JP2010174098A - ポリエステルペレットおよびそれを用いたフィルム並びにフィルムの製造方法 - Google Patents

ポリエステルペレットおよびそれを用いたフィルム並びにフィルムの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010174098A
JP2010174098A JP2009016763A JP2009016763A JP2010174098A JP 2010174098 A JP2010174098 A JP 2010174098A JP 2009016763 A JP2009016763 A JP 2009016763A JP 2009016763 A JP2009016763 A JP 2009016763A JP 2010174098 A JP2010174098 A JP 2010174098A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester
film
heat
base paper
acid component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009016763A
Other languages
English (en)
Inventor
Ryuichiro Hiranabe
隆一郎 平鍋
Isao Manabe
功 真鍋
Masahiro Kimura
将弘 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2009016763A priority Critical patent/JP2010174098A/ja
Publication of JP2010174098A publication Critical patent/JP2010174098A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

【課題】
低融点かつ非晶性なポリエステル成形体を効率よく生産できるポリエステルペレットを提供することを目的とする。
【解決手段】
グリコール成分の93モル%以上がエチレングリコール成分であり、
ジカルボン酸成分の70〜83モル%がテレフタル酸成分であり、17〜30モル%がイソフタル酸成分であり、
かつ225℃〜250℃の温度範囲において融点が少なくともひとつ存在し、該温度範囲における融点の最大結晶融解エネルギーが5〜40J/gであるポリエステルペレット。
【選択図】なし

Description

本発明は、サーマルヘッドあるいはレーザー光線等のパルス的照射によって穿孔製版される感熱孔版印刷用原紙に関し、特に原紙の搬送性が良好であり、穿孔感度、画像鮮明性に優れた感熱孔版印刷用原紙に用いられるポリエステルペレットやポリエステルフィルムに関するものである。
ポリエチレンテレフタレート(以下PETと略することがある) は、汎用性に優れた樹脂であり、プラスチックフィルムとして多岐にわたって用いられており、素材の特性を生かし、あるいは共重合・ブレンド・添加剤により特性を改良し、さらに種々の工程プロセスと組み合わせて製造することで、包装材料、磁気記録材料、印刷材料、電気絶縁材料、光学材料としてその応用分野を拡大してきた。
特に近年では、かかる共重合PETを用いたフィルムが、感熱孔版印刷原紙に用いられる例が増加している。
従来、感熱孔版印刷用原紙(以下、単に原紙ということもある。)としては、ポリエチレンフィルム、塩化ビニリデン系フィルム等の熱可塑性樹脂フィルムに、天然繊維、化学繊維または合成繊維あるいはこれらを混抄した薄葉紙、不織布、紗等によって構成された多孔性支持体を接着剤で貼り合わせた構造のものが知られている(例えば、特許文献1,2など)。これらの原紙において、熱可塑性樹脂フィルムが、サーマルヘッド、あるいはレーザー光線等のパルス的照射によって穿孔される。
例えば、サーマルヘッドを使用した製版方式は、原稿をイメージセンサーで読み取りこれをデジタル信号に変え、サーマルヘッドで原稿に応じた画像を原紙のフィルム部分にドット状に穿孔して製版を行う方式である。このようなサーマルヘッドによる製版方式においては、サーマルヘッドが受けるダメージを抑えることにより、サーマルヘッドの寿命を延長することが望まれる。そのため、サーマルヘッドに供給されるエネルギーはできるだけ小さくすることが望まれ、原紙に用いられるフィルムには、小さなエネルギーでも穿孔すること、すなわち、穿孔感度の向上が望まれている。特許文献3には、PETにイソフタル酸成分を共重合して融点を下げることにより穿孔感度を向上させた感熱孔版印刷用原紙ポリエステルフィルムが開示されている。
しかしながら、共重合量を増やしていくと、ポリエステル主鎖の配列を乱すため、結晶性が著しく低下し、共重合成分を高濃度に共重合したポリエステル(以下、「高濃度共重合ポリエステル」ということがある)は完全に非晶性となってしまう。ポリエステル樹脂をフィルムなどの成形体とするためには、ポリエステル樹脂を溶融する必要があるが、ポリエステルペレットの含水分率が多い状態で融点(以下、「Tm」ということがある)以上の温度に過熱して溶融した場合、著しい加水分解が進行して重合度が低下するために成形体に影響を与えることになる。
そのため、溶融前に、ポリエステルペレットの含水分率を低下せしめる必要があり、高温真空乾燥はポリエステルペレットの含水分率を効率よく低下させる方法である。
そして、ポリエステルは事前に結晶化(予備結晶化)させることにより、ガラス転移温度(以下、「Tg」ということがある)を示さなくなり、高温でもペレットの形状が変化しなくなるため真空高温乾燥が可能であるが、十分に結晶化されていないポリエステルは、Tg以上の温度領域において、軟化する。そのため、高温下では、ポリエステルペレット同士が融着してしまい、高温真空乾燥の実施が困難となる。
そして、共重合成分を高濃度に共重合したポリエステルは完全に非晶性であるため、予備結晶化を行うことができない。
そのため、共重合成分を高濃度に共重合したポリエステルは、高温真空乾燥が実施できないという問題が有する(特許文献4)。
この問題に対して、共重合ポリエステルペレットを融着させずに乾燥する方法として、特許文献5には、回転翼を有したミキサーを用いて、ペレット表面に対して剪断処理を施し、ペレット表面を粗面化してペレット同士の接着面積を少なくすることにより、高温真空乾燥工程での融着を防ぐ方法(手法A)が開示されている。
また、特許文献6、7には、結晶性の低い高濃度共重合ポリエステルペレットと、あらかじめ結晶化させておいたポリエステルペレットやポリエステル粉とを、回分式乾燥機で混合乾燥することにより、ペレット同士が融着することなく乾燥できる方法(手法B)が示されている。
また、ポリエステルペレットの予備結晶化を行わずに溶融押出する方法(手法C)として、高真空下で水分を除去しつつ溶融押出する二軸押出機の存在が知られている。
特開昭51−2513号公報 特開昭57−182495号公報 特開平09−241360号公報 特開昭62−282983号公報 特開平4−239606号公報 特開平9−164526号公報 特開2007−23153号公報
すなわち、感熱孔版印刷用原紙用フィルムにおいて、穿孔感度を向上せしめるためには、共重合PETを用いるなど融点を低下せしめたフィルムを用いることが効果的であるが、共重合PETは上述した問題点を有する。
これに対して、上述した解決手段(手法A〜C)が提案されているが、これら解決手段は、以下の点で、満足のゆくものではないことが判明した。
まず、手法Aにおいて、処理量を多くした場合、多量の剪断発熱が発生する。加えて回転翼に接触しないチップが出てくることから、処理中に発生した剪断発熱によって、回転翼に接触しないチップから融着が始まり、そこが核となって大きな融着の固まり(おこし)が発生してしまうことがある。そのため、大量生産に向いているとは言い難い。また、ペレットの結晶性が低いため、十分に結晶化することが困難である。
次に、手法Bは、大量に乾燥した場合には、乾燥中に高濃度共重合ポリエステルペレットに局所的に熱と圧力が加わったときに融着する危険性があり、また、あらかじめ結晶化済みのペレットを用意しておく必要があり、生産的とはいえない。
手法Cは、わずかな時間ではあるが、吸水した状態でポリエステルが溶融されているため、十分に乾燥せしめたチップと比べて、加水分解が発生して、ポリエステルの重合度が下がったり、分解モノマーが生じたりする問題があることが知られており(特開平11−268098号公報)、感熱孔版印刷用途などの極めて薄いフィルムや光学用途などには不向きである。
なお、高濃度共重合ポリエステルを用いることなく、穿孔感度を上げる方法(手法D)も考案されており、例えば特開平3−39294には、イソフタル酸成分をジカルボン酸成分に対して12モル%以下の範囲で共重合せしめたテレフタル酸成分−イソフタル酸成分共重合PETと、ポリブチレンテレフタレート(以下PBTと略することがある)とをブレンドすることで穿孔感度と結晶性を向上させることにより諧調性を向上させた感熱孔版印刷用原紙用ポリエステルフィルムが開示されているなお、本明細書において「ブレンド」とは、固体状態で混合することを言う)。
しかしながら、手法Dでは、局所的に結晶化度の高い部分が発生するため、その部分から破れが発生しやすくなることから、製膜安定性が悪化し、薄膜化が難しくなるために穿孔感度の向上が難しくなる問題がある。また、ガラス転移温度が低下してカール性が悪化するため、原紙詰まり等の原因となる。
そこで、本発明は、かかる従来技術の問題点を解決したポリエステルペレットを提供することである。
本発明は、以下の構成を有する。すなわち、
グリコール成分の93モル%以上がエチレングリコール成分であり、
ジカルボン酸成分の70〜83モル%がテレフタル酸成分であり、17〜30モル%がイソフタル酸成分であり、
かつ225℃〜250℃の温度範囲において融点が少なくともひとつ存在し、該温度範囲における融点の最大結晶融解エネルギーが5〜40J/gであるポリエステルペレット、
である。
本発明のポリエステルペレットを用いた感熱孔版印刷原紙は、搬送性や穿孔感度が良好で、かつ鮮明に効率よく印刷することができ、有用なものである。
本発明のポリエステルペレットは、ペレットを構成するポリエステルのグリコール成分の93モル%以上がエチレングリコール成分である必要がある。好ましくは96%モル以上であり、より好ましくは100モル%である。グリコール成分量を上記範囲とすることにより、フィルム成形する場合に延伸性が高まり、製膜安定性が高まることにより生産性も向上できる。また、感熱孔版印刷用原紙に用いる場合には、厚みむらの抑制による穿孔時の径が均一化できることにより、印刷時の諧調性が向上する。
なお、ポリエステルは、ジカルボン酸とグリコールとの重縮合によって得られるところ、重合後のポリエステルはジカルボン酸残基成分とグリコール残基成分から構成される。本発明において「残基成分」とは、かかる残基成分をいう。また、重合に際しては、ジカルボン酸に代えてジカルボン酸エステルを用いることがあるところ、本発明において「ジカルボン酸」とはジカルボン酸エステルをも含む概念で用いられるものである。それに伴い、ジカルボン酸残基成分とはジカルボン酸エステル残基成分をも含む概念で用いられるものである。なお、本明細書では、「残基成分」を単に「成分」と言うこともある。
また、ポリエステルペレットのグリコール成分として7モル%以下の範囲で,エチレングリコール成分の他に、1,4−ブタンジオール成分,1,5−ペンタンジオール成分、ネオペンチルグリコール成分、ジエチレングリコール成分、1,6−ヘキサンジオール成分、1,10−デカンジオール成分等の脂肪族グリコール成分、1,2−シクロヘキサンジメタノール成分、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分、水素化ビスフェノールA成分等の脂環族グリコール成分、および芳香族グリコール成分などを含有することができるが、これらのグリコール成分の中では1,4−ブタンジオール成分、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分を用いることが穿孔感度、耐熱性等の点から好ましい。ポリエステルペレットのグリコール成分としてエチレングリコール成分以外のグリコール成分を含有させる方法として、重合時に共重合させる方法、ブレンドしてコンパウンドさせる方法、押し出し時にブレンドする方法が挙げられるが、印刷時の諧調性を精細にするために、重合時に共重合する方法が好ましい。
また、本発明のポリエステルペレットは、ペレットを構成するポリエステルの主たるジカルボン酸成分の70〜83モル%がテレフタル酸成分である必要がある。好ましくは、73〜80モル%であり、より好ましくは76〜79モル%である。テレフタル酸成分が83モル%以上の場合、他のジカルボン酸成分の含有量が少なすぎるため非晶成分が少なくなり、感熱孔版印刷用原紙としたときの穿孔感度が十分得られない場合がある。一方、テレフタル酸成分が70モル%以下の場合、非晶成分が多すぎるため、フィルムの耐熱性、熱穿孔性、耐衝撃性などに劣る場合があり、また、乾燥時に結晶化が進行せず融着が発生してしまうため、Tg以下の低温で長時間乾燥をする必要があるなどの不都合が生じる。
また、本発明のポリエステルペレットは、ペレットを構成するポリエステルのジカルボン酸成分の17〜30モル%がイソフタル酸成分である必要がある。好ましくは20〜27モル%であり、より好ましくは21〜24モル%である。イソフタル酸成分が17モル%未満である場合には感熱孔版印刷原紙とした場合に耐熱性と穿孔感度の両立ができない場合がある。イソフタル酸成分が30モル%より多くなると、結晶性が低くなり、融解温度の範囲が広くなる。そのため、感熱孔版印刷用原紙としたときに均一に穿孔できなくなる。加えて、乾燥時に、ポリエステル樹脂同士が融着しやすくなり、かつ感熱孔版印刷原紙とした場合の耐カール性が悪化する。
また、本発明のポリエステルペレットは、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸成分およびイソフタル酸以外の成分を有していても良い。ジカルボン酸成分の例としては、芳香族ジカルボン酸成分、脂肪族ジカルボン酸成分および脂環族ジカルボン酸成分等の酸成分挙げることができる。具体的には、ジカルボン酸成分としては、ナフタレンジカルボン酸成分、フタル酸成分、ジフェニルジカルボン酸成分、ジフェニルエーテルジカルボン酸成分、ジフェノキシエタンジカルボン酸成分、5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分等の芳香族ジカルボン酸成分、シュウ酸成分、コハク酸成分、アジピン酸成分、セバシン酸成分、ダイマー酸成分、マレイン酸成分、フマル酸成分等の脂肪族ジカルボン酸成分、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸成分、デカリンジカルボン酸成分等の脂環族ジカルボン酸成分を挙げることができる。
上記組成のポリエステルペレットは、共重合によって得ても良いし、2以上のポリエステルを溶融混練などのブレンドによって得ても良い。
本発明のポリエステルペレットは、225℃〜250℃の温度範囲において融点が少なくともひとつ存在する必要があり、好ましくは230℃〜245℃、より好ましくは232℃〜242℃である。225℃以上に融点が存在しない場合には、耐熱性に劣り、250℃以下に存在しない場合には感熱孔版印刷用原紙としたときに穿孔感度に劣る。
また、本発明では、225℃〜250℃の温度範囲に存在する融点の最大結晶融解エネルギーが5〜40J/gである必要がある。最大結晶融解エネルギーは、好ましくは10〜35J/gであり、より好ましくは15〜30J/gである。ここで、最大結晶融解エネルギーとは、225℃〜250℃の温度範囲に存在する融点における結晶融解エネルギーのことである。融点が複数存在する場合には、結晶化エネルギーをそれぞれ求め、最も大きな結晶融解エネルギーを、最大結晶融解エネルギーとする。
ポリエステルペレットのグリコール成分の93モル%以上がエチレングリコール成分であり、かつジカルボン酸成分の70〜83モル%がテレフタル酸成分であり、17〜30モル%がイソフタル酸成分であるにもかかわらず、225℃〜250℃に融点を有するのは、ペレットの大部分を占める非晶部に結晶部が混在して、海島構造を形成していることによるものである。
一般に、ポリエステルを成形加工する場合には、加水分解を抑えるために、ペレットの含水率を下げる必要がある。しかし、ペレットの最大結晶融解エネルギーが5J/g未満であると、結晶部が少なく非晶部が多いため、乾燥しようとしても、ペレットが工業的に乾燥される温度では結晶化が進行する前に融着が始まってしまうため、Tg以下の低温で極めて長時間乾燥をする必要があるなど生産効率が低下する。
また、最大結晶融解エネルギーが40J/g以上の場合、非晶部が少なく結晶部が多過ぎるいため、感熱孔版印刷用原紙とした場合には、溶融温度が高くなり、穿孔感度に劣る。
また、最大結晶融解エネルギーが5J/g以上40J/g未満であったとしても、融点が225℃より低い場合には乾燥性に劣り、250℃より高い場合には融解するのに必要なエネルギーが多量に必要なため感熱孔版原紙とした場合に穿孔感度に劣るため好ましくない。
本発明のポリエステルペレットにおいて、グリコール成分の93モル%以上をエチレングリコール成分、ジカルボン酸成分の70〜83モル%をテレフタル酸成分、17〜30モル%をイソフタル酸成分としつつ、かつ225℃〜250℃の温度範囲において融点を少なくとも一つ以上存在させ、該温度範囲における融点の最大結晶融解エネルギーを5〜40J/gとせしめるためには、2種類以上のポリエステル樹脂を原料とし、これらを溶融混練することによって混ぜ合わせ、押出してペレット化した後に、結晶化させることによって達成できる。
具体的には、結晶性のポリエステル樹脂(B’)と非晶性のポリエステル樹脂(A’)を溶融混練し、ペレット化し、該チップを後述する結晶化方法により、結晶化せしめ、本発明のペレットとすることが好ましい。結晶性のポリエステル樹脂(B’)と非晶性のポリエステル樹脂(A’)を溶融混練し、ペレット化することにより、ペレット中に、結晶性のポリエステル樹脂(B’)に由来する「結晶部」と、非晶性のポリエステル樹脂(A’)に由来する「非晶部」を、海島構造を形成させつつ存在させることができるためである。
なお、結晶性のポリエステル樹脂(B’)とは、樹脂の結晶融解エネルギーが5J/g以上であることを指す。また、かかる結晶性のポリエステル樹脂(B’)の例としては、PET、PBT、ポリトリメチレンテレフタレート(以下PTTと略することがある)、ポリヘキサメチレンテレフタレート(以下PHMTと略することがある)などが挙げられる。
また、非晶性のポリエステル樹脂(A’)とは、樹脂の結晶融解エネルギーが5J/g未満であることを指す。また、かかる非晶性のポリエステル樹脂(A’)の例としては、上記の結晶性のポリエステル樹脂に、脂肪族グリコール成分、脂環族グリコール成分または芳香族グリコール成分などのグリコール成分を、樹脂中のグリコール成分全体に対して20モル%以上共重合した共重合ポリエステルや、芳香族ジカルボン酸成分、脂肪族ジカルボン酸成分または脂環族ジカルボン酸成分などの酸成分を、樹脂中のジカルボン酸成分全体に対して20モル%以上共重合した共重合ポリエステルなどを挙げることができる。
なお、ここでいう樹脂の結晶融解エネルギーとは、樹脂ペレットを一旦溶融した後に急冷して得られる樹脂の結晶融解エネルギーのことである。
なかでも、本発明では、非晶性のポリエステル樹脂(A’)としてイソフタル酸成分共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂を用い、結晶性のポリエステル樹脂(B’)としてホモポリエチレンテレフタレート樹脂を用い、これらを溶融押出し、ペレット化することが好ましい。すなわち、本発明のポリエステルペレットは、イソフタル酸成分共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂とホモポリエチレンテレフタレート樹脂を用いてなることが好ましい。
さらに、本発明においては、非晶性のポリエステル樹脂(A’)50〜95重量%と、結晶性のポリエステル樹脂(B’)5〜50重量%を用いることが好ましい。特に好ましくは、非晶性のポリエステル樹脂(A’)70〜92重量%と、結晶性のポリエステル樹脂(B’)8〜30重量%を用いることである。ここでいう「重量%」とはポリエステルペレット中のポリエステルの重量を100重量%としたものであり、各種添加剤や残留触媒等の重量は含まない。
本発明のポリエステルペレットは、例えばホモポリエチレンテレフタレートなどに由来する「結晶部」と、例えばイソフタル酸成分共重合ポリエチレンテレフタレートなどに由来する「非晶部」がペレット中において、極めて微細な海島構造を形成して混在しているという特徴を有する。そのため、該ポリエステルペレットを用いてフィルム化した場合、該フィルム中においても、ホモポリエチレンテレフタレートに由来する「結晶部」と、イソフタル酸成分共重合ポリエチレンテレフタレートに由来する「非晶部」が、極めて微細な海島構造を形成して混在することになる。そのため、かかるフィルム(便宜的に「フィルムI」と呼ぶ)は、「結晶部」に由来する結晶的な性質と「非晶部」に由来する非晶的な性質を、微視的なレベルで、そのフィルム中において均一に併せ持つことになる。
一方、単にホモPETペレットとホモポリエチレンイソフタレートペレットとを固体状態で混合せしめた混合ペレットを溶融押出しし、フィルム化した場合、該フィルムは、ホモポリエチレンテレフタレートに由来する「結晶部」と、ホモポリエチレンイソフタレートに由来する「非晶部」とからなる海島構造を形成するものの、その島成分の大きさは、非常に大きなものとなる。そのため、かかるフィルム(便宜的に「フィルムII」と呼ぶ)は、巨視的なレベルでは、結晶的な性質と非晶的な性質を併せ持つことになるが、微視的なレベルでは、ある部分は結晶的な性質を有する一方、ある部分では非晶的な性質を有するなど、ムラを持ったフィルムとなる。
上述したような差異は、フィルムを感熱孔版印刷用原紙とした場合に、特に影響を及ぼす。感熱孔版印刷用原紙は先述したように穿孔されるが、その孔径は極めて微細なものである。そのため、前記フィルムIIを穿孔しようとした場合、非晶的な性質を有する部分は穿孔されるが、結晶的な性質を有する部分は十分に穿孔されないこととなる。一方、本発明のペレットを用いたフィルムIは、フィルムのいかなる箇所においても非晶的な性質を有するため、十分に穿孔することができる。また、フィルムIは結晶的な性質も有するため、強靭性と穿孔感度の特性をバランスよく両立させることが出来る。
なお、本発明において、ペレット中の非晶性のポリエステル樹脂(A’)と、結晶性のポリエステル樹脂(B’)の含有量が上述した範囲外であると、ペレット中の非晶部または結晶部が過剰となることがある。そして、ペレット中の非晶部が多すぎる場合、ペレットの結晶化が難しくなり、最大結晶融解エネルギーを5J/g以上とすることができなくなることがある。また仮に結晶化できたとしても乾燥工程で融着が生じる危険性がある。一方、ペレット中の結晶部が多い場合には、該ペレットを用いてフィルム化したとしても特性にむらが生じたりする。特に、感熱孔版印刷用原紙とした場合には、均一に穿孔できなくなる。
なお、「結晶部」が海成分となるのか、「非晶部」が海成分となるのかは、非晶性のポリエステル樹脂(A’)と結晶性のポリエステル樹脂(B’)の量比で決定される。すなわち、非晶性のポリエステル樹脂(A’)が、結晶性のポリエステル樹脂(B’)よりも多量に用いられていれば、「結晶部」が海成分となり、「非晶部」が島成分となる。一方、結晶性のポリエステル樹脂(B’)が、非晶性のポリエステル樹脂(A’)よりも多量に用いられていれば、「非晶部」が海成分となり、「結晶部」が島成分となる。
本発明において、非晶性のポリエステル樹脂(A’)としてイソフタル酸共重合PET(A)を用いた場合、イソフタル酸の共重合量は、非晶性のポリエステル樹脂(A’)のジカルボン酸に対して25〜35モル%であることが好ましい。かかるイソフタル酸共重合PET(A)を用いることにより、上述した海島構造を効率的に形成せしめることができ、非晶性の特徴と結晶性の特徴を併せ持つ優れたペレットを効率よく得ることが出来る。ジカルボン酸成分としてイソフタル酸が25モル%〜35モル%共重合されたPETとホモPETを上記範囲で混合することで、非晶部で構成される海成分の中に、結晶部である島成分が存在する海島構造ができるため、融着面積が限定されるために後述する結晶化を容易に行うことができ、非晶性の特徴と結晶性の特徴を併せ持つ優れたペレットを効率よく得ることが出来る。
ついで、ペレットを結晶化せしめる方法としては例えば、以下の方法(結晶化方法1〜3)を挙げることができるが、好ましくは、結晶化方法1の手法を採用することである。
Tg前後の温度(このときTgが複数観測される場合には、低温側のTg前後の温度とする)まで昇温して1〜3時間保持し、以降、5〜20℃昇温して1〜3時間保持を繰り返して、最終的に130〜160℃にまで加温し、徐々に結晶化させる方法(結晶化手法1)。
ヘンシェルミキサーなどを用いてTg以下の温度(このときTgが複数観測される場合には、低温側のTg前後の温度とする)で剪断撹拌することにより表面を粗面化してから130〜160℃で加温し、結晶化させる方法(結晶化手法2)。
可塑剤で処理する方法、例えば90℃前後の熱水に浸漬させたり、二酸化炭素などのガスを高圧で加え、結晶化させる方法(結晶化手法3)。
なお、本発明において「結晶化」とは、ポリエステル樹脂の結晶融解エネルギーが5J/g以上であることを指す。
本発明のポリエステルペレットは、公知の手段を用いて、フィルム化することができる。
特に、本発明のポリエステルペレットを用いてなるポリエステルフィルム(以下、「本発明のフィルム」ということもある)は、特に感熱孔版印刷原紙用フィルムとして好適に用いられる。
本発明のポリエステルペレットを感熱孔版印刷原紙用フィルムとして用いる場合には、100℃、30分間処理した時のフィルムの長手方向の熱収縮率が10〜40%であることが好ましい。より好ましくは15〜35%、さらに好ましくは20〜30%である。10%以下であると穿孔が不十分となり、均一な穿孔が出来ず、文字がかすれたり、ベタ部分が薄くなったりし、階調性が不十分となる。また、40%以上になると隣接する孔と連結してしまう場合がある。
また、本発明のフィルムの熱収縮率は、65℃において小さいほうが好ましく、具体的には65℃で60分処理したときの熱収縮率がMD方向(フィルム長手方向)、TD方向(フィルム幅方向)ともに1%以下であることが好ましく、より好ましくは0.7%以下、さらに好ましくは0.5%以下である。65℃における熱収縮率は、印刷原紙のカールと関係がある。特に本発明のフィルムに多孔性支持体を積層し、2層構造の印刷原紙とした場合、フィルム側が寸法変化すると印刷原紙は容易にカールしてしまう。カールが大きくなると、印刷原紙の取り扱い性が悪化し、孔版印刷機内での原紙の搬送性が不良となり、原紙詰まり等の原因となる。カールはフィルムと多孔性支持体をラミネートした時の歪みによって起こったり、常温での保存中や輸送中に発生する。また、印刷する版胴部分にマスターが均一にセットされないため、印刷むらがでやすい。原紙の搬送性を向上させるには、MD方向のカールが小さくする方がよいため、65℃の熱収縮率は特にMD方向が小さい方が好ましい。
100℃・30分での熱収縮率を10〜40%としつつ、65℃・60分の熱収縮率を1%以下にするには、ポリエステルフィルム中のグリコール成分として、1,4−ブタンジオール成分、1,5−ペンタンジオール成分といった直鎖の長いジオール成分の含有量を少なくし、エチレングリコール成分含有量を多くすること、および製膜時に80〜130℃で1〜60秒間熱処理することなどにより達成できる。
本発明のフィルムの厚みは0.8〜2.9μmの範囲が好ましく、より好ましくは1.0〜1.9μmの範囲であり、さらに好ましくは1.2〜1.7μmの範囲である。フィルムの厚みが薄くなれば熱伝達距離が短縮され、穿孔時に必要な熱エネルギーも減少するため穿孔感度が向上する。そのため、厚みが3.0μm以上だと、穿孔感度が悪化し、印刷むらとなるため好ましくない。また、厚みが1.0μm未満では印字が不鮮明で濃淡むらが生じやすく、フィルムの生産性、巻き上げ作業性が悪化するので好ましくない。フィルム厚みを上記範囲にする方法は特に限定されないが、100℃での熱収縮を大きくするためにも3,0倍以上の高倍率で延伸することが好ましい。また、本発明のフィルムは極めて薄くする必要があり、破れが発生しやすくなるため、延伸開始前に結晶化が大きく進行していると、生産性が著しく低下することになる。かかる問題を解決するためには、1,4−ブタンジオール成分、1,5−ペンタンジオール成分といった直鎖の長いジオール成分の含有量を少なくし、エチレングリコール成分含有量を多くすることが好ましく、具体的にはポリエステルフィルム中のグリコール成分の60モル%以上がエチレングリコール成分であることが好ましく、より好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは93%以上である。
本発明のポリエステルペレットをフィルムとする場合には、他のポリエステルペレットとブレンドしたり、酸化防止剤、難燃剤、易滑剤、着色剤などの各種添加剤を、本発明のフィルムの物性を損なわない範囲で添加することができる。フィルムの物性を損なわない範囲としては、フィルムが、フィルム中のポリエステルに対して、本発明のポリエステルペレットを50重量%以上用いてなることが好ましく、より好ましくは70重量%以上であり、さらに好ましくは90重量%以上である。
本発明のポリエステルペレットを用いて、感熱孔版印刷原紙用フィルムとする場合には、ペレットの水分率を90ppm以下として後、溶融押し出しし、フィルム化することが好ましく、水分率を70ppm以下とすることがより好ましく、水分率を50ppm以下とすることがさらに好ましい。水分率が90ppmより多いと、溶融押し出し時に熱分解が起きやすくなるため好ましくない。水分率を90ppm以下とする方法としては回分式や撹拌式などの真空乾燥機を用いて真空下で120℃以上の温度で2時間以上乾燥することが上げられる。このとき、剪断処理や熱水処理などの公知である乾燥前処理や窒素雰囲気下で乾燥するなどの方法と組み合わせることも出来る。
以下に、本発明のポリエステルペレットを得るための方法について、ジカルボン成分としてイソフタル酸成分を樹脂中のジカルボン酸成分に対して25モル%共重合したイソフタル酸成分共重合PET樹脂と、ホモポリエチレンテレフタレート樹脂とを用いて、イソフタル酸成分が樹脂中のジカルボン酸成分に対して22.5モル%共重合されたポリエステルペレットの製造例を説明するが、本発明のポリエステルペレットの製造方法は以下の方法に限定されるものではない。
ジメチルテレフタル酸80重量部、ジメチルイソフタル酸20重量部、エチレングリコール60重量部、酢酸カルシウム0.12重量部、三酸化アンチモン0.08重量部及びテトラエチルアンモニウムヒドロキシド20%のメタノール溶液0.1重量部の混合物を130℃から235℃まで3時間で昇温し、エステル交換反応終了後、トリメリト酸メチル0.0834重量部を添加した。次に重縮合反応缶へ移し、真空下において240℃から285℃の温度で4時間反応し、水浴中に吐出、ダイシングマシンでチップ化(一粒当りの重量;43mg)し、ポリエステルペレット(A)を得た。ポリエステルペレット(A)は、ジカルボン成分としてイソフタル酸成分が25モル%共重合された共重合ポリエチレンテレフタレートペレットである。
同様に、ジメチルテレフタル酸100重量部、エチレングリコール60重量部、酢酸カルシウム0.12重量部、三酸化アンチモン0.08重量部及びテトラエチルアンモニウムヒドロキシド20%のメタノール溶液0.1重量部の混合物を130℃から235℃まで3時間で昇温し、エステル交換反応終了後、トリメリト酸メチル0.0834重量部を添加した。次に重縮合反応缶へ移し、真空下において240℃から285℃の温度で4時間反応し、水浴中に吐出、ダイシングマシンでチップ化(一粒当りの重量;43mg)し、ポリエステルペレット(B)を得た。ポリエステルペレット(B)は、ホモポリエチレンテレフタレートである。
次に、ベントを備えた二軸混練押出機にペレット(A)と(B)とを9:1の重量比で供給し、溶融混練することにより本発明のポリエステルペレットを得ることが出来る。
次に、本発明のポリエステルペレットを用いた感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム、および感熱孔版印刷原紙用の製造例を説明するが、製造方法は以下の方法に限定されるものではないし、本発明のポリエステルペレットの用途は以下に限定されるものでもない。
回分式の真空乾燥機に本発明のポリエステルペレットを投入し、100〜180℃で2〜4時間減圧乾燥を行う。このとき、剪断処理などの公知である方法と組み合わせることも出来る。乾燥によって水分率を90ppm以下としたペレットを溶融押出機に供給し、押出機に具備されたT型ダイ口金からシート状に溶融押出しし、キャスティングドラムを一定速度で回転させながら、キャスティングドラムの前方に着地させる。このとき溶融ポリマーとキャスティングドラムの角度は0°〜90°が好ましく、さらに好ましくは10°〜60°である。溶融ポリマーを静電印加法および/またはエアーナイフ法により密着固化し、未配向(未延伸)フィルムを得る。
未配向フィルムを、複数のロール群を備えた延伸機で、ロール間の周速差を利用して長手方向に延伸する。延伸温度は80〜170℃が好ましい。より好ましくは85〜160℃、さらに好ましくは90〜150℃である。延伸倍率は2.5〜4.5倍が好ましく、より好ましくは3〜4倍である。こうして得られた、長手方向に一軸配向(一軸延伸)されたフィルムの両端をクリップで把持して、加熱したテンター内で幅方向に延伸を行う。延伸倍率は2.5〜4.5倍が好ましく、より好ましくは3〜4倍である。また、延伸温度は85〜180℃が好ましい。より好ましくは、90℃〜170℃、さらに好ましくは95℃〜160℃である。なお、幅方向に延伸した後、さらに長手方向および/または幅方向に110〜180℃の延伸温度範囲で1.1〜2.5倍に延伸してもよい。
また、65℃における熱収縮を抑えるために、延伸後にフィルムの融点以下の温度で熱固定を加えることが好ましく、100℃での熱収縮を抑制しないために好ましい温度範囲は80〜130℃であり、90〜110℃であることがさらに好ましい。熱固定時間は、1〜60秒間であることが好ましい。
また、熱固定工程の前後または同時に弛緩処理を行ってもよく、その後100〜160℃の温度で中間冷却を行ってもよい。より好ましくは、熱固定と弛緩処理を同時に行うことである。弛緩処理の倍率は、幅方向及び/または長手方向に1〜15%であることが好ましく、より好ましくは3〜10%である。なお、幅方向の弛緩処理は幅方向の延伸が完了した後の最大フィルム幅に対してテンター出口の幅を縮めることによって行うことが好ましく、幅方向の弛緩処理の倍率Rwは、弛緩開始直前におけるフィルムの幅方向のクリップ間隔をDw1、弛緩終了直後のクリップ間隔をDw2として、
Rw=(Dw1−Dw2)/Dw1×100[%]
で表される。また、長手方向の弛緩処理は、テンタークリップのレール上の走行速度を徐々に減速することによって行うことが好ましく、長手方向の弛緩処理の倍率Rlは、弛緩開始直前のクリップと、そのクリップと同じレール上で隣接する進行方向手前のクリップとの間隔をDl1、弛緩終了直後のクリップと、そのクリップと同じレール上で隣接する進行方向奥のクリップとの間隔をDl2として、
Rl=(Dl1−Dl2)/Dl1×100[%]
で表される。かかる弛緩処理を行うことにより、フィルムの熱収縮率を低下せしめることができる。
本発明の感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルムは、版の耐久性の向上の点から多孔質部材からなる支持体など他部材と貼り合わせ、孔版印刷用原紙とすることが好ましい。また、本発明において、多孔質部材とは、成形体の片面から他面へ貫通した連続気孔を形成しているものであれば良く、孔版印刷用原紙として用いられる際に、インクが透過する部材のことである。中でも平滑性と成形加工性とに優れた不織布および多孔質樹脂シートが好適である。
不織布としては天然繊維、化学繊維または合成繊維あるいはこれらを混抄したものがあげられる。不織布としては合成繊維不織布が好ましく、合成繊維不織布とは合成樹脂繊維を主体とする繊維をランダムに交絡させてなる薄葉体であり、代表的なものとしてはメルトブロー不織布、スパンボンド不織布などが挙げられる。ここで、合成樹脂繊維を主体とするとは、不織布を構成する繊維のうち合成樹脂繊維を70重量%以上含むことをいう。合成樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレートなどが好ましく用いられる。
多孔質樹脂シートは、樹脂パウダーを希望の形状の金型に充填し、加圧あるいは無加圧状態で加熱焼結することで連続的に得ることができる。あるいは、樹脂パウダーをベルトコンベア上に充填し、コンベアを加温室に通して樹脂パウダーを焼結させることによって、連続的に得ることもできる。
また、多孔質樹脂シートは、発泡剤を含有した樹脂を押出機に供給して押出機中で発泡させ、溶融キャストしてシート状に形成することにより得ることもできる。なお、本発明の感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルムを製造する工程において、かかる発泡樹脂層とポリエステル層を共押出しして積層未延伸シートを得、ひきつづきそのまま延伸することにより、本発明の感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルムに多孔質部材たる多孔質樹脂シートが積層された(貼り合わされた)孔版印刷用原紙を一気に得ることもできる。かかる方法は生産性の点で好ましい方法の一つである。
本発明において、多孔質樹脂シートを構成する樹脂は、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂に代表されるポリオレフィン系樹脂が好ましく用いられる。ポリオレフィン系樹脂としては、エチレンの単独重合体、エチレンとプロピレン、ブテン−1,ヘキセン−1,オクテン−1の様な1種類以上のα−オレフィンとの共重合体、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルなどの共重合体、プロピレンの単独重合体、プロピレンとエチレン、ブテン−1の様な1種類以上のα−オレフィンとの共重合体等が挙げられる。またそれらは、用いる印刷用インキが水性インキの場合は、スルフォン化、親水性モノマーのグラフト重合処理、特定の界面活性剤の添加、親水性の層を設ける等の公知の方法で親水化することもできる。
上記した不織布あるいは多孔質樹脂シートと本発明の感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルムとを貼り合せて孔版印刷用原紙を得る方法としては、特に限定されない。例えば、予め製造したポリエステルフィルムと不織布あるいは多孔質樹脂シートを熱あるいは接着剤によって貼り合わせる方法が挙げられる。
また、本発明の感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルムの製造過程でフィルムと不織布あるいは多孔質樹脂シートとを低温で熱圧着した後あるいは接着剤によって貼り合わせた後、共延伸する方法も、ポリエステルフィルムに多孔質部材からなる支持体を貼り合わせてなる孔版印刷用原紙を一気に得ることができる点で好ましい方法の一つである。該方法について、より具体的に説明すると、該方法はポリエステルフィルムの製造過程において、延伸工程前の未配向(未延伸)ポリエステルフィルムと不織布あるいは多孔質樹脂シートを熱あるいは接着剤によって貼り合わせた後、それらを延伸工程にて延伸することにより、不織布あるいは多孔質樹脂シートと二軸配向ポリエステルフィルムとを複合化させる方法である。
一般に不織布を多孔質部材として用いる場合は、機械的強度を得るためにバインダー樹脂、またはバインダー繊維と呼ばれる繊維間接着剤が用いられることが多い。しかし、これらのバインダー成分は凝集体となってインキ不透過欠点となりやすいため、本発明においては、メルトブロー法やスパンボンド法など、繊維を空中でランダムに交絡させてコンベアネット等で捕集することによって薄葉体とする方法で製造される不織布が、均一なインキ透過性と機械的な強度のバランスの点で好ましく用いられる。
さらに、本発明におけるポリエステルフィルムと合成繊維不織布あるいは多孔質樹脂シートを貼り合せる方法として、不織布あるいは多孔質樹脂シートとしてポリエステルからなるものを用いて、本発明のポリエステルフィルムの製造過程でフィルムと不織布等とを低温で熱圧着した後、共延伸する方法が最も好ましい。
[特性の測定方法および効果の評価方法]
本発明において説明に使用した特性値の測定方法および効果の評価方法は、次のとおりである。
(1)ポリエステルペレットの固有粘度
オルトクロロフェノール中、25℃で測定した溶液粘度から、下式で計算した値を用いてポリエステルの固有粘度[η]を算出した。
ηsp/C=[η]+K[η] 2・C
ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)−1であり、Cは、溶媒100mlあたりの溶解ポリマー重量(g/100ml、通常1.2)、Kはハギンス定数(0.343とする)である。
また、溶液粘度、溶媒粘度はオストワルド粘度計を用いて測定した。単位は[dl/g]で示す。
(2)ポリエステルペレットの225℃〜250℃の範囲内の結晶融解エネルギー△Hmと融点Tmの測定
示差走査熱量計(DSC)として、セイコー電子工業株式会社製ロボットDSC「RDSC220」を用い、データ解析装置として、同社製ディスクステーション「SSC/5200」を用いてJIS K7121(1987)に従い測定した。
まず、アルミニウム製受皿に5mgのポリエステルペレットサンプルを充填する。このサンプルを常温から300℃まで、20℃/分の昇温速度で昇温し、1st RunのDSC曲線を得た。得られたDSC曲線から、225℃以上250℃未満の温度領域で吸熱ピーク(ap)と吸熱ピーク面積(a)(J/g)を得た。ここで、吸熱ピークとは、昇温することによりベースラインから吸熱側にずれ、さらに昇温を続けるとベースラインの位置へ戻ろうとする曲線の頂点のことであり、吸熱ピーク面積(a)(J/g)とは、吸熱ピークの低温側、高温側それぞれから引ける2本の接線と、高温側のベースラインを低温側に延長したラインに囲まれる面積のことである。
次いで、同じ条件で、In(インジウム)を測定し、1st RunのDSC曲線を得た。1st RunのDSC曲線からInの吸熱ピーク面積(b)(J/g)を求め、次式により結晶融解エネルギーΔHm(J/g)を求めた。
ΔHm=28.5(J/g)×a/b
このときの△Hmが5J/g以上であるときに、ポリエステルペレットの結晶融解エネルギーΔHmが存在するとして、このポリエステルペレットの結晶融解エネルギーΔHmとした。また、このときの吸熱ピーク(ap)の温度をTm(℃)とした。なお、本発明のフィルムは、吸熱ピークが複数現れる場合があるが、その場合、最も吸熱ピーク面積が大きい吸熱ピークの温度を本発明のポリエステルペレットの融点Tm(℃)とした。
(3)ポリエステルペレットの乾燥性
1粒の重量が20mg〜50mgのポリエステルペレット50gをステンレスカップに入れ、(株)島津エミット社製油回分式真空ポンプD−50−4Mを備えた(株)エスペック社製の真空乾燥機LCV−233を用いて以下の方法で測定した。真空ポンプを作動させて10−1Pa以下の真空状態を保ちながら、140℃に加温して3時間真空乾燥した。乾燥後2粒以上融着しているものの重量を測定し、下記の基準に則り、○、△、×で判定した。
1g未満 :○
1g以上5g未満 :△
5g以上 :×。
(4)ポリエステルフィルムの厚み
二軸配向ポリエステルフィルムの厚みは、(株)アンリッツ製デジタルマイクロメーターK402Bを用い、下記の方法で求めた。
(i)まず、フィルムの任意の位置からA4サイズのサンプルを切出し、サンプルの長辺方向を上下方向、短辺方向を左右方向とした。
(ii)上端から0.5cm、左端から0.5cmの位置を測定始点とする。
(iii)測定始点の厚みを測定し、その位置から右方向に測定位置を2cmずつ移動させながら、測定始点も含め、計10点の厚みを測定した。
(iv)次に、フィルムの上端から2.5cm、左端から0.5cmの位置を測定始点し、(iii)と同様の測定を行った(すなわち、測定位置を右方向に2cmずつ移動させながら計10点の厚みを測定した)。
(v)以下同様に、測定始点を下方向に2cmずつずらしながら(iii)と同様の測定を計10回行い、合計100点の測定値を得た。なお、測定位置の終点は上端から18.5cm、左端から18.5cmの地点となる。
(vi)100点の合計値を100で割ることによりフィルムの厚みを得た。
(5)二軸配向ポリエステルフィルムの熱収縮率
ポリエステルフィルムの任意の位置から長手方向に150mm、幅方向に50mmのサンプルを切り出し、それをさらに幅方向に10mm間隔で5枚に切り分けることで、寸法150mm×10mmである長手方向測定用のサンプル5枚を作成した。
同様に、任意の位置から長手方向に50mm、幅方向に150mmのサンプルを切り出し、それをさらに長手方向に10mm間隔で5枚に切り分けることで、寸法150mm×10mmである幅方向測定用のサンプル5枚を作成した。
次いで、長手方向測定用のサンプルは長手方向の中心から、幅方向のサンプルは幅方向の中心から測定方向にそれぞれ50mmの位置にマーキングすることで、マーキング長100mmのサンプルをそれぞれ作成した。
そのマーキング長をニコン社製の万能投影機16−Aで正確に測長して試験前長として記録した。その後、ギアオーブン(TABAI社製GHPS−222)内に垂直に垂れ下げて65℃で60分および100℃で30分間の条件でそれぞれ熱処理をした。熱処理試験後30分以上常温で放置した後、再度万能投影機で正確にマーキング長を測長して試験後長とした。試験後長から試験前長を引いて、100で割ったものの5サンプルでの平均値を計算して、それぞれの熱収縮率とした。
(6)感熱孔版印刷用原紙のカール性の評価
作成した感熱孔版印刷用原紙の任意の位置から長手方向に150mm、幅方向に50mmのサンプルを切り出し、直径1インチの円筒形の筒にポリエステルフィルム面を内側にして長手方向に巻き付け、50℃の熱風オーブンで24時間処理した後、筒から剥がして名が手方向の中心から左右5cmずつの位置でサンプリングし、フィルム面を上にして平らな台上に置き、サンプルの角の台からの高さを測定し、四つ角の平均値で原紙のカール性を下記の基準に則り、○、△、×で判定した。
浮き上がり高さが1cm未満であるもの :○
浮き上がり高さが1cm以上2cm未満であるもの:△
浮き上がり高さが2cm以上であるもの :×。
(7)感熱孔版印刷用原紙の穿孔感度
作成した感熱孔版印刷用原紙を理想科学工業(株)製“RISOGRAPH”GR275に供給して、サーマルヘッド式製版方式(400dpi)により穿孔実験を行った。この際、サーマルヘッドに投入するエネルギーを60%とした。この状態で穿孔し、走査型顕微鏡で200倍の倍率でフィルムの穿孔部分200個を観察して穿孔径を測長して、穿孔径の平均値を算出した。平均値が大きければ大きいほど穿孔感度が良好であり、下記の基準に則り、○、△、×で判定した。
30μm以上 :○
20μm以上30μm未満:△
20μm未満 :×。
(8)感熱孔版印刷用原紙の穿孔不発数
(7)で測定した穿孔径の平均値より50%未満のものを穿孔不発とし、不発率を数えた。不発数は少なければ少ないほど好ましく、下記の基準に則り、○、△、×で判定した。
0〜2個 :○
3〜9個 :△
10個以上:×。
(9)感熱孔版印刷用原紙の穿孔均一性
(8)で測定した穿孔径の平均値より50%以上の点について、その標準偏差を求め、下記の基準に則り○、△、×で判定した。
5未満 :○
5以上10未満:△
10以上 :×。
(10)ポリエステル樹脂、ペレット、フィルムの組成
ポリエステル樹脂等をヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)に溶解し、H−NMRおよび13C−NMRを用いて各残基成分について含有量を定量することができる。積層フィルムの場合は、積層厚みに応じて、フィルムの各層を削り取ることで、各層単体を構成する成分を採取し、評価することができる。なお、本発明の樹脂、ペレット、フィルムについては、製造時の混合比率から計算により、組成を算出した。
(実施例1)
ジカルボン酸としてテレフタル酸ジメチルおよびイソフタル酸ジメチル(テレフタル酸ジメチルとイソフタル酸ジメチルのモル比は75:25)と、グリコールとしてエチレングリコールを用いて常法により重合し、固有粘度0.76の共重合ポリエチレンテレフタレートを得た。また、イソフタル酸成分の共重合量は、該共重合ポリエチレンテレフタレートのジカルボン酸成分に対して25モル%であった。該共重合ポリエチレンテレフタレートを以下、PET‐I25と略称する。
ジカルボン酸としてテレフタル酸ジメチル、グリコールとしてエチレングリコールを用いて常法により重合し、固有粘度0.65のホモポリエチレンテレフタレート(以下、ホモPETと略称する)を得た。
ポリエステルAとしてPET‐I2585重量%、ポリエステルBとしてホモPET15重量%をブレンドし、ベントを備えた二軸混練押出機により混練温度270℃で溶融混練し、吐出物を冷水で固化した後にカットすることによって未結晶ポリエステルペレットを得た。
得られた未結晶ポリエステルペレットを、以下の述べる結晶化方法に用いて、結晶化せしめ、本願発明の結晶化したポリエステルペレットを得た。
(結晶化方法)
未結晶ポリエステルペレットを140℃まで段階的に加熱し、140℃で2時間処理した。
得られた結晶化ポリエステルペレット500kgを回分式の真空乾燥機を用いて、ペレットの水分率が90ppm以下となるよう、真空下、180℃で3時間乾燥した。その後、スクリュー径45mmの押出機を用いて、Tダイ口金温度270℃で、乾燥済みの結晶化ポリエステルペレットを押し出し、直径300mmの冷却ドラム上にキャストして未延伸フィルムを作製した。ついで100℃の加熱ロール間で長手方向に3.5倍延伸した後、テンター式延伸機に送り込み、105℃で幅方向に3.8倍延伸し、さらにテンター内で115℃で熱処理して、二軸配向ポリエステルフィルムを作製した。
得られたフィルムに酢酸ビニルを接着剤としてマニラ麻を原料とする天然繊維100%の繊維目付量14g/m2 の和紙と貼り合わせ、フィルム面にシリコーン系離型剤を塗布して感熱孔版印刷用原紙を作製した。前記した方法に基づき原紙の特性および製版、印刷特性について評価を実施した。結果は、表に示したとおり優れたものであった。
(実施例2−5)
ポリエステルAとしてPET‐I25と、ポリエステルBとしてPETを用い、それぞれ重量比を70:30(実施例2)、80:20(実施例3)、94:6(実施例4)、96:4(実施例5)とした他は、実施例1と同様にして結晶化したポリエステルペレットを得た。
つづいて、得られたポリエステルペレットを用いて、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルム、さらに感熱孔版印刷用原紙を作成し、前記した方法に基づき原紙の特性および製版、印刷特性について評価を実施した。結果は、表に示したとおり優れたものであった。
(実施例6−8)
ジカルボン酸としてテレフタル酸ジメチルおよびイソフタル酸ジメチル(テレフタル酸ジメチルとイソフタル酸ジメチルのモル比は70:30)と、グリコールとしてエチレングリコールを用いて常法により重合し、固有粘度0.76の共重合ポリエチレンテレフタレートを得た。また、イソフタル酸成分の共重合量は、該共重合ポリエチレンテレフタレートのジカルボン酸成分に対して30モル%であった。該共重合ポリエチレンテレフタレートを以下、PET‐I30と略称する。
ポリエステルAとしてPET‐I30と、ポリエステルBとしてホモPETをそれぞれ重量比90:10(実施例6)、80:20(実施例7)、70:30(実施例8)でブレンドした他は、実施例1と同様にして結晶化したポリエステルペレットを得た。
つづいて、得られたポリエステルペレットを用いて、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルム、さらに感熱孔版印刷用原紙を作成し、前記した方法に基づき原紙の特性および製版、印刷特性について評価を実施した。結果は、表に示したとおり優れたものであった。
(実施例9−10)
ジカルボン酸としてテレフタル酸ジメチルおよびイソフタル酸ジメチル(テレフタル酸ジメチルとイソフタル酸ジメチルのモル比は60:40)、グリコールとしてエチレングリコールを用いて常法により重合し、固有粘度0.76の共重合ポリエチレンテレフタレートを得た。また、イソフタル酸成分の共重合量は、該共重合ポリエチレンテレフタレートのジカルボン酸成分に対して40モル%であった。該共重合ポリエチレンテレフタレートを以下、PET‐I40と略称する。
ポリエステルAとしてPET‐I40と、ポリエステルBとしてホモPETをそれぞれ重量比75:25(実施例9)、55:45(実施例10)でブレンドした他は、実施例1と同様にして結晶化したポリエステルペレットを得た。
つづいて、得られたポリエステルペレットを用いて、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルム、さらに感熱孔版印刷用原紙を作成し、前記した方法に基づき原紙の特性および製版、印刷特性について評価を実施した。結果は、表に示したとおり優れたものであった。
(実施例11)
ジカルボン酸としてテレフタル酸ジメチルおよびイソフタル酸ジメチル(テレフタル酸ジメチルとイソフタル酸ジメチルのモル比は95:5)、グリコールとしてエチレングリコールを用いて常法により重合し、固有粘度0.76の共重合ポリエチレンテレフタレートを得た。また、イソフタル酸成分の共重合量は、該共重合ポリエチレンテレフタレートのジカルボン酸成分に対して5モル%であった。該共重合ポリエチレンテレフタレートを以下、PET‐Iと略称する。
ポリエステルAとしてPET‐I25と、ポリエステルBとしてPET‐Iを重量比80:20でブレンドした他は、実施例1と同様にして結晶化したポリエステルペレットを得た。
つづいて、得られたポリエステルペレットを用いて、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルム、さらに感熱孔版印刷用原紙を作成し、前記した方法に基づき原紙の特性および製版、印刷特性について評価を実施した。結果は、表に示したとおり優れたものであった。
(実施例12)
ポリエステルAとしてPET‐I25と、ポリエステルBとしてホモPETおよびホモPHMTとを重量比85:9:6でブレンドした他は、実施例1と同様にして結晶化したポリエステルペレットを得た。
つづいて、得られたポリエステルペレットを用いて、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルム、さらに感熱孔版印刷用原紙を作成し、前記した方法に基づき原紙の特性および製版、印刷特性について評価を実施した。結果は、表に示したとおり優れたものであった。
(実施例13)
ポリエステルAとしてPET‐I25と、ポリエステルBとしてホモPETおよびPTTとを重量比85:9:6でブレンドした他は、実施例1と同様にして結晶化したポリエステルペレットを得た。
つづいて、得られたポリエステルペレットを用いて、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルム、さらに感熱孔版印刷用原紙を作成し、前記した方法に基づき原紙の特性および製版、印刷特性について評価を実施した。結果は、表に示したとおり優れたものであった。
(実施例14)
ポリエステルAとしてPET‐I25と、ポリエステルBとしてホモPETおよびホモPBTとを重量比85:9:6でブレンドした他は、実施例1と同様にして結晶化したポリエステルペレットを得た。
つづいて、得られたポリエステルペレットを用いて、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルム、さらに感熱孔版印刷用原紙を作成し、前記した方法に基づき原紙の特性および製版、印刷特性について評価を実施した。結果は、表に示したとおり優れたものであった。
(実施例15)
ジカルボン酸としてテレフタル酸ジメチルおよびイソフタル酸ジメチル(テレフタル酸ジメチルとイソフタル酸ジメチルのモル比は95:5)、グリコールとしてブタンジオールを用いて常法により重合し、固有粘度0.76の共重合ポリブチレンテレフタレートを得た。また、イソフタル酸成分の共重合量は、該共重合ポリブチレンテレフタレートのジカルボン酸成分に対して12モル%であった。該共重合ポリブチレンテレフタレートを以下、PBT‐I12と略称する。
ポリエステルAとしてPET‐I25と、ポリエステルBとしてホモPETとPBT‐I12を重量比85:9:6でブレンドした他は、実施例1と同様にして結晶化したポリエステルペレットを得た。
つづいて、得られたポリエステルペレットを用いて、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルム、さらに感熱孔版印刷用原紙を作成し、前記した方法に基づき原紙の特性および製版、印刷特性について評価を実施した。結果は、表に示したとおり優れたものであった。
(実施例16)
ジカルボン酸としてテレフタル酸、グリコール成分としてエチレングリコールを用いて常法により重合し、平均粒径1.5μmのシリカ粒子を0.5重量%添加し、固有粘度0.75のシリカ粒子含有ポリエチレンテレフタレート(シリカ粒子の含有量は0.5重量%である。また、以下PETSiと略称する)を得た。
ポリエステルAとしてPET‐I25と、ポリエステルBとしてPETSiを重量比85:15でブレンドした他は、実施例1と同様にして結晶化したポリエステルペレットを得た。
つづいて、得られたポリエステルペレットを用いて、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルム、さらに感熱孔版印刷用原紙を作成し、前記した方法に基づき原紙の特性および製版、印刷特性について評価を実施した。結果は、表に示したとおり優れたものであった。
(実施例17)
ジカルボン酸としてテレフタル酸ジメチルおよびイソフタル酸ジメチル(テレフタル酸ジメチルとイソフタル酸ジメチルのモル比は75:25)、グリコールとしてエチレングリコールを用いて常法により重合し、平均粒形1.5μmのシリカ粒子を0.5重量%添加させて、固有粘度0.75のシリカ粒子含有共重合ポリエチレンテレフタレートを得た。また、イソフタル酸成分の共重合量は、該共重合ポリエチレンテレフタレートのジカルボン酸成分に対して25モル%であった。該共重合ポリエチレンテレフタレートを以下、PET‐I25Siと略称する。
ポリエステルAとしてPET‐I25Siと、ポリエステルBとしてPETSiを重量比90:10でブレンドした他は、実施例1と同様にして結晶化したポリエステルペレットを得た。
つづいて、得られたポリエステルペレットを用いて、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルム、さらに感熱孔版印刷用原紙を作成し、前記した方法に基づき原紙の特性および製版、印刷特性について評価を実施した。結果は、表に示したとおり優れたものであった。
(実施例18−23)
実施例1−6の未結晶のポリエステルペレットを、それぞれ、カワタ製スーパーミキサー( S M C − 1 0 0 )に10kg仕込み、室温から800rpmで漕内温度が剪断発熱により70℃に達するまで剪断処理をおこなった。その後、ふるいを用いて、剪断処理によって発生したペレット粉を落とした。この後、140℃で加熱処理し、結晶化したポリエステルペレットを得た(実施例18−23)。
上記作業をそれぞれ55回行い、実施例18−23の結晶化ポリエステルペレットをそれぞれ500kg作成した。つづいて、実施例1と同様にして、それぞれ、二軸配向ポリエステルフィルム、さらに感熱孔版印刷用原紙を作成し、前記した方法に基づき原紙の特性および製版、印刷特性について評価を実施した。結果は、表に示したとおり優れたものであった。
(比較例1)
ポリエステルAとしてPET‐I25と、ポリエステルBとしてホモPETをそれぞれ重量比60:40でブレンドした他は、実施例1と同様にして結晶化したポリエステルペレットを得た。
つづいて、得られたポリエステルペレットを用いて、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルム、さらに感熱孔版印刷用原紙を作成し、前記した方法に基づき原紙の特性および製版、印刷特性について評価を実施した。結果は、穿孔感度、穿孔不発率が低く、感熱孔版印刷用原紙として不適であった。
(比較例2)
ポリエステルAとしてPET‐I25と、ポリエステルBとしてホモPBTをそれぞれ重量比90:10でブレンドした他は、実施例1と同様にして結晶化したポリエステルペレットを得た。つづいて、得られたポリエステルペレットを用いて、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルム、さらに感熱孔版印刷用原紙を作成し、前記した方法に基づき原紙の特性および製版、印刷特性について評価を実施した。結果は、カール性、穿孔感度、穿孔不発率、穿孔均一性が低く、感熱孔版印刷用原紙として不適であった。
(比較例3)
ポリエステルAとしてPET‐I25と、ポリエステルBとしてホモPETをそれぞれ重量比98:2でブレンドした他は、実施例1と同様にして未結晶のポリエステルペレットを得た。得られた未結晶ポリエステルペレットを用いてフィルムを作成しようとしたが、乾燥性テストにおいて、×だったため、不合格とし、フィルム化しなかった。
(比較例4)
ポリエステルAとしてPET‐I40と、ポリエステルBとしてホモPETをそれぞれ重量比80:20でブレンドした他は、実施例1と同様にして結晶化したポリエステルペレットを得た。得られた未結晶ポリエステルペレットを用いてフィルムを作成しようとしたが、乾燥性テストにおいて、×だったため、不合格とし、フィルム化しなかった。
(比較例5)
ジカルボン酸としてテレフタル酸ジメチルおよびイソフタル酸ジメチル(テレフタル酸ジメチルとイソフタル酸ジメチルのモル比は80:20)と、グリコールとしてエチレングリコールを用いて常法により重合し、固有粘度0.76の共重合ポリエチレンテレフタレートを得た。また、イソフタル酸成分の共重合量は、該共重合ポリエチレンテレフタレートのジカルボン酸成分に対して20モル%であった。該共重合ポリエチレンテレフタレートを以下、PET‐I20と略称する。
PET‐I20を実施例1と同様の方法で未結晶のポリエステルペレットを得た。得られた未結晶ポリエステルペレットを用いてフィルムを作成しようとしたが、乾燥性テストにおいて、×だったため、不合格とし、フィルム化しなかった。
(実施例24)
実施例1で得られた結晶化ポリエステルペレットと、実施例1に記載の結晶化方法を用いて結晶化せしめたホモPBTペレットを重量比50:50でブレンドし、ペレット混合体を得た。
得られたペレット混合体500kgを回分式の真空乾燥機を用いて、真空下、180℃で3時間乾燥した。その後、スクリュー径45mmの押出機を用いて、Tダイ口金温度270℃で、乾燥済みのペレット混合体を押し出し、直径300mmの冷却ドラム上にキャストして未延伸フィルムを作製した。ついで100℃の加熱ロール間で長手方向に3.5倍延伸した後、テンター式延伸機に送り込み、105℃で幅方向に3.8倍延伸し、さらにテンター内で115℃で熱処理して、二軸配向ポリエステルフィルムを作製した。
得られたフィルムに酢酸ビニルを接着剤としてマニラ麻を原料とする天然繊維100%の繊維目付量14g/m2 の和紙と貼り合わせ、フィルム面にシリコーン系離型剤を塗布して感熱孔版印刷用原紙を作製した。前記した方法に基づき原紙の特性および製版、印刷特性について評価を実施した。結果は、表に示したとおり優れたものであった。
(実施例25)
実施例2で得られた結晶化ポリエステルペレットと、実施例1に記載の結晶化方法を用いて結晶化せしめたホモPBTペレットを重量比50:50でブレンドし、ペレット混合体を得た他は実施例24と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを作製した後、感熱孔版印刷用原紙とした。製版、印刷特性は、表に示したとおり優れたものであった。
(実施例26)
実施例1で得られた結晶化ポリエステルペレットと、実施例1に記載の結晶化方法を用いて結晶化せしめたホモPBTの重量比を90:10でブレンドし、ペレット混合体を得た他は実施例24と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを作製した後、感熱孔版印刷用原紙とした。製版、印刷特性は、表に示したとおり優れたものであった。
(実施例27)
実施例2で得られた結晶化ポリエステルペレットと、実施例1に記載の結晶化方法を用いて結晶化せしめたホモPBTの重量比を90:10でブレンドし、ペレット混合体を得た他は実施例24と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを作製した後、感熱孔版印刷用原紙とした。製版、印刷特性は、表に示したとおり優れたものであった。
(実施例28)
実施例1で得られた結晶化ポリエステルペレットと、実施例1に記載の結晶化方法を用いて結晶化せしめたPBT/I12を重量比70:30でブレンドし、ペレット混合体を得た他は実施例24と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを作製した後、感熱孔版印刷用原紙とした。製版、印刷特性は、表に示したとおり優れたものであった。
(実施例29)
実施例2で得られた結晶化ポリエステルペレットと、実施例1に記載の結晶化方法を用いて結晶化せしめたPBT/I12を重量比70:30でブレンドし、ペレット混合体を得た他は実施例24と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを作製した後、感熱孔版印刷用原紙とした。製版、印刷特性は、表に示したとおり優れたものであった。
(実施例30)
実施例1で得られた結晶化ポリエステルペレットと、実施例1に記載の結晶化方法を用いて結晶化せしめたホモPHMTを重量比80:20でブレンドし、ペレット混合体を得た他は実施例24と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを作製した後、感熱孔版印刷用原紙とした。製版、印刷特性は、表に示したとおり優れたものであった。
(実施例31)
実施例2で得られた結晶化ポリエステルペレットと、実施例1に記載の結晶化方法を用いて結晶化せしめたホモPHMTを重量比80:20でブレンドし、ペレット混合体を得た他は実施例24と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを作製した後、感熱孔版印刷用原紙とした。製版、印刷特性は、表に示したとおり優れたものであった。
(実施例32)
実施例1で得られた結晶化ポリエステルペレットと、実施例1に記載の結晶化方法を用いて結晶化せしめたPBT/I12とホモPENを重量比60:20:20でブレンドし、ペレット混合体を得た他は実施例24と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを作製した後、感熱孔版印刷用原紙とした。製版、印刷特性は、表に示したとおり優れたものであった。
(実施例33)
実施例2で得られた結晶化ポリエステルペレットと、実施例1に記載の結晶化方法を用いて結晶化せしめたPBT/I12とホモPENを重量比60:20:20でブレンドし、ペレット混合体を得た他は実施例24と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを作製した後、感熱孔版印刷用原紙とした。製版、印刷特性は、表に示したとおり優れたものであった。
(実施例34)
実施例1で得られた未延伸ポリエステルフィルムを100℃の加熱ロール間で長手方向に4.1倍延伸した後、テンター式延伸機に送り込み、105℃で幅方向に4.3倍延伸し、さらにテンター内で115℃で熱処理して二軸配向ポリエステルフィルムを作製した。つづいて、実施例1と同様にして感熱孔版印刷用原紙を作成し、前記した方法に基づき原紙の特性および製版、印刷特性について評価を実施した。結果は、表に示したとおり優れたものであった。
(実施例35)
実施例2で得られた未延伸ポリエステルフィルムを100℃の加熱ロール間で長手方向に4.1倍延伸した後、テンター式延伸機に送り込み、105℃で幅方向に4.3倍延伸し、さらにテンター内で115℃で熱処理して二軸配向ポリエステルフィルムを作製した。つづいて、実施例1と同様にして感熱孔版印刷用原紙を作成し、前記した方法に基づき原紙の特性および製版、印刷特性について評価を実施した。結果は、表に示したとおり優れたものであった。
(実施例36)
実施例1で得られた結晶化ポリエステルペレットと、実施例1に記載の結晶化方法を用いて結晶化せしめたホモPBTペレットを重量比40:60でブレンドし、ペレット混合体を得た他は実施例24と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを作製した後、感熱孔版印刷用原紙とした。製版、印刷特性は、表に示したとおりあった。
(実施例37)
実施例2で得られた結晶化ポリエステルペレットと、実施例1に記載の結晶化方法を用いて結晶化せしめたホモPBTペレットを重量比40:60でブレンドし、ペレット混合体を得た他は実施例24と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを作製した後、感熱孔版印刷用原紙とした。製版、印刷特性は、表に示したとおりあった。
(比較例6)
比較例5で得られたPET‐I20の未結晶ポリエステルペレットを、カワタ製スーパーミキサー( S M C − 1 0 0 )に10kg仕込み、室温から800rpmで漕内温度が剪断発熱により70℃に達するまで剪断処理をおこなった。その後、ふるいを用いて、剪断処理によって発生したペレット粉を落とした。この後、140℃で加熱処理し、結晶化したポリエステルペレットを得た。上記作業をそれぞれ55回行い、結晶化ポリエステルペレットを450kg作成した。なお、この結晶化したPET‐I20のTmは214℃であり、ΔHmは34J/gであった。
この結晶化したPET‐I20450kgにホモPET50kgを加えてブレンドし、回分式の真空乾燥機を用いて、真空下、180℃で3時間乾燥した後は、実施例1と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを作製した後、感熱孔版印刷用原紙とした。前記した方法に基づき原紙の特性および製版、印刷特性について評価を実施したところ、結果は、穿孔不発率、穿孔均一性が低く、感熱孔版印刷用原紙として不適であった。
(比較例7)
比較例6と同様にしてPET‐I20を結晶化したPET‐I20を500kg得た。この結晶化したPET‐I20をベントを備えたスクリュー径30mmの二軸押し出し機を用いて、真空下で水分を除去しつつ溶融押出しを行い、Tダイ口金温度270℃で押し出し、直径300mmの冷却ドラム上にキャストして未延伸フィルムを作製した。
つづいて、100℃の加熱ロール間で長手方向に3.5倍延伸した後、テンター式延伸機に送り込み、105℃で幅方向に3.8倍延伸し、さらにテンター内で115℃で熱処理して、二軸配向ポリエステルフィルムを作製した。
得られたフィルムに酢酸ビニルを接着剤としてマニラ麻を原料とする天然繊維100%の繊維目付量14g/m2 の和紙と貼り合わせ、フィルム面にシリコーン系離型剤を塗布して感熱孔版印刷用原紙を作製した。前記した方法に基づき原紙の特性および製版、印刷特性について評価を実施したところ、結果は、穿孔均一性が低く、感熱孔版印刷用原紙として不適であった。
(比較例8)
ジカルボン酸としてテレフタル酸ジメチルおよびイソフタル酸ジメチル(テレフタル酸ジメチルとイソフタル酸ジメチルのモル比は90:10)と、グリコールとしてエチレングリコールを用いて常法により重合し、固有粘度0.76の共重合ポリエチレンテレフタレートを得た。また、イソフタル酸成分の共重合量は、該共重合ポリエチレンテレフタレートのジカルボン酸成分に対して10モル%であった。該共重合ポリエチレンテレフタレートを以下、PET‐I10と略称する。
PET‐I10を実施例1に記載の結晶化方法で結晶化せしめ、結晶化ポリエステルペレットを得た。
つづいて、得られたポリエステルペレットを用いて、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルム、さらに感熱孔版印刷用原紙を作成し、前記した方法に基づき原紙の特性および製版、印刷特性について評価を実施した。結果は、ほとんど穿孔できず、感熱孔版印刷用原紙として不適であった(なお、ほとんど穿孔できなかったため、穿孔均一性を評価することができなかった)。
(比較例9)
ポリエステルAとしてPET‐I40と、ポリエステルBとしてホモPETを用い、重量比45:55とした他は、実施例1と同様にして結晶化したポリエステルペレットを得た。
つづいて、得られたポリエステルペレットを用いて、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルム、さらに感熱孔版印刷用原紙を作成し、前記した方法に基づき原紙の特性および製版、印刷特性について評価を実施した。結果は、穿孔不発率、穿孔感度が低く、感熱孔版印刷用原紙として不適であった。
Figure 2010174098
Figure 2010174098
IPA:イソフタル酸成分
TPA:テレフタル酸成分
EG:エチレングリコール成分
BD:1,4−ブタンジオール成分
PD:1,3−プロパンジオール成分
HD:1,6-ヘキサンジオール成分
Figure 2010174098
Figure 2010174098
Figure 2010174098
本発明のポリエステルペレットは生産性に優れ、特に感熱孔版印刷用原紙として用いた場合には、搬送で失敗することなく穿孔感度が良好で、印刷鮮明に効率よく印刷することができ、有用なものである。

Claims (6)

  1. グリコール成分の93モル%以上がエチレングリコール成分であり、
    ジカルボン酸成分の70〜83モル%がテレフタル酸成分であり、17〜30モル%がイソフタル酸成分であり、かつ225℃〜250℃の温度範囲において融点が少なくともひとつ存在し、該温度範囲における融点の最大結晶融解エネルギーが5〜40J/gであるポリエステルペレット。
  2. イソフタル酸成分共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)50〜95重量%と、ホモポリエチレンテレフタレート樹脂(B)5〜50重量%からなる請求項1に記載のポリエステルペレット。
  3. 請求項1または2に記載のポリエステルペレットを用いてなるポリエステルフィルム。
  4. 感熱孔版印刷原紙に用いられる請求項3に記載のポリエステルフィルム。
  5. 65℃・60分での熱収縮率が1%以下であり、かつ100℃・30分での熱収縮率が10〜40%である請求項4に記載の感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム。
  6. 請求項1または2に記載のポリエステルペレットの水分率を90ppm以下とし、該ペレットを溶融押出しし、フィルム化する感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルムの製造方法。
JP2009016763A 2009-01-28 2009-01-28 ポリエステルペレットおよびそれを用いたフィルム並びにフィルムの製造方法 Pending JP2010174098A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009016763A JP2010174098A (ja) 2009-01-28 2009-01-28 ポリエステルペレットおよびそれを用いたフィルム並びにフィルムの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009016763A JP2010174098A (ja) 2009-01-28 2009-01-28 ポリエステルペレットおよびそれを用いたフィルム並びにフィルムの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010174098A true JP2010174098A (ja) 2010-08-12

Family

ID=42705379

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009016763A Pending JP2010174098A (ja) 2009-01-28 2009-01-28 ポリエステルペレットおよびそれを用いたフィルム並びにフィルムの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010174098A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017197766A (ja) * 2012-08-03 2017-11-02 東洋紡株式会社 ポリエステルフィルム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017197766A (ja) * 2012-08-03 2017-11-02 東洋紡株式会社 ポリエステルフィルム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20110130411A (ko) 반사판용 백색 필름
KR102265664B1 (ko) 공동 함유 폴리에스테르계 필름 및 그의 제조방법
JP3912556B2 (ja) 微細空洞含有ポリエステル系フィルム
JP2007079280A (ja) ボトル用熱収縮性ポリエステル系フィルムラベル
JP2010174098A (ja) ポリエステルペレットおよびそれを用いたフィルム並びにフィルムの製造方法
JP4913407B2 (ja) 熱可塑性樹脂成形体の製造方法
JP2008246537A (ja) レーザー穿孔性フィルムおよび孔版印刷用原紙
JP3505050B2 (ja) 微細気泡含有ポリエステルフィルムの製造方法
JP4248869B2 (ja) 高感度感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム
JP2010082908A (ja) 感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム
JP7501207B2 (ja) 感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム
JP5034145B2 (ja) ポリエステルフィルム
JP4540276B2 (ja) 感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルムの製造方法
JPH02158391A (ja) 感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム
JP2015208944A (ja) 感熱孔版印刷原紙用フィルム
JP3464852B2 (ja) 高感度感熱孔版印刷原紙用フィルム
JP2021008111A (ja) 感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム
JP2009138067A (ja) 二軸配向ポリエステルフィルムおよびそれを用いた孔版印刷用原紙ならびにその製造方法
JP3047441B2 (ja) 感熱孔版印刷原紙用フィルム
JP4045518B2 (ja) 感熱孔版印刷原紙用フィルムおよびそれを用いた原紙
JP2008207442A (ja) ペーパーレス感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム
JPH10291379A (ja) 感熱孔版印刷用フィルムおよび感熱孔版印刷マスター
JPH08244372A (ja) ペーパーレス感熱孔版印刷原紙用フィルム
JP2001315461A (ja) 感熱孔版印刷マスター
JPH07276844A (ja) 高感度感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム