JP2008244725A - 圧電薄膜デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】圧電薄膜共振子の副共振を効果的に抑制し、圧電薄膜デバイスの特性を向上する。
【解決手段】圧電薄膜共振子1では、対向領域191において下面電極14及び上面電極16が形成された圧電体薄膜15を支持基板11から離隔させた自由振動領域192の平面形状は、五角形となっており、五角形の輪郭134を構成する5個135〜139の辺の各々は相互に非平行になっている。これは、圧電体薄膜15の音響インピーダンスが自由振動領域192の内側と外側とで大きく異なり、輪郭134となっている部分が固定端に近い状態となっていることを考慮したものである。すなわち、自由振動領域192に内包される対向領域191から漏洩した弾性波は輪郭134となっている部分で反射するので、反射した弾性波が定在波を引き起こして副共振の原因となることがないようにしたものである。
【選択図】図2

Description

本発明は、単数又は複数の圧電薄膜共振子を含む圧電薄膜デバイスに関する。
圧電薄膜共振子(FBAR;Film Bulk Acoustic Resonator)は、支持体に支持された圧電体薄膜の両主面に電極を形成し、圧電体薄膜を挟んで電極を対向させた構造を有する。圧電薄膜共振子は、圧電体薄膜を挟んで電極が対向する対向領域に励振された厚み縦振動に起因する電気的な応答を利用した共振子となっている。
しかし、圧電薄膜共振子では、圧電体薄膜の広がり方向に伝播する弾性波が対向領域の外郭において反射して定在波を引き起こし、副共振の原因となる場合がある。この副共振の問題を解決するため、対向領域の平面形状を不規則形状とした圧電伝薄膜共振子が特許文献1に紹介されている。
特開2000−332568号公報
しかし、特許文献1の圧電薄膜共振子は、確かに副共振を抑制することができるものの、その効果が不十分であるという問題を有していた。本発明は、この課題を解決するためになされたもので、圧電薄膜共振子の副共振を効果的に抑制し、圧電薄膜デバイスの特性を向上することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、単数又は複数の圧電薄膜共振子を含む圧電薄膜デバイスであって、圧電体薄膜と、前記圧電体薄膜の両主面にそれぞれ形成され、対向領域において前記圧電体薄膜を挟んで対向する電極と、前記圧電体薄膜を支持する支持体とを備え、前記圧電体薄膜が前記支持体から離隔された自由振動領域の平面形状が非円形であって、前記自由振動領域の平面形状を規定する輪郭が連続する平行部分を実質的に含まない。
請求項2の発明は、前記自由振動領域の平面形状を規定する輪郭が、前記対向領域の平面形状を規定する輪郭と平行な連続する平行部分を実質的に含まない請求項1に記載の圧電薄膜デバイスである。
請求項3の発明は、前記自由振動領域の平面形状を規定する輪郭が、複数の直線区分を含み、前記複数の直線区分の各々が相互に非平行となっている請求項1又は請求項2に記載の圧電薄膜デバイスである。
請求項4の発明は、前記輪郭が、曲線区分を含む請求項1又は請求項2に記載の圧電薄膜デバイスである。
請求項5の発明は、前記自由振動領域の平面形状が、回転対称軸Cn(n≧2)を持たない請求項1に記載の圧電薄膜デバイスである。
請求項6の発明は、前記電極が前記圧電体薄膜の平坦な両主面に形成される請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の圧電薄膜デバイスである。
本発明によれば、圧電薄膜共振子の副共振を効果的に抑制し、圧電薄膜デバイスの特性を向上することができる。
請求項2の発明によれば、圧電薄膜デバイスの特性をさらに向上することができる。
<1.1 全体構造>
以下では、単独の圧電薄膜共振子(FBAR;Film Bulk Acoustic Resonator)を例として、本発明の圧電薄膜デバイスの望ましい実施形態について説明する。しかし、以下で説明する実施形態は、本発明の圧電薄膜デバイスが単独の圧電薄膜共振子に限定されることを意味するものではない。すなわち、本発明における圧電薄膜デバイスとは、一般的にいえば、単数又は複数の圧電薄膜共振子を含む圧電薄膜デバイス全般を意味しており、単一の圧電薄膜共振子を含む発振子及びトラップ等並びに複数の圧電薄膜共振子を含むフィルタ、デュプレクサ、トリプレクサ及びトラップ等を包含している。
図1〜図3は、圧電薄膜共振子1の模式図である。図1は、圧電薄膜共振子1の斜視図、図2は、圧電薄膜共振子1の平面図、図3は、図2のIII-IIIで示される切断線における圧電薄膜共振子1の断面図となっている。図1〜図3には、説明の便宜上、左右方向をX軸方向、前後方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とする共通のXYZ直交座標系が定義されている。
図1〜図3に示すように、圧電薄膜共振子1は、支持基板11の上に、接着層12、キャビティ形成膜13、下面電極14、圧電体薄膜15及び上面電極16(161,162)をこの順序で積層した構造を有している。圧電薄膜共振子1の製造にあたっては、単独で自重に耐え得る後述の圧電体基板17を除去加工することにより圧電体薄膜15を得ているが、除去加工によって得られる圧電体薄膜15は単独で自重に耐え得ない。このため、圧電薄膜共振子1の製造にあたっては、除去加工に先立って、キャビティ形成膜13及び下面電極14を形成した圧電体基板17を支持体となる支持基板11にあらかじめ接着している。
<1.2 支持基板>
支持基板11は、圧電薄膜共振子1の製造途上で圧電体基板17を除去加工するときに、キャビティ形成膜13及び下面電極14が下面に形成された圧電体基板17を接着層12を介して支持する支持体としての役割を有している。加えて、支持基板11は、圧電薄膜共振子1の製造後に、キャビティ形成膜13及び下面電極14が下面に形成され、上面電極16が上面に形成された圧電体薄膜15を接着層12を介して支持する支持体としての役割も有している。したがって、支持基板11には、圧電体基板17を除去加工するときに加わる力に耐え得ることと、圧電薄膜共振子1の製造後にも強度が低下しないこととが要請される。
支持基板11の材料及び厚さは、このような要請を満足するように、適宜選択することができる。ただし、支持基板11の材料を、圧電体薄膜15を構成する圧電材料と近い熱膨張率、より望ましくは、圧電体薄膜15を構成する圧電材料と同じ熱膨張率を有する材料、例えば、圧電体薄膜15を構成する圧電材料と同じ材料とすれば、圧電薄膜共振子1の製造途上において、熱膨張率の差に起因する反りや破損を抑制することができ、圧電薄膜共振子1の製造後において、熱膨張率の差に起因する特性変動や破損を抑制することができる。なお、熱膨張率に異方性がある材料を用いる場合、支持基板11と圧電体薄膜15とで各方向の熱膨張率がともに同じとなるように配慮することが望ましく、支持基板11と圧電体薄膜15とに同じ圧電材料を用いる場合、支持基板11と圧電体薄膜15とで結晶方位を一致させることが望ましい。
<1.3 接着層>
接着層12は、圧電薄膜共振子1の製造途上で圧電体基板17を除去加工するときに、キャビティ形成膜13及び下面電極14が下面に形成された圧電体基板17を支持基板11に接着固定する役割を有している。加えて、接着層12は、圧電薄膜共振子1の製造後に、キャビティ形成膜13及び下面電極14が下面に形成され、上面電極16が上面に形成された圧電体薄膜15を支持基板11に接着固定する役割も有している。したがって、接着層12には、圧電体基板17を除去加工するときに加わる力に耐え得ることと、圧電薄膜共振子1の製造後にも接着力が低下しないこととが要請される。
このような要請を満足する接着層12の望ましい例としては、有機接着剤、望ましくは、充填効果を有し、接着対象が完全に平坦ではなくても十分な接着力を発揮するエポキシ接着剤(熱硬化性を利用するエポキシ樹脂の接着剤)やアクリル接着剤(光硬化性及び熱硬化性を併用するアクリル樹脂の接着剤)により形成された接着層12を挙げることができる。このような樹脂を採用することにより、支持基板11と圧電体基板17との間に期待しない空隙が生じることを防止し、当該空隙により圧電体基板17の除去加工時にクラック等が発生することを防止可能である。ただし、このことは、これ以外の接着層12によって支持基板11と圧電体薄膜15とが接着固定されることを妨げるものではない。
<1.4 キャビティ形成膜>
キャビティ形成膜13は、絶縁材料を成膜することにより得られた絶縁体膜である。キャビティ形成膜13は、対向領域191の外側に形成され、自由振動領域192において圧電体薄膜15を支持基板11から離隔させるキャビティ(空洞)135を形成している。このようなスペーサとしての役割を有するキャビティ形成膜13により、自由振動領域192において圧電体薄膜15が支持基板11と干渉しなくなり、対向領域191における励振が阻害されることがなくなる。
キャビティ形成膜13を構成する絶縁材料は、特に制限されないが、二酸化ケイ素(SiO2)等の絶縁材料から選択することが望ましい。
<1.5 圧電体薄膜>
圧電体薄膜15は、圧電体基板17を除去加工することにより得られる。より具体的には、圧電体薄膜15は、単独で自重に耐え得る厚み(例えば、50μm以上)を有する圧電体基板17を、単独で自重に耐え得ない膜厚(例えば、10μm以下)まで除去加工で薄肉化することにより得られる。
圧電体薄膜15を構成する圧電材料としては、所望の圧電特性を有する圧電材料を選択することができるが、水晶(SiO2)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、四ホウ酸リチウム(Li2B4O7)、酸化亜鉛(ZnO)、ニオブ酸カリウム(KNbO3)及びランガサイト(La3Ga3SiO14)等の粒界を含まない単結晶材料を選択することが望ましい。圧電体薄膜15を構成する圧電材料として単結晶材料を用いることにより、圧電体薄膜15の電気機械結合係数及び機械的品質係数を向上することができるからである。
また、圧電体薄膜15における結晶方位も、所望の圧電特性を有する結晶方位を選択することができる。ここで、圧電体薄膜15における結晶方位は、圧電薄膜共振子1の共振周波数や反共振周波数の温度特性が良好となる結晶方位とすることが望ましく、周波数温度係数が「0」となる結晶方位とすることがさらに望ましい。
圧電体基板17の除去加工は、切削、研削及び研磨等の機械加工並びにエッチング等の化学加工等により行う。ここで、複数の除去加工方法を組み合わせ、加工速度が速い除去加工方法から、加工対象に生じる加工変質が小さい除去加工方法へと除去加工方法を段階的に切り替えながら圧電体基板を除去加工すれば、高い生産性を維持しつつ、圧電体薄膜15の品質を向上し、圧電薄膜共振子1の特性を向上することができる。例えば、圧電体基板17を固定砥粒に接触させて削る研削及び圧電体基板17を遊離砥粒に接触させて削る研磨を順次行った後に、当該研磨によって圧電体基板17に生じた加工変質層を仕上げ研磨により除去するようにすれば、圧電体基板17を削る速度が早くなり、圧電薄膜共振子1の生産性を向上することができるとともに、圧電体薄膜15の品質を向上することにより、圧電薄膜共振子1の特性を向上することができる。
このような圧電薄膜共振子1では、圧電体薄膜15をスパッタリング等により成膜した場合と異なり、圧電体薄膜15を構成する圧電材料や圧電体薄膜15における結晶方位が下地の制約を受けないので、圧電体薄膜15を構成する圧電材料や圧電体薄膜15における結晶方位の選択の自由度が高くなっている。したがって、圧電薄膜共振子1では、所望の特性を実現することが容易になっている。
この圧電体薄膜15には、圧電体薄膜15の下面と上面との間を貫通し、圧電体薄膜15を挟んで対向する下面電極14と上面電極162とを導通させるバイアホール155が形成されている。バイアホール155は、その内側面に成膜された導電体薄膜により下面電極14と上面電極162とを電気的に接続する。
<1.6 下面電極及び上面電極>
下面電極14及び上面電極16は、それぞれ、圧電体薄膜15の平坦に研磨された下面及び上面に導電材料を成膜することにより形成された導電体薄膜である。ここで、圧電体薄膜15の下面及び上面が「平坦」であるとは、研磨後に不可避的に残存する表面粗さを超えるような凹凸がない状態をいう。圧電体薄膜15の平坦な下面に下面電極14を形成すること及び圧電体薄膜15の平坦な上面に上面電極16を成膜することには、フォトリソグラフィにより下面電極14及び上面電極16を形成する場合に、上面電極14及び下面電極16の寸法精度を向上することができるという利点がある。このような寸法精度の向上効果は、下面電極14及び上面電極16の輪郭が圧電体薄膜15の下面及び上面の平坦な部分に位置していれば得ることができる。
下面電極14及び上面電極16を構成する導電材料は、特に制限されないが、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、銅(Cu)、白金(Pt)、金(Au)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)及びタンタル(Ta)等の金属から選択することが望ましい。もちろん、下面電極14及び上面電極16を構成する導電材料として合金を用いてもよい。また、複数種類の導電材料を重ねて成膜することにより、下面電極14及び上面電極16を形成してもよい。
図4及び図5は、それぞれ、下面電極14及び上面電極16のパターンを示す図である。図4及び図5にも、図2〜図4と共通のXYZ直交座標系が定義されている。
図2、図4及び図5に示すように、下面電極14の一部を占める細長の五角形の駆動部141は、対向領域191において、上面電極161の一部を占める細長の五角形の駆動部1611と圧電体薄膜15を挟んで対向している。下面電極141の、駆動部1411を除く残余を占める給電部144は、バイアホール155によって、上面電極162に接続されている。
このような下面電極14及び上面電極16のパターンにより、圧電薄膜共振子1では、外部に露出している上面電極161と上面電極162の給電部1622とに励振信号が印加されると、下面電極14の駆動部141と上面電極161の駆動部1611とに励振信号が供給され、対向領域191に振動が励振されることになる。これにより、圧電薄膜共振子1は、厚み縦振動又は厚みすべり振動を利用したエネルギー閉じ込め型の共振子として機能する。
<1.7 自由振動領域及び対向領域の平面形状>
圧電薄膜共振子1では、図2に示すように、キャビティ133の平面形状、すなわち、下面電極14及び上面電極16が形成された圧電体薄膜15が支持基板11から離隔された自由振動領域192の平面形状は、五角形となっており、五角形の輪郭134を構成する5個135〜139の辺の各々は相互に非平行になっている。
これは、圧電体薄膜15の音響インピーダンスが自由振動領域192の内側と外側とで大きく異なり、輪郭134となっている部分が固定端に近い状態となっていることを考慮したものである。仮に自由振動領域192の平面形状が、輪郭に平行部分を有する(平行な辺を有する)多角形の場合、自由振動領域192に内包される対向領域191から漏洩した圧電体薄膜の広がり方向に伝搬する横モードは自由振動領域192の平行の辺の間で励振されやすくなり、厚み縦振動モードに対する副共振(スプリアス)となる。しかしながら、図2に示すように、自由振動領域192の平面形状を五角形とすることで、横モードが励振されにくくなり(横モードのQが小さくなり)、厚み縦振動モードに対する副共振が抑圧されるようになる。
この観点からは、自由振動領域192の平面形状は、五角形である必要はなく、平行な辺さえ持たなければ、三角形、四角形、六角形及び七角形等であってもよい。すなわち、4個以下又は6個以上の辺から輪郭が構成される多角形であってもよい。
また、自由振動領域192の平面形状の輪郭が、辺(直線区分)のみから構成されることも必須ではなく、連続する平行部分を含まなければ、図6に示すように、円弧等の曲線区分235及び直線区分236〜239の両方から構成されていてもよいし、図7に示すように、曲線区分335〜339のみから構成されていてもよい。
ここで、「連続する平行部分を含まない」とは、輪郭の特定の部分と平行な部分が連続しないという意味である。したがって、図8に示すように、波形の輪郭335の特定の部分(例えば、点439)と平行な部分(例えば、点436〜438)が複数あっても、それが連続していなければ問題とはならない。
また、連続する平行部分を含まないことについては、連続する平行部分を実質的に含んでいるか否かに基づいて判断すべきである。すなわち、圧電薄膜共振子1の特性に実質的に影響を及ぼさないようなごく短い(概ね輪郭の全長の3%以下の)連続する平行部分を輪郭が含んでいても、「連続する平行部分を含まない」とみなすべきである。
さらに、副共振の縮退を解除して副共振の強度を低下させるためには、自由振動領域192の平面形状の対称性は低いことが望ましい。より具体的には、当該平面形状に垂直な回転対称軸Cn(n≧2)を持たないことが望ましい。したがって、回転対称軸Cn(n≧2)を有する多角形よりは回転対称軸Cn(n≧2)を有さない多角形が望ましい。また、自由振動領域192の平面形状を無限回対称軸Cを持つ円形とすることは望ましくなく、非円形とすることが望ましい。
加えて、圧電薄膜共振子1では、対向領域191の平面形状と自由振動領域192の平面形状とは非相似となっており、輪郭134を構成する5個135〜139の辺の各々は、対向領域191の平面形状(五角形)の輪郭194を構成する5個の辺195〜199のいずれとも非平行になっている。このように、輪郭194が輪郭134と平行な連続する平行部分を含まないようにすれば、副共振をより強力に抑圧することができる。ここで、連続する平行部分を含まないことについては、先に述べたとのと同様に、連続する平行部分を実質的に含んでいるか否かに基づいて判断すべきであり、圧電薄膜共振子1の特性に実質的に影響を及ぼさないようなごく短い(概ね輪郭の全長の3%以下の)連続する平行部分を輪郭が含んでいても、「連続する平行部分を含まない」とみなすべきである。
対向領域191の平面形状についても、自由振動領域192の平面形状と同様のことがいる。すなわち、対向領域191の平面形状も、連続する平行部分を実質的に含まない輪郭を有する非円形であることが望ましい。ただし、このことは、対向領域191の平面形状を円形や正方形や矩形等にすることを妨げるものではない。
なお、上述の説明では、自由振動領域192が対向領域191を内包しているとしたが、対向領域191の一部が自由振動領域192の外側にある場合にも本発明は適用可能である。
<1.8 製造方法>
続いて、支持基板11及び圧電体薄膜15を構成する圧電材料としてニオブ酸リチウムの単結晶、接着層12を構成する材料としてエポキシ接着剤、キャビティ形成膜13を構成する絶縁材料として二酸化ケイ素、下面電極14及び上面電極16を構成する導電材料としてタングステンを用いた場合を例として、圧電薄膜共振子1の製造方法を説明する。ただし、以下で説明する製造方法は例示に過ぎず、所望の特性に応じて材料を変更することを妨げるものではない。また、圧電体薄膜15を圧電体基板17の除去加工により得ることも必須ではなく、従来から行われているように、基板の上に下面電極14、圧電体薄膜15及び上面電極16をスパッタリング等の付加加工で順次成膜することにより圧電薄膜共振子1を製造してもよい。
なお、以下で説明する製造方法においては、圧電薄膜共振子1は、製造原価の低減のために、多数(典型的には、数100個〜数1000個)の圧電薄膜共振子1を一体化したマザー基板を作製して先述の周波数調整を行った後に、当該マザー基板をダイシングソーで切断して個々の圧電薄膜共振子1へ分離することによって得られている。
以下では、便宜上、当該マザー基板に含まれる1個の圧電薄膜共振子1に着目して説明を進めるが、マザー基板に含まれる他の圧電薄膜共振子1も着目した圧電薄膜共振子1と同時平行して製造されている。
圧電薄膜共振子1の製造にあたっては、最初に、圧電体基板17の下面の全面にタングステン膜をスパッタリングにより成膜し、一般的なフォトリソグラフィプロセスを用いてパターニングを行い、図4に示すパターンを有する下面電極14を得る(図9)。
続いて、圧電体基板17の下面の全面に二酸化ケイ素膜をスパッタリングにより成膜し、一般的なフォトリソグラフィプロセスを用いてパターニングを行い、キャビティ形成膜13を形成する(図10)。
さらに続いて、支持基板11の上面に接着層12となるエポキシ接着剤を塗布し、支持基板11の上面と、下面電極14及びキャビティ形成膜13が形成された圧電体基板17の下面とを張り合わせる。そして、支持基板11及び圧電体基板17に圧力を印加してプレス圧着を行う。しかる後に、エポキシ接着剤を硬化させ、支持基板11と圧電体基板17を接着する(図11)。
支持基板11と圧電体基板17との接着が完了した後、圧電体基板17を支持基板11に接着した状態を維持したまま、支持基板11の下面を研磨治具に接着固定し、圧電体基板17の上面を固定砥粒の研削機で研削加工し、圧電体基板17を薄肉化する。さらに、圧電体基板17の上面をダイヤモンド砥粒で研磨加工し、圧電体基板17をさらに薄肉化する。最後に、ダイヤモンド砥粒による研磨加工で圧電体基板17に生じた加工変質層を除去するために、遊離砥粒及び不繊布系研磨パッドを使用して圧電体基板17の仕上げ研磨を行い、所望の膜厚の圧電体薄膜15を得る(図12)。
次に、圧電体薄膜15の上面(研磨面)を有機溶剤で洗浄し、クロム膜と金膜とを圧電体薄膜15の上面に順次成膜し、得られた積層膜を一般的なフォトリソグラフィプロセスを用いてパターニングすることにより、圧電体薄膜15の、バイアホール155を形成すべき部分のみを露出させたエッチングマスク18を得る(図13)。
エッチングマスク18の形成後、加熱したバッファードフッ酸で圧電体薄膜15のエッチングを行い、圧電体薄膜15の上面と下面との間を貫通するバイアホール155を形成して下面電極14を露出させるとともに、エッチングマスク18をエッチングにより除去した(図14)。
そして、圧電体基板17の上面の全面にタングステン膜をスパッタリングにより成膜し、一般的なフォトリソグラフィプロセスを用いてパターニングを行い、図5に示すパターンを有する上面電極16を得る(図15)。これにより、圧電薄膜共振子1が製造されたことになる。
<1.9 自由振動領域の平面形状による副共振の抑制効果>
図16及び図17は、それぞれ、自由振動領域192の平面形状を先述の五角形にした場合及び矩形にした場合の圧電薄膜共振子の周波数インピーダンス特性及び位相インピーダンス特性を示す図である。また、図18及び図19は、それぞれ、自由振動領域192の平面形状を上述の五角形にした場合及び矩形にした場合の圧電薄膜共振子の電圧反射係数のスミスチャート上での動きを示す図である。
図18及び図19に示すように、自由振動領域192の平面形状を矩形とすると、共振周波数と反共振周波数との間や反共振周波数よりも高周波数側に副共振が重畳しているが(図17及び図19の中の矢印で示した部分)、自由振動領域192の平面形状を五角形にすることにより、これらの副共振を抑制することができている。このような副共振の抑制効果は、自由振動領域192の平面形状が五角形である場合のみならず、先述の形状とした場合にも得ることができる。
本発明の望ましい実施形態に係る圧電薄膜共振子の斜視図である。 圧電薄膜共振子の平面図である。 図2のIII-IIIで示される切断線における圧電薄膜共振子の断面図である。 下面電極のパターンを示す図である。 上面電極のパターンを示す図である。 キャビティの平面形状の例を示す図である。 キャビティの平面形状の例を示す図である。 キャビティの平面形状の例を示す図である。 製造途上の圧電薄膜共振子の断面図である。 製造途上の圧電薄膜共振子の断面図である。 製造途上の圧電薄膜共振子の断面図である。 製造途上の圧電薄膜共振子の断面図である。 製造途上の圧電薄膜共振子の断面図である。 製造途上の圧電薄膜共振子の断面図である。 製造途上の圧電薄膜共振子の断面図である。 圧電薄膜共振子の周波数インピーダンス特性を示す図である。 圧電薄膜共振子の周波数インピーダンス特性を示す図である。 圧電薄膜共振子の電圧反射係数のスミスチャート上での動きを示す図である。 圧電薄膜共振子の電圧反射係数のスミスチャート上での動きを示す図である。
符号の説明
1 圧電薄膜共振子
11 支持基板
12 接着層
13 キャビティ形成膜
14 下面電極
15 圧電体薄膜
16 上面電極
133 キャビティ
191 対向領域
192 自由振動領域

Claims (6)

  1. 単数又は複数の圧電薄膜共振子を含む圧電薄膜デバイスであって、
    圧電体薄膜と、
    前記圧電体薄膜の両主面にそれぞれ形成され、対向領域において前記圧電体薄膜を挟んで対向する電極と、
    前記圧電体薄膜を支持する支持体と、
    を備え、
    前記圧電体薄膜が前記支持体から離隔された自由振動領域の平面形状が非円形であって、前記自由振動領域の平面形状を規定する輪郭が連続する平行部分を実質的に含まない圧電薄膜デバイス。
  2. 前記自由振動領域の平面形状を規定する輪郭が、前記対向領域の平面形状を規定する輪郭と平行な連続する平行部分を実質的に含まない請求項1に記載の圧電薄膜デバイス。
  3. 前記自由振動領域の平面形状を規定する輪郭が、複数の直線区分を含み、前記複数の直線区分の各々が相互に非平行となっている請求項1又は請求項2に記載の圧電薄膜デバイス。
  4. 前記輪郭が、曲線区分を含む請求項1又は請求項2に記載の圧電薄膜デバイス。
  5. 前記自由振動領域の平面形状が、回転対称軸Cn(n≧2)を持たない請求項1に記載の圧電薄膜デバイス。
  6. 前記電極が前記圧電体薄膜の平坦な両主面に形成される請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の圧電薄膜デバイス。
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