキレングリコールモノアルキルエーテルの25℃における水に対する溶解度は、10g以下が好ましく、5g以下が更に好ましい。25℃における水に対する溶解度が10g以下であれば、隔壁の膨潤を抑制する事ができる。また、良好な顔料の分散安定性を得る事ができる。
沸点が250℃以上のアルキレングリコールモノアルキルエーテルとしては、例えば、トリプロピレングリコールモノアルキルエーテル、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル、テトラエチレングリコールモノアルキルエーテル、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル等が挙げられる。これらの中でも、トリプロピレングリコールモノアルキルエーテル、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル等が好ましく、更に好ましくはトリプロピレングリコールモノアルキルエーテルの一種であるトリプロピレングリコールn−ブチルエーテル及びトリプロピレングリコールn−プロピルエーテルが挙げられる。
本発明のインク中に含まれる全有機溶剤に占める沸点が250℃以上のアルキレングリコールモノアルキルエーテルの量は、30質量%以上が好ましく、40質量%以上が更に好ましく、50質量%以上が特に好ましい。沸点が250℃以上のアルキレングリコールモノアルキルエーテルの量が30質量%以上であれば、面内の画素の形状のバラツキを改良することができる。
本発明のインクは、必要に応じて沸点が250℃以上のアルキレングリコールモノアルキルエーテル以外のその他の有機溶剤を含有してもよい。その他の有機溶剤の具体例としては、例えば、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコール−n−ブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、1,3−ブタンジオールジアセテート、ジプロピレングリコール−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレンカーボネート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコール−n−ブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル、及び、コハク酸ジエチル等を挙げることができる。
本発明のインクは、有機溶剤の一種として沸点が250℃以上のアルキレングリコールモノアルキルエーテルを含んでいればよいが、常圧における沸点が230℃以上の溶剤が、本発明のインクに含まれる全有機溶剤の80質量%以上を占めることが好ましく、85質量%以上を占めることが更に好ましく、90質量%以上を占めることが特に好ましい。常圧における沸点が230℃以上の溶剤が、本発明のインクに含まれる全有機溶剤の80質量%以上を占めると、インクジェットヘッド上でのインクの乾燥を抑える事ができ、インクの乾燥による吐出不良を改良する事ができる。
また、本発明のインクには、有機溶剤の一種としてアルカン系溶剤を含有してもよい。
ここで、アルカン系溶剤とは、飽和炭化水素系溶剤のことであり、直鎖状脂肪族飽和炭化水素、分岐鎖状脂肪族飽和炭化水素、または脂環式飽和炭化水素からなるものである。アルカン系溶剤が含まれることにより、インクの粘度及び表面張力を適切に低下することが可能で、インク自体の濡れ広がり性が向上するため、着弾したインク滴が画素形成領域全体の隅々にまで濡れ広がり易くなる。その結果、多様化している基板に対しても、ブラックマトリックスのきわ部分にまで着弾したインクが濡れ広がることが可能になり、画素の色抜けや輝度低下を防止できる。本発明に用いられるアルカン系溶剤としては、2種以上混合して用いても良い。
アルカン系溶剤の表面張力は、20℃において28mN/m以下であることが、更に27.5mN/m以下であることが、着弾したインク滴が隅々にまで濡れ広がり易い点から好ましい。アルカン系溶剤が2種以上混合して用いられる場合には、1種では上記範囲外であっても混合溶剤の表面張力が上記範囲であれば、好適に用いられる。
また、アルカン系溶剤の粘度は、20℃において2.5mPa・s以下であることが、更に2mPa・s以下であることが、着弾したインク滴が隅々にまで濡れ広がり易い点から好ましい。アルカン系溶剤が2種以上混合して用いられる場合には、1種では上記範囲外であっても混合溶剤の粘度が上記範囲であれば好適に用いられる。
また、アルカン系溶剤の沸点は、100℃〜260℃であることが、更に120℃〜255℃、特に170℃〜220℃であることが、着弾したインク滴が隅々にまで濡れ広がり易い点から好ましい。アルカン系溶剤が2種以上混合して用いられる場合には、1種では上記範囲外であっても混合溶剤の沸点が上記範囲であれば好適に用いられる。
また、前記アルカン系溶剤の炭素数は8〜14であることが着弾したインク滴が隅々にまで濡れ広がり易い点から好ましい。n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン、イソドデカン、n−トリデカン、n−テトラデカン、2−メチルヘプタン、3−メチルヘプタン、2,2−ジメチルヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン、2,2,3−トリメチルペンタン、2,2,4−トリメチルペンタン、2,2,2,6,6−ペンタメチルヘプタン、2−メチルオクタンなどが挙げられ、特に、n−デカン、n−ドデカンが好適に用いられる。
(モノマー)
本発明のインクに用いられる重合性基を2つ以上有するモノマー(以下、2官能以上のモノマーと称することがある。)は活性エネルギー線及び/または熱により重合反応可能であれば特に限定されるものではないが、膜の強度や耐溶剤性等の点から重合性基を3つ以上有するモノマー(以下、3官能以上のモノマーと略することがある)がより好ましい。モノマー全体に占める3官能以上のモノマーの割合は、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。
重合性基の種類としては特に制限はないが、官能基数が増えることで重合性モノマー自身の粘度が上昇することから、官能基自身の粘度が低い方が好ましく、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、エポキシ基からなる群より選択されるいずれかであることが特に好ましい。
3官能以上の重合性モノマーの具体例としては特開2001−350012号公報の段落番号0061〜0063に記載の3官能のエポキシ基含有モノマーや、特開2002−371216号公報の段落番号0016に記載の3官能以上のアクリレートモノマー、メタクリレートモノマー及びシーエムシー出版による「反応性モノマーの市場展望」に記載の3官能以上のモノマー等が挙げられる。これらの中で、特に好ましいものとしては、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンPO(プロピレンオキサイド)変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンEO(エチレンオキサイド)変性トリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、前記3官能以上のモノマーを2種以上併用することも可能である。
4官能以上のモノマー、オリゴマーとしては、例えば、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等を例示することができる。これらの中で、特に好ましいものとしては、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
エポキシ基含有モノマーとしては、一分子中にエポキシ基を2個以上含有するものであれば特に制限はなく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、3官能型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA含核ポリオール型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリオキザール型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂などを使用できる。
より具体的には、商品名エピコート828(油化シェルエポキシ社製)などのビスフェノールA型エポキシ樹脂、商品名YDF−175S(東都化成社製)などのビスフェノールF型エポキシ樹脂、商品名YDB−715(東都化成社製)などの臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、商品名EPICLON EXA1514(大日本インキ化学工業社製)などのビスフェノールS型エポキシ樹脂、商品名YDC−1312(東都化成社製)などのハイドロキノン型エポキシ樹脂、商品名EPICLON EXA4032(大日本インキ化学工業社製)などのナフタレン型エポキシ樹脂、商品名エピコートYX4000H(油化シェルエポキシ社製)などのビフェニル型エポキシ樹脂、商品名エピコート157S70(油化シェルエポキシ社製)などのビスフェノールA型ノボラック系エポキシ樹脂、商品名エピコート154(油化シェルエポキシ社製)、商品名YDPN−638(東都化成社製)などのフェノールノボラック型エポキシ樹脂、商品名YDCN−701(東都化成社製)などのクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、商品名EPICLON HP−7200(大日本インキ化学工業社製)などのジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、商品名エピコート1032H60(油化シェルエポキシ社製)などのトリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、商品名VG3101M80(三井化学社製)などの3官能型エポキシ樹脂、商品名エピコート1031S(油化シェルエポキシ社製)などのテトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、商品名デナコールEX−411(ナガセ化成工業社製)などの4官能型エポキシ樹脂、商品名ST−3000(東都化成社製)などの水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、商品名エピコート190P(油化シェルエポキシ社製)などのグリシジルエステル型エポキシ樹脂、商品名YH−434(東都化成社製)などのグリシジルアミン型エポキシ樹脂、商品名YDG−414(東都化成社製)などのグリオキザール型エポキシ樹脂、商品名エポリードGT−401(ダイセル化学社製)などの脂環式多官能エポキシ化合物、トリグリシジルイソシアネート(TGIC)などの複素環型エポキシ樹脂などを例示することができる。また、必要であれば、エポキシ反応性希釈剤として、商品名ネオトートE(東都化成社製)などを混合することができる。
インク残部の粘度を低下させ、画素部の重合反応を促進する目的で、単官能モノマーや2官能モノマーを適宜併用しても良い。これらの単官能モノマーや2官能モノマーとしては、例えば特開2001−350012号公報の段落番号[0065]に記載の単官能のエポキシ基含有モノマーや、特開2002−371216号公報の段落番号0015〜0016に記載の単官能又は2官能のアクリレートモノマーやメタクリレートモノマー及びシーエムシー出版による「反応性モノマーの市場展望」に記載の1〜2官能のモノマー等が挙げられる。
また、膜の強度を補ったり、基板との密着を付与するために、25℃での粘度が700mPa・s以上の高粘度の多官能モノマーやウレタンアクリレート等の高極性モノマー、オリゴマー等を少量併用しても構わない。併用する上で好ましい多官能モノマーや高極性モノマー、及びオリゴマーとしては特に制限はなく、汎用のものを使用可能である。例えばジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ウレタンアクリレート(例えば東亜合成(株)製アロニクスM−1000、M−1200、M−1210、M−1600)、ポリエステルアクリレート(例えば東亜合成(株)製アロニクスM−6100、M−6200、M−6250、M−6500、M−7100、M−7300K、M−8030、M−8060、M−8100、M−8530、M−8560、M−9050)、等が挙げられる。これらの併用モノマーの添加量は、適宜調節することができる。
モノマーの使用量は、インク固形分中の20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上がさらに好ましい。モノマーの使用量が20質量%以上であれば、画素部の重合が十分となるため、画素部の膜強度の不足に起因する傷の発生が起こりにくくなったり、透明導電膜を付与する際にレチキュレーションが発生しにくくなったり、配向膜を設ける際の耐溶剤性が向上したりする。ここで、配合割合を特定するためのインクの固形分とは、溶剤を除く全ての成分を含み、液状の重合性モノマー等も固形分に含まれる。
(バインダー樹脂)
バインダー樹脂としては、それ自体は重合反応性のない樹脂のみから構成されるような単に乾燥固化するバインダー樹脂を用いてもよい。しかしながら、塗工膜に十分な強度、耐久性、密着性を付与するためには、インクジェット方式により基板上に画素のパターンを形成後、当該画素を重合反応により硬化させることのできるバインダー樹脂を用いるのが好ましく、例えば、可視光線、紫外線、電子線等により重合硬化させることができる光硬化性のバインダー樹脂や、加熱により重合硬化させることができる熱硬化性のバインダー樹脂のような、重合硬化可能なバインダー樹脂を用いることができる。
(1)光硬化性バインダー樹脂
紫外線、電子線等の光により重合硬化させることができる光硬化性樹脂(光硬化性バインダー樹脂)においては、成膜性や被塗工面に対する密着性を付与することを目的として比較的分子量の高い重合体を含むことが好ましい。ここでいう比較的分子量が高いとは、所謂モノマーやオリゴマーよりも分子量が高いことをいい、重量平均分子量5,000以上を目安にすることができる。比較的分子量の高い重合体としては、それ自体は重合反応性のない重合体、及び、それ自体が重合反応性を有する重合体のいずれを用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いても良い。
重合反応性のない重合体としては、例えば、次のモノマーの2種以上からなる共重合体を用いることができる:アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、スチレン、ポリスチレンマクロモノマー、及びポリメチルメタクリレートマクロモノマー。
より具体的には、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、ベンジルメタクリレートマクロモノマー/スチレン共重合体、ベンジルメタクリレート/スチレンマクロモノマー共重合体などを例示することができる。
それ自体が重合反応性を有する重合体としては、非重合性バインダーの分子に重合性の官能基を導入してなるオリゴマー又はオリゴマーよりも大分子量のポリマーであって、光照射を受けてそれ自体が重合反応を生じるか、或いは、光照射を受けて活性化した光重合開始剤などの他の成分の作用により重合反応を誘起するものを用いることができる。
各種のエチレン性二重結合含有化合物は、それ自体が重合反応性を有し、光硬化性樹脂として利用できる。従来において、例えばインク、塗料、接着剤などの各種分野で用いられているUV硬化性樹脂組成物に配合されているプレポリマーは、本発明における比較的分子量の高い重合体として使用できる。従来から知られているプレポリマーとしては、ラジカル重合型プレポリマー、カチオン重合型プレポリマー、チオール・エン付加型プレポリマーなどがあるが、いずれを用いてもよい。
この中で、ラジカル重合型プレポリマーは、市場において最も容易に入手でき、例えば、エステルアクリレート類、エーテルアクリレート類、ウレタンアクリレート類、エポキシアクリレート類、アミノ樹脂アクリレート類、アクリル樹脂アクリレート類、不飽和ポリエステル類などを例示できる。
本発明のインクの粘度が高すぎて吐出ヘッドからの吐出性に悪影響を及ぼさないように、それ自体が重合反応性を有する重合体として用いられるエチレン性二重結合含有化合物の分子量は、重量平均分子量で25,000以下であることが好ましい。
比較的分子量の高い重合体は、インクの固形分全量に対して、通常、1〜50重量%の割合で配合することができる。
(2)熱硬化性バインダー樹脂
熱硬化性バインダー樹脂としては、1分子中に熱硬化性官能基を2個以上有する化合物と硬化剤の組み合わせが通常用いられ、更に、熱硬化反応を促進できる触媒を添加しても良い。熱硬化性官能基としてはエポキシ基が好ましく用いられる。また、これらにそれ自体は重合反応性のない重合体を更に用いても良い。
1分子中に熱硬化性官能基を2個以上有する化合物として、通常は、1分子中にエポキシ基2個以上を有するエポキシ化合物が用いられる。1分子中にエポキシ基2個以上を有するエポキシ化合物は、エポキシ基を2個以上、好ましくは2〜50個、より好ましくは2〜20個を1分子中に有するエポキシ化合物(エポキシ樹脂と称されるものを含む)である。エポキシ基は、オキシラン環構造を有する構造であればよく、例えば、グリシジル基、オキシエチレン基、エポキシシクロヘキシル基等を示すことができる。エポキシ化合物としては、カルボン酸により硬化しうる公知の多価エポキシ化合物を挙げることができ、このようなエポキシ化合物は、例えば、新保正樹編「エポキシ樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社刊(昭和62年)等に広く開示されており、これらを用いることが可能である。
エポキシ化合物としては、硬化膜に耐溶剤性や耐熱性を付与するために、比較的分子量の高い重合体と、硬化膜の架橋密度を高くしたり、低粘度化によりインクジェット吐出性能を向上させるために、比較的分子量の低い化合物とを併用することが好ましい。
比較的分子量の高い重合体であるエポキシ化合物(以下、「バインダー性エポキシ化合物」ということがある)としては、少なくとも下記式(1)で表される構成単位及び下記式(2)で表される構成単位から構成され且つグリシジル基を2個以上有する重合体を用いることができる。
Figure 2008250188
(R1は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、R2は炭素数1〜12
の炭化水素基である。)
Figure 2008250188
(R3は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基である。)
式(1)で表される構成単位は、下記式(3)で表されるモノマーから誘導される。
Figure 2008250188
(R1およびR2は式(1)と同じである。)
式(3)で表されるモノマーをバインダー性エポキシ化合物の構成単位として用いることにより、本発明のインクから形成される画素に充分な硬度および透明性を付与することができる。式(3)において、R2は、炭素数1〜12の炭化水素基であり、直鎖脂肪族、脂環式、芳香族いずれの炭化水素基であってもよく、さらに付加的な構造、例えば二重結合、炭化水素基の側鎖、スピロ環の側鎖、環内架橋炭化水素基等を含んでいてもよい。
上記式(3)で表されるモノマーとして具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、パラ−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等を例示することができる。
式(3)において、R1として好ましいのは水素またはメチル基であり、R2として好ましいのは炭素数1〜12のアルキル基であり、そのなかでも特にメチル基及びシクロヘキシル基が好ましい。上記式(3)で表されるモノマーのなかで好ましいものとして、具体的にはメチルメタクリレート(MMA)及びシクロヘキシルメタクリレート(CHMA)を挙げることができる。
重合体中の式(2)で表される構成単位は、下記式(4)で表されるモノマーから誘導される。
Figure 2008250188
(R3は式(2)と同じである。)
式(4)で表されるモノマーは、重合体中にエポキシ基(エポキシの反応点)を導入するために用いられる。
式(4)において、R3として好ましいのは水素またはメチル基である。式(4)で表されるモノマーとして、具体的にはグリシジル(メタ)アクリレートを例示することができ、特にグリシジルメタクリレート(GMA)が好ましい。
上記重合体は、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。また、上記重合体は、カラーフィルターの各細部に必要とされる性能、例えば硬度や透明性等が確保できる限り、式(1)あるいは式(2)以外の主鎖構成単位を含んでいてもよい。そのようなモノマーとして具体的には、アクリロニトリル、スチレン等を例示することができる。
上記バインダー性エポキシ化合物中の式(1)の構成単位と式(2)の構成単位の含有量は、式(1)の構成単位を誘導する単量体と式(2)の構成単位を誘導する単量体との仕込み重量比(式(1)を誘導する単量体:式(2)を誘導する単量体)で表した時に、10:90〜90:10の範囲にあるのが好ましい。
式(1)の構成単位の量が上記の比10:90よりも過剰な場合には、硬化の反応点が少なくなって架橋密度が低くなるおそれがあり、一方、式(2)の構成単位の量が上記の比90:10よりも過剰な場合には、嵩高い骨格が少なくなって硬化収縮が大きくなるおそれがある。
また、上記バインダー性エポキシ化合物の重量平均分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量で表した時に3,000以上、特に4,000以上であることが好ましい。上記バインダー性エポキシ化合物の分子量が3,000よりも小さすぎるとカラーフィルターの細部としての画素に要求される強度、耐溶剤性等の物性が不足し易いからである。また、本発明のインクはインクジェット方式に用いられるので、上記バインダー性エポキシ化合物の重量平均分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量で表した時に20,000以下であることが好ましく、更に15,000以下であることが特に好ましい。当該分子量が20,000よりも大きすぎると粘度上昇が起こり易くなり、吐出ヘッドから吐出する時の吐出量の安定性や吐出方向の直進性が悪くなるおそれや、長期保存の安定性が悪くなるおそれがあるからである。
上記バインダー性エポキシ化合物としては、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が上記範囲にあるグリシジルメタクリレート(GMA)/メチルメタクリレート(MMA)系共重合体を用いるのが特に好ましい。なお、GMA/MMA系共重合体は本発明の目的を達成し得るものである限り、他のモノマー成分を含有していてもよい。
上記バインダー性エポキシ化合物の合成例としては、例えば、温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、水酸基を含有しない溶剤を仕込み、攪拌しながら120℃に昇温する。水酸基を含有しない溶剤を用いるのは、合成反応の最中にエポキシ基が分解するのを避けるためである。次いで上記式(3)で表されるモノマー、上記式(4)で表されるモノマー、及び、必要に応じて他のモノマーを組み合わせた組成物と重合開始剤の混合物(滴下成分)を、2時間かけて滴下ロートより等速滴下する。滴下終了後、120℃に降温して触媒を追加し3時間反応させ、130℃に昇温し2時間保ったところで反応を終了することにより、上記バインダー性エポキシ化合物が得られる。
なお、エポキシ化合物のポリスチレン換算重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により求めることができ、測定条件としては、例えば、テトラヒドロフランを展開液とし、HLC−8029(東ソー株式会社製)を用いて測定することができる。
上記バインダー性エポキシ化合物には、エポキシ基(グリシジル基)が式(2)で表される構成単位によって導入されているため、上記共重合体の分子内に導入できるエポキシ量には限界がある。比較的分子量が小さい多官能エポキシ化合物を併用すると、エポキシの反応点濃度が増加し、架橋密度を高めることができる。
(重合開始剤)
本発明のインクにおいて、モノマー及びバインダー樹脂の重合反応を促進する目的で、重合開始剤を併用しても良い。重合開始剤としては、画素部の重合を活性エネルギー線により行う場合には、光重合開始剤が用いられ、画素部の重合を熱により行う場合には、熱重合開始剤が用いられる。光重合開始剤としては、例えば特開2006−28455号公報の段落番号[0079]〜[0088]に記載のものが挙げられ、好ましい具体例としては、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾールや、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチルアミノ)−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジンが挙げられる。
また、熱重合開始剤としては、一般に知られている有機過酸化物系化合物やアゾ系の化合物を用いることができる。これにより、画素部の強度を向上させることが可能となる。また、熱重合開始剤の他にイミダゾールなどの硬化触媒を用いることもできる。有機過酸化物系化合物及びアゾ系の化合物は、一種単独で用いる以外に二種以上を併用することができる。ここで有機過酸化物は、過酸化水素(H−O−O−H)の誘導体であり、分子内に−O−O−結合を持つ有機化合物を言う。
化学構造で分類すると、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート等が挙げられる。具体的には3,3',4,4'−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ベンゾイルパーオキサイド、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカルボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、2,5−ビス(m−トルイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、
t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシマレイックアシッド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、メチルヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等が好ましく、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン等のパーオキシケタール系化合物、ベンゾイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド系化合物、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のパーオキシエステル系化合物が好ましい。
また、前記アゾ系化合物としては、例えば特開平5−5014号公報の段落番号[0021]〜[0023]に記載の化合物が挙げられる。これらの化合物の中でも、好ましくは分解温度がある程度高く常温では安定なもので、熱をかけると分解してラジカルを発生し、重合開始剤となる化合物である。有機過酸化物系化合物又はアゾ系化合物(熱重合開始剤)の中でも、半減期温度の比較的高いもの(好ましくは50℃以上、更に好ましくは80℃以上)のものを使用すると、組成物の粘度が経時変化することなく好適に構成でき、例えば、アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等が好ましい熱重合開始剤として挙げられる。
光重合開始剤及び/又は熱重合開始剤の含有量としては、モノマーの量に対して、0.5〜20質量%が好ましく、より好ましくは1〜15質量%である。重合開始剤の含有量がモノマーに対して0.5質量%以上であれば重合開始剤としての効果を十分に発揮することができ、また20質量%以下であればインクジェットインクの粘度の経時変化を抑制したり、重合開始剤の分解物による着色の発生を防いだりすることができる。
これらの開始剤は1種又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
また、熱硬化性バインダー樹脂には、通常、硬化剤が組み合わせて配合される。硬化剤としては、例えば、多価カルボン酸無水物または多価カルボン酸を用いる。
多価カルボン酸無水物の具体例としては、無水フタル酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバリル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ジメチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイミック酸、無水ナジン酸などの脂肪族または脂環族ジカルボン酸無水物;1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族多価カルボン酸二無水物;無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸無水物;エチレングリコールビストリメリテイト、グリセリントリストリメリテイトなどのエステル基含有酸無水物を挙げることができ、特に好ましくは、芳香族多価カルボン酸無水物を挙げることができる。また、市販のカルボン酸無水物からなるエポキシ樹脂硬化剤も好適に用いることができる。
また、本発明に用いられる多価カルボン酸の具体例としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ブタンテトラカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸などの脂肪族多価カルボン酸;ヘキサヒドロフタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸などの脂肪族多価カルボン酸、およびフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸を挙げることができ、好ましくは芳香族多価カルボン酸を挙げることができる。
これら多価カルボン酸無水物および多価カルボン酸は、1種単独でも2種以上の混合でも用いることができる。本発明に用いられる硬化剤の配合量は、エポキシ基を含有する成分(モノマーと樹脂)100重量部当たり、通常は1〜100重量部の範囲であり、好ましくは5〜50重量部である。硬化剤の配合量が1重量部未満であると、硬化が不充分となり、強靭な塗膜を形成することができない。また、硬化剤の配合量が100重量部を超えると、塗膜の基板に対する密着性が劣るうえに、均一で平滑な塗膜を形成することができない。
また、本発明において熱硬化性バインダー樹脂には、画素の硬度および耐熱性を向上させるために、酸−エポキシ間の熱硬化反応を促進できる触媒を添加してもよい。そのような触媒としては、加熱硬化時に活性を示す熱潜在性触媒を用いることができる。
熱潜在性触媒は、加熱されたとき、触媒活性を発揮し、硬化反応を促進し、硬化物に良好な物性を与えるものであり、必要により加えられるものである。この熱潜在性触媒は、60℃以上の温度で酸触媒活性を示すものが好ましく、このようなものとしてプロトン酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸とトリアルキルホスフェートの混合物、スルホン酸エステル類、オニウム化合物類等が挙げられ、前記特開平4−218561号公報に記載されているような各種の化合物を使用することができる。具体的には、(イ)ハロゲノカルボン酸類、スルホン酸類、リン酸モノ及びジエステル類などを、アンモニア、モノメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、エタノールアミン類などの各種アミン若しくはトリアルキルホスフィン等で中和した化合
物、(ロ)BF3、FeCl3、SnCl4、AlCl3、ZnCl2などのルイス酸を前述のルイス塩基で中和した化合物、(ハ)メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などと第一級アルコール、第二級アルコールとのエステル化合物、(ニ)第一級アルコール類、第二級アルコール類のリン酸モノエステル化合物、リン酸ジエステル化合物等を挙げることができる。また、オニウム化合物としては、アンモニウム化合物[RNR’]、スルホニウム化合物[RSR’]、オキソニウム化合物[ROR’]等を挙げることができる。なお、ここでR及びR’はアルキル、アルケニル、アリール、アルコキシ等である。
(界面活性剤)
界面活性剤の例として、特開平7−216276号公報の段落番号[0021]や、特開2003−337424号公報、特開平11−133600号公報に開示されている界面活性剤が、好適なものとして挙げられる。界面活性剤の含有量は、インクジェットインク全量に対して5質量%以下が好ましい。
<カラーフィルタ及びその製造方法>
本発明のカラーフィルタの製造方法は、基板上に形成された隔壁により囲まれた凹部に、インクジェット方式により本発明のインクの液滴を付与して画素を形成することを特徴とする。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、隔壁により囲まれた凹部に、既述の本発明のインクをインクジェット法により付与して画素を形成する工程(以下、「画素形成工程」ということがある。)を有し、好ましくは更に、形成された少なくとも1色の画素を活性エネルギー線の照射により硬化する硬化工程や、所望の色相の画素の全てを形成した後に熱により硬化する硬化工程を有し、必要に応じてベーク処理等の他の工程を設けて構成することができる。
なお、隔壁は、画素形成工程前に予め基板上に形成されたものであり、隔壁の形成方法の詳細については後述する。
−画素形成工程−
画素形成工程では、隔壁(濃色離画壁)間の凹部に、本発明のインクの液滴をインクジェット法で付与して画素を形成する。この画素は、カラーフィルタを構成する赤色(R)、緑色(G)、青色(B)等の色画素となるものである。
画素の形成は、既述のようにして基板上に形成された隔壁で取り囲まれた凹部に、画素(例えばRGB3色の画素パターン)を形成するためのインクジェットインクを侵入させて、2色以上の複数の画素で構成されるように形成することができる。
インクジェット法については、インクを熱硬化させる方法、光硬化させる方法、予め基板上に透明な受像層を形成しておいてから打滴する方法など、公知の方法を用いることができる。
カラーフィルタパターンの形状については、特に限定はなく、ブラックマトリックス形状として一般的なストライプ状であっても、格子状であっても、さらにはデルタ配列状であってもよい。
インクジェット法としては、帯電したインクジェットインクを連続的に噴射し電場によって制御する方法、圧電素子を用いて間欠的にインクを噴射する方法、インクを加熱しその発泡を利用して間欠的に噴射する方法等、各種の方法を採用できる。
インクジェットインクの射出条件としては、インクジェットインクを30〜60℃に加熱し、インク粘度を下げて射出することが射出安定性の点で好ましい。インクジェットインクは、概して水性インクより粘度が高いため、温度変動による粘度変動幅が大きい。粘度変動はそのまま液滴サイズ、液滴射出速度に大きく影響を与え、画質劣化を起こしやすいため、インクジェットインク温度をできるだけ一定に保つことが重要である。
インクジェットヘッド(以下、単にヘッドともいう。)には、公知のものを適用でき、コンティニアスタイプ、ドットオンデマンドタイプが使用可能である。ドットオンデマンドタイプのうち、サーマルヘッドでは、吐出のため、特開平9−323420号に記載されているような稼動弁を持つタイプが好ましい。ピエゾヘッドでは、例えば、欧州特許A277,703号、欧州特許A278,590号などに記載されているヘッドを使うことができる。これらの中で、インクジェットインクに対する熱の影響を少なくすることができ、使用可能な有機溶剤の選択が広いことから、ピエゾヘッドの方がより好ましい。ヘッドはインクの温度が管理できるよう温調機能を持つものが好ましい。射出時の粘度は5〜25mPa・sとなるよう射出温度を設定し、粘度の変動幅が±5%以内になるようインク温度を制御することが好ましい。また、駆動周波数としては、1〜500kHzで稼動することが好ましい。ノズルの形状は必ずしも円形である必要はなく、楕円形、矩形等、形にはこだわらない。ノズル径は10〜100μmの範囲であることが好ましい。尚、ノズルの開口部自身必ずしも真円とは限らないが、その場合にノズル径とは該開口部の面積と同等の円を仮定しその径とする。
本発明におけるカラーフィルタは、RGB3色のインクを吹き付けて3色の着色層からなる群で構成された形態が好ましい。
本発明においては、液滴に含まれる有機溶剤を除去してインク残部とした後に、前記インク残部に活性エネルギー線を照射する工程(以下、第一の硬化工程と称することがある。)及び/又は前記インク残部を加熱する工程(以下、第二の硬化工程と称することがある。)により前記インク残部を重合して画素を形成してもよい。また、前記インク残部の熱重合が開始する温度をT℃としたときに、T℃未満の温度で予備加熱(以下、予備加熱工程と称することがある。)を行って前記液滴に含まれる有機溶剤を除去してインク残部とした後に、前記インク残部に活性エネルギー線を照射する工程及び/又は前記インク残部をT℃以上の温度で加熱する工程により前記インク残部を重合して画素を形成してもよい。
以下、第一の硬化工程、第二の硬化工程及び予備加熱工程について説明する。
−第1の硬化工程−
前記画素形成工程で形成された少なくとも1色の画素に活性エネルギー線を照射して硬化する工程(第1の硬化工程)を設けることができる。第1の硬化工程では、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)を含む各色の本発明のインクを硬化させることにより、硬化した画素を形成することができる。硬化は、1色の画素を形成するごとに行なってもよいし、複数色の画素を形成した後に行なうようにしてもよい。
R,G,B等の本発明のインクの硬化は、インクの持つ感光波長に対応する波長領域の活性エネルギー線を発するエネルギー源を用いて重合硬化を促進する露光処理を施すことにより行なえる。
エネルギー源としては、例えば、400〜200nmの紫外線、遠紫外線、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線、又はイオンビームなど、既述の重合開始剤が感応するものを適宜選択して用いることができる。具体的には、250〜450nm、好ましくは365±20nmの波長領域に属する活性光線を発する光源、例えば、LD、LED(発光ダイオード)、蛍光灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、キセノンランプ、ケミカルランプなどを用いて好適に行なうことができる。好ましい光源には、LED、高圧水銀灯、メタルハライドランプが挙げられる。
活性エネルギー線の照射時間としては、モノマーと重合開始剤との組合せに応じて適宜設定することができるが、例えば、1〜30秒とすることができる。
−第2の硬化工程−
本発明のカラーフィルタの製造方法においては、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)を含む所望の色相の画素の全てを熱により硬化する工程(第2の硬化工程)を設けることができる。上記したように、前記第1の硬化工程を設けると共に第2の硬化工程を設けることによって、カラーフィルタの製造効率と表示特性とを両立させことができる。また、第2の硬化工程のみで硬化させてもよい。
本工程では、所望の色相からなる画素及び隔壁を形成し、前記第1の硬化工程を行なった後にさらに加熱処理(いわゆるベーク処理)を行なって熱による硬化を施すことができる。すなわち、光照射により光重合した画素及び隔壁が形成されている基板を、電気炉、乾燥器等に入れて加熱する、あるいは赤外線ランプを照射して加熱することができる。
このときの加熱温度及び加熱時間は、インクジェットインクの組成や画素の厚みに依存するが、一般に充分な耐溶剤性、耐アルカリ性、及び紫外線吸光度を確保する観点から、約120℃〜約250℃で約10分〜約120分間加熱することが好ましい。
また、本発明のインクを用いたカラーフィルタの製造方法においては、活性エネルギー線の露光及び/又は熱処理による画素の重合を行う前に、予備加熱工程を設けても良い。予備加熱工程における加熱温度は特に制限は無いが、画素の熱重合が開始する温度をT℃とした場合に、T℃未満であり、画素部の重合が起きない温度が好ましく、50℃以上100℃以下がより好ましく、60℃以上90℃以下がさらに好ましい。前記工程を入れることで、インクジェット法により付与されたインク中の有機溶剤の蒸発が促進され、カラーフィルタを効率的に作製することができる上に、インク残部の粘度が熱により低下するため、より高い流動性が得られ、高い平坦性の画素部を有するカラーフィルタを得ることが可能になる。
上記予備加熱工程は、本発明のごときインク残部が流動性を有するインクであれば、画素部が熱によって重合するインクのみならず、光によって重合するインクにおいても有効である。光によって重合するインクの場合、前記インクが熱重合を開始する温度Tは、熱によって光重合開始剤等が分解して重合反応が開始する温度または、モノマー自体が熱によって分解し、重合反応が開始する温度を意味する。
上記予備加熱工程の時間は特に制限が無いが、1〜5分間行うことが好ましい。
温度Tは、以下のようにして求めることができる。
インクを加熱し、加熱によりインクの重合が開始し、インクのゲル化等が観察される温度をTとする。より具体的には、加熱前のインク粘度に対して、加熱後のインク粘度の上昇が5mPa・s以上の場合の加熱温度をTとする。
本発明のインクを用いたカラーフィルタの製造方法においては、前記画素形成工程から予備過熱工程、第一の硬化工程、第二の硬化工程までを、24時間以内で行う事が好ましく、12時間以内で行う事がより好ましく、6時間以内に行う事がさらに好ましい。画素の形成から、最終の硬化工程(第二の硬化工程)までを24時間以内で行うことにより、インク中の顔料の凝集や各種バインダー等の析出を防止し、画素の面状を向上させることができる。
(隔壁)
本発明では、基板上に形成された隔壁により囲まれた凹部に、インクジェット方式により本発明のインクの液滴を付与して画素が形成される。この隔壁はどの様なものでも良いが、カラーフィルタを作製する場合は、ブラックマトリクスの機能を持った遮光性を有する隔壁であることが好ましい。該隔壁は公知のカラーフィルタ用ブラックマトリクスと同様の素材、方法により作製することができる。例えば、特開2005−3861号公報の段落番号[0021]〜[0074]や、特開2004−240039号公報の段落番号[0012]〜[0021]に記載のブラックマトリクスや、特開2006−17980号公報の段落番号[0015]〜[0020] や、特開2006−10875号公報の段落番号[0009]〜[0044]に記載のインクジェット用ブラックマトリクスなどが挙げられる。
前記公知の作製方法の中でも、コスト削減の観点から感光性樹脂転写材料を用いることが好ましい。感光性樹脂転写材料は、仮支持体上に少なくとも遮光性を有する樹脂層を設けたものであり、基板に圧着して、該遮光性を有する樹脂層を該基板に転写することができる。
感光性樹脂転写材料は、特開平5−72724号公報に記載されている感光性樹脂転写材料、すなわち一体型となったフイルムを用いて形成することが好ましい。該一体型フイルムの構成の例としては、仮支持体/熱可塑性樹脂層/中間層/感光性樹脂層(本発明において「感光性樹脂層」とは光照射により硬化しうる樹脂をいい、それが遮光性を有するときには「遮光性を有する樹脂層」ともいい、目的の色に着色されているときには「着色樹脂層」ともいう。)/保護フイルムを、この順に積層した構成が挙げられる。
感光性樹脂転写材料を構成する仮支持体、熱可塑性樹脂層、中間層、保護フィルムや、転写材料の作製方法については、特開2005−3861号公報の段落番号[0023]〜[0066]に記載のものが好適なものとして挙げられる。
また、前記隔壁は、インクジェットインクの混色を防ぐために、撥インク処理を施してもよい。該撥インク処理については、例えば、(1)撥インク性物質を隔壁に練りこむ方法(例えば、特開2005−36160号公報参照)、(2)撥インク層を新たに設ける方法(例えば、特開平5−241011号公報参照)、(3)プラズマ処理により撥インク性を付与する方法(例えば、特開2002−62420号公報参照)、(4)隔壁の壁上面に撥インク材料を塗布する方法(例えば、特開平10−123500号公報参照)、などが挙げられ、特に(3)基板上に形成された隔壁にプラズマによる撥インク化処理を施す方法が好ましい。
上記のように画素及び隔壁を形成してカラーフィルタを作製した後には、耐性向上の目的で、画素及び隔壁の全面を覆うようにしてオーバーコート層を形成することができる。
オーバーコート層は、R,G,B等の画素及び隔壁を保護すると共に表面を平坦にすることができる。但し、工程数が増える点からは設けないことが好ましい。
オーバーコート層は樹脂(OC剤)を用いて構成することができ、樹脂(OC剤)としては、アクリル系樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物、ポリイミド樹脂組成物などが挙げられる。中でも、可視光領域での透明性で優れており、カラーフィルタ用インクジェットインクの樹脂成分が通常アクリル系樹脂を主成分としており、密着性に優れることから、アクリル系樹脂組成物が望ましい。オーバーコート層の例として、特開2003−287618号公報の段落番号[0018]〜[0028]に記載のものや、オーバーコート剤の市販品として、JSR社製のオプトマーSS6699Gが挙げられる。
本発明のカラーフィルタは、既述の本発明のカラーフィルタの製造方法により作製されたものであり、例えば、テレビ、パーソナルコンピューター、液晶プロジェクター、ゲーム機、携帯電話などの携帯端末、デジタルカメラ、カーナビなどの用途に特に制限なく好適に適用できる。本発明のカラーフィルタにおいては、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)等の色画素の少なくとも一つが本発明のインクにより形成されていればよい。
<表示装置>
本発明の表示装置としては既述の本発明のカラーフィルタを備えるものであれば、特に限定するものではなく、液晶表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置などの表示装置などが挙げられる。表示装置の定義や各表示装置の説明は例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。
本発明の表示装置のうち、液晶表示装置は特に好ましい。液晶表示装置については例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。本発明はこれらのなかで特にカラーTFT方式の液晶表示装置に対して有効である。カラーTFT方式の液晶表示装置については例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。さらに本発明はもちろんIPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置にも適用できる。これらの方式については例えば「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページに記載されている。
液晶表示装置はカラーフィルタ以外に電極基板、偏光フィルム、位相差フィルム、バックライト、スペーサ、視野角補償フィルムなどさまざまな部材から構成される。これらの部材については例えば「’94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルズの市場(島 健太郎 (株)シーエムシー 1994年発行 )」、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)(表 良吉 (株)富士キメラ総研 2003年発行)」に記載されている。
本発明の表示装置は、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、HAN(Hybrid Aligned Nematic)、GH(Guest Host)のような様々な表示モードが採用できる。本発明の表示装置は前述したようなカラーフィルタを備えることを特徴とし、これにより、テレビ、モニターに搭載したときに表示ムラが無く、広い色再現域と高コントラスト比を有することができ、ノートパソコン用ディスプレイやテレビモニター等の大画面の表示装置等にも本発明の表示装置を好適に用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、機器、操作等は本発明の範囲から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、以下の実施例において、特に断りのない限り「%」および「部」は、「質量%」および「質量部」を表し、分子量とは重量平均分子量のことを示す。
[実施例1]
[隔壁形成用の濃色組成物の調製]
濃色組成物K1は、まず表1に記載の量のK顔料分散物1、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpmで10分間攪拌し、さらに攪拌しながら、表1に記載の量のメチルエチルケトン、バインダー2、ハイドロキノンモノメチルエーテル、DPHA液、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスジエトキシカルボニルメチル)アミノ−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン、界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150rpmで30分間攪拌することによって得られる。なお、表1に記載の量は質量部であり、詳しくは以下の組成となっている。
<K顔料分散物1>、
・カーボンブラック(デグッサ社製 Nipex35) 13.1%
・分散剤(下記化合物1) 0.65%
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比
のランダム共重合物、分子量3.7万) 6.72%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 79.53%
Figure 2008250188
<バインダー2>
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比
のランダム共重合物、分子量3.8万) 27%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73%
<DPHA液>
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(重合禁止剤MEHQ 500ppm含有、日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD
DPHA) 76%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 24%
<界面活性剤1>
・下記構造物1 30%
・メチルエチルケトン 70%
Figure 2008250188
Figure 2008250188
(隔壁の形成)
無アルカリガラス基板を、UV洗浄装置で洗浄後、洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、更に超純水で超音波洗浄した。基板を120℃3分熱処理して表面状態を安定化させた。
基板を冷却し23℃に温調後、スリット状ノズルを有すガラス基板用コーター(エフ・エー・エス・アジア社製、商品名:MH−1600)にて、上述のように調製した濃色組成物K1を塗布した。引き続きVCD(真空乾燥装置、東京応化工業社製)で30秒間、溶媒の一部を乾燥して塗布層の流動性を無くした後、120℃3分間プリベークして膜厚2.3μmの濃色組成物層K1を得た。
超高圧水銀灯を有すプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング株式会社製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と濃色組成物層K1の間の距離を200μmに設定し、窒素雰囲気下、露光量300mJ/cmで隔壁幅20μm、スペース幅100μmにパターン露光した。
次に、純水をシャワーノズルにて噴霧して、濃色組成物層K1の表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液(ノニオン界面活性剤含有、商品名:CDK−1、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製を100倍希釈したもの)を23℃80秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像しパターニング画像を得た。引き続き、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で噴射して残渣除去を行い、大気下にて露光量2500mJ/cmにて基板の濃色組成物層K1が形成された面側からポスト露光を行って、オーブンにて240℃50分加熱し、膜厚2.0μm、光学濃度4.0、100μm幅の開口部を有するストライプ状の隔壁を得た。
〔撥インク化プラズマ処理〕
隔壁を形成した基板に、カソードカップリング方式平行平板型プラズマ処理装置を用いて、以下の条件にて撥インク化プラズマ処理を行った。
使用ガス :CF
ガス流量 :80sccm
圧力 :40Pa
RFパワー:50W
処理時間 :30sec
[実施例2]
−Red用顔料分散液の調製―
ジケトピロロピロール系顔料として、C.I.Pigment Red 254(商品名:Irgaphor Red B−CF、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)に分散剤(上記化合物1)及び溶剤(1,3−ブタンジオールジアセテート)(以下1,3−BGDAと略す。)を下記の表2に示す如く配合し、プレミキシングの後、モーターミルM−50(アイガー・ジャパン社製)で、直径0.65mmのジルコニアビーズを充填率80%で用い、周速9m/sで25時間分散し、Red用顔料分散液(R1)を調製した。Red用顔料分散液(R1)において、顔料及びその他の成分を表2に示す如く配合した以外はRed用顔料分散液(R1)と同様にして、Red用顔料分散液(R2),(Y1)を調製した。尚、日機装社製ナノトラックUPA−EX150を用いて、この顔料分散液の数平均粒子径を測定した。
Figure 2008250188
用いた素材の詳細を示す。
C.I.Pigment Red 254(商品名:Irgaphor Red B−CF、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
C.I.Pigment Red 177(商品名:Cromophtal Red A2B、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
C.I.Pigment Yellow 150 (商品名:Bayplast Yellow 5GN 01、バイエル株式会社製)
−カラーフィルタ用Redインクの調製―
(モノマー液)
以下の組成のとおりに溶剤、モノマー、バインダー、界面活性剤成分を混合して、25℃で30分間攪拌したのち、不溶物が無いことを確認し、モノマー溶液(R1)を調製した。
1,3−BGDA(1,3−ブタンジオールジアセテート;
沸点232℃ ダイセル社製) 4.6g
TPNB(トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル;沸点274℃)40.2g
DPHA(日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA) 7.5g
フェノチアジン 0.004g
バインダー:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比のランダム共重合物、分子量3.8万 1.0g
界面活性剤:前記界面活性剤1の欄に示した構造物1 0.02g
ソルスパース20000(アヴェシア社製) 1.0g
次に、Red用顔料分散液(R1)、(R2)、(Y1)を以下に示す処方のとおりに混合した混合分散液を撹拌しているところに、前記モノマー液をゆっくりと添加し、25℃で30分間撹拌し、Red用インクジェットインク(Rインク1)を調製した。
顔料分散液R1(C.I.Pigment Red 254) 30.6g
顔料分散液R2(C.I.Pigment Red 177) 10.5g
顔料分散液Y1(C.I.Pigment Yellow 150) 4.6g
上記Rインク1と同様の方法で、以下の表3に従い、Rインク2〜4(本発明)、Rインク5〜7(比較例)を調製した。
Figure 2008250188
表3において、溶剤の欄の略語の意味及び溶剤の沸点は以下の通りである。
TPNP(トリプロピレングリコールn−プロピルエーテル;沸点261℃)
TEGDME(テトラエチレングリコールジメチルエーテル;沸点275℃)
TPMA(トリプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート;沸点263℃)
TPNM(トリプロピレングリコールn−メチルエーテル;沸点242℃)
[実施例3]
−インクジェット方式によるRed画素部の形成―
本実施例ではインクの打滴を以下の形態で行った。
インクジェットヘッドはDimatix社製SE-128を、吐出制御装置はDimatix社製 Apollo IIを用いた。
インクジェットヘッドを自動2次元移動ステージ(駿河精機製KS211-200)上に搭載し、前記で作製した隔壁の間隙に所定インク量が吐出されるように、ステージを移動させながら吐出制御装置によるヘッドからの吐出を同期させた。
ここで上記記載のRインク1をヘッドに充填し、インクが所定の位置に着弾するように、吐出制御装置により制御した。
打滴は、所望の濃度になるまでインク組成物の吐出を行い、吐出後30秒経過した時点でホットプレートを用いて100℃2分間加熱乾燥させた後、230℃オーブン中で30分ベークすることで隔壁、画素ともに完全に硬化させ、カラーフィルタ用の赤色画素部(R1a)を作製した。
また、インク組成物の吐出後10分経過した時点でホットプレートを用いて100℃2分乾燥させた以外は上記と同様にして、カラーフィルタ用の赤色画素部(R1b)を作製した。
次いで、Rインク2〜7についてもヘッドに充填し、同様の手順でカラーフィルタ用赤色画素部(R2a〜R7b)を作製した。
<画素部の平坦性の評価>
赤色画素部R1a〜R7bについて、Zygo社製非接触式3次元形状測定装置Zygoを用いて、画素部の形状プロファイルを測定し、最大膜厚から最小膜厚を引いた高低差を算出した。
また、画素aとbの形状プロファイルの差を以下の基準で評価した。
○:aとbの形状が類似している。(高低差の差<0.3μm)
△:aとbの高低差の差が0.3〜0.6μm
×:aとbの形状の差が大きい。(高低差の差>0.6μm)
<BMの高さの変化の評価>
画素部(凹部)に隣接するBMについて、Zygo社製非接触式3次元形状測定装置Zygoを用いて、インクを吐出する前と、インクを吐出硬化した後のBM部の高さの差を求め、以下の基準で評価した。
○:インク吐出によるBMの高さの変化が見られない。
(インク吐出前後でのBMの高さの変化<0.03μm)
△:インク吐出によるBMの高さの変化が若干認められる。
(インク吐出前後でのBMの高さの変化が0.03〜0.08μm)
×:インク吐出によるBMの高さの変化が認められる。
(インク吐出前後でのBMの高さの変化>0.08μm)
<BM上の膨れ>
インク吐出乾燥後の画素部に隣接したBMの表面の状態を、光学顕微鏡にて反射光のもとで観察し、以下の基準で評価した。
○:BMの表面にドーム状に膨れた部分が認められない。
×:BMの表面にドーム状に膨れた部分が認められる。
上記評価結果を表4に示す。
Figure 2008250188
[実施例4]
−Green及びBlue用顔料分散液の調整−
実施例2のRed用顔料分散液の調製において、R1の顔料をC.I.Pigment Red 254からC.I.Pigment Green 36(商品名:Rionol Green 6YK、東洋インキ製造(株)製)に変更した以外は同様にして、Green用顔料分散液(G1)を調製した。
また、同様にC.I.Pigment Red 254 15質量部を、C.I.Pigment Blue 15:6(商品名:Rionol Blue ES、東洋インキ製造(株)製)13.5質量部、C.I.Pigment Violet 23(商品名:Hostaperm Violet RL−NF、 クラリアントジャパン(株)製)1.5質量部に変更した以外は同様にして、Blue用顔料分散液(B1)を調製した。
なお、Greenの調色用に用いるYellowの顔料分散液については、Red用顔料分散液(Y1)と同じものを使用した。
顔料分散液G1及びB1の数平均粒子径は、それぞれ46nm,50nmであった。
−カラーフィルタ用Greenインク及びBlueインクの調製−
実施例2のカラーフィルタ用Redインクの調製において、顔料分散液G1,Y1を用いて、下の表5に示す組成に変更した以外は実施例2と同様にして、カラーフィルタ用Gインク1〜4(本発明)及びGインク5〜7(比較例)を調製した。
また、顔料分散液B1を用いて、下の表6に示す組成に変更した以外は実施例2と同様にして、カラーフィルタ用Bインク1〜4(本発明)及びBインク5〜7(比較例)を調製した。なお、表5及び表6の単位は「g」である。
Figure 2008250188
Figure 2008250188
[実施例5]
−インクジェット方式によるGreen画素部及びBlue画素部の形成−
実施例3のRed画素部の形成において、Rインクの代わりにG1〜G7インク及びB1〜B7インクを用いた以外は同様にして、G画素部G1a〜G7b及びB画素部B1a〜B7bを作製した。
これらの画素部について、実施例3と同様の評価を行ったところ、本発明のGreenインクG1〜G4やBlueインクB1〜B4を用いた場合には、インク吐出によるBMの高さの変化やドーム状の膨れが無く、且つ形状のバラツキが小さい良好な画素部が得られたのに対し、比較例のインクであるG5〜G7やB5〜B7を用いた場合には、それらの全てを満足することができず、Red画素部を作製した場合と同様の結果が得られた。
[実施例6]
<RGBインクによるカラーフィルタの作製>
実施例3において、Rインク1以外にGインク1、Bインク1も用いた以外は同様にして、RGBの画素が周期的に繰り返しているインクジェット方式カラーフィルタ(CF1)を作製した。
また、CF2〜CF7についても、CF1のRインク1,Gインク1,Bインク1をそれぞれのCFの番号に対応するRインク、Gインク、Bインクに変更した以外は同様にして作製した。
<表示装置の作製>
上記より得たカラーフィルタ基板(CF1)の上に更に、ITO(IndiumTinOxide)の透明電極をスパッタリングにより形成した。別途、対向基板としてガラス基板を用意し、カラーフィルタ基板の透明電極上及び対向基板上にそれぞれPVAモード用にパターニングを施した。
前記ITOの透明電極上の隔壁の上部に相当する部分にフォトスペーサを設け、その上に更にポリイミドよりなる配向膜を設けた。
その後、カラーフィルタの画素群を取り囲むように周囲に設けられた隔壁外枠に相当する位置に紫外線硬化樹脂のシール剤をディスペンサ方式により塗布し、PVAモード用液晶を滴下し、対向基板と貼り合わせた後、貼り合わされた基板をUV照射した後、熱処理してシール剤を硬化させた。このようにして得た液晶セルの両面に、(株)サンリッツ製の偏光板HLC2−2518を貼り付けた。次いで、冷陰極管のバックライトを構成し、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、本発明の液晶表示装置1とした。
また、CF1をCF2〜7に変更した以外は上記と同様にして、本発明の液晶表示装置2〜4及び5〜7(比較例)を作製した。
<表示装置のムラの評価>
作製した液晶表示装置1〜7について、RGBそれぞれ単独及びグレーのパターンを表示し、以下の基準により表示ムラを目視で評価した。結果を表7に示す。
○:ムラが観察されない。
△:ムラが若干観察される。
×:かなり強いムラが観察される。
Figure 2008250188
これらの結果から、本発明のカラーフィルタ用インクジェットインクを用いてカラーフィルタ及び液晶表示装置を作製した場合、表示ムラが無く優れた表示品質が得られることがわかる。

Claims (14)

  1. 基板上に形成された隔壁により囲まれた凹部にインクジェット方式により付与され、カラーフィルタの画素の形成に使用されるカラーフィルタ用インクジェットインクであって、
    少なくとも着色顔料と有機溶剤とを含有し、前記有機溶剤の一種として沸点が250℃以上のアルキレングリコールモノアルキルエーテルを含むことを特徴とするカラーフィルタ用インクジェットインク。
  2. 常圧における沸点が230℃以上の溶剤が、前記有機溶剤の80質量%以上を占めることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ用インクジェットインク。
  3. 前記アルキレングリコールモノアルキルエーテルの25℃における水に対する溶解度が10g以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のカラーフィルタ用インクジェットインク。
  4. 前記アルキレングリコールモノアルキルエーテルがトリプロピレングリコールモノアルキルエーテルであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用インクジェットインク。
  5. 重合性基を少なくとも2つ有するモノマーをさらに含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用インクジェットインク。
  6. 前記重合性基が、エポキシ基、アクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基からなる群より選択されるいずれかであることを特徴とする請求項5に記載のカラーフィルタ用インクジェットインク。
  7. 重合性基を3つ以上有する化合物が前記モノマーの50質量%以上を占めることを特徴とする請求項5又は6に記載のカラーフィルタ用インクジェットインク。
  8. バインダー樹脂をさらに含有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用インクジェットインク。
  9. 界面活性剤をさらに含有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用インクジェットインク。
  10. 25℃における粘度が5mPa・s以上30mPa・s以下であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用インクジェットインク。
  11. 基板上に形成された隔壁により囲まれた凹部に、インクジェット方式により請求項1乃至10のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用インクジェットインクの液滴を付与して画素を形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  12. 前記液滴に含まれる有機溶剤を除去してインク残部とした後に、前記インク残部に活性エネルギー線を照射する工程及び/又は前記インク残部を加熱する工程により前記インク残部を重合して画素を形成することを特徴とする請求項11に記載のカラーフィルタの製造方法。
  13. 請求項11又は12に記載のカラーフィルタの製造方法により製造されたことを特徴とするカラーフィルタ。
  14. 請求項13に記載のカラーフィルタを備えることを特徴とする表示装置。
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