JP2008246537A - レーザー穿孔性フィルムおよび孔版印刷用原紙 - Google Patents
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Abstract
【課題】印刷孔版原紙として用いた場合には高精細・高速製版の実現を可能とするレーザー穿孔性フィルムとそれを用いた孔版印刷用原紙を提供する。
【解決手段】電磁波吸収性化合物を2〜40重量%含有することを特徴とするレーザー穿孔性フィルムであり、特に電磁波吸収性化合物として二酸化チタンを含有させることで、赤外線などの熱線を与えることなく、紫外〜青紫の短波長領域のレーザー照射により短時間で孔版を製版することが可能なレーザ穿孔性フィルムである。
【選択図】なし
【解決手段】電磁波吸収性化合物を2〜40重量%含有することを特徴とするレーザー穿孔性フィルムであり、特に電磁波吸収性化合物として二酸化チタンを含有させることで、赤外線などの熱線を与えることなく、紫外〜青紫の短波長領域のレーザー照射により短時間で孔版を製版することが可能なレーザ穿孔性フィルムである。
【選択図】なし
Description
本発明は、レーザー穿孔性フィルムに関するものであり、特に印刷孔版原紙として用いた場合には高精細・高速製版の実現を可能とするものである。
プラスチックフィルムの用途は多岐にわたっており、素材の特性を生かし、あるいは共重合・ブレンド・添加剤により特性を改良し、さらに種々の工程プロセスと組み合わせて製造することで、包装材料、磁気記録材料、印刷材料、電気絶縁材料、光学材料としてその応用分野を拡大してきた。
これらのうち、印刷材料における利用分野の一つに、孔版印刷用途がある。孔版印刷とは、印刷原紙(以下、単に原紙ということがある)として、支持体となる和紙・不織布や発泡樹脂などと画像形成体となるポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルムを貼り合わせたものを用い、画像に合わせて孔を形成し、圧力によってそこを通過したインクを紙などに転写して印刷する方法である。
穿孔の方法としては、従来からサーマルヘッドにより、熱を加えてフィルムを融解することによってパターニングする感熱孔版方式が主流である。
感熱孔版印刷原紙としては、通常感熱孔版印刷原紙用フィルムと多孔性支持体とを接着剤で貼り合わせたものが使用され、感熱孔版印刷原紙用フィルムとしては、塩化ビニル/エンカビニリデン共重合体フィルムやポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレート共重合体フィルムが使用され、多孔性支持体としては、薄葉紙やテトロン紗等が使用されてきた(例えば特許文献1)。
しかしながら、感熱孔版方式では、熱による融解を行うために、穿孔位置周辺の熱伝導の影響が大きいため、穿孔精度に限界があった。また、熱を加えることによるフィルムの熱収縮・変形の問題もあるため、印刷精度は600dpi相当の印刷も困難であるのが現状である。
こうした問題を解決するために、新たな穿孔の方式が提案されている。例えば特許文献2、特許文献3には、フィルムにグラファイト化合物を含有させて、レーザー光により赤外レーザーを照射・穿孔してパターニングする方法が開示されている。しかしながら、赤外線レーザーは波長が長いために集光が難しく、微細な穿孔を行うには不向きであり、また、赤外線を照射するために、結果的に熱を加えてしまうこととなり、フィルムの熱収縮・変形などの問題を解消することが出来ない技術であった。孔版用フィルムは、穿孔を出来るだけ短時間で行えることが製版速度の短縮化に重要な特性であるため、フィルムは出来るだけ薄い方が好ましいが、フィルムが薄ければ薄いほど、熱を与えることによる熱収縮・変形の問題は、高精細印刷を目標とする場合は深刻なものとなる。 また、印刷システムを普及させるためには、印刷システムのコストを出来るだけ抑制することも重要な課題であり、レーザーユニットは出来れば安価なユニットであることが好ましい。
特開昭53−49519号公報
特開昭62−33689号公報
特開2000−79772号公報
本発明の目的は、上述したような従来のレーザー穿孔フィルムにおける欠点を解消し、印刷孔版原紙として用いた場合には高精細・高速製版の実現を目的とするものである。
かかる目的を達成するため、本発明のレーザー穿孔性フィルムおよび孔版印刷用原紙は、以下の構成を有する。すなわち、電磁波吸収性化合物を2〜40重量%含有することを特徴とするレーザー穿孔性フィルムである。また、より好ましい形態としては、電磁波吸収性化合物として二酸化チタン粒子を含有することを特徴とするレーザー穿孔性フィルムである。
また、本願発明は前記レーザー穿孔性フィルムからなる孔版印刷用原紙であり、さらにはレーザー穿孔性フィルムに、多孔質部材からなる支持体を貼り合わされてなることを特徴とする孔版印刷用原紙である。
本発明によれば、赤外線などの熱線を与えることなく、紫外〜青紫の短波長領域のレーザー照射により、短時間で孔版を製版することが可能なレーザー穿孔性フィルムおよび孔版印刷用原紙を得ることができる。
本発明のレーザー穿孔性フィルムは、電磁波吸収性化合物を2〜40重量%含有することが必要である。電磁波吸収性化合物の含有量は、フィルム総重量に対して2〜40重量%含有することが必要であり、好ましくは5〜30重量%、より好ましくは10〜30重量%、さらに好ましくは15〜30重量%である。2重量%未満であると、穿孔性に劣るフィルムとなり、40重量%を越えると、フィルムの製造工程に延伸工程がある場合は、破断などが起きやすくなり、製膜安定性に劣る。電磁波吸収性化合物としては、二酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛等の無機酸化物粒子のほか、有機紫外線吸収剤、さらには染料・顔料を好ましく用いることができる。
本発明の電磁波吸収性化合物としては、二酸化チタン粒子が最も汎用性が高いため、好ましく用いられる。二酸化チタンのフィルム中の含有量は、フィルム総重量に対して2〜40重量%含有することが好ましく、より好ましくは5〜30重量%、さらに好ましくは10〜30重量%、最も好ましくは15〜30重量%である。二酸化チタン粒子の含有量が2重量%未満であると、穿孔性に劣るフィルムとなり、40重量%を越えると、フィルムの製造工程に延伸工程がある場合は、破断などが起きやすくなり、製膜安定性に劣る。
二酸化チタンの数平均粒子径は、好ましくは0.02μm〜1μmであることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.5μm、さらにこのましくは0.08〜0.3μmである。数平均粒子径が0.02μm未満であると、光線吸収率の低下が著しく、また、分散も非常に困難を要するため好ましくない。数平均粒子径が1μmを越えると、粒子が大きすぎて穿孔径の精度に低下を来すほか、光線吸収量も低下する。なお、波長300〜420nmの短波長領域においては、二酸化チタンの光線吸収量は粒子径に依存し、数平均粒子径0.1μm付近で吸収量が最大となる。
レーザー穿孔性フィルムを孔版印刷用原紙として用いる場合、孔版印刷用原紙を穿孔することが可能な最小のレーザーエネルギー密度は小さければ小さいほど好ましい。ここで、エネルギー密度とは、レーザーの出力をPL、照射面積をSL、照射時間をTLとすると、エネルギー密度ELDは、ELD=PL×TL/SLで表され、穿孔可能なエネルギー密度とは、フィルムに貫通孔を形成することが出来る最小のエネルギー密度(ELD)minである。この(ELD)minが小さいことが、本発明においては非常に重要である。なぜならば、エネルギー密度が小さいということは、ひとつはレーザーの出力PLを小さくできるということであり、レーザー照射装置の低出力化を可能とし、安価な製版システムの適用が可能となる。また、照射時間TLを小さくできるということでもあり、これは穿孔に必要な照射時間を短縮化し、製版速度の高速化が実現できることになる。
穿孔に用いられるレーザーとしては、波長300〜420nmの紫外〜青紫可視光領域の波長で照射できるものが、二酸化チタンによる吸収能が高く、放出されるアブレーションエネルギーも大きくなるため好ましい。
この波長の範囲で照射できるレーザーとしては、例えば、イットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)を励起源とする3倍高調波YAG(UV−YAG)レーザー(波長355nm)や、InGaN/GaNを励起源とする青紫半導体レーザー(波長405nm)が好ましく用いられる。これらのうちでも、半導体レーザーは、システムが比較的低コストであり、製版機のコストダウンを図ることができるため好ましい。一方、UV−YAGレーザーは、システムコストが高くなる点では好ましくないが、半導体レーザーに比べて出力が高く、かつ二酸化チタンの吸収能が高い紫外領域の波長で照射が可能となるため、製版速度が短時間化できる点では好ましい。
二酸化チタンの結晶型は、ルチル型とアナターゼ(アナタースとも言う)型が存在する。波長350nm以下の領域では、ルチル型とアナターゼ型の吸収率に差はないが、350nm付近を越えると、アナターゼ型の光線吸収率が大きく低下する。よって、穿孔レーザーとして波長350nm以上、特に400nm以上のレーザーを用いる場合には、ルチル型の二酸化チタンを用いることが好ましい。
また、本発明のレーザー穿孔性フィルムにおいては、特に波長400〜420nmのレーザーを用いる場合に置いては、JIS Z−8722の方法によるb*値が10〜50であることが好ましく、より好ましくは10〜40、さらに好ましくは10〜30である。かかる範囲のb*値を有することにより、レーザーの吸収率をより高めることができ、穿孔性を向上させることができる。b*値は、例えば、カラーアナライザー(東京電色(株)製「TC−1800MKII型」)を用いて測定することができる。
b*値をかかる範囲とするためには、有機顔料あるいは無機顔料を用いることができる。有機顔料としては、縮合アゾ、イソインドリノン、ペリノン、キナクリドン、ジケトピロロピロール、アンスラキノン、ジオキサジン、ベンズイミダゾロン、銅フタロシアニン(β)、メタルコンプレックスアゾ、塩素化銅フタロシアニン(α)、アリルアマイド、アゾ(Ca)、ジアリライドAA、ジアリライドMX、ジアリライドHR、ピラゾロンナフトールレッド、BONアリルアマイド、2Bトーナー(Ca)、4Bトーナー(Ca)、銅フタロシアニン(α)、ハロゲン化銅フタロシアニン、ナフトール、ジオキサジン、ナフトールAS、ジアリライドOT、ピラゾロン、レーキレッドC(Ba)、BONアリルアマイドなどを使用することができる。一方、染料としては、クロム錯体、コバルト錯体、フタロシアニン、メチン、アンスラキノンなどを使用できる。これらの着色剤を2種以上併用することもできる。特に本発明においては、アンスラキノン系、キナクリドン系、ベンズイミダゾロン系、ジケトピロロピロール系の着色剤を使用することが好ましい。
有機顔料 としては、カラーインデックス・ピグメントイエロー16(分子量726)、カラーインデックス・ピグメントイエロー81(分子量754)、カラーインデックス・ピグメントイエロー93、カラーインデックス・ピグメントイエロー94、カラーインデックス・ピグメントイエロー95、カラーインデックス・ピグメントイエロー110、カラーインデックス・ピグメントイエロー113、カラーインデックス・ピグメントイエロー124、カラーインデックス・ピグメントイエロー147、カラーインデックス・ピグメントイエロー168、カラーインデックス・ピグメントイエロー169、カラーインデックス・ピグメントイエロー180などを挙げることができる。中でも耐熱性の点で、Ciba社製ORACET YellowRB、Clariant社製Fast YellowHGなどのカラーインデックス・ピグメントイエロー147、カラーインデックス・ピグメントイエロー180が最も好ましく用いられる。
有機顔料 としては、カラーインデックス・ピグメントイエロー16(分子量726)、カラーインデックス・ピグメントイエロー81(分子量754)、カラーインデックス・ピグメントイエロー93、カラーインデックス・ピグメントイエロー94、カラーインデックス・ピグメントイエロー95、カラーインデックス・ピグメントイエロー110、カラーインデックス・ピグメントイエロー113、カラーインデックス・ピグメントイエロー124、カラーインデックス・ピグメントイエロー147、カラーインデックス・ピグメントイエロー168、カラーインデックス・ピグメントイエロー169、カラーインデックス・ピグメントイエロー180などを挙げることができる。中でも耐熱性の点で、Ciba社製ORACET YellowRB、Clariant社製Fast YellowHGなどのカラーインデックス・ピグメントイエロー147、カラーインデックス・ピグメントイエロー180が最も好ましく用いられる。
また、無機顔料としては、二酸化チタン粒子を用いるかわりにチタンイエローを用いてもよい。
着色剤の含有量としては、フィルム総重量に対して0.1〜5重量%が好ましく、0.5〜1重量%がより好ましい。含有量が0.1重量%未満であると所望の色調が現出しにくいので好ましくない。逆に5重量%を越える場合は、着色剤が凝集しやすく、フィルムの欠陥となって、フィルム強度が低下しやすいので好ましくない。
本発明のレーザー穿孔性フィルムを構成する樹脂としては、優れた穿孔性とフィルムの機械的強度を両立できる点からポリエステルがより好ましく用いられる。本発明に用いられるポリエステルとして、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、エチレンテレフタレートとエチレンイソフタレートとの共重合体、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレン−2,6−ナフタレート、ブチレンテレフタレートとエチレンテレフタレートとの共重合体、ブチレンテレフタレートとヘキサメチレンテレフタレートとの共重合体、ヘキサメチレンテレフタレートと1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートとの共重合体、エチレンテレフタレートとエチレン−2,6−ナフタレートとの共重合体およびこれらのブレンド物等を用いることができる。特にフィルムの機械特性向上のためには、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のブレンドからなることが好ましい。
上記ポリエステル組成物の合成においては、常法に従い、ジオールとジカルボン酸あるいはそのエステル形成性誘導体の縮重合により得ることが好ましい。ここでジカルボン酸とは、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸などで代表されるものである。また、これらのエステル形成性誘導体とは、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル等に代表される化合物である。また、ジオールとは、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどで代表されるものである。本発明においては、ジカルボン酸成分のうちの80重量部以上がテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸あるいはこれらのエステル形成性誘導体、ジオール成分のうちの80重量部以上がエチレングリコールからなることが耐熱性・機械特性の両面で好ましい。
まず、常法では第一段階としてポリエステルのオリゴマーを合成する。このオリゴマーの合成法には、ジカルボン酸成分とジオール成分のエステル化反応を経る直接重合法、ジカルボン酸のアルキルエステルとジオールのエステル交換反応を経るエステル交換反応法の2つが代表的であるが、本発明においてはいずれを用いても良い。こうして得られたオリゴマーを、徐々に昇温させながら減圧して、ジオール成分および水を反応系外に留去することにより高重合度化してポリエステルを得る。
また、共重合成分として、例えば、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコールなどのジオール成分、アジピン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などのジカルボン酸成分、ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸などのヒドロキシカルボン酸成分を含有していても良い。
重合方法としてはバッチ式重合装置でも連続重合装置を用いても構わない。また、さらに133Pa以下の減圧下あるいは窒素等の不活性ガス雰囲気下において、結晶化温度以上融点以下の温度で加熱処理することにより固相重合を行ってもよい。この温度は、例えばポリエステルがポリエチレンテレフタレートである場合には180〜250℃が好ましく、より好ましくは200〜240℃の範囲である。
本発明のポリエステルの製造触媒は、特に限定されるものではなく、種々の触媒を用いることができる。エステル交換反応に有効な触媒としては、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属化合物の他、酢酸マンガン、酢酸コバルト、酢酸亜鉛、酢酸スズ、アルコキシドチタンなどを用いることができる。また、重合触媒としては、3酸化2アンチモン、2酸化ゲルマニウム、アルコキシドチタンなどの他、チタン、アルミニウムやシリカの複合酸化物などを用いることができる。また、安定剤として、リン酸、亜リン酸、ジメチトリメチルホスフェートなどの各種リン化合物を添加することが好ましい。該リン化合物の添加時期は、エステル化反応後あるいはエステル交換反応後から重縮合反応の初期に添加することが好ましい。
本発明におけるポリエステルは、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムなど光線吸収能を持つ粒子以外にも、フィルムに易滑性を与える目的で各種不活性粒子を含有することもできる。これら不活性粒子としては、湿式あるいは乾式シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、ジルコニア、珪酸アルミニウム、酸化銅、などの酸化物無機粒子、金、銀、銅、鉄、白金等の無機金属粒子、架橋ポリスチレン、架橋ジビニルベンゼンなどに代表される有機粒子、その他炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、硫酸バリウムなどの粒子を挙げることができる。これら粒子は、ポリエステルの重縮合における任意の工程、好ましくはオリゴマーから重縮合工程に移行する前に反応系に添加されることが分散性向上の観点から好ましい。また、粒子は、水あるいはエチレングリコールなどのポリエステルモノマー化合物を分散媒として添加されることが好ましい。また、これら粒子を、ベント孔つき二軸押出機を用いて、あらかじめ得られたポリエステルに混練分散しても構わない。また、ポリエステルの重縮合触媒に起因して重縮合過程において生成する、いわゆる内部粒子を含有しても構わない。
また、本発明のポリエステルは、酸化防止剤、難燃剤、易滑剤などの各種添加剤を、ポリエステルおよび本発明のフィルムの物性を損なわない範囲で添加することができる。
さらに本発明のフィルムは、機械的強度と熱穿孔性を向上させるために薄膜化が好ましく、2軸延伸フィルムであるのが好ましい。
フィルムの厚みは、1〜20μmが好ましく、5〜15μmがより好ましい。フィルムの厚みが1μm未満であると、製版時および印刷時の耐久性が低下する。フィルム厚みが20μmを越えると、必要な穿孔エネルギーが大きくなるため、レーザーシステムのコストアップとなるばかりでなく、穿孔時間を長時間要するため、製版速度が低下する。
本発明のフィルムに光線吸収剤を配合する方法は特に限定されないが、ベントを備えた二軸混練押出機により、予め光線吸収剤を高濃度にポリエステルに混練したマスターバッチを得、しかる後にこのマスターバッチをポリエステルで希釈することにより所望の光線吸収剤量を含有したフィルムを得ることが好ましい。例えば二酸化チタンを光線吸収剤として用いる場合には、予めポリエステル90〜40重量%と二酸化チタン10〜60重量%を、二軸混練機を用いて混練してマスターバッチを得、製膜時にポリエステルとドライブレンドなどにより希釈して用いるのが好ましい。
二酸化チタンを光線吸収剤として用いる場合は、先に挙げたポリエステルの中から2種以上のポリエステルと二酸化チタンを混練してマスターバッチを予め得た後に、これを希釈して用いることにより、より高濃度に二酸化チタンを含有した延伸フィルムを安定して得ることが出来るため好ましい。より好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートから選ばれる2種以上のポリエステル90〜40重量%と二酸化チタン10〜60重量%(ポリエステルと二酸化チタンの合計100重量%)を、二軸混練機を用いて混練してマスターバッチを得、製膜時にポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートから選ばれるポリエステルで希釈することが好ましい。このような方法を用いることにより、二酸化チタンを20重量%以上含有する場合でも、安定して延伸製膜することができる。
以下に、本発明のフィルムを二軸延伸により得るための方法について、電磁波吸収性粒子として二酸化チタン、ポリエステルとしてポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートを用いる場合について述べるが、本願フィルムの製造方法は以下の方法には限定されない。まず、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレートから選ばれる1種あるいは2種以上のポリエステルと二酸化チタン粒子を、ベントを備えた二軸混練押出機に供給・溶融混練して、二酸化チタンマスターバッチを得る。次に、該マスターバッチおよびポリエチレンテレフタレートを120〜180℃で2〜4時間減圧乾燥後、二酸化チタン濃度が所望の値となるように、二酸化チタンマスターバッチとポリエチレンテレフタレートをブレンドして溶融押出機に供給し、押出機に具備されたT型ダイ口金からシート状に押し出し、キャスティングドラム上で、ドラムを一定速度で回転させながら、静電印加法により密着固化し、未延伸フィルムを得る。得られた未延伸フィルムを、複数のロール群を備えた延伸機で、ロール間の周速差を利用して長手方向に延伸する。延伸温度は85〜170℃が好ましい。延伸倍率は2〜5倍が好ましく、より好ましくは2.5〜4倍である。こうして得られた、長手方向に延伸されたフィルムの両端をクリップで把持して、加熱したテンター内で幅方向に延伸を行う。延伸倍率は2〜5倍が好ましく、より好ましくは2.5〜4.5倍である。また、延伸温度は90〜180℃が好ましい。また、幅方向に延伸した後、さらに長手方向または幅方向に110〜180℃の延伸温度範囲で1.01〜2.5倍に延伸してもよい。
また、延伸後に融点以下の温度で熱処理を加えることが好ましく、より好ましい温度範囲は190〜245℃であり、更に好ましくは200〜230℃である。熱処理時間は、好ましくは1〜30秒間である。
また、さらに熱処理工程後に100〜160℃の中間冷却および弛緩処理を行ってもよい。弛緩処理の倍率は、幅方向及び/または長手方向に2〜10%であることが好ましく、より好ましくは4〜9%である。
本発明のレーザー穿孔性フィルムは、孔版印刷用原紙として使用する場合には、耐久性が必要となるため、フィルム厚みは1.5μm以上が好ましく、より好ましくは6μm以上、さらに好ましくは10μm以上である。フィルム厚みが1.5μm未満であると、製版された印刷孔版の耐久性が劣るため、印刷可能な枚数が少なくなる。また、フィルム厚みが厚くなりすぎると、穿孔が困難となる。目安としては、フィルムの厚みは50μmを越えないことが必要である。
本願におけるレーザー穿孔性フィルムを印刷用原紙として用いる場合には、そのまま用いてもよいが、フィルムだけでは印刷機内での搬送や印刷ドラムへの着版などのハンドリングが困難な場合がある。そこで、本発明のレーザー穿孔性フィルムは、多孔質部材にて形成されている支持体と貼り合わせることにより、孔版印刷用原紙として用いることが好ましい。ここでいう多孔質部材とは、成形体の片面から他面へ貫通した連続気孔を形成しているものであれば良く、孔版印刷用原紙として用いられる際に、インクを透過する部材のことである。中でも平滑性と成形加工性とに優れた不織布および多孔質樹脂シートが好適である。
繊維不織布としては天然繊維、化学繊維または合成繊維あるいはこれらを混抄した薄葉紙、不織布、紗等によって構成されたものがあげられる。合成繊維不織布とは合成樹脂繊維を主体とする繊維をランダムに交絡させてなる薄葉体であり、代表的なものとしてはメルトブロー不織布、スパンボンド不織布などが挙げられる。ここで、合成樹脂繊維を主体とするとは、不織布を構成する繊維のうち合成繊維を70重量%以上含むことをいう。合成樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレートなどが好ましく用いられる。
多孔質樹脂シートは、樹脂パウダーを希望の形状の金型に充填し、加圧あるいは無加圧状態で加熱焼結することで連続的に得ることができる。あるいは、樹脂パウダーをベルトコンベア上に充填し、コンベアを加温室に通して樹脂パウダーを焼結させることによって、連続的に得ることもできる。また、発泡剤を含有した樹脂を押出機に供給して押出機中で発泡させ、溶融キャストしてシート状に形成することもできる。
また、本発明のレーザー穿孔フィルムを製造する工程において、発泡樹脂層を共押出して多孔質樹脂シートと穿孔性フィルムの積層未延伸シートを得、引き続きそのまま延伸する方法が生産性の上で好ましい。
本発明に用いる多孔質樹脂シートを構成する樹脂は、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂に代表されるポリオレフィン系樹脂が好ましく用いられる。ポリオレフィン系樹脂としては、エチレンの単独重合体、エチレンとプロピレン、ブテン−1,ヘキセン−1,オクテン−1の様な1種以上のα−オレフィンとの共重合体、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルなどの共重合体、プロピレンの単独重合体、プロピレンとエチレン、ブテン−1の様な1種以上のα−オレフィンとの共重合体等が挙げられる。またそれらは、用いる印刷用インキが水性インキの場合は、スルフォン化、親水性モノマーのグラフト重合処理、特定の界面活性剤の添加、親水性の層を設ける等の公知の方法で親水化することもできる。
上記した不織布あるいは多孔質樹脂シートとレーザー穿孔性フィルムとを複合化させてレーザー孔版印刷用原紙を得る方法としては、特に限定されない。例えば、予め製造したレーザー穿孔性フィルムと不織布あるいは多孔質樹脂シートを熱あるいは接着剤によって貼り合わせる方法、未延伸レーザー穿孔性フィルムと不織布あるいは多孔質樹脂シートを熱あるいは接着剤によって貼り合わせた後、延伸することにより得る方法等があげられる。
一般に不織布を印刷原紙として用いる場合は、該不織布の機械的強度を得るためにバインダー樹脂、またはバインダー繊維と呼ばれる繊維間接着剤が用いられることが多い。しかし、これらのバインダー成分は凝集体となってインキ不透過欠点となりやすいため、本発明においては、メルトブロー法やスパンボンド法など、繊維を空中でランダムに交絡させてコンベアネット等で捕集することによって薄葉体とする方法で製造される不織布が、均一なインキ透過性と機械的な強度のバランスの点で好ましく用いられる。
さらに、プラスチックフィルムと合成繊維不織布あるいは多孔質樹脂シートを接着する方法として、フィルムとしてポリエステルフィルムを用い、不織布あるいは多孔質樹脂シートとしてポリエステル組成物からなるものを用いて、フィルムの製造過程でフィルムと不織布とを低温で熱圧着した後、共延伸する方法が最も好ましい。
本発明のレーザー穿孔性フィルムおよび孔版印刷用原紙は、波長355nmの光線により、エネルギー密度4mJ/mm2以下で穿孔することができる。穿孔可能なエネルギー密度は、好ましくは2mJ/mm2であり、より好ましくは1mJ/mm2である。
また、本発明のレーザー穿孔性フィルムおよび孔版印刷用原紙は、二酸化チタンとしてルチル型二酸化チタンを用いる場合には、波長405nmの光線により、エネルギー密度400mJ/mm2以下で穿孔することができる。また、照射エネルギー密度は好ましくは200mJ/mm2以下であり、より好ましくは100mJ/mm2以下、さらに好ましくは50mJ/mm2以下である。エネルギー密度が400mJ/mm2を越えると、大きなレーザー出力が必要となって技術的に困難が生じたり、あるいは穿孔のために必要な照射時間が長時間化するため、製版速度を維持するために、穿孔ヘッドに多数のレーザーを備える必要が生じ、製版システムのコストアップに繋がる。
なお、400mJ/mm2で穿孔できるということは、1000mW出力のレーザーで30μm径の照射径で穿孔する場合、穿孔に283μsecの時間を要するということであり、1200dpiでA4の面積を製版する場合、120本のレーザーを備えたヘッドを用いれば約5分で製版が完了する値である。もちろん、(ELD)minをさらに小さくできれば、ヘッドあたりに必要なレーザー本数も減らすことができ、システムのコストダウンに繋がる。なお、感熱孔版におけるサーマルヘッドの場合、1ヘッドあたりの同時穿孔点数は数千点であることを考えれば、この1ヘッドあたり120本と言う数字は決して多いものではない。
[特性の測定方法および効果の評価方法]
本発明において説明に使用した特性値の測定方法および効果の評価方法は、次のとおりである。
(1)ポリエステルの固有粘度
オルトクロロフェノール中、25℃で測定した溶液粘度から、下式で計算した値を用いた。
ηsp/C=[η]+K[η]2・C
ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)−1であり、Cは、溶媒100mlあたりの溶解ポリマー重量(g/100ml、通常1.2)、Kはハギンス定数(0.343とする)である。
また、溶液粘度、溶媒粘度はオストワルド粘度計を用いて測定した。単位は[dl/g]で示す。
(2)ポリエステル中の粒子含有量
蛍光X線元素分析装置(リガク社製ZSX−100e型)を用いて測定した。なお、測定にあたっては、予め粒子分離・元素分析によって酸化チタン含有量が既知の酸化チタン含有PET5水準(0,10,15、30、50重量%)を用いて検量線を作成し、この検量線に基づいて定量を行った。
本発明において説明に使用した特性値の測定方法および効果の評価方法は、次のとおりである。
(1)ポリエステルの固有粘度
オルトクロロフェノール中、25℃で測定した溶液粘度から、下式で計算した値を用いた。
ηsp/C=[η]+K[η]2・C
ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)−1であり、Cは、溶媒100mlあたりの溶解ポリマー重量(g/100ml、通常1.2)、Kはハギンス定数(0.343とする)である。
また、溶液粘度、溶媒粘度はオストワルド粘度計を用いて測定した。単位は[dl/g]で示す。
(2)ポリエステル中の粒子含有量
蛍光X線元素分析装置(リガク社製ZSX−100e型)を用いて測定した。なお、測定にあたっては、予め粒子分離・元素分析によって酸化チタン含有量が既知の酸化チタン含有PET5水準(0,10,15、30、50重量%)を用いて検量線を作成し、この検量線に基づいて定量を行った。
(3)フィルムの色調(b*値)
カラーアナライザー(東京電色(株)製「TC−1800MKII型」)を使用し、JIS Z−8722の方法により測定した。
カラーアナライザー(東京電色(株)製「TC−1800MKII型」)を使用し、JIS Z−8722の方法により測定した。
(4)製膜安定性
未延伸フィルムを採取し、1辺9.5cmのサンプルを切り出した。東洋精器(株)製二軸延伸装置により、予熱温度90℃、予熱時間20秒、延伸温度90℃、延伸速度2000%/分により3.5×3.5倍に逐次二軸延伸を行った。10枚延伸を行い、破断せずに延伸できたサンプルの枚数を製膜性の指標とした。なお、判定基準は以下の通りとした。
未延伸フィルムを採取し、1辺9.5cmのサンプルを切り出した。東洋精器(株)製二軸延伸装置により、予熱温度90℃、予熱時間20秒、延伸温度90℃、延伸速度2000%/分により3.5×3.5倍に逐次二軸延伸を行った。10枚延伸を行い、破断せずに延伸できたサンプルの枚数を製膜性の指標とした。なお、判定基準は以下の通りとした。
破断せずに得られた枚数が
10枚:◎ 製膜性良好
8〜9枚:○ やや劣るが、生産性に支障なし
6〜8枚:△ 生産性にやや支障あり
5枚以下:× 生産不可。
10枚:◎ 製膜性良好
8〜9枚:○ やや劣るが、生産性に支障なし
6〜8枚:△ 生産性にやや支障あり
5枚以下:× 生産不可。
(5)最小穿孔エネルギー密度
レーザーを、照射径φ(μm)、レーザー出力PL(mW)、照射時間をTL(μsec)とし、PLおよびTLを変化させて穿孔状態を調べ、貫通孔が確認される最小のレーザー出力PLminから下記式で算出されるエネルギー密度ELD(mJ/mm2)を最小穿孔エネルギー密度とした。
レーザーを、照射径φ(μm)、レーザー出力PL(mW)、照射時間をTL(μsec)とし、PLおよびTLを変化させて穿孔状態を調べ、貫通孔が確認される最小のレーザー出力PLminから下記式で算出されるエネルギー密度ELD(mJ/mm2)を最小穿孔エネルギー密度とした。
ELD=4/π×PLmin×TL/φ2×103。
なお、最小穿孔エネルギー密度は、以下の基準で判定した。最小穿孔エネルギーが小さければ小さいほど、穿孔時間を短くでき、製版時には製版速度を短縮化することができる。下記の5段階で判定した。Aが最も高い評価となる。
青紫レーザー(波長405nm)の場合;
50mJ/mm2以内:A(4点同時穿孔の場合、5分以内で製版可能)
100mJ/mm2以内:B
200mJ/mm2以内:C
400mJ/mm2以内:D
400mJ/mm2以上:E(不合格)
紫外レーザー(波長355nm)の場合;
0.5mJ/mm2以内:A
1mJ/mm2以内:B
2mJ/mm2以内:C
4mJ/mm2以内:D
4mJ/mm2以上:E(不合格)。
青紫レーザー(波長405nm)の場合;
50mJ/mm2以内:A(4点同時穿孔の場合、5分以内で製版可能)
100mJ/mm2以内:B
200mJ/mm2以内:C
400mJ/mm2以内:D
400mJ/mm2以上:E(不合格)
紫外レーザー(波長355nm)の場合;
0.5mJ/mm2以内:A
1mJ/mm2以内:B
2mJ/mm2以内:C
4mJ/mm2以内:D
4mJ/mm2以上:E(不合格)。
(6)粒子径の測定方法
粒子混練後のマスターポリマーの超薄切片試料を作製し、透過型電子顕微鏡(日立製H−7100FA)を用い、加速電圧100kVにて倍率6万倍で観察した。観察像の写真画像を用いて、粒子100個の粒子径(最大径と最小径)を測定し、これらの平均値を平均粒子径とした。
粒子混練後のマスターポリマーの超薄切片試料を作製し、透過型電子顕微鏡(日立製H−7100FA)を用い、加速電圧100kVにて倍率6万倍で観察した。観察像の写真画像を用いて、粒子100個の粒子径(最大径と最小径)を測定し、これらの平均値を平均粒子径とした。
次に、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<各種マスターポリマーの調整>
(参考例1)
ポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.65)50重量部と、二酸化チタン(石原産業(株)製 タイペーク PF739 数平均粒子径0.25μm ルチル型)50重量部を、二軸混練機を用いて、混練温度280℃で混練し、二酸化チタン濃度50重量%のポリエステルマスターペレット(A)を得た。
(参考例1)
ポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.65)50重量部と、二酸化チタン(石原産業(株)製 タイペーク PF739 数平均粒子径0.25μm ルチル型)50重量部を、二軸混練機を用いて、混練温度280℃で混練し、二酸化チタン濃度50重量%のポリエステルマスターペレット(A)を得た。
(参考例2)
ポリブチレンテレフタレート25重量部(東レ(株)製 トレコン1200S)、ポリプロピレンテレフタレート(DuPont製 コルテラ ブライト)25重量部、二酸化チタン(石原産業(株)製 タイペーク PF739 数平均粒子径0.25μm ルチル型)50重量部を、二軸混練機を用いて、混練温度270℃で混練し、二酸化チタン濃度50重量%のポリエステルマスターペレット(B)を得た。
ポリブチレンテレフタレート25重量部(東レ(株)製 トレコン1200S)、ポリプロピレンテレフタレート(DuPont製 コルテラ ブライト)25重量部、二酸化チタン(石原産業(株)製 タイペーク PF739 数平均粒子径0.25μm ルチル型)50重量部を、二軸混練機を用いて、混練温度270℃で混練し、二酸化チタン濃度50重量%のポリエステルマスターペレット(B)を得た。
(参考例3)
ポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.65)35重量部、ポリブチレンテレフタレート7.5重量部(東レ(株)製 トレコン1200S)、ポリプロピレンテレフタレート(DuPont製 コルテラ ブライト)7.5重量部、二酸化チタン(石原産業(株)製 タイペーク PF739 数平均粒子径0.25μm ルチル型)50重量部を、二軸押出機を用いて、混練温度270℃で混練し、二酸化チタン濃度50重量%のポリエステルマスターペレット(C)を得た。
ポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.65)35重量部、ポリブチレンテレフタレート7.5重量部(東レ(株)製 トレコン1200S)、ポリプロピレンテレフタレート(DuPont製 コルテラ ブライト)7.5重量部、二酸化チタン(石原産業(株)製 タイペーク PF739 数平均粒子径0.25μm ルチル型)50重量部を、二軸押出機を用いて、混練温度270℃で混練し、二酸化チタン濃度50重量%のポリエステルマスターペレット(C)を得た。
(参考例4)
ポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.65)40重量部、ポリブチレンテレフタレート10重量部(東レ(株)製 トレコン1200S)、ポリプロピレンテレフタレート(DuPont製 コルテラ ブライト)10重量部、二酸化チタン(石原産業(株)製 TTO−55(A) 数平均粒子径0.04μm ルチル型)40重量部を、フィーダーを二つ備えた二軸混練機に、混練温度280℃で混練し、二酸化チタン濃度40重量%のポリエステルマスターペレット(D)を得た。
ポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.65)40重量部、ポリブチレンテレフタレート10重量部(東レ(株)製 トレコン1200S)、ポリプロピレンテレフタレート(DuPont製 コルテラ ブライト)10重量部、二酸化チタン(石原産業(株)製 TTO−55(A) 数平均粒子径0.04μm ルチル型)40重量部を、フィーダーを二つ備えた二軸混練機に、混練温度280℃で混練し、二酸化チタン濃度40重量%のポリエステルマスターペレット(D)を得た。
(参考例5)
ポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.65)35重量部、ポリブチレンテレフタレート7.5重量部(東レ(株)製 トレコン1200S)、ポリプロピレンテレフタレート(DuPont製)7.5重量部、二酸化チタン(テイカ(株)製 JA−4 数平均粒子径0.18μm アナターゼ型)50重量部を、二軸押出機を用いて、混練温度270℃で混練し、二酸化チタン濃度50重量%のポリエステルマスターペレット(E)を得た。
ポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.65)35重量部、ポリブチレンテレフタレート7.5重量部(東レ(株)製 トレコン1200S)、ポリプロピレンテレフタレート(DuPont製)7.5重量部、二酸化チタン(テイカ(株)製 JA−4 数平均粒子径0.18μm アナターゼ型)50重量部を、二軸押出機を用いて、混練温度270℃で混練し、二酸化チタン濃度50重量%のポリエステルマスターペレット(E)を得た。
(参考例6)
60リットルの容器に1モル濃度の硝酸第一セリウム水溶液20リットルを入れ、攪拌機を用いて500rpmで攪拌しながら3モル濃度のアンモニア水20リットルを6時間かけて徐々に添加した。この添加終了後の混合液のpHは8であった。添加終了後、蒸気を注入して3分間で100℃にし、1時間100℃に維持した。その後デカンテーションを5回繰り返して硝酸イオンとアンモニウムイオンを取り除いて酸化セリウム粒子含有スラリーを得た。このようにして得た酸化セリウム粒子含有スラリーを濾過・乾燥し、得られた酸化セリウム粒子径は50nmであった。
60リットルの容器に1モル濃度の硝酸第一セリウム水溶液20リットルを入れ、攪拌機を用いて500rpmで攪拌しながら3モル濃度のアンモニア水20リットルを6時間かけて徐々に添加した。この添加終了後の混合液のpHは8であった。添加終了後、蒸気を注入して3分間で100℃にし、1時間100℃に維持した。その後デカンテーションを5回繰り返して硝酸イオンとアンモニウムイオンを取り除いて酸化セリウム粒子含有スラリーを得た。このようにして得た酸化セリウム粒子含有スラリーを濾過・乾燥し、得られた酸化セリウム粒子径は50nmであった。
こうして得られた酸化セリウム粒子10重量部を、ポリエチレンテレフタレート90重量部と、二軸混練機を用いて、混練温度280℃で混練し、酸化セリウム濃度10重量%のポリエステルマスターペレット(F)を得た。
(参考例7)
ポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.65)90重量部と、黄色顔料としてCiba社製ORACET YellowRB(Pigment Yellow147)10重量部を、二軸混練機を用いて、混練温度280℃で混練し、黄色顔料の濃度10重量%のポリエステルマスターペレット(G)を得た。
ポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.65)90重量部と、黄色顔料としてCiba社製ORACET YellowRB(Pigment Yellow147)10重量部を、二軸混練機を用いて、混練温度280℃で混練し、黄色顔料の濃度10重量%のポリエステルマスターペレット(G)を得た。
(参考例8)
ポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.65)50重量部と、黄色二酸化チタン(石原産業(株)製 タイペークイエロー TY−300 数平均粒子径0.45μm)50重量部を、二軸混練機を用いて、混練温度280℃で混練し、二酸化チタン濃度50重量%のポリエステルマスターペレット(H)を得た。
ポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.65)50重量部と、黄色二酸化チタン(石原産業(株)製 タイペークイエロー TY−300 数平均粒子径0.45μm)50重量部を、二軸混練機を用いて、混練温度280℃で混練し、二酸化チタン濃度50重量%のポリエステルマスターペレット(H)を得た。
(参考例9)
ポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.65)40重量部、ポリブチレンテレフタレート20重量部(東レ(株)製 トレコン1200S)、ポリプロピレンテレフタレート(DuPont製 コルテラ ブライト)20重量部、二酸化チタン(石原産業(株)製 微粒子二酸化チタン TTO−51(A) 数平均粒子径0.015nm ルチル型)30重量部を、二軸混練機を用いて、混練温度280℃で混練し、二酸化チタン濃度50重量%のポリエステルマスターペレット(I)を得た。
ポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.65)40重量部、ポリブチレンテレフタレート20重量部(東レ(株)製 トレコン1200S)、ポリプロピレンテレフタレート(DuPont製 コルテラ ブライト)20重量部、二酸化チタン(石原産業(株)製 微粒子二酸化チタン TTO−51(A) 数平均粒子径0.015nm ルチル型)30重量部を、二軸混練機を用いて、混練温度280℃で混練し、二酸化チタン濃度50重量%のポリエステルマスターペレット(I)を得た。
(参考例10)
ジメチルテレフタレート90重量部、ジメチルイソフタレート10重量部とエチレングリコール60重量部を150℃で溶融し、酢酸マグネシウム0.05重量部、3酸化2アンチモン0.04重量部を触媒として加え、縮合反応により留出するメタノールを留去しながら4時間で250度まで昇温し、さらに徐々に減圧しながら真空度100Pa以下、温度280℃に2時間で到達させ、さらに1時間反応させてポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合ポリエステル(J)を得た。
ポリエステル(J)50重量部を減圧乾燥後、二酸化チタン(石原産業(株)製 タイペーク PF739 数平均粒子径0.25μm ルチル型)50重量部を、二軸混練機を用いて、混練温度260℃で混練し、二酸化チタン濃度50重量%のポリエステルマスターペレット(K)を得た
(参考例11)
L−ラクチド100質量部にオクチル酸スズを0.02質量部添加し、窒素雰囲気下1
85℃で30分間重合し、前駆ポリL−乳酸を得る。この前駆ポリL−乳酸をチップ化したのち、窒素雰囲気下140℃で3時間の固相重合を行い、ポリ乳酸ペレット(L)を得た。
得られたポリ乳酸ペレット70重量部と、二酸化チタン(石原産業(株)製 タイペーク PF739 数平均粒子径0.25μm ルチル型)15重量部を二軸混練機を用いて、混練温度200℃で混練し、二酸化チタン濃度15重量%のポリエステルマスターペレット(M)を得た。
以上の参考例で得られたマスターペレットの一覧を表1に示す。
ジメチルテレフタレート90重量部、ジメチルイソフタレート10重量部とエチレングリコール60重量部を150℃で溶融し、酢酸マグネシウム0.05重量部、3酸化2アンチモン0.04重量部を触媒として加え、縮合反応により留出するメタノールを留去しながら4時間で250度まで昇温し、さらに徐々に減圧しながら真空度100Pa以下、温度280℃に2時間で到達させ、さらに1時間反応させてポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合ポリエステル(J)を得た。
ポリエステル(J)50重量部を減圧乾燥後、二酸化チタン(石原産業(株)製 タイペーク PF739 数平均粒子径0.25μm ルチル型)50重量部を、二軸混練機を用いて、混練温度260℃で混練し、二酸化チタン濃度50重量%のポリエステルマスターペレット(K)を得た
(参考例11)
L−ラクチド100質量部にオクチル酸スズを0.02質量部添加し、窒素雰囲気下1
85℃で30分間重合し、前駆ポリL−乳酸を得る。この前駆ポリL−乳酸をチップ化したのち、窒素雰囲気下140℃で3時間の固相重合を行い、ポリ乳酸ペレット(L)を得た。
得られたポリ乳酸ペレット70重量部と、二酸化チタン(石原産業(株)製 タイペーク PF739 数平均粒子径0.25μm ルチル型)15重量部を二軸混練機を用いて、混練温度200℃で混練し、二酸化チタン濃度15重量%のポリエステルマスターペレット(M)を得た。
以上の参考例で得られたマスターペレットの一覧を表1に示す。
(参考例12)不織布の製造
ポリエチレンテレフタレート原料(固有粘度0.50、融点255℃)を、孔径0.8mm、孔数100個の矩形口金を用いて、口金温度290℃、熱風温度295℃、熱風速度7000m/min ポリマー吐出量35g/分で、メルトブロー法にて紡出し、捕集距離10cmでネットコンベア上に繊維を捕集して巻き取り、目付90g/m2の未延伸不織布を作製した。
ポリエチレンテレフタレート原料(固有粘度0.50、融点255℃)を、孔径0.8mm、孔数100個の矩形口金を用いて、口金温度290℃、熱風温度295℃、熱風速度7000m/min ポリマー吐出量35g/分で、メルトブロー法にて紡出し、捕集距離10cmでネットコンベア上に繊維を捕集して巻き取り、目付90g/m2の未延伸不織布を作製した。
実施例1
参考例1で得られたマスターペレットA5重量部と、マトリックスポリマーとしてポリエチレンテレフタレート(PET)95重量部を、それぞれ180℃で3時間乾燥した。その後、T型口金を備えた押出機に供給し、20℃に冷却したキャスティングドラム上に静電印可を行いながら混練押出・冷却して未延伸フィルムを得た。
参考例1で得られたマスターペレットA5重量部と、マトリックスポリマーとしてポリエチレンテレフタレート(PET)95重量部を、それぞれ180℃で3時間乾燥した。その後、T型口金を備えた押出機に供給し、20℃に冷却したキャスティングドラム上に静電印可を行いながら混練押出・冷却して未延伸フィルムを得た。
さらに得られた無延伸フィルムを、加熱ロールを備えた縦延伸装置に導き、85℃で予熱し、ロール間の周速差により90℃で3.2倍に縦延伸を行い、さらにテンター式延伸機で90℃に予熱後、幅方向に95℃で3.5倍横延伸を行った後、リラックス倍率3%、210℃で5秒間熱処理を行ってフィルムを得た。青紫レーザー(波長405nm)および紫外レーザー(波長355nm)による穿孔エネルギー密度を表2に示した。
また、上記の工程中で得られた未延伸フィルム上に、参考例10で得られた未延伸不織布を重ね合わせて縦延伸機に供給し、予熱ロール群を通過させて加熱されたニップロールである延伸ロールによって熱接着し、延伸ロールと後続する周速の異なる中間加熱ニップロールとの間で長さ方向に1.7倍に延伸し、さらに中間加熱ニップロール2と後続する周速の異なる冷却ロール間で長さ方向に1.9倍に延伸(合計3.2倍)して室温まで冷却した。さらにテンター式延伸機で90℃に予熱後、幅方向に95℃で3.5倍横延伸を行った後、リラックス倍率3%、210℃で5秒間熱処理を行って印刷用原紙を得た。
実施例2〜15
マスターペレットおよびマトリックスポリマーの種類および量を、表2および表3に記載の通りとする他は、実施例1と同様の方法でフィルム及び製版印刷原紙を得た。結果を表2に示す。粒子濃度が40重量%である実施例14、15では、フィルムの製膜安定性はやや劣った。
マスターペレットおよびマトリックスポリマーの種類および量を、表2および表3に記載の通りとする他は、実施例1と同様の方法でフィルム及び製版印刷原紙を得た。結果を表2に示す。粒子濃度が40重量%である実施例14、15では、フィルムの製膜安定性はやや劣った。
実施例16、17
マスターペレットおよびマトリックスポリマーの種類および量を、表3に記載の通りとする他は、実施例1と同様の方法でフィルム及び製版印刷原紙を得た。結果を表2に示す。数平均粒子径が0.05μm未満の実施例16では、穿孔に必要な時間が長くなった。アナターゼ型二酸化チタンを用いた実施例17では、紫外レーザーによる穿孔に必要な時間が長くなった。
マスターペレットおよびマトリックスポリマーの種類および量を、表3に記載の通りとする他は、実施例1と同様の方法でフィルム及び製版印刷原紙を得た。結果を表2に示す。数平均粒子径が0.05μm未満の実施例16では、穿孔に必要な時間が長くなった。アナターゼ型二酸化チタンを用いた実施例17では、紫外レーザーによる穿孔に必要な時間が長くなった。
実施例18
マスターペレットおよびマトリックスポリマーの種類および量を、表3に記載の通りとする他は、実施例1と同様の方法でフィルム及び製版印刷原紙を得た。酸化セリウム粒子を用いた実施例18は、良好な穿孔性を示した。
マスターペレットおよびマトリックスポリマーの種類および量を、表3に記載の通りとする他は、実施例1と同様の方法でフィルム及び製版印刷原紙を得た。酸化セリウム粒子を用いた実施例18は、良好な穿孔性を示した。
実施例19〜21
マスターペレットおよびマトリックスポリマーの種類および量を、表4に記載の通りとする他は、実施例1と同様の方法でフィルム及び製版印刷原紙を得た。これら実施例は、実施例4に黄色顔料を添加したものであり、同一の二酸化チタンを含有した実施例4よりも穿孔性が向上した。なお、実施例19〜21のb*値は、それぞれ21、28、37であった。
マスターペレットおよびマトリックスポリマーの種類および量を、表4に記載の通りとする他は、実施例1と同様の方法でフィルム及び製版印刷原紙を得た。これら実施例は、実施例4に黄色顔料を添加したものであり、同一の二酸化チタンを含有した実施例4よりも穿孔性が向上した。なお、実施例19〜21のb*値は、それぞれ21、28、37であった。
実施例22〜24
マスターペレットおよびマトリックスポリマーの種類および量を、表4に記載の通りとする他は、実施例1と同様の方法でフィルム及び製版印刷原紙を得た。これら実施例は、二酸化チタンのかわりにチタンイエローを用いた。なお、実施例22〜24のb*値は、それぞれ20、25、39であった
実施例25〜27
イソフタル酸共重合マスター(K)を用い、押出・溶融製膜温度を10℃、延伸温度を5℃ずつ下げる他は、実施例1と同様の方法でフィルム及び製版印刷原紙を得た。二酸化チタン30重量%においても良好な延伸性が得られ、穿孔性も良好であった。結果を表4に示す。
マスターペレットおよびマトリックスポリマーの種類および量を、表4に記載の通りとする他は、実施例1と同様の方法でフィルム及び製版印刷原紙を得た。これら実施例は、二酸化チタンのかわりにチタンイエローを用いた。なお、実施例22〜24のb*値は、それぞれ20、25、39であった
実施例25〜27
イソフタル酸共重合マスター(K)を用い、押出・溶融製膜温度を10℃、延伸温度を5℃ずつ下げる他は、実施例1と同様の方法でフィルム及び製版印刷原紙を得た。二酸化チタン30重量%においても良好な延伸性が得られ、穿孔性も良好であった。結果を表4に示す。
実施例28、29
ポリ乳酸二酸化チタンマスター(M)とポリ乳酸(L)とを、表5に記載の割合でブレンドして、200℃で溶融押出を行い、実施例1と同様の方法で未延伸フィルムを得た。ついで、加熱ロールを使用して55℃に加熱し、ロールの周速差を利用してフィルム長手方向に3.1倍延伸した。ついでテンター式横延伸機にフィルムを導入し、60℃にて幅方向に3倍延伸を行った。さらに、そのままテンター内で120℃10秒間の熱処理を行い、10μmの延伸フィルムを得た。穿孔性は、同一量の二酸化チタンを含有する実施例2や4よりも良好であったが、製膜性にやや劣った。結果を表4に示す。
ポリ乳酸二酸化チタンマスター(M)とポリ乳酸(L)とを、表5に記載の割合でブレンドして、200℃で溶融押出を行い、実施例1と同様の方法で未延伸フィルムを得た。ついで、加熱ロールを使用して55℃に加熱し、ロールの周速差を利用してフィルム長手方向に3.1倍延伸した。ついでテンター式横延伸機にフィルムを導入し、60℃にて幅方向に3倍延伸を行った。さらに、そのままテンター内で120℃10秒間の熱処理を行い、10μmの延伸フィルムを得た。穿孔性は、同一量の二酸化チタンを含有する実施例2や4よりも良好であったが、製膜性にやや劣った。結果を表4に示す。
比較例1〜3
マスターペレットおよびマトリックスポリマーの種類および量を、表5に記載の通りとする他は、実施例1と同様の方法でフィルム及び製版印刷原紙を得た。比較実施例1においては、二酸化チタン量が少なすぎるためと思われるが、青紫レーザー、紫外レーザーともに穿孔性不良であった。また、比較実施例2および3は、製膜安定性に劣ったため、得られたフィルムは4枚であり、生産性に支障があるフィルムであったため、それ以降の評価は行わなかった。
マスターペレットおよびマトリックスポリマーの種類および量を、表5に記載の通りとする他は、実施例1と同様の方法でフィルム及び製版印刷原紙を得た。比較実施例1においては、二酸化チタン量が少なすぎるためと思われるが、青紫レーザー、紫外レーザーともに穿孔性不良であった。また、比較実施例2および3は、製膜安定性に劣ったため、得られたフィルムは4枚であり、生産性に支障があるフィルムであったため、それ以降の評価は行わなかった。
比較例4
マスターペレットおよびマトリックスポリマーの種類および量を、表5に記載の通りとする他は、実施例1と同様の方法でフィルム及び製版印刷原紙を得た。二酸化チタンの粒子径が小さすぎるためか、穿孔性が悪いフィルムであった。
マスターペレットおよびマトリックスポリマーの種類および量を、表5に記載の通りとする他は、実施例1と同様の方法でフィルム及び製版印刷原紙を得た。二酸化チタンの粒子径が小さすぎるためか、穿孔性が悪いフィルムであった。
比較例5
フィルム厚みを50μmとする他は、実施例4と同様の方法でフィルム及び製版印刷原紙を得た。膜厚が厚すぎるためと思われるが、穿孔性が悪いフィルムであった。
フィルム厚みを50μmとする他は、実施例4と同様の方法でフィルム及び製版印刷原紙を得た。膜厚が厚すぎるためと思われるが、穿孔性が悪いフィルムであった。
本発明のレーザー穿孔性フィルムは、紫外レーザーおよび安価な半導体レーザーによる穿孔性が良好であり、レーザー孔版式の印刷用原紙として用いた場合には、従来の感熱孔版方式に対して高度な印刷解像度および耐久性が得られる。
Claims (7)
- 電磁波吸収性化合物を2〜40重量%含有することを特徴とするレーザー穿孔性フィルム。
- 電磁波吸収性化合物が二酸化チタン粒子であることを特徴とする請求項1に記載のレーザー穿孔性フィルム。
- 前記二酸化チタンの数平均粒子径が0.02μm〜1μmである請求項2に記載のレーザー穿孔性フィルム。
- 前記二酸化チタンがルチル型二酸化チタンである請求項1〜3のいずれかに記載のレーザー穿孔性フィルム。
- JIS Z−8722の方法によるb*値が10〜50である請求項1〜4のいずれかに記載のレーザー穿孔性フィルム。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のレーザー穿孔性フィルムからなる孔版印刷用原紙。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のレーザー穿孔性フィルムに、多孔質部材からなる支持体を貼り合わされてなることを特徴とする孔版印刷用原紙。
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JP2007091093A JP2008246537A (ja) | 2007-03-30 | 2007-03-30 | レーザー穿孔性フィルムおよび孔版印刷用原紙 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010240666A (ja) * | 2009-04-01 | 2010-10-28 | Hitachi High-Technologies Corp | レーザ加工方法、レーザ加工装置及びソーラパネル製造方法 |
JP2011126071A (ja) * | 2009-12-16 | 2011-06-30 | Riso Kagaku Corp | 孔版原紙 |
WO2019103137A1 (ja) * | 2017-11-27 | 2019-05-31 | 日東電工株式会社 | プラスチックフィルムのレーザ加工方法及びプラスチックフィルム |
US10687588B2 (en) | 2014-10-22 | 2020-06-23 | 3M Innovative Properties Company | Printed components and methods for making the same |
-
2007
- 2007-03-30 JP JP2007091093A patent/JP2008246537A/ja active Pending
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